JPH0690259A - デジタル変調器のためのベースバンド信号生成器 - Google Patents

デジタル変調器のためのベースバンド信号生成器

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JPH0690259A
JPH0690259A JP60993A JP60993A JPH0690259A JP H0690259 A JPH0690259 A JP H0690259A JP 60993 A JP60993 A JP 60993A JP 60993 A JP60993 A JP 60993A JP H0690259 A JPH0690259 A JP H0690259A
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小坂  明雄
Mitsufumi Yoshimoto
光文 吉本
Koji Hama
光司 浜
Toshinori Iinuma
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Sanyo Electric Co Ltd
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、LSI化が容易でありかつ製造コ
ストが安価なデジタル変調器のためのベースバンド信号
生成器を提供することを目的とする。 【構成】 ベースバンド信号生成器は、差動符号化およ
びマッピング回路23によってデジタルベースバンド信
号に差動符号化およびマッピング処理を施し、得られた
I相およびQ相のシンボルマッピングデータの帯域を、
それぞれ、デジタルフィルタ25および26によって制
限する。各デジタルフィルタ25は、複数のシンボル区
間に対応するシンボルマッピングデータを蓄積する回路
25aと、複数のシンボル区間ごとに対応して設けら
れ、所定のフィルタ波形に対応するシンボルデータをそ
れぞれ記憶した複数のROM40−50と、これらのR
OMから出力されたシンボルデータを加算する加算器5
1とを備えている。この加算器51の出力からは帯域制
限されたデジタルベースバンド信号が供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、デジタル変調器のた
めのベースバンド信号生成器に関し、特に、自動車電
話、携帯用電話、コードレス電話などのデジタル方式の
通信機器におけるMODEMとして用いられるデジタル
変調器のためベースバンド信号生成器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタル方式の通信機器において
は、伝送の効率化のために、デジタルの情報信号(ベー
スバンド信号)で搬送波信号を変調することによって、
情報信号の伝送が行なわれている。
【0003】このような変調の方式としては、デジタル
のベースバンド信号(変調波信号)に応じて搬送波信号
の振幅を変化させる振幅変調方式、変調波信号に応じて
搬送波の周波数を偏移させる周波数変調方式、変調波信
号に応じて搬送波の位相を変化させる位相変調方式、変
調波信号に応じて搬送波の振幅および位相をそれぞれ独
立して変化させる振幅位相変調方式などの種々の方式が
用いられている。
【0004】このように変調波信号によって変調された
搬送波信号(変調信号)S(t)は、一般的に、次のよ
うに表わすことができる。
【0005】 S(t)=A(t)sin{ωct+φ(t)} =A(t)sinφ(t)・cosωct+A(t)cosφ(t) ・sinωct …(1) ここで、A(t)は振幅、ωcは搬送波周波数、φ
(t)は変調波信号の位相をを示している。
【0006】上記の第(1)式から明らかなように、変
調信号は、2つの直交した成分、すなわち同相(I相)
成分(上記(1)式の第1項)および直交位相(Q相)
成分(上記(1)式の第2項)の和の形で表わすことが
できる。したがって、このような変調信号は、直交変調
器を用いて形成することができる。
【0007】図14および図15は、それぞれ、このよ
うな直交変調器の原理を概念的に示すブロック図および
空間ダイアグラムである。なお、以下の例においては、
ベースバンド信号に応じて搬送波の位相を変化させる位
相変調方式を示すものとし、この場合には振幅A(t)
は1に固定される。
【0008】図14を参照すると、入力端子1を介して
与えられたデジタルのベースバンド信号に応じて、マッ
ピング回路2から、変調波信号のI相およびQ相成分が
矩形波信号として出力される。このI相成分は、ローパ
スフィルタ(LPF)3を介して乗算器7の入力に与え
られ、一方、Q相成分は、LPF4を介して乗算器8の
一方の入力に与えられる。
【0009】乗算器7の他方の入力には、信号源5から
搬送波信号cosωctが与えられ、これにより乗算器
7からは、変調信号のI相成分sinφ(t)・cos
ωctが出力される。また、乗算器8の他方入力には、
信号源5からの搬送波信号を位相シフト回路6でπ/2
だけ位相シフトして得られるsinωctが与えられ、
これにより乗算器8からは、変調信号のQ相成分cos
φ(t)・sinωctが出力される。このようにして
得られるI相成分およびQ相成分は、図15に示すよう
に、I,Q座標上に1対1の対応関係で表示される。
【0010】これらのI相成分およびQ相成分が加算器
9によって加算され、第(1)式に示すような変調信号
が形成されて、出力端子10から出力される。
【0011】なお、上述のマッピング回路2は、予め計
算によって得られたデジタル変調波信号のI相およびQ
相の帯域制限された信号波形データが記憶されたROM
を含んでいる。そして、入力端子1を介して与えられた
デジタルベースバンド信号をアドレスとして、上記波形
データが読出される。
【0012】ところで、このような直交変調器を用い
て、M相PSQ(Phase Shift Keying)信号を発生する
場合が考えられる。図16は、このようなM相PSK信
号の一例であるπ/4シフトQPSK(Quadli Phase S
hift Keying )信号の発生原理を概念的に説明する図で
