JPH0690791B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0690791B2 JP62236083A JP23608387A JPH0690791B2 JP H0690791 B2 JPH0690791 B2 JP H0690791B2 JP 62236083 A JP62236083 A JP 62236083A JP 23608387 A JP23608387 A JP 23608387A JP H0690791 B2 JPH0690791 B2 JP H0690791B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法に関し、
特に走行耐久性が改良された金属薄膜型磁気記録媒体の
製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、磁気記録媒体の高密度化に伴い、従来の塗布型磁
気記録媒体に替わって、いわゆる金属薄膜型磁気記録媒
体が注目されるようになってきた。
しかし、金属薄膜型磁気記録媒体は、従来の塗布型磁気
記録媒体のように潤滑剤や研摩剤を磁性層中に混入する
ことが困難なので、一般に走行耐久性が極めて悪く、例
えばCo-Cr合金膜を設けた垂直磁気記録ディスクの場合5
000以下の走行パスで表面の合金層とヘッドとの間で凝
着等が生じて走行不能になることが多い。
そこで、このような問題を解決するために、液体潤滑剤
を磁性層表面に塗布したり、固体保護層を磁性層表面に
設けることが提案されている。そのさい、金属薄膜表面
の汚れを取り除き、金属薄膜への表面潤滑保護膜の密着
性を向上させるために金属薄膜の表面をアルカリ洗浄処
理することが提案されている(特開昭62-42331号公
報)。
また、これらの問題を解決する手段の中、固体潤滑剤で
あるカーボンを主成分とする保護層を磁性層表面に設け
ることが特に走行耐久性向上に効果があることが知られ
ている(特公昭54-33521号公報)。
しかし、これらの従来の保護層の材質及び構造では、媒
体の耐久性、耐摩耗性、耐候性、耐食性等が十分高く、
しかもヘッドが媒体表面にはりついてしまう、いわゆる
吸着と呼ばれる現象を発生しないものは実現していな
い。
そこで、この保護層の上に潤滑剤としてパーフルオロア
ルキル基を有するモノもしくはポリのエーテル又はその
カルボン酸誘導体もしくはリン酸誘導体を含むトップコ
ート層を設けることが提案された。(特開昭62-150525
号公報)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、カーボンを主成分とする保護層にトップ
コート層を設けてもなお走行耐久性は十分ではない。こ
のことはトップコート層が不十分であって、主にヘッド
に生じた付着物が保護層との摩擦係数を増大させること
に起因する。又金属薄膜表面をアルカリ洗浄することに
より走行耐久性が若干改良されるが高度の耐久性を要求
される高密度媒体では未だ十分ではなかった。と共に従
来方法では走行パス数が増加するとモータートルクが上
昇してしまい好ましくなかった。
本発明の目的は、ヘッドに付着物が生ぜず、なおかつ潤
滑性に優れ、従って走行耐久性が著しく改良された金属
薄膜型磁気記録媒体を得ることにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、保護層表面を中性洗剤及びフッ素系溶剤によ
り洗浄した後、有機潤滑剤を含有する潤滑層を設けるこ
とにより走行耐久性を著しく改良し、かつ長時間にわた
って低トルクを維持し得る磁気記録媒体を製造すること
ができた。
すなわち、本発明は、非磁性基板上に磁性金属薄膜を設
け、この金属薄膜の上にカーボンを主成分とする保護層
と有機潤滑剤を含有する潤滑層とをこの順に設ける際
に、該保護層表面を中性洗剤及びフッ素系溶剤の有機溶
剤により洗浄することを特徴とする磁気記録媒体の製造
方法である。
本発明を詳細に説明すると、洗浄により処理すべきカー
ボンを主成分とする保護層は、ダイヤモンドライク膜、
グラファイト、アモルファスカーボンなどからなるもの
であって、グラファイトからなるものが好ましい。
本発明に使用する、例えばグラファイト状のカーボンを
主成分とする保護層は、真空蒸着、スパッタリング等で
作成されるもので、グラファイト基調のアモルファス膜
からなる。これは、分析的にはX線回折では明確なピー
