JPH0687894A - 平滑筋細胞増殖因子およびそれをコードする単離されたdna - Google Patents
平滑筋細胞増殖因子およびそれをコードする単離されたdnaInfo
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- JPH0687894A JPH0687894A JP5022590A JP2259093A JPH0687894A JP H0687894 A JPH0687894 A JP H0687894A JP 5022590 A JP5022590 A JP 5022590A JP 2259093 A JP2259093 A JP 2259093A JP H0687894 A JPH0687894 A JP H0687894A
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Abstract
ル化組み換え哺乳動物BTC−GF蛋白質、該蛋白質を
コードする単離DNA、該単離DNAをもつ組み換えベ
クター、該ベクターを含有する形質転換細胞、および該
形質転換細胞を培地中で培養することからなる上記蛋白
質の製造方法。 (1)His−Phe−Ser−Arg−Cys−Pr
o−Lys−Gln−Tyr−Lys−His−Tyr
−Cys−Ile, (2)Gly−Arg−Cys−Arg−Phe−Va
l−Val, (3)Glu−Gln−Thr−Pro−Ser−Cy
s、および (4)Gly−Ala−Arg−Cys−Glu−Ar
g−Val−Asp−Leu−Phe−Tyr 【効果】 非グリコシル化組み換え哺乳動物BTC−G
F蛋白質は、平滑筋増殖因子の関与する病気の治療に、
また創傷/潰瘍治癒に有用な医薬として利用可能であ
る。
Description
激する非グリコシル化組換え型哺乳動物BTC−成長因
子蛋白質及びその用途に関するものである。
細胞の増殖については広く研究されているが(例えば、
Schwartz 等、サーキュレーション・リサーチ(Circula
tion Research)、第58巻、第4号、第427頁参
照。ここの開示は、本文献をここに記載することによ
り、本明細書に引用する。)、平滑筋細胞の増殖を制御
するシグナルについては、大部分が未知のままである。
平滑筋細胞増殖は、動脈硬化症(アテローム性動脈硬化
症及び高血圧症)のような病気において中心的な役割を
演じていることが知られており、幼児における平滑筋増
殖の欠如は、血管奇形においても何らかの役割を演じて
いる。このように、平滑筋細胞複製ができない場合は、
血管の損傷を治療できなくなり、死に至ることも多い。
アテローム性動脈硬化の損傷が形成されている間に、平
滑筋細胞の複製が起こることは、現在一般に知られてい
るが、プラークの履歴全体におけるその増殖応答の役割
は、全てが明らかになっているわけではない。2、3の
研究者は、動脈の発育中に起こる複製が、脂質蓄積及び
内皮損傷に先だって、アテローム性動脈硬化の損傷にお
いて起こる最初のことであると示唆している。血管壁に
おける平滑筋複製を説明する主要な仮説は、損傷応答仮
説である。簡単に言うと、この仮説は、血管壁の平滑筋
細胞が、通常、静止状態で存在すると言うことである。
内皮が損傷を受けると、血小板は、動脈内膜への平滑筋
細胞の移動及びその中での複製を刺激する因子を放出す
る[Ross, アルテリオスクレローシス(Arterioscleros
is) 1, 293-311 (1981)]というものである。Ross
は、培養平滑筋細胞の増殖には、血小板由来成長因子
(PDGF)が必要であることも示した[Ross 及び Gl
omset、ニューイングランド ジャーナル オブ メディス
ン(N. Eng. J. Med.) 295, 369-377, 420-425 (197
6)]。Ross の観察は、それに続くPDGFの精製、そ
の受容体の同定、更に最近では、2つのPDGFペプチ
ド鎖のうちの1つの遺伝子としてのオンコジーンc−s
isの同定をもたらした。
は、インシュリン様成長因子(IGF−1)としても知
られるソマトメジンCの利用である。IGF−1それ自
身は、平滑筋細胞により合成することができ,IGF−
1に対する抗体は、細胞周期の進行を抑制する。これら
のデータは、PDGFが、それ自体の進行因子の産生を
刺激することが可能であることを示唆している。この観
察は、血管壁に固有な因子により平滑筋複製を制御でき
るかも知れないと言う興味ある可能性に対し、かなり重
要な示唆をするものである。PDGFとは別に、平滑筋
細胞の分裂を促進する他の物質も研究されている。更
に、血小板も、上皮細胞成長因子(EGF)に類似する
蛋白質[Oka 及び Orth、ジャーナル・オブ・クリニカ
ル・インヴェスティゲーション(J. Clin. Invest.) 7
2、249-259 (1983)並びにAssoian 等、(1994)]及びβ
腫瘍成長因子と呼ばれる、懸濁状態の細胞の成長を助け
ることのできる因子[Tucker 等、サイエンス(Scienc
e) 226、705-777 (1984)]を含んでいる。しかしなが
ら、増殖の刺激に対するこれらのそれぞれの相対的な寄
与については、大部分が知られていない。高血圧症にお
ける平滑筋複製を制御する刺激についても、大部分が未
知のままである。悪性高血圧症での微小血管の変化にお
いてPDGFは重要な役割を演じているかも知れない
が、大きい血管又はより穏やかな形若しくはより慢性的
な形の高血圧により影響を受ける血管には、PDGFは
含まれていないようである。種々の病状における平滑筋
の役割については、多くの研究があり、PDGFのよう
な成長因子のいくつかの機構及び役割が探求されている
が、平滑筋細胞の増殖を刺激する分裂促進因子(マイト
ージェン)についての新しい情報はその解明に当然必要
である。このような分裂促進因子を同定することによっ
て、平滑筋分裂促進因子に対する抗体又はこのような分
裂促進因子の受容体に結合する競合蛋白質を用いる競合
的結合戦略のような、種々の治療戦略を工夫することが
可能となるのである。平滑筋分裂促進因子は、血管奇形
のような状態の治療に、あるいは創傷/潰瘍治癒におけ
る成長因子として、用いることもできる。
的に各ベータ細胞がオンコジーンSV40ラージTを発
現している、遺伝子導入マウス(RIP1−Tag2)
から当初誘導された膵臓腫瘍細胞の馴化培地から得るこ
とのできる新規な成長因子(以下、“BTC−GF”と
言う)を提供する出願を行なった(特願平3−2796
76号)。BTC−GFが元来それから同定され、単離
され、精製された膵臓腫瘍細胞(以下、“BTC−3細
胞”と言う)のサンプルは、ブダペスト条約により、ア
メリカン・タイプカルチャー・コレクション(The Amer
ican Type Culture Collection)にATCC寄託番号C
RL 10585として1990年10月26日に寄託
されている。BTC−GFは、サブラインの膵臓腫瘍細
胞(以下、BTC−JC10細胞と言う)から精製して
もよく、その細胞のサンプルは、ブダペスト条約によ
り、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに
ATCC寄託番号CRL 10875として1991年
9月24日に寄託されている。本発明のBTC−GF
は、平滑筋細胞、3T3線維芽細胞及び網膜色素上皮細
胞のための分裂促進因子であり、内皮細胞のためのもの
ではない。BTC−GFは、煮沸、10mMジチオスレ
イトル及び1M酢酸にさらすことによっても失活しな
い。BTC−GFの生物活性は、SDS−PAGEにお
いて、約32,000の分子量を有する蛋白質の単一バ
ンドとして存在する。BTC−3及びBTCーJC10
の両方から精製されたBTC−GFのN−末端アミノ酸
配列を比較することにより決定した、BTC−GFの部
分N−末端アミノ酸配列(配列番号:1)は、次の通り
である。 Asp-Gly-Asn-Thr-Thr-Arg-Thr-Pro-Glu-Thr-Asn-Gly-Se
r-Leu-Cys-Gly-Ala-Pro-Gly-Glu-Asn-Cys-Thr-Gly (図
7および9参照) 翻訳されたGENBANK及びNBRF蛋白質データベ
ースによるコンピューター調査では、同様の蛋白質は見
つからなかった。
治療と共に、血管奇形の治療に用いられることができ
る。BTC−GFは、抗体や偽ペプチド(false peptid
es)のような競合剤を産生するのに使われてもよい。B
TC−GFは、小島(ランゲルハンス氏島)のインシュ
リン産生細胞に由来するために、このような競合剤を、
高血圧症と共に、糖尿病において認められるアテローム
性動脈硬化症及び糖尿病性網膜症のような平滑筋細胞増
殖に起因する病気の治療に用いることもできる。また、
この因子は診断テストにも用いられる。例えば、この成
長因子に対する抗体が、小島での死にかかっている又は
再生しつつあるベータ細胞がこの因子を放出している糖
尿病患者の血液中に、この因子を検出することができ
る。本発明は新規な非グリコシル化組み換え哺乳動物B
TC−GF、哺乳動物BTC−GFをコードする単離さ
れたDNAを提供するが、このDNAはヒトBTC−G
Fをコードする単離されたDNAを含み、またこのDN
Aから発現される生成物も包含するものである。本発明
によって、平滑筋細胞の増殖を促進する新規な非グリコ
シル化組み換え哺乳動物の成長因子BTC−GF、およ
びその製造方法を提供するものである。天然のBTC−
GFは、各ベータ細胞が実質的にオンコジーンSV40
Tを発現している、遺伝子導入マウス(RIPI−T
ag2)から当初誘導されたBTC−3膵臓腫瘍細胞
(ATCC No.CRL10585)の馴化培地から同
定、単離された。BTC−GFは、BTC−JC10
