JP2871867B2 - 耐蝕性Ti基合金 - Google Patents
耐蝕性Ti基合金Info
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Description
し、さらに詳しくは、耐蝕性に優れており、かつ、加工
性、耐隙間耐蝕性に優れている耐蝕性Ti基合金に関す
るものである。
として良く知られているものであり、化学プラント等の
工業用の構造材料として広く使用されているが、使用さ
れる環境によっては耐蝕性において疑問視される場合が
ある。
海水およびその他の塩化物を含有する腐蝕環境において
は優れた耐蝕性を示すものである。しかし、塩酸および
硫酸等の非酸化性の環境においては、上記に説明したよ
うな酸化性の環境ほど優れた耐蝕性を示さないのであ
る。
は、その環境におかれるものに隙間が存在すると、その
隙間にあるTiが局部的に腐蝕を受けることは良く知ら
れていることである。
い環境における問題を解決するために、Tiに種々の合
金元素を含有させた耐蝕性のTi基合金が既に提案さ
れ、かつ、市販されている。
d合金、Ti−Ni−Mo合金等が挙げられるが、Ti
−Pd合金については、Pdが高価であり、経済的に問
題があり、また、Ti−Ni−Mo合金は加工性が悪い
という問題があり、耐蝕性が優れている割りには広く使
用されていない。
が良好であると言われているTi合金における問題点を
考慮し、加工性が良好であり、かつ、Ti−Pd合金と
同等またはそれ以上の、特に、非酸化性の環境において
優れた耐蝕性を示し、さらに、高温塩化物溶液等の環境
における耐隙間腐蝕性も実用上満足するTi合金とし
て、特願平02−069066号、特願平02−283
755号が提案されており、Ni、Pd、Ruのグルー
プにAg或いはAuを含有させたTi合金を開発した。
係る耐蝕性Ti基合金が目的とする耐蝕性には優れた性
能を発揮するけれども、Ti基合金の溶製装置で含有さ
せたAg等の蒸発によるロスを生じ、歩留りのよい合金
鋳造が困難な面があった。
た従来技術の問題点に鑑み、耐蝕性を満足すると共に、
製造がし易く、経済的なTi基合金の開発が要望されて
いることから、優れた耐蝕性を有するTi基合金を提案
するものである。
基合金は、Cr 0.005〜2.0wt%を含有し、
さらに、Ni 0.005〜2.0wt%、Pd 0.
005〜2.0wt%、Ru 0.005〜2.0wt
%、Pt 0.005〜2.0wt%、Os0.005
〜2.0wt%、Ir 0.005〜2.0wt%、R
h 0.005〜2.0wt%の内から選んだ1種以上
を含有し、残部がTiおよび不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする耐蝕性Ti基合金を要旨とするものであ
る。
以下詳細に説明する。
有成分および成分割合について説明する。
加工性に悪影響を与えない元素を探すために、種々多数
の合金を製作して、耐蝕性および耐隙間腐蝕性について
研究を行って、このような特性、即ち、加工性を害する
ことなく、耐蝕性および耐隙間腐蝕性に優れた合金元素
を検討した結果、以下説明する元素を見出したのであ
る。
蝕性および耐隙間腐蝕性に寄与する元素であり、含有量
が0.005wt%未満ではこの効果は少なく、また、
2.0wt%を越える含有量では加工性が劣化する。よ
って、Cr含有量は0.005〜2.0wt%とする。
また、Crをこの範囲に含有させ、さらに、Ni、P
d、Ru、Pt、Os、Ir、Rhの1種以上を0.0
05〜2.0wt%含有させると、相乗効果によって耐
蝕性は顕著に改善される。しかして、Ni、Pd、R
u、Pt、Os、Ir、Rhのみを単独で0.005〜
2.0wt%含有させても非酸化性環境においては、T
i−Pd合金と同等の耐蝕性は示さないのである。
hは単独でTiに0.005〜2.0wt%含有させて
も、非酸化性環境においては耐蝕性の改善は認められな
いが、しかし上記に説明したように、Crと共存状態に
おいては、耐蝕性において著しい改善が認められる。よ
って、Ni、Pd、Ru、Pt、Os、Ir、Rhを含
有量0.005〜2.0wt%の範囲に1種以上含有さ
せることにより、優れた耐蝕性が得られるのである。
較例と共に説明する。
タン (JIS1種) に含有成分の各金属粉末の成分割合
を変えて含有させ、真空アーク溶解炉において溶解して
鋳塊を製造した。また、比較例として、スポンジチタン
(JIS1種) のみの純Ti鋳塊を溶製した。
行って、1.0mmtの板を製作した。この板を真空焼
鈍熱処理を行った後、20Dmm×1tmmの腐蝕試験
片を採取した。
(純Ti)、G7相当材(Ti−0.15Pd)、G1
2相当材(Ti−0.8Ni−0.3Mo) を併せて製
