JPH0689020B2 - グリゼオール酸のモノエステル誘導体 - Google Patents

グリゼオール酸のモノエステル誘導体

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JPH0689020B2
JPH0689020B2 JP1167663A JP16766389A JPH0689020B2 JP H0689020 B2 JPH0689020 B2 JP H0689020B2 JP 1167663 A JP1167663 A JP 1167663A JP 16766389 A JP16766389 A JP 16766389A JP H0689020 B2 JPH0689020 B2 JP H0689020B2
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功一 平井
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富久 横山
隆志 安本
光郎 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】 [目的] (産業上の利用分野) 本発明は、優れた眼圧低下作用を有する新規なグリゼオ
ール酸のモノエステル誘導体に関する。
(従来の技術) グリゼオール酸ジエステル誘導体としては、特開昭第60
−94992号公報及び特開昭第61−100593号公報記載の以
下の化合物が公知である。
(上記式中、R1及びR2は前記と同意義を示し、R5′及び
R6′はメチル基又はジフェニルメチル基を示す。) しかしながら、これらの化合物は眼圧低下作用を有しな
い。
(当該発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は、眼圧低下作用を有するグリゼオール酸誘
導体の合成とその薬理活性について永年に亘り鋭意研究
を行なった結果、既知のエステル誘導体とは構造を異に
する、新規な置換ベンジルモノエステル誘導体類が、点
眼剤として安定であり、点眼投与の際の角膜透過性に優
れ、眼内で速やかに加水分解され、良好な眼圧低下作用
を示し、優れた緑内障治療薬となりうることを見出し、
本発明を完成した。
[構成] 本発明の新規なグリゼオール酸モノエステル誘導体は、 (I)一般式 {式中、 R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は保護されて
いてもよい水酸基を示し、 R3及びR4は同一で水素原子を示すか又はR3とR4が一緒に
なって単結合を示し、 R5及びR6の一方は水素原子を示し、他方は、 一般式 〔式中、 R7及びR8は、水素原子又は低級アルキル基を示し、 R9は置換されていてもよい炭素数1乃至18個の脂肪族ア
シルオキシ若しくは置換されていてもよい炭素数1乃至
18個の脂肪族アシルチオ基(該置換基としては、炭素数
3乃至10個のシクロアルキル基又はハロゲン原子を示
す。)或いは芳香族アシルオキシ若しくは芳香族アシル
チオ基を示し、R10は、R9と同様の基、水酸基、メルカ
プト基、カルボキシ基、アミノ基、ニトロ基、低級アル
キル基、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示し、m
は、0乃至3の整数を示し、nは、0乃至2の整数を示
す。〕を示す。}で表わされる化合物 として表わされる。
上記一般式(I)において、R1及びR2で定義された「保
護されていてもよい水酸基」の「保護基」分としては、
反応における保護基及び生体に投与する際のプロドラッ
ク化のための保護基を示し、例えば、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノ
イル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノ
イル、ラウロイル、ミリストイル、トリデカノイル、パ
ルミトイル、ステアロイルのようなアルキルカルボニル
基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロア
セチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲン化アル
キルカルボニル基、メトキシアセチルのような低級アル
コキシアルキルカルボニル基、(E)−2−メチル−2
−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基等の
脂肪族アシル基;ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナ
フトイルのようなアリールカルボニル基、2−ブロモベ
ンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲン化ア
リールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、
4−トルオイルのような低級アルキル化アリールカルボ
ニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリ
ールカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロ
ベンゾイルのようなニトロ化アリールカルボニル基、2
−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低級アル
コキシカルボニル化アリールカルボニル基、4−フェニ
ルベンゾイルのようなアリール化アリールカルボニル基
等の芳香族アシル基;テトラヒドロピラン−2−イル、
3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキ
シテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピ
ラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン
−4−イルのようなテトラヒドロピラニル又はテトラヒ
ドロチオピラニル基;テトラヒドロフラン−2−イル、
テトラヒドロチオフラン−2−イルのようなテトラヒド
ロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基;トリメチ
ルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシ
リル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピ
ルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロ
ピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル基、ジフェ
ニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニ
ルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリル
のような1乃至2個のアリール基で置換されたトリ低級
アルキルシリル基等のシリル基;メトキシメチル、1,2
−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プ
ロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチ
ル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキシメチル
基、2−メトキシエトキシメチルのような低級アルコキ
シ化低級アルコキシメチル基、2,2,2−トリクロロエト
キシメチル、ビス(2−トリクロロエトキシ)メチルの
ようなハロゲン化低級アルコキシメチル等のアルコキシ
メチル基;1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキ
シエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのような低級
アルコキシ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチルのよ
うなハロゲン化エチル基、2−(フェニルゼレニル)エ
チルのようなアリールゼレニル化エチル基等の置換エチ
ル基;ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、
α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニル
メチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニル
メチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個のア
リール基で置換された低級アルキル基、4−メチルベン
ジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチル
ベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニ
ルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロ
ベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、
4−シアノベンジル、4−シアノベンジルジフェニルメ
チル、ビス(2−ニトロフェニル)メチル、ピペロニル
のような低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロ
ゲン、シアノ基でアリール環が置換された1乃至3個の
アリール基で置換された低級アルキル基等のアラルキル
基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブ
トキシカルボニル、イソブトキシカルボニルのような低
級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキ
シカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニ
ルのようなハロゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置
換された低級アルコキシカルボニル基等のアルコキシカ
ルボニル基;ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカ
ルボニルのようなアルケニルオキシカルボニル基;ベン
ジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカ
ルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニ
ル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロ
ベンジルオキシカルボニルのような1乃至2個の低級ア
ルコキシ又はニトロ基でアリール環が置換されていても
よいアラルキルオキシカルボニル基のような反応におけ
る保護基及びピバオイルオキシメチルオキシカルボニル
のような生体に投与する際のプロドラッグ化のための生
体内で加水分解され易い保護基を示し、好適には脂肪族
アシル基及び芳香族アシル基である。
R7、R8及びR10で定義された「低級アルキル基」として
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−
エチルプロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、3−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペン
チル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,
1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメ
チルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル
のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基
を挙げることができるが、好適には炭素数1乃至4の直
鎖又は分枝鎖アルキル基である。
R9の定義における「置換されていてもよい炭素数1乃至
18個の脂肪族アシルオキシ」及び「置換されていてもよ
い炭素数1乃至18個の脂肪族アシルチオ」の「炭素数1
乃至18個の脂肪族アシル基」としては、例えば、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、プテニルカル
ボニル、イソブチリル、ペンタノイル、ペンテニルカル
ボニル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタ
ノイル、ノニルカルボニル、デシルカルボニル、3−メ
チルノニルカルボニル、8−メチルノニルカルボニル、
3−エチルオクチルカルボニル、3,7−ジメチルオクチ
ルカルボニル、ウンデシルカルボニル、ドデシルカルボ
ニル、トリデシルカルボニル、テトラデシルカルボニ
ル、ペンタデシルカルボニル、ペンタデセニルカルボニ
ル、ヘキサデシルカルボニル、1−メチルペンタデシル
カルボニル、14−メチルペンタデシルカルボニル、13,1
3−ジメチルテトラデシルカルボニル、ヘプタデシルカ
ルボニル、15−メチルヘキサデシルカルボニルのような
飽和又は不飽和の直鎖又は分枝鎖脂肪酸アシル基を挙げ
ることができるが、好適には炭素数1乃至6個の直鎖又
は分枝鎖脂肪族アシル基である。
R9で定義された「炭素数3乃至10個のシクロアルキル
基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルのよ
うな3乃至10員飽和環状炭化水素基を示し、好適には5
乃至7員飽和環状炭化水素基である。
R9及びR10の定義における「ハロゲン原子」としては、
弗素、塩素、臭素又は沃素を示し、R9における、「ハロ
ゲン原子の置換した脂肪族アシル基」としては、例え
ば、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロア
セチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲン化アル
キルカルボニル基を挙げることができる。
R9の定義における「芳香族アシルオキシ」及び「芳香族
アシルチオ」の「芳香族アシル基」としては、置換基を
有していてもよいアリールカルボニル基を示し、かかる
「アリール」とは、例えばフェニル、ナフチルのような
炭素数5乃至12個の芳香族炭化水素基を挙げることがで
き、好適にはフェニル基である。ここで、「置換基を有
していてもよいアリールカルボニル基」とは、上記「ア
リール」の環上に、1乃至4個の下記より選択される置
換基を有していてもよいアリールカルボニル基を示し、
該環上の置換基としては、アミノ基;ニトロ基;シアノ
基;前記低級アルキル若しくは、例えばトリフルオロメ
チル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロ
メチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−ト
リクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ブ
ロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、
2,2−ジブロモエチルのようなハロゲン化低級アルキル
基で置換されていてもよいカルボキシ基;カルバモイル
基;前記ハロゲン原子;前記低級アルキル基;例えばメ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、