(ATCC No.CRL10875)からも精製されて
いる。作られた天然のBTC-GFは、SDS-PAGE
において、約32,000の分子量を有しており、煮沸して
も、熱に安定である。BTC-GFは、10mMジチオス
レイトルの存在及び濃度1Mの酢酸にさらした場合も、
安定である。BTC−GFを精製するには、多くの方法
を用いることができるが、好ましい方法の概要を次に述
べ、実施例で更に詳細に説明する。
で、5%子牛血清を含むDMEMにて4日間培養する。
その後、培地を無血清培地と交換し、採取まで48〜7
2時間培養する。次いで、無血清ベータ腫瘍細胞馴化培
地を濃縮し、バイオレックス(Biorex)70カラム、フ
ェニルセファロース(Sepharose)カラム、FPLCヘ
パリンアフィニティーカラム、HPLC逆相カラムなど
の多数のカラムに通す。BTC−3及びBTCーJC1
0細胞からのBTC−GFを比較することにより得たB
TC−GFのN−末端アミノ酸配列は、ABI 470
A 蛋白シーケンサー(protein sequencer)で決定した
場合、次の通りである。 Asp-Gly-Asn-Thr-Thr-Arg-Thr-Pro-Glu-Thr-Asn-Gly-Se
r-Leu-Cys-Gly-Ala-Pro-Gly-Glu-Asn-Cys-Thr-Gly(配
列番号:1) BTC−GFの中間部のアミノ酸配列(図9参照、アミ
ノ酸44−66)は次の通りである。 His-Tyr-Cys-Ile-His-Gly-Arg-Cys-Arg-Phe-Val-Val-As
p-Glu-Gln-Thr-Pro-Ser-Cys-Ile-Cys-Glu-Lys-(配列番
号:3の12−34に相当) 本発明者はマウスBTC−GF遺伝子を含有する組み換
えDNAを構成しているマウス細胞からマウスBTC−
GF遺伝子をクローニングすることによってマウスBT
C−GFが製造でき、該DNAとの形質転換から生じた
形質転換細胞を培養できることを見出した。
ンパク質は対応するヒトのタンパク質とアミノ酸配列順
序において極めて高度な相同を示す。事実、異なるアミ
ノ酸の部分はコドンの一点の突然変異によってしばしば
生ずる。それ故上記のマウスBTC−GF遺伝子のDN
A配列順序がヒトのBTC−GF遺伝子のDNA配列順
序と類似する事を予想するのはもっともなことである。
本発明者はDNAプローブとしてマウスBTC−GF遺
伝子の一部を使いヒト細胞からヒトBTC−GF遺伝子
をクローニングし、該ヒトBTC−GF遺伝子を含有す
る組み換えDNAを構成し及び該DNAとの形質転換か
ら生じた形質転換細胞を培養することによってヒトBT
C−GFが製造できることを見出した。本発明者はさら
に研究を行い、以下の(1)〜(5)に関する本発明を
完成するに至った。 (1)非グリコシル化組み換え哺乳動物BTC−GF、
(2)哺乳動物BTC−GFをコードする単離DNA、
(3)(2)の単離DNAをもつ組み換えベクター、
(4)(3)のベクターを含有する形質転換細胞、およ
び(5)(4)の形質転換細胞を培地中で培養すること
からなる(1)のBTC−GFタンパク質の製造方法。 組み換え非グリコシル化哺乳動物BTC−GFとして、
実施例ではヒトBTC−GFおよびマウスBTC−GF
から構成されるタンパク質を取り扱っている。組み換え
非グリコシル化ヒトBTC−GFとして、図10のアミ
ノ酸の1番から80番又は1番から147番から構成さ
れるアミノ酸配列を有するタンパク質が例示されてい
る。組み換え非グルコシル化マウスBTC−GFとし
て、図9のアミノ酸1番から146番で構成されるアミ
ノ酸配列を有するタンパク質が例示される。
工学技術によるBTC−GFの製造方法、BTC−GF
をコードする単離DNAが提供されている。より詳しく
いうと、例えば以下のようにして製造される哺乳動物B
TC−GFのポリペプチドをコードする塩基配列を有す
るDNAを含有する発現ベクターがある。 (a)哺乳動物BTC−GFをコードするRNAの単
離、(b)該RNAに基づいた一本鎖相補DNA(cD
NA)の合成及び対応する二本鎖DNAの合成、及び必
要な場合は突然変異誘発の実施、(c)プラスミドある
いはファージベクターへの該cDNAの挿入、(d)生
じた組み換えプラスミドによる宿主の形質転換、(e)
得られた形質転換細胞の培養、あるいはファージプラー
クの形成及びDNAプローブを用いた例えばコロニーハ
イブリッド形成法又はプラークハイブリッド形成法のよ
うな適当な方法による、形質転換細胞あるいはファージ
からの目的とするDNAを含有するプラスミドまたはフ
ァージDNAの単離、(f)該プラスミド又はファージ
からのクローニングされた目的とするDNAの切除、
(g)該クローニングされたDNAをベクターのプロモ
ーターの下流部位への挿入。
は、前記のように多種のBTC−GF生成細胞又は膵臓
腫瘍細胞から得られる。哺乳動物のBTC−GF生成細
胞からのRNA調製方法の一つは、グアニジンチオシア
ネート法(J.M.Chirgwinら:バイオケミストリー(Bioch
em.),18,5294(1979))である。かくして
逆転写酵素といっしょに鋳型として得られたRNAを用
いて例えばH.Okayama.らの方法(モレキュラ・アンド
・セルラー・バイオロジー(Mol. Cell.Bio.),2,16
1(1982))により、cDNAが合成できる。得ら
れたcDNAはプラスミド又はファージベクター中へ挿
入する。上述の技術の他に、部位特異的突然変異誘発を
利用することができる。部位特異的突然変異誘発は周知
であり、「遺伝子工学」(Genetic Engeneering),Lather
R.F., F.Lecoq著、アカデミックプレス・31〜50ペ
ージ(1983年)に記載されている。オリゴヌクレオ
チドに対する突然変異誘発は、「遺伝子工学」原理と方
法、Smith M., Gillam S.,プラナムプレス、第3巻、1
〜32ページ(1981年)に記載されている。
遺伝子の生産は、例えば以下のようにして行なうことが
できる。 (a)突然変異誘発性オリゴヌクレオチドプライマー
と、一本鎖の構造遺伝子から成る一本鎖DNAを交雑す
る。 (b)変異ヘテロ2本鎖を形成するために、DNAポリ
メラーゼを用いてプライマーを伸長する。 (c)この変異ヘテロ2本鎖を複製する。 オリゴヌクレオチドプライマーの大きさは、突然変異が
行われる遺伝子領域へのプライマーの着実な交雑に不可
欠な条件及びオリゴヌクレオチド合成の現在の有効な方
法における制限によって変ってくる。オリゴヌクレオチ
ドにより指示される突然変異誘発の使用を意図したオリ
ゴヌクレオチドのデザインにおいて考慮されるべき要因
は(例えば、ヌクレオチドの全体サイズ、及び突然変異
部位での不適合部のサイズ等)、前記文献中に、スミス
M.及びギラムS、によって記載されている。一般的に
オリゴヌクレオチドの全体長は、突然変異部位での安定
かつ特有な交雑が最大限活かされるように、かつ、突然
変異部位と5’及び3’末端との間がDNAポリメラー
ゼのエキソヌクレアーゼ活性による突然変異の修復を阻
止するに十分拡張されるような長さに調整される。突然
変異誘発に用いられるオリゴヌクレオチドは通常12〜
24個の塩基、好ましくは14〜20個、更に好ましく
は14〜18個の塩基を含有する。これらは通常少なく
とも約3塩基からなる、変化を受けるコドンの3’末端
を含有している。例えば付加アミノ酸を有する哺乳動物
BTC−GFを得る目的のため、変異性哺乳動物BTC
−GF遺伝子は、直接又は制限酵素での消化による断片
化後付加されるべきアミノ酸配列をコードする遺伝子を
合成し、そしてそれをDNAリガーゼを用いて哺乳動物
BTC−GF遺伝子中の適当な部位へ挿入又は付加する
ことによって製造される。
C−GF遺伝子中に存在しない場合は、前記の部位特異
性突然変異誘発によって制限酵素認識部位がつくられ
る。例えば構成アミノ酸を欠く哺乳動物BTC−GF遺
伝子を得る目的のため、変異性哺乳動物BTC−GF遺
伝子が、例えばカルボキシル末端が欠失された形でつく
られる。カルボキシル末端側でのアミノ酸配列の欠失の
場合において、欠失されるアミノ酸の配列をコードする
遺伝子のコドンが部位特異性突然変異誘発によって終止
コドンへ変えられる。該cDNAが挿入されるプラスミ
ドには、例えばpBR322(ジーン(Gene)、2、95
(1977))、pBR325(ジーン、4、121
(1978))、pUC12(ジーン、19、259
(1982))又はpUC13(ジーン、19、259
(1982))のような大腸菌由来のプラスミド又は、
pUB110(バイオケミカル・アンド・バイオフィジ
カル・リサーチ・コミュニケーション(Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 12、678(1983))のような
枯草菌由来のものがある。使用する宿主で複製でき維持
できるものであれば、どのようなプラスミドも同様に使
用することができる。該cDNAが挿入されるべきファ
ージベクターには、例えばλgt10又はλgt11が
ある。プラスミドへの挿入の好ましい一方法は、T.Mani
atisら著の分子クローニング(Molecular Cloning),コー
ルド・スプリング・ハーバー研究室、239ページ(1
982)において記載された方法である。この手法で得
られたプラスミドは、適当な宿主、例えばエシェリキア
属又はバチルス属に属する菌に導入される。エシェリキ
ア属の菌の例としては、大腸菌K12DH1株(プロシ
ージングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンス USA、60、160(1968))、
M103株(ヌクイレック・アシッズ・リサーチ(Nucle
ic Acids Research)、9、309(1981))、JA
