JPH0688087A - 冷凍機油組成物 - Google Patents
冷凍機油組成物Info
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- JPH0688087A JPH0688087A JP4239555A JP23955592A JPH0688087A JP H0688087 A JPH0688087 A JP H0688087A JP 4239555 A JP4239555 A JP 4239555A JP 23955592 A JP23955592 A JP 23955592A JP H0688087 A JPH0688087 A JP H0688087A
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- refrigerating machine
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 オゾン層を破壊しないハイドロフルオロカー
ボンを冷媒として用いる冷凍機において、冷凍機の運転
中に冷凍機油、冷媒等が劣化、分解しても、劣化生成物
による冷凍機器材料の腐食を防止し、かつ膨張弁の閉塞
をもたらすような物質を生成することのない冷凍機油組
成物を提供することにある。 【構成】 合成系潤滑油１００重量部に対し、式（Ｉ）
で表されるエポキシ化合物を０．０５〜５重量部配合し
てなることを特徴とする、ハイドロフルオロカーボンを
冷媒として用いる冷凍機用の冷凍機油組成物を提供す
る。好ましくは、合成系潤滑油が、ポリアルキレングリ
コール、変性ポリアルキレングリコール、及びカルボン
酸エステルからなる群より選択されている。 【化１】 〔式（Ｉ）において、Ｒ1 、Ｒ2 は、それぞれ独立して
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチ
ル基である。
ボンを冷媒として用いる冷凍機において、冷凍機の運転
中に冷凍機油、冷媒等が劣化、分解しても、劣化生成物
による冷凍機器材料の腐食を防止し、かつ膨張弁の閉塞
をもたらすような物質を生成することのない冷凍機油組
成物を提供することにある。 【構成】 合成系潤滑油１００重量部に対し、式（Ｉ）
で表されるエポキシ化合物を０．０５〜５重量部配合し
てなることを特徴とする、ハイドロフルオロカーボンを
冷媒として用いる冷凍機用の冷凍機油組成物を提供す
る。好ましくは、合成系潤滑油が、ポリアルキレングリ
コール、変性ポリアルキレングリコール、及びカルボン
酸エステルからなる群より選択されている。 【化１】 〔式（Ｉ）において、Ｒ1 、Ｒ2 は、それぞれ独立して
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチ
ル基である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍機油組成物に関
し、詳しくは塩素を含有しないハイドロフルオロカーボ
ンを冷媒として用いる冷凍機用の、安定性を改善した冷
凍機油組成物に関する。
し、詳しくは塩素を含有しないハイドロフルオロカーボ
ンを冷媒として用いる冷凍機用の、安定性を改善した冷
凍機油組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、家庭用冷蔵庫、空調機、業務用小
型冷蔵庫、冷凍ケース用冷凍機、カーエアコンなどの冷
媒として広く用いられてきたジクロロジフルオロメタン
（Ｒ１２）等のフロン冷媒は、塩素を含有しているた
め、オゾン層を破壊し、環境に重大な悪影響を与える原
因物質としてその使用が厳しく規制される方向にある。
これに変わる新規な冷媒として、Ｒ１２と物性が類似し
た１，１，１，２−テトラフルオロエタン（Ｒ１３４
ａ）などの塩素を含有しないハイドロフルオロカーボン
（ＨＦＣ）が注目され、ＨＦＣ冷媒を用いる冷凍機の実
用化が急がれている。
型冷蔵庫、冷凍ケース用冷凍機、カーエアコンなどの冷
媒として広く用いられてきたジクロロジフルオロメタン
（Ｒ１２）等のフロン冷媒は、塩素を含有しているた