ある。
【0013】図16を参照して、ある時点におけるベー
スバンド信号(変調波信号)のI相成分およびQ相成分
のデータに対応する信号点が、図16の半径1の単位円
上の、a,c,e,gのうちのいずれかに存在すると仮
定する。そして、所定の時間スロットが経過した後の次
の時点において、この信号点は、I軸およびQ軸をπ/
4回転させて得られる2つの仮想軸と半径1の単位円と
の交点b,d,f,hのうちのいずれかに移動する。以
下同様に、所定の時間スロットごとに、I軸およびQ軸
はπ/4ずつ回転されて、信号点は、単位円上を順次移
動していく。
【0014】たとえば、図16において、最初の時点に
信号点がa点に存在しかつベースバンド信号が変化しな
いと仮定した場合、所定の時間スロットごとに、すなわ
ちI軸およびQ軸がπ/4回転されるごとに、信号点
は、a点→b点→c点→d点→e点→f点→g点→h点
というように移動していく。この場合、図16から明ら
かなように、I相およびQ相のデータは各々、“1”,
“1/√2”,“0”,“−1/√2”,“−1”とい
う5種類の値を得ることになる。
【0015】一方、日本のデジタル方式自動車電話シス
テム標準規格(RCR)および北米の自動車電話規格
(TIA−IS−54)によれば、π/4シフトQPS
K変調に際して、差動符号化が行なわれることになって
いる。このような差動符号化を行なうことにより、連続
するシンボル間の相対位相のみを問題にすればよいの
で、図16の信号空間ダイアグラムを図17に示すよう
にπ/8だけ位相シフトすれば、I相およびQ相のデー
タはそれぞれ4値レベルを有することになる。
【0016】このような差動符号化を用いた、π/4シ
フトQPSK変調を一般的にπ/4シフトDQPSK変
調と称し、そのためのベースバンド信号の生成手段につ
いて簡単に説明する。まず、入力された直列のデジタル
ベースバンド信号は、シリアル/パラレル変換回路によ
って、(Xk ,Yk )というシンボルデータに変換され
る。そして、このシンボルデータ(Xk ,Yk )は、差
動符号化およびマッピング回路によって、次の式に基づ
いて、直交信号(Ik ,Qk )に変換される。
【0017】
【数1】
【0018】ただし、上述のΔΦ(Xk ,Yk )は、次
の表により規定される。
【0019】
【表1】
【0020】このようにして得られた信号Ik およびQ
k は、それぞれ、低域通過フィルタによって帯域制限が
なされた後、ベースバンド信号のI相成分およびQ相成
分として、直交変調器に供給される。
【0021】図18は、このような原理を用いた、この
発明の背景技術となるベースバンド信号生成器の構成を
概略的に示す図である。図18を参照すると、入力端子
21を介して与えられたるシリアルのデジタルベースバ
ンド信号は、シリアル/パラレル変換回路22によって
パラレルの2ビットデータに変換される。差動符号化お
よびマッピング回路23は、このシリアル/パラレル変
換回路22からの現在の2ビットのデータと、1クロッ
ク前の2ビットデータとの差動符号化を行なうととも
に、信号空間ダイアグラム上のマッピングを行なう。タ
イミング信号発生回路24は、シンボルレートよりも高
い周波数を有するクロック信号によって駆動されて、入
力信号用のクロック信号、シンボル周期のクロック信号
およびデジタルフィルタのためのクロック信号を発生す
る。
【0022】差動符号化およびマッピング回路23から
出力されたI相およびQ相のシンボルマッピングデータ
はそれぞれ、ルートナイキストフィルタのインパルス応
答波形を有するデジタルフィルタ25および26によっ
て帯域制限され、D/Aコンバータ27および28に与
えられる。この結果、D/Aコンバータ27および28
からは、それぞれ、帯域制限されたI相およびQ相のア
ナログベースバンド信号が供給され、出力端子29およ
び30を介して、変調信号発生部31(図14の要素5
ないし9に対応する)に与えられる。そして、形成され
た変調信号が出力端子32を介して出力される。
【0023】次に、図19は、図18に示した一方のデ
ジタルフィルタ25の構成を示すブロック図である。な
お、他方のデジタルフィルタ26も、このデジタルフィ
ルタ25と同じ構成を有している。このデジタルフィル
タ25は、差動符号化およびマッピング回路23から供
給されるI相のシンボルマッピングデータを、タイミン
グ信号発生回路24から供給される、シンボル周期のク
ロック信号SCKに応じてシフトしながら蓄積するシン
ボルマッピングデータ蓄積回路25aと、図20に示す
ような、所定の有限のシンボル区間におけるインパルス
入力(Ik またはQk )に対応する予め計算したルート
ナイキストフィルタ出力(インパルス応答信号)を重ね
合せた波形が記憶されたROM25bとからなる。図1
9において、M51およびM50の2ビットが最新のシ
ンボルマッピングデータに相当し、P51およびP50
の2ビットが最も古いシンボルマッピングデータに相当
する。
【0024】ROM25bに記憶されている内容は、蓄
積回路25aから出力されるシンボルマッピングデータ
およびタイミング信号発生回路24から供給される2ビ
ットの時間情報A1およびA0に基づいて読出される。
以下に説明する例においては、各相のデジタルフィルタ
を構成するROMには、中心シンボル区間を挟んで前後
それぞれ5シンボル区間ずつ、すなわち合計11シンボ
ル期間(ROMのタップ数で11)に対応するデータが
蓄積される。すなわち上述の差動符号化によって各相の
シンボルマッピングデータは4値レベルを有するため、
図19のROM25bには、411通りのデータパターン
に対応するインパルス応答を重ね合せた波形が予め記憶
される。
【0025】このようなROM25bのアドレスとして
は、4値のシンボルマッピングデータを11シンボル区
間にわたって蓄積するための11×2=22ビットと、
データ読出のための時間情報の2ビットとで、合計22
+2=24ビット必要である。ここで、データ長を8ビ
ットとすると、ROM25bの容量は、2(22+2)×8=
27ビットとなり、I相およびQ相の両相では、合計で