n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブト
キシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、2−メチルブ
トキシ、ネオペントキシ、n−ヘキシルオキシ、4−メ
チルペンチルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、2−
メチルペンチルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、
2,2−ジメチルブチルオキシ、1,1−ジメチルブチルオキ
シ、1,2−ジメチルブチルオキシ、1,3−ジメチルブチル
オキシ、2,3−ジメチルブチルオキシのような低級アル
コキシ基(R10の定義においても同様。);前記ハロゲ
ン化低級アルキル基及び前記「炭素数1乃至18個の脂肪
族アシル基」を挙げることができ、好適には、ハロゲン
原子又はハロゲン化低級アルキル基である。
本発明の化合物(I)は、塩にすることができるが、そ
のような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム
塩又はカルシウム塩のようなアルカリ金属又はアルカリ
土類金属の塩;メチルアミン、エチルアミン、モルホリ
ン、ピペリジンのような有機塩基の塩;弗化水素酸塩、
塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン
化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の
無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンス
ルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルキル
スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンス
ルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、フマール酸
塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレ
イン酸塩等の有機酸塩及びグルタミン酸塩、アスパラギ
ン酸塩のようなアミノ酸塩をあげることができる。
本発明の化合物(I)は、分子内に不斉炭素を有し、各
々がS配位、R配位である立体異性体が存在するが、そ
の各々、或いはそれらの混合物のいずれも本発明に包含
される。
化合物(I)において、好適な化合物としては、 (1)R1が、水酸基である化合物、 (2)R2が、水酸基である化合物、 (3)R3とR4が一緒になって単結合を示す化合物、 (4)R3及びR4が水素原子を示す化合物、 (5)R5又はR6が、一般式(II)を有する基である化合
物、 (6)R7が、水素原子又は低級アルキル基である化合
物、 (7)R8が、水素原子である化合物、 (8)R9が、炭素数1乃至18個の脂肪族アシルオキシ基
である化合物、 (9)R9が、炭素数1乃至6個の脂肪族アシルオキシ基
である化合物、 (10)R10が、R9と同様の基、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基又はハロゲン原子である化合物、 (11)mが、0乃至2である化合物、 (12)nが、0乃至1である化合物、 (13)R1及びR2が、水酸基であり、R3とR4が一緒になっ
て単結合を示し、R5又はR6が、一般式(II)を有する基
であり、R7が、水素原子又は低級アルキル基であり、R8
が、水素原子であり、R9が、炭素数1乃至18個の脂肪族
アシルオキシ基であり、R10が、R9と同様の基、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
mが、0乃至2であり、nが、0乃至1である化合物、 (14)R1及びR2が、水酸基であり、R3及びR4が水素原子
を示し、R5又はR6が、一般式(II)を有する基であり、
R7が、水素原子又は低級アルキル基であり、R8が、水素
原子であり、R9が、炭素数1乃至18個の脂肪族アシルオ
キシ基であり、R10が、R9と同様の基、低級アルキル
基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子であり、mが、
0乃至2であり、nが、0乃至1である化合物、 (15)R1及びR2が、水酸基であり、R3とR4が一緒になっ
て単結合を示し、R5又はR6が、一般式(II)を有する基
であり、R7が、水素原子又は低級アルキル基であり、R8
が、水素原子であり、R9が、炭素数1乃至6個の脂肪族
アシルオキシ基であり、R10が、R9と同様の基、低級ア
ルキル基又は低級アルコキシ基であり、mが、0乃至1
であり、nが、0乃至1である化合物、 (16)R1及びR2が、水酸基であり、R3及びR4が水素原子
を示し、R5又はR6が、一般式(II)を有する基であり、
R7が、水素原子又は低級アルキル基であり、R8が、水素
原子であり、R9が、炭素数1乃至6個の脂肪族アシルオ
キシ基であり、R10が、R9と同様の基、低級アルキル基
又は低級アルコキシ基であり、mが、0乃至1であり、
nが、0乃至1である化合物、 を挙げることができる。
本発明の代表的化合物としては、例えば、第1〜6表に
記載する化合物を挙げることができるが、本発明はこれ
らの化合物に限定されるものではない。
上記例示化合物のうち、好適な化合物としては、1,2,3,
4,5,6,7,9,10,11,12,13,15,16,17,20,24,26,30,33,35,4
0,41,42,44,45,46,47,48,49,50,52,55,56,61,68,70,72,
77,78,82,85,93,94,95,96,97,98,100,109,111,112,118,
119,123,126,127,134,136,137,149,150,152,153,154,15
8,160,166,170,173,174,175,177,186,187,188,190,191,
192,196,198,204,208,211,212,213,215及び244の化合物
を挙げることができる。
更に、好適な化合物としては、1,2,3,4,5,10,11,15,16,
33,44,45,47,48,49,50,52,55,68,94,95,96,97,100,111,
119,127,136,137,149,150,153,154,158,166,170,173,17
4,175,177,186,187,188,191,192,196,204,208,211,212,
213,215及び224の化合物を挙げることができる。
最も好適な化合物としては、1,10,68,94,100,127,149,1
54,174,186,187,192,212及び244の化合物を挙げること
ができる。
本発明のグリゼオール酸のモノエステルは、以下に記載
する方法によって製造することができる。
A法 B法 C法 上記式中、R1、R2、R3及びR4は、前記と同意義を示し、
R5′は、R5の定義における一般式(II)を有する基を示
し、R6′は、R6の定義における一般式(II)を有する基
を示す。R11は、メチリデン、エチリデン、イソプロピ
リデンのような低級アルキリデン基;ベンジリデンのよ
うなアラルキリデン基又はメトキシエチリデン、エトキ
シエチリデンのようなアルコキシエチリデン基等のジヒ
ドロキシ基の保護基を挙げることができ、好適にはイソ
プロピリデンである。
R12は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ペンチル、ヘキシルのような低級アルキル基;2,2,2−ト
リクロロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチ
ル、2−フルオロエチル、2,2−ジブロモエチルのよう
なハロゲノ低級アルキル基;ベンジル、フェネチル、30
−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、β−ナフチ
ルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α
−メフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルの
ような1乃至3個のアリール基で置換された低級アルキ
ル基、4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジ
ル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジ
ル、4−メトキシベンズヒドリル、4,4′−ジメトキシ
ベンズヒドリル、4−メトキシフェニルジフェニルメチ
ル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−ク
ロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジ
ル、4−シアノベンジルジフェニルメチル、ビス(2−
ニトロフェニル)メチル、ピペロニルのような低級アル
キル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ基で
アリール環が置換された1乃至3個のアリール基で置換
された低級アルキル基等のアラルキル基等の反応におけ
る保護基を示すが、一般式(II)を有する基に対して、
選択的に除去れる基が選択される。従って、アラルキル
基のような酸により容易に除去される基が好ましい。
A法は、9′位モノエステル誘導体の製造法であり、 B法は、8′位モノエステル誘導体の製造法であり、 C法は、8′位モノエステル誘導体及び9′位モノエス
テル誘導体の製造法である。
第1工程は、原料化合物(V)の7′位水酸基と9′位
カルボキシ基の水酸基を、溶媒の存在又は非存在下に、
酸触媒の存在下、ジヒドロキシ基の保護基で保護し、化
合物(VI)を製造する工程である。この工程において
は、硫酸銅、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウムのような
脱水剤やモレキュラーシーブを用いたり、供沸を利用し
て水を除きながら行なうこともできる。
ジヒドロキシ基の保護化工程に用いられる試薬として
は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトンの
ような低級アルキルカルボニル化合物;ベンズアルデヒ
ドのようなアリールカルボニル化合物又はトリメチルオ
ルトギ酸エステル、トリエチルオルトギ酸エステルのよ
うな低級アルキルオルトギ酸エステルを挙げることがで
き、好適には低級アルキルカルボニル化合物であり、更
に好適にはアセトンである。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質を
ある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適
には、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭
化水素類;メチレンクロリド、クロロホルムのようなハ
ロゲン化炭素水素類;酢酸エチル、酢酸プロピルのよう
なエステル類;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、イソアミルアル
コールのようなアルコール類;ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミ
ドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなス
ルホキシド類;アセトンのようなケトン類を挙げること
ができ、保護化の試薬としてアセトンが使用される場合
には溶媒を兼ねてアセトンが用いられる。
使用される酸触媒としては、通常の反応において酸触媒
として使用されるものであれば特に限定はないが、好適
には塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸のような無機酸
又はパラトルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸等の
ブレンステッド酸或いは塩化亜鉛、四塩化スズ、三弗化
ホウ素エーテレートのようなルイス酸をあげることがで
き、好適には有機酸であり、更に好適には有機強酸であ
る。
反応温度は−10℃乃至100℃で行なわれるが、好適に
は、0℃乃至室温である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物又は使用される
溶媒、酸触媒の種類によって異なるが、通常10分間乃至
3日間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(VI)は常法に従っ
て、反応混合物から採取できる。例えば、反応混合物に
水と混和しない有機触媒を加え、水洗後、溶剤を留去す
ることによって得られる。得られた目的化合物は必要な
らば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフ
ィー等によって更に精製できるが、好適には、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムのようなアルカ
リ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
のようなアルカリ金属炭酸水素塩;水素化リチウム、水
素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属
水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
バリウム、水酸化カルシウムのようなアルカリ金属水酸
化物等の有機溶媒に不溶性の塩基を用いて中和し、不溶
物を瀘去した後、溶媒を留去する操作をするのみで、特
に単離精製することなく、第2工程に付される。
第2工程は、原料化合物(VI)を溶媒中で脱酸剤の存在
下に、1〜1.5等量の一般式R12−X(式中、R12は、前
記と同意義を示し、Xは、塩素、臭素、沃素のようなハ
ロゲン原子;アセトキシ、プロピオニルオキシのような
アルキルカルボニルオキシ基、クロロアセチルオキシ、
ジクロロアセチルオキシ、トリクロロアセチルオキシ、
トリフルオロアセチルオキシのようなハロゲン化アルキ
ルカルボニルオキシ基、メトキシアセチルオキシのよう
な低級アルコキシアルキルカルボニルオキシ基、(E)
−2−メチル−2−ブテノイルオキシのような不飽和ア
ルキルカルボニルオキシ基等の脂肪族アシルオキシ基;
ベンゾイルオキシのようなアリールカルボニルオキシ
基、2−ブロモベンゾイルオキシ、4−クロロベンゾイ
ルオキシのようなハロゲン化アリールカルボニルオキシ
基、2,4,6−トリメチルベンゾイルオキシ、4−トルオ
イルオキシのような低級アルキル化アリールカルボニル
オキシ基、4−アニソイルオキシのような低級アルコキ
シ化アリールカルボニルオキシ基、4−ニトロベンゾイ
ルオキシ、2−ニトロベンゾイルオキシのようなニトロ
化アリールカルボニルオキシ基等の芳香族アシルオキシ
基;トリクロロメチルオキシのようなトリハロゲノメチ
ルオキシ基;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニ
ルオキシのような低級アルカンスルホニルオキシ基;ト
リフルオロメタンスルホニルオキシ、ペンタフルオロエ
タンスルホニルオキシのようなハロゲノ低級アルカンス
ルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ、p−ト
ルエンスルホニルオキシのようなアリールスルホニルオ
キシ基;ジアゾ基等の脱離基を示す。)で示されるエス
テル化試薬を反応させ、化合物(VII)を製造する工程
である。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質を
