JPH0689705A - 扁平型固体電池 - Google Patents

扁平型固体電池

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JPH0689705A
JPH0689705A JP4263077A JP26307792A JPH0689705A JP H0689705 A JPH0689705 A JP H0689705A JP 4263077 A JP4263077 A JP 4263077A JP 26307792 A JP26307792 A JP 26307792A JP H0689705 A JPH0689705 A JP H0689705A
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JP
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battery
sheet
flat
electrode
acrylate
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JP4263077A
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Okitoshi Kimura
興利 木村
Toshiyuki Osawa
利幸 大澤
Toshishige Fujii
俊茂 藤井
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高エネルギー密度化を実現
すると共に、サイクル特性等が向上した信頼性の高いシ
ート状電池を提供することにある。 【構成】 シート状正極、シート状隔膜およびシート状
負極の積層物である発電要素を、外装材で構成される扁
平状容器内に搭載した扁平型電池において、前記シート
状隔膜はその両端部で外装材の封止部に固定され、かつ
扁平状容器の内部空間部と発電要素との間に隙間が存在
しないことを特徴とする扁平型固体電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、シート状固体電池の分野に関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器は、小型化、薄型化、軽量
化の傾向が著しく、特に、OA機器の分野においては、
ディスクトップ型からラップトップ型、ノートブック型
へと小型軽量化が進んでいる。また、このような小型軽
量化は、電子手帳、電子スチールカメラ等の新しい電子
機器の分野にも進んでいる。さらに、このような電子機
器の分野において、従来のハードディスク、フロッピー
ディスク等の小型化に加えて、新しい小型のメモリメデ
ィアとしてメモリカードの開発も進められている。この
ような電子機器の小型化、薄型化、軽量化に伴ない、電
子機器等に電力を供給する電池についても、駆動用、バ
ックアップ用を問わず、小型化、薄型化、軽量化の開発
傾向をもっている。特に、薄型化を意図するものとし
て、ペーパー電池、薄型扁平電池、あるいはプレート状
電池と称される薄型の電池が近年開発されている。
【0003】ところで、電池においては、発電要素(正
極、負極、さらにはセパレータ)の密接性、あるいは密
着性は、エネルギー密度、取出せる電流、内部インピー
ダンス等の諸特性あるいはサイクル寿命特性等を良好に
維持する上で非常に重要なものとなっている。換言する
と、発電要素の密接性、あるいは密着性の状態が悪い
と、上記各諸特性が大きく劣化してしまう。従来の薄型
電池、例えばコイン型のような金属缶による外装におい
ては、その金属の剛性により発電要素を圧迫し、密着を
している。
【0004】しかしながら、上述した薄型の電池では、
その厚さに対して長さおよび幅が非常に大きく、発電要
素である正極、セパレータ、負極も厚さ方向の断面積に
対して非常に大きな表面積をもっている。このため発電
要素の密接性、あるいは密着性を全体にわたって均一な
良好なものにすることは従来、非常に難かしいという問
題があった。従来のシート状電池の断面構造を模式的に
図1に示す。これによれば電池の中にすき間aが存在す
る形となっている。これはショート防止のため正極1と
負極2が隔膜3により確実に分離されるように、1と2
が3より小さく設定してあるために形成されるすき間で
ある。このすき間が存在することにより正極、負極をす
き間いっぱいまで搭載できないことによる電池の体積エ
ネルギー密度の低下、正極および負極の移動あるいは正
極と負極の相互のヅレが生ずることによる密着性の低
下、すき間部分への余分な電解液の存在等の不都合が生
じる。これは、電池の体積エネルギー密度、重量エネル
ギー密度、取出せる電流、内部インピーダンスの諸特性
およびサイクル寿命を悪化させる原因となるものであ
る。以上のことから、高エネルギー密度化、サイクル特
性等の全てを満足する信頼性の高いシート状電池は未だ
実現されていないというのが現状である。
【0005】
【目的】本発明の目的は、上記のような課題を解決し
た、即ち高エネルギー密度化を実現すると共に、サイク
ル特性等が向上した信頼性の高いシート状電池を提供す
ることにある。
【0006】
【構成】本発明は、シート状正極、シート状隔膜および
シート状負極の積層物である発電要素を、外装材で構成
される扁平状容器内に搭載した扁平型固体電池におい
て、前記シート状隔膜がその両端部で外装材の封止部に