め、オゾン層を破壊し、環境に重大な悪影響を与える原
因物質としてその使用が厳しく規制される方向にある。
これに変わる新規な冷媒として、Ｒ１２と物性が類似し
た１，１，１，２−テトラフルオロエタン（Ｒ１３４
ａ）などの塩素を含有しないハイドロフルオロカーボン
（ＨＦＣ）が注目され、ＨＦＣ冷媒を用いる冷凍機の実
用化が急がれている。
【０００３】従来のＲ１２やモノクロロジフルオロメタ
ン（Ｒ２２）に用いられていたナフテン系鉱物油、パラ
フィン系鉱物油、アルキルベンゼン系合成油、ポリ−α
−オレフィン系合成油等の冷凍機油は、ＨＦＣ冷媒との
相溶性が悪く、使用することができない。このため、Ｈ
ＦＣ冷媒用の潤滑油として、ポリアルキレングリコール
系合成油が特開平１−２５９０９３等に、エステル系合
成油が特開平３−１２８９９１等に提案され、ＨＦＣと
の相溶性の面では改善されてきている。
ン（Ｒ２２）に用いられていたナフテン系鉱物油、パラ
フィン系鉱物油、アルキルベンゼン系合成油、ポリ−α
−オレフィン系合成油等の冷凍機油は、ＨＦＣ冷媒との
相溶性が悪く、使用することができない。このため、Ｈ
ＦＣ冷媒用の潤滑油として、ポリアルキレングリコール
系合成油が特開平１−２５９０９３等に、エステル系合
成油が特開平３−１２８９９１等に提案され、ＨＦＣと
の相溶性の面では改善されてきている。
【０００４】しかしながら、ポリアルキレングリコール
系合成油は吸湿しやすく、水分によって冷凍機の膨張弁
の作動不良や閉塞、あるいはフロンの分解を促し、生成
したフッ化水素酸により金属部を腐食させたりする恐れ
がある。一方、エステル系合成油はポリアルキレングリ
コール系合成油に比べ、吸湿性は小さいものの、水分が
混入した場合、連鎖的に加水分解を起し、生成したカル
ボン酸による腐食摩耗の促進、さらには摺動部材料とカ
ルボン酸との反応で生成した金属石鹸が膨張弁を閉塞す
るという問題がある。また、トリクロロエタン（Ｒ１１
３）などの塩素系フロン洗浄剤で冷凍機内部を洗浄した
場合、Ｒ１１３が系内に微量残存して特にポリアルキレ
ングリコール系の冷凍機油を急激に劣化させるという問
題がある。
系合成油は吸湿しやすく、水分によって冷凍機の膨張弁
の作動不良や閉塞、あるいはフロンの分解を促し、生成
したフッ化水素酸により金属部を腐食させたりする恐れ
がある。一方、エステル系合成油はポリアルキレングリ
コール系合成油に比べ、吸湿性は小さいものの、水分が
混入した場合、連鎖的に加水分解を起し、生成したカル
ボン酸による腐食摩耗の促進、さらには摺動部材料とカ
ルボン酸との反応で生成した金属石鹸が膨張弁を閉塞す
るという問題がある。また、トリクロロエタン（Ｒ１１
３）などの塩素系フロン洗浄剤で冷凍機内部を洗浄した
場合、Ｒ１１３が系内に微量残存して特にポリアルキレ
ングリコール系の冷凍機油を急激に劣化させるという問
題がある。
【０００５】一方、（II）式で表されるフェニルグリシ
ジルエーテル、
ジルエーテル、
【化２】 （III ）式で表されるラウリルグリシジルエーテル、
【化３】 （IV）式で表されるポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、
ジルエーテル、
【化４】 などのエポキシ化合物は、従来よりＲ１２やＲ２２等の
塩素系フロン冷媒の冷凍機油に塩素捕捉剤として用いら
れている。
塩素系フロン冷媒の冷凍機油に塩素捕捉剤として用いら
れている。
【０００６】しかし、これらのグリシジルエーテルを上
述の合成系潤滑油に配合すると、水、カルボン酸等と反
応して、あるいは劣化生成物や加水分解生成物と反応し
てこれらを捕捉する効果はあるが、その結果生成した反
応生成物がＲ１３４ａ、Ｒ３２等のＨＦＣ冷媒に溶解せ
ず析出し、膨張弁の閉塞をおこし、冷凍能力の大幅な低
下、あるいは全く冷却しなくなるという新たな問題が生
じた。
述の合成系潤滑油に配合すると、水、カルボン酸等と反
応して、あるいは劣化生成物や加水分解生成物と反応し
てこれらを捕捉する効果はあるが、その結果生成した反
応生成物がＲ１３４ａ、Ｒ３２等のＨＦＣ冷媒に溶解せ
ず析出し、膨張弁の閉塞をおこし、冷凍能力の大幅な低
