JPH0689529A - テープカセット - Google Patents

テープカセット

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JPH0689529A
JPH0689529A JP26423892A JP26423892A JPH0689529A JP H0689529 A JPH0689529 A JP H0689529A JP 26423892 A JP26423892 A JP 26423892A JP 26423892 A JP26423892 A JP 26423892A JP H0689529 A JPH0689529 A JP H0689529A
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tape
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気テープをカセット筐体内からカセット筐
体外に引き出す磁気テープ引出し手段をカセット筐体内
に設け、テープカセットの小型化を計る。 【構成】 カセット筐体2内に収納した磁気テープTを
供給リール6と巻取リール7との間に巻回させ、この磁
気テープTをカセット筐体2内からカセット筐体2外に
引き出すための磁気テープ引出し手段10A,10Bを
カセット筐体2内に一対設けて構成すると共に、カセッ
ト筐体2の前面3a,4a側に設けた前蓋5を開蓋して
磁気テープ引出し手段10A,10Bにより磁気テープ
Tをカセット筐体2外に引き出して形成された前面テー
プパスTsと、カセット筐体2の前面3a,4aとの間
に、磁気記録及び/又は再生装置40側の磁気テープロ
ーディング部材42A,42B,回転ドラム43などが
入り込むことができるマウス空間Mを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録及び/又は再
生装置などに用いられるテープカセットにおいて、カセ
ット筐体内に収納した磁気テープをカセット筐体内から
カセット筐体外に引き出すための磁気テープ引出し手段
をカセット筐体内に設けたテープカセットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】磁気記録及び/又は再生装置などに用い
られるテープカセットとして、例えば特開昭59−16
879号公報に開示されたテープカセットが知られてお
り、図13(A),(B)を用いて説明する。
【0003】上記テープカセット100 は、カセット筐体
101 がほぼ2分割形成された下ハーフ部材102 と上ハー
フ部材103 とで重ね合わせて矩形状の箱体に組み立てら
れており、カセット筐体101 内部に設けた供給リール10
4 と巻取リール105 との間に磁気テープTが巻回してい
る。また、下ハーフ部材102 と上ハーフ部材103 とを重
ね合わせてカセット筐体101を組み立てた際、カセット
筐体101 の前面側には、磁気テープTをガイドする一対
のテープガイド102a,103a ,102b,103b が供給側と巻取
側に対応して間隔を離して一体的に設けられ、これらの
一対のテープガイド間に磁気記録及び/又は再生装置側
の磁気テープローディング部材,回転ドラムなどが入り
込める開口部102c,103c が空間を有して形成さている。
これらの開口部102c,103c は、供給リール104 と巻取リ
ール105 より外側で且つカセット筐体101 の前面側に形
成されている。
【0004】また、カセット筐体101 の前面には、前蓋
106 がカセット筐体101 の側面102d,103d ,102e,103e
に開閉自在に支持され、且つ、この前蓋106 に懸架され
た後蓋107 が開口部102c内に設けたガイド溝102f,103f
,102g,103g に沿って前蓋106 の開閉動作と一体に開
閉できるよう設けられている。
【0005】そして、図13(B)に示し如く、前蓋10
6 及び後蓋107 の閉蓋時には、供給リール104 に巻回し
た磁気テープTが供給側のテープガイド102a,103a を経
由し、開口部102c,103c 側に設けた前蓋106 と後蓋107
との間を通って巻取側のテープガイド102b,103b を経由
して巻取リール105 に巻取られ、カセット筐体101 内に
収納されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成に
よるテープカセット100 を磁気記録及び/又は再生装置
に挿入すると、挿入動作に伴って前蓋106 及び後蓋107
が一体に開蓋され、カセット筐体101 の前面側に形成し
た開口部102c,103c 内に装置側の磁気テープローディン
グ部材,回転ドラムなどが入り込み、その後磁気テープ
Tを磁気ヘッドを一体に取り付けた回転ドラムに所定の
角度巻き付けながら走行することにより、記録及び/又
は再生できることが周知なものの、上記テープカセット
100 には装置側の磁気テープローディング部材,回転ド
ラムなどが入り込むための開口部102c,103c が必要とな
っている。
【0007】即ち、図13(B)に平面的に図示した如
く、カセット筐体101 の奥行き寸法Dに対して、開口部
102c,103c の奥行き寸法Dが約2割程度必要で、その
ため開口部102c,103c は供給リール104 及び巻取リール
105 側から前面側に突出している。これによりカセット
筐体101 の奥行き寸法Dが大きく(長く)なり、テープ
カセット100 の小型化が困難となっている。
【0008】そこで、本発明に係わるテープカセットで
は、とくに、テープカセット内に磁気テープ引出し部材
を設け、テープカセットの奥行き寸法Dの小型化を達成
したテープカセットを提供すると共に、安定な磁気テー
プ引出し動作及び磁気テープ収納動作を達成したテープ
カセットを提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、供給リールと巻
取リール間に巻回した磁気テープをカセット筺体内に収
納すると共に、前記磁気テープを前記カセット筺体の前