固定され、かつ扁平状容器の内部空間部と発電要素との
間に隙間が生じない形状であることを特徴とする扁平型
固体電池に関する。
【0007】本発明の扁平型固体電池の構造を図2に基
づいて説明する。また、本発明でいう扁平型電池とは、
シート状、プレート状の電池をあらわすものであり、従
来あるコイン型電池等は、この範囲ではない。また、大
きさとしては、好ましくは面積10cm2以上、厚み
0.1〜2mm、さらに好ましくは面積30cm2
上、厚み0.3〜1mmである。図2は本発明の電池の
断面構造を模式的に示した図である。正極1および負極
2は、外装材4および5で形成される容器の内部形状に
適合した形状を有しており、容器内いっぱいに空所なく
搭載されている。また、正極1、負極2および隔膜3の
積層物である発電要素は、シート状隔膜3の両端部で外
装材4,5と熱融着フィルム6により固定されている。
ただし、シート状隔膜3と外装材4,5の固定手段は、
前記のような熱融着フィルム6によるものに限られるも
のではなく、他の任意の固定手段、例えば図3に示すよ
うな外装フレーム8を使用する方法を採用することもで
きる。特に前記のような外装フレーム8を使用すること
により、上下の外装材4,5がともに金属材料の場合で
あっても、該外装フレーム8として非導電材料を使用す
ることにより、封止部7の貫通によるショート防止がで
きるとともに、該外装フレーム8が、支持体の役割をし
て電池全体にわたり厚みが均一にできる。図2の電池
は、正極1および負極2は、容器内いっぱいに搭載され
ているので、図1のaに示すような空所がなく、高い体
積および重量エネルギー密度を有する電池となってい
る。シート状隔膜3は、容器内ではなく容器を構成する
外装材4,5の封止部7に挟持固定されているので、正
極および負極は容器内で完全に隔離されており、充放電
により正極または負極で発生する不純物を対極側に拡散
することを防止し、自己放電やサイクル特性の劣化を改
善できる。
【0008】また正極1および負極2が容器内いっぱい
存在すること、およびシート状隔膜3が外装材4,5の
封止部7に固定されていることの相乗効果により正極お
よび負極の移動および正極と負極のヅレを確実に防止で
き、発電要素の密着性の向上ひいてはショート防止等の
信頼性、サイクル特性の向上、内部インピーダンスの低
減に大きく寄与できるものである。
【0009】なお、本発明の外装材で形成される容器の
内部空間部と電池要素との間に隙間が生じないとは、容
器内容量に対して電池要素が90%以上、好ましくは9
5%以上の容量で搭載されていることを意味する。
【0010】また、図2においては外装材4,5にはア
ール部bが存在するが、このアール部bは外装材の封止
を行なう際に生ずるものであるが、該bの部分において
変形が生じ、電池要素とこの部分に隙間が生じる可能性
があり、特に図4のcに示すようにアール部の四隅部の
部分において生じやすいが、このような不都合は封止部
として外装フレーム8を使用する図3においては生じな
い。外装フレーム8の使用に際しては、その厚みは好ま
しくは電池要素1,2,3の総厚みと同じが最も好まし
いが、該総厚みの50%以上であれば上述した不具合は
生じにくい。外装フレーム8の材質としては、電解質成
分に対して安定なプラスチック材料が好ましく、より具
体的にはポリエチレン、ポリプロピレン等を用いること
ができる。
【0011】本発明の電池においては、さらに発電要素
の密着性を図る上で、電池容器内部の圧力が大気圧以下
に保持されていることが好ましい。従来の電池では、発
電要素である正極、負極、セパレータの電解質吸収によ
る膨潤、化学反応(充放電反応)による正極、負極の膨
潤、発電要素そのものの外圧による変形に対する回復力
(応力)などを、強固な外装材で封じ込めることによ
り、正極、負極の密接性、密着性を維持するようにして
いた。この技術をシート状電池に対しても適用する場
合、シート状の電池においては、厚さ方向の断面積に対
し、正極、負極の表面積が大きいので、前述した発電要
素の変形する力や、外部からの力による電池固体の変形
を制御するのに従来よりもさらに厚く強固な外装材(例
えば金属板)が必要となる。しかしながら、シート状電
池の性質上、厚く、重くなることは好ましくなく、ま
た、電池の性能面からも電池のエネルギー密度を下げる
ことになり好ましくない。厚くかつ強固な外装材を用い
ることなく、発電要素1,2および3の密接性、密着性
を維持するのには、電池内部の圧力を大気圧以下とすれ
ば良い。電池内部の圧力を大気圧以下にすることによっ
て、図5に示すように、外部から外装材4,5の表面に
力が加わり、これにより、外装材4,5間の構成要素に
圧力が加わり、発電要素9の密接性、密着性を確保する
ことができる。この構成によれば、厚くかつ強固な外装
材を使用することなく発電要素9の良好な密接性、密着
性を達成することができ、また、電池自体もより薄いも
のとすることができるため、電池の諸特性、特にエネル
ギー密度を向上させることができる。上述したような本
発明の電池は、減圧下において外装材4と外装材5とを
スペーサ10を介して熱融着によって封止することによ
って製造される。これにより、電池内部の圧力を大気圧
以下にすることができる。電池の内部圧力としては大気
圧以下であれば低い程好ましいが、通常700mmHg
以下、好ましくは300mmHg以下、さらに好ましく
は100mmHg以下とすることが好ましい。また、外
