JPH0690933B2 - 積層型電解槽 - Google Patents

積層型電解槽

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JPH0690933B2
JPH0690933B2 JP59109982A JP10998284A JPH0690933B2 JP H0690933 B2 JPH0690933 B2 JP H0690933B2 JP 59109982 A JP59109982 A JP 59109982A JP 10998284 A JP10998284 A JP 10998284A JP H0690933 B2 JPH0690933 B2 JP H0690933B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な電極材を用いた積層型電解槽に関連する
ものであり、さらに詳しくは、特定の結晶構造及び表面
酸素量を有してなる炭素繊維電極材を用いた工業生産的
に極めて有利な積層型電解槽に関するものである。
従来技術との関連 1973年のエネルギー危機以来エネルギー問題が広く各層
で認識される様になって来た。新しいエネルギー源の開
発と同時に発生したエネルギーを有効に利用するエネル
ギーの変換、貯蔵、輸送、利用を含めたシステムの開発
も重要となって来ている。貯蔵を例にとれば、将来電源
構成で大きな比重を占めると予想されている原子力、石
炭火力等の大型発電では一定の出力を保つて定常発電す
ることが高い効率を保つ上で必要であり、夜間の余剰電
力を適切に貯蔵して昼間の需要増大時にこれを放出し、
需要の変動に対応させる(ロードレベリング)ことので
きる電力貯蔵技術への要求が強くなって来ている。現在
でも主要発電設備の年間稼動率は60%を切っており、低
下が続いている。
電力貯蔵の方法には、実用化されてはいるが送電による
ロスがあり、立地に制約の加わって来ている揚水発電の
他に、新型2次電池、フライホイール、圧縮空気、超電
導等の各種の方法が検討されているが、新型電池による
電気化学操作が有力であり、ここ当分の間、輸送を含め
た解決システムとして、揚水発電に替る最も実現性の高
い方式と考えられている。又新型2次電池は、太陽光、
風力、波力等の自然エネルギーを利用した発電のバック
アップ装置、或いは電気自動車用電池としても期待が寄
せられている。上記目的に適用できる2次電池として、
鉛蓄電池、ナトリウム−硫黄電池、リチウム−硫化鉄電
池、金属−ハロゲン電池、レドックスフロー形電池等が
現在開発されている。これら新型2次電池のうち金属−
ハロゲン2次電池(負極を除く)及びレドックスフロー
2次電池は、電池活物質を外部より供給して電池本体で
電気化学的なエネルギー変化を行なうシステムをとるい
わゆる再生型燃料電池に属するものである。中でもレド
ックスフロー2次電池は、典型的な再生型燃料電池に属
するといえる。
この電池を含め一般に電気化学反応は、電極表面で起こ
る不均一相反応であるから、電解槽は本来2次元的で
あ。従って、電極槽単位体積当りの反応量が小さいとい
う難点がある。そこで体積当りの反応量、即ち電流密度
を増すために電気化学反応場の3次元化が行なわれ、上
記再生型燃料電池、廃水処理、有機化合物の電解製造に
対する応用例がみうけられる。再生型燃料電池における
電気化学反応は、通常第1図(a),(b),(c)に
示す単極性3次元電池を有する流通型電解槽で行なうの
が最もすぐれている。第1図(a),(b),(c)に
おいて1は隔膜(セパレータ)、2は電解液流路、3は
集電体、4は単極性3次元電池を示す。特に(b)型、
(c)型は単電池を積層する型で大電池を作る2次電池
から見れば好ましい構造といえる。
従来再生型燃料電池の3次元電極としては、導電性を有
すること、耐薬品性のあること、経済性のあること等の
理由から従来より通常の炭素繊維から成る不織布、織
布、又多孔質炭素板が使われて来た。多孔質炭素板は反
応場を大きくするために多孔度を増すと炭素板の強度が
落ち、積層時に破損しやすいこと、厚さ1mmといった薄
い板を精度よく加工するのが難かしいことから使用し難
い。炭素繊維の集合体が最も好ましい。
第2図はこのレドックスフロー2次電池の組立て直前の
電池材料の配置図である。電極用布帛等は、一定厚さの
