JPH0688007A - ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物 - Google Patents

ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0688007A
JPH0688007A JP27228592A JP27228592A JPH0688007A JP H0688007 A JPH0688007 A JP H0688007A JP 27228592 A JP27228592 A JP 27228592A JP 27228592 A JP27228592 A JP 27228592A JP H0688007 A JPH0688007 A JP H0688007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neodymium
acrylic resin
acid
resin composition
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27228592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3366353B2 (ja
Inventor
Masahito Konakawa
雅人 粉川
Kozo Nakao
公三 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP27228592A priority Critical patent/JP3366353B2/ja
Publication of JPH0688007A publication Critical patent/JPH0688007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3366353B2 publication Critical patent/JP3366353B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アクリル樹脂に対してネオジムを0.5〜5
重量%含有し、かつ該ネオジムは構造式Cn 2n+1CO
OH(nは3〜6)で表される飽和脂肪族カルボン酸か
ら選ばれる少なくとも1種以上の酸の塩として含有して
いることを特徴とする溶融成形可能で実質的に透明なネ
オジム含有透明アクリル樹脂組成物に関する。 【効果】 本発明のネオジム含有透明アクリル樹脂組成
物は鋳型中にて重合させる従来の方法よりはるかに製造
コストの安価な溶融成形にて簡易に実施できまた得られ
る樹脂板が透明であるためテレビ表面板やレンズ、照明
器具などの光学的樹脂材料等多方面に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビ表面板やレン
ズ、照明器具などの光学的樹脂材料に関し特に光線透過
率を損なうことなく、色再現における忠実度を向上させ
ると同時に防眩効果をかねそなえた溶融成形可能なネオ
ジム含有透明アクリル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂はその透明性や優れた機
械的強度を有すことからあらゆる分野に利用されてい
る。メタクリル酸メチルに無機物である金属を添加させ
た機能性材料として利用する方法も従来から多く知られ
ている。原子番号60のネオジムはその光吸収特性が人
間の最も視感度の大きな波長580nm付近の波長を選択
することが知られている。最近照明光源としては高輝度
光源の利用が増加している。そのため高輝度ランプの演
色性並びに幻惑の防止が切望されている。防眩方法とし
て580nm付近の波長を選択的に吸収するフィルターを
通してみると防眩効果があることが知られている。
【0003】またプロジェクションテレビの普及により
テレビの表面スクリーンやレンズなどにおけるコントラ
スト性能の向上や忠実な色再現性能が望まれている。と
ころでプロジェクションテレビにおいて使用されている
陰極線管がカラー陰極線管である場合、これらのうち赤
色光用の発光スペクトルは図1に示した如くでありきわ
めて急峻なメインピークを波長610nm付近及び630
nm付近に有している。また緑色光用の発光スペクトルは