ある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適
には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジ
メチルスルホキシドのようなスルホキシド類;アセトニ
トリルのようなニトリル類;アセトンのようなケトン類
又はテトラヒドロフラン、エーテル、ジオキサンのよう
なエーテル類及び上記溶媒の混合溶媒を挙げることがで
きる。
使用される脱酸剤としては、通常の反応において脱酸剤
として使用されるものであれば特に限定はないが、好適
にはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチ
ルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジ
アザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機塩
基類を挙げることができ、特に好適にはDBU及びDBNであ
る。
エステル化試薬の脱離基Xとしては、好適には塩素、臭
素、沃素のようなハロゲン原子又はジアゾ基であり、特
に好適には沃素原子である。
反応温度は0℃乃至100℃で行なわれるが、好適には、2
0℃乃至70℃であり、特に好適には室温である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物又は使用される
溶媒、脱酸剤の種類によって異なるが、通常1時間乃至
4日間である。
第3工程は、化合物(VII)のジヒドロキシ基の保護基
を、溶媒の存在又は非存在下に、酸触媒で除去し、化合
物(VIII)を製造する工程である。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質を
ある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適
には、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭
化水素類;メチレンクロリド、クロロホルムのようはハ
ロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、のよ
うなエステル類;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、イソアミルアル
コールのようなアルコール類;ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミ
ドのようなアミド類;ジメチルスルホキドのようなスル
ホキシド類;アセトンのようなケトン類を挙げることが
できる。
使用される酸触媒としては、通常の反応において酸触媒
として使用されるものであれば特に限定はないが、好適
には塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸のような無機酸
又はパラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、クエン酸のような有機酸等
のブレンステッド酸の水溶液をあげることができ、好適
には有機酸の水溶液であり、更に好適にはトリフルオロ
酢酸水溶液である。
反応温度は−10℃乃至100℃で行なわれるが、好適に
は、0℃乃至室温である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物又は使用される
溶媒、酸触媒の種類によって異なるが、通常10分間乃至
1日間である。
又、酸触媒を用いず、上記含水溶媒中、単に加熱するの
みでも、保護基の除去は可能である。
反応終了後、目的化合物(VIII)は常法に従って、反応
混合物から採取される。例えば、反応混合物に水と混和
しない有機溶媒を加え、水洗後、溶剤を留去ことによっ
て得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常法、
例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によっ
て更に精製できる。
尚、上記第3工程、下記第4、5、8及び9工程におい
て、所望により、特開昭60−94992号公報記載の方法に
より、7′位の水酸基を、水素原子又は配位の同一又は
異なった「保護されていてもよい水酸基」に変換するこ
とができる。
第4工程は、化合物(VIII)と、一般式R6′−Xを有す
る化合物(式中、R6′及びXは、前記と同意義を示
す。)とを反応させ、化合物(VIII)の9′位カルボキ
シ基を、R6′基で修飾し、化合物(IX)を製造する工程
であり、第2工程に準じて実施される。
第5工程は、化合物(IX)の8′位のカルボキシの保護
基R12を除去し、所望により、R1及び/又はR2の水酸基
の保護基を除去することにより、本発明化合物(X)を
製造する工程である。
カルボキシ基の保護基の除去はその種類によって異なる
が、一般にこの分野の技術において周知の方法によって
以下の様に実施される。
カルボキシ基の保護基として、低級アルキル基又はアリ
ール基を使用した場合には、酸又は塩基で処理すること
により除去することができる。酸としては、第1工程に
記載した酸触媒が用いられ、塩基としては、化合物の他
の部分に影響を与えないものであれば特に限定はない
が、好適には炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなア
ルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
のようなアルカリ金属水酸化物又は濃アンモニア−メタ
ノールを用いて実施される。使用される触媒としては通
常の加水分解反応に使用されるものであれば特に限定は
なく、水又は水とメタノール、エタノール、n−プロパ
ノールのようなアルコール類若しくはテトラヒドロフラ
ン、ジオキサンのようなエーテル類のような有機溶媒と
の混合溶媒が好適である。反応温度及び反応時間は出発
物質及び用いる塩基等によって異なり特に限定はない
が、副反応を抑制するために、通常は0℃乃至150℃
で、1乃至10時間である。
カルボキシ基の保護基がジフェニルメチルのようなジア
リール置換メチル基である場合には、通常、溶媒中、酸
性条件下で除去する。使用される反応溶媒としては、本
反応に関与しないものであれば特に限定はなく、好適に
は、メタノール、エタノール、n−プロパノールのよう
なアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのよ
うなエーテル類又は酢酸のような有機酸を挙げることが
できる。酸としては、第1工程において記載した酸触媒
を使用する。反応温度及び反応時間は出発物質等によっ
て異なるが、通常は室温で10分乃至3日間である。
カルボキシ基の保護基がアラルキル基又はハロゲノ低級
アルキル基である場合には、通常還元剤と接触させるこ
とにより除去することができる。還元剤としては、カル
ボキシ基の保護基がハロゲノ低級アルキル基である場合
には、亜鉛−酢酸が好適であり、アラルキル基である場
合には、パラジウム炭素、白金のような触媒を用い、接
触還元を行なうか、又は硫化カリウム、硫化ナトリウム
のようなアルカリ金属硫化物を用いて実施される。反応
は溶媒の存在下に行なわれ、使用される溶媒としては本
反応に関与しないものであれば特に限定はないが、メタ
ノール、エタノールのようなアルコール類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;酢酸のよう
な脂肪酸又はこれらの有機溶媒と水との混合溶媒が好適
である。反応温度及び反応時間は出発物質及び用いる還
元剤等によって異なるが、通常は0℃乃至室温付近で、
5分乃至12時間である。
カルボキシ基の保護基がアルコキシメチル基である場合
には、通常酸で処理することにより除去することができ
る。使用される酸としては、好適には第1工程において
記載した酸触媒である。反応は溶媒の存在下に行なわ
れ、使用される溶媒としては本反応に関与しないもので
あれば特に限定はないが、メタノール、エタノールのよ
うなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンの
ようなエーテル類又はこれらの有機溶媒と水との混合溶
媒が好適である。反応温度及び反応時間は出発物質及び
用いる酸の種類等によって異なるが、通常は0℃乃至50
℃で、10分乃至18時間である。
所望の工程である水酸基の保護基の脱保護の工程はその
保護基の種類によって異なるが、一般にこの分野の技術
において周知の方法によって以下の様に実施される。
水酸基の保護基として、トリ低級アルキルシリル基を使
用した場合には、通常弗化テトラブチルアンモニウムの
ような弗素アニオンを生成する化合物で処理することに
より除去する。反応溶媒は反応を阻害しないものであれ
ば特に限定はないが、テトラヒドロフラン、ジオキサン
のようなエーテル類が好適である。反応温度及び反応時
間は特に限定はないが、通常室温で10乃至18時間反応さ
せる。
水酸基の保護基が、アラルキルオキシカルボニル基又は
アラルキル基である場合には、通常、還元剤と接触させ
ることにより除去することができる。例えば、パラジウ
ム炭素、白金、ラネーニッケルのような触媒を用い、常
温にて触媒還元を行なうことにより達成される。反応は
溶媒の存在下に行なわれ、使用される反応溶媒としては
本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、メ
タノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、酢酸のよ
うな脂肪酸又はこれらの有機溶媒と水との混合溶媒が好
適である。反応温度及び反応時間は出発物質及び使用す
る還元剤等によって異なるが、通常は0℃乃至室温で、
5分乃至12時間である。
又、液体アンモニア中若しくはメタノール、エタノール
のようなアルコール中において、−78℃〜−20℃で、金
属リチウム若しくはナトリウムを作用させることによっ
ても除去できる。
更に、塩化アルミニウム−沃化ナトリウム又はトリメチ
ルシリルアイオダイドのようなアルキルシリルハライド
類を用いても除去することができる。反応は溶媒の存在
下に行なわれ、使用される反応溶媒としては本反応に関
与しないものであれば特に限定はないが、好適には、ア
セトニトリルのようなニトリル類、メチレンクロリド、
クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類又はこれら
の混合溶媒が使用される。反応温度は出発物質等によっ
て異なるが、通常は0℃乃至50℃である。
尚、反応基質が硫黄原子を有する場合においては、好適
には、塩化アルミニウム−沃化ナトリウムが用いられ
る。
水酸基の保護基が、脂肪族アシル基、芳香族アシル基又
はアルコキシカルボニル基である場合には、溶媒の存在
下に、塩基で処理することにより除去することができ
る。塩基としては、化合物の他の部分に影響を与えない
ものであれば特に限定はないが、好適にはナトリウムメ
トキシドのような金属アルコラート類、アンモニア水、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭
酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアル
カリ金属水酸化物又は濃アンモニア−メタノールを用い
て実施される。使用される溶媒としては通常の加水分解
反応に使用されるものであれば特に限定はなく、水、メ
タノール、エタノール、n−プロパノールのようなアル
コール類若しくはテトラヒドロフラン、ジオキサンのよ
うなエーテル類のような有機溶媒又は水と有機溶媒との
混合溶媒が好適である。反応温度及び反応時間は出発物
質及び用いる塩基等によって異なり特に限定はないが、
副反応を抑制するために、通常は0℃乃至150℃で、1
乃至10時間である。
水酸基の保護基が、アルコキシメチル基、テトラヒドロ
ピラニル基、テトラヒドロフラニル基又は置換されたエ
チル基である場合には、通常溶媒中で酸で処理すること
により除去することができる。使用される酸としては、
好適には塩酸、酢酸−硫酸、p−トルエンスルホン酸又
は酢酸等である。使用される溶媒としては本反応に関与
しないものであれば特に限定はないが、メタノール、エ
タノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサンのようなエーテル類又はこれらの有機溶媒と
水との混合溶媒が好適である。反応温度及び反応時間は
出発物質及び用いる酸の種類等によって異なるが、通常
は0℃乃至50℃で、10分乃至18時間である。
水酸基の保護基が、アルケニルオキシカルボニル基であ
る場合は、通常前記水酸基の保護基が脂肪族アシル基、
芳香族アシル基又はアルコキカルボニル基である場合の
除去反応の条件と同様にして塩基と処理することにより
脱離させることができる。尚、アリルオキシカルボニル
の場合は、特にパラジウム及びトリフェニルホスフィン
若しくはニッケルテトラカルボニルを使用して除去する
方法が簡便で、副反応が少なく実施することができる。
尚、上記のようなカルボキシ基の保護基を除去する操作
によって、水酸基の保護基が同時に除去されることもあ
る。
上記のカルボキシ基の保護基の除去反応及び所望の水酸
基の保護基の除去反応は、順不同で希望する除去反応を
順次実施することができる。
反応終了後、目的化合物(X)は常法に従って、反応混
合物から採取される。例えば、反応混合物に水と混和し
ない有機溶媒を加え、水洗後、溶剤を留去することによ
って得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常
法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等に
よって更に精製できる。
第6工程は第1工程と同様の工程である。
第7工程は、化合物(VI)と一般式R5′−Xを有する化
合物(式中、R5′及びXは、前記と同意義を示す。)と
を反応させ、化合物(VI)の8′位カルボキシ基を、
R5′基で修飾し、化合物(XI)を製造する工程であり、
第2工程に準じて実施される。
第8工程は、化合物(XI)のジヒドロキシ基の保護基
を、溶媒の存在又は非存在下に、酸触媒で除去し、所望
により、R1及び/又はR2の水酸基の保護基を除去するこ
とにより、本発明化合物(XII)を製造する工程であ
り、主工程は第3工程に準じ、所望の工程は第5工程に
準じて実施される。
第9工程は、原料化合物(XIII)を溶媒中、脱酸剤の存
在下に、1当量の、前記一般式R5′−X(式中、R5′及
びXは、前記と同意義を示す。)で示されるエステル化
試薬を反応させ、所望により、R1及び/又はR2の水酸基
の保護基を除去し、本発明化合物である8′−モノエス
テル体(XIII)及び9′−モノエステル体(X)を製造
する工程である。
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質を
ある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適
には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジ
メチルスルホキシドのようなスルホキシド類又はアセト
ニトリルのようなニトリル類及び上記溶媒の混合溶媒を
挙げることができる。
使用される脱酸剤としは、通常の反応において脱酸剤と
して使用されるものであれば特に限定はないが、好適に
はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N
−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチル
アミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビイクロ[5.4.