27×2=228=268ギガビットという大きなROM
容量が必要となる。
【0026】一方、1990年11月発行の電子情報学
会論文誌B−II,Vol.J73−B−No.11の
第639頁ないし第650頁の「1.5GHzπ/4シ
フトQPSK−TDMA伝送システム実験」に開示され
ているように、データの各レベルに対して1個のROM
を割当てて、各ROMの出力の総和を取るように構成す
ることも考えられるが、この場合には、各ROMのアド
レスは11+2=13ビット必要であり、データ長を8
ビットとすると、各レベルごとのROMの容量は2
(11+2)×8=216ビットとなる。したがって、4値レベ
ルのデータの場合、I相およびQ相の各々に216×4=
18ビット必要であり、I相およびQ相の両相では、合
計で218×2=219ビット=524キロビットというや
はり大きな容量が必要となる。このように大容量のRO
Mまたは多数のROMが必要になると、変調器のLSI
化が困難になるとともに、製造コストの上昇を招くこと
なる。
【0027】また、従来のデジタル変調器では、バース
ト送信への対応が考えられていないため、何の対策もな
くバースト送信を行なうと、送信スプリアスが発生して
しまう。より詳細に説明すると、通常のバースト送信時
には、図21の(a)に示すように、断続的に送信が行
なわれる。図21の(a)に示すように送信の時間幅を
B (秒)とすると、次式で表わされるスペクトルが発
生する。
【0028】 AD (f)=TB ・(sinπfTB /πfTB ) …(3) 図22は、このようなスペクトルを表わすグラフであ
り、斜線で示した部分がスプリアスの発生原因となる。
【0029】このような送信スプリアスの発生を防止す
るために、図21の(b)に示すようにバーストの立上
がりおよび立下がりを滑らかにするいわゆるランプ処理
が必要になる。図21(c)は、このような立上がり時
および立下がり時における送信波形の拡大図である。立
上がり時の関数としては、次のような関数が用いられ
る。
【0030】 1/2−(1/2)・cos[π・(t/2TS )] …(4) また、立下がり時の関数としては、次のような関数が用
いられる。
【0031】 1/2+(1/2)・cos[π・(t/2TS )] …(5) なお、上記(4)および(5)式においてTS は、シン
ボル周期を表わす。
【0032】このようなランプ処理を実行するために
は、ランプ処理専用のROMをさらに追加する必要があ
る。したがって、バースト送信に対応できるデジタル変
調器を従来の方式で実現する場合には、ROMの容量は
さらに増大してしまうことになる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
デジタル変調器のためのベースバンド信号生成器におい
ては、大容量のまたは多数のROMを必要とするため、
デジタル変調器のLSI化が困難であり、製造コストの
上昇を招いていた。
【0034】さらに、デジタル変調器をバースト送信対
応可能とするためにはさらにROM容量が必要となり、
上述の問題点はより顕著なものとなっていた。
【0035】この発明の目的は、LSI化が容易であり
かつ製造コストが安価なデジタル変調器のためのベース
バンド信号生成器を提供することである。
【0036】この発明の他の目的は、大容量のROMを
用いることなく構成されたデジタル変調器のためのベー
スバンド信号生成器を提供することである。
【0037】この発明のさらに他の目的は、ROM容量
の増大を伴うことなくバースト送信への対応が可能なデ
ジタル変調器のためのベースバンド信号生成器を提供す
ることである。
【0038】
【課題を解決するための手段】この発明は、要約すれ
ば、デジタル変調器のためのベースバンド信号生成器で
あって、デジタルベースバンド信号を供給する手段と、
デジタルベースバンド信号に差動符号化処理およびマッ
ピング処理を施して、互いに異なる位相における複数の
シンボルマッピングデータに変換する手段と、複数のシ
ンボルマッピングデータのそれぞれの帯域を制限する複
数のデジタルフィルタ手段と、複数のデジタルフィルタ
手段の出力をそれぞれアナログのベースバンド信号に変
換する複数の変換手段とを備えており、複数のデジタル
フィルタ手段の各々は、シンボルマッピングデータを複
数のシンボル区間に相当する分だけ蓄積する手段と、複
数のシンボル区間に対応して設けられ、所定のフィルタ
波形に対応するシンボルデータをそれぞれ記憶した複数
の読出専用記憶手段と、複数の読出専用記憶手段から読
出されたシンボルデータを加算する手段とを含んでい
る。
【0039】この発明の他の局面に従うと、複数のデジ
タルフィルタ手段の各々は、複数の読出専用記憶手段か
らのシンボルデータの読出を選択的に0にする出力マス
ク手段と、バースト送信の指定に応じて、所定のタイミ
ングで出力マスク手段を制御するマスク制御手段とをさ
らに含んでいる。
【0040】
【作用】それゆえに、この発明によれば、従来に比べて
非常に小さいROM容量でベースバンド信号生成器を実
現することができるため、デジタル変調器のLSI化が
容易になるとともに製造コストの上昇を抑えることがで
きる。
【0041】さらにこの発明によれば、ROM容量を増
大させることなく、バースト送信時における送信スプリ
アスの発生を防止することができ、バースト送信対応の
デジタル変調器のためのベースバンド信号生成器を実現
することができる。
【0042】
【実施例】図1は、この発明の一実施例であるベースバ
ンド信号生成器を構成するデジタルフィルタを示すブロ
ック図である。このデジタルフィルタは、図18のベー
スバンド信号生成器のデジタルフィルタ25(または2
6)に対応するものであり、ベースバンド信号生成器の
デジタルフィルタ以外の部分の構成は、図18に示した
従来のものと同じである。
【0043】この図1の実施例においては、デジタルフ
ィルタを複数のROMで構成して、ルートナイキストフ
ィルタのインパルス応答波形を各シンボル区間ごとに別
々に対応するROMに蓄積しておき、それぞれのROM
の出力を加算することにより、インパルス応答波形を重
ね合せた波形のデータを得る方法を提案するものであ
