JPH0691687B2 - ガス絶縁開閉装置用ガス圧力監視装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は密閉容器の内部に，絶縁ガスと共に開閉部分を
収納して構成されるガス絶縁開閉装置において、特に絶
縁ガスの圧力を正確にしかも常時監視し得るようにした
ガス絶縁開閉装置用ガス圧力監視装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来から、電力系統を構成する機器として、ガス絶縁開
閉装置が多く採用されてきている。このガス絶縁開閉装
置は、密閉容器の内部にSF₆等の絶縁ガスと共に開閉部
分を収納して遮断器ユニットを形成し、かつその密閉容
器の外周にブッシング取付部を、また密閉容器の端部に
変換機器取付部を形成し、この変換機器取付部に他の変
電機器，例えば母線ユニット，接地装置，断路器ユニッ
トを組合せて構成されるものである。そして、この種の
ガス絶縁開閉装置においては、絶縁ガスによる電気絶縁
性を保つために、密閉容器の内部に絶縁ガスを規定圧力
で封入するようにしている。しかしながら、何らかの原
因（例えば容器に穴があく等）によって密閉容器からの
ガス漏れが生じると、容器内部の絶縁ガスの圧力が低下
して、上述の電気絶縁性能が損なわれてしまうことにな
る。

そのため最近では、密閉容器内部の絶縁ガスの圧力をガ
ス圧力監視装置により監視し、ガス漏れを検出して容器
に穴があく等の重大事故の発見を行なうようにしてい
る。すなわち、従来におけるガス絶縁開閉装置用のガス
圧力監視装置としては、圧力スイッチを用いてその動作
値をガス圧力警報値に設定しておき、ガス絶縁開閉装置
の密閉容器内のガス圧力がガス圧力警報値となった時に
圧力スイッチを動作させ、その接点を使用してガス漏れ
に関する警報を出力するものが採用されてきている。

しかしながら、このような従来のガス圧力監視装置にお
いては、ガス圧力の値を常時測定監視することが不可能
であり、また一定時間内におけるガス圧力の急激な変
化，つまりガス圧力変化量を監視することも不可能であ
る。さらに、ガス圧力はガス温度の変化によっても変化
するが、従来の装置ではガス温度の変化によるガス圧力
の変化を考慮していないことから、ガス圧力の変化によ
って本来警報が出力するべきものが警報出力されなかっ
たり、逆に本来警報を出力するべきでないものが警報出
力されたりするという問題がある。

（発明が解決しようとする問題点） 以上のように、従来のガス圧力監視装置においては、ガ
ス絶縁開閉装置におけるガス圧力の値を常時監視した
り、一定時間内におけるガス圧力変化量を監視すること
が不可能であるばかりでなく、ガス温度の変化による影
響を受けて正確なガス圧力の監視を行なえないという問
題があった。

そこで、本発明では、ガス絶縁開閉装置におけるガス圧
力の値と共に，一定時間内におけるガス圧力変化量をも
常時監視することができ、ガス温度の変化による影響を
補正して正確なガス圧力の監視を行なうことが可能な信
頼性の高いガス絶縁開閉装置用ガス圧力監視装置を提供
することを目的とするものである。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために本発明のガス圧力監視装置
は，ガス絶縁開閉装置における密閉容器内部の絶縁ガス
の圧力を検出するガス圧力検出器と、上記密閉容器内部
の絶縁ガスの温度を検出するガス温度検出器と、上記ガ
ス圧力検出器およびガス温度検出器から出力されるガス
圧力検出信号およびガス温度検出信号を夫々一定時間毎
に入力処理する入力処理手段，この入力処理手段にて入
力処理されたガス圧力検出信号およびガス温度検出信号
を入力し，かつ当該ガス圧力検出信号に対しガス温度検
出信号による補正を行なって補正ガス圧力検出信号を得
る補正ガス圧力導出手段，この補正ガス圧力導出手段に
て得られた補正ガス圧力検出信号を入力し，補正ガス圧
力導出手段にて得られた補正ガス圧力検出信号の値を予
め設定されたガス圧力警報値と比較し，この比較結果に
応じて警報を出力する機能，および補正ガス圧力導出手
段にて得られた一定時間内の補正ガス圧力検出信号の変
化量を予め設定されたガス圧力変化量警報値と比較し，
この比較結果に応じて警報を出力する機能を有する比較
判定手段からなるガス圧力監視手段とを備えて構成する
ようにしたことを特徴とする。

