JPH0692092A - 漆器の製造方法 - Google Patents
漆器の製造方法Info
- Publication number
- JPH0692092A JPH0692092A JP22824491A JP22824491A JPH0692092A JP H0692092 A JPH0692092 A JP H0692092A JP 22824491 A JP22824491 A JP 22824491A JP 22824491 A JP22824491 A JP 22824491A JP H0692092 A JPH0692092 A JP H0692092A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、漆器等の工芸品の付加価値を高め
るため、花鳥や幾何模様に抜き取った貝薄板を貼り、そ
の模様を真珠色のように発色せしめ、宝石箱、小物入
れ、盆などに美観を与える漆器の製造。 【構成】スクリーン印刷により貝殻薄板の表面をインク
でマスクし、化学処理によって所定の形状に凹凸を付
け、抜き出した後、その模様の付いた貝殻薄板を漆器の
中塗り後の塗膜面に接着することを特徴とする。
るため、花鳥や幾何模様に抜き取った貝薄板を貼り、そ
の模様を真珠色のように発色せしめ、宝石箱、小物入
れ、盆などに美観を与える漆器の製造。 【構成】スクリーン印刷により貝殻薄板の表面をインク
でマスクし、化学処理によって所定の形状に凹凸を付
け、抜き出した後、その模様の付いた貝殻薄板を漆器の
中塗り後の塗膜面に接着することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、漆器等の工芸品の付加
価値を高めるため、花鳥や幾何模様に抜き取った貝殻薄
板を貼り、その模様を真珠色のように発色せしめ、宝石
箱、小物入れ、盆などの漆器製品に美観を与えるための
製造方法に関する。
価値を高めるため、花鳥や幾何模様に抜き取った貝殻薄
板を貼り、その模様を真珠色のように発色せしめ、宝石
箱、小物入れ、盆などの漆器製品に美観を与えるための
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】古来、日本や中国、韓国等に伝わる螺鈿
は、漆器の表面に花鳥や幾何模様に抜き取った貝殻薄板
を貼る技法で、元来、貝殻は炭酸カルシウムの薄い層が
重なって造られているため、これを照らす光線に対して
貝特有の干渉色や真珠のように発色し、貼られた貝の模
様を非常にきれいに光らせ、漆器の高級感を増す装飾と
して多用されている。
は、漆器の表面に花鳥や幾何模様に抜き取った貝殻薄板
を貼る技法で、元来、貝殻は炭酸カルシウムの薄い層が
重なって造られているため、これを照らす光線に対して
貝特有の干渉色や真珠のように発色し、貼られた貝の模
様を非常にきれいに光らせ、漆器の高級感を増す装飾と
して多用されている。
【0003】従来の螺鈿の加工技術は、貝殻薄板を小刀
あるいは針先で所望の形状に切り出し、模様の付いた貝
殻薄板を漆器製造工程における中塗り、研磨後に所定の
場所に接着し、さらに上塗りを重ねていた。漆器の製作
は、塗り、研ぎ、螺鈿の加工はすべて熟練のいる職人仕
事で、製品に掛かる人権費率が高くコスト高となってい
る。また、作業の従事者は高齢化しており、漆器の生産
工程中とくに螺鈿加工の後継者不足は深刻な問題となっ
ている。
あるいは針先で所望の形状に切り出し、模様の付いた貝
殻薄板を漆器製造工程における中塗り、研磨後に所定の
場所に接着し、さらに上塗りを重ねていた。漆器の製作
は、塗り、研ぎ、螺鈿の加工はすべて熟練のいる職人仕
事で、製品に掛かる人権費率が高くコスト高となってい
る。また、作業の従事者は高齢化しており、漆器の生産
工程中とくに螺鈿加工の後継者不足は深刻な問題となっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法では、
貝の切抜き工程において極めて熟練した職人技が必要で
あるとともに、加工に長時間かかり量産に向かない。ま
た、手仕事では曲線形状や極細かい模様に切り出すこと
は不可能であった。
貝の切抜き工程において極めて熟練した職人技が必要で
あるとともに、加工に長時間かかり量産に向かない。ま
た、手仕事では曲線形状や極細かい模様に切り出すこと
は不可能であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、貝殻
薄板の表面に模様を印刷した後、化学処理によって所定
の形に凹凸を付け、抜き出す。該貝殻薄板を漆器製造工
程における中塗り、研磨後に所定の場所に接着し、さら
に上塗りを重ねることにより製品を作製する。本発明の
漆器の製造方法において、印刷技術と化学処理を併用す
ることにより任意の模様の付いた螺鈿用貝殻薄板を作製
し、漆器の製造に応用することにより、古来から伝わる
螺鈿と同様な効果が得られるだけでなく、手加工では出
来なかった複雑で微細な模様の表現が可能となる。
薄板の表面に模様を印刷した後、化学処理によって所定
の形に凹凸を付け、抜き出す。該貝殻薄板を漆器製造工