面側で張架させて前面テープパスを形成してなるテープ
カセットにおいて、前記テープカセット内に、カセット
筺体内の第1位置とカセット筺体外の第2位置との間で
移動し、且つ、前記磁気テープを前記カセット筺体外に
引出すための磁気テープ引出し部材を設けてなり、前記
磁気テープ引出し部材の第1位置と第2位置との間の移
動軌跡を、前記供給リールと前記巻取リール間のテープ
パス長が常に一定となる移動軌跡上を移動させるように
したことを特徴とするテープカセットである。
【0010】また、第2の発明は、請求項1記載に記載
のテープカセットであって、前記テープカセット内に、
前記供給リール及び前記巻取リールに接離自在なリール
制動手段を設けてなり、前記磁気テープ引出し部材を、
第1位置及び第2位置にある時には磁気テープ張力を緊
張させる位置に位置せしめ、第1位置と第2位置との間
を移動させる途中では、磁気テープ張力を第1位置及び
第2位置にある時に対し緩和させる位置に位置させるよ
うにしたことを特徴とするテープカセットである。
【0011】
【実施例】以下に本発明に係わるテープカセットの一実
施例を図1乃至図12を参照して詳細に説明する。
【0012】図1は本発明に係わるテープカセットの構
成を説明するための一部分解斜視図であり、且つ、磁気
テープがカセット筐体の前面側に引出された状態を示し
た図、図2は同テープカセットにおける磁気テープ引出
し動作を説明するための図であり、(A),(B)は第
1位置に保持された磁気テープ引出し手段により磁気テ
ープがカセット筐体内に収納された状態を示した平面図
及び側面図、図3は同テープカセットにおける磁気テー
プ引出し動作を説明するための図であり、(A),
(B)は第2位置に到達した磁気テープ引出し手段によ
り磁気テープがカセット筐体外に引出された状態を示し
た平面図及び側面図、図4は図1に示した供給及び巻取
リール近傍を拡大して示した縦断面図、図5は図1に示
した磁気テープ引出し手段を拡大して示した平面図、図
6は図1に示した磁気テープ引出し駆動手段を拡大して
示した平面図である。
【0013】本発明に係わるテープカセットは、磁気記
録及び/又は再生装置などに適用されるものであり、カ
セット筐体内に磁気テープを巻回したリールを収納し、
且つ、この磁気テープをカセット筐体外に引出す磁気テ
ープ引出し手段を設け、磁気テープ引出し手段によって
磁気テープをカセット筐体外に引出した際に装置側のテ
ープ案内部材が進入できるマウス空間を形成するよう構
成したため、とくに、カセット筐体の奥行き寸法の小型
化,即ち,テープカセットの外形寸法の小型化を計った
ことを技術思想とするものである。また、磁気テープの
収納状態から引出し完了状態までテープパス長を常に一
定にすることにより収納時の磁気テープ巻取動作を不必
要と成し、更に、磁気テープ引出し動作及び磁気テープ
収納動作に応じて磁気テープ張力を適宜制御できるよう
構成したものである。
【0014】まず、本発明に係わるテープカセット1の
構成部材について、主に図1を用いて説明する。
【0015】テープカセット1の外形寸法,外観形状な
どを決定するカセット筐体2は、下ハーフ部材3と上ハ
ーフ部材4とで樹脂材などを用いてほぼ2分割に成形加
工され、下ハーフ部材3と上ハーフ部材4とを重ね合わ
せて箱体に組み立てられている。
【0016】このカセット筐体2の外形は、両ハーフ部
材3,4を重ね合わせた際、前面3a,4aのコーナが
矩形状に形成されており、一方、後面3b,4bと右側
面3c,4c及び左側面3d,4dとが交差するコーナ
3r,4r及び3r,4rは、後述のリールフ
ランジ径寸法Fに沿って“R”状に形成されている。
【0017】また、両ハーフ部材3,4を重ね合わせた
際には、下ハーフ部材3の上面3eと上ハーフ部材4の
下面4fとが間隔を離して対向し、且つ、この間隔内で
上面3e及び下面4fの外周は厚みtの壁3g,4gで
覆われており、内部に後述の供給及び巻取リール6,7
を収納できるスペースを確保すると共に、前面3a,4
a側を開口している。また、下ハーフ部材3の前面3a
側には、奥行き寸法の浅い開口部3aが形成されてお
り、且つ、図2,図3に示したようにこの開口部3a
内には巻取リール6,7の一部が上方で平面図示上重な
っており、従って上記開口部3aはカセット筐体2の
奥行き寸法Dに作用することなく形成されている。そし
て、後述するように磁気テープTがカセット筐体2内に
収納されている時には、摺動自在なスライド板31が矢
印X1方向に摺動していて、下ハーフ部材3の前面3a
まで到達しているので、スライド板31が開口部3a
を覆い隠し、磁気テープTを塵埃,人手などから保護し
ている。
【0018】更に、上ハーフ部材4の前面4aには、磁
気テープTを塵埃,人手などから保護する前蓋5が開閉
できるよう支持されている。この前蓋5は側面5a,5
bに一体的に形成した支軸5a,5bを上ハーフ部
材4の側面4c,4dに回動自在に支持させ、閉蓋時に
図示しない前蓋ロック手段によりロックされている。更
に、前蓋5は、後述するように磁気テープTの引出し動
作に連動して開蓋され、磁気テープTの収納動作に連動
して閉蓋されている。
【0019】上記のように構成したカセット筐体2の外
形寸法は、下記する巻取リール6,7のリールフランジ
径寸法Fによって巾寸法W,奥行き寸法Dが決定され、
磁気テープTの巾によって高さ寸法Hが決定されるが、
本発明のテープカセット1では、とくに、リールフラン
ジ径寸法Fの巻取リール6,7が図2,図3に示したよ
うに前面3a,4a近傍寸前まで位置し、これによりカ
セット筐体2の奥行き寸法Dが後面3b,4b側に形成
した厚みtの壁3g,4gを含めて供給及び巻取リール
6,7を収納できる最小寸法に形成されて小型化が計ら
れている。これにより、小型なテープカセット1を使用
者に提供でき、且つ、テープカセット1の携帯性能が向
上すると共に、保管スペースが小スペースになるなどの
利点が生じる。
【0020】再び図1に戻り、カセット筐体2の内部、
即ち、下ハーフ部材3の上面3eと上ハーフ部材4の下
面4fとの間に収納される磁気テープTは、供給リール