クがみられずアモルファスであることを示し、X線光電
子分光法(XPS)での炭素のプラズモン損失エネルギー
はグラファイトであることを示す膜である。
また、カーボンを主成分とする保護層は、添加金属を含
有するものが好ましく、添加金属としてはCr,Mn,Mo,Nb,
Ta,Ti,V及びWから選ばれる1種又は2種以上を含む
が、その含有量は10%以下が適当であって、0.5%以上
で且つ5%以下であることが好ましい。
カーボンを主成分とする保護層を洗浄するには、中性洗
剤及びフッ素系溶剤の有機溶剤が使用される。
中性洗剤としてはアルキルスルホン酸ナトリウムなどの
合成洗剤が用いられる。フッ素系溶剤の有機溶剤として
は、ダイフロンなどが使用できる。
洗浄の操作としては、磁気記録媒体を前記洗剤又は溶剤
中に浸漬するか、あるいは媒体の保護層上に前記洗剤又
は溶剤を塗布することにより行うことができる。また、
前記洗剤又は溶剤を吹きつけてもよい。
カーボンを主成分とする保護層を洗浄した後乾燥し、そ
の保護層の上に有機潤滑剤を含有する潤滑層を設ける
が、有機潤滑剤としては有機フッ素系潤滑剤(以下『フ
ッ素系潤滑剤』という)、リン酸エステル化合物、メル
カプト基を含有する有機化合物の外、公知の有機潤滑剤
を用いることができるが、この三者の潤滑剤を用いるの
が好ましい。
本発明において使用されるフッ素系潤滑剤としては、パ
ーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基
を持つ化合物、パーフルオロアルキレンオキサイド重合
物およびその誘導体、およびエチレンのフッ素置換体の
重合物または共重合物が好ましい。
パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル
基を持つ化合物の具体例としては、パーフルオロアルキ
ル基またはパーフルオロアルケニル基をもつカルボン
酸、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケ
ニル基をもつアルコール、パーフルオロアルキル基また
はパーフルオロアルケニル基をもつエステル化合物、パ
ーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基
をもつメルカプタン、パーフルオロアルキル基またはパ
ーフルオロアルケニル基をもつ非イオン性界面活性剤、
パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル
基をもつカチオン系界面活性剤、パーフルオロアルキル
基またはパーフルオロアルケニル基をもつアニオン系界
面活性剤、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロ
アルケニル基をもつ両性界面活性剤等が挙げられる。
またパーフルオロアルキレンオキサイド重合物およびそ
の誘導体の具体例としては、パーフルオロプロピレン重
合体、パーフルオロエチレン・パーフルオロメチレン共
重合体、パーフルオロプロピレン・パーフルオロメチレ
ン共重合体、およびこれらの分子の未端に極性基を結合
させたもの等が挙げられる。
またエチレンのフッ素置換体の重合物または共重合物の
具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリト
リフルオロエチレン、ポリ1,1−ジフルオロエチレン
(ポリフッ化ビニリデン)、トリフルオロエチレン−1,
1−ジフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。
本発明における潤滑層には上記の例示にあるフッ素系潤
滑剤の1種または2種以上のもの以外の潤滑剤を0〜90
wt%、好ましくは0〜50wt%混在させてもよい。
本発明において使用される燐酸エステル化合物は、炭素
数10%以上のアルキル基を持つことが好ましく、より好
ましくは炭素数12以上の飽和脂肪族基を持つものであ
る。またモノエステル、ジエステル、トリエステルのい
ずれでもよい。
燐酸エステル化合物としては、燐酸トリ−n−オクタデ
シルエステル(トリステアリルフォスフェート)、燐酸
トリヘキサデシルエステル、燐酸トリドデシルエステ
ル、燐酸トリオクチルエステル、燐酸トリ−nブチルエ
ステル、燐酸トリオレイルエステル、燐酸ジ−n−オク
タデシルエステル、燐酸ジドデシルエステル、燐酸ジイ