程における中塗り、研磨後に所定の場所に接着し、さら
に上塗りを重ねることにより製品を作製する。本発明の
漆器の製造方法において、印刷技術と化学処理を併用す
ることにより任意の模様の付いた螺鈿用貝殻薄板を作製
し、漆器の製造に応用することにより、古来から伝わる
螺鈿と同様な効果が得られるだけでなく、手加工では出
来なかった複雑で微細な模様の表現が可能となる。
【0006】
【作用】化学処理法で貝殻薄板を任意の形に抜き出す方
法は、化学処理に耐える皮膜を作るため、貝殻薄板の表
面に模様を薬品に耐えるインキで印刷した後、稀塩酸、
稀硝酸、塩化第二鉄液等の酸に浸漬し所定の形に凹凸を
付け、抜き出すことによって、螺鈿加工工程において熟
練した職人が手作業で行う必要がなく、産業的に生産す
ることができる。抜き出した貝殻薄板は漆器表面に接着
することにより、螺鈿で加飾した漆器製品が製造でき
る。
法は、化学処理に耐える皮膜を作るため、貝殻薄板の表
面に模様を薬品に耐えるインキで印刷した後、稀塩酸、
稀硝酸、塩化第二鉄液等の酸に浸漬し所定の形に凹凸を
付け、抜き出すことによって、螺鈿加工工程において熟
練した職人が手作業で行う必要がなく、産業的に生産す
ることができる。抜き出した貝殻薄板は漆器表面に接着
することにより、螺鈿で加飾した漆器製品が製造でき
る。
【0007】
【実施例】図1〜図7は、本発明にかかる螺鈿漆器の製
造方法を示す断面図である。まず図1のように、あわび
貝等の貝殻薄板1の上面に薬品の腐食保護のため、酸化
重合型インキ、合成樹脂系インキ、レジストインキ等で
花鳥や幾何模様をスクリーン印刷でインキ膜2を形成
し、下面は筆、刷毛等でレジストインキ等を塗り裏面マ
スキング膜3を形成後、稀硝酸(5%程度)に浸漬し、
保護されていない部分をエッチング溶解し、エッチング
後の貝殻薄板1’を得る。この場合、一般に他の印刷法
の4〜5倍以上の印刷皮膜を得ることができるスクリー
ン印刷法を使いマスキングをしなければ、エッチング液
に耐える保護膜を得られない。また、印刷以外のマスキ
ング方法では、能率が悪く実用的ではない。
造方法を示す断面図である。まず図1のように、あわび
貝等の貝殻薄板1の上面に薬品の腐食保護のため、酸化
重合型インキ、合成樹脂系インキ、レジストインキ等で
花鳥や幾何模様をスクリーン印刷でインキ膜2を形成
し、下面は筆、刷毛等でレジストインキ等を塗り裏面マ
スキング膜3を形成後、稀硝酸(5%程度)に浸漬し、
保護されていない部分をエッチング溶解し、エッチング
後の貝殻薄板1’を得る。この場合、一般に他の印刷法
の4〜5倍以上の印刷皮膜を得ることができるスクリー
ン印刷法を使いマスキングをしなければ、エッチング液
に耐える保護膜を得られない。また、印刷以外のマスキ
ング方法では、能率が悪く実用的ではない。
【0008】エッチング後は、インキ膜2及び裏面マス
キング膜3を水酸化ナトリウム水溶液等で除去する。そ
れでも取れない場合は有機溶剤で剥離または溶解除去す
る。すると模様の付いた貝殻薄板1’が残る。これを漆
器製作工程の中塗り研磨後の塗膜5の膜面に接着剤で貼
り、漆上塗り膜6を塗り乾燥後、貝殻薄板面が露出する
まで漆上塗り膜6を研磨して仕上げることにより図8の
ごとく螺鈿加飾の漆器製品ができる。
キング膜3を水酸化ナトリウム水溶液等で除去する。そ
れでも取れない場合は有機溶剤で剥離または溶解除去す
る。すると模様の付いた貝殻薄板1’が残る。これを漆
器製作工程の中塗り研磨後の塗膜5の膜面に接着剤で貼
り、漆上塗り膜6を塗り乾燥後、貝殻薄板面が露出する
まで漆上塗り膜6を研磨して仕上げることにより図8の
ごとく螺鈿加飾の漆器製品ができる。
【0009】なお、エッチング作業において、貝殻薄板
のマスクされた模様部分以外を、貫通するまでエッチン
グすれば図3のような抜き出されたパターンになり、そ
れよりエッチング時間を短くすれば図4のような凹凸模
様の螺鈿用薄貝を得ることができる。細かい独立したパ
ターンのものは、エッチング時間を短くすることで離れ
た模様はつながり、エッチングされた薄貝パターンは、
ばらばらに離れることがないので、以下の工程の作業も
容易となる。つながっている貝殻薄板は手で折るか、刃
物で容易に切り離すことができる。 従って、模様の種
類やデザインに応じて、エッチング時間の加減で容易に
凹凸模様を付けるか、または、抜き出し模様の螺鈿用貝
殻薄板を作製することができる。
のマスクされた模様部分以外を、貫通するまでエッチン
グすれば図3のような抜き出されたパターンになり、そ
れよりエッチング時間を短くすれば図4のような凹凸模
様の螺鈿用薄貝を得ることができる。細かい独立したパ
ターンのものは、エッチング時間を短くすることで離れ
た模様はつながり、エッチングされた薄貝パターンは、
ばらばらに離れることがないので、以下の工程の作業も
容易となる。つながっている貝殻薄板は手で折るか、刃
物で容易に切り離すことができる。 従って、模様の種
類やデザインに応じて、エッチング時間の加減で容易に
凹凸模様を付けるか、または、抜き出し模様の螺鈿用貝
殻薄板を作製することができる。
【0010】凹凸模様の螺鈿用貝殻薄板も抜き出したも