6と巻取リール7との間に巻回され、これらの供給及び
巻取リール6,7が下ハーフ部材3の上面3eに立設さ
れた一対のリール軸8A,8Bに回転可能に軸着されて
いる。上記リール軸8A,8Bは、下ハーフ部材3の上
面3eに固定支持された太径部8aと、供給及び巻取リ
ール6,7の中央孔6a,7a(図1では7aのみ図
示)に嵌合する細径部8bとで段付き状に形成されてい
る。
【0021】また、図4にも拡大して示したように、上
記供給及び巻取リール6,7は、略リールフランジ径寸
法Fに形成された下リールフランジ6b,7bと、リー
ルボス6c,7cと、リールフランジ径寸法Fに形成さ
れた上リールフランジ6d,7dとで樹脂材などを用い
て“エ字”状に一体的に連接形成されている。また、上
記下リールフランジ6b,7bの外周部には、装置40
(図12)側のリール駆動用歯車44A,44B(図1
2)と噛合する歯車部6b,7bが略リールフラン
ジ径寸法Fに一体的に形成されている。更に、上記歯車
部6b,7bには、下ハーフ部材3の上面3eの略
中央部に設けたリールブレーキ15が接離自在となって
いる。このリールブレーキ15は供給及び巻取リール
6,7を制動(ブレーキ)をするリール制動手段となる
ものであり、テープカセット1を装置40に装着する以
前は作動(制動)状態であり、装着時でも磁気テープT
の引出し動作が完了するまでは作動(制動)状態を維持
し、磁気テープTの引出し動作完了後には装置40側の
リール制動解除手段により作動を解除されるものであ
る。一方、上リールフランジ6d,7dの上面中心部に
は、微小な高さの突部6d,7d(図1では6d
のみ図示)が形成されており、供給及び巻取リール6,
7がリール軸8A,8Bに回転可能に軸着された時に、
これらの突部6d,7dに上ハーフ部材4の下面4
fに取り付けた板バネ部材9が当接し、これにより供給
及び巻取リール6,7は下ハーフ部材3の上面3e側に
弾性的に押圧付勢されている。
【0022】次に、本発明の要部となる磁気テープTを
カセット筐体2の前面3a,4aの外側に引出す磁気テ
ープ引出し手段10A,10Bと、磁気テープ引出し手
段10A,10Bと連動して前蓋を開閉させる前蓋開閉
手段20A,20Bと、これらの磁気テープ引出し手段
10A,10B及び前蓋開閉手段20A,20Bを駆動
させる磁気テープ引出し駆動手段30について、図1〜
図3,図5〜図6を併用して説明する。
【0023】まず、図1において、上記磁気テープ引出
し手段10A,10Bは、下ハーフ部材3の上面3e上
に略左右対称に一対設けられており、磁気テープ引出し
手段10Aは供給リール6側に,磁気テープ引出し手段
10Bは巻取リール7側に別れて互いに対向して設けら
れている。
【0024】これらの磁気テープ引出し手段10A,1
0Bは、図5にも拡大して示したように、リール軸8
A,8Bを中心に回動し、一端部に欠歯歯車部11
,11aを形成した一対の第1磁気テープ引出し
アーム11A,11Bと、一端部(先端部)に磁気テー
プ引出し部材13A,13Bを立設し、他端部を第1磁
気テープ引出しアーム11A,11Bに連結された一対
の第2磁気テープ引出しアーム12A,12Bとで構成
されている。上記のうちで、磁気テープ引出し手段10
Aを構成する第1,第2磁気テープ引出しアーム11
A,12Aは供給リール6側に設けられ、一方、磁気テ
ープ引出し手段10Bを構成する第1,第2磁気テープ
引出しアーム11B,12Bは巻取リール7側に設けら
れている。
【0025】即ち、供給側の第1磁気テープ引出しアー
ム11A及び巻取側の第1磁気テープ引出しアーム11
Bは、軸着される供給及び巻取リール6,7の下方でリ
ール軸8A,8Bに形成した太径部8a,8aを中心に
回動できるよう支持され、一端部に形成した欠歯歯車部
11a,11aがリール軸8A,8B間の内側で互
いに対向している。これらの欠歯歯車部11a,11
には後述するスライド板31に形成したラック部3
1d,31dが常時噛合している。また、第1磁気
テープ引出しアーム11A,11Bは、一端部に形成し
た欠歯歯車部11a,11aと反対側で、リール軸
8A,8Bを介した他端部に遮蔽部11b,11b
(図1では11bのみ図示)が上方に突出して形成さ
れており、これらの遮蔽部11b,11bは下ハー
フ部材3に形成した“R状”のコーナ3r,3r
内側に沿うよう“R状”に形成されている。また、上記
遮蔽部11b,11bは、コーナ3r,3r
内側下方から上面3eにかけて連通して穿設したリール
駆動孔3e,3eを後述の磁気テープ収納動作時に
遮蔽する機能を備えている。この状態を図2に重ねて示
している。これにより、磁気テープTがカセット筐体2
に収納されている時、リール駆動孔3e,3eに、
外部からの塵埃,人手などが入り込めないようになって
いる。尚、上記リール駆動孔3e,3eは、装置4
0(図12)側のリール駆動用歯車44A,44B(図
12)が進入して、供給及び巻取リール6,7を駆動す
るための孔である。
【0026】一方、供給側の第2磁気テープ引出しアー
ム12A及び巻取側の第2磁気テープ引出しアーム12
Bは、一端部(先端部)に磁気テープTの走行を案内す
ると共に磁気テープTをカセット筐体2の外に引出す磁
気テープ引出し部材13A,13Bが立設されている。
これらの磁気テープ引出し部材13A,13Bは磁気テ
ープTが添接する部分がガイドローラに形成されている
が、これに限ることなく固定したガイドポールでも良
い。また、第2磁気テープ引出しアーム12A,12B
の他端部は、第1磁気テープ引出しアーム11A,11
Bの他端部(遮蔽部)裏面に凹状に形成した凹部11c
,11c(図1では11cのみ図示)に支軸14
A,14Bを介して回動自在に支持されている。これに
より、第2磁気テープ引出しアーム12A,12Bが第
1磁気テープ引出しアーム11A,11Bと連結される
ことになる。また、第2磁気テープ引出しアーム12
A,12Bの中間部には、ピン22A,22B(図1で
は22Bのみ図示)が上面側と裏面側とに圧入などによ
り突出状態で立設されており、裏面側が下ハーフ部材3
の上面3eに形成した凹状の案内溝3e,3e(図
