JPH0692017B2 - 熱間鍛造法 - Google Patents

熱間鍛造法

Info

Publication number
JPH0692017B2
JPH0692017B2 JP23704790A JP23704790A JPH0692017B2 JP H0692017 B2 JPH0692017 B2 JP H0692017B2 JP 23704790 A JP23704790 A JP 23704790A JP 23704790 A JP23704790 A JP 23704790A JP H0692017 B2 JPH0692017 B2 JP H0692017B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel material
conventional method
forging
present
hot forging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23704790A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04118135A (ja
Inventor
正弘 戸田
武司 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP23704790A priority Critical patent/JPH0692017B2/ja
Publication of JPH04118135A publication Critical patent/JPH04118135A/ja
Publication of JPH0692017B2 publication Critical patent/JPH0692017B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forging (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋼材を用いて機械部品を製造する際に適用す
る熱間鍛造法に関するものである。
[従来の技術] 自動車や建設機械等大量生産される機械の主要な強度部
品の多くは熱間鍛造と切削、あるいは冷間鍛造によって
成形した後に熱処理によって強度を付与し、疲労や摩耗
に耐えるようにされている。ところが、これらの工程で
は熱間鍛造のように1200℃という高温加熱による熱エネ
ルギーの消費に加え、熱処理のために900℃近くの再加
熱を行うほか、切削による素材ロスが10〜20%といった
膨大な熱エネルギーを消費する。一方冷間鍛造は加熱工
程としては鍛造後の熱処理があるだけでありながら、工
具負荷が急増する高強度素材の適用には難点がある。こ
れらの課題を解決する手段として、熱間鍛造における高
熱加熱時の熱を利用して熱処理と加工を行い、熱エネル
ギー消費を省略する方法が考えられる。
旧来より熱間鍛造時の高温加熱は、高強度素材のような
常温で加工困難な鋼材に対し、熱を加えることにより素
材を軟化させることを目的としており、その行程は第2
図のようになる。即ち第2図は旧来の熱間鍛造による工
程を示すブロック図であって、同図において、1は鋼
材、2は1100℃以上の加熱、3は熱間鍛造、4は焼きな
らし、5は切削で6の機械部品が完成する。しかしこの
工程は加熱2、焼きならし4と2回もの加熱工程を含
み、そこで消費される熱エネルギーは膨大なものとな
る。
そこで本発明者らは特開昭59-232641に示すごとく2の
加熱後鋼材表面を1000℃以下に急冷し、その直後熱間鍛
造することにより、第2図の焼きならし4を省略する方
法を発明した。その工程は第3図に示すブロック図のよ
うになる。同図において、1は鋼材、2は加熱、そして
鋼材表面から5〜10mmの部分に1000℃以下の急冷冷却7
が施され、その直後鋼材内部がまだ十分に軟化した状態
の内に、熱間鍛造3を行い、切削5を施すことで機械部
品6が完成する。この方法では急速冷却直後に熱間鍛造
を施すことにより、急速冷却された鋼材表層部が細粒化
でき、機械部品として必要な靭性を付与できることによ
り、第2図での焼きならし工程4が省略が可能となる。
また急速冷却では鋼材の表層部のみが冷却されるだけで
あり、中央部は十分に熱せられたままであり、成形荷重
と型充満性は旧来から行われている第2図でそれと変わ
らず熱間鍛造ができることになる。即ち焼きならしでの
再加熱が省略でき、かつ表層部に靭性の良い細結晶粒層
を得ることができる方法である。
[発明が解決しようとする課題] しかし昨今の経済情勢から、機械部品としてより軽量、
小型でしかも従来以上の性能を要求されており、現状の
方法ではそれに応えることが出来ない段階まできてい
る。即ち第3図に示した特開昭59-232641号公報の従来
法では、1100℃以上に加熱するため鋼材表面に軟化スケ
ールが生じ、5の切削工程を必要とする。そのため、靭
性の良い鋼材表層部を一部除去することになる。また鋼
材表層部を除去することは、鍛造時に付与され、疲労特
性に対し有効な圧縮残留応力を解放することになる問題
点を有していた。