（作用） 上述のガス絶縁開閉装置用ガス圧力監視装置において
は、ガス絶縁開閉装置における絶縁ガスの圧力および温
度を夫々検出するガス圧力検出器およびガス温度検出器
から出力されるガス圧力検出信号およびガス温度検出信
号が、入力処理手段によって夫々一定時間毎に入力処理
され、また補正ガス圧力導出手段によりこの入力処理さ
れたガス圧力検出信号に対してガス温度検出信号による
補正を行なって補正ガス圧力検出信号が得られる。そし
て、この補正ガス圧力検出信号の値および変化量は、比
較判定手段によってガス圧力警報値およびガス圧力変化
量警報値と比較され、それぞれの比較結果がガス圧力警
報出力条件を満足した場合には、警報出力が送出される
ことになる。

（実施例） 以下、本発明を図面に示す一実施例を参照して説明す
る。

第１図は、本発明よるガス絶縁開閉装置用ガス圧力監視
装置の構成例を示すものである。第１図において、１は
監視所から遠方に設けられ，密閉容器の内部に絶縁ガス
と共に開閉部分を収納して構成されるガス絶縁開閉装
置、２はこのガス絶縁開閉装置１における密閉容器内部
の絶縁ガスの圧力を検出するガス圧力検出器、３は同じ
く密閉容器内部の絶縁ガスの温度を検出するガス温度検
出器である。また、４は上記ガス圧力検出器２およびガ
ス温度検出器３から電気信号として出力されるガス圧力
検出信号およびガス温度検出信号を夫々光信号に変換す
る電気／光変換装置、51,52はこの電気／光変換装置４
から出力される各々の光信号を夫々伝送するための光ケ
ーブル、６はこの各光ケーブル51,52により伝送される
光信号を夫々再び電気信号に変換する光／電気変換装
置、71,72はこの光／電気変換装置６から出力される各
々の電気信号を夫々伝送するための電気ケーブル、８は
この各電気ケーブル71,72により伝送される電気信号を
夫々入力とする，例えばマイクロコンピューターから構
成される監視所側に設けられたガス圧力監視手段であ
る。

次に第２図は、第１図におけるガス圧力監視手段８の構
成例を機能ブロック図にて示すものである。第２図にお
いて、81は上記各電気ケーブル71および72を介して夫々
伝送される上記ガス圧力検出器２およびガス温度検出器
３からのガス圧力検出信号Ｐおよびガス温度検出信号Ｔ
を夫々一定時間毎に入力処理する入力処理手段、82はこ
の入力処理手段81にて入力処理されたガス圧力検出信号
Ｐおよびガス温度検出信号Ｔを入力し，かつ当該ガス圧
力検出信号Ｐに対しガス温度検出信号Ｔによる補正を行
なって補正ガス圧力検出信号Poを得る補正ガス圧力導出
手段、83はこの補正ガス圧力導出手段82にて得られた補
正ガス圧力検出信号Poを入力し，（ａ）この補正ガス圧
力検出信号Poの値を予め設定されたガス圧力警報値Psと
比較し、この比較結果に応じて警報AL1を出力する機
能，および一定時間内の上記補正ガス圧力検出信号Poの
変化量を予め設定されたガス圧力変化量警報値Psrと比
較し，この比較結果に応じて警報AL2を出力する機能を
有する比較判定手段である。ここで比較判定手段83は、
補正ガス圧力検出信号Poの値がガス圧力警報値Psを２回
以上下まわったことを検出したことを条件に警報AL1を
出力し、また補正ガス圧力検出信号Poの変化量がガス圧
力変化量警報値Psrを２回以上超えたことを検出したこ
とを条件に警報AL2を出力するようにしている。

