JPH068993Y2 - 不定形耐火材施工用中枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、溶融金属用樋等の容器の不定形耐火材施工用
中枠に関し、特に中枠の施工幅を伸縮調整できる不定形
耐火材施工用中枠に関する。

従来の技術 従来、高炉出銑樋やタンディッシュ等の溶融金属用容器
の内張り耐火物を流し込み施工するにあっては、溶融金
属用容器に所定の大きさの中枠を設置したり、中枠を組
み立てて設置して行っているものであった。

考案が解決しようとする課題 しかし、前者にあっては、中枠の幅が一定であるため、
溶融金属用容器の損耗状況や操業状況に応じて施工厚さ
を加減することができず、また脱枠時に流し込みの不定
形耐火材と中枠の周面との摩擦で内張り耐火物の施工体
に亀裂が入ったり、形がくずれたりしやすいものであっ
た。

また後者にあっては、中枠を組み立てたり、脱枠するの
に手間がかかるものであった。

課題を解決するための手段 本考案は上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を
解決するために、溶融金属用樋等の容器の内張り耐火物
を施工するための中枠を溶融金属用容器の底面に対面す
る底板に溶融金属用容器の側面に対面する側板を側方に
摺動可能に配設して形成するとともに、上記中枠の底板
に伸縮駆動装置を配設してリンク機構等の伸縮機構を介
して側板を所定の間隔に伸縮調整自在に底板に配設した
ことを特徴とする不定形耐火材施工用中枠を提供するに
ある。

作用 本考案によれば、中枠の側板を内側に縮め、溶融金属用
樋等の容器あるいは任意の施工厚さに合わせて設置する
ことができる。そして、底板に配設の伸縮駆動装置の作
動によって、伸縮機構を介して側板を側方に移動でき、
溶融金属用容器あるいは損耗の状況に応じて側壁と側板
との間隙を調整でき、内張り耐火物の施工体を所望の施
工厚さにすることができる。

また、中枠の脱枠にあたって、上記伸縮駆動装置を作動
することによって、側板を内側に移動して縮められ、施
工体が無理な力がかからずに奇麗に脱枠することができ
る。

実施例 以下、本考案を実施例にもとづいて説明する。

第１図以下は、本考案の一実施例である。高炉出銑用樋
等の溶融金属用容器１の中枠２は、第１図のように所定
幅の底板３の上面側に左右の側板４、５をその折曲した
下辺材６、７を所定量重ね合わせて形成している。左右
の側板４、５は、第１図〜第３図のように所定の間隔で
上下に設けた水平な保持用パイプ８、９の両側に摺動ロ
ッド１０、１１をそれぞれ嵌装し、摺動ロッド１０、１
１のそれぞれ端部を側板４、５にそれぞれ取着してい
る。

上記側板４、５には、第１図、第２図のようにピン接続
用の枢支部１２をそれぞれ突設し、この枢支部１２にほ
ぼ左右対称状にリンク材１３、１４を山形状にしてそれ
ぞれ枢着し、リンク材１３、１４の中央部を接続ピン１
５でそれぞれ枢支して、左右の側板４、５を平行に移動
自在とするリンク機構の伸縮機構１６を形成している。

上記伸縮機構１６は、第１図〜第３図のように底板３に
固着した伸縮用架台１７に所定間隔に配設の油圧シリン
ダーの伸縮駆動装置１８を同調駆動して伸縮作動自在と
している。伸縮駆動装置１８は、第３図のように伸縮用
架台１７にスライド軸受１９に軸支して架設した剛直な
スライド軸２０を水平に摺動可能に接続材２１を介して
伸縮機構１６を中央の接続ピン１５部に接続し、中枠２
の側板４、５の施工幅を溶融金属用容器１の状況に応じ
て伸縮調整自在としている。底板３と側板４、５の下辺
材６、７との間には、第４図のようにグリース給油管２
２を適宜に配設してグリース給油するようにし、側板
４、５を円滑に摺動できるようにしているとともに、外
部から流し込みの不定形耐火材が侵入するのを防止する
ようにしている。

したがって、溶融金属用容器の状況に応じて側板を伸縮
して、所望の施工厚さに中枠を設置することができると
ともに、脱枠の際に側板を縮めることによって奇麗に中
枠に除去することができるものである。

上記の実施例では、中央の伸縮駆動装置で左右の側板を
平行に伸縮するようにしたが、伸縮駆動装置を上下に設
置したり、係脱装置を介在させることによって、側板の
上下部を別々に作動して側板の傾斜角度を可変に傾斜す
るようにもできるものである。

なお、伸縮機構としては、上記したような平行リンク機
構が好ましいが、左右別々に伸縮したり、他の公知の機
構を利用して側板の間隔を調整することができるもので
ある。

考案の効果 以上のように本考案にあっては、中枠の側板を摺動して
伸縮できるので、溶融金属用容器の内張り耐火物の損耗
状況や操業状況等に対応して内張り耐火物を所望の施工
厚さに施工することができるものである。また、設置し
た中枠を脱枠するにあっても、側板を縮められるので、
施工体との無理な摩擦を削除でき、施工体を損傷するこ
となく、奇麗に脱枠することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図は同上の
一部省略した平断面図、第３図は同上の一部省略した側
断面図、第４図は同上のグリース給油部の縦断面図であ
る。 １…溶融金属用容器、２…中枠、３…底板、４、５…側
板、１６…伸縮機構、１８…伸縮駆動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】溶融金属用樋等の容器の内張り耐火物を施
   工するための中枠を溶融金属用容器の底面に対面する底
   板に溶融金属用容器の側面に対面する側板を側方に摺動
   可能に配設して形成するとともに、上記中枠の底板に伸
   縮駆動装置を配設してリンク機構等の伸縮機構を介して
   側板を所定の間隔に伸縮調整自在に底板に配設したこと
   を特徴とする不定形耐火材施工用中枠。