下、あるいは全く冷却しなくなるという新たな問題が生
じた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決するためになされたものであり、本発明の目的
は、冷凍機運転中に、混入した水分、あるいは該水分や
その他の原因で生じる分解・劣化生成物による冷凍機器
材料の腐食を防止し、かつ膨張弁の閉塞をもたらすよう
な物質を生成することのない安定性に優れた冷凍機油組
成物を提供することにある。
を解決するためになされたものであり、本発明の目的
は、冷凍機運転中に、混入した水分、あるいは該水分や
その他の原因で生じる分解・劣化生成物による冷凍機器
材料の腐食を防止し、かつ膨張弁の閉塞をもたらすよう
な物質を生成することのない安定性に優れた冷凍機油組
成物を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特定のエポ
キシ化合物をポリアルキレングリコールやエステル等の
合成油系潤滑油に配合した冷凍機油組成物は、前述のよ
うな現象を起こさず、極めて安定性に優れていることを
見出し、本発明を完成するに至った。
キシ化合物をポリアルキレングリコールやエステル等の
合成油系潤滑油に配合した冷凍機油組成物は、前述のよ
うな現象を起こさず、極めて安定性に優れていることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【０００９】すなわち本発明は、合成系潤滑油１００重
量部に対し、式(I)
量部に対し、式(I)
【化５】 で表されるエポキシ化合物を０．０５〜５重量部配合し
てなるハイドロフルオロカーボン冷媒の冷凍機用冷凍機
油組成物である。なお、前記式(I) において、Ｒ 1 及び
Ｒ2 は、それぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、又はペンチル基を示す。
てなるハイドロフルオロカーボン冷媒の冷凍機用冷凍機
油組成物である。なお、前記式(I) において、Ｒ 1 及び
Ｒ2 は、それぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、又はペンチル基を示す。
【００１０】本発明に用いる式(I) のエポキシ化合物
は、Ｒ1 、Ｒ2 がいずれも炭素数１〜５のアルキル基で
ある分岐アルコールから合成されたグリシジルエーテル
であり、Ｒ1 とＲ2 の炭素数の合計は２〜１０の範囲で
ある。これが１０を超えるとＨＦＣ冷媒との溶解性が低
く、使用できず、好ましくは８以下、より好ましくは６
以下である。また、前記炭素数の合計が上記の範囲内で
あっても、Ｒ1 、Ｒ2 のいずれか一方が、ヘキシル基以
上の炭素数のアルキル基の場合あるいは水素（直鎖エポ
キシ化合物）の場合、塩酸、水、カルボン酸等との反応
生成物はＨＦＣ冷媒に対する溶解性が低く、析出物（フ
ロック）を発生するので使用できない。Ｒ 1 とＲ2 の炭
素数の合計は５〜６がより好ましく、さらに好ましく
は、Ｒ1 又はＲ2 の一方がプロピル基又はブチル基の場
合である。
は、Ｒ1 、Ｒ2 がいずれも炭素数１〜５のアルキル基で
ある分岐アルコールから合成されたグリシジルエーテル
であり、Ｒ1 とＲ2 の炭素数の合計は２〜１０の範囲で
ある。これが１０を超えるとＨＦＣ冷媒との溶解性が低
く、使用できず、好ましくは８以下、より好ましくは６
以下である。また、前記炭素数の合計が上記の範囲内で
あっても、Ｒ1 、Ｒ2 のいずれか一方が、ヘキシル基以
上の炭素数のアルキル基の場合あるいは水素（直鎖エポ
キシ化合物）の場合、塩酸、水、カルボン酸等との反応
生成物はＨＦＣ冷媒に対する溶解性が低く、析出物（フ
ロック）を発生するので使用できない。Ｒ 1 とＲ2 の炭
素数の合計は５〜６がより好ましく、さらに好ましく
は、Ｒ1 又はＲ2 の一方がプロピル基又はブチル基の場
合である。
【００１１】また、前記式(I) のエポキシ化合物は、合
成系潤滑油からなる基油１００重量部に対して０．０５
〜５重量部配合する。これが０．０５重量部より少ない