スペーサー6の内側へ接着剤10で接着されている。この
接着は液の出入口の短絡を防ぐのと、いくつもの電解槽
を積層する場合の取扱い易さを目的として行なわれる
が、極めて細かい作業で時間を要し、又接着剤の乾燥又
は硬化に時間を要し、とうてい工業化に耐える製造工程
とはいえない。特に電解槽を多数バイポーラ板で直列積
層した形で使われる実用電池の作製時に問題となる。
本発明においてはかかる従来の電解槽の組立てに付随す
る欠点を解消すべく3次元電極について検討した結果、
集電体(又はバイポーラ板)と一体化することでこれを
解決することを見い出した。又さらに電極を構成する炭
素質単繊維の内部構造特に微結晶構造並びに繊維表面の
結合酸素量が適切な範囲になければ、有効な電極材とは
なり難いことも見い出して本発明に到達した。即ち、従
来の炭素繊維を用いたレドックスフロー2次電池(代表
的なものは鉄−クロムレドックスフロー2次電池)では
クロムイオンの酸化還元反応が遅いこと、つまり電池の
電導度が低いこと、又充電時に水素が発生し電池の電流
効率が下がり易いこと等が問題点として挙げられてい
た。
発明の目的 本発明は、流通型電解槽に用いる炭素繊維電極材の炭素
繊維の内部構造及び表面構造に関すると共に、電解槽の
組立ての工業的方法を提供することに関する。
発明の構成 即ち、本発明は広角X線解析より求めた<002>面間隔
が平均3.70Å以下であり、またC軸方向の結晶子の大き
さが平均9.0Å以上の擬黒鉛微結晶構造を有し、かつESC
A表面分析より求めた繊維表面の結合酸素原子数が炭素
原子数の少なくとも3%である炭素質繊維を電極材に用
い、これをバイポーラ板と一体化することにより、工業
化に耐える電解槽の生産方式を提供すると共に、極めて
秀れた特性をもつ電解槽を提供せんとするものである。
本発明者等は、流通型電解槽に用いる炭素質繊維から成
る3次元電極の繊維内部構造、表面構造について次のご
とき検討を行った。
本発明に係る流通型電解槽用電極の作製は、例えば次の
様にして行なう。本発明で使用する原料繊維としては、
炭化可能なもので、目的組織製作上必要な繊維強度、伸
度等をもち、後述する特定の内部結晶構造、表面酸素濃
度を具備出来るものを使用することが必須である。例え
ば、セルロース系、アクリル系、フエノール系、芳香族
ポリアミド系等の原料繊維が使用できる。石炭、石油を
原料とするピッチ繊維は、適格原料繊維であるが、繊維
強度が弱く各種集合形態をとらせるための工程にかから
ないので、ある程度の炭化を行った後、目的組織をもつ
ための工程を経させるのが好ましい。これらの単繊維と
しては細いもの程外表面積が大きくとれ、強度の点でも
有利であって0.5〜15デニールのものが特に好ましい。
次に短い単繊維を使って不織布にすることが出来、又、
編地、織布、ひも、混成組織を得るにはこれらの単繊維
を集束して糸とするのであるが、紡績糸又はマルチフィ
ラメント糸の状態が好適である。次にこの糸を使って目
的組織である紡績糸、織布、編地状布帛等を作る。次い
で各種繊維集合体に必要に応じて適当な耐炎剤処理を施
し、通常400℃以下の不活性雰囲気又は活性雰囲気下で
耐炎化を行なう。次いで500℃以上、好ましくは1100℃
以上で炭化を行なう。この様な操作で所定の内部結晶構
造をもつ炭素繊維集合体がえられる。
本発明において重要な表面酸素原子の濃度を高めるには
前述した内部結晶構造をもつ炭素繊維を乾式酸化処理す
ることにより得られる。これは例えば1×10-2torr以上
の酸素分圧を有する酸素雰囲気下で重量収率にして65〜
99%の範囲になる様に実施される。処理温度は通常400
℃以上が好ましい。低温(例えば200〜300℃)では処理
する炭素の反応性が落ちるため酸化の効果が得られな
い。酸化処理を湿式で行なうと層間化合物の生成、処理
時の有害ガスの発生等問題が多いのみでなくコストも10
0倍近くかかり、工業的に有利とはいえない。
上述の如く乾式酸化処理を行なうことにより擬黒鉛微結
晶のC軸に垂直な面のエッジをより多く繊維表面に露出
させることができ、かつこのエッジに電気化学反応に有
効な酸素原子を形成させることができる。この酸素原子
はカルボキシル基、フエノール性水酸基、カルボニル
基、キノン基、ラクトン基、フリーラジカル的な酸化物