かかる如く構成したガス絶縁開閉装置用ガス圧力監視装
置において、ガス絶縁開閉装置１に取付けられたガス圧
力検出器２およびガス温度検出器３は、密閉容器内部の
絶縁ガスの圧力および温度を夫々検出し、このガス圧力
検出器２およびガス温度検出器３から電気信号として出
力されるガス圧力検出信号およびガス温度検出信号は、
電気／光変換装置４で光信号に夫々変換して出力され
る。この電気／光変換装置４から出力された各々の光信
号は、光ケーブル51,52を通して光／電気変換装置６に
夫々伝送される。そして、この光ケーブル51,52からの
信号は光／電気変換装置６で電気信号に夫々変換され、
この各々の電気信号は電気ケーブル71,72を通してガス
圧力監視手段８に夫々導入される。

一方、ガス圧力監視手段８では、上記各電気ケーブル71
および72を介して夫々伝送されるガス圧力検出信号Ｐお
よびガス温度検出信号にＴに対して，入力処理手段81に
より夫々一定時間毎に入力処理が行なわれる。そして、
この入力処理手段81にて入力処理されたガス圧力検出信
号Ｐおよびガス温度検出信号Ｔは補正ガス圧力導出手段
82に入力され、ここでガス圧力検出信号Ｐに対して温度
検出信号Ｔによる補正を行ない，補正ガス圧力検出信号
Poが得られる。さらに、この補正ガス圧力導出手段82で
得られた補正ガス圧力検出信号Poは比較判定手段83に入
力され、ここでガス圧力警報出力条件の判定が行なわれ
る。すなわち、この比較判定手段83では補正ガス圧力検
出信号Poの値を予め設定されたガス圧力警報値Psと比較
し、その結果補正ガス圧力検出信号Poの値がガス圧力警
報値Psを２回以上下まわったことを検出した場合には警
報AL1が出力される。また、この比較判定手段83では、
一定時間内の補正ガス圧力検出信号Poの変化量を予め設
定されたガス圧力変化量警報値Psrと比較し、その結果
補正ガス圧力検出信号Poの変化量がガス圧力変化量警報
値Psrを２回以上超えたことを検出した場合には警報AL2
が出力される。なおこの場合、補正ガス圧力検出信号Po
の値がガス圧力警報値Psを下まわっていなくても、急激
なガス圧力の低下によって補正ガス圧力検出信号Poの変
化量がガス圧力変化量警報値Psrを２回以上超えたこと
を検出した場合には警報AL2が出力される。

第３図はガス圧力警報値Psを下まわるガス圧力値が２回
以上検出されて警報AL1が出力される場合における時間
とガス圧力との関係が一例を示したものであり、第４図
はガス圧力警報値Psを下まわるガス圧力値が１回しか検
出されず警報AL1が出力されない場合における時間とガ
ス圧力との関係の一例を示したものである。また、第５
図はガス圧力変化量警報値Psrを下まわるガス圧力変化
量が１回しか検出されず警報AL2が出力されない場合に
おける時間とガス圧力との関係の一例を示したものであ
り、第６図はガス圧力変化量警報値Psrを超えるガス圧
力変化量が２回以上検出されて警報AL2が出力される場
合における時間とガス圧力との関係の一例を示したもの
である。