作した。
験を行った。42%MgCl2 隙間腐蝕浸漬試験は、図
1に示すTiボルト1、T.P3、マルチクレビスφ2
0mm(溝付き、テフロン)4、Tiナット2を組み立
てた治具を隙間腐蝕環境を模擬した42%MgCl2 溶
液中に48時間浸漬して、隙間腐蝕発生により評価し
た。表3に耐隙間腐蝕性試験の結果を示す。
る耐蝕性Ti基合金は、42%MgCl2 沸騰溶液中で
24時間浸漬した場合の試験において、優れた耐隙間腐
蝕性を示していることが分かる。
酸に対する全面腐蝕性評価試験について、図2〜図5に
より説明する。
wt%、Ru0.026wt%と含有量を一定とし、C
r含有量を変化させた場合に、Ti基合金の2%HCl
沸騰溶液中における24時間の浸漬試験結果を示してあ
る。即ち、Cr含有量を0.1wt%とすることによ
り、耐蝕性が明らかに改善されていることがわかる。ま
た、Cr含有量を0.2wt%とすると、G7相当材
(Ti−0.15Pd)より優れた耐蝕性を示してい
る。
Ru=1/2、Pd+Ru=0.04wt%と一定と
し、Ni含有量を変化させた場合に、本発明に係る耐蝕
性Ti基合金の2%HCl沸騰溶液中における24時間
の浸漬試験結果を示してある。即ち、Ni含有量が増加
するに従って、腐蝕速度が減少していることがわかる。
し、Ni、Pd、Ruの含有量を変化させた場合の、本
発明に係る耐蝕性Ti基合金の2%HCl沸騰溶液中に
おける2時間の浸漬試験結果を示してある。即ち、N
i、Pd、Ruの含有量の増加に従って腐蝕速度が減少
しているが、NiよりPdおよびRu、さらに、Ruよ
りPdの方が腐蝕速度が小さくなっていることがわか
る。
る耐蝕性Ti基合金の2〜18の中の幾つかの例および
比較例1の純Ti(G2相当材)、比較例2のTi−
0.8Ni−0.3Mo(G12相当材) 、比較例3の
Ti−0.2Ag(0.2Ag)、比較例4のTi−
0.5Ni(0.5Ni)を2%沸騰HCl溶液中にお
いて、24時間浸漬した場合の浸漬試験結果を示してあ
る。即ち、本発明に係る耐蝕性Ti基合金は、比較例5
〜7のTi−(Pd、Ru)材と同等かそれ以上に腐蝕
速度が小さく優れていることを示し、また、比較例1〜
4のTi基合金より著しく腐蝕速度が小さくなっている
ことを示している。
は、非酸化性環境において優れた耐蝕性(腐蝕速度が極
めて小さいこと)を示していることがわかる。
性Ti基合金は上記の構成であるから、非酸化性の環境
における耐蝕性に優れており、さらに、優れた耐隙間腐
蝕性をも併せ保有しており、今までの耐蝕性Ti基合金
の問題点を著しく改善した極めて優れた高耐蝕性のTi
基合金である。
を一定とした場合の、HCl浸漬試験における腐蝕速度
を示す図である。
を一定とした場合の、HCl浸漬試験における腐蝕速度
を示す図である。
験における腐蝕速度を示す図である。
よび比較例のHCl浸漬試験の腐蝕速度を示した図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】Cr 0.005〜2.0wt%を含有
し、さらに、Ni 0.005〜2.0wt%、Pd
0.005〜2.0wt%、Ru 0.005〜2.0
wt%、Pt 0.005〜2.0wt%、Os 0.
005〜2.0wt%、Ir0.005〜2.0wt
%、Rh 0.005〜2.0wt%の内から選んだ1
種以上を含有し、残部がTiおよび不可避的不純物から
なることを特徴とする耐蝕性Ti基合金。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3015771A JP2871867B2 (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | 耐蝕性Ti基合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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---|---|---|---|
JP3015771A Expired - Lifetime JP2871867B2 (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | 耐蝕性Ti基合金 |
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-
1991
- 1991-01-16 JP JP3015771A patent/JP2871867B2/ja not_active Expired - Lifetime
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