と安定性向上の効果が小さく、また５重量部より多いと
冷凍機油の基本特性である粘度を低下させる。より好ま
しい配合量の範囲は０．１〜２．０重量部である。
成系潤滑油からなる基油１００重量部に対して０．０５
〜５重量部配合する。これが０．０５重量部より少ない
と安定性向上の効果が小さく、また５重量部より多いと
冷凍機油の基本特性である粘度を低下させる。より好ま
しい配合量の範囲は０．１〜２．０重量部である。
【００１２】本発明で基油として使用される合成系潤滑
油は、ポリアルキレングリコール、変性ポリアルキレン
グリコール、カルボン酸エステルなどである。ポリアル
キレングリコールとしては、次の一般式ＲＯＡＨで表わ
されるポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエ
ーテル、あるいは多価アルコールの水酸基の全部もしく
は一部を上記式中の−ＯＡＨで置換したものなどが挙げ
られる。なお、前記一般式において、Ｒは炭素数１〜１
８の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基を示し、Ａは１種
又は２種以上の炭素数２〜４のアルキレンオキシド単位
３〜１００個から構成される重合鎖を示し、該重合鎖は
異なる２個以上のオキシアルキレンのランダム共重合体
又はブロック共重合体であってもよい。
油は、ポリアルキレングリコール、変性ポリアルキレン
グリコール、カルボン酸エステルなどである。ポリアル
キレングリコールとしては、次の一般式ＲＯＡＨで表わ
されるポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエ
ーテル、あるいは多価アルコールの水酸基の全部もしく
は一部を上記式中の−ＯＡＨで置換したものなどが挙げ
られる。なお、前記一般式において、Ｒは炭素数１〜１
８の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基を示し、Ａは１種
又は２種以上の炭素数２〜４のアルキレンオキシド単位
３〜１００個から構成される重合鎖を示し、該重合鎖は
異なる２個以上のオキシアルキレンのランダム共重合体
又はブロック共重合体であってもよい。
【００１３】また、変性ポリアルキレングリコールとし
ては、前記したポリアルキレングリコールの末端の水素
を、アルキル基で置換したポリオキシアルキレングリコ
ールジアルキルエーテル、又は前記末端の水酸基部をカ
ルボン酸でエステル化したものなどが挙げられる。
ては、前記したポリアルキレングリコールの末端の水素
を、アルキル基で置換したポリオキシアルキレングリコ
ールジアルキルエーテル、又は前記末端の水酸基部をカ
ルボン酸でエステル化したものなどが挙げられる。
【００１４】カルボン酸エステルとしては、多価アルコ
ールと１価カルボン酸、あるいは多価カルボン酸と１価
アルコールとのエステル化反応によって得られるエステ
ル、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールなどのネオペンチルポ
リオールのカルボン酸エステル、多価アルコールと多価
カルボン酸と、１価カルボン酸又は１価アルコールとの
エステル化反応によって得られるコンプレックスエステ
ルなどが挙げられる。
ールと１価カルボン酸、あるいは多価カルボン酸と１価
アルコールとのエステル化反応によって得られるエステ
ル、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールなどのネオペンチルポ
リオールのカルボン酸エステル、多価アルコールと多価
カルボン酸と、１価カルボン酸又は１価アルコールとの
エステル化反応によって得られるコンプレックスエステ
ルなどが挙げられる。
【００１５】これらの合成油は、適用する冷凍機の仕様
にあわせ、粘度その他適当な物性を有するものを適宜選
択、調製し、単独であるいは２種以上の混合物の形で使
用される。
にあわせ、粘度その他適当な物性を有するものを適宜選
択、調製し、単独であるいは２種以上の混合物の形で使
用される。
【００１６】また本発明の冷凍機油組成物に適合する冷