1では3eのみ図示)に嵌合している。これらの案内
溝3e,3eは、後述する磁気テープ引出し時に磁
気テープ引出し部材13A,13Bをカセット筐体2外
に移動させるための重要な機能を備えた案内溝であり、
且つ、後述するように案内溝3e,3eの移動軌跡
はテープパス長L(図7)が磁気テープ引出し時及び磁
気テープ収納時に常に一定となる形状に設定されてい
る。これらにより、第1磁気テープ引出しアーム11
A,11Bと連結した第2磁気テープ引出しアーム12
A,12Bが、後述するスライド板31の矢印X1,X
2方向の摺動動作と連動するようになっている。
【0027】次に、上記前蓋開閉手段20A,20B
は、一対のL字ブラケット21A,21Bが互いに対向
して略対称形状に形成され、且つ、下ハーフ部材3の側
面3c,3d近傍の内側に配設されており、L字ブラケ
ット21Aが供給側の第2磁気テープ引出しアーム12
Aと連結され、一方、L字ブラケット21Bが巻取側の
第2磁気テープ引出しアーム12Bと連結されている。
尚、図示の都合上以下の説明では、巻取側のL字ブラケ
ット21Bについて説明し、これと略対称な供給側のL
字ブラケット21Aの記述を省略しているので図2,図
3の図示を参照されたい。即ち、L字ブラケット21B
は、板金部材などを用いて水平面21aと垂直面21b
とで“略L字状”に形成されている。また、L字ブラケ
ット21Bの水平面21aには楕円孔21aが穿設さ
れ、この楕円孔21aに第2磁気テープ引出しアーム
12B上の突出したピン22Bが嵌合している。一方、
L字ブラケット21Bの垂直面21bには、上ハーフ部
材4の側面4dに向かってピン23Bが突出して設けら
れ、このピン23Bは前蓋5の側面5bの内側に形成し
た凹状の案内溝5bに嵌合している。これらにより、
L字ブラケット21Bは第2磁気テープ引出しアーム1
2B及び前蓋5に連結され、後述するように磁気テープ
引出し動作と連動して前蓋5が開蓋され、磁気テープT
の収納動作と連動して前蓋5が閉蓋されるようになって
いる。
【0028】次に、磁気テープ引出し手段10A,10
B及び前蓋開閉手段20A,20Bを駆動させる磁気テ
ープ引出し駆動手段30について説明する。
【0029】この磁気テープ引出し駆動手段30は、図
6にも拡大して示したように、テープカセット1を磁気
記録及び/又は再生装置40(図12)側に挿入,又は
離脱する動作に連動して、下ハーフ部材3の上面3eを
矢印X方向,又は矢印X方向に摺動自在するスライ
ド板31により構成されている。尚、スライド板31
は、供給及び巻取リール6,7の下方に設けられている
ことは言うまでもない。
【0030】上記スライド板31は、下ハーフ部材3の
前面3aが巾広に形成され、奥方が巾狭に形成されて
“逆Tの字状”に形成され、前述した供給側の第1磁気
テープ引出しアーム11Aと巻取側の第1磁気テープ引
出しアーム11Bとの間に摺動自在に設けられている。
このスライド板31は、中央部を対称に2本の案内溝3
1cが形成され、下ハーフ部材3の上面3eに立設した
ガイドピン32に案内されて上面3e上を矢印X,X
方向に摺動自在に設けられている。また、スライド板
31の奥方には、中央部を対称にラック部31d,3
1dが形成されており、これらのラック部31d
31dは第1磁気テープ引出しアーム11A,11B
に形成した欠歯歯車部11a,11aと常時噛合し
ている。また、スライド板31の巾広な前面31aは、
後述するように磁気テープTがカセット筐体2内に収納
されている時には、図2に示したように下ハーフ部材3
の前面3aと同一線上に位置して開口部3aを覆い隠
し、一方、磁気テープTが引出されている時には、図3
に示したように矢印X方向に摺動して開口部3a
開口している。
【0031】次に、上記のように構成したテープカセッ
ト1の磁気テープ引出し動作,磁気テープ収納動作につ
いて、先に用いた図1乃至図3,図7乃至図12を用い
て説明する。
【0032】図7は磁気テープ引出し時及び磁気テープ
収納時のテープパスの変位状態を示した図、図8はテー
プパスに対応してテープパス長を示した図、図9はテー
プパスに対応して磁気テープ張力を制御した図、図10
は磁気テープ引出し手段の移動状態を説明するため図、
図11は磁気テープ張力を制御した時の磁気テープ引出
し手段の移動状態を説明するため図、図12は本発明に
係わるテープカセットを磁気記録/又は再生装置に装着
した状態を示した平面図である。
【0033】図2(A),(B)に示した状態は、テー
プカセット1が非装着状態(初期状態)である。この状
態は、磁気テープ引出し手段10A,10Bがカセット
筐体2内の第1位置に保持され、磁気テープTがカセッ
ト筐体2内に収納されている。
【0034】即ち、前蓋5は図示しない前蓋ロック手段
により、カセット筐体2の前面(下ハーフ部材3の前面
3a及び上ハーフ部材4の前面4a)側で閉蓋されてい
る。また、供給リール6に巻回した磁気テープTは、磁
気テープ引出し部材13A,13B間に張架され、且
つ、この間で前蓋5に沿いながら磁気テープ引出し部材
13Bを通過後、巻取リール7に巻き取られ、磁気テー
プ収納時の前面テープパスTaが形成されている。尚、
前述したように供給及び巻取リール6,7は、下ハーフ
部材3の前面3a近傍まで設置面積を占有しており、前
蓋5の内側に近設している。この時、供給及び巻取リー
ル6,7間に設けたブレーキ(リール制動手段)15
は、供給及び巻取リール6,7に形成した歯車部6
,7bと噛合して作動状態となっており、両者の
作用により供給及び巻取リール6,7が制動(ブレー
キ)されており、磁気テープ収納時の前面テープパスT
aを保持すると共に、磁気テープTのたるみを防止して
いる。
【0035】また、供給及び巻取リール6,7の下方に
摺動自在に設けたスライド板31が矢印X方向に摺動
しており、スライド板31の巾広な前面31a側が下ハ
ーフ部材3の開口部3aを覆い隠している。従って、
収納時の前面テープパスTa周辺では磁気テープTが、
前蓋5とスライド板31とで塵埃,人手などから保護さ
れている。また、スライド板31に形成したラック部3