0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機塩基類を挙
げることができ、特に好適にはDBUである。
エステル化試薬の脱離基Xとしては、好適には塩素、臭
素、沃素のようなハロゲン原子であり、特に好適には沃
素原子である。
反応温度は0℃乃至100℃で行なわれるが、好適には、2
0℃乃至70℃であり、特に好適には室温である。
反応時間は、主に反応温度、原料化合物又は使用れる溶
媒、脱酸剤の種類によって異なるが、通常1時間乃至4
日間である。
尚、リチウム塩基の存在下に上記反応を行なうと、医薬
品として好ましい9′−モノエステル体(X)を、一段
階で、しかも良好な収率で得ることができる。
かかるリチウム塩基としては、リチウムの含有する塩基
であれば特に限定はないが、好適には、炭酸リチウム、
水酸化リチム、水酸化リチウムのようなチリウム無機塩
基及びリチウムジメチルアミド、リチウムジイソプロピ
ルアミド等のリチウムアミドのようなリチウム有機塩基
を挙げることができる。
本発明の原料化合物は、公知化合物であり、例えば、特
開昭第56−68695号公報、特開昭第60−94992号公報、特
開昭第60−149394号公報、特開昭第60−246396号公報及
び特開昭第61−100593号公報に記載の方法で製造するこ
とができる。
又、本発明の一般式R5′−X又はR6′−Xで表わされる
エステル化試薬は、次のようにして製造されるか、又は
市販の試薬が用いられる。
(上記式中、R7、R8、R9、R10、m、n及びXは前記と
同意義を示す。) 即ち、公知化合物又は公知化合物から容易に誘導される
化合物を還元するか、又は例えば、グリニャール反応に
よりアルキル化等を行ない、ヒドロキシ化合物(XIV)
を製造し(第10工程)、次いで、常法に従って、水酸基
のX化(例えば、ハロゲン化等)を行ない、前記脱離基
に変換し、本発明の一般式R5′−X又はR6′−Xで表わ
されるエステル化試薬(XVII)を製造する(第11工
程)。
又は、公知化合物又は公知化合物から容易に誘導される
化合物(XVI)のベンジル位若しくはアリル位を、N−
ブロモコハク酸等のN−ハロゲノコハク酸のようなハロ
ゲン化剤によりハロゲン化し、所望により、かかるハロ
ゲン原子を、常法に従って、他の脱離基に変換し、一般
式R5′−X又はR6′−Xで表わされるエステル化試薬
(XVII)を製造する。
[効果] 以下の試験例1乃至3の実験においては、下記の供試動
物を使用し、下記の様にして検体調製を行なった。
供試動物:体重2.5kg前後の雄性ニュージーランド ホ
ワイトウサギを1群5匹として実験に使用した。入荷
後、ウサギを、温度23℃、相対湿度60%、12時間の点燈
下(7:00〜19:00)に管理された飼育室内で、自由摂
水、給餌制限下にて飼育し、眼に異常の認められないも
のを実験に用いた。
検体調製: 100mMの燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)と少量の0.1規
定水酸化ナトリウムに溶解した。マレイン酸チモロール
は、0.5%点眼液(チモプトール0.5%、酸天製薬)をそ
のまま実験に使用した。
試験例1.水負荷により誘発される眼圧上昇への作用(水
負荷試験)[第1図参照] ウサギをウレタン(1.0g/kg、i.v.)にて麻酔後両眼の
眼圧を測定し、直ちに片眼(実験眼)に検体50μlを点
眼した。他眼は対照眼として同量のvehicleを点眼し
た。点眼90分後に眼圧を測定し、次いで水負荷試験を行
なった。すなわち、麻酔下のウサギに水道水をウサギの
体重1kg当たり60mlの割合で強制的に経口投与し、その
後両眼の眼圧を経時的に測定した。
2.0%の検体点眼90分後の対照眼および実験眼の眼圧
は、それぞれ17.1±1.1mmHg及び16.8±1.0mmHgとなっ
た。この時ウサギに水道水を負荷したところ、対照眼の
眼圧は一過性に上昇した。すなわち、水道水負荷後0.
5、1.0、1.5、2.0及び2.5時間の対照眼の眼圧は、それ
ぞれ28.7±1.8、26.3±2.4、20.3±1.6、17.4±1.5及び
17.4±1.9mmHgとなった。一方、検体点眼眼(実験眼)
の眼圧は、同様に25.6±2.2、22.6±2.3、17.5±1.2、1
7.1±1.1及び15.6±1.5mmHgとなり、水負荷後0.5、1.
0、1.5及び2.5時間の両眼の眼圧には、統計的に有意
(p<0.05)な差が認められた。同様に0.5%マレイン
酸チモロールの作用を検討したが、対照眼眼圧と実験眼
眼圧との間には有意な差は認められなかった。
試験例2.正常眼圧低下作用[第2図参照] ウサギの角膜表面を塩酸オキシブプロカイン(ベノキシ
ール0.4%液、参天製薬)点眼により麻酔後、空圧圧平
式眼圧計(Alcon Applanation Pneumatonograph、日本
アルコン)にてウサギ眼圧を測定した。測定はウサギの
片眼につき2乃至3回行ない、その平均値を算出し眼圧
値とした。眼圧測定後、25μlの検体を片眼(実験眼)
に、2分間隔で3回点眼し、他眼は対照眼として同量の
vehicleを点眼した。その後、両眼の眼圧を経的的に測
定した。
点眼開始直前の対照眼および実験眼の眼圧は、それぞれ
19.7±1.1mmHg及び19.6±1.0mmHgと、ほぼ同じ値を示し
た。2.0%の検体点眼1時間後の対照眼眼圧と実験眼眼
圧は、それぞれ20.7±1.4mmHg及び19.5±1.4mmHg、点眼
2時間後は、それぞれ21.4±1.3mmHg及び19.3±1.3mmH
g、点眼5時間後は、それぞれ22.8±0.5mmHg及び20.6±
0.7mmHgと、全ての実験眼眼圧は対照眼眼圧よりも統計
的に有意(p<0.05)に低く、正常眼圧低下作用が認め
られた。一方、0.5%マレイン酸チモロール点眼実験で
は、点眼開始直前の対照眼および実験眼の眼圧は、共に
18.9±0.5mmHgであったが、点眼2時間後には、それぞ
れ19.2±1.1mmHg及び17.9±1.5mmHgと、マレイン酸チモ
ロール点眼により有意(p<0.05)な眼圧低下が認めら
れた。
実験例3.正常眼圧低下作用 ウサギの角膜表面を塩酸オキシブプロカイン(ベノキシ
ール0.4%液、参天製薬)点眼により麻酔後、空圧圧平
式眼圧計(Alcon Applanation Pneumatonograph、日本
アルコン)にてウサギ眼圧を測定した。測定はウサギの
片眼につき2乃至3回行ない、その平均値を算出し眼圧
値とした。ウサギの眼圧を測定後、片眼(実験眼)に、
25μlの被検物質を2分間隔で合計3回点眼した。他眼
(対照眼)には同様にvehicleを点眼した。点眼終了
後、経時的にウサギの眼圧を測定した。
この測定結果を基にして、縦軸を眼圧値、横軸を点眼後
の時間として、実験で得られた対照眼及び実験眼の眼圧
値をプロットした。対照眼の折れ線と実験眼のそれとで
囲まれた領域の面積値を算出し、0.5%マレイン酸チモ
ロールのその値を1として各被検物質の値を求め、試験
化合物を眼圧低下作用の指標とした。
試験例4.暗期の眼圧上昇に及ぼす作用 ウサギの眼圧を10:00(明期)と23:00(暗期)に測定し
た。23:00の眼圧測定後、2%の検体25μlを片眼(実
験眼)に、2分間隔で3回点眼し、他眼は対照眼として
同量のvehicleを点眼した。点眼3時間後に両眼の眼圧
を測定した。
10:00(明期)の対照眼および実験眼の眼圧は、それぞ
れ14.3±0.7mmHg及び14.3±0.8mmHgであったが、23:00
の暗期では、それぞれ21.4±1.0mmHg及び218±0.9mmHg
と、共に約7mmHgの眼圧上昇が認められた。23:00の眼圧
測定直後に2.0%の検体を点眼し、3時間後の2:00に両
眼の眼圧を測定したところ、対照眼眼圧と実験眼眼圧
は、それぞれ21.9±0.8mmHg及び20.8±0.8mmHgとなり、
両者の間には統計的に有意(p<0.05)な差が認められ
た。
試験例5.Balb/3T3細胞におけるcAMP蓄積量の測定 Balb/3T3細胞は、10%牛胎児血清を含むDulbecoo′s mo
dified Eagle medium(高グルコース)にて培養した。
コンフルエントに達した細胞を、0.05%トリプシン−0.