媒はハイドロフルオロカーボンであるが、その中でも
１，１，２，２−テトラフルオロエタン（Ｒ−１３
４）、１，１，１，２−テトラフルオロエタン（Ｒ−１
３４ａ）、ジフルオロメタン（Ｒ−３２）、１，１−ジ
フルオロエタン（Ｒ−１５２ａ）、ペンタフルオロエタ
ン（Ｒ−１２５）などが特に適している。
媒はハイドロフルオロカーボンであるが、その中でも
１，１，２，２−テトラフルオロエタン（Ｒ−１３
４）、１，１，１，２−テトラフルオロエタン（Ｒ−１
３４ａ）、ジフルオロメタン（Ｒ−３２）、１，１−ジ
フルオロエタン（Ｒ−１５２ａ）、ペンタフルオロエタ
ン（Ｒ−１２５）などが特に適している。
【００１７】本発明の冷凍機油組成物には、総合性能を
向上させるため、必要に応じて従来より公知の冷凍機油
用添加剤を添加することが出来る。例えば、その耐摩耗
性、耐荷重性をさらに改良するために、リン酸エステ
ル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エス
テル又は亜リン酸エステルなどのリン化合物、さらに、
ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−ｐ−クレゾール、ビスフェノー
ル等のフェノール系、フェニル−α−ナフチルアミン、
ＮＮ−ジ（２−ナフチル）−ｐ−フェニレンジアミン等
のアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防
止剤、塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、脂肪
酸等の油性剤、シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリア
ゾール等の金属不活性化剤等の添加剤を、単独で、また
は数種組み合わせて配合することも可能である。
向上させるため、必要に応じて従来より公知の冷凍機油
用添加剤を添加することが出来る。例えば、その耐摩耗
性、耐荷重性をさらに改良するために、リン酸エステ
ル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エス
テル又は亜リン酸エステルなどのリン化合物、さらに、
ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−ｐ−クレゾール、ビスフェノー
ル等のフェノール系、フェニル−α−ナフチルアミン、
ＮＮ−ジ（２−ナフチル）−ｐ−フェニレンジアミン等
のアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防
止剤、塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、脂肪
酸等の油性剤、シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリア
ゾール等の金属不活性化剤等の添加剤を、単独で、また
は数種組み合わせて配合することも可能である。
【００１８】本発明の冷凍機油組成物は、ハイドロフル
オロカーボン冷媒を用いる冷凍機に使用し、極めて高い
安定性が得られ、膨張弁の閉塞を起さず、冷凍機の寿
命、信頼性を大幅に向上させる。従って、往復動式や回
転式の圧縮機を有するカーエアコン、ルームエアコン、
除湿機、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、
ショーケース、化学プラント等の冷却装置等に特に好ま
しく用いられるが、遠心式の圧縮機を有するものにも好
ましく使用できる。
オロカーボン冷媒を用いる冷凍機に使用し、極めて高い
安定性が得られ、膨張弁の閉塞を起さず、冷凍機の寿
命、信頼性を大幅に向上させる。従って、往復動式や回
転式の圧縮機を有するカーエアコン、ルームエアコン、
除湿機、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、
ショーケース、化学プラント等の冷却装置等に特に好ま
しく用いられるが、遠心式の圧縮機を有するものにも好
ましく使用できる。
