JPH0688187U - リニアモータ - Google Patents
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- JPH0688187U JPH0688187U JP3282893U JP3282893U JPH0688187U JP H0688187 U JPH0688187 U JP H0688187U JP 3282893 U JP3282893 U JP 3282893U JP 3282893 U JP3282893 U JP 3282893U JP H0688187 U JPH0688187 U JP H0688187U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】リニアモータにおいて、その永久磁石の極性配
列や各ブラシの配列に工夫を与えて、複数の電機子への
通電率を一様に高め、大きな推力でもって可動子を円滑
に移動させるようにしようとする。 【構成】永久磁石40は複数の着磁部を有し、これら各
着磁部は永久磁石40の板厚方向に着磁されている。こ
れら各着磁部のうちの各両隣接着磁部の着磁極性は相互
に逆である。永久磁石50も同様である。両永久磁石4
0、50の各両対向着磁部の着磁極性は互いに逆であ
る。可動子Mには三つの略円柱状電機子がその各軸にて
互いに平行にかつ両永久磁石40、50に平行に設けら
れている。可動子Mの各一対のブラシは各電機子にそれ
ぞれ対応して設けられている。また、各一対のブラシの
一方は後方へかつ上方へ傾斜状に突出し、一方、他方の
ブラシは、前方へかつ上方へ傾斜状に突出している。
列や各ブラシの配列に工夫を与えて、複数の電機子への
通電率を一様に高め、大きな推力でもって可動子を円滑
に移動させるようにしようとする。 【構成】永久磁石40は複数の着磁部を有し、これら各
着磁部は永久磁石40の板厚方向に着磁されている。こ
れら各着磁部のうちの各両隣接着磁部の着磁極性は相互
に逆である。永久磁石50も同様である。両永久磁石4
0、50の各両対向着磁部の着磁極性は互いに逆であ
る。可動子Mには三つの略円柱状電機子がその各軸にて
互いに平行にかつ両永久磁石40、50に平行に設けら
れている。可動子Mの各一対のブラシは各電機子にそれ
ぞれ対応して設けられている。また、各一対のブラシの
一方は後方へかつ上方へ傾斜状に突出し、一方、他方の
ブラシは、前方へかつ上方へ傾斜状に突出している。
Description
【0001】
本考案は、リニアモータに係り、特に、固定子内の帯状整流子から可動子のコ イルへの通電により帯状永久磁石との間に電磁誘導作用を起こさせ、この電磁誘 導作用に基づく推力によって、可動子を固定子内にて長手方向に移動させるよう したリニアモータに関する。
【0002】
従来、この種のリニアモータにおいては、その可動子として、コイルをコアに 巻装してなる電機子を内蔵したものを採用し、可動子への推力をより一層高める ようにしたものがある。
【0003】
しかし、このような構成において、可動子の電機子との間で電磁誘導作用を起 こす永久磁石が、固定子内にてその長手方向左右の片側に配置されている場合に は、電機子が、永久磁石に吸引されてしまい、その結果、可動子の移動時に、同 可動子の固定子との間の接触部における摩擦抵抗が増大するという不具合がある 。 これに対しては、摩擦抵抗を低減させるために、可動子にローラを付加する方 法もあるが、リニアモータの構造が複雑になるだけで、同リニアモータの小型化 を阻害してしまう。
【0004】 かかる場合、両帯状永久磁石の各々を固定子内にてその左右両側にそれぞれ配 置することも考えられる。しかし、このような構成では、従来のような可動子の 電機子に対応する一対のブラシと整流子の各電極パターンとの関係のままでは、 可動子に対する推力の変動が大きく、その結果、可動子が円滑には移動し得ない という不具合が生ずる。このようなことは、電機子の数を増加させても、各電機 子に対応する各一対のブラシと各電極パターンとの関係が同じである限り同様で ある。 そこで、本考案は、以上のようなことに対処すべく、リニアモータにおいて、 その永久磁石の極性配列や各ブラシの配列に工夫を与えて、複数の電機子への通 電率を一様に高め、大きな推力でもって可動子を、円滑に移動させるようにしよ うとするものである。
【0005】