装封止時の圧力としては、大気圧以下であれば低いほど
好ましいが、通常700mmHg以下、好ましくは35
0mmHg以下、さらに好ましくは100mmHg以下
とすることが好ましい。
【0012】また、本発明に使用される一対の外装材
4,5としては、少なくとも一つが可撓性をもっている
ことが好ましく、例えばプラスチック材料や薄い金属材
料などが使用可能である。このような材料を使用するこ
とにより、大気圧をより効果的に電池発電要素を加える
ことができる。より具体的に、一対の外装材4,5に
は、金属とプラスチック、プラスチックとプラスチッ
ク、金属と金属が使用可能であるが、重量及び可撓性の
点で金属とプラスチック、あるいはプラスチックとプラ
スチックで形成されることが好ましい。また、使用可能
なプラスチック材料としては空気中のガス成分の透過を
妨げ、かつ電解液に対して安定である材料が好ましい。
より具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エステル等を使用でき、ガス成分の透過防止の面から中
心に芯材として金属フィルム層をもつものが好ましい。
スペーサ10との関係からスペーサ10と対向する面に
は、熱融着性プラスチック層を有していることが好まし
い。
【0013】また、使用可能な金属材料としては、薄
く、強く、軽く、また、電解液に対して安定であるもの
が好ましい。より具体的には、SUS,Ni等を使用す
ることができる。厚さは、100μm〜10μm、より
好ましくは50μm〜10μmであるのが良い。100
μmよりも厚い場合には、金属の材質にもよるが、一般
的に可撓性に乏しく、重量も重くなり、エネルギー密度
を低下させることになり不利となる。また、10μmよ
りも薄いと、可撓性は充分良好であるが、物理的な衝撃
に対して弱く、穴があいたり、破れたりするため好まし
くない。また外装材4,5の一方が可撓性を有するもの
であれば、他方には、剛性のあるものを用いることもで
きる。
【0014】本発明において用いられる正極活物質は、
TiS2,MoS2,CoS5,V25,MnO2,CoO
2等の還移金属酸化物、還移金属カルコゲン化合物及び
これらとLiとの複合体(Li複合酸化物:LiMnO
2,LiMn24,LiCoO2等)有機物の熱重合物で
ある一次元グラファイト化物、フッ化カーボン、グラフ
ァイト、あるいは10-2S/cm以上の電気伝導度を有
する導電性高分子、具体的にはポリアニリン、ポリピロ
ール、ポリアズレン、ポリフェニレン、ポリアセチレ
ン、ポリアセン、ポリフタロシアニン、ポリ−3−メチ
ルチオフェン、ポリピリジン、ポリジフェニルベンジジ
ン等の高分子及びこれらの誘導体が挙げられるが、シー
ト状電池の性質上、可撓性を有することが好ましいこと
を考慮すると弾性材料である導電性高分子を使用するこ
とが好ましい。導電性高分子は、成形、加工性の点で、
プラスチックであるために、従来にない特徴を生かすこ
とができ、しかも100%の放電深度に対しても高いサ
イクル特性を示す。以上のような利点を導電性高分子は
有しているものの、導電性高分子を正極に用いた二次電
池には、活物質の密度が低いため体積エネルギー密度が
低く、また電解液中に電極反応に充分足りるだけの電解
質が必要であり、且つ充放電反応に伴い電解液濃度の変
化が大きいため、液抵抗等の変化が大きく、スムーズな
充放電反応を行なうには、過剰な電解液が必要となると
いう問題点がある。このことは体積エネルギー密度を向
上させる点で不利となる。これに対し、体積エネルギー
密度の高い活物質として、上記無機カルコゲナイド化合
物、無機酸化物を正極に用いることが考えられるが、こ
れらは充放電に伴う電極反応でのカチオンの電極中の拡
散速度が遅く、急速充放電が難しく、且つ過放電に対し
可逆性が悪く、サイクル寿命が低下するという問題点が
ある。また、無機活物質はそのままでは成形することが
難しいため、結着剤として四弗化エチレン樹脂粉末等を
用いて加圧成形することが多いが、その場合電極の機械
的強度は充分とは言えない。このような不具合を解決す
るため、有機および無機の複合活物質を使用することが
考えられる。この場合、使用される高分子活物質として
はいずれも電気化学ドーピングにより高い電気伝導度を
示し、電極材料としては10-1S/cm以上の電気伝導
度を有することが要求される。また、イオンの拡散性に
おいても高いイオン伝導性が要求される。これらの高分
子材料は、電気伝導度の高さが集電能を有し、高分子と
しての結着能を持ち、更には活物質としても機能する。
【0015】これらの高分子材料の中でも、重量当りの
電気容量が比較的大きく、しかも汎用非水電解液中で、
比較的安定に充放電を行なうことのできる点で、ポリピ
ロール、ポリアニリン類が好ましい。導電性高分子は、
一般的には脱ドープ状態で絶縁体であるが、これらの高
分子は電子親和力が小さく、脱ドープ状態であっても能
動的ドーピングを引き起し、常に導電性状態にある。導
電性高分子材料の使用量としては3〜50%、好ましく
は5〜20%である。3%以下では結着力、イオン伝導
度の点で問題があり、50%より大きいとエネルギー密
度的に不利である。
【0016】電解質カチオンをインターカレートする物
質(Y)としては、無機カルコゲナイド、とくにチタン
(Ti)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、クロ