【００１９】
【実施例】以下、実施例と比較例により、本発明の内容
を更に具体的に説明する。表１に示す各実施例、比較例
の供試冷凍機油組成物を製造した。実施例１〜６、比較
例１〜４の合成系潤滑油基油としては、ネオペンチルグ
リコールと２−エチルヘキサン酸から合成された、分子
量約３５６、４０℃における粘度７．４ｃＳｔのポリオ
ールエステル（Ｅｓｔｅｒと略す）を合成して用いた。
実施例７，８、比較例５，６の合成系潤滑油基油として
は、下式で表される平均分子量１０００、４０℃におけ
る粘度５４ｃＳｔのポリアルキレングリコール（ＰＡＧ
と略す）を合成して用いた。
を更に具体的に説明する。表１に示す各実施例、比較例
の供試冷凍機油組成物を製造した。実施例１〜６、比較
例１〜４の合成系潤滑油基油としては、ネオペンチルグ
リコールと２−エチルヘキサン酸から合成された、分子
量約３５６、４０℃における粘度７．４ｃＳｔのポリオ
ールエステル（Ｅｓｔｅｒと略す）を合成して用いた。
実施例７，８、比較例５，６の合成系潤滑油基油として
は、下式で表される平均分子量１０００、４０℃におけ
る粘度５４ｃＳｔのポリアルキレングリコール（ＰＡＧ
と略す）を合成して用いた。
【化６】
【００２０】本発明の実施例においては、下記の各エポ
キシ化合物のいずれかを用いた。
キシ化合物のいずれかを用いた。
【化７】
【化８】
【００２１】
【化９】
【化１０】
【００２２】表１に示す比較例１においては、「Ｅｓｔ
ｅｒ」基油を単独で用いた。他の比較例においては、下
記のエポキシ化合物のうちいずれかを配合して用いた。
ｅｒ」基油を単独で用いた。他の比較例においては、下
記のエポキシ化合物のうちいずれかを配合して用いた。
【化１１】
【化１２】
【００２３】
【化１３】
【化１４】
【００２４】前記の合成系潤滑油ＰＡＧ又はＥｓｔｅｒ
に対して、表１に示すように、タイプの異なる前記の各
エポキシ化合物を表１に示す割合で配合し、各実施例、
比較例の冷凍機油組成物を得た。実施例及び比較例の冷
凍機油組成物の安定性並びに安定性試験後の色相（ＡＳ
ＴＭ）及びフロック析出の有無について、次に説明する
試験によって評価した。
に対して、表１に示すように、タイプの異なる前記の各
エポキシ化合物を表１に示す割合で配合し、各実施例、
比較例の冷凍機油組成物を得た。実施例及び比較例の冷
凍機油組成物の安定性並びに安定性試験後の色相（ＡＳ
ＴＭ）及びフロック析出の有無について、次に説明する
試験によって評価した。
【００２５】 安定性（カルボン酸との反応；Ｔｅｓｔ−Ａ）。 供試油０．６ｇ、ｎ−ヘプタン酸０．０１ｇ及びＲ−１
３４ａ冷媒２．４ｇを、触媒としてＦｅ線（１．６ｍｍ
φ×３０ｍｍ）、Ｃｕ線（１．６ｍｍφ×３０ｍｍ）を
入れたガラスチューブ内に封入し、１７５℃で１４日間
加熱、保持した後、室温まで放冷し、色相（ＡＳＴＭ）
を測定した後、毎分１〜２℃で冷却し、フロックの析
出、つまりエポキシ化合物とカルボン酸の反応生成物の
析出温度を測定した。
３４ａ冷媒２．４ｇを、触媒としてＦｅ線（１．６ｍｍ
φ×３０ｍｍ）、Ｃｕ線（１．６ｍｍφ×３０ｍｍ）を
入れたガラスチューブ内に封入し、１７５℃で１４日間
加熱、保持した後、室温まで放冷し、色相（ＡＳＴＭ）
を測定した後、毎分１〜２℃で冷却し、フロックの析
出、つまりエポキシ化合物とカルボン酸の反応生成物の
析出温度を測定した。
【００２６】安定性（水との反応；Ｔｅｓｔ−Ｂ）。 供試油０．６ｇ、水０．００５ｇ及びＲ−１３４ａ冷媒
２．４ｇを、触媒としてＦｅ線（１．６ｍｍφ×３０ｍ
ｍ）、Ｃｕ線（１．６ｍｍφ×３０ｍｍ）を入れたガラ
スチューブ内に封入し、１７５℃で１４日間加熱、保持
した後、室温まで放冷し、色相（ＡＳＴＭ）を測定した
後、毎分１〜２℃で冷却し、フロックの析出、つまりエ
ポキシ化合物と水の反応生成物の析出温度を測定した。
２．４ｇを、触媒としてＦｅ線（１．６ｍｍφ×３０ｍ
ｍ）、Ｃｕ線（１．６ｍｍφ×３０ｍｍ）を入れたガラ
スチューブ内に封入し、１７５℃で１４日間加熱、保持
した後、室温まで放冷し、色相（ＡＳＴＭ）を測定した
後、毎分１〜２℃で冷却し、フロックの析出、つまりエ