221株(ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー(Journal of Molecular Biology)、120、517
(1978))、HB101株(ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー、41、459(196
9))、C600株(ジェネティックス(Genetic)、3
9、440、1954))、及びMM294株(プロシ
ージングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンス USA、73、4174(1976))
がある。バルチス属の菌の例としては、枯草菌MI11
4株(ジーン、24、255(1983))及び207
−21株(ジャーナル・オブ・バイオケミストリ(Journ
al of Biochemistry),95、87(1984))があ
る。
して、T.Maniatisら著による分子クローニング(コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー)、249
(1982)に記載の塩化カルシウム又は塩化カルシウ
ム/塩化ルビジウム法が挙げられる。かくして得られた
形質転換細胞の中から、目的とするクローンが例えばD
NA塩基配列決定法(プロシージングス・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス USA、7
4、560(1977);ヌクレイック・アシッズ・リ
サーチ、9、309(1981))を併用したコロニー
ハイブリッド形成法(ジーン、10、63(198
0))によって選択される。この方法でBTC−GFを
コードするクローニングされたDNAを有するベクター
又はBTC−GFをコードするクローニングされたDN
Aを有するファージを運ぶ微生物が得られる。該微生物
からプラスミドが単離される。このようなプラスミドの
単離のために、例えばアルカリ抽出法(H.C.Birnboim
ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ、1、1513
(1979))が使用できる。BTC−GFをコードす
るクローニングされたDNAを有する前記プラスミド又
はファージベクターは、そのままで、又は該DNAの切
除のため、制限酵素処理を行って使用できる。発現ベク
ターはプロモータの下流部位で該cDNAの発現に適し
たベクターへクローニングされたcDNAを挿入するこ
とによって得ることが出来る。該ベクターには、酵母由
来プラスミド(例えばpSH19,pSH15)、λフ
ァージのようなバクテリオファージ、及びレトロウィル
ス、牛痘ウィルスのような動物ウィルスと同様に、前記
の大腸菌由来プラスミド(例えばpBR322,pBR
325,pUC13)、及び枯草菌由来のプラスミド
(例えばpUB110,pTP5)が含まれる。該cD
NAはその5’末端に翻訳開始コドンとしてATGをも
つ。それはまた3’末端に翻訳終止コドンとしてTA
A,TGA又はTAGをもつ。該cDNAを発現させる
ため、プロモーターを該cDNAの上流部位に接続す
る。本発明の実施に用いられるプロモーターは該cDN
Aの発現に利用される宿主に適当か、適合するものであ
ればどんなものでもよい。
する菌である場合は、特にT7ファージプロモータ、t
rpプロモータ、lacプロモータ、recAプロモー
タ、λplプロモータ及びlppプロモータが好まし
い。宿主がバチルス属菌である場合は、例えばSP01
プロモータ、SP02プロモータ、及びpenPプロモ
ータが好ましい。宿主が酵母である場合は、特に、PH
05プロモータ、PGKプロモータ、GAPプロモータ
及びADHプロモータが好ましい。特に、宿主はエシェ
リキア属菌で、プロモータはtrpプロモータ又はλp
Lプロモータであることが好ましい。宿主が動物細胞で
ある場合は、SV−40由来プロモータ及びレトロウィ
ルスプロモータが使用可能である。特にSV40由来プ
ロモータが好ましい。かくして得たベクターを宿主細胞
へ導入することによって形質転換細胞が増殖できる。宿
主の例として、エシェリキア属菌、バチルス属菌、酵母
及び動物細胞がある。エシェリキア及びバチルス属菌の
代表例は、本明細書中前記したものである。酵母として
は、サッカロマイセス・セレビシエ・AH22R~,N
A87−11A及びDKD−5Dが使用できる。動物細
胞としては、多数のものが用いられるが、そのうち、好
ましい細胞系として、サルCOS7株(Gluzman, Y,セ
ル23、157(1981))及びベロ細胞株、チャイ
ニーズ・ハムスターCHO細胞株、マウスL細胞株、及
びヒトFL細胞株が掲げられる。エシェリキア属菌の形
質転換は、例えばプロシージングス・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンス USA、69、
2110(1972);又はジーン、17、107(1
982))に記載の方法によって実施できる。バチルス
属菌の形質転換は、例えばモレキュラー・アンド・ゼネ
ラル・ジェネティックス(Molecular and General Genet
ics)、168、111(1979))に記載の方法によ
って実施される。酵母の形質転換は、例えばプロシージ
ングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンス USA、75、1929(1978)に記載
の方法で実施される。動物細胞の形質転換は、他にもあ
るが例えば、ウィロロジー、52、456(1973)
に記載の方法により実施される。この手法により、哺乳
動物BTC−GFをコードするDNAを含有するベクタ
ーと形質転換された形質転換細胞が得られる。
BTC−GFを生産させる。宿主としてエシェリキア又
はバチルス属菌を用いて得た形質転換細胞の培養に用い
られる培地は一般的に液状で、例えば炭素、窒素源及び
無機要素等の該形質転換細胞の成長に必要な物質を含ん
でいる。炭素源としては、例えばグルコース、デキスト
リン、可溶性デンプン及び庶糖が用いられる。窒素源と
しては、例えばアンモニウム塩、硝酸塩、コーン浸出
液、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆ケーキ及びポ
テトエキスが用いられる。無機物質としては、特に塩化
カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウ
ムが掲げられる。酵母エキス、ビタミン、成長促進剤等
をさらに加えることができる。培地のpHは、約6から
8であることが好ましい。グルコースとカザミノ酸を含
有するM9培地(Miller、ジャーナル・オブ・エクスペ
リメンツ・イン・モレキュラ・ジェネティックス(Journ
al of Experiments in Molecular Genetics)、431−
433、コールドスフリングハーバー ラボラトリー、
ニューヨーク、1972年)は、エシェリキア属菌の培
養に好ましい培地である。プロモータ機能を効率的に発
揮させるため、trpプロモータの場合なら3−β−イ
ンドリルアクリル酸のような促進剤を必要に応じて添加
することができる。宿主がエシェリキア属菌である場合
は、培養は通常、約15〜43℃で約3〜24時間行わ
れる。必要に応じて通気及び/又は撹拌を行う。宿主が
バチルス属菌の場合は培養は通常、約30〜40℃で約
6〜24時間行われる。必要に応じて通気及び/又は撹
拌を行う。宿主が酵母である形質転換細胞の場合は、例
えばブルクホルダーの最小限培地(Bostian, K.L.ら、
プロシージングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンス USA、77、4505(198
0))が使用できる。培地のpHは約5〜8に調整され
ることが望ましい。培養は一般に約20〜35℃で約2
4〜72時間行われ必要に応じて通気及び/又は撹拌を
行う。動物細胞の形質転換細胞を培養するために好まし
い培地には、MEM培地(サイエンス(Science)、12
2、501(1952))、DMEM培地(ウィロロジ
ー、8、396(1959))、RPMI1640培地
(ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシ
ェーション(Journal of Medical Association)、19
9、519(1967))、又は199培地(プロシー
ディング・オブ・ザ・ソサエティー・フォー・バイオロ
ジカル・メディシン(Proceeding of the society for B
iological Medicine)、73、1(1950))があ
り、さらに約5〜20%牛胎児血清が添加される。この
培地は約6〜8のpHとするのが望ましい。培養は一般
に約30〜40℃で約15〜60時間行われ、必要に応
じて通気及び/又は撹拌を行う。
り例えば以下の方法によって純粋な形で単離することが
できる。培養細胞からBTC−GFを抽出する際には、
培養後の該細胞を集め塩酸グアニジンのようなタンパク
質変性剤を含有する緩衝液中に細胞を懸濁しそれによっ
て目的のタンパク質の細胞外溶解を起こす方法、又はフ
レンチプレス、音波処理、リゾチーム処理及び/又は凍
結融解により細胞を破壊し、続いて遠心分離によってB
TC−GFタンパク質を回収する方法等の適当な方法に
よって処理を行う。フレンチプレスあるいはリゾチーム
処理と音波処理の併用は特に好ましい。上記方法によっ
て得られた上清からのBTC−GFの精製には公知の単
離精製法を適当に組み合わせたものが用いられる。好ま
しい単離精製法として特に挙げられるのは、塩析法及び
溶媒沈澱法のような溶解度の相違を利用する方法、透析