ム(Cr)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、及
びコバルト(Co)、タングステン(W)、ニッケル
(Ni)などの遷移金属の酸化物、カルコゲナイドある
いは遷移金属とアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属
との複合酸化物等の非晶物質が用いられる。その理由は
これらの物質の電解質カチオン挿入、放出に伴う電極電
位が、上記の好ましい高分子材料のアニオン挿入、放出
に伴う電極電位に比較的近いことによる。これらの中で
二酸化マンガン、コバルト酸化物およびバナジウム酸化
物等が好適である。
【0017】必要に応じて正極形成成分として添加する
ことのできる導電助剤としては、アセチレンブラック、
アニリンブラック、活性炭、グラファイト粉末などの導
電性炭素粉末、PAN、ピッチ、セルロース、フェノー
ルなどを出発原料とした炭素体、炭素繊維、Ti,S
n,Inなどの金属酸化物粉末、ステンレス、ニッケル
などの金属粉末、繊維が挙げられる。これらの導電助剤
に要求される特性として、高い電気伝導度に加え少ない
添加量での効果が要求される。
【0018】また、電解液、セパレータにかわる構成要
素として固体電解質を用いることができる。本発明に使
用される固体電解質は、無機系ではAgCl,AgB
r,AgI,LiIなどの金属ハロゲン化物、RbAg
45,RbAg44CNなどが挙げられる。また、有機
系ではポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルアミドなどを
ポリマーマトリクスとし先に述べた電解質塩をポリマー
マトリクス中に溶解せしめた複合体、低分子量ポリエチ
レンオキサイド、クラウンエーテルなどのイオン解離基
をポリマー主鎖にグラフト化した高分子固体電解質が挙
げられるが、より好ましくはイオン伝導度、可撓性の面
からアルキレンオキシド及び/又はフルフリル基を有す
る高分子材料に非水電解液を含有する粘弾性体を使用す
ることが好ましい。本電解質は高分子材料であるため、
前述の高分子活物質との親和性が良く、高分子活物質と
電解質界面におけるイオンの出入りがスムーズに進行
し、内部インピーダンスの低減、エネルギー密度の向
上、サイクル特性の向上に寄与できるものである。さら
には、有機・無機複合活物質においても両者の利点を消
滅させることなく好適に使用できる。有機と無機複合活
物質において、本電解質が前記のように好適に機能する
理由については定かでないが次のように考察することが
できる。正極内の無機及び有機の2つの活物質は、全く
異なったメカニズムによって充放電を行なう。即ち、無
機材料はリチウムイオンのインターカレートにより放電
し、一方の高分子材料はアニオンの脱ドープによって放
電する。充電はこの逆である。この時活物質系内では、
アニオンとカチオンの両者の拡散が充分に行なわれる必
要がある。しかし、系内のイオンの動きを見ると、電極
近傍のリチウムイオンの存在が、充電時では大過剰にな
り、逆に放電時では不足し、分極を生じる。そこで、本
電解質(ポリエーテル)が電極近傍のリチウムイオンの
拡散を助ける作用を奏するものと考えられる。
【0019】本固体電解質は、溶媒と電解質塩とからな
る通常の電解液にアルキレンオキシド及び/あるいはフ
ルフリル基を有するアクリレートを溶解させ、これを重
合することによって製造することができる。得られる固
体電解質は粘弾性体の性状を示し、イオン伝導度10-3
S/cm以上、弾性率103〜105dyn/cm2、2
00%以上の伸びを有するものとして製造することが可
能である。これを使用することにより、内部インピーダ
ンス、エネルギー密度、サイクル寿命に優れ、可撓性を
有するシート状電池が製造できる。
【0020】用いる重合性化合物の種類は、特に制約さ
れず、例えば熱重合及び活性光線重合などの重合反応を
生起して得るものが包含される。熱重合性の重合反応と
しては、ウレタン化反応、エポキシ、アクリレート基に
よる重合反応等が挙げられる。また、活性光線重合反応
としては、不飽和カルボン酸エステル、架橋性マクロマ
ー(有機シラン、ポリイソチアナフテン等)による重合
反応が挙げられる。
【0021】重合性化合物としては、不飽和カルボン酸
エステルや、ポリエンとポリチオールとの組合せ等が挙
げられる。なお、不飽和カルボン酸エステルとしては単
官能、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。単官
能アクリレートの具体例としては、アルキル(メタ)ア
クリレート〔メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリ
レート等〕、脂環式(メタ)アクリレート〔テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート等〕、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート〔ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルアクリレート等〕、ヒドロ
キシポリオキシアルキレン(オキシアルキレン基の炭素
数は好ましくは1〜4)(メタ)アクリレート〔ヒドロ
キシポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等〕及