01%エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)で処理
後、140mM食塩、3mM塩化マグネシウム、10mMへペスを含
む緩衝液(pH=7.4)で洗浄し、同緩衝液に2〜3x106/m
lとなるように浮遊させて細胞懸濁液を調製した。検体
は、同緩衝液に、さらに塩化カルシウム4mMを添加した
緩衝液に溶解した。この時、水に難溶性の検体は、ジメ
チルスルホキシド(スルホキシド)に溶解後、緩衝液で
希釈した(スルホキシドの最終濃度は0.1%とした)。
細胞懸濁液は、30℃、5分間プレインキュベートし、そ
の100μlを検体溶液100μlに添加することにより反応
を開始した。30℃、10分間インキュベートした後、1規
定塩酸20μlを添加して反応を停止させた。3000rpm、
3分間遠心して上清100μlを採取し、サイクリック
3′,5′−アデノシンモノホスフェート(cAMP)をラジ
オイムノアッセイ(Yamasa cAMP radioimmunoassay ki
t、YSI−7701)にて定量した。
実験例6.ラットに於ける急性毒性 動物: 雄性のF344ラットを、1群3匹として使用した。
薬物調製および投与: 実験例4の化合物を蒸留水に溶解し、ラットの体重100g
当たり、0.5mlの割合で皮下に投与した。ラットの観察
は、1週間にわたり行なった。
試験結果: 投与量(mg/kg) 25 50 100 死亡率 0/3 0/3 3/3 試験例7.ラットに於ける4日間毒性 動物: 雄性のF344ラットを、1群5匹として使用した。
薬物調製および投与: 実施例4の化合物を、蒸留水に溶解し、ラットの体重10
0g当たり、0.4mlの割合で皮下に投与した。投与は毎日
午前9:00とし、4日間行なった。最終投与から24時間後
にラットをエーテルで麻酔し、血液および臓器を摘出、
秤量し、病理学的検査に供した。
試験結果: 投与量(mg/kg) 6.25 12.5 25 50 死亡率 0/5 0/5 0/5 5/5 これらの結果は、本化合物が治療用量に於いて毒性のな
いことを示している。
試験例8.房水蛋白濃度の測定 動物: 雄性のアルビノウサギ(体重約2.5kg)を、8匹実験に
使用した。
薬物調製および投与: 実施例4の化合物を、0.1M燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.
2)に溶解し、25μlを、2分間隔で3回、ウサギの片
眼に投与した。同じウサギの他眼にはvehicleを同様に
投与した。投与4時間後、ウサギを、過量のペントバル
ビタールナトリウム塩の投与により殺した。次いで、眼
に注射針を刺入し、房水を注射筒内に吸引採取した。得
られた房水の蛋白濃度の測定は、蛋白定量用キット(BI
O−RAD)を用いて行なった。
試験結果: Vehicle及び2%の実施例4の化合物を点眼した眼の房
水蛋白濃度は、それぞれ0.27±0.03μg/ml及び0.27±0.
04μg/mlとなり、実施例4の化合物の点眼による房水蛋
白濃度の変化は認められなかった。
試験例9.一週間局所投与によるウサギの血清生化学的検
査 動物: 体重約2.5kgのアルビノウサギを、1群5匹として使用
した。
薬物調製および投与: 実施例4の化合物を、0.1M燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.
2)に溶解し、25μlを、2分間隔で3回、ウサギの片
眼に投与した。点眼は1日2回、午前10:00と午後4:00
とし、1週間にわたり実施した。
但し、最終点眼日には午後4:00の点眼は行なわなかっ
た。他群のウサギには点眼を行なわず、対照群として用
いた。最終点眼終了4時間後、ウサギの耳介静脈から血
液を採取し、遠心分離し、血清を得た。
血清生化学的検査: ウサギの血清を生化学的に検査した。検査項目は以下の
とおりであり、分析はオートアナライザー(HITACHI)
を用いて行なった。
■トリグリセライド(TG)、 ■総コレステロール(T−CHO)、 ■リン脂質(PL)、 ■アルカリフォスファターゼ(ALP)、 ■総タンパク(TP)、 ■尿素窒素(UN)、 ■グルコース(GLU)、 ■トランスアミナーゼ(GOTとGPT)、 ■アルブミン(ALB)、 ■総カルシウム(CA)、 ■無機リン(IP)、 ■クレアチニン(CRE)、 ■アルブミン/グロブリン比(A/G比)。
試験結果: 以下の表に示すように、全ての検査項目において有意
(Student′s t−検定)な変化は見られなかった。
試験例10.眼刺激性試験 動物: 体重2.5kg前後のアルビノウサギ7匹を実験に使用し
た。
薬物調製および投与: 実験例4の化合物を、0.1M燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.
2)に溶解し、2%の濃度としたものを実験に使用し
た。これを1日3回(9:00、13:00及び17:00)、7日間
点眼した。眼の肉眼的所見を毎日18:00に観察し、Draiz
e法[J.H.Draize et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,82,37
7(1944)]に従って評点した。
試験結果: 評点から推察される本化合物の刺激性をKay−Calandra
法[J.H.Kay and J.C.Calandra,J.Soc.Cosmet.Chem.,1
3,281(1962)]に準じて判断したが、顕著な刺激性は
認められなかった。
上記の様に、本発明の新規なグリゼオール酸モノエステ
ル誘導体は、良好な眼圧低下作用等を有し、且つ、毒性
もないので、緑内障の治療剤として有用である。
本発明の化合物(I)の投与形態としては、溶液、懸濁
液、ゲル、軟膏または固形挿入剤の如き、眼への局所投
与に適した眼科用医薬組成物の形で投与されるのが好ま
しい。これらの組成物の処方は0.01乃至10%、特に0.1
乃至5%の本願発明化合物を含むことができる。また本
願発明化合物を単一の医薬として含む以外にマレイン酸
チモロールのようなβ−ブロッカー剤もしくは副交感神
経刺激興奮剤であるピロカルピンのような薬剤を共に含
むこともできる。
活性組成物を含む医薬製剤は、好便に無毒の医薬用無機
または有機担体を混合することができる。典型的な医薬
的に受容し得る担体は、例えば水、低級アルカノールま
たはアラルカノールのような水と混和する溶剤と水との
混合物、植物油、ポリアルキレングリコール、石油を基
剤とするジェリー、エチルセルロース、オレイン酸エチ
ル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、ミリスチン酸イソプロピル及びその他の好便に使用
する受容可能な担体である。また医薬製剤は、乳化剤、
防腐剤、湿潤剤、賦形剤などのような無毒の補助物質、
例えばポリエチレングリコール200、300、400及び600、
カーボワックス1,000、1,500、4,000、6,000及び10,00
0、低温殺菌性を持つことが知られており且つ使用して
無毒な、第四級アンモニウム化合物、フェニル水銀塩の
ような抗菌剤、チメロサール、メチル及びプロピルパラ
ベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、食
塩、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウムのような緩衝剤
成分、グルコン酸緩衝剤、及びソルビタンモノラウレー
ト、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノパルミテート、ジオクチルナトリウムスルホサ
クシネート、モノチオギリセロール、チオソルビトー
ル、エチレンジアミン四酢酸などを含むこともできる。
更に適当な眼科用賦形剤を本発明の目的の担体媒質とし
て使用することができ、それらには通常のリン酸緩衝賦
形剤系、等張性ホウ酸賦形剤、等張性食塩賦形剤、等張
性ホウ酸ナトリウム賦形剤などが含まれる。
また医薬製剤は、薬剤を投与した後にほぼ完全な状態で
残存する固形挿入剤の形、または涙液に溶解するかまた
は他の方法で崩壊する生崩壊性挿入剤の形とすることも
できる。
一般に本発明の化合物の体重kg当り約0.001乃至約50m
g、好ましくは約0.01乃至約20mgを使用することができ
る。必要な1日当り投与量により、投与は単一または頻
回投与とし、また単位投与とすることができる。
以下に、実施例、参考例及び製剤例をあげて本発明を更
に具体的に説明する。
実施例1 グリゼオール酸 9′−(30アセトキシベンジル)−
8′−ベンズヒドリルエステル グリゼオール酸 8′−ベンズヒドリルエステル380mg
及び1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン130mg
をジメチルホルムアミド3mlに溶解し、これに3−アセ
トキシベンジルブロマイド230mgを加え、室温にて終液
攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し水、飽和重曹
水、飽和食塩水にて順次清浄し、硫酸マグネシウムにて
乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル2%メタノール/塩化メチレンで展
開)にて精製し、目的化合物215mgを得た。
融点:109−111℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.32,8.12(2
x s,2H);7.41−7.02(m,14H);6.71(s,1H);6.53
(s,1H);6.23(dd,1H,J=2.4,5.3Hz);5.25(d,1H,J=
2.4Hz);5.04,4.94(2 x d,2H,J=12.7Hz);4.78(s,1
H);4.62(d,1H,J=5.3Hz);2.27(s,3H). 実施例2 グリゼオール酸 9′−(3−アセトキシベンジル)エ
ステル 実施例1の化合物208mgを酢酸2mlに溶解し、これに三フ
ッ化ホウ素・エチルエーテル錯体86mgを加え、室温にて
1時間30分攪拌した。反応溶液にジエチルエーテル20ml
を加え析出する結晶を濾取した。このものを水及び酢酸
エチルの二層系に懸濁しよく攪拌後、結晶を濾取後、乾
燥して目的化合物85mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
3,8.18(2 x s,2H);7.41−7.13(m,4H);6.49(s,1
H);6.06(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.20,5.10(2 x d,2
H,J=12.7Hz);5.09(d,1H,J=2.4Hz);4.66(s,1H);
4.58(d,1H,J=4.9Hz);2.26(s,3H) 実施例3 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシベンジル)−
8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作においてグリゼオール酸 8′−ベンズ
ヒドリルエステル440mgを用い3−アセトキシベンジル
ブロマイドの代りに4−アセトンキシベンジルブロマイ
ド(230mg)を用いる以外は同様の操作[DBN=130mg、D
MF=6ml]で目的化合物380mgを得た。
NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm;8.32,8.13(2
x s,2H);7.42−7.04(m,14H);6.66(s,1H);6.53
(s,1H);6.25(dd,1H,J=2.4,5.3Hz);5.24(d,1H,J=
2.4Hz);5.03,4.93(2 x d,2H,J=12.7Hz);4.78(s,1
H);4.64(d,1H,J=5.3Hz);2.28(s,3H). 実施例4 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシベンジル)エ