のも、中塗り後の漆器塗膜面に貼り、その後、同様の工
程で製作することができる。
のも、中塗り後の漆器塗膜面に貼り、その後、同様の工
程で製作することができる。
【0011】
【発明の効果】このように本発明の漆器の製造方法は、
螺鈿加工工程に印刷技術と化学処理を併用することによ
り容易に任意の模様の付いた貝殻薄板が作製でき、それ
を漆器の加飾に応用すれば、古くから伝わる螺鈿と同様
に漆器製品に美観を与え高級化を図る効果が得られるだ
けでなく、手加工では出来なかった複雑で微細な模様の
螺鈿加飾漆器生産が可能となる。
螺鈿加工工程に印刷技術と化学処理を併用することによ
り容易に任意の模様の付いた貝殻薄板が作製でき、それ
を漆器の加飾に応用すれば、古くから伝わる螺鈿と同様
に漆器製品に美観を与え高級化を図る効果が得られるだ
けでなく、手加工では出来なかった複雑で微細な模様の
螺鈿加飾漆器生産が可能となる。
【図1】貝殻薄板にマスキングした断面図である。
【図2】貝殻薄板エッチング後の断面図である。
【図3】エッチング後、マスキングを剥離した透かし模
様の貝殻薄板の断面図である。
様の貝殻薄板の断面図である。
【図4】エッチング後、マスキングを剥離した凹凸模様
の貝殻薄板の断面図である。
の貝殻薄板の断面図である。
【図5】透かし模様の貝殻薄板を中塗り後の漆器表面に
貼った断面図である。
貼った断面図である。
【図6】模様の付いた貝殻薄板を貼り、漆を上塗りした
断面図である。
断面図である。
【図7】漆器塗面を研磨し仕上げた断面図である。
【図8】本発明適用例の漆器小箱斜視図である。
1 貝殻薄板 1’エッチング後の貝殻薄板 2 インキ膜 3 裏面マスキング膜 4 漆器素地 5 塗膜 6 漆上塗り膜 7 漆器本体
Claims (1)
- 【請求項1】スクリーン印刷により貝殻薄板の表面をイ
ンクでマスクし、化学処理によって所定の形状に凹凸を
付け、抜き出した後、その模様の付いた貝殻薄板を漆器
の中塗り後の塗膜面に接着することを特徴とする漆器の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22824491A JPH06102395B2 (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | 漆器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22824491A JPH06102395B2 (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | 漆器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692092A true JPH0692092A (ja) | 1994-04-05 |
JPH06102395B2 JPH06102395B2 (ja) | 1994-12-14 |
Family
ID=16873423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22824491A Expired - Lifetime JPH06102395B2 (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | 漆器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06102395B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020080183A (ko) * | 2001-04-12 | 2002-10-23 | 박차랑 | 나전피복 장식품 및 나전 피복법 |
CN101941352A (zh) * | 2010-07-30 | 2011-01-12 | 赵彦斌 | 一种制作具有奇幻图案漆画的方法 |
JP7124239B1 (ja) * | 2022-02-01 | 2022-08-23 | 博文 陳 | 漆製品の製造方法 |
-
1991
- 1991-08-12 JP JP22824491A patent/JPH06102395B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020080183A (ko) * | 2001-04-12 | 2002-10-23 | 박차랑 | 나전피복 장식품 및 나전 피복법 |
CN101941352A (zh) * | 2010-07-30 | 2011-01-12 | 赵彦斌 | 一种制作具有奇幻图案漆画的方法 |
JP7124239B1 (ja) * | 2022-02-01 | 2022-08-23 | 博文 陳 | 漆製品の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06102395B2 (ja) | 1994-12-14 |
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