びアルコキシ(アルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜
4)(メタ)アクリレート〔メトキシエチルアクリレー
ト、エトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルア
クリレート等〕が挙げられる。また、多官能アクリレー
トの具体例としては、UV,EB硬化技術〔(株)総合
技術センター発行〕142頁〜152頁記載の光重合性
モノマー及び光重合性プレポリマーのうち3官能以上の
モノマー、プレポリマー〔トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トル)
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等〕が好ましい〔なお、本
明細書における(メタ)アクリレートは、アクリレート
又はメタアクリレートを意味する。〕。
【0022】これらのアクリレートのうち、特に下記一
般式(I)及び(II)で表わされる構造の、分子量50
0未満、特に300以下の化合物が好ましい。なお、分
子量が500を超過するものは、固体電解質から非水電
解質が湧出し易い。 (式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2は炭化水素
基又は複素環を含む基を、またnは1以上の整数を、そ
れぞれ表わす。) (式中、R3は水素原子又はメチル基を、またR4は複素
環を含む基を、それぞれ表わす。)
【0023】前記一般式(I)において、R2は炭化水
素基又は複素環を含む基を示すが、この場合、炭化水素
基としては、脂肪族系及び芳香族系のものが含まれる。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等の炭素数1〜
10、好ましくは1〜5のものが挙げられる。また、芳
香族炭化水素基としては、フエニル、トリル、キシリ
ル、ナフチル、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
複素環を含む基としては、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ
原子を含む各種の複素環基が包含され、このようなもの
としては、例えば、フルフリル、テトラヒドロフルフリ
ル等が挙げられる。前記一般式(I)で示されるアクリ
レートの具体例としては、例えば、アルキルエチレング
リコールアクリレート(メチルエチレングリコールアク
リレート、エチルエチレングリコールアクリレート、プ
ロピルエチレングリコールアクリレート、フェニルエチ
レングリコールアクリレート等)、アルキルプロピレン
グリコールアクリレート(エチルプロピレングリコール
アクリレート、ブチルプロピレングリコールアクリレー
ト等)、複素環を有するアルキレングリコールアクリレ
ート(フルフリルエチレングリコールアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルエチレングリコールアクリレー
ト、フルフリルプロピレングリコールアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルプロピレングリコールアクリレー
ト等)が挙げられる。
【0024】また、前記一般式(II)で示される(メ
タ)アクリレート中に含まれる複素環は、特に限定はさ
れない。この場合、複素環を含む基としては、酸素や、
窒素、イオウ等のヘテロ原子を含む複素環の残基、例え
ば、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基等が挙げ
られる。前記一般式(II)で示される(メタ)アクリレ
ートとしては、例えばフルフリル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。これらのうちフルフリルアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレートが好ましい。一般式
(I)あるいは(II)で示される(メタ)アクリレート
は単独で使用してもよいが、2種類以上混合して使用す
ることができる。前記一般式(I)又は(II)で示され
る(メタ)アクリレートは、多官能不飽和カルボン酸エ
ステルを併用することにより、弾性率、イオン伝導度と
も理想的な固体電解質を得ることができる。この場合の
多官能不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)ア
クリロイル基を2個以上有するものが挙げられる。この
ものの好ましい具体例としは、「UV,EB硬化技術」
〔(株)総合技術センター発行〕142頁〜152頁記
載の光重合性モノマー及び光重合性プレポリマーのうち
2官能以上のモノマー、プレポリマー〔ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート〕が挙げられるが、3官能(メタ)ア
クリレートが保液性、イオン伝導度、強度の点で最も好
ましい。一般式(I)及び(II)で示される(メタ)ア
クリレート又はこれを主成分とする不飽和カルボン酸エ
ステルの使用割合は、非水電解液に対して50重量%以
下、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜
30重量%が良い。この範囲外では固体電解質のイオン