ポキシ化合物と水の反応生成物の析出温度を測定した。
【００２７】 安定性（塩素系溶剤との反応；Ｔｅｓｔ−Ｃ）。 供試油０．６ｇ、塩素系溶剤としてのＲ−１１３を０．
０１ｇ及びＲ−１３４ａ冷媒を２．４ｇを、触媒として
Ｆｅ線（１．６ｍｍφ×３０ｍｍ）、Ｃｕ線（１．６mm
φ×３０mm）を入れたガラスチューブ内に封入し、１７
５℃で１４日間加熱、保持した後、室温まで放冷し、色
相を測定した後、毎分１〜２℃で冷却し、フロックの析
出、つまりエポキシ化合物と塩素系溶剤の反応生成物の
析出温度を測定した。
０１ｇ及びＲ−１３４ａ冷媒を２．４ｇを、触媒として
Ｆｅ線（１．６ｍｍφ×３０ｍｍ）、Ｃｕ線（１．６mm
φ×３０mm）を入れたガラスチューブ内に封入し、１７
５℃で１４日間加熱、保持した後、室温まで放冷し、色
相を測定した後、毎分１〜２℃で冷却し、フロックの析
出、つまりエポキシ化合物と塩素系溶剤の反応生成物の
析出温度を測定した。
【００２８】Ｔｅｓｔ−Ａ〜Ｃの結果を表１に示す。
【００２９】
【表１】
【００３０】表１に示したように、実施例の冷凍機油組
成物は、カルボン酸、水、塩素系溶剤の共存下で反応さ
せた後もフロックの析出は見られず、ハイドロフルオロ
カーボン冷媒に溶解している。一方エポキシ化合物無添
加の比較例１はカルボン酸の共存下でフロックを析出
し、また比較例２〜６の一般的なエポキシ化合物を用い
た冷凍機油組成物は、加水分解抑制にはある程度の効果
はあるものの、カルボン酸、水、塩素系溶剤の共存下で
の反応生成物はいずれもハイドロフルオロカーボン冷媒
と相溶せず、フロックを析出しており、冷凍システムの
膨張弁閉塞の危険性を有している。
成物は、カルボン酸、水、塩素系溶剤の共存下で反応さ
せた後もフロックの析出は見られず、ハイドロフルオロ
カーボン冷媒に溶解している。一方エポキシ化合物無添
加の比較例１はカルボン酸の共存下でフロックを析出
し、また比較例２〜６の一般的なエポキシ化合物を用い
た冷凍機油組成物は、加水分解抑制にはある程度の効果
はあるものの、カルボン酸、水、塩素系溶剤の共存下で
の反応生成物はいずれもハイドロフルオロカーボン冷媒
と相溶せず、フロックを析出しており、冷凍システムの
膨張弁閉塞の危険性を有している。
【００３１】
【発明の効果】本発明の特定のエポキシ化合物を配合し
てなる冷凍機油組成物は、特にハイドロフルオロカーボ
ン冷媒を使用するカーエアコン、電気冷蔵庫あるいは産
業用等の冷凍機などに使用し、安定性が高くかつ膨張弁
の閉塞を起こさず、冷凍機の寿命、信頼性を大幅に向上
させうるという格段の効果を発揮する。
てなる冷凍機油組成物は、特にハイドロフルオロカーボ
ン冷媒を使用するカーエアコン、電気冷蔵庫あるいは産
業用等の冷凍機などに使用し、安定性が高くかつ膨張弁
の閉塞を起こさず、冷凍機の寿命、信頼性を大幅に向上
させうるという格段の効果を発揮する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１０Ｍ 129:18） Ｃ１０Ｎ 30:00 Ｃ 8217−4Ｈ 30:12 40:30
Claims (2)
- 【請求項１】 合成系潤滑油１００重量部に対し、式
（Ｉ）で表されるエポキシ化合物を０．０５〜５重量部
配合してなることを特徴とする、ハイドロフルオロカー
ボンを冷媒として用いる冷凍機用の冷凍機油組成物。 【化１】 （式中Ｒ1 およびＲ2 は、それぞれ独立してメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基を示
す）。 - 【請求項２】 前記式（Ｉ）において、Ｒ1 及びＲ2 に
含まれる炭素数の合計が５又は６である、請求項１に記
載の冷凍機油組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4239555A JPH0688087A (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 冷凍機油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4239555A JPH0688087A (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 冷凍機油組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0688087A true JPH0688087A (ja) | 1994-03-29 |