上記課題を解決するにあたり、本考案は、断面逆U字形状の固定子と、この固 定子内にその長手方向に沿い摺動可能に収容した可動子とを備え、 前記固定子の上壁にはその長手方向に沿い帯状整流素子を設け、また、前記固 定子内にはその左右両側壁に沿い前記可動子を挟むようにして帯状の永久磁石を それぞれ設け、 これら永久磁石にはその厚み方向に着磁してなる複数の着磁部をそれぞれ形成 し、かつ、前記永久磁石毎にその各両隣接着磁部の着磁極性を互いに逆にすると ともに前記両永久磁石の各両対向着磁部の着磁極性をそれぞれ同一にし、 前記可動子には、前記両永久磁石の厚み方向に沿う軸を有する複数の柱状電機 子を、前記両永久磁石の各両対向着磁部との間にて電磁誘導作用を形成するよう に前記各永久磁石の長手方向に並べて設け、また、当該可動子には、前記整流素 子に摺接する複数対のブラシを、前記整流子に沿いその各電極パターンとの関連 にて前記各電機子への通電率を高めるように、前記各電機子にそれぞれ対応して 設けるようにしたことにある。
【0006】
このように本考案を構成したことにより、前記固定子内にその左右両側壁に沿 い前記可動子を挟むようにして設けた前記両永久磁石の各複数の着磁部が、同両 永久磁石の厚み方向に着磁され、前記各永久磁石毎の各両隣接着磁部の着磁極性 が互いに逆になるとともに前記両永久磁石の各両対向着磁部の着磁極性が同一に なり、前記各柱状電機子が、前記両永久磁石の厚み方向に沿う軸を有し、かつ前 記両永久磁石の各両対向着磁部との間にて電磁誘導作用を形成するように、前記 各永久磁石の長手方向に並べて前記可動子に設けられ、 また、前記整流素子に摺接する複数対のブラシが、前記整流子に沿いその各電 極パターンとの関連にて前記各電機子への通電率を高めるように、前記各電機子 にそれぞれ対応して前記可動子に設けられる。
【0007】
これにより、前記各電機子が、前記両永久磁石の各両対向着磁部との間の電磁 誘導作用に応じて、一様の推力を受け、かかる推力のもとに、前記可動子が、前 記固定子の長手方向に円滑に移動できる。かかる場合、前記各電機子が前記両永 久磁石の間にて左右の均衡した反発力及び吸引力を受けるので、両永久磁石の一 方へ片寄ることはなく、また、複数の電機子の各推力の和が前記可動子に作用す るので、推力の増大を確保できる。 また、本考案において、前記両永久磁石の各両対向着磁部の着磁極性を逆にし 、前記各電機子の軸を前記両永久磁石の長手方向に沿うようにした場合にも、上 述と実質的に同様の作用効果を達成できる。
【0008】
以下、本考案の第1実施例を図面により説明すると、図1は、リニアモータに 本考案を適用した例を示しており、このリニアモータは、長手状の固定子Sと、 この固定子S内に長手方向に摺動可能に収容した可動子Mとにより構成されてい る。固定子Sは、断面略逆U字形状のケーシング10を備えており、このケーシ ング10内には、その左右両側壁11、12の上下方向中間部位にて、断面略コ 字形状の左右両レール20、30が設けられている。 これら各レール20、30内にはその長手方向に沿い、帯状の左右各永久磁石 40、50が、各ヨーク60、70を介してそれぞれ保持されている。永久磁石 40は、その長手方向に、複数の着磁部40a、40b、40c、40d、・・ ・(図4参照)を形成してなり、これら各着磁部40a、40b、40c、40 d、・・・は、図1及び図4にて示すごとく、永久磁石40の板厚方向にそれぞ れ着磁されている。かかる場合、各着磁部40a、40b、40c、40d、・ ・・のうち互いに隣接し合う各着磁部の着磁極性は、図4にて示すごとく、相互 に逆になっている。
【0009】 一方、永久磁石50は、その長手方向に、複数の着磁部50a、50b、50 c、50d、・・・(図4参照)を形成してなり、これら各着磁部50a、50 b、50c、50d、・・・は、図1及び図4にて示すごとく、永久磁石50の 板厚方向にそれぞれ着磁されている。かかる場合、各着磁部50a、50b、5 0c、50d、・・・のうち互いに隣接し合う各着磁部の着磁極性は、図4にて 示すごとく、相互に逆になっている。また、両永久磁石40、50の互いに対向 する各両着磁部の各両対向磁極は、互いに同一磁極性となっている(図1及び図 4参照)。なお、永久磁石40の各着磁部の着磁ピッチは、永久磁石50の各着 磁部の着磁ピッチと同一である。