法、限外ろ過法、ゲルろ過法及びSDSポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法のような主に分子量の差を利用する
方法、イオン交換クロマトグラフィー法のような荷電の
差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィー
法のような特別な親和性を利用する方法、逆相液体クロ
マトグラフィーのような疎水性の差を利用した方法、等
電点電気泳動のような等電点の差を利用した方法などが
ある。
パク質は該上清をDEAEセルロースを用いたイオン交
換クロマトグラフィーを行うことにより前記上清から取
り除くことができる。例えば殆ど中性の緩衝液(例、ト
リス緩衝液)で平衡にされたDEAEセルロースカラム
へ上清を加え流出物画分を集めることが効率的である。
該流出物画分をCMセルロース等を用いたイオン交換ク
ロマトグラフィーに通した場合、塩基性タンパク質であ
るBTC−GFは担体上に吸収され、続いて塩溶液で流
出される。CMセルロース等の酸性樹脂カラムクロマト
グラフィーは直接細菌抽出物に使用してBTC−GFを
精製することができる。例えば若干酸性の緩衝液(リン
酸緩衝液等)で平衡にしたCMセルロースカラムへ上清
を加えるのも効率的である。同じ緩衝液でカラムを洗浄
した後、BTC−GFは追加の塩(NaCl等)を含ん
だ緩衝液をカラムに流出することにより回収することが
できる。流出液は透析後凍結乾燥できる。
ティークロマトグラフィーは、大腸菌抽出物中のBTC
−GFの精製に応用できる。例えば殆ど中性の緩衝液
(例、トリス又はリン酸緩衝液)で平衡にしたヘパリン
・セファロースカラムへ上記流出液を加え、カラムを十
分に洗浄しNaCl等で作った直線勾配による流出を行
うことによりBTC−GFタンパク質を精製できる。高
速液体クロマトグラフィー用に開発されたヘパリンカラ
ム(例、ショーデックスAF−パックHR−894、昭
和電工株式会社、日本)は特に効率的である。この場合
BTC−GFは前記のヘパリン−セファロースカラムの
場合と同じ方法、即ちサンプルをほぼ中性の緩衝液とと
もにヘパリンカラムへ加え、カラムを十分に洗浄しNa
Clで作った直線勾配上で流出させることにより均一な
生成物として回収できる。このようにして得た生成物は
透析と凍結乾燥により乾燥粉末形状にすることができ
る。添加された担体(例、血清アルブミン)とともに製
品を保持することによって製品が容器の壁に付着するの
を防止することができるので望ましい。さらに生成物の
酸化を防止するため、精製又は保存の過程において少量
の還元剤を加えるのが好ましい。使用できる還元剤には
β−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、グル
タチオン等がある。この方法により実質的に純粋なBT
C−GFが得られる。本発明による実質的に純粋なBT
C−GFとは、BTC−GF含量が約95%(重量比)
を下回らない製品をいい、より好ましくはBTC−GF
含量が約98%(重量比)を下回らないものをいう。
C−GFは粉末状のものをそのままの形で、あるいは薬
理学的に許容される担体、賦形剤及び/又は希釈剤と混
合した医薬製剤の形(注射製剤、錠剤、カプセル、溶
液、塗布剤)で、非経口又は経口により温血動物(例、
ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネ
コ)に対し安全に投与できる。注射用製剤は、例えば生
理的食塩水又はグルコース及び/又は他のアジュバント
を含有する水溶液を用いる従来の方法によって製造でき
る。錠剤、カプセル及び他の薬剤組成物も同様に従来の
方法によって製剤できる。本組み換え非グリコシル化哺
乳動物BTC−GFは、本来のBTC−GFと同じ生物
的活性を有する。本発明によって精製されたBTC−G
Fは、血管内注入による血管奇形のような病理状態の治
療、又は競合的阻害剤の投与によるアテローム動脈硬化
の治療に使用できる。精製されたBTC−GFはまた、
創傷や潰瘍の治療にも使用できる。本発明のBTC−G
Fが傷や潰瘍の治療におけると同様に血管奇形の治療に
も用いられる場合は、温血動物へ投与されるべきBTC
−GFの量は少量で、適量は投与ルート及び症状によっ
て異なるが、1日当たり1ngから1mg/1kgの範
囲、より好ましくは10ngから100μg/1kgの
範囲である。本発明の精製BTC−GFは、高血圧症と
共に、アテローム性動脈硬化症及び糖尿病性網膜症の治
療に使用できる各種競合剤を作るのにも、用いることが
できる。BTC−GFと競合し、及び/又はBTC−G
Fが平滑筋細胞の増殖を刺激するのを妨げる、抗体や偽
ペプチドのような競合剤を作ることができる。BTC−
GFは、それ自身に対する抗体を生成するのに用いられ
ることもできる。生成される抗体は、その適用形態に応
じて、ポリクローナルでもモノクローナルでもよい。こ
のような抗体は、当業者によく知られている技術によっ
て調製されることができる。例えば、蛋白質又はその抗
原蛋白質を複合させてキーホール リンペット ヘモシア
ニン(KLH)とし、兎等の動物の抗体を高めるのに用
いることができる。代表的には、ペプチドーKLH複合
体を、約2カ月の期間にわたって数回注射して、抗体を
生成する。その後、標準技術により、血清から抗体を集
める。一方、ハイブリドーマ細胞を形成する標準融合技
術を用いて、その蛋白質に対する抗体を作る細胞内に、
モノクローナル抗体を作ることができる[ここに参照の
ために記載されている G. Kohler 等 ネイチャー(Natu
re) 256、495 (1975)]。この技術の代表的なものとし
ては、抗体産生細胞を骨髄腫細胞のような不死化(immo
rtal)細胞株と融合させて、ハイブリッド細胞を作るこ
とが挙げられる。一方、ここに参照のために記載されて
いる Huse 等、サイエンス(Science) 246、1275 (198
9) の方法により、細胞からモノクローナル抗体を作る
ことができる。
子のグリコシル化という不均質性ゆえに不均質な性状で
製造される。対照的に非グリコシル化タンパク質は均質
的に製造され、そのため非グリコシル化タンパク質はグ
リコシル化された分子に比べて、精製が容易である。さ
らに非グリコシル化タンパク質の殆どは原核発現系によ
って製造される。このため非グリコシル化タンパク質は
グリコシル化タンパク質に比べて、その生産性が高いの
である。本明細書、特許請求の範囲及び図面において塩
基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−
IUB Commision on Biochemical Nomenclature によ
る略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくもの
であり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異
性体があり得る場合は、特に明示しなければL−体を示
すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA:相補デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン RNA :リボ核酸 dATP:デオキシアデノシン三リン酸 dTTP:デオキシチミジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸 dCTP:デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 Tdr :チミジン EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン 本発明を以下の参考例および実施例によって更に詳しく
説明するが、これは本発明の理解を深めるためのもので
あって、本発明を限定するものではない。
る成長因子活性は、前述のように静止状態のマウスBa
lb/c 3T3細胞のDNAへの(メチル−3H)チ
ミジンの取り込みの測定することによって測定した(Sh
ing Y., Davidson S.,Klagsbrun M.;メソッズ・イン
・エンザイモロジー(Methods in Enzymology)、146
B,42−48(1987))。ここの開示は、本文献
をここに記載することにより、本明細書に引用する。
ル培地(DMEM)で、BTC−3膵臓ベータ腫瘍細胞
(ATCC寄託番号No.CRL10585)の一次培
養液を調製した。これらの培養液を、162cm2の細
胞フラスコ(Costar Cat #3150)中に入れ、37℃の調
湿CO2インキュベーター内でインキュベートした。こ
れらの細胞を、125mlのインキュベーターを含有す
る900cm2のグロース エリアのローラびん(Coster
Cat #3901)への播種源として使用した。4日後、各び
ん内の培地を、無血清培地と交換した。培地を採取し、
48〜72時間インキュベートした後、新しい培地と交
換した。馴化培地6リットルを、成長因子の精製のため
の出発材料として、毎週採取した。
10,000カットオフフィルターを用いたアミコン
(Amicon)中空繊維濃縮器により、4℃で500mlに
濃縮した。続いて、濃縮された培地を、連続透析によ
り、50mM NaCl、10mM Tris、pH7に
平衡させた。 工程2.バイオレックス(Biorex) 70クロマトグラフィ
ー 濃縮された培地を、4℃で10mM Tris、pH7
により平衡させたバイオレックスカラム(床容積200
ml)にかけた。このカラムを400mlの同一緩衝液
で洗浄し、次いで生物活性を、60ml/時間の流速
で、0Mの400mlから0.6Mの400mlまでの