る。以下、このような方法を、シンボルタップROM分
割法と称することにする。
【0044】図1を参照すると、シンボルマッピングデ
ータ蓄積回路25aは、図19のものと同じであり、そ
の説明はここでは繰り返さない。図1の実施例におい
て、シンボルマッピングデータ蓄積回路25aから出力
される22ビットのシンボルマッピングデータは、それ
ぞれのシンボル区間ごとに、対応するROM40ないし
50に与えられる。これらのROMの各々は、シンボル
マッピングデータ蓄積回路25aからの対応する2ビッ
トのシンボルマッピングデータ(A2,A3)と、タイ
ミング信号発生回路24(図18)からの2ビットの時
間情報(A1,A0)をアドレスとし、各ROMに記憶
されているデータ長は、図20に示したロールオフファ
クタα=0.5のルートナイキストフィルタのインパル
ス応答波形の各シンボル区間ごとのダイナミックレンジ
によって、各ROMごとに異なっている。
【0045】より詳細に説明すると、蓄積数−5のシン
ボル区間に対応するROM40,蓄積数−4のシンボル
区間に対応するROM41,蓄積数4のシンボル区間に
対応するROM49および蓄積数5のシンボル区間に対
応するROM50のそれぞれからは、2ビットのデータ
長のシンボルデータ(D0,D1)が供給される。これ
は、それぞれのシンボル区間のダイナミックレンジを考
慮して、これらのシンボル区間における応答として2ビ
ットで十分であると判断されたからである。同様に各シ
ンボル区間のダイナミックレンジを考慮して蓄積数−3
のシンボル区間に対応するROM42および蓄積数3の
シンボル区間に対応するROM48のそれぞれからは、
3ビットのデータ長のシンボルデータ(D0−D2)が
供給され、蓄積数−2のシンボル区間に対応するROM
43および蓄積数2のシンボル区間に対応するROM4
7のそれぞれからは、4ビットのデータ長のシンボルデ
ータ(D0−D3)が供給され、蓄積数−1のシンボル
区間に対応するROM44および蓄積数1のシンボル区
間に対応するROM46のそれぞれからは、7ビットの
データ長のシンボルデータ(D0−D6)が供給され、
さらに蓄積数0のシンボル区間に対応するROM45か
らは、8ビットのデータ長のシンボルデータ(D0−D
7)が供給される。
【0046】これらのROM40ないし50の出力は、
加算器51によって加算され、I相の8ビットの帯域制
限されたデジタルベースバンド信号に変換される。
【0047】このようにして、I相およびQ相のデジタ
ルフィルタ25および26から出力されたデジタルのベ
ースバンド信号は、それぞれ、対応するD/Aコンバー
タ27および28(図18)によってアナログベースバ
ンド信号に変換され、変調信号発生部31(図18)に
与えられる。以後の動作は、図18の従来例と同じであ
る。
【0048】上述の図1に示した例では、I相およびQ
相の各々のROMの容量は以下のとおりである。すなわ
ち、図1の各ROM40ないし50の各々について見る
と、各ROMのアドレスは2+2=4ビット必要であ
り、それぞれのデータ長としては、上述のようにROM
によって異なっている。すなわち、データ長が2ビット
のROMが4個(40,41,49,50)、3ビット
のROMが2個(42,48)、4ビットのROMが2
個(43,48)、7ビットのROMが2個(44,4
6)および8ビットのROMが1個(45)存在してい
る。したがって、各相の11個のROMの容量の総和は
次のとおりである。
【0049】2(2+2) ×2×4+2(2+2) ×3×2+2
(2+2) ×4×2+2(2+2) ×7×2+2(2+2) ×8×1
=704ビット したがって、I相およびQ相の両相では、合計で704
×2=1408ビットとなり、前述した従来例の268
ギガビットと比べると約1/190650、524キロ
ビットに比べると1/372という非常に小さいROM
容量で、π/4シフトDQPSK変調のためのベースバ
ンド信号生成器を実現することができる。
【0050】以上のように、この発明の第1の実施例に
よれば、従来に比べて非常に小さいROM容量でデジタ
ル変調器のためのベースバンド信号生成器を実現するこ
とができるため、デジタル変調器のLSI化が容易にな
るとともに、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0051】次に、図2は、この発明の第2の実施例で
あるベースバンド信号生成器を構成するデジタルフィル
タを示すブロック図である。この図2に示すデジタルフ
ィルタは、図1のデジタルフィルタと同様に、図18の
デジタルフィルタ25(または26)に対応するもので
あり、この図2の実施例のベースバンド信号生成器のデ
ジタルフィルタ以外の部分の構成は、図18に示した従
来例と同じである。したがってその説明はここでは繰り
返さない。
【0052】図2に示した第2実施例のデジタルフィル
タは、図1のシンボルタップROM分割法を用いた変形
例である。図2において、シンボルマッピングデータ蓄
積回路25aは、図1に示したものと同じである。この
シンボルマッピングデータ蓄積回路25aから出力され
る22ビットのシンボルマッピングデータは、3つのグ
ループに分割されて、対応するROM60ないし62に
与えられる。より詳細に説明すると、ROM60は、蓄
積回路25aから与えられる8ビットのデータ(M20
−M51)およびタイミング信号発生回路24からの2
ビットの時間情報をアドレス(A0−A9)とし、RO
M61は、6ビットのデータ(P10−M11)および
2ビットの時間情報をアドレス(A0−A7)とし、R
OM62は、8ビットのデータ(P50−P21)およ
び2ビットの時間情報をアドレス(A0−A9)とし、
これらのROMに記憶されるデータ長は、図20に示し
たロールオフファクタα=0.5のルートナイキストフ
ィルタのインパルス応答波形のシンボル区間ごとのダイ
ナミックレンジによって、ROMごとに異なっている。
【0053】より詳細に説明すると、蓄積数−5,−
4,−3および−2に対応するROM60からは5ビッ
トのデータ長のシンボルデータ(D0−D4)が供給さ