【0010】 ケーシング10の上壁13の内面に形成した凹所14内には、帯状の整流子8 0が収容されており、この整流子80にはその長手方向に沿い、両電極パターン 80a、80bが、屈曲状の狭隙80cを介して、図3にて示すようなパターン 形状にて形成されている。この整流子80は、その長手方向前端部にて、ケーシ ング10の長手方向前端部に固定されており、この整流子80の長手方向他端部 は自由端となっている。なお、整流子80の長手方向前端部は、ケーシング10 の長手方向前端部に嵌着したレールエンドのコネクタ及び両外部被覆導線を介し 直流電源に接続されるようになっている。但し、電極パターン80aは正側電極 として機能し、一方、電極パターン80bは負側電極として機能する。
【0011】 可動子Mは、図1にて示すごとく、ケーシング10内にて、左右両レール20 、30間にその長手方向に沿い摺動可能に介装されている。この可動子Mは、図 1及び図2にて示すごとく、長手板形状の頭壁90を備えており、この頭壁90 は、左右両レール20、30の各上壁21、31上に亘り長手方向に摺動可能に 載置されている。 また、可動子Mは、直方体形状の胴体100を備えており、この胴体100は 、頭壁90の左右方向中央部から左右両レール20、30の各両対向端部間に長 手方向に移動可能に垂下して設けられている(図1参照)。胴体100は、三つ の略円柱状電機子100a、100b及び100cを備えており、これら各電機 子100a、100b及び100cは、図2にて示すごとく、その各軸にて互い に並行となるように、胴体100内にモールドされている。電機子100aは、 円柱状コア101を備えており、このコア101の軸方向は、両永久磁石40、 50の各着磁部の着磁方向に平行(即ち、両永久磁石40、50の長手方向に垂 直)となっている。コア101の外周にはコイル102が巻装されており、この コイル102の両端部間への印加直流電圧の極性に応じて、コア101の軸の磁 化方向が定まる。なお、コイル102は、両鍔部101a、101bによりコア 101から抜け止めされている。また、残りの電機子100b、100cも、電 機子100aと同様の構成を有している。
【0012】 また、可動子Mは、頭壁90の上面91上に設けたブラシ機構110を備えて おり、このブラシ機構110は、各一対のブラシ111、112、113、11 4及び115、116により構成されている。一対のブラシ111、112は、 電機子100aに対応する頭壁90の上面91前端部上にてそれぞれ突出形成さ れており、これら各ブラシ111、112の各基部111a、112aは、電機 子100aの軸に対応する頭壁90の上面91前端部の左右にそれぞれ固着され ている。また、ブラシ111は、その基部111aから頭壁90の後方へかつ上 方へ傾斜状に突出し、その先端部111bにて整流子80の両電極パターン80 a、80bの一方に接触し、一方、ブラシ112は、その基部112aから頭壁 90の前方へかつ上方へ傾斜状に突出し、その先端部112bにて整流子80の 両電極パターン80a、80bの一方に接触するようになっている。
【0013】 一対のブラシ113、114は、電機子100bに対応する頭壁90の上面9 1長手方向中央部にてそれぞれ突出形成されており、これら各ブラシ113、1 14は、その各基部113a、114aにて、電機子100bの軸に対応する頭 壁90の上面91長手方向中央部の左右にそれぞれ固着されている。また、ブラ シ113は、その基部113aから頭壁90の後方へかつ上方へ傾斜状に突出し 、その先端部113bにて整流子80の両電極パターン80a、80bの一方に 接触し、一方、ブラシ114は、その基部114aから頭壁90の前方へかつ上 方へ傾斜状に突出しその先端部114bにて整流子80の両電極パターン80a 、80bの一方に接触するようになっている。
【0014】 一対のブラシ115、116は、電機子100cに対応する頭壁90の上面9 1の後端部にてそれぞれ突出形成されており、これら各ブラシ115、116は 、その各基部115a、116aにて、電機子100cの軸に対応する頭壁90 の上面91の後端部の左右にそれぞれ固着されている。また、ブラシ115は、 その基部115aから頭壁90の後方へかつ上方へ傾斜状に突出し、その先端部 115bにて整流子80の両電極パターン80a、80bの一方に接触し、一方 、ブラシ116は、その基部116aから頭壁90の前方へかつ上方へ傾斜状に 突出し、その先端部116bにて整流子80の両電極パターン80a、80bの 一方に接触するようになっている。
