JPH0689423B2 - 耐食性の優れたチタン合金 - Google Patents

耐食性の優れたチタン合金

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JPH0689423B2
JPH0689423B2 JP60247809A JP24780985A JPH0689423B2 JP H0689423 B2 JPH0689423 B2 JP H0689423B2 JP 60247809 A JP60247809 A JP 60247809A JP 24780985 A JP24780985 A JP 24780985A JP H0689423 B2 JPH0689423 B2 JP H0689423B2
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善明 志田
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、優れた耐すき間腐食性を有するのはもちろ
んのこと、耐酸性等の一般耐食性にも優れ、かつ純チタ
ンと同等に良好な加工性を示すコストの安いチタン合金
に関するものである。
〈従来の技術〉 工業規模で生産がなされはじめた当初は軽くて強い特性
が生かされ、航空産業等が活躍の中心舞台であったチタ
ンは、一方で優れた耐食性を有していることから、最近
では、化学工業設備用材料、火力・原子力発電設備材
料、或いは海水淡水化設備材料等としても広範囲に使用
されるようになってきた。しかし、一般的にチタンが優
れた耐食性を有するとは言っても、その高耐食性を発揮
する場は硝酸等の酸化性酸環境や海水等の中性塩化物環
境においてであり、化学工業で比較的多く認められる非
酸化性酸(塩酸、硫酸等)環境における耐食性や、高温
塩化物環境下での耐すき間腐食性は極めて不満足なもの
でしかなかった。
そこで、このような非酸化性酸環境やすき間腐食が懸念
される環境での使用を目的にTi−Pd合金が開発され、特
に塩酸が含まれる環境にて多用されるようになってき
た。これは、チタンに少量(約0.2重量%程度)のPdを
添加するとその水素過電圧が著しく低下し、自然電位を
不働態域に維持するとの現象を利用したものである。
一方、これとは別に、耐すき間腐食性の向上を主目的と
して少量のNiとMoとを複合添加したチタン合金も提案さ
れている(特開昭50-130614号公報)。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、耐食性に定評のある前記Ti−Pd合金は、
貴金属を比較的多量に含有するため高価であり、従って
その使用が制限されざるを得ないと言う問題点があっ
た。
また、前記Ti−Ni−Mo合金は、耐すき間腐食性及び耐酸
性に乏しく、かつ加工性にも劣ることから、やはり広範
囲な採用が躊躇されるものであった。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者等は、上述のような観点から、優れた耐すき間
腐食性を有することはもちろん、非酸化性酸環境での耐
酸性等、一般耐食性にも優れ、かつ工業用純チタンと同
程度の良好な加工性を示す廉価なチタン合金を提供すべ
く研究を重ねたところ、以下に示すような知見が得られ
たのである。
即ち、 a)加工性を損うことなくチタンの耐食性を顕著に改善
するためには白金族元素(Ru,Rh,Pd,Os,Ir及びPt)の微
量添加が欠かせないが、これら白金族元素に加えて微量
のCo、あるいはCoとNiを複合添加した場合には、白金族
元素が有する水素過電圧低下作用にCo、あるいはCoとNi
による水素過電圧降下作用が重畳され、高価な白金族元
素の含有量を低減したとしても該チタン合金に極めて優
れた耐食性が維持されるようになり、しかもCo、あるい
はCoとNiの添加による加工性劣化現象もそれほど顕著化
しないこと、 b)微量の白金族元素と微量のCo、あるいはCoとNiを含
有せしめた上記チタン合金に、更にMo,W及びVの1種以
上の複合添加した場合には、白金族元素とCo、あるいは
白金族元素とCoおよびNiとの複合作用によって得られる