ソプロピルエステル、燐酸ジオレイルエステル、燐酸ジ
ヘキサデシルエステル等の脂肪族エステル、燐酸トリフ
ェニルエステル、燐酸トリクレジルエステル、燐酸ジフ
ェニルエステル、燐酸ジクレジルエステル等の芳香族燐
酸エステル類などが挙げられる。これらのうち特に優れ
るのが燐酸トリ−n−オクタデシルエステル(トリステ
アリルフォスフェート)、燐酸トリヘキサデシルエステ
ル、燐酸トリドデシルエステル、燐酸トリオレイルエス
テル、燐酸ジ−n−オクタデシルエステル、燐酸ジドデ
シルエステル、燐酸ジオレイルエステル、燐酸ジヘキサ
デシルエステル等であり、この中では燐酸トリ−n−オ
クタデシルエステル(トリステアリルフォスフェート)
が一番優れる。
本発明における潤滑層には上記例示した燐酸エステルの
1種または2種以上のほか一般の潤滑剤を混在させても
よい。燐酸エステルと他の化合物との重量比は10〜100
%、好ましくは30〜100%である。
本発明に用いられるメルカプト基を有する有機化合物と
しては、特にテトラデシルメルカプタン、ヘキサデシル
メルカプタン、オクタデシルメルカプタン等のアルキル
メルカプタン、メルカプトベンゾイミダゾール誘導体、
チオバルビツール酸誘導体等のメルカプト基置換へテロ
環化合物、より好ましくは下記のような、分子内にメル
カプト基とエステル結合を有する有機化合物が挙げられ
る。
分子内にメルカプト基とエステル結合を有する化合物と
してはβ−メルカプトプロピオン酸ベヘニル、β−メル
カプトプロピオン酸オクタデシル、β−メルカプトプロ
ピオン酸ドデシル、β−メルカプトプロピオン酸オクチ
ル、β−メルカプトプロピオン酸メチル、β−メルカプ
トプロピオン酸オレイル、チオグリコール酸ベヘニル、
チオグリコール酸オクタデシル、チオグリコール酸ドデ
シル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メ
チル、チオグリコール酸オレイル、チオサリチル酸ベヘ
ニル、チオサリチル酸オクタデシル、チオサリチル酸ド
デシル、チオサリチル酸オクチル、チオサリチル酸メチ
ル、チオサリチル酸オレイル、ステアリン酸2−メルカ
プトエチル、オレイン酸2−メルカプトエチル、ミリス
チン酸2−メルカプトエチル、ラウリン酸2−メルカプ
トエチル、マレイン酸ジ2−メルカプトエチル、プロピ
オン酸2−メルカプトエチル、チオリンゴ酸ジオクタデ
シル、チオリンゴ酸ジヘキサデシル等のモノエステルま
たはジエステル化合物のほか、メルカプト基を有するオ
リゴエステルまたはポリエステル化合物等が挙げられ
る。
本発明において保護層の表面に設ける潤滑層には上記例
示したメルカプト基を有する有機化合物の1種または2
種以上のほか一般の潤滑剤を混在させてもよい。メルカ
プト基含有化合物と他の化合物との重量比は10〜100
%、好ましくは30〜100%である。
本発明において使用するフッ素系潤滑剤、燐酸エステル
化合物及びメルカプト基を有する有機化合物は2種以上
混合して有機潤滑剤として使用してもよい。
また、フッ素系潤滑剤、燐酸エステル化合物、メルカプ
ト基を有する有機化合物のほかに混入できる潤滑剤とし
ては、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステ
ル、高級脂肪族アルコール、モノアルキルフォスフェー
ド、ジアルキルフォスフェート、トリアルキルフォスフ
ェート、パラフィン類、シリコーンオイル、動植物油、
鉱油、高級脂肪族アミン;グラファイト、シリカ、二硫
化モリブデン、二硫化タングステン等の無機微粉末;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレ
ン−塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
等の樹脂微粉末;αオレフィン重合物;常温で液体の不
飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。
潤滑層を形成する方法としては、上記潤滑剤を有機溶剤
に溶解して基板に塗布あるいは憤霧したのち乾燥する方
法、溶融して基板に塗着させる方法、有機溶剤に溶解し
た溶液に基板を浸漬して基板表面に吸着させる方法、ラ
ングミュアープロジェット法などにより基板表面に単分
子膜を形成する方法等が挙げられる。
金属薄膜型磁性層としてはFe,Co,Ni等の強磁性金属、あ
