JPH069126B2 - 電気絶縁材料 - Google Patents

電気絶縁材料

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JPH069126B2
JPH069126B2 JP19365085A JP19365085A JPH069126B2 JP H069126 B2 JPH069126 B2 JP H069126B2 JP 19365085 A JP19365085 A JP 19365085A JP 19365085 A JP19365085 A JP 19365085A JP H069126 B2 JPH069126 B2 JP H069126B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れた熱的性質を有するポリエステル電気絶
縁材料に関し、特に耐熱区分B種、F種を満足するポリ
エステル電気絶縁材料に関する。
(従来の技術) 従来、繊維の電気絶縁材料としては、耐熱区分E種以下
(連続使用温度120℃以下)では、主として天然繊維、
半合成繊維あるいは合成繊維が用いられてきた。
一方、耐熱区分B種(連続使用温度130℃)、F種(連
続使用温度155℃)を満足する材料としては、ガラス繊
維、アスベスト繊維などの無機質繊維、全芳香族ポリア
ミド繊維、ポリエチレンナフタレート繊維などが知られ
ており、実際にはガラス繊維、全芳香族ポリアミド繊維
が実用に供されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、ガラス繊維 アスベスト繊維などの無機
質繊維は、耐熱性の点ではB種、F種を十分に満足する
が、加工性、柔軟性、弾靱性、作業性に劣るという欠点
がある。更に、全芳香族ポリアミド繊維をベースにした
電気絶縁材は、F種よりも上のH種(連続使用温度180
℃)にも耐え、耐薬品性も優れているが、その反面、吸
湿性があり、電気的性質や機械的性質が不十分で、かつ
緻密な部分のラッピングには空間占積率が大きくなって
作業性が低下するという問題を有している。また、この
全芳香族ポリアミド繊維は、まだまだ生産量が少なく、
高価であり、手軽に使えるような状況には至っていな
い。一方、ポリエチレンナフタレート繊維は未だ商業生
産されておらず、入手が困難である。
本発明は、かかる従来の電気絶縁材の欠点を解消し、汎
用繊維であるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位としたポリエステル繊維に耐熱性を付与して、耐熱
区分B種、F種を満足し、加工性、作業性等に優れ、し
かも安価で大量に使用することのできる電気絶縁材料を
提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単
位とし、極限粘度が0.85以上であり、結晶融点が270℃
以上で、かつ耐熱性が80%以上であるポリエステル繊維
を主体として構成したことを特徴とする電気絶縁材料で
ある。
本発明におけるポリエステル繊維を構成するポリマー
は、分子鎖中にエチレンテレフタレート繰返し単位を90
モル%以上、好ましくは95モル%以上含むポリエステル
である。かかるポリエステルとしてはポリエチレンテレ
フタレートが好適であるが、10モル%未満、好ましくは
5モル%未満の割合で他の共重合成分を含んでも差しつ
かえない。このような共重合成分としては例えばイソフ
タル酸、ナフタレンジガルボン酸、アジピン酸、オキシ
安息香酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメリット酸、ペンタエリスリトール等があげら
れる。又これらのポリエステルには安定剤、着色剤等の
添加物を含んでも差しつかえない。
本発明におけるポリエステル繊維は、25℃0−クロロフ
ェノール溶液から求めた極限度が0.85以上であることが
必要である。極限粘度が0.85未満では耐熱区分B種、F
種を満足するポリエステル繊維が得られない。極限粘度
としては、0.9〜1.3が好ましい。
また、結晶融点は、ポリエステル繊維を高温加熱(乾熱
又は湿熱}したときの残存強力に関連する。本発明にお
けるポリエステル繊維では、結晶融点は270℃以上であ
ることが必要である。270℃未満では、高温加熱時にお
ける強力劣化が大きく、耐熱区分B種、F種を満足する
ことができない。
更に、本発明におけるポリエステル繊維は、80%以上の
耐熱性を有していることが必要である。ここで、耐熱性
とは、ポリエステル繊維を180℃(乾熱)で200時間定長
加熱した際の強度残存率を意味し、下記の式で表され
る。
耐熱性(%)=S/S×100 但し、S:加熱前の強度 S:180℃(乾熱)で200時間定長加熱した後の強度 本発明のポリエステル電気絶縁材料は例えば以下の方法
で得られる。
まず、本発明において用いられるポリエステル繊維は、
例えば次のような方法で製造することができる。
エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする極
限粘度が0.95〜1.5のポリエステル又は極限粘度が0.7〜
0.9のポリエステルに重合度促進剤を反応させて常法に
より溶融輸送し、紡糸口金より、延伸後の繊度が1〜20
de、全デニール500〜2000deになる如く糸条に吐出し、
吐出後直ちに急冷するか、融点以下結晶化開始温度まで
の温度に保温するか、又は、融点以上の温度の加熱雰囲
気中に、ある時間さらして遅延冷却を行う。その後、糸
条を冷却固化させるが、その際以下の条件のもとで冷却
固化させることが有用である。
次いで、上記の如く冷却固化させた後、油剤を付与後20
00m/分以上の速度で引取ることが好ましい。油剤付与
は例えばオイリングローラー方式、スプレー方式など、
随意の方式が可能である。また、油剤は、必要に応じて
任意の繊維用油剤を適用することが可能である。
上述の条件を随時に選択することにより、極限粘度が0.