[課題を解決するための手段] 本発明はこうした現状に鑑みてなされたもので、従来以
上の機械部品性能を、より簡略化した工程で達成するこ
とを目的としたものである。その要旨は、不活性ガス雰
囲気中で、鋼材を1100℃以上に加熱した後、冷却した金
型内で鋼材表面から2mmないし10mmの部分を1000℃以下
に急冷し、直ちに鍛造加工を加えることを特徴とする熱
間鍛造法にある。
以下に本発明を図面に基づいて詳細に検討する。
[作用] 第1図は、本発明の熱間鍛造法の工程をブロック図とし
て図示したものである。同図において、8の不活性ガス
雰囲気中にある鋼材1に対して1100℃以上の加熱2が行
われた後、冷却された金型内に加熱された鋼材1を挿入
し鋼材表面から10mm以下の部分を1000℃以下にする急速
冷却9が施され、その直後鋼材内部がまだ十分に軟化し
た状態の内に、熱間鍛造3を行うことで機械部品6が完
成する。
第3図に示された従来法に比べ、第1図に示した本発明
法では1〜3の工程が不活性ガス雰囲気8の中で行われ
るため、酸化スケールが生じることが無い。その結果、
5の切削工程が省略可能となり、従来実現ができなかっ
た性能を付与できることになった。即ち従来法では鍛造
後に得られる細結晶粒の層が表層から10mmあるにもかか
わらず、鋼材表面の酸化スケール除去のための切削を行
うため、靭性の良い細結晶粒の層は10mm未満になってし
まう。これに対し本発明法では切削工程が省略できるた
め、鋼材表面から10mm以下の部分を靭性の高い細結晶粒
層に保つことができることになった。また切削工程を省
略できることは、捩り疲労特性に有効な圧縮残留応力を
持つ表層部を除去する必要がないために、捩り疲労特性
も向上できる。さらに完成した製品は、素材のメタルフ
ローが完全に滑らかに連続しており、切削したものに比
べ、疲労、耐摩耗性にも優れたものになる。
本発明法の場合、不活性ガス雰囲気で加工を行うのは、
加熱により鋼材表層部に酸化スケールができないように
するためであり、真空中でも良い。加熱温度を1100℃以
上とするのは、鋼材をオーステナイト化し鋼材を十分に
軟化させるとともに、再結晶させるためである。さらに
本発明法では鍛造前に鋼材表面から10mm以下の部分を10
00℃以下に急速冷却することにより、製品表層部では結
晶粒径は十分に小さく、かつ加工を付与しているので優
れた靭性を出すことができる。
この場合、急速冷却とは鋼材表層部だけを瞬時に冷却す
ることである。不活性ガス雰囲気内での鋼材の油冷、水
冷は困難であることから、鍛造時の金型を冷却させてお
き鋼材が金型中に挿入されることにより鋼材表層部が冷
却される方法とした。金型表面温度を10℃以下としたの
は、10℃を超えると鋼材の冷却効果がうすれるからであ
る。急速冷却する際の温度の上限を1000℃と定めたの
は、それを超す温度では結晶粒径が大きくなるため、得
られる加工品の結晶を細粒化することができず、鍛造に
より靭性が付与できないからである。またこの温度を表
層から10mm以下としたのは、鋼材表面から10mmを超える
部分を急速冷却すると、鋼材内部の軟化を妨げるからで
ある。また冷却後直ちに鍛造するのは、鋼材表層部のみ
を冷却し中心部の変形抵抗が上昇し成形荷重が増えるの
を防ぐためである。また2mm以上としたのは、これ未満
では靭性向上の効果がうすれるからである。鍛造加工を
10秒以内で終了するのは、10秒を超す時間をかけて鍛造
加工を行うと、加工中に鋼材が冷却され成形荷重が急増
するからである。さらに本発明法では、金型の冷却温度
および鍛造時間をコントロールすることにより、鋼材表
面の急速冷却と鍛造加工を同時に行うことも可能であ
る。
自動車部品の多くは、疲労や摩耗に耐えうる強度、靭
性、圧縮残留応力を要求されるが、ことに製品の表層部
において重要である。本発明は、その表層部の靭性およ
び圧縮残留応力を鍛造付与するものであり、従来からの
熱間鍛造に比べ数段と疲労や摩耗に強い機械部品を切削
を行わずに製造できるものである。
次に実施例により本発明の効果をさらに具体的に詳述す
る。
[実施例] 素材として42.5mmφ×150mmのSCM420を用い、第4図の
形状に第2図、第3図の工程で加工した。第4図におい
て加工品の寸法形状はL1=20mm、L2=183mm、L3=219m
m、D1=42.5mmφ、D2=34mmφで減面率は36%である。
なおここで第2図の工程を従来法1、第3図の工程を従
来法2とする。
従来法1および従来法2の工程において加熱2は誘導加
熱で1250℃で5分保持した。従来法2(第3図の工程)
において、鋼材の急速冷却7は油中15秒保持し、鋼材表
面から5mm内部の位置では826℃、10mm内部では990℃で
あった。従来法1(第2図の工程)における焼きならし
は、830℃1時間保持とした。さらに従来法1及び従来
法2では、加工品表面の酸化スケールを除去するため34
mmφ×183mmの軸部表面を2mm切削し、長さを100mmにし
て30mmφ×100mmの製品にした。
また素材として37.5mmφ×100mmのSCM420を用い、第5
図の形状に本発明法である第1図の工程で加工した。第