【0015】 但し、上述した各一対のブラシの一方のブラシ111、113及び115は、 頭壁90の上面91上左側部にてその長手方向に沿い所定間隔にて一列に配置さ れ、一方、各一対のブラシの他方のブラシ112、114及び116は、頭壁9 0の上面91上右側部にてその長手方向に沿い所定間隔にて一列に配置されてい る。また、一対のブラシ111、112は、コイル102の両端子にそれぞれ接 続され、一対のブラシ113、114は、電機子100bのコイルの両端子にそ れぞれ接続され、また、一対のブラシ115、116は、電機子100cのコイ ルの両端子にそれぞれ接続されている。なお、図1にて、符号Cは、カーテンラ ンナーを示す。
【0016】 このように構成した本第1実施例において、整流子80の両電極パターン80 a、80bのうち、電極パターン80aを正側電極とし、一方、電極パターン8 0bを負側電極として、両電極パターン80a、80bに前記直流電源から直流 電圧を印加する。このとき、可動子Mの電機子100aが図4にて示すごとく永 久磁石40の着磁部40bの後半部と永久磁石50の着磁部50bの後半部との 間まで移動したものとする。また、各ブラシ111、112が各電極パターン8 0a、80bに各点Pa1、Pa2にてそれぞれ接触しているものとする(図3 及び図4(E)(F)参照)。なお、図4(E)にて示す各符号(A)〜(D) は、図4(A)〜(D)にて示す電機子100aの各位置での通電極性を特定す る。
【0017】 このような状態において、コイル102に両電極パターン80a、80b及び 両ブラシ111、112を介し印加される直流電圧に基づき、コイル102に図 4(A)にて示す向きにて電流が流れると、コア101が図4(A)にて示す方 向に磁化される。すると、コア101が、そのN磁極にて、永久磁石40の着磁 部40bのN磁極により反発(図4(A)にて図示破線矢印A1参照)されると ともに同永久磁石40の隣接着磁部40cのS磁極により吸引(図4(A)にて 図示実線矢印A3参照)される。これと同時に、コア101が、そのS磁極にて 、永久磁石50の着磁部50bのS磁極により反発(図4(A)にて図示破線矢 印A2参照)されるとともに同永久磁石50の隣接着磁部50cのN磁極により 吸引(図4(A)にて図示実線矢印A4参照)される。これにより、電機子10 0aが、両永久磁石40、50の両対向着磁部40b、50bの一方及び両対向 着磁部40c、50cの一方に片寄ることなく、図4(A)にて図示実線矢印A 5方向(両永久磁石40、50の平行な方向)に推力を受ける。残りの電機子1 00b、100cも実質的に同様の推力を受ける。その結果、可動子Mが、各電 機子100a、100b及び100cに加わる推力のもとにその方向に各レール 20、30に沿い摺動しつつ移動し、電機子100aが図4(B)にて示す位置 に達する。このとき、各ブラシ111、112は、各電極パターン80a、80 bに各点Pb1、Pb2にてそれぞれ接触している(図3及び図4(E)(F) 参照)。
【0018】 ついで、コイル102に両電極パターン80a、80b及び両ブラシ111、 112を介し印加される直流電圧に基づき、コイル102に図4(B)にて示す 向きにて電流が流れ、コア101が図4(B)にて示すように上述と同様の方向 に磁化される。すると、コア101が、そのN磁極にて、永久磁石40の着磁部 40bのN磁極により反発(図4(B)にて図示破線矢印B1参照)されるとと もに同永久磁石40の隣接着磁部40cのS磁極により吸引(図4(B)にて図 示実線矢印B3参照)される。これと同時に、コア101が、そのS磁極にて、 永久磁石50の着磁部50bのS磁極により反発(図4(B)にて図示破線矢印 B2参照)されるとともに同永久磁石50の隣接着磁部50cのN磁極により吸 引(図4(B)にて図示実線矢印B4参照)される。これにより、電機子100 aが、両永久磁石40、50の両対向着磁部40b、50bの一方及び両対向着 磁部40c、50cの一方に片寄ることなく、図4(B)にて図示実線矢印B5 方向(両永久磁石40、50の平行な方向)に推力を受ける。残りの電機子10 0b、100cも実質的に同様の推力を受ける。その結果、可動子Mが、各電機 子100a、100b及び100cに加わる推力のもとにその方向に各レール2 0、30に沿い摺動しつつ移動し、電機子100aが図4(C)にて示す位置に 達する。このとき、各ブラシ111、112は、各電極パターン80a、80b に各点Pc1、Pc2にてそれぞれ接触している(図3及び図4(E)(F)参 照)。