90以上で切断伸度が150%以下の結晶性未延伸繊維であ
って、結晶化度Xxと複屈折率ΔnがXx=2.4×102×
Δn+4 の関係を満足し、複屈折率が0.06以上の未延伸繊維が得
られる。
繊維の結晶融点上昇には、上述の如きポリエステルの極
限粘度増加(高溶融粘度化)、2000m/分以上といった
高紡速化、あるいは糸条の急速冷却固化といった手段を
有効に組み合わせることが重要である。かくすることに
より、結晶化が進行する点での応力(固化点応力)をさ
らに増大することができ、熱的に極めて強固な結晶構造
が形成される。その結果、結晶融点を従来では達成し得
なかった270℃以上に高めることが可能となる。
このような未延伸繊維は、また、紡糸口金から吐出後引
取までの吐出繊維のドラフト率を300〜7000とし、紡糸
口金のオリフィス径を0.55〜2.5mmとし、かつ引取速度
を2000〜6000m/分とすることによっても得ることがで
きる。ここで、ドラフト率はポリマーの吐出線速度(オ
リフィス出口の速度)に対する繊維の引取速度の比であ
る。
次いで、上記のようにして得た未延伸繊維を延伸する
が、この延伸は、紡糸に続いて連続して延伸しても、一
旦捲き取った後別工程で延伸してもよい。紡糸に続いて
連続して圧伸する場合には、先に提案した特願昭57−
88927号の方法に準拠して行うことが出来る。ま
だ、紡糸後一旦捲き取ってから延伸する場合には、先に
提案した特願昭57−189094号の方法に準拠して
行うことが出来る。延伸時の延伸歪みや熱処理歪みを少
くする点では後者の延伸方法が好ましい。即ち、未延伸
繊維をTg+15〜Tg+50℃(ここでTgは該繊維のガ
ラス転移温度)で少くとも0.5秒予熱後全延伸倍率の75
%以下の倍率で第1段延伸して未延伸繊維の複屈折率の
1.2〜3.3倍の複屈折率とする。次いで1段延伸糸条を更
に多段延伸熱処理する。この際、多段延伸後繊維の融解
温度−50から融解温度−110の範囲で0.4〜1.5秒間保持
しながら10〜20%の弛緩熱処理を行なうのが好ましい。
繊維の耐熱性上昇には、前述の如き熱的に極めて強固な
結晶構造が形成されていると共に、上述の如き延伸歪や
熱処理歪が少ない延伸熱処理条件を組み合わせることが
有効である。かくすることにより、高温下で保持しても
分子鎖の緩和による強力劣化が小さくなり、耐熱性80%
以上を達成することが可能となる。
このようにして得たポリエステル繊維は、連続フィラメ
ントのまま、あるいは、ステープルファイバー又は紡積
糸として、製編織あるいは不織布化し、平坦なクロス又
は筒状のスリーブとする。この際、少量のガラス繊維、
全芳香族ポリアミド繊維などを混用することができる。
これらのクロス、スリーブに、通常、ワニスを含浸させ
て電気絶縁材料とする。ワニスとしては、耐熱性樹脂ワ
ニスが好適であり、例えば、アルキッド系ワニス、ポリ
ウレタン系ワニス、エポキシ系ワニス、アクリル系ワニ
ス、シリコン系ワニス、更には複素環系の耐熱性樹脂ワ
ニスなどが単独又は混合して使用される。
なお、本発明における各特性は、以下の方法によって測
定したものである。
(イ)結晶融点 結晶融点は、パーキンエルマー社製DSC−I型を用いて
昇温速度20℃/分で測定し、吸熱ピーク値をもって結晶
融点とした。
(ロ)耐熱性 耐熱性は、ポリエステル繊維を180℃(乾熱)で200時間
定長加熱し、加熱前の強度Sと加熱後の強度Sを測
定して、下記の式から求めた。
耐熱性(%)=S/S×100 (ハ)絶縁破壊の強さ 絶縁材料に電圧を加えた時、絶縁材料が破壊する最小の
電圧(実効値)を試料片の厚さで割った値で、JIS、
C2110−1975の方法に準拠して測定した。
