JPH0688264A - 真空脱脂洗浄装置 - Google Patents

真空脱脂洗浄装置

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JPH0688264A
JPH0688264A JP23692892A JP23692892A JPH0688264A JP H0688264 A JPH0688264 A JP H0688264A JP 23692892 A JP23692892 A JP 23692892A JP 23692892 A JP23692892 A JP 23692892A JP H0688264 A JPH0688264 A JP H0688264A
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博 菊地
Takeo Kato
丈夫 加藤
Tetsuya Kakizawa
哲也 柿沢
Kimio Shibuya
公男 渋谷
Hiroshi Takeda
博 武田
Osamu Okubo
治 大久保
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄液の蒸気が外部に漏れず洗浄物が洗浄液
の蒸気で汚染されることがなく短時間で洗浄可能な真空
脱脂洗浄装置を提供すること 【構成】 下方に洗浄物6の洗浄液を溜めた洗浄室1
に、真空排気手段と該洗浄物を加熱する加熱手段11を
有する真空加熱室3を仕切弁8を介して連設した真空脱
脂洗浄装置に於いて、該洗浄物が外部と該洗浄室との間
を搬送される経路の途中に該真空加熱室を配置し、該洗
浄室に洗浄液の温度を高温に保持する加熱手段10を設
け、該真空加熱室にその室内へ不活性ガスを導入するガ
ス導入口12を設けた 【効果】 洗浄液の蒸気を外部に漏らさずに洗浄物の洗
浄を行なえ大気汚染を防止できると共に洗浄物が洗浄液
の蒸気で汚染されることがなく、短時間で洗浄洗浄サイ
クルを完了できて作業能率が向上する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置や精密機械
等の工業製品を洗浄液により脱脂洗浄する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の工業製品の脱脂洗浄は図
1に示すような洗浄室aと真空加熱室bを備えた真空脱
脂装置により行なわれている。該洗浄室aの下方には洗
浄液cが貯留され、その上方の両側には外部へ洗浄物d
を出し入れする仕切弁eを備えた出入口fと洗浄物dを
脱脂する真空加熱室bとが設けられている。該真空加熱
室bに真空ポンプから成る真空排気手段gを設けると共
にその室内にシーズヒーター等の加熱手段hを設け、該
真空加熱室bと洗浄室aの間の仕切弁iを閉じて真空加
熱室b内に洗浄物dが搬入されると、これに付着した油
脂分が真空中で加熱蒸発して乾燥される。該洗浄室a及
び真空加熱室bの内部には洗浄物dを例えば吊り下げて
搬送し洗浄液c内に漬ける作動を行なう搬送装置kが設
けられる。この装置に於いて、洗浄されるべき工業製品
の洗浄物dは、外部の洗浄物挿入台j上に用意され、仕
切弁eを開けて洗浄室a内に運び込まれたのち洗浄液c
に所定時間漬ける。この液浴による洗浄では油脂分が充
分に洗い落とせないので、濡れた洗浄物cを真空加熱室
bに運び込み、そこで真空加熱して残る油脂分を蒸発さ
せると共に付着した洗浄液を蒸発乾燥し、出入口fから
外部へ取り出す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の真空脱脂装
置は、洗浄室aの内部が洗浄物dの出し入れの都度大気
に開放されるために、洗浄液cの蒸発分が大気中に放出
され、大気を汚染し作業性が悪化する問題があり、ま
た、洗浄物dは洗浄室aで洗浄液cに漬けられ、真空加
熱室bで乾燥した後、再び洗浄室aを通って外部に取り
出されるので、洗浄物dに洗浄液cの蒸気が付着して洗
浄液成分で汚染されてしまう不都合があった。更に、洗
浄物の温度を上げて洗浄すると洗浄時間が短くなるが、
洗浄物の温度を高温(50〜100℃)にまで真空加熱
室で上昇させると時間が掛り、洗浄時間が長引いて能率
が悪い。
【0004】本発明は、洗浄液の蒸気が外部に漏れず洗
浄物が洗浄液の蒸気で汚染されることがなく短時間で洗