NaCl勾配により溶出した(図1)。 工程3.フェニルーセファロースクロマトグラフィー バイオレックスカラムからの活性画分を集めて、5分間
煮沸し、遠心分離(10,000×g、20分)により
透明にした。透明上澄み液を1.5M(NH4)2SO4と
し、4℃で1.5M(NH4)2SO4に入れ、10mM燐
酸カリウム、pH7により平衡させたフェニールセファ
ロースカラム(床容積25ml)にかけた。このカラム
を100mlの平衡緩衝液で洗浄し、続いて、生物活性
を、30ml/時間の流速で、pH7にて、10mM燐
酸緩衝液中で1.5Mの170mlから0Mの170m
lまでの(NH4)2SO4勾配により溶出した(図2)。 工程4.FPLCヘパリンアフィニティークロマトグラ
フィー フェニールセファロースカラムからの活性画分を集め
て、透析し、室温で、10mMTris、pH7により
平衡させたTSK−GEL ヘパリン 5PWガラスカラ
ム(7.5cm×8mm内径)にかけた。このカラムを
10mlの同一緩衝液で洗浄し、生物活性を、1ml/
分/画分の流速で、0から0.3MまでのNaCl勾配
により、その後、0.3から0.6Mまでの他のNaCl
勾配により溶出した(図3)。 工程5.HPLC C4逆相クロマトグラフィー ヘパリンカラムからの活性画分を集め、室温で、10%
アセトニトリルの0.1%TFA溶液により平衡させた
HPLC逆相C4カラムに直接注入した。このカラムを
20mlの同一溶液で洗浄し、生物活性を、2ml/分
の流速で、10%から35%までのアセトニトリル勾配
により溶出して、1.5mlの画分を集めた(図4)。
SDS PAGEにおいて銀染色された単一バンドを得
るために、この工程をもう一度繰り返した(図5)。
づくものであった。生物活性は、マウス3T3細胞にお
けるDNA合成により測定した。成長因子活性1単位は
[メチル−3H]チミジンのDNAへの最大取り込み値
の半分(half-maximal incorporation)までを刺激する
のに必要な成長因子の量として定義された。蛋白質質量
は1mg/ml溶液について、A280=1.0を用いて算
出された。 * 蛋白質質量は標準蛋白質の強度と比較した銀染色の
強度及びアミノ酸分析により算出された。
(SMC)の増殖を刺激した(図6)。1%子牛血清を
含むDMEM中で培養されたSMCで、BTC−GFの
分裂促進活性をテストした。このテストサンプルを培養
液に加えた後4日目に、細胞をトリプシン処理し、24
ウエルプレートの各ウエル内の細胞数をコウルター(Co
ulter)カウンターで数えた。上に例示した精製法によ
り調製された蛋白質は、下記の特性を有している。BT
C−GFは、N−末端アミノ酸配列 Asp-Gly-Xaa-Thr-Xaa-Arg-Thr-Pro-Glu-Xaa-Asn-Gly-Se
r-Leu-Xaa-Xaa-Ala-Pro-Xaa-Xaa-Xaa-Xaa-Xaa-Xaa(配
列番号:2) を有するポリペプチドである。SDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により測定した場合、分子量は32,0
00である。高温(100℃、5分)、スルフヒドリル
還元剤(10mMジチオスレイトル)又は酸性状態(p
H2.2)にさらすことによっても、その分裂促進活性
は失活しない。
コ改変イーグル培地(DMEM)中に保持した。馴化培
地を生成するために、8リットルの撹拌フラスコ[ベル
コグラス(Belco glass)]内にて、2mMグルタミ
ン、100U/mlペニシリン及び100μg/mlス
トレプトマイシンを加えたDMEM/F12(1:1)
培地、0.5%インシュリン、トランスフェリン及びセ
レン[ITS、シグマ(Sigma)]並びに0.1%ポリエ
チレングリコール400中で、104個/mlのBTC
−JC10細胞を懸濁液中でふやした。細胞濃度が2×
105個/mlになった時に、馴化培地を集めた。BT
C−3細胞からBTC−GFを精製したのと同様な方法
により、BTC−JC10馴化培地からBTC−GFを
精製した。BTC−JC10細胞から精製されたBTC
−GFの部分N−末端アミノ酸配列は、配列番号:6で
示される。 Asp−Gly−Xaa−Thr−Xaa−Arg−T
hr−Pro−Glu−Thr−Asn−Gly−Se
r−Leu−Xaa−Gly−Ala−Pro−Gly
−Glu−Glu−Arg−Thr−Arg(配列番
号:6) 図7から分かるように、BTC−3細胞及びBTC−J
C10細胞からのBTC−GFのN−末端アミノ酸配列
は、同じであると思われ、このことは両タイプの細胞か
ら得られた2種の蛋白質が同じであることを示してい
る。
のクローニング) マウスBTC−GFは、そのアミノ酸配列の中間部にア
ミノ酸配列:−His−Tyr−Cys−Ile−Hi
s−Gly−Arg−Cys−Arg−Phe−Val
−Val−Asp−Glu−Glu−Thr−Pro−
Ser−Cys−Ile−Cys−Glu−Lys−
(配列番号:3の12−34に相当)を有するポリペプ
チドである。参考例3及び4(図7及び8)において決
定されたマウスBTC−GFの部分的アミノ酸列に基づ
いて、N末端アミノ酸の7番から12番(Thr−Pr
o−Glu−Thr−Asn−Gly)、17番から2
3番(Ala−Pro−Gly−Glu−Glu−Ar
g−Thr)、及び図8の中間部のアミノ酸1番から6
番(His−Tyr−Cys−Ile−His−Gl
y)、図8の12番から17番(Val−Asp−Gl
u−Gln−Thr−Pro)の、4つのアミノ酸配列
に相応する4つのオリゴヌクレオチドが化学的に合成さ
れた。以下のプライマーにおいて、I(イノシン)は、
いずれの塩基にも対応可能な塩基としてコドンの三つ目
の位置に使われた。合成されたオリゴヌクレオチドの塩
基配列は以下の通りである。 プライマー1:5' ACI CCI GA A/G ACN AA T/C GG 3' プライマー2:5' GCI CCI GGI GA A/G GA A/G C/A GN
AC 3', プライマー3:5' CC A/G TG T/G AT A/G CA A/GTA A/G
TG 3'及び(アンチセンス) プライマー4:5’GG NGT T/C TG T/
C TC A/G T CNAC 3’(アンチセン
ス) (NはA,T,G又はCを示す)。ポリ(A)RNA
は、RNA抽出キット(ファルマシア)及びメッセンジ
ャーRNA精製キット(ファルマシア)を用いてBTC
−JC10細胞から調製した。cDNAはポリ(A)R
NAとランダムなヘキサヌクレオチド(cDNAシンセ
シス・システム・プラス、アマシャム)から、鋳型とし
てこれらのcDNA、プライマーとして二つのオリゴヌ
クレオチド(プライマー1と4)を用いて合成された。
最初のPCR(複製連鎖反応)が行われた(94℃で1
分間、45℃で2分間、及び72℃で2分間を30
回)。2回目のPCRを最初のPCR生成物及びプライ
マー2及び3を用いて行った(94℃で1分間、48℃
で2分間及び72℃で2分間を30回)。
NA)は、1.5%アガロースゲル電気泳動によって分
画され、約0.1Kbの大きさを持つDNAがゲルから
溶出された。このDNAは、32Pでランダムプライミ
ング法で標識した。前記BTC−JC10 cDNA
は、EcoRIで消化され、脱リン酸化されたλgt1
0ベクター(ストラタージン)と連結し、これらファー
ジベクターをパッケージとしてジガパック II ゴール
ド、ストラタジーンcDNAライブラリーをつくった。
このcDNAライブラリー(約5×106クローン)
は、大腸菌NM514(YK~MK~)とともにプレート
にまき、現れたプラーク(プレート当たり3×105 プ
ラーク)は6枚のフィルター(ハイボンドN,アマーシ
ャム)上に移し、0.5N-NaOHで分解し、露出し
変質したファージDNAをフィルター上に固定した。標
識したDNAはプローブとしてフィルターとハイブリダ
イズさせた。ハイブリダイズ反応は、5×SSPE(1
80mM NaCl,10mM NaH2PO4,1mM
EDTA(pH7.4))及び0.1%SDSを含む5
×デンハーツ(Denhardt's)中に10μCiのプローブを
含む変成サケ精子DNAを100μg/mlの割合で含
む10mlの溶液中で、65℃で16時間かけて実施し
た。反応後、フィルターを、0.1%SDSを含有する
0.2×SSD溶液で、2回にわたって、各65℃で3
0分洗浄した。洗浄したフィルターのラジオオートグラ
ムが取られ、プレート上のプラークとラジオオートグラ
ムを重ね合わせることによって陽性プラークを探し出し
た。この方法によって、2×106 プラークから7個の
陽性ファージクローンが得られた。次に、これらの陽性
クローンからのDNA及びプライマ2及び3を用いてP
CRを実施し、目的とする大きさのDNA(0.1K
b)がわずか2個のクローンで増幅された。そのうちの
一つ(λgt10 BTC−3)は、EcoRI部位に
1.2KbのcDNAをもつことが示された。このcD
NAをプラスミドpUC119(プラスミドpTB14
89)のEcoRI部位へ挿入した。このプラスミドp
TB1489を、大腸菌DHTαF’(ベテスダ・リサ
ーチ・ラボラトリー(Bethesda Research Laboratory)、
USA)へ導入し、形質転換細胞たる大腸菌DH5α
F’/pTB1489(IFO 15256)を得た。
この形質転換細胞は、ATCC受託番号68911とし
て1992年2月10日にアメリカン・タイプ・カルチ
ュア・コレクションとして寄託されており、またこのも
のは受託番号IFO 15256として、日本の大阪の
発酵研究所に寄託されている。このcDNAの塩基配
列、即ち1.2KbのEcoRI DNA断片の塩基配
列はジデオキシリボヌクレオチド合成連鎖停止反応(J.