伝導度及び強度が低下する。一般式(I)及び(II)の
(メタ)アクリレートに多官能不飽和カルボン酸エステ
ルを併用する場合、その多官能不飽和カルボン酸エステ
ルの添加量は、非水電解液に対して4重量%以下、好ま
しくは0.05〜2重量%であり、特に3官能不飽和カ
ルボン酸エステルを併用する場合には、2重量%以下、
好ましくは0.05〜0.5重量%という少量の添加量
で、イオン伝導度や強度の点で優れた固体電解質を得る
ことができる。このような多官能不飽和カルボン酸エス
テルとの併用により、イオン伝導度や強度の点でより優
れた固体電解質を与える。また、多官能不飽和カルボン
酸エステルの併用量が多すぎると、得られる固体電解質
は粘弾性体としての性状を示さず、柔軟性に欠け、特に
外部応力に対してクラックを生じやすくなる。
【0025】一般式(I)又は(II)で示される(メ
タ)アクリレート又はこれを主成分として含む不飽和カ
ルボン酸エステルの重合開始剤としては、光重合開始剤
が使用できる。光重合開始剤としては、カルボニル化合
物〔ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロ
ピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メ
チルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等)、アント
ラキノン類(アントラキノン、メチルアントラキノン、
クロルアントラキノン等)、その他の化合物(ベンジ
ル、ジアセチル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、メ
チルベンゾイルフォーメート等)〕、硫黄化合物〔ジフ
ェニルスルフィド、ジチオカーバメート等〕、多縮合環
系炭化水素のハロゲン化物〔α−クロルメチルナフタリ
ン等〕、色素類〔アクリルフラビン、フルオレセン
等〕、金属塩類〔塩化鉄、塩化銀等〕、オニウム塩類
〔P−メトキシベンゼンジアゾニウム、ヘキサフルオロ
フォスフェート、ジフェニルアイオドニウム、トリフェ
ニルスルフォニウム等〕などが挙げられる。これらは単
独でも、あるいは2種類以上の混合物としても使用でき
る。好ましい光重合開始剤はカルボニル化合物、硫黄化
合物及びオニウム塩類である。
【0026】なお、光重合開始剤の外に、必要により熱
重合開始剤〔アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、エチルメ
チルケトンペルオキシ等〕やジメチルアニリン、ナフテ
ン酸コバルト、スルフィン酸、メルカプタン等を併用す
ることもできる。また、増感剤、貯蔵安定剤も必要によ
り併用できる。その具体例としては「UV,EB硬化技
術」〔(株)総合技術センター発行〕158頁〜159
頁記載の増感剤、貯蔵安定剤のうち、前者として、尿
素、ニトリル化合物〔N,N−ジ置換−P−アミノベン
ゾニトリル等〕、燐化合物〔トリ−n−ブチルホスフィ
ン等〕が好ましく、後者として、第4級アンモニウムク
ロライド、ベンゾチアゾール及びハイドロキノンが好ま
しい。本発明における固体電解質はリチウム電池のよう
な非水電解液電池の固体電解質として優れた性能を発揮
する。非水電解液としては、電解質塩を非水溶媒に溶解
させたものが挙げられ、電解質塩としては通常の非水電
解液電池に用いるものであれば、特に制限はない。この
ようなものとしては、例えば、LiClO4,LiB
4,LiAsF6,LiPF6,LiSbF6,LiCF
3SO3,LiCF3COO,NaClO4,NaBF4
NaSCN,KBF4の1種あるいは2種以上が挙げら
れるが、重量エネルギー密度の点で分子量の小さいもの
が好ましい。
【0027】非水溶媒としては、プロピレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スル
ホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン
の他、メチルジグライム、メチルトリグライム、メチル
テトラグライム、エチルグライム、エチルジグライム、
ブチルジグライム等のグライム類が挙げられる。これら
のうち、グライム類とプロピレンカーボネート及び/又
はγ−ブチロラクトンとの組み合わせがイオン伝導度、
電解質塩の溶解性の点で特に好ましい。
【0028】非水電解液中の電解質塩の濃度は非水溶媒
に対し、通常、1.0〜7.0モル/l、好ましくは
2.0〜5.0モル/lの割合である。1.0モル/l
未満では充分な固体強度を有する固体電解質が得られな
い。また、7.0モル/lを超えると無機塩の溶解が難
しくなる。非水電解液はマトリックスを形成する高分子
量重合体に対し、通常、200重量%以上、、好ましく
は400〜900重量%、特に好ましくは500〜80
0重量%である。500重量%未満では十分に高いイオ
ン伝導度が得られず、900重量%を超えると固体化が
困難になる。
【0029】本発明に使用される負極活物質はLi,N
a,K,Ag,Zn,Al,Cu等の金属、あるいはL
iとAl,Mg,Si,Pb,Ga,Inとの合金、カ
チオンをドープすることのできるポリアセチレン、ポリ
チオフェン、ポリパラフェニレンの他、ポリフェニレン
ビニレン、ポリフェニレンキシレン等の導電性高分子お
よびピッチコークス等の炭素系材料などを用いることが
できる。作製される電極の可撓性、エネルギー容量を考