浄可能な真空脱脂装置を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、下方に洗浄
物の洗浄液を溜めた洗浄室に、真空排気手段と該洗浄物
を加熱する加熱手段を有する真空加熱室を仕切弁を介し
て連設した真空脱脂洗浄装置に於いて、該洗浄物が外部
と該洗浄室との間を搬送される経路の途中に該真空加熱
室を配置し、該洗浄室に洗浄液の温度を高温に保持する
加熱手段を設け、該真空加熱室にその室内へ不活性ガス
を導入するガス導入口を設けることにより、上記の目的
を達成するようにした。
【0006】
【作用】洗浄物は外部から仕切弁を開閉して真空加熱室
内に運び込まれ、続いて洗浄室に仕切弁を開いて洗浄室
内へ運び込まれる。該洗浄室内で該洗浄物はその下方の
加熱された洗浄液に漬けられて洗浄され、洗浄された洗
浄物は逆の経路をたどって真空加熱室内へ運び込まれ、
そこで洗浄物に付着した洗浄液や洗浄液で洗い落とせな
かった脂肪分を微量の不活性ガスを流し込んだ真空中で
加熱蒸発させた後、外部へ取り出される。該洗浄液は加
熱されているので、これに漬けられた洗浄物は短時間で
昇温し、乾燥時間が短縮され、不活性ガスで洗浄物から
蒸発する洗浄液と脂肪分が迅速に外部へ排除されるので
洗浄度が向上し、洗浄された洗浄物は洗浄室を通ること
なく外部へ取り出されるので洗浄液成分で汚染されるこ
ともない。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を図2に基づき説明すると、
同図に於いて符号1は、下方に洗浄物の洗浄液2を貯留
した洗浄室、3は真空ポンプ4に接続された排気管5か
ら成る真空排気手段を備えた真空加熱室を示す。洗浄さ
れるべき工業製品の洗浄物6は外部の洗浄物挿入台7の
上に用意され、そこから洗浄室1内に運び込まれるが、
該真空加熱室3を該洗浄物6が外部と洗浄室1との間を
搬送される経路の途中に設け、開閉自在の仕切弁8によ
り該真空加熱室3と洗浄室1との間の通路が仕切られる
ようにし、密閉可能な扉9により該真空加熱室3の外部
への出入口が開閉されるようにした。
【0008】該洗浄室1の外周にはシーズヒーターや蒸
気等により加熱して洗浄液2を50〜120℃の高温に
維持する加熱手段10が設けられ、その内部には漬けら
れた洗浄物6へ洗浄液2を衝突させ攪拌する攪拌翼やガ
ス吹き込み口や超音波発振器等の振動装置13を設け
た。該加熱手段10を洗浄室1の外部に設けると、洗浄
液2が加熱手段10に直接接触することがなくなり引火
が防止されて安全性が高まる。該真空加熱室3には洗浄
物6を加熱するためのシーズヒーター等の加熱手段11
が設けられるが、本発明に於いては該加熱手段11を真
空加熱室3の外部に設け、該真空加熱室3の室外から洗
浄物6を加熱するようにした。この加熱手段11を真空
加熱室3の外部に設けることにより、真空加熱室3に加
熱手段11のための電流導入端子を取り付ける必要がな
くなり、電流導入端子が周囲より低温であるために油が
付着してしまう不都合が解消できる。また該真空加熱室
3にはN2ガス等の不活性ガスを導入するためのガス導
入口12を設け、該真空加熱室3内に位置する洗浄物6
の表面に不活性ガスが触れるようにした。これら洗浄室
1及び真空加熱室3内には、洗浄物6を搬送し一般的な
洗油やアルカリ洗浄液或いは界面活性剤を溶かした水溶
液等の洗浄液2に漬けるために降下させるリフト機能を
有する搬送装置が設けられる。14は真空排気手段の排
気管5の途中に設けた液体窒素式等のオイルトラップ
で、排気管5を介して真空ポンプ4へ流れるガス中の油
を捕捉し、真空ポンプ4の油が真空加熱室3から飛来す
る油で劣化されポンプ排気性能が低下する不都合を防止
するようにした。
【0009】洗浄液2には洗浄物6に付着していた各種
の油が混入するが、その量が多くなると洗浄液2が劣化
し脱脂率が悪くなる。これを防ぐために、該洗浄室1に
配管を介して真空蒸留装置15を設け、洗浄液2を再生
し再利用するようにした。該真空蒸留装置15の詳細は
図9に示す如くであり、蒸気により加熱された蒸発器1
6と、真空ポンプ17により真空排気された内部に冷却
水で冷却された低温部を有する凝縮器18とを備え、送
液ポンプ19により残液受器20へ洗浄室1内の洗浄液
2を送り、ここから更に送液ポンプ21で蒸発器16へ