れる。これは、これらのシンボル区間のダイナミックレ
ンジを考慮して、これらのシンボル区間における応答は
5ビットで十分であると判断されたからである。同様
に、各シンボル区間のダイナミックレンジを考慮して、
蓄積数−1,0および1に対応するROM61からは8
ビットのデータ長のシンボルデータ(D0−D7)が供
給され、蓄積数2,3,4および5のシンボル区間に対
応するROM62からは5ビットのデータ長のシンボル
データ(D0−D4)が供給される。これらのROM6
0ないし62の出力は、加算器63によって加算され、
I相の8ビットの帯域制限されたデジタルベースバンド
信号に変換される。
【0054】このようにして、I相およびQ相のデジタ
ルフィルタ25および26から出力されたデジタルのベ
ースバンド信号は、それぞれ、対応するD/Aコンバー
タ27および28(図18)によってアナログのベース
バンド信号に変換され、変調信号発生部31(図18)
に与えられる。以後の動作は、図18の従来例と同じで
ある。
【0055】上述の図2に示した例では、I相およびQ
相の各々のROMの容量は以下のとおりである。すなわ
ち、ROM60および62については、各々アドレスは
8+2=10ビット必要であり、データ長は5ビットで
ある。また、ROM61については、アドレスは6+2
=8ビット必要であり、データ長は8ビットである。し
たがって、各相の3つのROMの容量の総和は次のとお
りとなる。
【0056】2(8+2) ×5+2(6+2) ×8+2(8+2) ×
5=12288ビット したがって、I相およびQ相の両相では、合計で122
88×2=24576ビットとなり、非常に小さいRO
M容量でπ/4シフトDQPSK変調のためのベースバ
ンド信号生成器を実現することができる。以上のよう
に、この発明の第2の実施例によっても、前述の第1の
実施例ほどではないが、かなり小さいROM容量でデジ
タル変調器のためのベースバンド信号生成器を実現する
ことができるため、デジタル変調器のLSI化が容易に
なるとともに、製造コストの上昇を抑えることができ
る。
【0057】次に、図3は、この発明の第3の実施例に
よるベースバンド信号生成器を含むデジタル変調器の全
体図である。この第3の実施例は、上述の第1の実施例
のシンボルタップROM分割法を前提として、さらにバ
ースト送信にも対応可能なベースバンド信号生成器を提
供するものである。
【0058】図3を参照すると、入力端子71を介して
与えられたシリアルのベースバンド信号ANは、シリア
ル/パラレル変換回路72によって、パラレルの2ビッ
トデータ(YK,XK)に変換される。差動符号化およ
びマッピング回路73は、このシリアル/パラレル変換
回路72からの現在の2ビットデータと、1クロック前
の2ビットデータとの差動符号化を行なうとともに、信
号空間ダイアグラム上のマッピングを行なう。タイミン
グ信号発生回路74は、シンボルレート(21KHz)
よりも高い周波数を有するクロック信号によって駆動さ
れ、入力信号用のクロック信号(CLK42K)、シン
ボル周期のクロック信号(CLK21K)およびデジタ
ルフィルタのためのクロック信号(A0,A1,A2,
A3)およびI/Q切換信号(I/Q)を発生する。
【0059】差動符号化およびマッピング回路73から
出力されたI相のシンボルマッピングデータ(I0,I
1)およびQ相のシンボルマッピングデータ(Q0,Q
1)は、デジタルフィルタ75によって帯域制限され、
8ビットのベースバンド信号(DA0−DA7)として
出力される。I/Q分離回路76は、タイミング信号発
生回路74からのI/Q切換信号に応じて、デジタルフ
ィルタ75の出力であるベースバンド信号を、I相およ
びQ相のベースバンド信号(ID0−ID7,QD0−
QD7)に分離する。そして、I相のベースバンド信号
(ID0−ID7)は、D/Aコンバータ77Aによっ
てI相のアナログベースバンド信号(i(t))に変換
され、Q相のベースバンド信号(QD0−QD7)は、
D/Aコンバータ77BによってQ相のアナログベース
バンド信号(q(t))に変換される。
【0060】これらのI相およびQ相のアナログベース
バンド信号は、LPF78Aおよび78Bによってそれ
ぞれ標本化ノイズが除去された後、図14に示したもの
と同様の構成のアナログ変調部に与えられる。より詳細
に説明すると、LPF78Aからのアナログベースバン
ド信号i(t)は、乗算器80の一方入力に与えられ、
LPF78Bからのアナログベースバンド信号(q
(t))は、乗算器81の一方入力に与えられる。乗算
器80の他方入力には、信号源79から搬送波信号が与
えられ、これにより乗算器80からは、変調信号のI相
成分が出力される。また、乗算器81の他方入力には、
信号源79からの搬送波信号を位相シフト回路82でπ
/2だけ位相シフトして得れらる信号が与えられ、これ
により乗算器81からは、変調信号のQ相成分が出力さ
れる。これらのI相成分およびQ相成分が加算器83に
よって加算され、その結果がアナログの変調信号として
出力端子84から出力される。
【0061】次に、図4は、図3のシリアル/パラレル
変換回路72の詳細を示す図である。このシリアル/パ
ラレル変換回路72は、図4に示すように、4個のフリ
ップフロップ72A,72B,72Cおよび72Dによ
って構成される。入力端子71(図3)を介して入力さ
れるシリアルデータANは、タイミング信号発生回路7
4から与えられるデータレートのクロック信号CLK4
2K(42KHz)でサンプルされて、フリップフロッ
プ72Aおよび72Bに2ビット分蓄積される。この蓄
積データはさらに、タイミング信号発生回路74から与
えられるシンボル周期のクロック信号CLK21K(2
1KHz)でサンプルされて、2ビットのパラレルデー
タ(YK,XK)として出力される。
【0062】次に、図5は、図3の差動符号化およびマ
ッピング回路73の構成を詳細に示す図である。この差
動符号化およびマッピング回路73は、上述のシリアル
/パラレル変換回路72から入力された2ビットデータ
(XK,YK)の差動符号化およびマッピングを行な