【0019】 このような状態において、コイル102に両電極パターン80a、80b及び 両ブラシ111、112を介し印加される直流電圧に基づき、コイル102に図 4(C)にて示す向きにて電流が流れ、コア101が図4(C)にて示すように 上述と同様の方向に磁化される。すると、コア101が、そのN磁極にて、永久 磁石40の着磁部40bのN磁極により反発(図4(C)にて図示破線矢印C1 参照)されるとともに同永久磁石40の隣接着磁部40cのS磁極により吸引( 図4(C)にて図示実線矢印C3参照)される。これと同時に、コア101が、 そのS磁極にて、永久磁石50の着磁部50bのS磁極により反発(図4(C) にて図示破線矢印C2参照)されるとともに同永久磁石50の隣接着磁部50c のN磁極により吸引(図4(C)にて図示実線矢印C4参照)される。これによ り、電機子100aが、両永久磁石40、50の両対向着磁部40b、50bの 一方及び両対向着磁部40c、50cの一方に片寄ることなく、図4(C)にて 図示実線矢印C5方向(両永久磁石40、50の平行な方向)に推力を受ける。 残りの電機子100b、100cも実質的に同様の推力を受ける。その結果、可 動子Mが、各電機子100a、100b及び100cに加わる推力のもとにその 方向に各レール20、30に沿い摺動しつつ移動し、電機子100aが図4(D )にて示す位置に達する。このとき、各ブラシ111、112は、各電極パター ン80a、80bに各点Pd2、Pd1にてそれぞれ接触している(図3及び図 4(E)(F)参照)。以下、同様にして推力の発生のもとに可動子Mが移動す る。
【0020】 以上説明したように、両永久磁石40、50においては、その各着磁部を各永 久磁石40、50の各板厚方向に着磁し、両永久磁石40、50の各々の各両隣 接着磁部の着磁方向を互いに異磁極性となるようにし、かつ両永久磁石の各両対 向着磁部の着磁方向を共に同一磁極性となるようにした。そして、両永久磁石4 0、50の間に配置した可動子Mの各電機子100a、100b及び100cの 各軸を両永久磁石40、50の長手方向に直交させ、かつ、一対のブラシ111 、112と各電極パターン80a、90bとの間の接触極性を、電機子100a が一着磁ピッチ移動する間だけ、各両点Pa1、Pa2、Pb1、Pb2及びP c1、Pc2で特定されるように同一極性に維持し、次の磁極ピッチへの移動時 に、両点Pd2、Pd1により特定されるように、逆極性に反転させるようにし 、また、残りの各一対のブラシ113、114及び115、116の各電極パタ ーン80a、80bとの間の接触極性も実質的に同様にした。
【0021】 これにより、各電機子100a、100b及び100cが、各磁極ピッチ毎に 、両永久磁石40、50の長手方向に隣接し合う各両対向着磁部との間の電磁気 作用に応じて、一様に推力を受けることとなる。従って、可動子Mは、各電機子 100a、100b及び100cへの一様な各推力のもとに、その方向に円滑に 移動できる。かかる場合、各電機子100a、100b及び100cが両永久磁 石40、50の間にて左右の均衡した反発力及び吸引力を受けるので、両永久磁 石40、50の一方へ片寄ることはなく、また、三つの電機子の各推力の和が可 動子Mに加わるので、推力の増大を確保できる。
【0022】 次に、前記第1実施例の変形例を図5及び図6を参照して説明すると、この変 形例においては、前記第1実施例にて述べた可動子Mに代えて、二つの可動子M a、Mbを採用し、これら両可動子を直列に連結するようにしたことにその構成 上の特徴がある。かかる場合、両可動子Ma、Mbは、ほぼ同様の構成を有する もので、可動子Maの各両ブラシへの通電時期が可動子Mbの各両ブラシへの通 電時期に対し磁極ピッチTpの(2/1)だけずれている点のみが異なる(図6 (A)(B)参照)。従って、両可動子Ma、Mbへの各両ブラシへの総合通電 時期は、図6(C)にて示すように、磁極ピッチTpの(2/1)毎に実現され る。なお、両可動子Ma、Mbの連結は、可動子Maの頭壁90の後端部に形成 したT字形状の連結部92を、可動子Mbの頭壁90の前端部に形成したT字形 状の凹所93内に係合させて連結されている。また、図6(A)〜(C)の各波 形は、図4(E)にて示す負側波形部分に対応する部分を便宜上正側に反転させ て示してある。その他の構成は前記第1実施例と同様である。