として生成され、これらの反応基が電極反応に大きく寄
与し、以て電導率(電圧効率)を高め得るものとなる。
このように広角X線解析より求めた<002>面間隔が平
均3.70Å以下であり、またC軸方向の結晶子の大きさが
平均9.0Å以上の擬黒鉛微結晶構造を有し、かつESCA表
面分析より求めた繊維表面の結合酸素原子数が炭素原子
数の少なくとも3%、好ましくは6〜16%である炭素質
繊維を電極材に用いることにより電池の特性値である電
流効率及び電導度が著しく改善されることになる。換言
すれば、上述の如く広角X線解析(解析方法は後述す
る)より求めた<002>面間隔が平均3.70Å以下であ
り、またC軸方向の結晶子の大きさが平均9.0Å以上の
擬黒鉛微結晶構造を有する炭素質繊維を電極材に用いる
ことにより、充電時負極における水素発生量が抑止さ
れ、電流効率を著しく高め得ることができた。<002>
面間隔が3.70Åを超え、しかもC軸方向の結晶子の大き
さが平均9.0Å未満の結晶性の低い炭素質繊維を用いる
場合は充電時負極における水素発生量が大きく、電流効
率を高めることはできない。このように結晶性の高い特
定の結晶構造を有する炭素質繊維を電極材として用いる
ことにより電流効率が高められる理由については明らか
でないが、結晶構造が発達するに従って水素過電圧が上
昇し、充電時にクロム錯イオンの還元が選択的に起り、
以て電流効率が上昇するものと考えられる。
一方、前述の如くESCA表面分析(解析方法は後述する)
より求めた繊維表面の結合酸素原子数の炭素原子数に対
する割合(%以下O/C比という)が3%以上の炭素質繊
維を電極材に用いることにより、電極反応速度、つまり
電導度を著しく高め得ることができた。ESCA分析による
繊維表面のO/C比が3%未満の酸素濃度の低い炭素質繊
維を用いる場合は放電時の電極反応速度が小さく、電導
率を高めることはできない。このように素材繊維表面に
酸素原子を多く結合させた炭素繊維を電極材として用い
ることにより電導率、いいかえれば電圧効率が高められ
る理由については明らかでないが、電子の受授、錯イオ
ンの炭素繊維からの脱離、錯交換反応等に表面の酸素原
子が有効に働いているものと考えられる。
本発明者等は次に前述の特性にかかる炭素質繊維集合体
を電池に組立てる工業的方法の検討を行った。従来電解
槽を隔別し又積層するための集電板又はバイポーラー板
は、炭素・黒鉛焼結体を切り出して作製していたが、極
めて高価なものについた。従って近年各所でとり上げら
れている導電製プラスチックをこれに代替するのが好ま
しい。耐薬品性を考慮するとカーボンブラック、炭子繊
維を混入した塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン系の樹
脂が好んで用いられよう。我々はバイポーラ板、セパレ
ーター、電極材を別々にそろえ第2図に示すごとく組立
てるのではなく、第3図(a)、(b)にその態様を示
すごとく、バイポーラー板5(集電板)に電極材を直接
接合して後電解槽を組立てる方法をとった。この方法を
とる場合カーボンプラスチック製バイポーラー板は特に
有効であった。即ちカーボンブラックと樹脂粉末を混合
しプレスしてプレート状にした直後、又は後で接着可能
温度以上にあるプレートに直接本発明にかかる炭素繊維
集合体を熱的に接合した。これによればセパレーターに
電極材を接着した後組立てる第2図にくらべ、工程が極
めて簡略化され工業的に極めて有利である。使用できる
炭素繊維の集合形態は第3図(a)、(b)に示す布
帛、紡績糸が好ましいが、撚りをかけたトウ状物、フエ
ルト等も問題なく使用できた。導電性バイポーラープレ
ートと電極材の接合方法は付加材料を用いず熱的に行う
のが最も簡単であるが、その他にも熱硬化性、熱軟化性
導電性ペースト、粉末等を用いることができる。第3図
(a)、(b)では単電における組立て図であるが、積
層する場合も基本的なやり方は同じなので省略する。
なお、本発明において使用せる<002>面間隔
(d002)、C軸方向の結晶子の大きさ(Lc)、電流効
率、電導度及びESCAによるO/C比は次の方法で測定する
ものである。
<002>面間隔:d002 炭素繊維編地をメノウ乳鉢で粉末化し、試料に対して約
5〜10重量%のX線標準用高純度シリコン粉末を内部標
準物質として加え混合し、試料セルにつめ、CuKα線を