ステル 実施例3の化合物1.2gを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=10ml、BF3・Et2O=850mg]により目的化合物6
40mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
4,8.21(2 x s,2H);7.42,7.13(2 x d,4H,J=8.8Hz);
6.49(s,1H);6.07(dd,1H,J=2.2,4.9Hz);5.19,5.08
(2 x d,2H,J=12.7Hz);5.10(d,1H,J=2.2Hz);4.67
(s,1H);4.61(d,1H,J=4.9Hz);2.27(s,3H). 実施例5 グリゼオール酸 9′−(2−アセトキシベンジル)−
8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作においてグリゼオール酸 8′−ベンズ
ヒドリルエステル400mgを用い、3−アセトキシベンジ
ルブロマイドの代わりに2−アセトキシベンジルブロマ
イド(230mg)を用いる以外は同様の操作[DBN=130m
g、DMF=5ml]にて目的化合物380mgを得た。
融点:120−122℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.32,8.12(2
x s,2H);7.44−7.12(m,14H);6.75(s,1H);6.53
(s,1H);6.24(dd,1H,J=2.4,5.3Hz);5.24(d,1H,J=
2.4Hz);5.03,4.85(2 x d,2H,J=12.7Hz);4.73(s,1
H);4.62(d,1H,J=5.3Hz);2.22(s,3H). 実施例6 グリゼオール酸 9′−(2−アセトキシベンジル)エ
ステル 実施例5の化合物208mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=5ml、BF3・Et2O=150mg]により目的化合物85
mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
2,8.20(2 x s,2H);7.51−7.14(m,14H);6.48(s,1
H);6.04(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.14,4.99(2 x d,2
H,J=12.7Hz);5.11(d,1H,J=2.4Hz);4.61(s,1H);
4.59(d,1H,J=4.9Hz);2.29(s,3H) 実施例7 グリゼオール酸 9′−(4−ピバロイルオキシベンジ
ル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作においてグリゼオール酸 8′−ベンズ
ヒドリルエステル545mgを用い、3−アセトキシベンジ
ルブロマイドの代わりに4−ピバロイルオキシベンジル
ブロマイド(406mg)を用いる以外は同様の操作[DBN=
186mg、DMF=5ml]にて目的化合物620mgを得た。
NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.28,7.81(2
x s,2H);7.33−6.92(m,14H);6.81(s,1H);6.38
(s,1H);6.18(dd,1H,J=2.5,5.1Hz);5.13(d,1H,J=
2.5Hz);5.05,4.90(2 x d,2H,J=12.2Hz);4.89(s,1
H);4.65(d,1H,J=5.1Hz);1.35(s,9H). 実施例8 グリゼオール酸 9′−(4−ピバロイルオキシベンジ
ル)エステル 実施例7の化合物368mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=4ml、BF3・Et2O=142mg]にて目的化合物95mg
を得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
3,8.19(2 x s,2H);7.43,7.10(2 x d,4H,J=8.8Hz);
6.48(s,1H);6.04(dd,1H,J=2.4,4.8Hz);5.18,5.07
(2 x d,2H,J=12.7Hz);5.09(d,1H,J=2.4Hz);4.64
(s,1H);4.58(d,1H,J=4.8Hz);1.30(s,9H). 実施例9 グリゼオール酸 9′−(3,4−ジアセトキシベンジ
ル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作においてグリゼオール酸 8′−ベンズ
ヒドリルエステル545mgを用い、3−アセトキシベンジ
ルブロマイドの代わりに3,4−ジアセトキシベンジルブ
ロマイド(430mg)を用いる以外は同様の操作[DBN=18
6mg、DMF=4ml]にて目的化合物230mgを得た。
融点:124−126℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.28,7.81(2
x s,2H);7.33−7.01(m,13H);6.88(s,1H);6.37
(s,1H);6.12(dd,1H,J=2.5,4.7Hz);5.13(d,1H,J=
2.5Hz);4.96,4.87(2 x d,2H,J=12.4Hz);4.90(s,1
H);4.65(d,1H,J=4.7Hz);2.29,2.28(2 x s,6H). 実施例10 グリゼオール酸 9′−(3,4−ジアセトキシベンジ
ル)エステル 実施例9の化合物220mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=2ml、BF3・Et2O=85mg]によて目的化合物130
mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
4,8.19(2 x s,2H);7.31−7.24(m,3H);6.49(s,1
H);6.06(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.15,5.09(2 x d,2
H,J=14.6Hz);5.09(d,1H,J=2.4Hz);4.68(s,1H);
4.58(d,1H,J=4.9Hz);2.28,2.27(2 x s,6H). 実施例11 グリゼオール酸 9′−(4−イソブチリルオキシベン
ジル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作においてグリゼオール酸 8′−ベンズ
ヒドリルエステル545mgを用い、3−アセトキシベンジ
ルブロマイドの代わりに4−イソブチリルオキシベンジ
ルブロマイド(380mg)を用いる以外は同様の操作[DBN
=186mg、DMF=3ml]にて目的化合物190mgを得た。
融点:193−195℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.32,8.12(2
x s,2H);7.14−7.01(m,14H);6.70(s,1H);6.53
(s,1H);6.23(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.25(d,1H,J=
2.4Hz);5.01,4.95(2 x d,2H,J=12.7Hz);4.77(s,1
H);4.62(d,1H,J=4.9Hz);2.82(dt,1H,J=6.8Hz);
1.24(d,6H,J=6.8Hz). 実施例12 グリゼオール酸 9′−(4−イソブチリルオキシベン
ジル)エステル 実施例11の化合物110mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=1ml、BF3・Et2O=56mg]にて目的化合物60mg
を得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.4
3,8.29(2 x s,2H);7.42,7.11(2 x d,4H,J=8.3Hz);
6.51(s,1H);6.01(dd,1H,J=2.0,5.3Hz);5.19,5.10
(2 x d,2H,J=12.7Hz);5.14(d,1H,J=2.0Hz);4.67
(s,1H);4.60(d,1H,J=5.3Hz);2.81(dt,1H,J=6.8H
z);1.23(d,6H,J=6.8Hz). 実施例13 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−ブロモ
ベンジル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトンキシベ
ンジルブロマイドの代わりに4−アセトキシ−3−ブロ
モベンジルブロマイド(308mg)を用いる以外は同様の
操作[DBN=124mg、DMF=3ml]にて、目的化合物280mg
を得た。
融点:118−120℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.27,7.81(2
x s,2H);7.49−6.99(m,13H);6.86(s,1H);6.39
(s,1H);6.17(dd,1H,J=1.9,4.9Hz);5.15(d,1H,J=
1.9Hz);4.92(s,1H);4.93,4.89(2 x d,2H,J=10.2H
z);4.66(d,1H,J=4.9Hz);2.34(s,3H). 実施例14 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−ブロモ
ベンジル)エステル 実施例13の化合物255mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=2ml、BF3・Et2O=99mg]により目的化合物180
mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
9,8.24(2 x s,2H);7.76−7.27(m,3H);6.51(s,1
H);6.05(dd,1H,J=1.5,5.3Hz);5.20,5.11(2 x d,2
H,J=13.2Hz);4.69(s,1H);4.59(d,1H,J=5.3Hz);
2.32(s,3H). 実施例15 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−t−ブ
チルベンジル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトキシベン
ジルブロマイドの代わりに、4−アセトキシ−3−t−
ブチルベンジルブロマイド(313mg)を用いる以外は同
様の操作[DBN=124mg、DMF=3ml]にて、目的化合物23
0mgを得た。
融点:124−125℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.27,7.80(2
x s,2H);7.30−6.90(m,13H);6.77(s,1H);6.38
(s,1H);6.15(dd,1H,J=2.5,5.1Hz);5.14(d,1H,J=
2.5Hz);5.00,4.91(2 x d,2H,J=12.0Hz);4.89(s,1
H);4.64(d,1H,J=5.1Hz);2.33(s,3H);1.34(s,9
H). 実施例16 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−t−ブ
チルベンジル)エステル 実施例15の化合物220mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸2ml、BF3・Et2O=83mg]により目的化合物50mg
を得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
4,8.19(2 x s,2H);7.40−7.01(m,3H);6.49(s,1
H);6.09(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.14−5.10(m,3H);
4.66(s,1H);4.58(d,1H,J=4.9Hz);2.31(s,3H);1.