【0023】 このように構成した本変形例においては、各一対のブラシ111、112、1 13、114及び115、116、即ち、各電機子100a、100b及び10 0cのコイルへの通電間隔が、前記第1実施例の半分に短縮されるので、全電機 子100a、100b及び100cへの総合推力が前記第1実施例に比べてより 一層一様になる。従って、両可動子Ma、Mbの移動がより一層円滑になされ得 る。その他の作用効果は、前記第1実施例と同様である。
【0024】 また、本考案の第2実施例を図7〜図9を参照して説明すると、この第2実施 例においては、前記第1実施例にて述べた永久磁石50に代えて、永久磁石12 0を採用し、かつ前記第1実施例にて述べた可動子Mに代えて、可動子Mcを採 用したことにその構成上に特徴がある。 永久磁石120は、その長手方向に、複数の着磁部120a、120b、12 0c、120d、・・・(図9(A)参照)を形成してなり、これら各着磁部1 20a、120b、120c、120d、・・・は、図1及び図9(A)にて示 すごとく、永久磁石120の板厚方向にそれぞれ着磁されている。かかる場合、 各着磁部120a、120b、120c、120d・・・の各両隣接着磁部の各 着磁極性は、相互に逆になっており、また、両永久磁石40、120の各両対向 着磁部の各着磁極性は、前記第1実施例にて述べた永久磁石50とは異なり、図 9(A)にて示すごとく、互いに逆磁極性になっている。なお、永久磁石120 の各着磁部の着磁ピッチは、永久磁石40の各着磁部の着磁ピッチと同一である 。
【0025】 可動子Mcは、図7にて示すごとく、長手板形状の頭壁130を備えており、 この頭壁130は、左右両レール20、30の各上壁21、31上に亘り長手方 向に摺動可能に載置されている。 また、可動子Mcは、直方体形状の胴体140を備えており、この胴体140 は、頭壁130の左右方向中央部から左右両レール20、30の各両対向端部間 に長手方向に移動可能に垂下する。胴体140は、二つの略円柱状電機子140 a及び140bを備えており、これら各電機子140a及び140bは、図7に て示すごとく、その各軸にて互いに直列となるように、胴体140内に設けられ ている。電機子140aは、図8にて示すごとく、円柱状コア141を備えてお り、このコア141の軸方向は、両永久磁石40、120の長手方向に平行(即 ち、両永久磁石40、50の各着磁部の着磁方向に垂直)となっている。コア1 41の外周にはコイル142が巻装されており、このコイル142の両端部間へ の印加直流電圧の極性に応じて、コア141の軸の磁化方向が定まる。なお、コ イル142は、両筒部141a、141bによりコア141から抜け止めされて いる。また、他の電機子140bも、電機子140aと同様の構成を有している 。
【0026】 また、可動子Mcは、頭壁130の上面131上に設けたブラシ機構150を 備えており、このブラシ機構150は、各一対のブラシ151、152及び15 3、154により構成されている。一対のブラシ151、152は、電機子14 0aに対応する頭壁130の上面131前端部上にてそれぞれ突出形成されてお り、各ブラシ151、152は、その基部151a、152aにて、電機子14 0aに対応する頭壁130の上面131の前端部の左右にそれぞれ固着されてい る。また、ブラシ151は、頭壁130の前方へかつ上方へ傾斜状に突出し、そ の先端部151bにて整流子80の両電極パターン80a、80bの一方に接触 し、一方、ブラシ152は、その基部152aから頭壁130の前方へかつ上方 へ傾斜状に突出し、その先端部152bにて整流子80の両電極パターン80a 、80bの一方に接触するようになっている。
【0027】 一対のブラシ153、154は、電機子140bに対応する頭壁130の上面 131の長手方向中央部にてそれぞれ突出形成されており、これら各ブラシ15 3、154は、その各基部153a、154aにて、電機子140bに対応する 頭壁130の上面131の長手方向中央部の左右にそれぞれ固着されている。ま た、ブラシ153は、その基部153aから頭壁130の前方へかつ上方へ傾斜 状に突出し、その先端部153bにて整流子80の両電極パターン80a、80 bの一方に接触し、一方、ブラシ154は、その基部154aから頭壁130の 前方へかつ上方へ傾斜状に突出しその先端部154bにて整流子80の両電極パ ターン80a、80bの一方に接触するようになっている。かかる場合、電機子 140aの各両ブラシへの通電時期が電機子140bの各両ブラシへの通電時期 に対し磁極ピッチTpの(2/1)だけずれている(図9(C)(D)参照)。 従って、両電機子140a、140bへの各両ブラシへの総合通電時期は、図9 (B)にて示すように、磁極ピッチTpの(2/1)毎に実現される。なお、図 9(B)〜(D)の各波形は、図4(E)にて示す負側波形部分に対応する部分 を便宜上正側に反転させて示してある。