線源とし、透過型デイフラクトメーター法によって広角
X線回折曲線を計測する。
曲線の補正には、いわゆるローレンツ、偏光因子、吸収
因子、原子散乱因子等に関する補正は行なわず次の簡便
法を用いる。即ち<002>回折に相当するピークのベー
スラインを引き、ベースラインからの実質強度をプロッ
トし直して<002>補正強度曲線を得る。この曲線のピ
ーク高さの3分の2の高さに引いた角度軸に平行な線が
強度曲線と交わる線分の中点を求め、中点の角度を内部
標準で補正し、これを回折角の2倍とし、CuKαの波長
λとから次式のBragg式によって<002>面間隔を求め
る。
λ:1.5418Å θ:回折角 C軸方向の結晶子の大きさ(Lc) 前項で得た補正回折強度曲線において、ピーク高さの半
分の位置におけるいわゆる半価巾βを用いてC軸方向の
結晶子の大きさを求める。
形状因子Kについては、種々議論もあるが、K=0.90を
採用した。λ,θについては前項と同じ意味である。
セル電流効率 第2図に示す小型の流通型電解槽を作り、各種定電流密
度で充放電を繰り返し、電極性能のテストを行う。正極
には塩化第一鉄、塩化第二鉄濃度各1M/lの4N塩酸酸性水
溶液を用い、負極には塩化第二クロム濃度1M/lの4N塩酸
酸性水溶液を用意した。
正極液量は負極液量に対して大過剰とし、負極特性を中
心に検討できるようにした。電極面積は10cm2、液流量
は毎分約5mlである。電流密度は40mA/cm2で行ったが、
充電時と放電時は同じ値でテストを行った。充電に始ま
り放電で終る1サイクルのテストにおいて、充電に要し
た電気量をQ1クーロン、0.2Vまでの定電流放電及びこれ
に続く0.8Vでの定電位放電で取り出した電気量を夫々
Q2,Q3クーロンとし、次式で電流効率を求める。
充電時にCr3+からCr2+への還元以外の反応、例えばH+
還元等の副反応が起ると、取り出せる電気量が減り、電
流効率は減少する。
セル電導度 負極液中のCr3+をCr2+に完全に還元するのに必要な理論
電気量Qthに対して、放電途中までに取り出した電気量
の比を充電率とし、 充電率が50%のときの電流・電圧曲線の傾きから、セル
抵抗(Ωcm2)、及びその逆数であるセル電導度(Scm
-2)を求める。セル電導度が大きい程電極でのイオンの
酸化還元反応はすみやかに起り、高電流密度での放電電
位は高く、セルの電圧効率が高く、秀れた電極であると
判断できる。
なお,でのテストは25℃近辺で行った。
ESCAによるC/O比の測定 ESCAあるいは、XPCと略称されているX線光電子分光法
によるO/C比の測定に用いた装置は島津ESCA750で、解析
にはESCAPAC760を用いた。
各試料を6mm径に打ち抜き、導電性ペーストにより加熱
式試料台に貼り付け分析に供した。測定前に試料を120
℃に加熱し、3時間以上真空脱気した。線源にはMgKα
線(1253.6eV)を用い、装置内真空度は10-7torrとし
た。
測定はCls,Olsピークに対して行ない、各ピークをESCAP
AC760(J.H.Scofieldによる補正法に基づく)を用い補
正解析し、各ピーク面積を求める。得られた面積はCls
については1.00,Olsに対しては2.85の相対強度を乗じた
ものであり、その面積から直接表面(酸素/炭素)原子
数比を%で算出する。
以下本発明を比較例、実施例によって詳しく説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
発明の効果 本発明に係る電解槽は、充電時の水素ガスの発生量を抑
止し、電流効率及びセル電導度を著るしく高め得るもの
であり、かつ電池作製時の工程を簡略化し、工業的に多
大の実用性をもたらすものである。
比較例1 充分に脱硫、漂白、水洗を行って得た単繊維2.0デニー
ルの再生セルロース繊維からなる20番手双糸を使って14
ゲージ両面丸編機により両面編地を編成した。この編地
は424g/m2の目付、布帛の見掛け密度0.370g/cm2、厚さ
1.15mmを有し、この編地を精練後、塩化アンモニウム水
溶液に浸漬し、絞り後乾燥させて布帛乾燥重量に対して
塩化アンモニウムの添着量を10重量%とした後270℃不
活性ガス気流中で60分加熱して耐炎化処理を行ない、次
いで毎時400度の昇温速度で1600℃までもたらし、30分