31(s,9H). 実施例17 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−メトキ
シベンジル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作においてグリゼオール酸 8′−ベンズ
ヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトキベンジル
ブロマイドの代わりに、4−アセトキシ−3−メトキシ
ベンジルブロマイド(259mg)を用いる以外は同様の操
作[DBN=124mg、DMF=6ml]にて、目的化合物405mgを
得た。
融点:118−120℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.28,7.80(2
x s,2H);7.30−6.89(m,3H);6.77(s,1H);6.37(s,
1H);6.17(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.15(d,1H,J=2.2H
z);4.95(ds,2H);4.90(s,1H);4.65(d,1H,J=4.9H
z);3.84(s,3H);2.31(s,3H). 実施例18 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−メトキ
シベンジル)エステル 実施例17の化合物333mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=4ml、BF3・Et2O=142mg]により目的化合物12
0mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
4,8.20(2 x s,2H);7.16−6.93(m,3H);6.50(s,1
H);6.10(dd,1H,J=2.5,4.9Hz);5.15(s,2H);5.13
(d,1H,J=2.5Hz);4.70(s,1H);4.60(d,1H,J=4.9H
z);3.82(s,3H);2.25(s,3H). 実施例19 グリゼオール酸 9′−(2,5−ジアセトキシベンジ
ル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作においてグリゼオール酸 8′−ベンズ
ヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトキシベンジ
ルブロマイドの代わりに、2,5−ジアセトキシベンジル
ブロマイド(287mg)を用いる以外は同様の操作[DBN=
124mg、DMF6ml]にて、目的化合物280mgを得た。
融点:124−126℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.26,7.79(2
x s,2H);7.33−7.04(m,13H);6.92(s,1H);6.35
(s,1H);6.12(dd,1H,J=2.4,4.7Hz);5.11(d,1H,J=
2.2Hz);5.06,4.86(2 x d,2H,J=12.9Hz);4.89(s,1
H);4.67(d,1H,J=4.7Hz);2.30,2.29(2 x s,6H). 実施例20 グリゼオール酸 9′−(2,5−ジアセトキシベンジ
ル)エステル 実施例19の化合物240mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=3ml、BF3・Et2O=100mg]により目的化合物を
150mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
3,8.18(2 x s,2H);7.26−7.14(m,3H);6.49(s,1
H);6.07(dd,1H,J=1.8,4.9Hz);5.14,5.00(2 x d,2
H,J=13.1Hz);5.11(d,1H,J=1.8Hz);4.63(s,1H);
4.57(d,1H,J=4.9Hz);2.30,2.27(2 x s,6H). 実施例21 グリゼオール酸 9′−(2,6−ジアセトキシベンジ
ル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトキシベン
ジルブロマイドの代わりに、2,6−ジアセトキシベンジ
ルブロマイド(287mg)を用いる以外は同様の操作[DBN
=124mg、DMF6ml]にて、目的化合物400mgを得た。
融点:121−123℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.26,7.77(2
x s,2H);7.41−6.98(m,13H);6.89(s,1H);6.34
(s,1H);6.11(dd,1H,J=2.5,5.1Hz);5.37,4.79(2 x
d,2H,J=11.7Hz);5.07(d,1H,J=2.5Hz);4.74(s,1
H);4.67(d,1H,J=5.1Hz);2.31(sx2,6H). 実施例22 グリゼオール酸 9′−(2,6−ジアセトキシベンジ
ル)エステル 実施例21の化合物360mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=4ml、BF3・Et2O=142mg]により目的化合物を
190mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
3,8.19(2 x s,2H);7.51−7.11(m,3H);6.48(s,1
H);6.05(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.14,4.92(2 x d,2
H,J=12.2Hz);5.09(d,1H,J=2.4Hz);4.58(d,1H,J=
4.9Hz);4.46(s,1H);2.31(sx2,6H) 実施例23 グリゼオール酸 9′−(2,3−ジアセトキシベンジ
ル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトキシベン
ジルブロマイドの代わりに、2,3−ジアセトキシベンジ
ルブロマイド(287mg)を用いる以外は、同様の操作[D
BN=124mg、DMF=6ml]にて、目的化合物270mgを得た。
融点:123−124℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.25,7.77(2
x s,2H);7.34−7.12(m,13H);6.91(s,1H);6.36
(s,1H);6.11(dd,1H,J=1.8,4.8Hz);5.21,4.82(2 x
d,2H,J=12.1Hz);5.11(d,1H,J=1.8Hz);4.87(s,1
H);4.65(d,1H,J=4.8Hz);2.30,2.26(2 x s,6H). 実施例24 グリゼオール酸 9′−(2,3−ジアセトキシベンジ
ル)エステル 実施例23の化合物270mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=2ml、BF3・Et2O=102mg]により目的化合物を
100mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
5,8.20(2 x s,2H);7.40−7.25(m,3H);6.49(s,1
H);6.06(dd,1H,J=2.4,5.4Hz);5.16,5.02(2 x d,2
H,J=13.1Hz);5.12(d,1H,J=2.4Hz);4.62(s,1H);
4.60(d,1H,J=5.4Hz);2.31,2.27(2 x s,6H). 実施例25 グリゼオール酸 9′−(4−プロピオニルオキシベン
ジル)エステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトキシベン
ジルブロマイドの代わりに、4−プロピオニルオキシベ
ンジルブロマイド(232mg)を用いる以外は、同様の操
作[DBN=124mg、DMF=6ml]にて、グリゼオール酸
9′−(4−プロピオニルオキシベンジル)−8′−ベ
ンズヒドリルエステル240mgを得た。
これを240mgを用い、実施例2と同様の操作[酢酸=3m
l、BF3・Et2O=142mg]により、目的化合物120mgを得
た。
NMRスペクトル(重ジメチルスフホキシド)δ ppm:8.3
4,8.19(2 x s,2H);7.42,7.13(2 x d,4H,J=10.5H
z);6.49(s,1H);6.06(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.19,
5.09(2 x d,4H,J=12.7Hz);5.11(d,1H,J=2.4Hz);
4.66(s,1H);4.59(d,1H,J=4.9Hz);2.51(q,2H,J=
7.8Hz);1.13(t,3H,J=7.8Hz). 実施例26 グリゼオール酸 9′−(2−アセトキシシンナミル)
−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル1.09gを用い、3−アセトキシベン
ジルブロマイドの代わりに、2−アセトキシシンナミル
ブロマイド(265mg)を用いる以外は、同様の操作[DBN
=372mg、DMF=5ml]にて、目的化合物290mgを得た。
融点:111−113℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.26,7.78(2
x s,2H);7.40−7.02(m,14H);6.96(s,12H);6.58
(d,1H,J=16.1Hz);6.37(s,1H);6.16(dd,1H,J=1.
8,4.8Hz);5.95(dt,1H,J=6.2,16.1Hz);5.15(d,1H,J
=1.8Hz);4.90(s,1H);4.64(d,1H,J=4.8Hz);4.59
−4.53(m,2H);2.36(s,3H). 実施例27 グリゼオール酸 9′−(2−アセトキシシンナミル)
エステル 実施例26の化合物255mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=2ml、BF3・Et2O=100mg]により目的化合物60
mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
3,8.18(2 x s,2H);7.67−7.09(m,4H);6.71(d,1H,J
=16.1Hz);6.49(s,1H);6.34(dt,1H,J=5.9,16.1H
z);6.07(dd,1H,J=2.4,4.9Hz);5.11(d,1H,J=2.4H
z);4.78(d,2H,J=5.9Hz);4.63(s,1H);4.58(d,1H,
J=4.9Hz);2.34(s,3H). 実施例28 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−メトキ
シシンナミル)−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル763mgを用い、3−アセトキシベン
ジルブロマイドの代わりに、4−アセトキシ−3−メト
キシシンナミルブロマイド(855mg)を用いる以外は、
同様の操作[DBN=372mg、DMF=10ml]にて、目的化合
物460mgを得た。
融点:116−118℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.24,7.79(2
x s,2H);7.33−6.84(m,14H);6.46(d,1H,J=15.8H
z);6.38(s,1H);6.14(dd,1H,J=2.2,5.2Hz);5.92
(dt,1H,J=6.0,15.8Hz);5.16(d,1H,J=2.2Hz);4.91
(s,1H);4.66−4.55(m,2H);4.65(d,1H,J=5.2Hz);
3.81(s,3H);2.31(s,3H). 実施例29 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−メトキ
シシンナミル)エステル 実施例28の化合物320mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=5ml、BF3・Et2O=212mg]により、目的化合物
60mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
4,8.18(2 x s,2H);7.21−7.04(2 x s,3H);6.70(d,
1H,J=15.6Hz);6.49(s,1H);6.35(dt,1H,J=6.0,15.