【0028】 但し、上述した各一対のブラシの一方のブラシ152、154は、頭壁130 の上面131上左側部にてその長手方向に沿い所定間隔にて一列に配置され、一 方、各一対のブラシの他方のブラシ151、153は、頭壁130の上面131 上右側部にてその長手方向に沿い所定間隔にて一列に配置されている。また、一 対のブラシ151、152は、コイル142の両端子にそれぞれ接続され、一対 のブラシ153、154は、電機子140bのコイルの両端子にそれぞれ接続さ れている。その他の構成は前記第1実施例と同様である。
【0029】 このように構成した本第2実施例において、各電機子140a、140bが、 両永久磁石40、120の間にて、図9(A)にて示す位置にそれぞれあるとき 、前記第1実施例と同様に整流子80の各電極パターン80a、80b間に直流 電圧を印加すれば、電機子140aが図9(C)にて示す(2/1)の着磁ピッ チTpでもって通電間隔Ta中毎に正或いは負に交互に通電され、一方、電機子 140bが、図9(D)にて示すごとく、電機子140aとは、(2/1)Tp のずれでもって通電される。従って、可動子Mcへの合成通電間隔は、図9(B )にて示すごとく特定される。これにより、可動子Mcが、両永久磁石40、1 20の各両対向着磁部(互いに同一対向磁極を有する)と各電機子140a、1 40bとの間に生ずる各電磁誘導作用に応じ、(2/1)Tp毎にて、一様な推 力を受け、円滑に移動し、前記第1実施例と同様の作用効果を達成できる。
【0030】 なお、本考案の実施にあたっては、前記実施例や変形例にて述べた整流子80 の各電極パターン80a、80bに限ることなく、適宜変更して実施してもよい 。 また、前記第1実施例においては、可動子Mの電機子の数を三つにした例につ いて説明したが、これに限ることなく、同電機子の数は適宜変更して実施しても よい。 また、前記第2実施例においては、可動子Mcの電機子の数を二つにし た例について説明したが、これに限ることなく、同電機子の数は適宜変更して実 施してもよい。
【0031】 また、前記変形例においては、可動子の数を二つにした例について説明したが 、これに限ることなく、同可動子の数は適宜変更して実施してもよい。 また、本考案の実施にあたっては、ケーシング10の上壁及び左右側壁と、同 ケーシング10のその他の構成部分とを別体にて構成し、この別体構成に係る部 分を可動子を含めて単一のユニットとして構成し、組み付け容易性を確保するよ うにして実施してもよい。
【図1】本考案の一実施例を示す横断面図である。
【図2】図1の可動子の斜視図である。
【図3】図1の整流子の下面図である。
【図4】電機子の両永久磁石及び整流子(平面図からな
る)との関連における作動説明図である。
る)との関連における作動説明図である。
【図5】前記実施例の変形例を示す斜視図である。
【図6】同変形例における作動説明図である。
【図7】本考案の第2実施例の要部を示す可動子の斜視
図である。
図である。
【図8】同可動子の電機子の縦断面図である。
【図9】前記第2実施例における各電機子の両永久磁石
との関連における作動説明図である。
との関連における作動説明図である。
M、Ma、Mb、Mc…可動子、S…固定子、10…ケ
ーシング、20、30…レール、40、50、120…
永久磁石、40a、40b、40c、40d、50a、
50b、50c、50d、120a、120b、120
c、120d…着磁部、80…整流子、80a、80b
…電極パターン、100a〜100c、140a、14
0b…電機子、110、150…ブラシ機構、111〜
116、151〜154…ブラシ。
ーシング、20、30…レール、40、50、120…
永久磁石、40a、40b、40c、40d、50a、
50b、50c、50d、120a、120b、120
c、120d…着磁部、80…整流子、80a、80b
…電極パターン、100a〜100c、140a、14
0b…電機子、110、150…ブラシ機構、111〜
116、151〜154…ブラシ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 上村 健一 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】断面逆U字形状の固定子と、この固定子内