保持して炭素化を行ない、冷却後炭素繊維編地状布帛A
を得た。このものの目付は270g/m2、密度0.26cc/gであ
った。
さらにこのものを酸素分圧200torrの不活性ガス中900℃
で酸化を行なって3次元流通型電解槽用電極を作製し
た。かかる編地状布帛BについてのX線解析結果はd002
=3.60Å、Lc=9.8Å、またO/C比は10.2%であった。こ
の布帛から1cm×10cm角の大きさのもの2枚を裁断し、
第2図に示す2枚のスペーサーの枠内に1枚ずつシリコ
ン樹脂に固定したが、接着剤の塗布はハン雑で固化に
は、一夜を用した。集電板5に黒鉛板を用いて、前述の
テスト法により電導度並びに電流効率を求めたところ、
0.42Scm-2、93.8%であり電極特性は秀れていた。
比較例2 比較例1で得た布帛Aを、比較例1と同じようにして電
解槽を組み電池性能を測ったところ、電流効率は90%、
電導度は0.15Scm-2と電極特性は悪るかった。布帛Aのd
002,Lcは布帛Bに同じであったがO/C比は2.8%であっ
た。
実施例1 導電性カーボンブラック30重量%、粉末ポリエチレン70
重量%を均一に混合し、金型内に敷き、ホットプレス法
でカーボンプラスチックプレートを作製し(第3図
(a)の5)、金型の上ブタを開け、比較例1で作製し
た布帛Bの1×10cmのものをプラスチックプレートの上
におき再び軽くプレスして、第3図(a)の8のごとく
電極が導電性ンーボンプラスチックプレートに接合され
たものを作製した。導電性カーボンプラスチックの比抵
抗は0.28Ωcmと黒鉛に比べて高かったが、電極特性は電
流効率93.4%,セル電導度0.40Scm-2と比較例1に近い
性能を示した。
実施例2 単繊維2.0デニールの再生セルロース繊維を紡績し、500
0デニールの紡績糸を作りこれを3本撚り合せて15000デ
ニールの撚糸(ヒモに近い)を作り、比較例1の布帛B
を得たと同じ処理をし、1800℃の最高温度を経、空気酸
化をして6050デニールの炭素繊維紡績糸を得た。この糸
を実施例1と同様のカーボンプラスチック板に1cmの巾
に5本平行にそろえ接合した。紡績糸の太さは約1点数
mmあったので、1.3mm厚さのスペーサーを用い第3図
(b)のごとく電池を組みたて、電池特性を測った。電
流効率は94.5%,導電率は0.51Scm-2と極めて秀れた電
池特性の得られることがわかった。用いた炭素繊維のd
002は3.64Å,Lcは10.8Å,O/Cは11.2%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b),(c)は3次元電極材を用いる
流通型電解槽を示す模式図であり、また第2図は本発明
に係る電極材の電流効率を測定するための説明図であ
る。更に第3図(a),(b)は本発明に係る電解槽の
組立て図を示す。 1;隔膜、2;電解液流路 3;集電体、4;3次元電極材 5;集電板又はバイポーラー板 6;スペーサー、7;イオン交換膜 8;炭素繊維電極、9;活物質水溶液流通路 10;接着剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性バイポーラ板と炭素繊維集合体であ
    る電極とが物理的又は化学的にあらかじめ接合されたの
    ち組立てられた積層型電解槽であって、前記炭素繊維集
    合体を構成する炭素繊維が、広角X線回折で求めた<00
    2>面間隔d002≦3.7Å、C軸方向の結晶子の大きさLc≧
    9.0Å及びESCAで求めたO/C≧3%であることを特徴とす
    る積層型電解槽。
  2. 【請求項2】炭素繊維集合体で構成される電極材が織
    り、編み、ヒモ、フエルト又はそれらの混成組織をもつ
    特許請求の範囲第1項記載の積層型電解槽。
  3. 【請求項3】導電性バイポーラ板がカーボンブラック又
    は炭素繊維又はこれらの混合物と樹脂とからなる特許請
    求の範囲第1項記載の積層型電解槽。
JP59109982A 1984-05-30 1984-05-30 積層型電解槽 Expired - Fee Related JPH0690933B2 (ja)

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