1d,31dは、供給側及び巻取側の第1磁気テー
プ引出しアーム11A,11Bに形成した欠歯歯車部1
1a,11aと噛合している。この時、第1磁気テ
ープ引出しアーム11A,11Bは、下ハーフ部材3の
“R状”に形成したコーナ3r,3rの内側位置ま
でリール軸8A,8Bを中心に回動しており、且つ、ラ
ック部31d,31dと欠歯歯車部11a,11
との噛合状態により第1磁気テープ引出しアーム1
1A,11Bは上記位置に保持される。更に、第1磁気
テープ引出しアーム11A,11Bの他端部に形成した
遮蔽部11b,11bが下ハーフ部材3に穿設した
リール駆動孔3e,3eを覆い隠している。これに
より、リール駆動孔3e,3eに、外部からの塵
埃,人手などが入り込めないようになっている。
【0036】また、供給側及び巻取側の第1磁気テープ
引出しアーム11A,11Bと支軸14A,14Bを介
して連結した供給側及び巻取側の第2磁気テープ引出し
アーム12A,12Bは、下ハーフ部材3の側面3c,
3dの内側近傍に位置しており、且つ、先端部に立設し
た磁気テープ引出し部材13A,13Bが磁気テープT
を張架した状態で下ハーフ部材3の前面3aのコーナ近
傍で前蓋5の内側に位置している。従って、第1位置に
保持された磁気テープ引出し手段10A,10Bによ
り、収納時の前面テープパスTaが形成されている。
【0037】また、供給側及び巻取側の第2磁気テープ
引出しアーム12A,12Bとピン22A,22Bを介
して連結したL字ブラケット21A,21Bは、両者
(12,21)を連結するピン22A,22Bが下ハー
フ部材3に形成した案内溝3e,3eに案内され
て、下ハーフ部材3の略中央部まで到達しており、且
つ、ピン22A,22BがL字ブラケット21A,21
Bの水平面21a,21aに形成した楕円孔21a
21a内を互いに下ハーフ部材3の側面3c,3d方向
に移動し、且つ、L字ブラケット21A,21Bの垂直
面21b,21bに設けたピン23A,23Bと、前蓋
5の側面5a,5bの内側に形成した凹状の案内溝5a
,5b,とで前蓋5を閉蓋している。
【0038】次に、図3(A),(B)に示した状態
は、テープカセット1が装置40(図12)に装着され
て磁気テープTの引出しが完了した状態である。またこ
の状態は、磁気テープ引出し手段10A,10Bがカセ
ット筐体2外の第2位置に到達した状態であり、磁気テ
ープTがカセット筐体2外に引出された状態である。こ
こで、図3(A),(B)に用いて、図示状態に至るま
での説明をする。
【0039】即ち、テープカセット1を装置40に装着
すると、前蓋5の前蓋ロック手段(図示せず)が装置4
0側の前蓋ロック解除手段(図示せず)と係合して前蓋
5が開蓋可能な状態となる。
【0040】この後、テープカセット1の矢印X方向
の挿入動作に伴って、スライド板31が装置40側のス
ライド板係合接部材(図示せず)に係合しながら矢印X
方向(下ハーフ部材3の奥方)に摺動する。スライド
板31が矢印X方向に摺動すると、下ハーフ部材3の
開口部3aが開口される。
【0041】また、下記する磁気テープ引出し動作中及
び磁気テープ引出し動作完了までは、供給及び巻取リー
ル6,7がブレーキ15によって制動された状態となっ
ている。尚、このブレーキ15は、磁気テープ引出し動
作完了後に装置40(図12)側のブレーキ解除手段
(図示せず)によって制動を解除される。
【0042】また、スライド板31が矢印X方向に摺
動すると、ラック部31d,31dと欠歯歯車部1
1a,11aの噛合関係により、供給側及び巻取側
の第1磁気テープ引出しアーム11A,11Bはリール
軸8A,8Bを中心に下ハーフ部材3の前面3a方向
(矢印方向)にそれぞれ回動する。これにより、第1磁
気テープ引出しアーム11A,11Bと支軸14A,1
4Bを介して連結した供給側及び巻取側の第2磁気テー
プ引出しアーム12A,12Bは、支軸14A,14B
からの伝達力により前面3a方向に押し出され、第2磁
気テープ引出しアーム12A,12B上に立設したピン
22A,22Bが下ハーフ部材3に形成した案内溝3e
,3eに案内されて前面3a方向に移動する。従っ
て、第2磁気テープ引出しアーム12A,12Bは下ハ
ーフ部材3の前面3a方向に移動するが、この途中で、
第2磁気テープ引出しアーム12A,12Bとピン22
A,22Bを介して連結したL字ブラケット21A,2
1Bは、両者(12,21)を連結するピン22A,2
2Bの移動と連動して、前記したL字ブラケット21
A,21Bと前蓋5との連結関係で前蓋5が開蓋され
る。
【0043】前蓋5が開蓋された後、第2磁気テープ引
出しアーム12A,12Bは、更に下ハーフ部材3の前
面3a方向に移動するので、第2磁気テープテープ引出
しアーム12A,12Bが支軸14A,14Bを中心に
回動しながら先端部に立設した下ハーフ部材3の前面3
a(カセット筐体2の前面)より外側に突出する。従っ
て、磁気テープ引出し部材13A,13Bの移動によ
り、磁気テープTは下ハーフ部材3の前面3a(カセッ
ト筐体2の前面)より外側に引出され、且つ、磁気テー
プ引出し部材13A,13B間に張架された引出し時の
前面テープパスTsが形成される。即ち、第2位置に到
達した磁気テープ引出し手段10A,10Bにより、引
出し時の前面テープパスTsが形成されたことになる。
この際、磁気テープ引出し時のテープパス長Lは、後述
するように上記案内溝3e,3eの移動軌跡によっ
て常に一定に保たれている。上記引出し時の前面テープ
パスTsが形成された時点で、磁気テープ引出し動作が
完了する。
【0044】その後、図12に示すように、装置40で
は、第2位置に到達した磁気テープ引出し手段10A,
10Bにより形成された引出し時の前面テープパスTs
と、下ハーフ部材3の前面3a(カセット筐体2の前
面)との間に、大きなマウス空間Mが形成されている。
そして、上記マウス空間M内及び下ハーフ部材3の前面
3aに形成した開口部3a内に、装置40側の磁気テ
ープローディング部材42A,42B,回転ドラム43
などが入り込むことができる。勿論、開口部3aを形
成することなく、マウス空間Mだけで装置20側と対応