にその長手方向に沿い摺動可能に収容した可動子とを備
え、 前記固定子の上壁にはその長手方向に沿い帯状整流素子
を設け、また、前記固定子内にはその左右両側壁に沿い
前記可動子を挟むようにして帯状の永久磁石をそれぞれ
設け、 これら永久磁石にはその厚み方向に着磁してなる複数の
着磁部をそれぞれ形成し、かつ、前記永久磁石毎にその
各両隣接着磁部の着磁極性を互いに逆にするとともに前
記両永久磁石の各両対向着磁部の着磁極性をそれぞれ同
一にし、 前記可動子には、前記両永久磁石の厚み方向に沿う軸を
有する複数の柱状電機子を、前記両永久磁石の各両対向
着磁部との間にて電磁誘導作用を形成するように前記各
永久磁石の長手方向に並べて設け、また、当該可動子に
は、前記整流素子に摺接する複数対のブラシを、前記整
流子に沿いその各電極パターンとの関連にて前記各電機
子への通電率を高めるように、前記各電機子にそれぞれ
対応して設けるようにしたリニアモータ。 - 【請求項2】断面逆U字形状の固定子と、この固定子内
にその長手方向に沿い摺動可能に収容した可動子とを備
え、 前記固定子の上壁にはその長手方向に沿い帯状整流素子
を設け、また、前記固定子内にはその左右両側壁に沿い
前記可動子を挟むようにして帯状の永久磁石をそれぞれ
設け、 これら永久磁石にはその厚み方向に着磁してなる複数の
着磁部をそれぞれ形成し、かつ、前記永久磁石毎にその
各両隣接着磁部の着磁極性を互いに逆にするとともに前
記両永久磁石の各両対向着磁部の着磁極性を交互に逆に
し、 前記可動子には、前記両永久磁石の長手方向に沿う軸を
有する複数の柱状電機子を、前記両永久磁石の各両対向
着磁部との間にて電磁誘導作用を形成するように前記各
永久磁石の長手方向に並べて設け、また、当該可動子に
は、前記整流素子に摺接する複数対のブラシを、前記整
流子に沿いその各電極パターンとの関連にて前記各電機
子への通電率を高めるように、前記各電機子にそれぞれ
対応して設けるようにしたリニアモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3282893U JPH0688187U (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | リニアモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3282893U JPH0688187U (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | リニアモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0688187U true JPH0688187U (ja) | 1994-12-22 |
Family
ID=12369695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3282893U Pending JPH0688187U (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | リニアモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0688187U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015509259A (ja) * | 2011-12-23 | 2015-03-26 | アルストム テクノロジー リミテッドALSTOM Technology Ltd | 永久磁石を有する電磁アクチュエータおよびこのアクチュエータによって作動する機械的負荷遮断器 |
-
1993
- 1993-05-25 JP JP3282893U patent/JPH0688187U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015509259A (ja) * | 2011-12-23 | 2015-03-26 | アルストム テクノロジー リミテッドALSTOM Technology Ltd | 永久磁石を有する電磁アクチュエータおよびこのアクチュエータによって作動する機械的負荷遮断器 |
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