上述したように、本実施例のガス絶縁開閉装置用ガス圧
力監視装置においては、ガス絶縁開閉装置１における絶
縁ガスの圧力の値と共に，一定時間内におけるガス圧力
変化量をも常時測定監視することができる。また、ガス
温度の変化によるガス圧力の変化を補正してガス圧力を
監視しているので、正確なガス圧力の監視を行なうこと
ができる。すなわち、ガス温度の変化によるガス圧力の
変化によって、従来のように本来警報を出力するべきも
のが警報出力されなかったり、逆に本来警報を出力する
べきでないものが警報出力されたりするということが無
くなる。さらに、ガス圧力監視手段83を構成するマイク
ロコンピューター自身，ガス圧力検出器2,ガス温度検出
器３あるいは伝送系等の瞬時の異常によって、ガス圧力
警報値あるいはガス圧力変化量警報値を超えるガス圧力
が検出されても、これらの警報値を２回以上超えるガス
圧力値あるいはガス圧力変化量が検出されない限りは警
報を出力しないようにしているので、ガス圧力の監視を
より一層正確に行なうことができる。さらにまた、ガス
圧力の値がある一定速度で急激に低下した場合には、た
とえばガス圧力の値がガス圧力警報値を下まわっていな
くても、ガス圧力の変化量がガス圧力変化量警報値を２
回以上超えた時には警報AL2を出力するようにしている
ので、ガス絶縁開閉装置の密閉容器に穴があく等の重大
事故の早期発見に極めて有効なものである。

尚、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
く、その要旨を変更しない範囲で種々に変形して実施す
ることができるものである。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、ガス絶縁開閉装置
におけるガス圧力の値と共に、一定時間内におけるガス
圧力変化量をも常時監視することができ、ガス温度の変
化による影響を補正して正確なガス圧力の監視を行なう
ことが可能な極めて信頼性の高いガス絶縁開閉装置用ガ
ス圧力監視装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるガス絶縁開閉装置用ガス圧力監視
装置の一実施例を示す構成図、第２図は同実施例におけ
るガス圧力監視手段の詳細を示すブロック構成図、第３
図乃至第６図は同実施例における作用を説明するための
時間とガス圧力との関係を夫々示す図である。 １…ガス絶縁開閉装置、２…ガス圧力検出器、３…ガス
温度検出器、４…電気／光変換装置、51,52…光ケーブ
ル、６…光／電気変換装置、71,72…電気ケーブル、８
…ガス圧力監視手段、81…入力処理手段、82…補正ガス
圧力導出手段、83…比較判定手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】密閉容器の内部に，絶縁ガスと共に開閉部
   分を収納して構成されるガス絶縁開閉装置において、前
   記密閉容器内部の絶縁ガスの圧力を検出するガス圧力検
   出器と、前記密閉容器内部の絶縁ガスの温度を検出する
   ガス温度検出器と、前記ガス圧力検出器およびガス温度
   検出器から出力されるガス圧力検出信号およびガス温度
   検出信号を夫々一定時間毎に入力処理する入力処理手
   段，この入力処理手段にて入力処理されたガス圧力検出
   信号およびガス温度検出信号を入力し，かつ当該ガス圧
   力検出信号に対しガス温度検出信号による補正を行なっ
   て補正ガス圧力検出信号を得る補正ガス圧力導出手段，
   この補正ガス圧力導出手段にて得られた補正ガス圧力検
   出信号を入力し，下記の（ａ）および（ｂ）の機能を有
   する比較判定手段からなるガス圧力監視手段とを備えて
   構成するようにしたことを特徴とするガス絶縁開閉装置
   用ガス圧力監視装置。 （ａ）補正ガス圧力導出手段にて得られた補正ガス圧力
   検出信号の値を予め設定されたガス圧力警報値と比較
   し，この比較結果に応じて警報を出力する機能。 （ｂ）補正ガス圧力導出手段にて得られた一定時間内の
   補正ガス圧力検出信号の変化量を予め設定されたガス圧
   力変化量警報値と比較し，この比較結果に応じて警報を
   出力する機能。