させる方法も考えられる。このように、磁気テープTの
引出し動作により、大きなマウス空間Mが形成されるの
で、前述したようにカセット筐体2の奥行き寸法Dを小
さく設定できる。また、この際、巻取リール6,7を制
動していたブレーキ15は、磁気テープ引出し動作完了
後に装置40側のブレーキ解除手段(図示せず)によっ
て制動を解除される。また、装置40側の磁気テープロ
ーディング部材42A,42Bは、シヤーシベース41
に沿って回転ドラム43方向(矢印方向)に移動できる
ようになっており、これらの磁気テープローディング部
材42A,42Bがマウス空間Mの下方から進入して磁
気テープTの内側から添接しながら回転ドラム43を中
心に別れて回転ドラム43方向に移動し、且つ、磁気テ
ープTの外側(磁性面側)に回転ドラム43が添接し、
磁気テープTが回転ドラム43に所定の角度に亘って巻
き付けられる。更に、リール駆動用歯車44A,44B
が、下ハーフ部材3に形成した“R状”のコーナ3
,3r下方からリール駆動孔3e,3eに進
入し、供給及び巻取リール6,7の歯車部6b,7b
と噛合して、供給及び巻取リール6,7を回転駆動さ
せている。
【0045】次に、カセット筐体2の前面3a,4aの
外に引出された磁気テープTをカセット筐体2内に収納
する動作は、上記した磁気テープ引出し動作と逆動作と
なる。即ち、テープカセット1を装置40から離脱する
動作に伴って、スライド板31が矢印X方向に摺動
し、このスライド板31と連動して第1磁気テープ引出
しアーム11A,11Bに連結した供給側及び巻取側の
第2磁気テープ引出しアーム12A,12Bが図2に示
した磁気テープ収納状態まで戻る。この際も、ブレーキ
15は作動状態を維持し、前述したように磁気テープ引
出し時のテープパス長Lは略一定に保たれているので、
第2磁気テープ引出しアーム12A,12Bが図2に示
した磁気テープ収納状態に戻っても、磁気テープ引出し
時のテープパス長Lと略同一長さの磁気テープ収納時の
テープパス長Lに保たれる。従って、実施例では、磁気
テープ収納時に磁気テープTを巻き取る動作が必要なく
なり、これによりカセット筐体2内又は装置40(図1
2)側に磁気テープ巻取駆動手段を設ける必要がないた
め、部品点数が減り、且つ、組み立て性能も良くなり、
安価なテープカセット1を提供できる。また、磁気テー
プTの巻き取り時に発生する異常な張力などが磁気テー
プTに加わらないため、テープカセット1の品質及び信
頼性に寄与できる。
【0046】ここで、上記した磁気テープ収納時及び磁
気テープ引出し時における、テープパス長L及び磁気テ
ープ張力Sについて、図7乃至図11を用いて説明す
る。
【0047】まず始めに図7に示したように、上記テー
プパス長Lを定義すると、テープパス長Lは、磁気テー
プTが供給リール6から出る点を出口点P,磁気テー
プTが巻取リール7に入る点を入口点Pとすると、供
給リール6側の出口点Pから巻取リール7側の入口点
までの間に磁気テープ引出し部材13A,13Bを
介して形成されたテープパスに沿った長さである。
【0048】また、磁気テープ引出し時には、磁気テー
プ引出し手段10A,10Bを構成する磁気テープ引出
し部材13A,13Bがカセット筐体2外の前方に順次
引出さる。磁気テープ引出し部材13A,13Bの移動
軌跡は、これらの磁気テープ引出し部材13A,13B
間に張架された磁気テープTの引出し前,引出し途中,
引出し完了時、テープパス<0>〜<10>の長さLが
常に一定になる移動軌跡を描くように設定され、例えば
図示したようなテープパス<0>〜<10>が順次形成
される。尚、<0>は磁気テープ収納時のテープパス,
<1>〜<9>は磁気テープ引出し動作途中又は磁気テ
ープ収納動作途中のテープパス,<10>は磁気テープ
引出し動作完了時のテープパスを示している。尚、テー
プパス<0>〜<10>は、磁気テープ引出し部材13
A,13Bの移動位置と対応していることは、図示から
明白である。
【0049】以下の説明では、テープパス<0>〜<1
0>と対応してテープパス長L<0>〜L<10>と記
載して説明すると共に、このテープパス長L<0>〜L
<10>の状態を図8に示している。
【0050】ここで再び図3,図10を用いて説明する
と、第1磁気テープ引出しアーム11A,11Bと支軸
14A,14Bを介して連結した供給側及び巻取側の第
2磁気テープ引出しアーム12A,12Bが、支軸14
A,14Bからの伝達力により矢印X方向(カセット
筐体2の前面方向)に押し出され、第2磁気テープ引出
しアーム12A,12Bの裏面側に突出したピン22
A,22Bが下ハーフ部材3に形成した案内溝3e
3eに案内されて矢印X方向に移動することによ
り、第2磁気テープ引出しアーム12A,12Bの先端
部に立設した磁気テープ引出し部材13A,13B間に
張架した磁気テープTが上記テープパス<0>〜<10
>を順次形成している。この際、テープパス<0>〜<
10>を形成する磁気テープ引出し部材13A,13B
の移動軌跡は、上記ピン22A,22Bを案内する案内
溝3e,3eの形状によって決定されており、実施
例ではテープパス<0>〜<10>が順次変位しても、
テープパス<0>〜<10>に沿ったテープパス長L<
0>〜L<10>が常に一定になるように案内溝3
,3eの形状を設定している。この案内溝3
,3eの形状は、下ハーフ部材3の前面3a側に
近づくにつれて互いに内側に入り込むような曲線になっ
ている。更に、上記案内溝3e,3eの形状は、供
給及び巻取リール6,7の制動の有無にかかわらずテー
プパス長L<0>〜L<10>が常に一定になるように
設定されているので、実施例と異なって磁気テープ引出
し時に供給及び巻取リール6,7側のブレーキ15を非
作動状態にした場合でも、適用可能となっている。従っ
て、磁気テープ引出し手段10A,10Bが磁気テープ
収納時の第1位置と磁気テープ引出し完了時の第2位置
との間を移動する時にはテープパス長が常に一定とな
る。これにより、カセット筐体2外に磁気テープTを引
出した時とカセット筐体2内に磁気テープTを収納した