慮すると、フレキシブルで高電圧がとれるLiを用いる
ことが好ましい。しかしながら、リチウムは充放電に伴
いモス状リチウムやテントライト状リチウムの生成によ
るリチウムの充電析出、放電溶出の悪さにより、サイク
ル特性が得られにくい。この点についてはリチウム表面
を本発明の固体電解質で複合するとともに、減圧下封止
による発電要素の密着性の向上により、リチウムの充電
析出、放電溶出の効率が上がり、サイクル特性を著しく
向上させることができる(リチウム表面に物理的な圧力
が加わるとサイクル特性は向上する。)。サイクル特
性、電解液に対する安定性および安全性で最も好ましい
負極材料は炭素系の材料である。炭素系材料はリチウム
イオンを自らの結晶構造層間に取りこむ一種のインター
カレート材料と考えることができる。炭素材料であるた
めリチウムと異なり、溶析出により電気エネルギーを得
ているのではないため、リチウム特有の上記現象による
不具合は発生しない。また、電解液と反応して活物質表
面が変性あるいは電解液の変性がおこりにくく、良好な
サイクル特性を得ることができる。炭素系材料として
は、熱分解炭素、炭素繊維、コークス、有機高分子焼成
体、硝子状炭素等が使用できるが、コークス類を使用す
ることが好ましく、中でもピッチ系コークスを用いるこ
とにより、容量、電位保持性(自己放電特性)、放電電
圧平坦性に優れる負極とすることができる。また、本発
明固体電解質と複合することにより、さらにこれらの特
性は向上することができ、特に電位保持性にすぐれたシ
ート状負極を作製することができる。
【0030】
【実施例】
実施例1 アニリンを含む3MのHBF4水溶液中で反応極として
20μmのブラスト処理を施した0.9mmφの貫通孔
を有するステンレスシート4×7.5cm(重合部)を
用い、3mA/cm2の定電流によりアニリンの重合を
おこなった。通電量12C/cm2で片面にのみ重合し
た。このステンレスポリアニリン電極を流水で洗浄した
のち、0.2N硫酸中−0.4VvsSCEまで電位を
かけて十分に脱ドーピング操作をおこなった。これを2
0%のヒドラジン水溶液を用いて還元し、洗浄、乾燥し
てポリアニリン電極を得た(厚み340μm)。厚さ5
0μm,5.5×9cmの大きさのSUSシートに、外
径5.5×9cm、内径4.1×7.6cmの開口部を
有する厚さ200μmの変性ポリプロピレンフレームを
固定、さらにその中心部に導電性接着剤を用いてポリア
ニリン電極を接着した。ついでプロピレンカーボネート
とジメトキシエタンの7/3(体積比)混合液にLiB
4を3M溶解させた電解液を77%、エトキシジエチ
レングリコールアクリレート20%、シリコン−アルキ
レンオキシド付加物1%、メチルベンゾイルホルメート
2%の割合で混合した溶液をポリアニリンに充分しみこ
ませた。ポリアニリン部分を150μmとなるように圧
縮し(部材もふくめ約230μm)、さらに前記混合液
を十分含浸させた厚み25μm,4.5×8.0cmを
ポリプロピレンポアフィルターフレーム部(封止部)に
均等にかさなるようにポリアニリン上に積層し、高圧水
銀内の光を1時間照射した。電解液は固体化し、圧力を
かけても液がしみでるようなことはなかった。また、発
電要素部の厚みは215μmであった。これを正極部材
とした。負極として大きさ4×7.5cm、厚さ100
μmのリチウムホイルを厚さ20μm,4×7.5mm
のSUSホイルに圧着したものを用意した。アルミを芯
材とする熱融着性フィルム(厚み125μm,5.5×
9cm)に厚さ100μmの前述のフレームを固定し、
前記のリチウム電極を中心部に熱融着させた。端子部を
あらかじめ外に取り出せるようにSUSホイルの形を調
節した。ついでLi表面に、前記混合液をぬり、高圧水
銀灯を1時間照射し、Li表面の電解液を完全に固体化
した。発電要素の厚みは140μmであった。これを負
極部材とした。正極部材と負極部材を積層、発電要素部
に圧力を均一にかけつつ(おさえつける)3辺を端部か
ら6.5mmを熱により封止した。次いで残りの1辺を
1mmHgの減圧下封止をおこない電池を完成させた。
この時、外装材にシワがよることはなかった。この電池
を2.7〜3.7Vの動作範囲で±0.1mA/cm2
電極の充放電レートで電池テストをおこなったところ、
初期容量16.5mAh、充放電100回後の容量は1
4.0mAhとなった。また、この電池を金属面を外側
としてR3mmで90°折りまげて試験したところ、初
期容量16.3mAhでほとんど変化なかった。
【0031】比較例1 実施例1において、ポリアニリン電極を3.8×7.3
cm負極Li電極と3.8×7.3cmプロピレンポア
フィルターを4.1×7.6cmとし、フレームの内側
におとしこむ以外は同様に電池を作製した。初期容量1
4.5mAh、サイクル100回後、11.5mAhで
あり、初期容量が小さく、サイクル寿命も悪化した。試
験後の電池を不活性ふん囲気下でせつ断、断面を電池各
所で見たところ、正極と負極のヅレが生じていた。
【0032】比較例2 実施例1の電池において、減圧下封止しない(常圧で封
止)ほかはまったく同様に電池を作製した。同様にテス
トをおこなったところ、初期容量16.2mAh、充放
電100回後の容量は3.1mAhであった。また同様
に90°曲げて試験をおこなったところ、初期容量1
0.3mAhと容量劣化をおこした。密着面のはく離が
おこっていると予想された。
【0033】比較例3 比較例1において、減圧下封止しない(常圧で封止)ほ