う。ここで、位相を表わすのに必要なポイントはπ/4
シフトDQPSKの場合、図17のa−hで示すように
8つ存在する。計算の簡略化のために、これらのa−h
のポイントの位相状態を、aを0、bを1,cを2,d
を3,eを4,fを5,gを6,hを7というように1
0進数で表現することにする(図13参照)。
【0063】そして、現シンボルの2ビットデータ(X
K,YK)が(0,0)の場合に1、(0,1)の場合
に3、(1,1)の場合に5、(1,0)の場合に7
を、1シンボル前の位相ポイントを示す0〜7の数値に
加算し、その結果にMOD8演算を施して、現シンボル
の位相ポイントを示す0〜7の数値を得る。なお、MO
D8演算とは、ある数値を8で割った余りをまとめる演
算を言う。図5に示す現実の回路では、位相ポイントを
表わす0〜7の数値は、3ビットの2進符号の形で演算
されるため、排他的ORゲートEXOR73Aを用い
て、1シンボル前の位相ポイントの数値に加算されるべ
き1,3,5,7の数値を2進符号化する。また、1シ
ンボル前の位相ポイントの数値0〜7が3ビットパラレ
ルレジスタ73Bに記憶される。
【0064】EXOR73Aから出力される3ビットデ
ータと、3ビットパラレルレジスタ73Bから出力され
る3ビットデータとが加算器73Cにより加算され、3
ビットの出力SM0,SM1およびSM2が得られる。
この3ビットデータSM0,SM1およびSM2に基づ
いて、論理回路73D,73E,73F,73Gおよび
73Hによるマッピング動作によってシンボルマッピン
グデータI0,I1,Q0およびQ1が生成される。す
なわち、上述の論理回路のうち、排他的NORゲートE
XNOR73EはシンボルマッピングデータI1を出力
し、排他的NORゲートEXNOR73Fはシンボルマ
ッピングデータI0を出力し、インバータ73Gはシン
ボルマッピングデータQ1を出力し、排他的ORゲート
EXOR73Dおよび73Hはシンボルマッピングデー
タQ0を出力するために用いられる。なお、このマッピ
ング動作は図6に示す真理値表にしたがって行なわれ
る。
【0065】次に、図7は、図3のデジタルフィルタ7
5を詳細に示す図である。この図7のデジタルフィルタ
は、図1の第1実施例によるデジタルフィルタと同じ
く、基本的にシンボルタップROM分割法を用いるもの
である。しかしながら、図7の例では、図1の例と異な
って、中心シンボル区間を挟んで前後それぞれ4シンボ
ル区間ずつ、すなわち合計9シンボル区間(ROMのタ
ップ数で9)に対応するデータがシンボルマッピングデ
ータ蓄積回路75Aに蓄積されるものとする。より詳細
に説明すると、シンボルマッピングデータ蓄積回路75
AはI相とQ相とで時分割的に利用され差動符号化およ
びマッピング回路73から供給されるI相のシンボルマ
ッピングデータ(I0,I1)またはQ相のシンボルマ
ッピングデータ(Q0,Q1)が、タイミング信号発生
回路74から供給されるシンボル周期のクロック信号C
LK21K(21KHz)によってシフトされながら9
シンボル区間分蓄積される。
【0066】図8は、このようなシンボルマッピングデ
ータ蓄積回路75Aの構成を詳細に示す図である。図8
に示すように、このシンボルマッピングデータ蓄積回路
75Aは、4個の8ビットシフトレジスタ85−88
と、8個の2ビットデータセレクタ89−98と、4個
のフリップフロップ99−102とで構成されている。
2ビットのデータセレクタ89−98の各々は、図3の
タイミング信号発生回路74から供給されるI/Q切換
信号に応じて、I相の2ビットシンボルマッピングデー
タまたはQ相の2ビットシンボルマッピングデータを選
択的に出力する。
【0067】図7を参照すると、シンボルマッピングデ
ータ蓄積回路75Aから出力される9シンボル区間分の
18ビットのシンボルマッピングデータは、それぞれの
シンボル区間ごとに対応するROM75B−75Jに与
えられる。これらのROMの各々は、シンボルマッピン
グデータ蓄積回路75Aからの対応する2ビットのシン
ボルマッピングデータ(A4,A5)と、タイミング信
号発生回路74からの4ビット(16値)の時間情報
(A0,A1,A2,A3)とをアドレスとし、各RO
Mに記憶されるデータ長は、図20に示したロールオフ
ファクタα=0.5のルートナイキストフィルタのイン
パルス応答波形の各シンボル区間ごとにダイナミックレ
ンジによってROMごとに異なっている。
【0068】より詳細に説明すると、各シンボル区間の
ダイナミックレンジを考慮して、蓄積数−4のシンボル
区間に対応するROM75Bおよび蓄積数4のシンボル
区間に対応するROM75Jのそれぞれからは、3ビッ
トのデータ長のシンボルデータ(D0−D2)が出力さ
れる。同様に、蓄積数−3のシンボル区間に対応するR
OM75Cおよび蓄積数3のシンボル区間に対応するR
OM75Iのそれぞれからは、4ビットのデータ長のシ
ンボルデータ(D0−D3)が供給され、蓄積数−2の
シンボル区間に対応するROM75Dおよび蓄積数2の
シンボル区間に対応するROM75Hのそれぞれから
は、6ビットのデータ長のシンボルデータ(D0−D
5)が供給され、蓄積数−1のシンボル区間に対応する
ROM75Eおよび蓄積数1のシンボル区間に対応する
ROM75Gのそれぞれからは、9ビットのデータ長の
シンボルデータ(D0−D8)が供給され、そして蓄積
数0のシンボル区間に対応するROM75Fからは、1
0ビットのデータ長のシンボルデータ(D0−D9)が
供給される。
【0069】これらのROM75B−75Jの出力は、
それぞれ、対応するマスク回路75Kないし75Sに与
えられる。これらのマスク回路は、バースト送信時に、
ROMの出力を一時的にマスクして送信スプリアスの発
生を防止するためのものである。図7に示すように、各
マスク回路の入力ビット数nと出力ビット数nとは等し
く、各マスク回路はn個のANDゲートで構成されてい
る。
【0070】図9は、このようなマスク回路の構成例と
して、マスク回路75Kまたは75Sの構成を示す図で
ある。図9に示した例において、マスク回路は3ビット
の入力と3ビットの出力とを有し、3つのANDゲート