時のテープパス長Lが同一長さであるので、磁気テープ
収納時に磁気テープTを巻き取る動作が必要なくなり、
カセット筐体2内又は装置40(図12)側に磁気テー
プ巻取駆動手段を設ける必要がない。
【0051】次に、磁気テープ引出し動作時及び磁気テ
ープ収納動作時における、磁気テープ張力Sについて説
明する。
【0052】まず、磁気テープ張力Sを磁気テープ引出
し時に略一定なテンション(張力)で引出す場合には、
図10に示した案内溝3e,3eの形状により、磁
気テープ引出し部材13A,13Bの移動軌跡がテープ
パス長Lを一定に保つ曲線をとり、これにより磁気テー
プTを略一定なテンションで引出すとことが可能とな
る。
【0053】次に、磁気テープTの引出し前及び引出し
完了時に磁気テープTのたるみを防止するため、磁気テ
ープ張力Sを磁気テープ収納時及び磁気テープ引出し完
了時に緊張させ、磁気テープ引出し途中又は磁気テープ
収納途中で緩和させた状態で引出す場合について、図
9,図11を用いて説明する。
【0054】一般的にビデオテープレコーダなどでは、
テープカセットに収納した磁気テープをビデオテープレ
コーダ内に引出す時の磁気テープ張力として、図9に示
した張力S<5>程度のテンションを保ちながら引出し
ている。この時の張力S<5>は、ビデオテープレコー
ダ内のガイドポール,磁気テープ引出し部材などから磁
気テープが脱落しない程度に設定されている。
【0055】そこで、本発明に係わるテープカセット1
は、磁気テープ引出し手段10A,10Bが磁気テープ
収納時の第1位置及び磁気テープ引出し完了時の第2位
置にある時には磁気テープ張力を緊張させ、磁気テープ
引出し手段10A,10Bが第1位置と第2位置との間
を移動する時には磁気テープ張力を第1位置及び第2位
置の磁気テープ張力に対して緩和するような張力に設定
している。即ち、図9に示した磁気テープ張力Sの状態
は、先に説明した図7に示したテープパス<0>〜<1
0>と対応関係になっており、S<0>は磁気テープ収
納時の磁気テープ張力,S<1>〜S<9>は磁気テー
プ引出し動作途中又は磁気テープ収納動作途中の磁気テ
ープ張力,S<10>は磁気テープ引出し動作完了時の
磁気テープ張力を示しており、S<0>及びS<10>
は略等しく且つ磁気テープ張力が緊張状態であり、S<
1>〜S<9>まではS<0>及びS<10>に対して
順次緩和されている。この際、緩和された磁気テープ張
力S<1>〜S<9>の最低限の張力値は、磁気テープ
Tが磁気テープ引出し部材13A,13Bから脱落しな
い程度の磁気テープ張力S<5>に設定している。ま
た、磁気テープ張力S<1>〜S<9>では急激に変化
することなく、磁気テープ張力Sが徐々に変化するよう
に設定されており、磁気テープ張力S<0>及びS<1
0>で略等しい緊張時の所定値に設定されている。
【0056】従って、磁気テープ引出し手段10A,1
0Bによって、上記のように磁気テープ張力S<0>〜
S<10>を制御するには、図11に示した如く、ピン
22A,22Bを案内する案内溝3e31,3e41
形状を上記に基づいて設定すれば良い。即ち、前述した
ように、磁気テープ収納時及び磁気テープ引出し時に供
給及び巻取リール6,7にはブレーキ15が作動してお
り、且つ、上記したようにテープパス長Lは常に一定に
なっていることを前提条件として、案内溝3e31,3
41の軌跡の形状を、磁気テープ引出し途中又は磁気
テープ収納途中の緩和時には磁気テープ張力S<5>を
最低限に近い値に設定し、磁気テープ収納完了時及び磁
気テープ引出し完了時の緊張時には磁気テープ引出し部
材13A,13Bを緩和時の移動軌跡に対してその外側
の軌跡を描くように移動させて磁気テープ張力S<5>
より高めのS<0>及びS<10>に設定している。こ
れにより、とくに、磁気テープ引出し途中又は磁気テー
プ収納途中では、磁気テープ張力S<1>〜S<9>が
緩和されているので、磁気テープTに異常な(大きな)
張力が加わらないため、磁気テープTを傷める心配がな
くなる。また、磁気テープ引出し完了時には、カセット
筐体2外で磁気テープ張力S<10>が緊張されている
ので、マウス空間Mに装置40側の磁気テープローディ
ング部材42A,42Bなどが確実に入り込むことがで
きる。更に、磁気テープ収納時には、カセット筐体2内
で磁気テープ張力S<0>が緊張されているので、磁気
テープTはカセット筐体2内を移動することなく、且
つ、磁気テープTのたるみを防止できる。これにより、
テープカセット1の品質及び信頼性に寄与できる。
【0057】以上詳述したように、本発明に係わるテー
プカセット1では、磁気テープ引出し手段(10A,1
0B)をカセット筐体2内に一対設け、磁気テープ引出
し手段によって磁気テープTをカセット筐体2内からカ
セット筐体2外に引き出して形成された引出し時のープ
パスTsと、カセット筐体2の前面3a,4aとの間に
マウス空間Mを形成するよう構成したため、とくに、テ
ープカセット1の奥行き寸法,即ち、カセット筐体2の
奥行き寸法Dを小型に設定できる。これにより、小型化
したテープカセット1を使用者に提供でき、且つ、テー
プカセット1の携帯性能が向上すると共に、保管スペー
スが小スペースになるなどの利点が生じる。 尚、上記
実施例では、前蓋5を設けて説明したが、これに限るこ
となく、前蓋5を必要としないテープカセットにも適用
できるものである。また、磁気テープ引出し手段(10
A,10B)によって形成されるマウス空間Mには、磁
気記録及び/又は再生装置40側の磁気テープローディ
ング部材42A,42B,回転ドラム43などが入り込
むことができるが、これに限ることなく、例えばキャプ
スタン,ピンチローラ,固定ヘッドなどの装置側のテー
プ案内部材ならばいかなる部材でも良い。更に、磁気テ
ープ引出し手段(10A,10B)は供給側と巻取側に
それぞれ設けて説明したが、これに限ることなく、例え
ば1ケのみの構成であっても良いことは明白である。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わるテープカセ
ットによると、請求項1記載においては、磁気テープ引