Messingら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ、9、
309(1981))によって決定された。この配列解
析結果に基づいて、マウスBTC−GFの全アミノ酸配
列が決定できた。このcDNAの塩基配列及び該塩基配
列から予想されるアミノ酸配列が図9に示されている
(配列番号:4)。図9において、略語”End”は終
止コドンを表し、マウスBTC−GFのN末端残基(ア
ミノ酸番号1番、Asp)は図7のものから推定された
ものである。該N末端アミノ酸残基から上流の30のア
ミノ酸残基は、おそらくシグナルペプチドを構成する。
矢印は、シグナルルペプチドと成熟マウスBTC−GF
間の切断部位を示す。
−GF cDNA発現プラスミドの構築) BTC−GF cDNAを含有する1.2Kb EcoR
I断片を実施例1において得たプラスミドpTB148
9から単離した。発現プラスミドpTB701(ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、263、
6927(1985年))はEcoRIで切断され、子
牛腸ホスファターゼで処理される。得られたプラスミド
は、BTC−GF cRNAを含む上記の1.2Kb E
coRI断片に連結された。この連結混合物を用いて、
大腸菌DH1(分子クローニング;実験室指針、コール
ドスプリングハーバーラボラトリー、505ページ、1
982年)の形質転換を行なった。生成したアンピシリ
ン耐性形質転換体からプラスミドが単離され、このもの
はpTB1491と命名された。
F cDNAの発現) サルCOS7細胞をプレート上にまき(3×105 細胞
/プレート)、10%牛胎児血清を含むダルベッコ改変
イーグル培地(DMEM,フロー・ラボラトリズ)中で
培養した。10μgの発現プラスミドpTB1491
(実施例2)及びpTB1495(逆方向のBTC−G
F cDNAであること以外はpTB1491と同じ構
造を有する)を、リン酸カルシウム法(Grahamら、ウィ
ロロジー、52、456(1973))を用いてCOS
7細胞へ各々、導入した。翌日、培地を0.5%牛胎児
血清を含有するDMEMに交換し、2日間培養した。該
馴化培地を集め、静止中のBALB/C3T3A 31
−714クローン4(インタナショナル・ジャーナル・
オブ・キャンサー(International Journal of Cance
r)、12、463(1973))への3 H−チミジンの
取り込みによってDNA合成誘起活性を測定した:これ
については、モレキュラ・セル・バイオロジー、第8
号、588ページ、1988年に記載されたようにして
行なった。結果は以下の表2に示す。 実施例4(ヒトBTC−GF cDNAのクローニン
グ) ポリ(A)RNA抽出キット(ファルマシア)及びメッ
センジャーRNA精製キット(ファーマシア)を用いて
ヒト乳腺ガン細胞株MCF7(ATCC HTB22,
ATCCの細胞とハイブリドーマのカタログ、第6版、
1988年)からポリ(A)RNAを調製した。 cD
NAを、ポリ(A)RNAとランダムヘキサヌクレオチ
ドプライマー(cDNA シンセシス・システム・プラ
ス、アマシャム)から合成した。これらの cDNAは
cDNAライブラリを作成するため、BstXIアダプ
ターと形質転換した大腸菌DH5αF’を用いてプラス
ミドpME18S(メディカル・イムノロジー(Medical
Immunology)、20、27(1990))のBstXI
部位に組み込まれた。この cDNAライブラリは、フ
ィルター当たり約5×104 クローンの割合で10枚の
ニトロセルロースフィルター(ミリポア製HATFフィ
ルタ)上にまかれた。これらのフィルターをマスターフ
ィルタとして使って、該マスターフィルタに対応するレ
プリカフィルターを作成した。これらレプリカフィルタ
ー上の大腸菌細胞を0.5N NaOHで分解し、露
出、変性したプラスミドDNAをフィルター上に固定し
た(Grunstein M.,Hogness,D.S. プロシーディングス
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス USA、72、3961(1975))。実施例1
で得たプラスミドpTB1489を、EcoRIおよび
NhaIで消化し、マウスBTC−GFをコードする
0.73KbのDNA断片を単離した。このDNA断片
をニックトランスレーション法(Rigby, P.W.J.ら、ジ
ャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー、11
3、237(1977))によって 32Pで標識した。こ
のように標識したDNAはプローブとして、レプリカフ
ィルターとハイブリダイズされた。ハイブリダイズ反応
は5×SSPE(180mMNaCl,10mM Na
H2 PO4 ,1mM EDTA(pH7.4))と0.
1%SDSの添加された5×デンハーツ中に10μCi
のプローブを含んだ100μl/mlの変性サケ精液D
NA溶液10ml中で、60℃で16時間にわたって行
われた。反応後、フィルターを0.1%SDSを含有す
る2×SSC(0.15M NaCl,0.015Mコ
ハク酸ナトリウム)溶液で2回室温で30分、そしてさ
らに60℃で30分間で2回洗浄した(T. Maniatis
ら、”分子クローニング”、コールドスプリングハーバ
ー ラボラトリー、309ページ、1982年)。洗浄
したフィルタについてラジオオートグラムを行った。レ
プリカフィルターのラジオオートグラムの重なり合いに
よって細菌コロニーを探索した。この方法でプローブと
反応できる大腸菌K12DH1/pTB1499株が5
×105 コロニーの中から得られた。プラスミドDNA
pTB1499 を先に得た株からアルカリ抽出法(Bi
rnboim, H.C.,Doly,J.,ヌクレイック・アシッズ・リサ
ーチ、1、1513(1979))によって抽出し精製
した。プラスミドDNAの cDNA部分を制限酵素B
stXI(タカラ酒造)を用いて切断し、アガロールゲ
ル電気泳動によって分画した。続いて、この前記 cD
NA部分の塩基配列をジデオキシリヌクレオチド合成連
鎖停止法(J. Messingら、ヌクレイック・アシッズ・リ
サーチ、9、309(1981))によって決定した。
このDNA配列から、ヒトBTC−GFの全アミノ酸配
列を決定することができた。該cDNAの塩基配列及び
該塩基配列から推定されるアミノ酸配列を図10に示
す。矢印は、シグナルペプチドと成熟ヒトBTC−GF
との間の切断部位を示す。プラスミドpTB1499を
大腸菌DH5α(ベテスタ・リサーチ・ラボラトリ、U
SA)へ導入し、形質転換細胞たる大腸菌DH5α/p
TB1499を得た。この形質転換細胞はATCC受託
番号68910で1992年2月10日付でアメリカ・
タイプ・カルチャー・コレクションに寄託され、またこ
のものは1992年1月14日、受託番号IFO 15
257としてIFOに寄託された。
F cDNA発現プラスミドの構築) ヒトBTC−GF cDNAを含有する0.7KbのS
maI−DraI断片をプラスミドpTB1499(実
施例4)から単離した。Bg1IIリンカーをT4DNA
リガーゼを用いてこの断片の平滑末端へ連結した。Bg
1IIで消化した後、ヒトBTC−GF cDNAを含む
0.7Kb断片を、IL−2 cDNA領域(図11)
をとり除いて、pTB399(セル・ストラクチュア・
ファンクション(Cell Structure Function)、12、2
05ページ(1987))から調製した発現プラスミド
pTB1308のBg1II部位へT4DNAリガーゼを
用いた連結によって挿入した。生成したプラスミド p
TB1515はSa1I及びHindIIIで切断した。
MuLV LTR及びヒトBTC−GF cDNAを含
む2.4Kb断片を単離し、SV40初期領域プロモー
タ及びハムスターDHFR cDNAを有するpTB3
48(セル・ストラクチュア・ファンクション、12,
205(1987))のSa1I−HindIII部位の
間に導入した。生成したプラスミドはpTB1507
(図12)と命名した。
DNA発現プラスミドの構築) 成熟ヒトBTC−GF(1−147アミノ酸残基)をコ
ードする0.6KbのEcoRI−BamHI断片を、
プラスミドpTB1515(実施例5)から単離した。
ATG翻訳開始コドン(a:5’TATGGATGGG
3’b;5’AATTCCCATCCA 3’)を有す
る合成アダプターを上記0.6Kb断片のEcoRI部
位に連結した後、生成した0.6Kb NdeI−Ba
mHI断片をT7プロモータ(ジーン、56、125
(1987))を含有するプラスミドpET−3c中へ
挿入し、プラスミドpTB1505を構築した。ヒトB
TC−GFの80のアミノ酸残基(図10の1(As
p)から80(Tyr)まで)をコードするDNA断片
を得るため、鋳型としてプラスミドpTB1505、プ
ライマとして2個のオリゴヌクレオチド(1:5’AT
ACATATGGATGGGAATTCCA 3’,
2:5’CCGGATCCTAGTAAAACAAGT
CAACTCT 3’)を用いてPCRを行った。生成
物をNdeI及びBamHIで消化し、2.0%アガロ
ースゲル電気泳動で分画し、目的とする0.25Kb
DNA断片を単離した。この0.25Kb NdeI−
BamHI断片を、pET−3cのT7プロモータの下
流にT4DNAリガーゼで連結挿入しプラスミドpTB
1516(図13)を得た。
−GF cDNAの発現) サルCOS7細胞をプレート当たり3×105 細胞の割
合でプレート上にまき、10%牛胎児血清を含むダルベ
ッコの改変イーグル培地(DMEM,フロー・ラボラト
リ)中で培養した。10μgの発現プラスミドpTB1
499(実施例4)及びpTB1507(実施例5)を
リン酸カルシウム法(ウィロロジー、52、456(1
973))を用いてCOS7細胞へそれぞれ導入した。
翌日、培地を0.5%牛胎児血清を含むDMEMに交換
し、さらに2日間培養を行った。馴化培地を集め、モレ
キュラ・セル・バイオロジー、8、588(1988)
に記載のごとく、静止状態のBALB/C3T3 A3
1−714クローン4(インタナショナル・ジャーナル
・オブ・キャンサー、12、463(1973))中へ