103−105で構成されている。そして、マスク制御
回路75Tからの制御出力SEが“1”のときには、入
力のD0−D2を出力B0−B2としてそのまま出力
し、一方SEが“0”のときには出力B0−B2はすべ
て“0”となる。残りのマスク回路75Lないし75R
についても入力および出力ビット数に応じてANDゲー
トの個数が異なる以外、構成は同じである。
【0071】次に、図10は、図7のマスク制御回路7
5Tの構成を示すブロック図である。図10に示すよう
に、このマスク制御回路75Tは、9個のフリップフロ
ップ110ないし118と、4個のANDゲート119
ないし122とによって構成される。また、図11は、
このマスク制御回路75Tの動作を説明するためのタイ
ミング図である。
【0072】次に、図10および図11を参照して、マ
スク制御回路75Tの動作を説明する。まず、バースト
送信の立上がり時には、図3のバースト入力端子から入
力されているバースト入力信号BINが“0”から
“1”に変化する。そしてその後、2ないし3シンボル
期間後に、マスク回路75K−75Mに対する制御出力
MCM4,MCM3,MCM2が“0”から“1”に同
時に変化し、さらにその後、残りのマスク回路に対する
制御出力MCM1,MCPM0,MCP1,MCP2,
MCP3,MCP4がシンボル周期で遅れながら順次
“0”から“1”に変化する。
【0073】その後、バースト送信の立下がり時には、
バースト入力端子から入力されているバースト入力信号
BINが“1”から“0”に変化する。そして、制御出
力MCM4,MCM3,MCM2,MCM1,MCPM
0,MCP1がシンボル周期で遅れながら順次“1”か
ら“0”に変化し、さらに1シンボル期間おいてMCP
2,MCP3,MCP4が同時に“1”から“0”に変
化する。このように、バースト送信時に、図11に示す
タイミングで、ROM75B−75Jの出力を順次マス
クすることにより、別途ROMを追加することなく、バ
ーストの立上がりおよび立下がりのランプ処理が可能と
なり、送信スプリアスの発生を防止することができる。
【0074】上述のマスク回路75K−75Sの出力
は、加算器75Uによって加算され、8ビットのデジタ
ルベースバンド信号に変換される。なお、蓄積数0のシ
ンボル区間に対応するROM75Fの出力が10ビット
であることからこの加算器75Uの出力は本来10ビッ
トにすべきものであるが、加算によってLSBに含まれ
る誤差が増加することを考慮して、LSBの2桁を切捨
てて8ビットの出力にしている。
【0075】次に、図12は、図3のI/Q分離回路7
6を詳細に示すブロック図である。上述のようにしてデ
ジタルフィルタ75から出力された8ビットのデジタル
ベースバンド信号は、I相およびQ相の成分が時分割多
重された形で出力される。そこで、I/Q分離回路76
はこれをI相のベースバンド信号とQ相のベースバンド
信号とに分離するものである。図12に示すように、こ
のI/Q分離回路76は、6個の4ビットパラレルレジ
スタ130−135と、1つのインバータ136とで構
成され、タイミング信号発生回路74からのI/Q切換
信号に応じて、8ビットの入力ベースバンド信号DA0
−DA7を、I相の8ビットベースバンド信号ID0−
ID7およびQ相の8ビットベースバンド信号QD0−
QD7に分離して出力する。これらのベースバンド信号
の以後の処理については、図3に関連して既に説明した
のでここでは繰り返さない。
【0076】この第3の実施例のROM容量は以下のと
おりである。すなわち、ROM75B−75Jの各々の
アドレスは4+2=6ビットであり、それぞれのデータ
長は前述のようにROMごとに異なり、3ビットのRO
Mが2個、4ビットのROMが2個、6ビットのROM
が2個、9ビットのROMが2個、10ビットのROM
が1個である。したがって、9個のROMの容量の総和
は、以下のとおりである。
【0077】2(4+2) ×3×2+2(4+2) ×4×2+2
(4+2) ×6×2+2(4+2) ×9×2+2(4+2) ×10×
1=3456ビット なお、上述の第3実施例では、ANDゲートで構成され
たマスク回路を用いてROM出力をマスクする場合につ
いて説明したが、ROMのそれぞれに、出力データを0
にするようなアドレスまたは専用入力端子を設ければ、
図7のマスク回路は不要になる。その場合には、図7の
マスク制御回路75Tの制御出力MCM4ないしMCP
4を、上述の出力データを0にするアドレスまたは専用
入力端子に接続するとともに、それぞれのROMの出力
を直接加算器75Uに与えるように構成すればよい。
【0078】以上のように、この発明の第3の実施例で
は、ROM容量の低減を図ることができるとともに、バ
ースト送信時における送信スプリアスの発生を防止する
ことができ、ひいてはバースト送信に対応するデジタル
変調器のためのベースバンド信号生成器を提供すること
ができる。
【0079】
【発明の効果】以上ように、この発明によるデジタル変
調器のためのベースバンド信号生成器は、デジタルベー
スバンド信号を供給する手段と、デジタルベースバンド
信号に差動符号化処理およびマッピング処理を施して、
互いに異なる位相における複数のシンボルマッピングデ
ータに変換する手段と、複数のシンボルマッピングデー
タのそれぞれの帯域を制限する複数のデジタルフィルタ
手段と、複数のデジタルフィルタ手段の出力をそれぞれ
アナログのベースバンド信号に変換する複数の変換手段
とを備え、複数のデジタルフィルタ手段の各々は、シン
ボルマッピングデータを複数のシンボル区間に相当する
分だけ蓄積する手段と、複数のシンボル区間に対応して
設けられ、所定のフィルタ波形に対応するシンボルデー
タをそれぞれ記憶した複数の読出専用記憶手段と、複数
の読出専用記憶手段から読出されたシンボルデータを加
算する手段とを含んでいるので、従来に比べて非常に小
さいROM容量でベースバンド信号生成器を実現するこ
とができ、ひいてはデジタル変調器のLSI化を容易に
するとともに、製造コストの上昇を抑えることができ
る。
【0080】さらにこの発明によるデジタル変調器のた
めのベースバンド生成器においては、各デジタルフィル