出し部材をカセット筐体内に設け、この磁気テープ引出
し部材の移動軌跡を磁気テープ収納時及び磁気テープ引
出し時並びに磁気テープ引出し完了時においてテープパ
ス長が常に一定になるように設定したので、この結果、
磁気テープ収納時に磁気テープを巻き取る動作が必要な
くなり、これによりカセット筐体内又は装置側に磁気テ
ープ巻取駆動手段を設ける必要がないため、部品点数が
減り、且つ、組み立て性能も良くなり、安価なテープカ
セットを提供できる。また、磁気テープの巻き取り時に
発生する異常な張力などが磁気テープに加わらないた
め、テープカセットの品質及び信頼性に寄与できる。ま
た、例えば、磁気テープ引出し部材によって磁気テープ
をカセット筐体内からカセット筐体外に引き出して形成
された前面テープパスと、カセット筐体の前面との間に
マウス空間を形成できるため、とくに、テープカセット
の奥行き寸法,即ち、カセット筐体の奥行き寸法を小型
に設定できる。これにより、小型化したテープカセット
を使用者に提供でき、且つ、テープカセットの携帯性能
が向上すると共に、保管スペースが小スペースになるな
どの利点が生じる。
【0059】また、請求項2記載においては、上記請求
項1記載と同様な効果を有すると共に、磁気テープ引出
し途中又は磁気テープ収納途中では、磁気テープ張力が
緩和されているので、磁気テープに異常な張力が加わら
ないため、磁気テープを傷める心配がなくなる。また、
磁気テープ引出し完了時には、カセット筐体外で磁気テ
ープ張力が緊張されているので、例えばマウス空間に装
置側の磁気テープ案内部材などが確実に入り込むことが
できる。更に、磁気テープ収納時には、カセット筐体内
で磁気テープ張力が緊張されているので、磁気テープは
カセット筐体内を移動することなく、且つ、磁気テープ
Tのたるみを防止できる。これにより、テープカセット
の品質及び信頼性に寄与できるなどの利点が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるテープカセットの構成を説明す
るための一部分解斜視図であり、且つ、磁気テープがカ
セット筐体の前面側に引出された状態を示した図であ
る。
【図2】同テープカセットにおける磁気テープ引出し動
作を説明するための図であり、(A),(B)は第1位
置に保持された磁気テープ引出し手段により磁気テープ
がカセット筐体内に収納された状態を示した平面図及び
側面図である。
【図3】同テープカセットにおける磁気テープ引出し動
作を説明するための図であり、(A),(B)は第2位
置に到達した磁気テープ引出し手段により磁気テープが
カセット筐体外に引出された状態を示した平面図及び側
面図である。
【図4】図1に示した供給及び巻取リール近傍を拡大し
て示した縦断面図である。
【図5】図1に示した磁気テープ引出し手段を拡大して
示した平面図である。
【図6】図1に示した磁気テープ引出し駆動手段を拡大
して示した平面図である。
【図7】磁気テープ引出し時及び磁気テープ収納時のテ
ープパスの変位状態を示した図である。
【図8】テープパスに対応してテープパス長を示した図
である。
【図9】テープパスに対応して磁気テープ張力を制御し
た図である。
【図10】磁気テープ引出し手段の移動状態を説明する
ため図である。
【図11】磁気テープ張力を制御した時の磁気テープ引
出し手段の移動状態を説明するため図である。
【図12】本発明に係わるテープカセットを磁気記録/
又は再生装置に装着した状態を示した平面図である。
【図13】従来のテープカセットを説明するための図で
あり、(A)は分解斜視図、(B)は平面図である。
【符号の説明】
1…テープカセット、2…カセット筐体、6…供給リー
ル、7…巻取リール、10A,10B…磁気テープ引出
し手段、13A,13B…磁気テープ引出し部材、40
…磁気記録及び/又は再生装置、T…磁気テープ、L…
テープパス長、S…磁気テープ張力、Ta…収納時の前
面テープパス、Ts…引出し時の面テープパス。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給リールと巻取リール間に巻回した磁気
    テープをカセット筺体内に収納すると共に、前記磁気テ
    ープを前記カセット筺体の前面側で張架させて前面テー
    プパスを形成してなるテープカセットにおいて、 前記テープカセット内に、カセット筺体内の第1位置と
    カセット筺体外の第2位置との間で移動し、且つ、前記
    磁気テープを前記カセット筺体外に引出すための磁気テ
    ープ引出し部材を設けてなり、 前記磁気テープ引出し部材の第1位置と第2位置との間
    の移動軌跡を、前記供給リールと前記巻取リール間のテ
    ープパス長が常に一定となる移動軌跡上を移動させるよ
    うにしたことを特徴とするテープカセット。
  2. 【請求項2】請求項1記載に記載のテープカセットであ
    って、 前記テープカセット内に、前記供給リール及び前記巻取
    リールに接離自在なリール制動手段を設けてなり、 前記磁気テープ引出し部材を、第1位置及び第2位置に
    ある時には磁気テープ張力を緊張させる位置に位置せし
    め、 第1位置と第2位置との間を移動させる途中では、磁気
    テープ張力を第1位置及び第2位置にある時に対し緩和
    させる位置に位置させるようにしたことを特徴とするテ
    ープカセット。
JP4264238A 1992-09-07 1992-09-07 テープカセット Expired - Lifetime JP2725542B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57150174A (en) * 1981-03-10 1982-09-16 Sony Corp Tape cassette
JPH01133277A (ja) * 1987-11-18 1989-05-25 Canon Inc テープカセット

Patent Citations (2)

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