送り込み、そこで揮発性の高い洗浄液成分のみを蒸発さ
せ、その蒸気を凝縮器18で凝縮して留分受器22に液
分を溜め、送液ポンプ23で洗浄室1へ再生された洗浄
液を戻す。洗浄液2に混入していた油は蒸発器16の底
部に溜まり、洗浄液の再生サイクルが終了した時点で残
液受器20に取り出し、送液ポンプ23で外部へ廃液と
して送り出す。この廃液は燃料として利用される。尚、
洗浄室1内で必要とする洗浄液の量の2倍を用意し、そ
の半分を洗浄室1内で使用し、残りを真空蒸留装置15
で再生するようにすれば、脱脂洗浄装置での洗浄作業を
迅速に行なえる。
【0010】その作動を説明すると、扉9を開いて外部
から真空加熱室3内に運び込まれた洗浄物6は、該扉9
を一旦閉じたのち仕切弁8を開閉して洗浄室1内に搬送
され、そこで下方の洗浄液2に漬けられる。該洗浄液2
は加熱手段10により高温に維持されており振動装置1
3により振動されているので、漬けられた洗浄物6は5
分程度の短時間に加熱されて付着した汚れの大部分が洗
い落とされ、切り屑等も洗い落とされる。また、該洗浄
液2が洗油のような油性物であっても加熱手段10が洗
浄室1の外部に設けられているために引火の危険はな
い。洗浄物6に高粘度の油等の油脂分が付着していると
洗浄液2の洗浄で完全に洗い落とすことが難しく、また
洗浄液2を洗浄物6から乾燥除去しなければならないの
で、洗浄を終えた洗浄物6を仕切弁8を開閉して真空加
熱室3内へ送り、密閉された該真空加熱室3内でその外
部の加熱手段11により洗浄物6を加熱し且つガス導入
口12からN2ガスを微量流し込みながら真空排気手段
の真空ポンプ4により10- 2Torr台〜数10Torrの間
に減圧し、該洗浄物6に付着した洗浄液を乾燥除去する
と共に洗浄液では洗い落ちなかった油脂分を蒸発除去す
る。洗浄物6は、このあと扉9を開けて外部へ取り出さ
れるが、洗浄室1は仕切弁8で密閉されており、真空加
熱室3内から洗浄液の蒸気が外部へ漏れ出すことはな
く、大気汚染は生じない。真空加熱室3内で蒸発する洗
浄液の蒸気は排気管5に流れ込み、その途中に設けたオ
イルトラップ14で除去され、油回転ポンプ等の真空ポ
ンプ4に使用されている油が洗浄液の蒸気で劣化される
ことがない。
【0011】洗浄物6にプレス油や焼入油H或いは切削
油が付着していると、洗浄液2では完全に洗い落とすこ
とが困難であるが、真空加熱室3に運び込んでN2ガス
を流しながら減圧下で洗浄物6を加熱すると、図3に示
すように98%〜100%の高脱脂率で脱脂することが
でき、その脱脂率はN2ガスを1(l/min)流したときより
も2.3(l/min)流したときのほうが向上した。また、
洗浄液2を加熱手段10で高温にしておくと、図4の曲
線Aで示すように、短時間に洗浄物6の温度が上がり、
洗浄物6を充分に脱脂するまでの洗浄サイクルが15分
程度の短時間で終わるが、従来の洗浄室に洗浄液の加熱
手段がなく真空加熱室でのみ洗浄物を加熱する形式のも
のでは、曲線Bで示すように、洗浄物6の温度上昇が遅
く、充分に脱脂するまでの洗浄サイクルに40分も要す
る。更に高温の洗浄液2へ洗浄物6を漬けた場合、洗浄
液2に攪拌がないとある種の油脂は図5の点Cで示すよ
うに脱脂率は80%強であるが、洗浄液に多少攪拌を与
えると点Dのように94%程度に上昇し、攪拌程度を大
きくすると点Eのように100%近くまで脱脂率が向上
した。また、従来のように真空排気手段にオイルトラッ
プ14がないと、曲線Gのように洗浄サイクルの数が増
えると次第に到達圧力が低下し、充分な真空加熱は行な
えなくなるが、オイルトラップ14を設けておくと、油
回転ポンプの真空ポンプ4は約500サイクルの洗浄を
行なっても曲線Fで示すように到達圧力は変わらること
がなかった。洗浄物6に付着する油が各種であっても、
本発明の装置を使用すれば図7に示すように98%〜1
00%近く脱脂できる。これに於いて油Aはプレス油、
油Bは焼入油H、油Cは切削油で、油Dは防錆油であ
る。
【0012】尚、図8のように洗浄室1と真空加熱室3
を上下に配置し、真空加熱室3に洗浄物6を受取り洗浄
液2へ漬けるリフト機構15を設け、これに仕切弁8の
他に洗浄物6を漬けるときに洗浄室1を密閉する仕切弁
16を設ける構成とすることも可能である。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、洗浄液を