5図において加工品の形状はL1=10mm、L2=123mm、L3
=147mm、D1=37.5mmφ、D2=30mmφで減面率は36%で
あり、鍛造時の加工率である減面率は従来法1および従
来法2と同じである。本発明法である第1図の工程にお
いて、チャンバー内を10-2torrまでエアーを引いた後、
窒素ガスを充満させ、その後の加工をこのチャンバー内
で行った。加熱2は誘導加熱で1250℃で5分保持した。
その後の急速冷却9は、金型を水により冷却し、2で加
熱された鋼材1を金型内に5秒間保持し、その直後に鍛
造した。なおこの時の金型表面温度は10℃であり、鍛造
前の鋼材表面温度は768℃、鋼材表面から5mm内部の位置
では811℃、10mm内部では996℃であった。また鍛造時間
は2秒で加工した。本発明法では加工品表面に酸化スケ
ールが生じないので30mmφ×123mmの軸部を長さを100mm
にし、30mmφ×100mmの製品にした。
さらに成形荷重を従来法と比較するために、本発明法で
ある第1図の工程により、42.5mmφ×150mmのSCM420を
用いて第4図の形状に鍛造した。その時の加熱条件、急
速冷却条件は全て37.5mmφ×100mmの場合と同じにし
た。
第1表に、鍛造時の成形荷重及び製品表面の結晶粒度番
号を示す。成形荷重は42.5mmφ×150mmの場合であり、
従来法1、従来法2、本発明法ともほとんど変わらず、
旧来の熱間鍛造と変わらない加工性が保持できる。結晶
粒径は、本発明法によるものが最も細粒化している。そ
の効果は靭性向上につながると考えられ、30mmφ×100m
mの製品からJIS4号2mmVノッチシャルピー試験片を採取
し衝撃値を調べたものを第1表に併記する。なおシャル
ピー試験片は、30mmφ×100mmの製品において、23mmφ
の位置がVノッチ低部に位置するように採取した。同表
より、従来法1では5.2kgf・m、従来法2では6.5kgf・
mなのに対し本発明法では10.2kgf・mと衝撃値は最も
高く、これにより従来法1に対して96%、従来法2に対
して57%の靭性向上が可能になる。
第2表には従来法1、従来法2、本発明法による30mmφ
×100mmの製品の表面硬度、軸方向残留応力、捩り疲労
限を測定した結果を示す。同表より表面硬度は従来法
1、従来法2および本発明法でほとんど変わらないもの
の、表面残留応力は従来法1で5.7kgf/mm2、従来法2で
5.2kgf/mm2と引張残留応力なのに対して、切削加工を行
わない本発明法では−58.7kgf/mm2と圧縮残留応力とな
った。その結果捩り疲労限も、従来法1、従来法2でそ
れぞれ18.7kgf/mm2、19.8kgf/mm2であるのに対し、本発
明法では25.2kgf/mm2と高い捩り疲労値を示した。さら
に本発明法による切削工程の削減により、製品コストは
10〜15%の削減となるが、こうして得られる性能向上に
より、自動車部品の軽量化が達成される。即ち捩り疲労
限が従来法1の18.7kgf/mm2から25.2kgf/mm2へ向上する
と、軸径30mmから26mmへ細径化できる。また従来法2に
比べてもの捩り疲労限が19.2kgf/mm2から25.2kgf/mm2
向上することにより、やはり軸径30mmから26mmへ細径化
できることになり、重量軽減は約25%に達する。
[発明の効果] 以上に述べたように本発明は、機械部品製造にあたって
の工程を省略するとともに、部品性能を従来よりも改善
でき、工業上極めて利益が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明法の熱間鍛造法による工程を示すブロッ
ク図、第2図、第3図は従来の熱間鍛造による工程を示
すブロック図、第4図および第5図は押出し加工品の寸
法形状を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性ガス雰囲気中で、鋼材を1100℃以上
    に加熱した後、表面温度を10℃以下に冷却した金型内で
    鋼材表面から2mmないし10mmまでの部分を1000℃以下に
    急冷し、直ちに鍛造加工を加え、10秒以内に鍛造加工を
    終了することを特徴とする熱間鍛造法。
JP23704790A 1990-09-10 1990-09-10 熱間鍛造法 Expired - Lifetime JPH0692017B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23704790A JPH0692017B2 (ja) 1990-09-10 1990-09-10 熱間鍛造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23704790A JPH0692017B2 (ja) 1990-09-10 1990-09-10 熱間鍛造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04118135A JPH04118135A (ja) 1992-04-20
JPH0692017B2 true JPH0692017B2 (ja) 1994-11-16