るいはFe-Co,Fe-Ni,Co-Ni,Fe-Si,Co-Cr,Co-V,Co-Sm,Co-
Pt,Co-P,Co-Ni-P,Fe-Cr-Co等の強磁性合金、あるいはこ
れらに添加物を加えたもの、あるいはこれらを重層にし
たもの等が挙げられる。
非磁性基板としてはポリエチレンテレフタレート、ポリ
イミド、ポリアミド等のフィルム状の高分子材料、ポリ
カーボネイト、ポリメチルメタクリレート等のディスク
状の高分子材料、ガラス等のセラミック、アルミニウム
等の金属等が使用可能である。基板の形状はシート、カ
ード、ディスク、ドラム、テープ等のいずれでも良い。
本発明の磁気記録媒体を作成するには、まず非磁性基板
上に金属磁性層を真空蒸着、スパッタリング、イオンプ
レーティング、メッキ等の方法で被着せしめて磁性層を
形成し、更にその上にCr,Mn,Mo,Nb,Ta,Ti,VおよびWか
ら選ばれる少なくとも一種を含有するグラファイト状カ
ーボンを主成分とする保護層を真空蒸着、スパッタリン
グ等で形成し、保護層を中性洗剤及びフッ素系溶剤の有
機溶剤により洗浄し、さらにその上にフッ素系潤滑剤、
リン酸エステル化合物、メルカプト基を含有する有機化
合物などを含有する潤滑層を設ければ良い。
この場合、磁性層は2種の異なる磁性体を用いて積層型
にしても良いし、下地層を設けた単層型にしても良い
し、中間層を設けた積層型にしても良い。なお磁性層の
厚さはいずれの場合でも0.1〜2μm程度が適当であ
る。
また、保護層、潤滑層の厚さは厚すぎるとヘッドと媒体
間のスペーシング損失のため電磁変換特性が劣化し、一
方薄すぎると走行耐久性の向上が見られないので、保護
層の厚さとしては10〜1000Å、好ましくは50〜200Å程
度が良く、また潤滑層の厚さ(存在量のことをここでは
厚さと呼ぶことにする)は、0.5mg/m2〜100mg/m2が好ま
しく、より好ましくは2mg/m2〜20mg/m2である。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
実施例1 非磁性基板として厚さ50μmのポリイミドフィルムを用
いた。
まず、この基板上にCo-Cr又はCo-Niをターゲットとした
Arガス中のスパッタリングにより厚さ2500ÅのCo-Cr又
はCo-Ni薄膜を形成した。
次に、グラファイトターゲット上にCr,Mn,Mo,Nb,Ta,Ti,
V,およびWからなるベレットを置いてArガス中でスパッ
タリングを行い、上記Co-Cr又はCo-Ni薄膜上にCr,Mn,M
o,Nb,Ta,Ti,V,Wのうち少なくとも一種を含有する含有量
は表に記載するグラファイト状カーボンを主成分とする
厚さ200Åの保護層を形成した。
次に、アルキルスルホン酸ナトリウム及びダイフロンが
入っている槽に前記媒体を浸し、各2分間超音波洗浄を
行なった。
次に、下記の各種潤滑剤(a)〜(e)をメチルエテル
ケトンに溶解して塗布、乾燥し、厚さ15mg/m2の潤滑層
を形成した。
潤滑剤 (a)パーフルオロポリエーテル(Montefluos社製AM20
01) (b)パーフルオロノニルアルコール (c)パーフルオロオクチルエチレンオキシド付加物
(エチレンオキシドの連鎖数=平均7) (d)パーフルオロエチレン・パーフルオロメチレン共
重合体Montefluos社製フォンブリンZ4000 (e)パーフルオロオクタン酸オクタデシル これらを直径3.5インチのディスクの形状に加工し、市
販のMF2HD用ジャケット(富士写真フィルム製)に組み
込み、サンプルとした。更に前記工程において、カーボ
ン保護層を設けないもの、洗浄工程を行なわないもの、
あるいは潤滑剤を用いないもののサンプルを作成した。
市販のフロッピーディスクドライブ(スライダー材質:
チタン酸カルシウム,両面スライダータイプ)により記
録を行った後、再生信号と摩擦係数をモニターしながら
300r.p.m.で回転させ、摩擦係数が急激に大きくなるま
でのパス数を測定することにより走行耐久性のテスト
(環境条件:25±2℃、30±5%PH)を行った。また、
同時に保護膜の剥離状態とヘッド付着物の程度を光学顕
微鏡で調べた。
Cr,Mn,Mo,Nb,Ta,Ti,V,およびWの含有量はオージェ電子
分光法を用いて測定した各々の元素と炭素との微分スペ
クトルのピーク比より求めた。なお、膜厚方向で保護層
の構成元素の組成に変化がないことも同様にして確認し
た。
なお、カーボンを主成分とする保護層の洗浄をアルキル