の3 H−チミジンの取り込みによってDNA合成誘起活
性を測定した。結果を表3に示す。 表3 形質導入された サンプル希釈 3 H−チミジン取り込み DNA/(対照) (cpm) pTB1499 1/125 15,002 1/625 5,120 pTB1507 1/625 19,898 1/3125 16,344 対照 1/125 1,008 実施例8(大腸菌中でのヒトBTC−GFの発現) 大腸菌MM294を、T7ファージのRNAポリメラー
ゼ遺伝子で組み換えられているラムダファージ(スチュ
ディエ、スプラ)で溶原化した。その後、このプラスミ
ドpLysSを大腸菌MM294(DE3)へ導入し、
大腸菌MM294(DE3)/pLysSを得た。この
菌株にプラスミドpTB1516を導入し、これによ
り、大腸菌MM294(DE3)/pLysS,pTB
1516を得た。この形質転換細胞を、100μg/m
lのアンピシリン及び10μg/mlのクロラムフェニ
コールを含む20mlのL−ブロス中で37℃で培養し
た。クレット値が約180である場合は、イソプロピル
β−D−チオガラクトシド(IPTG)を最終濃度で
0.4mMになるよう培地に添加し、4時間培養を続け
た。この菌体を遠心分離で集め、20mMトリス−HC
l(pH7.4),10mM EDTA,0.5M N
aCl,10%庶糖及び0.25mM PMSFを含有
する緩衝液0.5ml中に懸濁し、続いてこの懸濁液
へ、卵白リゾチームを0.5mg/mlの濃度に加え
た。これを1時間氷溶中に置いた後、混合液を37℃で
5分間培養し、遠心分離(ソルバール、1500rpm
で30分、4℃)を行って上清を得た。この細菌抽出液
を、実施例7に記載した静止状態のBALB/C3T3
細胞への3 H−チミジンの取り込みによってDNA合成
誘起活性について測定した。結果は表4に示す。 表4 形質導入された サンプル希釈 3 H−チミジン取り込み DNA又は対照 (cpm) 大腸菌MM294(DE3) 1/78125 20.232 /pLysS,pTB1516 1/390625 13.169 大腸菌MM294(DE3) /pLysS,pET:3c 1/3125 805 592 この形質転換細胞大腸菌MM294(DE3)/pTB
1516は、受託番号FERM BP−3836で19
92年4月21日付で通産省工業技術院微生物工業研究
所に寄託され、またこのものは1992年4月16日付
けで受託番号IFO 15282としてIFOに寄託さ
れた。
株の樹立) 発現プラスミドpTB1507(実施例5)をリン酸カ
ルシウム法によりCHO dhfr~ 細胞(ウルラウブ
ら、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンス USA、77、4216
(1980))中へ導入した。2日後、培地を選択培地
(10%透析牛胎児血清および35μg/mlプロリン
を含んだDMEM)に交換し、DHFR+の細胞を得る
ため培養を続けた。これらのCHO DHFR+細胞を
限界希釈法によってクローン化し、60クローンが作ら
れた。各クローンの細胞を24ウェルプレート中で80
%飽和となるまで増殖させ、培地を0.5%牛胎児血清
及び0.1μg/mlのインシュリンを含有するDME
M/Ham’sF12(1:1)0.5mlに変えた。
2日間培養後、馴化培地を集め、実施例3において記載
したようにnBTCのDNA合成誘起活性を測定した。
60クローン中の31クローンの馴化培地がマウス3T
3細胞に対してDNA合成誘起活性を示した。分裂誘発
活性は、最大刺激の50%を与えるのに必要な因子の希
釈度を決定することにより活性を算出し、標準のマウス
EGFの重量として表わすと、0.1から5.0ng/
mlであった。
株の樹立) マウスA9細胞(ATCC CCL 1.4)に、hB
TC cDNAを含有するpTB1515(実施例5)
とヒトHPRT遺伝子を含む発現プラスミドp4aA8
(Jolly, D.J.ら、プロシーディングス・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス USA、8
0、477(1983))を用いて同時にリン酸カルシ
ウム法によって形質導入した。この細胞は10%牛胎児
血清を添加したDMEM中で2日間増殖させ、続いて選
択のためHAT培地(Littlefield, J.W.,サイエンス
(Science)、145、709(1964))で培養し
た。HPRT+細胞はHAT培地中で増殖し、限界希釈
法によってクローンを単離した。各クローンの細胞(2
4ウェルプレート中のウェル当たり105細胞)をプレ
ート上にまき、成育培地中で2日間培養し、続いて2日
間0.5%牛胎児血清を含むDMEM 0.5ml中で
培養した。106細胞が培地中へ分泌したhBTCレベ
ルを実施例3に記載のマウス3T3細胞に対するDNA
合成誘起作用によって調べた。数個のクローンの結果を
以下の表5に示す。 表5 クローン 活性(ng/mlマウスEGF換算量) A9/1515−4 43 A9/1515−14 566 A9/1515−17 208 A9/1515−34 258 A9/1515−63 94 クローンA9/1515−14は1993年1月1日
に、受託番号FERMBP−4159として微生物工業
研究所に寄託され、またこのものは受託番号IFO 5
0389として1992年12月28日付でIFOに寄
託されている。
養上清1リットルに、1M リン酸カリウム(pH6.
0),0.5M EDTA,5%CHAPS,0.25
M PMSFを各々100ml,2ml,10ml,2
mlずつ加え、S−Sepharose カラム(径
1.6×10cm,ファルマシア社)に流速2ml/m
inでかけた。カラムを100mlの緩衝液(0.1M
リン酸カリウム(pH6.0),1mM EDTA,
0.05%CHAPS,0.5mMPMSF)で洗浄
後、0Mから0.21Mの濃度勾配のNaClを0分か
ら10分まで、次いで0.21MのNaClを10分か
ら40分までカラムに流し、40分以後は、0.7M
NaClを含む緩衝液を流して蛋白を溶出した。次に、
2ml(1分)毎に集めた各溶出画分について、BAL
B/c3T3細胞に対するDNA合成誘起活性を調べ、
分画番号51−69をプールした(図14)。S−Se
pharoseカラムのプール分画を限外ロ過(cen
triprep−10;アミコン)により濃縮し、20
mM Tris(pH7.4)−1mM EDTA−
0.05%CHAPSを含む緩衝液にて平衡化したゲル
ロ過カラム(径1.6×60cm;Superdex
75pg,ファルマシア)に流速1.2ml/minで
かけた。開始後、15分より1.2ml(1分)毎に集
めた各分画について生物活性を調べ、高い活性を示した
分画番号40−50をプールして集めた(図15)。ゲ
ルロ過カラムのプール分画を、ヘパリンHPLCカラム
(径0.85×5cm;Shodex HR−894,
昭和電工)にかけ、20mM Tris(pH7.4)
−1mM EDTA−0.05%CHAPSにてカラム
を洗浄の後、0Mから1MのNaClの濃度勾配を流速
1ml/minで60分間にわたってかけ、1分毎に溶
出液を分画した。生物活性の認められた分画番号24か
ら28の画分をプールした(図16)。ヘパリンHPL
Cカラムのプール画分にトリフルオロ酢酸(TFA)を
最終濃度0.1%になるように添加し、C18逆相HP
LCカラム(径0.46×15cm;Asahipak
ODP−50,Asahi chemical)に流
速0.5ml/minでかけた。カラムを0.1%TF
Aにて洗浄後、0%から63%(v/v)までのアセト
ニトリル濃度勾配を流速0.5ml/minで70分間
にわたってかけ、1分毎に溶出液を分画した(図1
7)。生物活性は黒ぬりのピークに一致して認められ
た。逆相HPLCの活性画分20μlをSDS−PAG
Eおよび銀染色で調べたところ、分子量26−30KD
に相当する位置のバンドのみが検出された(図18)。
以上の操作により43μgのCOS7産生の精製BTC
が得られた。
1M リン酸カリウム(pH6.0),0.5M ED
TA,5%CHAPS,0.25M PMSFを各々1
80ml,7ml,36ml,7mlずつ添加し、S−
Sepharose カラム(径2.6×40cm,p
harmacia社)にかけた。カラムを300mlの
緩衝液(0.1M リン酸カリウム(pH6.0),1
mM EDTA,0.05%CHAPS,0.5mM
PMSF)で洗浄後、0.7MNaClを含む上記緩衝
液を流速1ml/minで流し、蛋白を溶出した。5m
l毎に集めた各画分についてBALB/c3T3細胞の
DNA合成誘起活性(生物活性)を調べ、分画番号23
−32および40−49を各々BTC−IおよびBTC
−IIとしてプールした(図19)。S−Sepharo
se カラムよりの、BTC−Iプール画分を25%お
よび80%流安で分画した後、限外ろ過(Centri
prep−10;アミコン)により濃縮し、20mM
Tris(pH7.4),1mM EDTA,0.05
%CHAPSで平衡化したゲルろ過カラム(径1.6×
60cm;Superdex 75pg,ファルマシ
ア)に流速1.2ml/minでかけ、開始後、15分
より1.2ml毎に画分を集めた。高い生物活性を示し
た画分(分画番号35−41)をプールした(図20
A)。S−Sepharose カラムより得られたB
TC−IIプール画分を限外ろ過(YM2,アミコン)で
濃縮し、20mM Tris(pH7.4),1mME
DTA,0.05%CHAPSで平衡化したゲルろ過カ
ラム(径1.6×60cm;Superdex 75p
g,ファルマシア)に流速1.2ml/minでかけ、
開始後、15分より1.2ml毎に分画した。高い生物
活性を示した分画番号66−74をプールした(図20
B)。ゲルろ過カラムから集めたBTC−Iプール画分
をヘパリンHPLCカラム(径0.8×5cm;AFp
ak HR−894,昭和電工)にかけた。カラムを2
0mM Tris・HCl(pH7.4),1mM ED
TA−0.05%CHAPSで洗浄後、0−0.9M
NaClの濃度勾配を流速1ml/minで30分間に
かけ、溶出液を1ml毎に分画した。生物活性の認めら
れた分画番号9から13の画分をプールした(図21
A)。ゲルろ過カラムから集めたBTC−IIプール画分