かは同様に試作し、テストをおこなった。初期容量1
2.8mAhと小さく、サイクル100回後は0.9m
Ahと悪化した。テスト終了後電池を分解したところ、
正負極がうき上がっている(密着していない)と思われ
る個所中、正負極のズレが観察された。
【0034】実施例2 実施例1の重合溶液中に結晶V25粉末を15%加え、
ポリアニリンの重合をおこない、洗浄乾燥して電極とし
た。V25の複合量は50%であった。以下実施例1と
同様に電池を作製した。初期容量31mAh(2.0〜
3.7V)であり、実施例1に比較して高エネルギー容
量電池を作製できた。
【0035】実施例3 ピッチコークスを粉砕したものを用意した。これを90
重量部ポリフッ化ビニリデン10重量部を混合、溶媒と
してN−メチルピロリドンを加えペースト状とした。こ
れを20μmの実施例1と同様なブラスト処理を施した
SUSホイル上に塗布し、乾燥後、圧縮して負極部材を
作製した。負極の容量は正極に対して少なくなるように
設定した(負極規制)。これを負極に用い、実施例1と
同様に電池を作製した。初期容量14.9mAh、充放
電100回後14.5mAh、200回後14.1mA
hとなり、実施例1に比較し、サイクル特性にすぐれる
電池を作製できた。
【0036】実施例4 実施例2の負極を実施例3のものとする以外は実施例2
と同様に電池を作製した。初期容量30mAh、サイク
ル100回後29mAhと高エネルギー密度、高サイク
ル寿命の電池を作製することができた。
【0037】
【効果】本発明によると、高エネルギー密度および高サ
イクル寿命のシート状固体電池を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のシート状電池の断面構造を模式的に示す
図である。
【図2】本発明の扁平型固体電池の1例の断面構造を模
式的に示す図である。
【図3】電池容器を構成する外装材の封止部が、外装フ
レームで構成されている本発明の扁平型固体電池の1例
の断面構造を模式的に示す図である。
【図4】図2の電池の外観斜視図である。
【図5】本発明の扁平型固体電池およびその構成部材の
外観斜視図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 隔膜 4 外装材 5 外装材 6 熱融着フィルム 7 外装材封止部 8 外装フレーム 9 発電要素 10 スペーサー 11 電池 a 空所 b アール部 c アール部の四隅部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加幡 利幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状正極、シート状隔膜およびシー
    ト状負極の積層物である発電要素を、外装材で構成され
    る扁平状容器内に搭載した扁平型電池において、前記シ
    ート状隔膜はその両端部で外装材の封止部に固定され、
    かつ扁平状容器の内部空間部と発電要素との間に隙間が
    存在しないことを特徴とする扁平型固体電池。
  2. 【請求項2】 発電要素を搭載した扁平状容器内の圧力
    が、大気圧以下に保持されていることを特徴とする請求
    項1記載の扁平型固体電池。
  3. 【請求項3】 扁平状容器の封止部が、外装フレームで
    構成されていることを特徴とする請求項1または2記載
    の扁平型固体電池。
  4. 【請求項4】 シート状正電極の活物質が、繰返し酸化
    還元可能な無機カルコゲナイド化合物あるいは酸化物と
    繰返し酸化還元可能な高分子材料とから構成されている
    ことを特徴とする請求項1,2または3記載の扁平型固
    体電池。
  5. 【請求項5】 電解質として、アルキレンオキシド及び
    /又はフルフリル基を有する高分子材料に非水電解液を
    含有する粘弾性体である固体電解質を有することを特徴
    とする請求項1,2,3または4記載の扁平型固体電
    池。
JP4263077A 1992-09-04 1992-09-04 扁平型固体電池 Pending JPH0689705A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013502676A (ja) * 2009-08-18 2013-01-24 リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー 電気化学的セルの製造方法
US9281538B2 (en) 2011-04-11 2016-03-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Thin battery and battery device
JP2019021636A (ja) * 2018-09-12 2019-02-07 昭和電工パッケージング株式会社 蓄電デバイス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013502676A (ja) * 2009-08-18 2013-01-24 リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー 電気化学的セルの製造方法
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