顕著な水素過電圧低下効果と、上記Mo,W又はVが環境液
中に溶解して生じるモリブデン酸イオン、タングステン
酸イオン或いはバナジン酸イオンによる“チタン表面に
形成された不働態皮膜を安定化し、耐食性、殊にすき間
腐食に対する抵抗性をより一層向上する”と言う効果と
が複合され、該チタン合金の耐すき間腐食を中心とした
耐食性が加工性劣化を伴うことなく一層向上すること。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであっ
て、チタン合金を、 白金族元素(Ru,Rh,Pd,Os,Ir及びPt)のうちの1種以
上:合計で0.01〜0.12%、 Co、あるいはCoとNi:0.05〜2.00%、 を含有し、更に必要に応じて、 Mo,W、及びVのうちの1種以上:合計で0.05〜2.00%、 を含有し、残部が実質的にTiから成る組成(以上重量
%、以下%は重量%を示す)をもつものとすることで、 耐すき間腐食性及び耐酸性等の耐食性全般に優れること
はもちろん、良好な加工性をも確保せしめた点、 に特徴を有するものである。
〈作用〉 ここで、この発明のチタン合金において、その成分組成
を上記の通りに数値限定した理由を説明する。
(a)白金族元素(Ru,Rh,Pd,Os,Ir及びPt) これらの成分にはチタン合金の耐食性(耐すき間腐食性
や耐酸性等を含む)を改善する均等な作用があり、その
耐食性改善効果は白金族元素の1種以上が合計で0.01%
以上含有された場合に現われて多くなるほど顕著化する
が、Co、あるいはCoとNiとの共存下では、白金族元素の
合計含有量が0.12%を越えると前記効果に飽和傾向がみ
られる上、合金価格の高騰をもたらすことから、白金族
元素は1種以上の合計含有量で0.01〜0.12%と定めた。
(b)Co、及びCoとNi Co、あるいはCoとNi成分は、白金族元素と同様に合金の
水素過電圧を小さくする作用を有しており、従ってチタ
ン合金の耐食性を改善する効果を発揮するが、その効果
は微量の白金族元素と共存させることで一層顕著化す
る。そして、上記耐食性改善効果は、その含有量が0.05
%以上の場合に認められるようになるが、2.00%を越え
て含有させると白金族元素との共存下においても加工性
劣化が目立つようになることから、その含有量は0.05〜
2.00%と定めた。なお、冷間仕上げ品を想定した場合に
は0.1〜0.5%程度に調整することが好ましい。
(c)Mo,W,及びV これらの成分は、合金の使用環境溶液中に溶解して酸化
作用を有するモリブデン酸イオン、タングステン酸イオ
ン又はバナジン酸イオン等を生成し、チタン合金表面に
形成される不働態皮膜を安定化することにより腐食、特
にすき間腐食に対する抵抗性を向上させる均等な作用を
有しているので、耐食性、中でも耐すき間腐食性を更に
向上させる必要がある場合に1種以上添加されるもので
ある。しかしながら、Mo,W及びVのうちの1種以上の合
計含有量が0.05%未満では上記作用による耐すき間腐食
性を中心とした耐食性改善効果が不十分であり、一方、
その含有量を多くすると耐酸性向上効果までもがより顕
著化するが、加工性に悪影響がでてくることから、Mo,W
及びVのうちの1種以上の含有量を0.05〜2.00%と定め
た。
以上のように、チタン中に微量の白金族元素を含有させ
るとともに、Co、あるいはCoとNiを含有させ、更に必要
に応じてMo,W及びVのうちの1種以上をも添加含有させ
てTi合金を構成すると、該合金は比較的安価にして、加
工性を損うことなく耐すき間腐食性や耐酸性を中心とす
る耐食性全般に優れた効果を発揮するようになるが、耐
食性や加工性の観点からは、Fe,O,C,N,H等の不純物は少
ない方が良く、特にFe及びOの含有量には注意を要す
る。しかしながら、この発明のチタン合金では、それぞ
れ0.3%以下に抑えられていれば格別な問題を生じるこ
とはない。
次に、この発明のチタン合金を、実施例により比較例と
対比しながら説明する。
〈実施例〉 まず、従来Ti合金1,2として市販の工業用純チタン板材
(JIS2種)及びTi−0.2%Pd合金板材(ASTM Grade7)を