図2に示される如くでありきわめて急峻なピークを波長
約550nm付近に有し発光のサブピークを波長480nm
〜490nm付近及び約625nm付近に有している。更に
青色光用の発光スペクトルは発光ピークを波長約450
nm付近に有したものとなっている。そのため三原色が互
いにメインピークを干渉しあい忠実な色再現はなされて
いない。この色再現性を向上させるには緑色陰極管線の
発光のうちの波長560〜600nmの波長帯をカットす
ることによって実現される。このような防眩効果及び色
の再現性の忠実度向上のために波長580nm付近に強い
吸収を持つネオジムが有効であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来ネオジム含有透明
アクリル樹脂を得る方法としては特公平2−19842
号に記載の如く無機酸または有機酸のネオジム塩を溶解
させる溶媒存在下でメタクリル酸メチルを鋳型中にて重
合させる方法があった。これは透明な樹脂板が得られる
ものの製造工程が複雑なことや、溶媒により可溶化する
場合、アクリル樹脂の機械的強度の低下があることやア
クリル酸ネオジム、メタクリル酸ネオジムなどの重合性
ネオジム塩の共重合による場合はこれらが多官能性であ
るため共重合による金属架橋が生じ溶融成形が不可能で
あり成形加工コストがかかるなどの多くの問題があっ
た。
【0005】また一方特開昭51−56851号、特開
昭51−58444号、特開昭58−160941号は
メタクリル樹脂に無機ネオジム塩や有機ネオジム塩を混
練等の方法により均一に分散させることにより溶融成形
の可能な材料を得ている。しかし前2者は全光線透過率
は高いものの透視性はない。また特開昭58−1609
41号は光拡散性を有する透過形スクリーンを得ること
を目的としているので、問題はないが、該発明に記載さ
れたカルボン酸のネオジム塩を用いた場合後述の比較例
に示す如く比較的散乱の多い材料しか得ることができな
い。また該公報には具体的な実施例を示されていない
が、メタクリル酸ネオジムあるいはアクリル酸ネオジム
は共重合することができるので透明度の高いアクリル樹
脂を得ることができると記載されているが、本発明者ら
の実験によれば、ネオジム濃度を高めた共重合体は金属
架橋のために溶融成形は実質的に無理であった。また実
質的に透明なアクリル樹脂のネオジム含有量ではネオジ
ム特有の分光透過性は呈するが、その光吸収の度合いは
小であり、そこでかかる無機ネオジム塩や有機ネオジム
塩の含有量を増大すると散乱が多くなり、平行光線透過
率が著しく低下し実質的な透明性は消失する。またメタ
クリル酸エステル単量体と共重合可能なメタクリル酸ネ
オジムやアクリル酸ネオジム等をメタクリル樹脂に均一
に分散させた状態でも同様に透明性はなかった。
【0006】本発明は上述の如く従来のネオジム含有樹
脂の欠点や不都合を解消すべく製造加工コストの安価な
溶融成形可能なネオジム含有透明アクリル樹脂を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は溶融成形可能
なネオジム含有透明アクリル樹脂を開発するために鋭意
研究を重ねた結果、構造式Cn 2n+1COOH(nは3
〜6)で表される飽和脂肪族カルボン酸から選ばれる少
なくとも1種以上の酸のネオジム塩を含有させる事によ
り、目的が達成されることを見出した。
【0008】
【作用】本発明における樹脂板の実質的な透明とは透視
性を有するということであり、具体的には3mm樹脂板に
て平行光線透過率が30%以上であり好ましくは50%
以上、更に好ましくは70%以上であり曇価が10以下
であり好ましくは5以下であり更に好ましくは3以下で
ある。
【0009】本発明のアクリル樹脂とは樹脂組成物中に
メタクリル酸メチル単量体単位を51重量%以上含み、
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体との重合物で
ある。また溶融成形を行うためには分量100000〜
200000が望ましく、さらに好ましくは分子量10
0000〜130000である。メタクリル酸メチルと
共重合可能な単量体とは、例えばアクリル酸およびメタ
クリル酸のアルキルエステル類、あるいはスチレン、ア
クリルアミドなどがあるが特にアクリル酸のアルキルエ
ステルが好ましい。これらの混合あるいは共重合割合