溜めた洗浄室と、真空加熱室を仕切弁を介して連設した
真空脱脂装置に於いて、洗浄物が外部と該洗浄室との間
を搬送される経路の途中に該真空加熱室を配置し、該洗
浄室に洗浄液の加熱手段を設けると共に該真空加熱室の
加熱手段を設け、該真空加熱室に不活性ガスを導入する
ガス導入口を設けたので、洗浄液の蒸気を外部に漏らさ
ずに洗浄物の洗浄を行なえ大気汚染を防止できると共に
洗浄物が洗浄液の蒸気で汚染されることがなく、短時間
で洗浄洗浄サイクルを完了できて作業能率が向上する等
の効果がある。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来例の截断側面図
【図2】 本発明の実施例の截断側面図
【図3】 不活性ガスの導入量と脱脂率の関係を示す線
【図4】 洗浄物の温度と洗浄サイクル時間の比較線図
【図5】 洗浄液攪拌による脱脂率の変化を示す線図
【図6】 真空ポンプの到達圧力と洗浄サイクルの関係
の線図
【図7】 本発明装置による各種油の脱脂率を示す線図
【図8】 本発明の他の実施例の截断側面図
【図9】 真空蒸留装置の線図
【符号の説明】
1 洗浄室 2 洗浄液 3
真空加熱室 5 排気管 6 洗浄物 8
仕切弁 9 扉 0、11 加熱手段 12
ガス導入口 13 振動装置 14 オイルトラップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 公男 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 (72)発明者 武田 博 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 (72)発明者 大久保 治 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下方に洗浄物の洗浄液を溜めた洗浄室
    に、真空排気手段と該洗浄物を加熱する加熱手段を有す
    る真空加熱室を仕切弁を介して連設した真空脱脂洗浄装
    置に於いて、該洗浄物が外部と該洗浄室との間を搬送さ
    れる経路の途中に該真空加熱室を配置し、該洗浄室に洗
    浄液の温度を高温に保持する加熱手段を設け、該真空加
    熱室にその室内へ不活性ガスを導入するガス導入口を設
    けたことを特徴とする真空脱脂洗浄装置。
  2. 【請求項2】 上記洗浄室の洗浄液の加熱手段を該洗浄
    室の外部に設け、上記真空加熱室の加熱手段を該真空加
    熱室の外部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    真空脱脂洗浄装置。
  3. 【請求項3】 上記洗浄室に攪拌翼またはガス吹き込み
    口或いは超音波発振器の洗浄液の振動手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の真空脱脂洗浄装置。
  4. 【請求項4】 上記洗浄室にその内部の洗浄液を再生す
    る真空蒸留装置を接続したことを特徴とする請求項1に
    記載の真空脱脂洗浄装置。
  5. 【請求項5】 上記真空加熱室の真空排気手段には洗浄
    液の蒸気を除去するオイルトラップを真空ポンプの前方
    に設けたことを特徴とする請求項1に記載の真空脱脂洗
    浄装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000153243A (ja) * 1998-11-17 2000-06-06 Japan Field Kk 洗浄装置のシール方法
CN102978640A (zh) * 2012-11-26 2013-03-20 安徽长青电子机械(集团)有限公司 一种循环加热式化学除油设备
CN102995042A (zh) * 2012-11-26 2013-03-27 安徽长青电子机械(集团)有限公司 一种有效成分可补充的化学除油设备
CN114016140A (zh) * 2021-12-01 2022-02-08 安徽芙芮雅羽绒有限公司 一种羽毛低损伤漂洗工艺

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