タ手段は、複数の読出専用記憶手段からのシンボルデー
タの読出を選択的に0にする出力マスク手段と、バース
ト送信の指定に応じて、所定のタイミングで出力マスク
手段を制御するマスク制御手段とを含んでいるので、バ
ースト送信時における送信スプリアスの発生を防止する
ことができ、ROM容量の増大を伴うことなくバースト
送信対応のデジタル変調器のためのベースバンド信号生
成器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例であるベースバンド信
号生成器を構成するデジタルフィルタを示すブロック図
である。
【図2】この発明の第2の実施例であるベースバンド信
号生成器を構成するデジタルフィルタを示すブロック図
である。
【図3】この発明の第3の実施例によるベースバンド信
号生成器を含むデジタル変調器を示すブロック図であ
る。
【図4】図3のシリアル/パラレル変換回路の詳細を示
す図である。
【図5】図3の差動符号化およびマッピング回路の詳細
を示す図である。
【図6】図5に示したマッピング動作の原理を説明する
ための真理値表である。
【図7】図3に示したデジタルフィルタの構成を詳細に
示す図である。
【図8】図7に示したシンボルマッピングデータ蓄積回
路の構成を詳細に示す図である。
【図9】図7に示したマスク回路の構成を示す図であ
る。
【図10】図7に示したマスク制御回路の構成を示す図
である。
【図11】第10図のマスク制御回路の動作を説明する
タイミング図である。
【図12】図3に示したI/Q分離回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図13】差動符号化およびマッピング回路の動作原理
を概念的に示す図である。
【図14】直交変調器の原理を概念的に示すブロック図
である。
【図15】直交変調器の原理を概念的に示す空間ダイア
グラムである。
【図16】π/4シフトQPSK信号の発生原理を概念
的に説明する図である。
【図17】差動符号化の原理を概念的に説明する図であ
る。
【図18】π/4シフトDQPSK変調のための従来の
ベースバンド信号生成器を示すブロック図である。
【図19】図18に示したデジタルフィルタの構成を示
すブロック図である。
【図20】図18に示したデジタルフィルタのインパル
ス応答特性を示す波形図である。
【図21】バースト送信時における送信スプリアスの発
生原理を示す波形図である。
【図22】バースト送信時における送信スプリアスの発
生原理を示すグラフである。
【符号の説明】
1,21,71 入力端子 2 マッピング回路 3,4,78A,78B LPF 5 搬送波信号源 6 位相シフト回路 7,8,80,81 乗算器 9,83 加算器 10,32,84 出力端子 22,72 シリアル/パラレル変換回路 23,73 差動符号化およびマッピング回路 24,74 タイミング信号発生回路 25,26,75 デジタルフィルタ 25a,75A シンボルマッピングデータ蓄積回路 27,28,77A,77B D/Aコンバータ 31 変調信号発生部 40−50,60−62,75B−75J ROM 76 I/Q分離回路 75K−75S マスク回路 75T マスク制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜 光司 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 飯沼 敏範 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル変調器のためのベースバンド信
    号生成器であって、 デジタルベースバンド信号を供給する手段と、 前記デジタルベースバンド信号に差動符号化処理および
    マッピング処理を施して、互いに異なる位相における複
    数のシンボルマッピングデータに変換する手段と、 前記複数のシンボルマッピングデータのそれぞれの帯域
    を制限する複数のデジタルフィルタ手段とを備え、 前記複数のデジタルフィルタ手段の各々は、 前記シンボルマッピングデータを複数のシンボル区間に
    相当する分だけ蓄積する手段と、 前記複数のシンボル区間に対応して設けられ、所定のフ
    ィルタ波形に対応するシンボルデータをそれぞれ記憶し
    た複数の読出専用記憶手段と、 前記複数の読出専用記憶手段から読出されたシンボルデ
    ータを加算する手段とを含み、 前記複数のデジタルフィルタ手段の出力をそれぞれアナ
    ログのベースバンド信号に変換する複数の変換手段をさ
    らに備えた、ベースバンド信号生成器。
  2. 【請求項2】 デジタル変調器のためのベースバンド信
    号生成器であって、 デジタルベースバンド信号を供給する手段と、 前記デジタルベースバンド信号に差動符号化処理および
    マッピング処理を施して、互いに異なる位相における複
    数のシンボルマッピングデータに変換する手段と、 前記複数のシンボルマッピングデータのそれぞれの帯域
    を制限する複数のデジタルフィルタ手段と、 バースト送信を指定する手段とを備え、 前記複数のデジタルフィルタ手段の各々は、 前記シンボルマッピングデータを複数のシンボル区間に
    相当する分だけ蓄積する手段と、 前記複数のシンボル区間に対応して設けられ、所定のフ
    ィルタ波形に対応するシンボルデータをそれぞれ記憶し
    た複数の読出専用記憶手段と、 前記複数の読出専用記憶手段からの前記シンボルデータ
    の読出を選択的に0にする出力マスク手段と、 前記バースト送信指定手段によるバースト送信の指定に
    応じて、所定のタイミングで前記出力マスク手段を制御
    するマスク制御手段と、 前記複数の読出専用記憶手段から読出されたシンボルデ
    ータを加算する手段とを含み、 前記複数のデジタルフィルタ手段の出力をそれぞれアナ
    ログのベースバンド信号に変換する複数の変換手段をさ
    らに備えた、ベースバンド信号生成器。
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