スルホン酸ナトリウム及びMEK(メチルエチルケト
ン)、アルキルスルホン酸ナトリウム及びノルマルヘキ
サンに変えたサンプルも作成した。
保護層添加物種、量、潤滑剤種、および得られた結果を
表1に示した。表から明らかなように、グラファイト状
カーボンを主成分とする保護層を設け、洗浄後さらにそ
の上層にフッ素系潤滑剤を含有する潤滑層を設けたサン
プルは、潤滑層を設けないもの、あるいは潤滑層形成前
に保護層表面を洗浄しなかったものと比較して走行耐久
性に優れている。ヘッドおよび膜面を顕微鏡観察した結
果、走行耐久性の優れたサンプルには付着物も傷もない
ことを確認した。尚カーボン保護層中にCr,Mn,Mo,Nb,T
a,Ti,V,およびWを適量含有したものは特に走行耐久性
に優れている。
なお、ヘッド付着物は光学顕微鏡(×20)により観察し
た。
○は付着物ほとんどなし、△は若干あることを示す。
膜面キズは光学顕微鏡(×160)により観察した。
○はほとんどなし、△は若干あることを示す。
また、停止迄の全走行パス数の90%以上を走行した時点
でモータートルクの比(走行中/初期値)≦1.1のもの
を○,≧1.1のものを×とした。(第1図)。
総合評価は実用不可のレベルを×、実用レベルにやや足
りないものを△、実用レベルに達したのを○とした。
実施例2 下記の潤滑剤(f)〜(g)をメチルエチルケトンに溶
解して塗布、乾燥し、厚さ15mg/m2の潤滑層を形成した
以外は、実施例1と同様にして試験した。
(f)燐酸トリ−n−オクタデシルエステル (g)燐酸ジオレイルエステル 保護層添加物種、量、潤滑剤種、および得られた結果を
表2に示した。
実施例3 下記の潤滑剤(h)〜(i)をメチルエチルケトンに溶
解して塗布、乾燥し、厚さ15mg/m2の潤滑層を形成した
外は実施例1と同様にして試験した。
(h)チオグリコール酸オクタデシル (i)チオサリエチル酸オクタデシル 保護層添加物種、量、潤滑剤種、および得られた結果を
表−3に示した。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明による磁気記録媒体を用いれば、
磁気ヘッドとの摩擦係数を極めて小さくし、且つヘッド
に付着物を生じさせず、媒体に傷も発生せず、走行耐久
性を大幅に向上することができる。
また、低トルクを長時間にわたって維持できるのでFDド
ライブに負担をかけない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、FDドライブにおける走行パス数との関係にお
けるモータートルクの関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 一彦 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−42331(JP,A) 特開 昭62−150525(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に磁性金属薄膜を設け、この
    金属薄膜の上にカーボンを主成分とする保護層と有機潤
    滑剤を含有する潤滑層とをこの順に設ける際に、該保護
    層表面を中性洗剤及びフッ素系溶剤の有機溶剤により洗
    浄することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】上記保護層が添加金属としてCr,Mn,Mo,Nb,
    Ta,Ti,V,Wの1種又は2種以上を含有することを特徴と
    する特許請求の範囲第(1)項記載の磁気記録媒体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】潤滑層に含有される有機潤滑剤が有機フッ
    素系潤滑剤であることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】潤滑層に含有される有機潤滑剤がリン酸エ
    ステル化合物であることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】潤滑層に含有される有機潤滑剤がメルカプ
    タン基を含有する有機化合物であることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
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