をヘパリンHPLCカラム(径0.8×5cm;AFp
ak HR−894,昭和電工)にかけた。カラムを2
0mM Tris・HCl(pH7.4),1mM ED
TA−0.05%CHAPSで洗浄後、0−0.9M
NaClの濃度勾配を流速1ml/minで30分間に
かけ、溶出液を1ml毎に分画した。生物活性の認めら
れた分画番号16−19の画分をプールした(図21
B)。ヘパリンカラムから集めたBTC−Iプール画分
にTFAを最終濃度0.1%になるように加え、C18
逆相HPLCカラム(径0.46×15cm;Asah
ipak ODP−50,Asahi chemica
l)にかけた。0.1%TFA存在下にアセトニトリル
濃度勾配(0−63%)を70分間かけ、0.5ml
(1min)毎に溶出液を集めた(図22A)。生物活
性は蛋白の溶出ピークと一致して認められた。この部分
の蛋白をSDS−PAGE/銀染色で調べると、分子量
26−30Kの位置にのみバンドが検出された(図23
A)。以上の操作により150μgのBTC−Iが得ら
れた。ヘパリンカラムから集めたBTC−IIプール画分
にTFAを最終濃度0.1%になるように加え、C18
逆相HPLCカラム(径0.46×15cm;Asah
ipak ODP−50,Asahi chemica
l)にかけた。0.1%TFA存在下にアセトニトリル
濃度勾配(0−63%)を70分間かけ、0.5ml
(1min)毎に溶出液を集めた(図22B)。生物活
性は蛋白の溶出ピークと一致して認められた。この部分
の蛋白をSDS−PAGE/銀染色で調べると、分子量
14Kの位置にのみバンドが検出された(図23B)。
以上の操作により75μgのBTC−IIが得られた。
TB1516を一晩培養した後、培養菌液を、20倍希
釈になるようにLB培地に植菌した。37℃で2時間培
養後、IPTGを最終濃度0.1mMになるように添加
し、さらに3時間培養した。遠心により菌体を集め使用
時まで−20℃に保存した。5リットル培養相当の菌体
ストックを解凍し、氷冷した50mM Tris・HC
l(pH7.4),10mM EDTA−0.2M Na
Cl,10%sucrose,1mM APMSFを含
むバッファー300mlに懸濁した。これに卵白リゾチ
ーム40mgを溶解し、4℃で2時間インキュベートし
た後、超音波処理を行い、20,000×gで1時間遠
心して上清を取得した。この上清を200mlのQ−セ
ファロースベットを通過させた後、TCAを最終濃度4
%になるように加え、40℃で10分間静置した。2
0,000×gで20分遠心して集めた沈殿を、100
mlの20mM Tris(pH7.4),1mM ED
TA−0.15M NaCl,1mM APMSFを含む
バッファーに懸濁し、乳鉢中でホモゲナイズしながら、
5M NaOHを加え、pH6に調整した。このホモゲ
ネートを100,000×gで1時間遠心して得られた
上清をS−Sepharoseカラム(径1.6×10
cm,pharmacia)にかけた。カラムを0.1
M potassium phosphate(pH
6.0),1mM EDTA,0.5mM PMSFを含
むバッファーで洗浄した後、0Mから1MのNaCl濃
度勾配を400ml,200分にわたってかけ、溶出液
を5ml毎に集めた。高い生物活性の認められた分画番
号20から27をE.coliBTC I,分画番号4
0から45をE.coli BTC II分画として、それ
ぞれプールした(図24)。E.coli BTC Iの
プール分画にTFAを最終濃度0.1%になるように添
加し、C18逆相HPLCカラム(径1.0×25c
m;AsahipakODP−50,Asahi ch
emical)にかけた。カラムを0.1%TFAで洗
浄後、0%から63%のアセトニトリル濃度勾配を、3
40ml,170分間にわたってかけ、溶出液を4ml
毎に集めた。生物活性は矢印のピークに一致して認めら
れた(図25)。このピークをSDS−PAGEと銀染
色で調べると、18K付近に一本のバンドが認められた
(図26レーンI)。BTCIが精製された。この方法
により630μgのE.coli BTC Iが得られ
た。 E.coli BTC IIのS−Sepharos
eカラムプール分画を0.1%TFA存在下にC18逆
相HPLCカラム(径4.6×15cm;Asahip
ak ODP−50,Asahi chemical)
にかけた。カラムを洗浄後、0%から63%のアセトニ
トリル濃度勾配を、35ml,70分間にわたってか
け、溶出液を0.5ml毎に集めた。生物活性は矢印の
ピークに一致して認められた(図27)。このピークを
SDS−PAGEおよび銀染色で調べると、14.3K
(リゾチーム)より分子量の小さい位置に一本のバンド
が認められ(図26レーンII)、BTCIIが精製され
た。この方法により990μgのE.coliBTCII
が得られた。E.coliBTC IおよびIIのN末端
アミノ酸配列を20アミノ酸残基まで決定した。BTC
Iは翻訳開始メチオニンから始まる予想通りのN末端
を有し、BTC IIはN末端の31残基を欠失した分子
であることがわかった(図28)。
レックス70カチオン交換カラムに通した後のBTC−
GFの3T3細胞成長因子活性を示す。
の、図1から集められた活性画分の3T3細胞成長因子
活性を示す。
た場合の、フェニールセファロースカラムから集められ
た活性画分の3T3細胞成長因子活性を示す。
パリンアフィニティーカラムから集められた活性画分の
3T3細胞成長因子活性を示す。
により得られた、プールされた活性画分のゲルにおける
BTC−GFの銀染色図である。
活性を示す。
れ精製されたBTC−GFのN−末端アミノ酸配列を示
す。
ミノ酸配列の33番から80番のアミノ酸を示している
(配列番号3)。
及びそれから推定されるマウスBTC−GFのアミノ酸
配列を示す(配列番号4)。
及びそれから推定されるマウスBTC−GFのアミノ酸
配列を示す(配列番号4)。
cDNAの塩基配列及びそれから推定されるアミノ酸
配列を示す。
cDNAの塩基配列及びそれから推定されるアミノ酸
配列を示す。
ムクロマトグラフィーの結果を示す。
す。
体クロマトグラフィーの結果を示す。
マトグラフィーを示す。
E銀染色の結果を示す。
スカラムクロマトグラフィー及びDNA合成誘導活性の
結果を示す。
を示す。
体クロマトグラフィーカラムクロマトグラフィーの結果
を示す。
ロマトグラフィーの結果を示す。
E銀染色の結果を示す。
スカラムクロマトグラフィーの結果を示す。
ロマトグラフィーカラムクロマトグラフィーの結果を示
す。
E銀染色の結果を示す。
ロマトグラフィーカラムクロマトグラフィーの結果を示
す。
ノ酸配列を示す。
Claims (24)
- 【請求項1】 非グリコシル化組換え型哺乳動物BTC
−GF蛋白質。 - 【請求項2】 蛋白質が、次の部分アミノ酸配列 (1)His−Phe−Ser−Arg−Cys−Pr
o−Lys−Gln−Tyr−Lys−His−Tyr
−Cys−Ile, (2)Gly−Arg−Cys−Arg−Phe−Va
l−Val, (3)Glu−Gln−Thr−Pro−Ser−Cy
s,および (4)Gly−Ala−Arg−Cys−Glu−Ar
g−Val−Asp−Leu−Phe−Tyr を有する請求項1記載の蛋白質。 - 【請求項3】 蛋白質がヒトBTC−GFを含有する請
求項2記載の蛋白質。 - 【請求項4】 蛋白質がマウスBTC−GFを含有する
請求項2記載の蛋白質。 - 【請求項5】 蛋白質が、配列番号:5(図10)のア
ミノ酸番号1番から147番、又は配列番号:5(図1
0)のアミノ酸番号1番から80番のアミノ酸を含有す
るアミノ酸配列を有するものである請求項3記載の蛋白
質。 - 【請求項6】 蛋白質が、配列番号:4(図9)のアミ
ノ酸番号1番から146番を含有するアミノ酸配列を有
するものである請求項4記載の蛋白質。 - 【請求項7】 哺乳動物のBTC−GFをコードする単
離されたDNA。 - 【請求項8】 DNAがヒトBTC−GFをコードする
ものである請求項7記載の単離されたDNA。 - 【請求項9】 DNAがマウスBTC−GFをコードす
るものである請求項7記載の単離されたDNA。 - 【請求項10】 DNAが、配列番号:5(図10)の
アミノ酸番号1番から147番のアミノ酸を含有するア
ミノ酸配列をコードするものである請求項8記載のDN
A。 - 【請求項11】 DNAが、配列番号:5(図10)の
アミノ酸番号1番から80番のアミノ酸を含有するアミ
ノ酸配列をコードするものである請求項8記載のDN
A。 - 【請求項12】 単離されたDNAが、配列番号:5
(図10)のDNA番号388番から828番のDNA
配列を含有する、請求項10記載の単離されたDNA。 - 【請求項13】 単離されたDNAが、配列番号:5
(図10)のDNA番号388番から627番のDNA
配列を含有する、請求項10記載の単離されたDNA。 - 【請求項14】 DNAが、配列番号:4(図9)のア
ミノ酸番号1番から146番を含有するアミノ酸配列を
有する蛋白質をコードする、請求項9記載の単離された
DNA。 - 【請求項15】 単離されたDNAが、配列番号:4
(図9)のDNA番号206番から703番のDNA配
列を含有する、請求項14記載の単離されたDNA。 - 【請求項16】 請求項7記載の単離されたDNAを保
持する組換えベクター。 - 【請求項17】 請求項8記載の単離されたDNAを保
持する組換えベクター。 - 【請求項18】 請求項9記載の単離されたDNAを保
持する組換えベクター。 - 【請求項19】 請求項16記載のベクターを保持する
形質転換体。 - 【請求項20】 請求項17記載のベクターを保持する
形質転換体。 - 【請求項21】 請求項18記載のベクターを保持する
形質転換体。 - 【請求項22】 請求項19記載の形質転換体を培地中
で培養することを包含する請求項1記載の蛋白質の製造
方法。 - 【請求項23】 請求項20記載の形質転換体を培地中
で培養することを包含する請求項3記載の蛋白質の製造
方法。 - 【請求項24】 請求項21記載の形質転換体を培地中
で培養することを包含する請求項4記載の蛋白質の製造
方法。
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