6Hz);6.05(dd,1H,J=2.4,5.3Hz);5.11(d,1H,J=2.4
Hz);4.76(d,2H,J=5.9Hz);4.65(s,1H);4.59(d,1
H,J=5.3Hz);3.36(s,3H);2.24(s,3H). 実施例30 グリゼオール酸 9′−(4−アセチルチオベンジル)
−8′−ベンズヒドリルエステル 実施例1の操作において、グリゼオール酸 8′−ベン
ズヒドリルエステル381mgを用い、3−アセトキシベン
ジルブロマイドの代わりに、4−アセチルチオベンジル
ブロマイド(245mg)を用いる以外は、同様の操作[DBN
=124mg、DMF=3ml]にて、目的化合物250mgを得た。
融点:114−116℃ NMRスペクトル(重クロロホルム)δ ppm:8.28,7.80(2
x s,2H);7.63−7.17(m,14H);6.83(s,1H);6.38
(s,1H);6.18(dd,1H,J=2.5,4.8Hz);5.24(d,1H,J=
2.5Hz);4.91(s,1H);4.64(d,1H,J=4.8Hz);2.42
(s,3H). 実施例31 グリゼオール酸 9′−(4−アセチルチオベンジル)
エステル 実施例30の化合物220mgを用い、実施例2と同様の操作
[酢酸=3ml、BF3・Et2O=100mg]により、目的化合物
120mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
3,8.20(2 x s,2H);7.49−7.35(m,4H);6.49(s,1
H);6.06(dd,1H,J=2.4,4.8Hz);5.23,5.13(2 x d,2
H,J=13.2Hz);5.11(d,1H,J=2.4Hz);4.69(s,1H);
4.60(d,1H,J=4.8Hz);2.43(s,3H) 実施例32 グリゼオール酸 8′−(4−アセキシベンジル)エス
テル 氷冷下、グリゼオール酸380mg及びモレキュラーシーブ4
A 500mgをアセトン10mlに懸濁させ、これにトリフルオ
ロメタンスルホン酸450mgを滴下し、2時間攪拌した。
反応溶液に炭酸カルシウム220mgを加え、1.5時間攪拌
後、不溶物を瀘去し、瀘液を濃縮乾固した。残渣をジメ
チルホルムアミド5mlに溶解し、これに、1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]−5−ノネン370mg及び4−アセトキシ
ベンジルブロマイド340mgを加え、室温にて終夜攪拌し
た。反応液を酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水にて
順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去
した。残渣をメタノール−水(7ml−3ml)に溶解し、2
時間加熱攪拌した後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル
で抽出した。これを水洗後、乾燥し、溶媒を留去して得
られた結晶をエーテルで洗浄しながら瀘取し、目的化合
物120mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
3,8.15(2 x s,2H);7.43,7.11(2 x d,4H,J=8.3Hz);
6.47(s,1H);6.04(dd,1H,J=2.0,4.4Hz);5.20,5.13
(2 x d,2H,J=13.0Hz);5.08(d,1H,J=2.0Hz);4.52
(d,1H,J=4.4Hz);4.35(s,1H);2.26(s,3H). 実施例33 グリゼオール酸 8′−(4−アセトキシ−3−メトキ
シベンジル)エステル 実施例32の操作において、4−アセトキシベンジルブロ
マイドの代わりに、4−アセトキシ−3−メトキシベン
ジルブロマイド(360mg)を用いる以外は、同様の操作
にて、目的化合物80mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
4,8.15(2 x s,2H);7.13−6.94(m,3H);6.51(s,1
H);6.11(dd,1H,J=2.5,4.9Hz);5.17(bs,3H);4.59
(d,1H,J=4.9Hz);4.56(s,1H);3.72(s,3H);2.24
(s,3H). 実施例34 7′−デオキシグリゼオール酸 9′−(4−アセトキ
シベンジル)エステル 7′−デオキシグリゼオール酸363mg及び1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]−5−ノネン124mgをジメチルホルムア
ミド5mlに溶解し、これに4−アセトキシベンジルブロ
マイド229mgを加え、室温にて、終夜攪拌した。反応溶
液を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。次に
飽和重層水にて逆抽出し、この水溶液を希塩酸にて、pH
3.0に調整し、析出する結晶を濾取後、乾燥して目的化
合物51mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
2,8.14(2 x s,2H);7.42,7.09(2 x d,4H,J=12.9H
z);6.46(s,1H);6.07(dd,1H,J=2.9,4.9Hz);5.17
(d,1H,J=2.9Hz);5.08(d,1H,J=2.4Hz);4.56(d,1
H,J=4.9Hz);3.17,2.80(2 x d,2H,J=16.6Hz);2.26
(s,3H). 実施例35 7′−デオキシグリゼオール酸 9′−(4−アセトキ
シ−3−メトキシベンジル)エステル 上記の操作において、4−アトキシベンジルブロマイド
の代わりに、4−アセトキシ−3−メトキシベンジルブ
ロマイド(259mg)を用い、目的化合物42mgを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
2,8.12(2 x s,2H);7.38−6.96(m,3H);6.45(s,1
H);6.06(dd,1H,J=2.5,5.0Hz);5.17(s,3H);5.10
(d,1H,J=2.5Hz);4.56(d,1H,J=5.0Hz);3.70(s,3
H);3.18,2.82(2 x d,2H,J=16.6Hz);2.24(s,3H). 実施例36 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシベンジル)エ
ステル (1)炭酸リチウムを用いる方法 グリゼオール酸1g及び4−アセトキシベンジルブロマイ
ド1.8gを、ジメチルホルムアミド(DMF)40mlに溶解
し、これに炭酸リチウム1.17gを加え、室温にて8時間
攪拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加え希釈し、生成
物は水50mlを加え、アルカリ性水溶液として抽出した。
この水層を、更に50mlのメチレンクロリドで洗浄後、氷
冷下、濃塩酸にて、pH3−4に調整し、析出する結晶を
酢酸エチル:テトラヒドロフラン(1:1)混合溶媒50ml
で3回抽出した。少量の飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を留去すると、目的化合物56
0mgを得た。
物性値は、実施例4で得た化合物と一致した。
(2)水酸化リチウムを用いる方法 グリゼオール酸1g及び4−アセトキシベンジルブロマイ
ド1.2gを、ジメチルホルムアミド(DMF)40mlに溶解
し、これに水酸化リチウム450mgを加え、室温にて17時
間攪拌した。上記(1)と同様に処理し、目的化合物32
0mgを得た。
物性値は、実施例4で得た化合物と一致した。
(3)水素化リチウムを用いる方法 グリゼオール酸1g、ジメチルホルムアミド(DMF)20ml
に懸濁し、これに水素化リチウム42mgを加え、室温にて
30分間攪拌した。これに、4−アセトキシベンジルブロ
マイド1.2gを加え、室温にて17時間攪拌した。上記
(1)と同様に処理し、目的化合物550mgを得た。
物性値は、実施例4で得た化合物と一致した。
実施例37 グリゼオール酸 9′−(4−アセトキシ−3−メトキ
シベンジル)エステル グリゼオール酸25g及び4−アセトキシ−3−メトキベ
ンジルブロマイド35gを、ジメチルホルムアミド(DMF)
650mlに溶解し、これに炭酸リチウム14.6gを加え、室温
にて8時間攪拌した。上記実施例36(1)と同様に処理
し、目的化合物13.2gを得た。
物性値は、実施例18で得た化合物と一致した。
参考例 グリゼオール酸 8′−ベンズヒドリルエステル 氷冷下、グリゼオール酸4.84g及びモレキュラーシーブ4
A 12gをアセトン120mlに懸濁させ、これにトリフルオロ
メタンスルホン酸3.38mlを滴下し、1.5時間攪拌した。
反応溶液に水酸化カルシウム1.41gを加え15分間攪拌
後、不溶物を濾去した。濾液に更に炭酸カルシウム3.8g
を加え、20分攪拌し、反応溶液を中和後不溶物を濾去し
た。ろ液にジフェニルジアゾメタン3.7gを加え室温にて
2時間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣をメタノール
−水(70ml−30ml)に溶解し、1時間加熱攪拌し析出す
る結晶をろ取し、冷メタノールで洗浄後乾燥し、目的化
合物5.18gを得た。
NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド)δ ppm:8.3
1,8.12(2 x s,2H);7.45−7.23(m,10H);6.81(s,1
H);6.52(s,1H);6.20(dd,1H,J=2.0,4.9Hz);5.20
(d,1H,J=2.0Hz);4.61(d,1H,J=4.9Hz);4.61(s,1
H). 製剤例1(点眼剤) 実施例4の化合物 1.0g リン酸二ナトリウム 0.716g リン酸一ナトリウム 0.728g 塩化ナトリウム 0.400g p−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.026g p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.014g 滅菌精製水 適量 水酸化ナトリウム 適量 全 量 100ml pH7.0として常法により点眼液を調製した。
製剤例2(点眼剤) 実施例8の化合物 1.0g リン酸二ナトリウム 0.500g リン酸一ナトリウム 1.100g 塩化ナトリウム 0.300g 塩化ベンザトニウム 0.010g滅菌精製水 適量 全 量 100ml pH7.0として常法により点眼液を調製した。
製剤例3(点眼剤) 実施例10の化合物 1.0g リン酸二ナトリウム 0.400g リン酸一ナトリウム 1.000g 塩化ナトリウム 0.690g 10%塩化ベンザルコニウム溶液 100μl滅菌精製水 適量 全 量 100ml pH7.0として常法により点眼液を調製した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、試験例1に記載の水負荷試験を実施例4の化
合物に適用した場合の実験結果を示し、 第2図は、試験例2に記載の正常眼圧低下作用の試験を
実験例4の化合物に適用した場合の実験結果を示す。
フロントページの続き (72)発明者 安本 隆志 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 山崎 光郎 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (56)参考文献 特開 平2−111786(JP,A) 特開 昭61−100593(JP,A) 特開 昭60−94992(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 {式中、 R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は保護されて
    いてもよい水酸基を示し、 R3及びR4は同一で水素原子を示すか又はR3とR4が一緒に
    なって単結合を示し、 R5及びR6の一方は水素原子を示し、他方は、 一般式 〔式中、 R7及びR8は、水素原子又は低級アルキル基を示し、 R9は置換されていてもよい炭素数1乃至18個の脂肪族ア
    シルオキシ若しくは置換されていてもよい炭素数1乃至
    18個の脂肪族アシルチオ基(該置換基としては、炭素数
    3乃至10個のシクロアルキル基又はハロゲン原子を示
    す。)或いは芳香族アシルオキシ若しくは芳香族アシル
    チオ基を示し、R10は、R9と同様の基、水酸基、メルカ
    プト基、カルボキシ基、アミノ基、ニトロ基、低級アル
    キル基、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示し、m
    は、0乃至3の整数を示し、nは、0乃至2の整数を示
    す。〕を示す。}で表わされる化合物及びその塩。
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