は、得られるアクリル樹脂の物性を考慮しながら任意に
選ぶことができる。本発明のアクリル樹脂はいかなる重
合法によってもまわないが懸濁重合が好ましい。
【0010】また特に通常のアクリル樹脂に比べて熱変
形温度の高い透明樹脂として主鎖中にイミド構造を有す
るグルタルイミドアクリル樹脂が提案されており、本発
明のイミド化アクリル樹脂とは下記一般式(1)で表さ
れるグルタルイミド環を少なくとも3重量%好ましくは
15重量%含有するイミド化アクリル樹脂である。
【0011】
【化2】 イミド化アクリル樹脂は主鎖中に剛直な環構造を有して
おり、ガラス転移点が高いため、熱変形温度が高く、高
温に曝される用途に対しては通常のアクリル樹脂よりも
好適に使用できる場合があり、グルタルイミド構造単位
の含有率が高くなるにつれて熱変形温度が高くなる。グ
ルタルイミド環が3重量%未満の場合は耐熱温度が低く
高温に曝される用途に適さなくなる。
【0012】これらの樹脂組成物に含有させるネオジム
は構造式Cn 2n+1COOH(nは3〜6)で表される
飽和脂肪族カルボン酸から運ばれる少なくとも1種以上
のカルボン酸の塩である。例えばn−酪酸ネオジム、イ
ソ酪酸ネオジム、n−吉草酸ネオジム、イソ吉草酸ネオ
ジム、カプロン酸ネオジム、ヘプタン酸ネオジムであ
る。
【0013】nが2以下の飽和脂肪族カルボン酸の塩で
は溶融成形時、加熱による熱分解が起こりやすく着色の
原因となる。例えば酢酸ネオジムは250℃で熱分解す
ることが知られている。またnが7以上の飽和脂肪族カ
ルボン酸の塩ではネオジム塩のネオジム含有率が低く実
用的に満足するネオジム量をアクリル樹脂に含有させた
場合は光学的性質や機械的強度の低下をきたすので好ま
しくない。
【0014】またメタクリル酸のような不飽和脂肪族カ
ルボン酸では後述の比較例の如く透明度の低いアクリル
樹脂となる。これらネオジム塩は単独でも使用できるし
組み合わせて使用することもできる。例えばn−吉草酸
ネオジムとカプロン酸ネオジム、n−吉草酸ネオジムと
イソ吉草酸ネオジム、n−酪酸ネオジムとイソ吉草酸ネ
オジムなどである。好ましくはn−吉草酸ネオジムとカ
プロン酸ネオジム、n−酪酸ネオジムとn−吉草酸ネオ
ジム、吉草酸ネオジムとヘプタン酸ネオジムの組み合わ
せであり更に好ましくはn−吉草酸ネオジムとカプロン
酸ネオジムの組み合わせである。単独の飽和脂肪族カル
ボン酸のネオジム塩の組み合わせの割合は任意に選ぶこ
とができる。あるいはネオジム原子に2種以上の飽和脂
肪族カルボン酸が結合したネオジム塩としても使用でき
る。
【0015】またネオジム原子に2種以上の飽和脂肪族
カルボン酸が結合したネオジム塩で、飽和脂肪族カルボ
ン酸の種類の組み合わせは任意に選ぶことができる。こ
れらのうち好ましくはn−吉草酸とカプロン酸との混酸
のネオシム塩である。n−吉草酸とカプロン酸の割合は
n−吉草酸が50〜80%が最も好ましく、特に透明度
の高いアクリル樹脂組成物を得ることができる。ネオジ
ム塩が前記以外の無機ネオジム塩や有機ネオジム塩にす
るとアクリル樹脂の透明性が損なわれたり、機械的強度
の低下をきたす。
【0016】本発明のアクリル樹脂に含有させるネオジ
ムの使用量はネオジム元素換算で樹脂原料に対して0.
5〜5重量%である。ネオジム塩の使用量が0.5未満
の場合は得られる樹脂組成物の光選択吸収性が劣り、ま
た5重量%を越えると波長580nm付近の光線透過率が
実質的に0%近くなりそれ以上の含有率にしても特にメ
リットはない。
【0017】本発明のネオジム含有透明アクリル樹脂組
成物はアクリル樹脂組成物とネオジム塩を分散混合させ
た混合物を押し出し成形、加熱プレス成形、ロール成
形、射出成形等の手法により容易に任意の形状や厚さに
成形できる。またアクリル樹脂として本来有している実
用的な透明性、機械的強度を損なうことがないので光学
レンズや照明カバーなどの光吸収選択フィルターや防眩
材料として好適に使用される。また本発明においては必
要に応じて紫外線吸収剤や赤外線吸収剤または可視光線
領域において吸収を示す別の光選択吸収剤や光拡散剤を
用途に応じて併用することができる。
【0018】
【実施例】まず代表的なネオジム塩の合成例について説
明する。 合成例1 n−吉草酸5.6gに30%水酸化ナトリウム水溶液1
1gを攪拌下に滴下して、この水溶液をpH7.0〜7.