Family

ID=17009620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23704790A Expired - Lifetime JPH0692017B2 (ja) 1990-09-10 1990-09-10 熱間鍛造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0692017B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5406824A (en) * 1992-09-17 1995-04-18 Nippon Steel Corporation Process of hot forging at ultrahigh temperature

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04118135A (ja) 1992-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1077378A (en) Method of working steel machine parts including machining during quench cooling
JP3859504B2 (ja) アルミ化チタン金属材料の強化処理方法及び同方法を適用される金属材料
JP5273952B2 (ja) 熱間鍛造金型及びその製造方法
KR100421772B1 (ko) 지르코늄 합금 튜브의 제조방법
JP2007146233A (ja) 鋼製自動車用構造部品の製造方法
JP2000063935A (ja) 窒化部品の製造方法
JP2001294974A (ja) 被削性に優れ熱処理変寸が小さい工具鋼およびその製造方法
JPH0692017B2 (ja) 熱間鍛造法
JP3867471B2 (ja) 鋼材の強化方法
JPH08127851A (ja) 腐食疲労に優れた鍛造アルミニウム合金ホイールの製造方法
JPH07305139A (ja) 非調質機械部品およびその製造方法
JP2795799B2 (ja) 耐遅れ破壊特性の優れた高強度ボルトの製造方法
JPS61231150A (ja) Ti合金線材の製造方法
JPS6135249B2 (ja)
JP2713346B2 (ja) 高強度特性に優れたステンレス鋼線およびその製造法
JP2674644B2 (ja) 機械構造用部品の製造方法
JP3716454B2 (ja) 温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法
JP3907450B2 (ja) 高強度鍛造品の製造方法
JP2004269981A (ja) 棒鋼の製造方法
JP2001335833A (ja) 高疲労強度鋼材およびその製造方法
JPH1099930A (ja) 高速度鋼の高速熱間鍛造方法
JPH01222037A (ja) Ti‐6Al‐4V板の冷間圧延方法
JPS63270448A (ja) α型および準α型チタン合金板の製造方法
JPH0448055A (ja) チタン合金の高強度熱処理法
JP2003041340A (ja) 等速ジョイントアウター用鋼材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071116

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term