(実施例) 以下実施例をあげて本発明を更に詳述する。なお、実施
例中の部は全て重量部を示す。
実施例 ジメチルテレフタレートの97部、エタレングリコール69
部、酢酸カルシウム1水塩0.034部及び三酸化アンチモ
ン0.025部をオートクレープに仕込み、窒素をゆるやか
に通じながら180〜230℃でエステル交換の結果生成する
メタノールを除去した後、H3PO4の50%水溶液を0.05部
加えて温度を280℃まで上昇させると共に徐々に減圧に
移行し、約1時間を要して反応系の圧力を0.2mmHgに
し、更に1時間50分重合反応させて固有粘度0.80、末端
カルボキシル基量28当量/106グラムポリマーの重合体
を得た。この重合体チップ100部に第1表記載(CEと表
示)の量の2,2′−ビス(2−オキサゾリン)をドラ
イブレンドした後、約300℃で溶融輸送し、孔径0.6mm、
孔数250個を有する紡糸口金より吐出し、吐出糸条を第
1表に記載の条件で保温し、その後25℃の冷却風を300m
mに亘って4.0Nm3/分吹きつけながら冷却固化させ、そ
の後オイリングローラーで油剤を付与し、第1表記載の
速度で捲き取った。この未延伸繊維の特性を第1表に示
した。
得られた未延伸繊維を85に加熱されたロールに供給し、
引取ロールとの間で第2表記載の倍率(DR1)で第1段
延伸後325℃に加熱された気体浴を介して第2表記載の
倍率(DR2)で第2段延伸した。その後130℃の加熱ロー
ラ、330℃の気体浴を使用して、第2表記載の倍率(D
R3)で緊張熱処理した。得られた延伸糸の性能を第2表
に併記した。
得られた延伸糸を撚糸後、ローラ糊付け、引通しを行っ
て径糸となし、緯工程はボビン繰り、イタリー撚糸、管
巻を行い101cm幅の織物を得た。このときの経緯糸密度
は、72本×31本/インチであった。この織物を温水中で
吊り縛りを行い、乾燥後、ピンテンター中で180℃の定
長熱処理を施した。次いで、メチルフェニルシロキサ
ン、アルキッド共重合ワニス(アルキッド変性シリコー
ンワニス)を含浸せしめ、120℃で7分間乾燥を行い、
更に200℃で26分間焼付け仕上げを行った。ワニス含浸
量は織物の2.7倍であった。得られたワニス含浸織物
の絶縁破壊の強さ及び耐熱区分を第2表に併記した。
第1表及び第2表からも明らかなように、極限粘度が0.
85未満の場合(実験No.1)、融点が270℃未満の場合
(実験No.4、5)及び耐熱性が80%未満の場合(実験N
o.14)は、耐熱区分がE種(耐熱使用温度120℃以下)
であるが、極限粘度が0.85以上、融点が270℃以上およ
び耐熱性が80%以上の本発明の電気絶縁材料(実験No.
2、3、6〜13)は耐熱区分B種(連続使用温度130
℃)又は耐熱繰分F種(連続使用温度155℃を十分に満
足するものであった。
(発明の効果) 本発明によれば、汎用繊維であるエチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位としたポリエステル繊維を用
い、耐熱区分B種(連続使用温度130℃)、F種(連続
使用温度155℃)を満足し、加工性、作業性等にも優れ
た電気絶縁材料を安価で大量に提供することができると
いう効果を奏し得たものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
    単位とし、極限粘度が0.85以上であり、結晶融点が270
    ℃以上で、かつ耐熱性が80%以上であるポリエステル繊
    維を主体として構成したことを特徴とする電気絶縁材料
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