5に調節した。この液を50℃の温度に保持しつつ、こ
れに三塩化ネオジム4.6gを溶解した水溶液100g
を攪拌しながら注いだ。時間攪拌後、沈殿したn−吉草
酸ネオジムを濾別し洗浄して乾燥した。収率は70%で
あった。 合成例2 酸化ネオジム4.1g、イソ酪酸6.4gを水中にて8
0℃2時間攪拌し未反応個体を濾別し減圧下にて乾燥さ
せイソ酪酸ネオジムを得た。収率は81%であった。 合成例3 n−吉草酸9.3g、n−カプロン酸5.3gの混酸に
30%水酸化ナトリウム水溶液18.2gを撹拌下に滴
下しpHを7.0〜7.5に調節した。この液を70℃に
保持しつつ1時間攪拌した。これに三酸化ネオジム17
gを溶解した水溶液百gを攪拌下に注いだ。1時間攪拌
後沈殿を濾別し洗浄乾燥しn−吉草酸、n−カプロン酸
ネオジムを得た。
【0019】次に実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明を限定するものではない。
【0020】実施例1 合成例1で得られたn−吉草酸ネオジム3gをメタクリ
ル酸メチルとアクリル酸メチルの共重合ピーズ(クラレ
製メタクリル成形材料G−1000)97gに混合し2
30℃で射出成形し厚み3mmの樹脂板を得た。得られた
樹脂板は平行光線透過率が高い透明な樹脂板であった。
この樹脂板の分光透過率をU−3410形自記分光光度
計(日立製作所製)で測定したところ、図3に示すよう
に580nm付近において吸収が認められた。
【0021】実施例2 カプロン酸ネオジムを、ネオジム元素換算でそれぞれ
1,2,3,4重量%となるようにメタクリル酸メチル
とアクリル酸メチルの共重合ビーズ(クラレ製メタクリ
ル成形材料HR−L)に混合し230℃でミルにて混練
後加熱プレス成形し厚み3mmの樹脂板を得た。得られた
樹脂板はいずれも透明であった。
【0022】実施例3 n−吉草酸ネオジム2gとカプロン酸ネオジム1.2g
をHR−L96.8gに混合し230℃でミルにて混練
後加熱プレス成形し厚み3mmの樹脂板を得た。得られた
樹脂板は透明であった。
【0023】実施例4 合成例4で得られたn−吉草酸とカプロン酸とのネオジ
ム塩3.2gをHR−L96.8gに混合し230℃に
てミルにて混練後加熱プレス成形し厚み3mmの樹脂板を
得た。得られた樹脂板は透明であった。
【0024】実施例5 合成例1で得られたn−吉草酸ネオジム3gをメタクリ
ル酸メチルの共重合比90%のスチレンとの共重合ビー
ズ97gに250℃で混練後加熱プレス成形し厚み3mm
の樹脂板を得た。得られた樹脂板は透明であった。
【0025】実施例6 ヘプタン酸ネオジム3.7gをHR−L96.3gに混
合し、230℃でミルにて混練後加熱プレス成形し厚み
3mmの樹脂板を作った。得られた樹脂板は透明であっ
た。
【0026】比較例1 酸化ネオジム10g、メタクリル酸17g及び水100
gを混合し、懸濁状態で60℃3時間攪拌し、未反応個
体を濾別し除いた後、減圧下に水を蒸発されて濃縮し、
結晶を析出させた。この結晶をアセトンで洗浄し、減圧
下に乾燥させてメタクリル酸ネオジムを得た。得られた
メタクリル酸ネオジム4gをHR−Lビーズ96gに混
合したミルで230℃にて混練した後加熱プレス成形し
厚み2mmの樹脂板を得た。得られた樹脂板は平行光線透
過率が低く散乱の大きな樹脂板であった。
【0027】比較例2 アクリル酸ネオジム2.5gをHR−Lビーズ97.5
gに混合し、230℃にてミルで混練し、230℃で加
熱プレス成形し厚み2mmの樹脂板を得た。得られた樹脂
板は平行光線透過率が低く散乱の大きな樹脂板であっ
た。
【0028】比較例3 酢酸ネオジム2.2gをHR−Lビーズ97.8gに混
合しミルで230℃にて混練したのち加熱プレス成形し
3mm樹脂板を得た。得られた樹脂板は平行光線透過率が
低く黄着色した樹脂板であった。
【0029】
【表1】 実施例7 合成例1で得られたn−吉草酸ネオジム3gを、式
(1)に置けるR1,2,3 =CH3 であるグルタルイ
ミド構造を76重量%含むイミド化アクリル樹脂97g
に混合し260℃で射出成形し厚み3mmの樹脂板を得
た。得られた樹脂板は平行光線透過率が高い透明な樹脂
板であった。この樹脂板の分光透過率をU−3410形
自記分光光度計(日立製作所製)で測定したところ、図
4に示すように580nm付近において吸収が認められ
た。
【0030】実施例8 吉草酸ネオジム3.4gを式(1)に置けるR1,2
CH3,3 =Hであるグルタルイミド構造を35重量%
含むイミド化アクリル樹脂96.6gに混合し260℃
でミルにて混練後加熱プレス成形し厚み3mmの樹脂板を
得た。得られた樹脂板はいずれも透明であった。
【0031】実施例9 n−吉草酸ネオジム2gとカプロン酸ネオジム1.2g