用意し、更に本発明Ti合金1〜18及び比較Ti合金1〜6
として第1表で示される成分組成のチタン合金板材を準
備した。なお、該チタン合金板材は、スポンジチタンと
合金成分たる純金属粉末とを配合し、アルゴンアーク炉
装置を用いたボタン溶解にて溶製した小インゴットに、
熱間鍛造、熱間圧延、スケール除去処理(サンドブラス
ト+酸洗)及び冷間圧延を施して4mm厚の板材とし、続
いて熱処理(真空中にて700℃で30分保持後放冷)を施
したものである。
次いで、これらの各種板材から試験片を採取し、“耐酸
性試験”及び“耐すき間腐食試験”に供した。
なお、耐酸性試験は、採取した3mm厚×10mm幅×40mm長
さの短冊型腐食試験片を600番エメリー紙にて研磨仕上
げした後、沸騰5%HCl水溶液中に6時間浸漬し、その
際の全面腐食量を測定する方法を採用した。そして、耐
酸性の評価は、各2枚の試験片について腐食量から腐食
速度を算出し、その平均値を比較する方法によった。
また、耐すき間腐食性試験は、採取した3mm厚×30mm幅
×30mm長(中央に7mmφの穴を付設)の試験片を600番エ
メリー紙にて研磨仕上げした後、2枚の該試験片の間に
ジメタクリレート系樹脂(嫌気性接着剤)を塗布した
後、テフロンブッシュを介してチタン製ボルト・ナット
で締め付けることにより“すき間腐食試験片対”の組立
てを完了し、続いて材質毎に3組ずつ用意した前記試験
片対を沸騰10%NaCl水溶液中に100時間浸漬してすき間
腐食状況を調べると言う方法を採用した。
このようにして行なった試験の結果を第1表に示した
が、耐すき間腐食性の評価は、○印:すき間腐食なし、
△印:わずかにすき間腐食発生、×:すき間腐食が顕著
に発生、の3段階で評価した。
〈発明の効果〉 第1表に示される結果から、本発明Ti合金1〜18は、い
ずれも廉価にもかかわらず、価格の高いTi−0.2%Pd合
金からなる従来Ti合金2と同等の優れた耐酸性、耐すき
間腐食性を備えていることが明らかである。
一方、比較Ti合金1〜6に見られるように、構成成分の
うちのいずれかの成分を含有せず、あるいはその含有量
がこの発明の範囲から外れて低い場合(第1表に※印を
付す)には、耐酸性および耐すき間腐食性のうちの少な
くともいずれかが劣ったものになることが明らかであ
る。
また、これとは別に実施された加工性試験においても、
本発明Ti合金1〜18は実用上何ら格別な支障のない良好
な加工性を示すことが確認された。
以上に説明した通り、この発明のチタン合金は、優れた
耐食性と加工性とを具備し、かつ低コストで製造でき、
腐食性環境で使用される設備・機器類の性能や信頼性を
より一層高めることを可能ならしめるなど産業上極めて
有用な特性を有するのである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合にて、 白金族元素のうちの1種以上:合計で0.01〜0.12%、 Co:0.05〜2.00%、 を含むとともに、残部が実質的にTiより成ることを特徴
    とする、耐食性の優れたチタン合金。
  2. 【請求項2】重量割合にて、 白金族元素のうちの1種以上:合計で0.01〜0.12%、 CoとNi:合計で0.05〜2.00%、 を含むとともに、残部が実質的にTiより成ることを特徴
    とする、耐食性の優れたチタン合金。
  3. 【請求項3】重量割合にて、 白金族元素のうちの1種以上:合計で0.01〜0.12%、 Co:0.05〜2.00%、 Mo,W、及びVのうちの1種以上:合計で0.05〜2.00%、 を含むとともに、残部が実質的にTiより成ることを特徴
    とする、耐食性の優れたチタン合金。
  4. 【請求項4】重量割合にて、 白金族元素のうちの1種以上:合計で0.01〜0.12%、 CoとNi:合計で0.05〜2.00%、 Mo,W、及びVのうちの1種以上:合計で0.05〜2.00%、 を含むとともに、残部が実質的にTiより成ることを特徴
    とする、耐食性の優れたチタン合金。
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