Family
ID=17046548
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4239555A Pending JPH0688087A (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 冷凍機油組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0688087A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5844024A (en) * | 1993-01-18 | 1998-12-01 | Ciba Specialty Chemicals Corporation | Cyclic diphenylacetonitriles as stabilizers |
| JP2013523947A (ja) * | 2010-03-31 | 2013-06-17 | シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー | エポキシド耐摩耗性添加剤含有潤滑油組成物 |
| JP2014224271A (ja) * | 2012-10-31 | 2014-12-04 | ダイキン工業株式会社 | 冷凍装置 |
| JPWO2016133001A1 (ja) * | 2015-02-20 | 2017-11-30 | Ｊｘｔｇエネルギー株式会社 | 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物 |
-
1992
- 1992-09-08 JP JP4239555A patent/JPH0688087A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5844024A (en) * | 1993-01-18 | 1998-12-01 | Ciba Specialty Chemicals Corporation | Cyclic diphenylacetonitriles as stabilizers |
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| US9006160B2 (en) | 2010-03-31 | 2015-04-14 | Chevron Oronite Company Llc | Lubricating oil compositions containing epoxide antiwear agents |
| JP2014224271A (ja) * | 2012-10-31 | 2014-12-04 | ダイキン工業株式会社 | 冷凍装置 |
| JP2021036193A (ja) * | 2012-10-31 | 2021-03-04 | ダイキン工業株式会社 | 冷凍装置 |
| JPWO2016133001A1 (ja) * | 2015-02-20 | 2017-11-30 | Ｊｘｔｇエネルギー株式会社 | 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物 |
| US10351793B2 (en) | 2015-02-20 | 2019-07-16 | Jxtg Nippon Oil & Energy Corporation | Refrigerator oil and working fluid composition for refrigerators |
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