を実施例7と同じイミド化アクリル樹脂96.6gに混
合し260℃でミルにて混練後加熱プレス成形し厚み3
mmの樹脂板を得た。得られた樹脂板は透明であった。
【0032】実施例10 合成例4で得られたn−吉草酸とカプロン酸とのネオジ
ム塩3.2gを実施例7と同じイミド化アクリル樹脂9
6.8gに混合し260℃にてミルにて混練後加熱プレ
ス成形し厚み3mmの樹脂板を得た。得られた樹脂板は透
明であった。
【0033】比較例4 酸化ネオジム10g、メタクリル酸17g及び水100
gを混合し、懸濁状態で60℃3時間攪拌し、未反応個
体を濾別し除いた後、減圧下に水を蒸発されて濃縮し、
結晶を析出させた。この結晶をアセトンで洗浄し、減圧
下に乾燥させてメタクリル酸ネオジムを得た。得られた
メタクリル酸ネオジム4gを実施例7と同じイミド化ア
クリル樹脂96gに混合したミルで260℃にて混練し
た後加熱プレス成形し厚み2mmの樹脂板を得た。得られ
た樹脂板は平行光線透過率が低く散乱の大きな樹脂板で
あった。
【0034】比較例5 アクリル酸ネオジム2.5gを実施例7と同じイミド化
アクリル樹脂97.5gに混合し、260℃にてミルで
混練し、260℃で加熱プレス成形し厚み2mmの樹脂板
を得た。得られた樹脂板は平行光線透過率が低く散乱の
大きな樹脂板であった。
【0035】比較例6 酢酸ネオジム2.2gを実施例7と同じイミド化アクリ
ル樹脂97.8gに混合しミルで260℃にて混練した
のち加熱プレス成形し3mm樹脂板を得た。得られた樹脂
板は平行光線透過率が低く黄着色した樹脂板であった。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上述べたような構成からなる本発明の
ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物は鋳型中にて重合
させる従来の方法よりはるかに製造コストの安価な溶融
成形にて簡易に実施できまた得られる樹脂板が透明であ
るためテレビ表面板やレンズ、照明器具などの光学的樹
脂材料等多方面に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー陰極線管における蛍光体の発光スペクト
ルを示すグラフである。
【図2】カラー陰極線管における蛍光体の発光スペクト
ルを示すグラフである。
【図3】本発明による樹脂の各波長域における光の透過
率を示すグラフである。
【図4】実施例7における樹脂の各波長域における光の
透過率を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂に対してネオジムを0.5
    〜5重量%含有し、かつ該ネオジムは構造式Cn 2n+1
    COOH(nは3〜6)で表される飽和脂肪族カルボン
    酸から選ばれる少なくとも1種以上の酸の塩として含有
    していることを特徴とする溶融成形可能で実質的に透明
    なネオジム含有透明アクリル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂が下記一般式(1)で表さ
    れるグルタルイミド環を少なくとも3重量%含有するイ
    ミド化アクリル樹脂である請求項1に記載のネオジム含
    有透明アクリル樹脂組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 ネオジムがn−酪酸ネオジム、イソ酪酸
    ネオジム、n−吉草酸ネオジム、イソ吉草酸ネオジム、
    カプロン酸ネオジム、ヘプタン酸ネオジムの一種または
    一種以上の混合物として含有されたものであることを特
    徴とする請求項1,2記載のネオジム含有透明アクリル
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ネオジムがn−酪酸、イソ酪酸、n−吉
    草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸より選ばれ
    た少なくとも一種以上の酸の混合塩として含有されたこ
    とを特徴とする請求項1,2記載のネオジム含有透明ア
    クリル樹脂組成物。
JP27228592A 1992-01-30 1992-09-16 ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3366353B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27228592A JP3366353B2 (ja) 1992-01-30 1992-09-16 ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4013892 1992-01-30
JP4-40138 1992-01-30
JP27228592A JP3366353B2 (ja) 1992-01-30 1992-09-16 ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0688007A true JPH0688007A (ja) 1994-03-29
JP3366353B2 JP3366353B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=26379573

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27228592A Expired - Fee Related JP3366353B2 (ja) 1992-01-30 1992-09-16 ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3366353B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3366353B2 (ja) 2003-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4500417B2 (ja) 光学材料及びその製造方法
US5306746A (en) Resin compositions and optical products making use thereof
JPH10221523A (ja) 光学フィルターおよびこれを備えた装置、眼鏡レンズ、熱線吸収フィルター並びに光ファイバー
JP2002071941A (ja) 光学材料
JP2648224B2 (ja) 光学フィルターなどの光学製品
US4504616A (en) Neodymium-containing transparent resin and method for manufacture thereof
JP3366353B2 (ja) ネオジム含有透明アクリル樹脂組成物
JP4733402B2 (ja) 調光光学要素
EP0989419B1 (en) Composition for near infrared absorption filter, and near infrared absorption filter produced using said composition
JPH09188796A (ja) プラスチック製光学部材
JP2000007870A (ja) 樹脂組成物およびその製造方法、光学フィルターおよびこれを備えた装置、熱線吸収フィルター、光ファイバーおよび眼鏡レンズ
JPS61159440A (ja) 光散乱性アクリル樹脂組成物
JPH05179054A (ja) 光拡散剤及び光拡散剤を含有する樹脂組成物
JP3065152B2 (ja) 光選択機能性樹脂組成物
JPH11271502A (ja) 光学材料およびその製造方法並びに応用機器
JPS5915910A (ja) プラスチツク防眩フイルタ−の製造方法
KR100673550B1 (ko) 폴리메틸메타아크릴레이트 비드의 제조방법
JPH11160529A (ja) 光学フィルターおよびこれを備えた装置、熱線吸収フィルター、光ファイバー並びに眼鏡レンズ
JPS59217705A (ja) ネオジム含有透明樹脂およびその製造方法
JP2006160980A (ja) 光拡散樹脂組成物
JPH06214195A (ja) 高濃度調光材料
JPH06324213A (ja) 複合光学フィルター
JP2558930B2 (ja) 光選択機能性樹脂組成物
JP2004226913A (ja) 選択的光吸収性を有する透明光学材料とその製造方法
JPH1095890A (ja) プラスチック製光学材料およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071101

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081101

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091101

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091101

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101101

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees