JP3045399B2 - 蛋白質,dnaおよびその用途 - Google Patents

蛋白質,dnaおよびその用途

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JP3045399B2 JP3508255A JP50825591A JP3045399B2 JP 3045399 B2 JP3045399 B2 JP 3045399B2 JP 3508255 A JP3508255 A JP 3508255A JP 50825591 A JP50825591 A JP 50825591A JP 3045399 B2 JP3045399 B2 JP 3045399B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は線維芽細胞成長因子(以下、FGFと略称する
こともある。)蛋白質を受容する作用を有する動物蛋白
質の水溶性ムテイン,それをコードする塩基配列を有す
る組換えDNAおよび該ムテインの製造のための技術に関
する。
発明の背景 FGFには、視床下部,脳,網膜などに局在する分子量
約1.6万、等電点が5〜7の酸性線維芽細胞成長因子
(以下、aFGFと略称することもある。)と各種組織およ
び臓器に広く存在する分子量約1.7万、等電点が8〜10
の塩基性線維芽細胞成長因子(以下、bFGFと略称するこ
ともある。)がある。共にヘパリンと強く結合するとい
う特徴があり、当初線維芽細胞に強い増殖促進作用を示
す因子として分離されたが、その後中胚葉由来の殆ど全
ての細胞に対して増殖促進作用を示すことが判明した。
特に内皮細胞の増殖促進因子あるいは血管新生因子とし
て一般に知られている。ほとんどの癌細胞はbFGFを産生
し、このbFGFが癌細胞自身を増殖させるのである。
FGFの各種細胞に対するこのような作用には、全てFGF
と細胞表面に存在するFGF受容体との相互作用が不可欠
であると考えられている。またaFGFとbFGFは共通の受容
体に結合する可能性が示唆されているが、その実体は不
明の点が多い。
上気した通り、各種細胞において重要な役割をなすFG
F受容体であるが、FGF受容体の蛋白質としての性状やそ
の遺伝子については実体が不明で、またFGF受容体を遺
伝子組換え技術によって製造したとの報告はない。FGF
受容体を遺伝子組換え技術を用いて大量に製造すること
ができれば、抗癌剤のような医薬などとして使用でき
る。特にヒトFGFを受容する作用を有する蛋白質を大量
生産する方法の確立が望まれていた。
一般に、近縁種の動物の蛋白質はそのアミノ酸配列に
おいて高い相同性があり、アミノ酸の異なっている部分
もその大部分は遺伝子のコドンのone point mutationに
よって導びかれるものである。従って前記したトリのFG
F受容体遺伝子のDNA配列の一部は、ヒトFGFを受容する
作用を有する蛋白質をコードする遺伝子のDNA配列に極
めて良く似ているものと推定される。そこで本発明者ら
はこのような考えに基づいて、トリFGF受容体遺伝子の
一部と同じ塩基配列をもつDNAをプローブとして合成
し、これを用いてヒトFGFを受容する作用を有する蛋白
質をコードする遺伝子をヒト細胞よりクローニングし、
該遺伝子を含む組換えDNAを構築し、該DNAで形質転換さ
れた形質転換体を培養すると、ヒトFGFを受容する作用
を有する蛋白質が生産されることを見い出した。
また、FGF蛋白質を受容する作用を有する動物蛋白質
の水溶性ムテインは、有利にFGF蛋白質を受容すること
を見い出した。
本発明者らは、これらの知見に基づき、さらに研究し
た結果、本発明を完成した。
発明の要旨 本発明は、(1)、線維芽細胞成長因子(FGF)蛋白
質を受容する作用を有する動物蛋白質の水溶性ムテイ
ン, (2)、上記(1)の水溶性ムテインをコードする塩基
配列を有する組換えDNA, (3)、上記(2)の組換えDNAを含むベクター, (4)、上記(3)のベクターを保持する形質転換体,
および (5)、上記(4)の形質転換体を培地に培養すること
を特徴とする上記(1)の水溶性ムテインの製造法であ
る。
図面の簡単な説明 図1は、実施例1で得られたヒトFGF受容作用を有す
る蛋白質をコードするcDNAの塩基配列の一部およびこれ
から推定されるアミノ酸配列を示す。
図2は、実施例2で得られた、FGF受容体cDNAの制限
酵素地図を示す。
図3は、実施例2で得られた、プラスミドpTB1228のc
DNAの塩基配列を示す。また、コードされるアミノ酸配
列をその下段に示す。
図4は、実施例2で得られた、プラスミドpTB1229のc
DNAの塩基配列を示す。また、コードされるアミノ酸配
列をその下段に示す。
図5は、実施例3で得られたプラスミドpTB1283の構
築図を示す。
図6は、実施例3で得られたプラスミドpTB1284の構
築図を示す。
図7は、実施例3で得られたプラスミドpTB1284のcDN
Aの塩基配列を示す。また、コードされるアミノ酸配列
をその下段に示す。
図8は、実施例3で得られたプラスミドpTB1283のcDN
Aの塩基配列を示す。また、コードされるアミノ酸配列
をその下段に示す。
図9は、実施例4で得られたプラスミドpTB1289の構
築図を示す。
図10は、実施例4で得られたプラスミドpTB1290の構
築図を示す。
図11は、実施例4で得られたプラスミドpTB1289のcDN
Aの塩基配列、およびそれが産生したFGF受容体細胞外ド
メインのアミノ酸配列を示す。
図12は、実施例4で得られたプラスミドpTB1290のcDN
Aの塩基配列、およびそれが産生したFGF受容体細胞外ド
メインのアミノ酸配列を示す。
図13は、実施例3(2)で得られたプラスミドpTB131
3の構築図を示す。
図14は、実施例4(2)で得られたプラスミドpTB131
5の構築図を示す。
図15は、大腸菌中で産生されたFGF受容体細胞外ドメ
インのQセファロースカラムでの精製を示すグラフであ
る。
好ましい態様 本発明でいうFGF蛋白質としては、酸性FGF,塩基性FGF
およびそれらのムテインが挙げられる。なかでも、塩基
性FGFおよびそのムテインが好ましい。
該FGFとしては、哺乳動物由来のものが好ましい。該
哺乳動物としては、たとえばヒト,サル,ブタ,ウシ,
ヒツジ,ウマなどが挙げられる。
FGFのムテインとしては、FGF活性を有するものであっ
て、該FGFの構成アミノ酸の少なくとも1個の構成アミ
ノ酸を欠くもの、少なくとも1個の構成アミノ酸が別の
アミノ酸で置換されているもの、少なくとも1個のアミ
ノ酸が付加されたものが挙げられる。
FGF蛋白質の具体例としては、たとえばヨーロッパ特
許出願公開公報第237,966号,第281,822号,第326,907
号,第394,951号に開示されたものが挙げられる。
FGF蛋白質を受容する作用としては、細胞外ドメイン
にFGF蛋白質と特異的に結合する性質があり、さらに、F
GF蛋白質との結合による構造変化によって、細胞内ドメ
インにあるチロシン−リン酸化酵素に相当する部分が活
性化されることを指す。一般的にこのようなチロシンリ
ン酸化の作用は、細胞の分化・増殖に深く関っていると
考えられる。
FGF蛋白質分子と特異的に結合する蛋白質としては、
抗FGF抗体が考えられるが、抗体分子には酵素活性もな
く、細胞の分化・増殖とは関係もない。したがって、FG
F蛋白質分子と受容する作用を有する蛋白質と抗FGF抗体
とは本質的に異なるものである。
本発明の水溶性ムテインの基本となるFGF蛋白質を受
容する作用を有する動物蛋白質(以下、成熟型FGF受容
体と称することもある。)としては、ヒト型のもの,ニ
ワトリ型のもの,マウス型のもの,カエル型のもの,ウ
オ型のものなどが挙げられる。
該ヒト型の成熟型FGF受容体としては、たとえば図7
のアミノ酸配列を有するもの、図8のアミノ酸配列を有
するもの、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nuclei
c Acids Research),18,1906(1990)に記載されたア
ミノ酸配列を有するもの、EMBOジャーナル(The EMBO J
ournal),2685(1990)に記載のflgと称して記載され
たアミノ酸配列を有するもの、モレキュラー アンド
セルラー バイオロジー(Molecular and Cellular Bio
logy),8,5541−5544(1988)およびThe EMBO Journa
l,9,2685(1990)に記載のbekと称して記載されたアミ
ノ酸配列を有するもの、プロシーディングス・オブ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Nat
l.Acad.Sci.)USA87,5983(1990)にK−sam遺伝子が発
現する蛋白として記載されたアミノ酸配列を有するもの
が挙げられる。
該ニワトリ型のものとしては、サイエンス(Scienc
e),245,57−60(1989)に記載されたアミノ酸配列を
有するものが挙げられる。
該マウス型のものとしては、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,87,4378−4382(1990)に記載されたアミノ酸配列を
有するものが挙げられる。
本発明の水溶性ムテインとしては、成熟型FGF受容体
のC末端側から少なくとも1個のアミノ酸が欠失してい
るもの、成熟型FGF受容体の膜透過部分(トランスメン
ブレイン・ドメイン)に相当するアミノ酸配列が欠失し
たものが挙げられる。
該成熟型FGF受容体のC末端から少なくとも1個のア
ミノ酸が欠失しているものとしては、C末端から膜透過
部分までを欠失したもの、すなわち細胞外ドメインに相
当する部分が挙げられる。
該細胞外ドメインは、そのC末端からさらに1〜38個
のアミノ酸を欠失していてもよい。さらに、そのC末端
から123個までのアミノ酸を欠失していてもよい。
上記成熟型FGF受容体の膜透過部分に相当するアミノ
酸配列が欠失したものは、さらにそのC末端から1〜11
個のアミノ酸を欠失していてもよい。
上記欠失型ムテインから、さらに、N末端から少なく
とも1個のアミノ酸の欠失が同時に行われていてもよ
い。
該N末端からの欠失としては、N末端から1〜257個
のアミノ酸の欠失、さらに好ましくは1〜131個のアミ
ノ酸の欠失が挙げられる。アミノ酸番号は、N末端のシ
グナル配列の次のアミノ酸から数えるものとする。
本発明の水溶性ムテインを製造するためには、従来の
組換えDNA技術に加え、特定部位指向性変異誘発技術(S
ite directed mutagenesis)が採用される。該技術は周
知であり、アール・エフ・レイサー(Lather,R.F.)及
びジェイ・ピー・レコック(Lecoq,J.P.),ジェネティ
ック・エンジニアリング(Genetic Engineering)、ア
カデミックプレス社(1983年)第31−50頁、に示されて
いる。オリゴヌクレオチドで指示された変異誘発はエム
・スミス(Smith,M.)及びエス・ギラム(Gillam,
S.)、ジェネティック・エンジニアリング:原理と方
法、プレナムプレス社(1981年)3巻1−32頁に示され
ている。
本発明のムテインをコードする構造遺伝子を製造する
ためには、たとえば、 (a)成熟型FGF受容体の構造遺伝子の1本鎖からなる
1本鎖DNAを突然変異オリゴヌクレオチドプライマーと
雑種形成させる、 (b)DNAポリメラーゼによりプライマーを伸長させ、
突然変異性ヘテロ二量体(heteroduplex)を形成させ
る、及び (c)この突然変異性ヘテロ二量体を複製する。
オリゴヌクレオチドプライマーの大きさは、突然変異
を導入すべき遺伝子領域へのプライマーの安定な雑種形
成に必要な条件により、また現在利用可能なオリゴヌク
レオチド合成法の限界によって決まる。オリゴヌクレオ
チドで指示される突然変異誘発に使用するオリゴヌクレ
オチドを設計するに当たって、考慮すべき因子(例えば
全体の大きさ、突然変異サイトを迂回する部分の大き
さ)は、エム・スミス及びエス・ギラム(前掲)によっ
て記述されている。概して、オリゴヌクレオチドの全長
は、突然変異サイトでの安定でユニークな雑種形成を最
適化するような長さであり、突然変異サイトから5′及
び3′末端までの伸長部分(extensions)は、DNAポリ
メラーゼのエキソヌクレアーゼ活性による突然変異の修
復をさけるのに十分な大きさとする。
上記成熟型FGF受容体をコードする塩基配列を有するD
NAを含有する発現型ベクターは、例えば、 (i)成熟型FGF受容体をコードするRNAを分離し、 (ii)該RNAから単鎖の相補DNA(cDNA)を、次いで二重
鎖DNAを合成し、 (iii)該相補DNAをプラスミドに組み込み、 (iv)得られた組み換えプラスミドで宿主を形質転換
し、 (v)得られた形質転換体を培養後、形質転換体から適
当な方法、例えばDNAプローブを用いたコロニーハイブ
リダイゼーション法、により目的とするDNAを含有する
プラスミドを単離し、 (vi)そのプラスミドから目的とするクローン化DNAを
切り出し、 (vii)該クローン化DNAをビークル中のプロモーターの
下流に連結する、ことにより製造することができる。
さらに上記cDNAは、化学合成により製造することもで
きる。
該成熟型FGF受容体をコードするRNAは、種々のFGF受
容体産生細胞、例えばヒト内皮由来細胞あるいはヒト線
維芽細胞から得ることができる。該ヒト線維芽細胞とし
ては、WI38(ATCC番号CCL−75)あるいはIMR90(ATCC番
号CCL−186)などがあげられる。上記細胞WI38およびIM
R90は、ジ・アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ション(The American Type Culture Collection)発行
のカタログ・オブ・セル・ラインズ・アンド・ハイブリ
ドーマズ(Catalogue of Cell Lines & Hybridomas)5
th edition,1985に掲載されている。
成熟型FGF受容体産生細胞からRNAを調製する方法とし
ては、グアニジンチオシアネート法[J.M.Chirgwinら,
バイオケミストリー(Biochemistry),18,5294(197
9)]などが挙げられる。
このようにして得られたRNAを鋳型とし、逆転写酵素
を用いて、例えばH.Okayamaらの方法[モレキュラー・
アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular and Cell
ular Biology)2,161(1982)および同誌3,280(198
3)]に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラスミド
に組み込む。
cDNAを組み込むプラスミドとしては、たとえば大腸菌
由来のpBR322[ジーン(gene),2,95(1977)],pBR32
5[ジーン,4,121(1978)],pUC12[ジーン,19,259
(1982)],pUC13[ジーン,19,259(1982)],pUC118,
pUC119[Methods in Enzymology153,3−11(1987)]、
枯草菌由来のpUB110[バイオケミカル・バイオフィジカ
ル・リサーチ・コミュニケーション(Biochemical and
Biophysical Research Communication),112,678(198
3)]などが挙げられるが、その他のものであっても、
宿主内で複製保持されるものであれば、いずれをも用い
ることができる。
プラスミドに組み込む方法としては、たとえば、T.Ma
niatisら,モレキュラー・クローニング(Molecular Cl
oning)コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ
ー(Cold Spring Harbor Laboratory),第239頁(198
2)に記載の方法などが挙げられる。
上記cDNAが組み込まれたプラスミドとしては、ヒト正
常2倍体細胞mRNAより合成したcDNAをpCDベクター[Oka
yamaら,モレキュラー・セル・バイオロジー(Molecula
r Cell Biology),3,280(1983)参照]に組み込んで
作成した大腸菌x1776を宿主としたcDNAライブラリー
(大阪大学微生物病研究所の岡山博士より分与を受ける
ことができる。)を用いて得られたプラスミドでもよ
い。
このようにして得られたプラスミドは、適当な宿主た
とえばエシェリキア(Escherichia)属菌,バチルス(B
acillus)属菌などに導入する。
上記エシェリキア属菌の例としては、エシェリキア・
コリ(Escherichia coli)K12DH1[Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,60,160(1968)],M103[ヌクレイック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research)9,309(198
1)],JA221[ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイ
オロジー(Journal of Molecular Biology)]120,517
(1978)],HB101[ジャーナル・オブ・モレキュラー・
バイオロジー,41,459(1969)],C600[ジェネティッ
クス(Genetics),39,440(1954)]などが挙げられ
る。
上記バチルス属菌としては、たとえばバチルス・サチ
ルス(Bacillus subtilis),MI114(ジーン,24,255(1
983)],207−21[ジャーナル・オブ・バイオケミスト
リー(Journal of Biochemistry)95,87(1984)]など
が挙げられる。
形質転換する方法としては、たとえばT.Maniatisら,
モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning),
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spling Harbor Laboratory)第249頁(1982)に記載の
カルシウムクロライド法あるいはカルシウムクロライド
/ルビジウムクロライド法などが挙げられる。
このようにして得られた形質転換体中から自体公知の
方法、例えばコロニー・ハイブリダイゼーション法[ジ
ーン10,63(1980)]およびDNA塩基配列決定法[Proc.N
atl.Acad.Sci.USA74,560(1977)]を用い、求めるクロ
ーンを選出する。
このようにして、クローン化された成熟型FGF受容体
をコードする塩基配列を含有するDNAを有するベクター
を保持する微生物が得られる。
次に、該微生物からプラスミドを単離する。
該単離法としては、アルカリ法[H.C.Birmboimら,ヌ
クレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Rese
arch)1,1513(1979)]などが挙げられる。
上記クローン化された成熟型FGF受容体をコードする
塩基配列を含有するDNAを有するプラスミドはそのま
ま、または所望により制限酵素で切り出して利用するこ
とができる。
クローン化された遺伝子は、発現に適したビークル
(ベクター)中のプロモーターの下流に連結して発現型
ベクターを得ることができる。
ベクターとしては、上記の大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13,pUC118,pUC119),
枯草菌由来プラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194),酵
母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)あるいはλファ
ージなどのバクテリオファージおよびレトロウイルス,
ワクシニアウイルスなどの動物ウイルスなどがあげられ
る。
該遺伝子はその5′末端に翻訳開始コドンとしてのAT
Gを有し、また3′末端には翻訳終止コドンとしてのTA
A、TGAまたはTAGを有していてもよい。さらに該遺伝子
を発現させるにはその上流にプロモーターを接続する。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発
現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであれば
いかなるものでもよい。
また、形質転換する際の宿主がエシェリキア属菌であ
る場合は、T7プロモーター,trpプロモーター,lacプロモ
ーター,recAプロモーター,λPLプロモーター,lppプロ
モーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SP
O1プロモーター,SPO2プロモーター,penPプロモーターな
ど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター,PGKプ
ロモーター,GAPプロモーター,ADHプロモーターなどが好
ましい。とりわけ宿主がエシェリキア属菌でプロモータ
ーがtrpプロモーターまたはT7プロモーターであること
が好ましい。
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモー
ター、レトロウイルスのプロモーターなどが挙げられ、
とりわけSV40由来のプロモーターが好ましい。
このようにして構築されたDNAを含有するベクターを
用いて、形質転換体を製造する。
宿主としては、たとえばエシェリキア属菌,バチルス
属菌,酵母,動物細胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌,バチルス属菌の具体例として
は、前記したものと同様のものが挙げられる。
上記酵母としては、たとえばサッカロマイセス セレ
ビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22R,NA87−11
A,DKD−5Dなどが挙げられる。
動物細胞としては、たとえばサル細胞COS−7,Vero,チ
ャイニーズハムスター細胞CHO,マウスL細胞,ヒトFL細
胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌を形質転換するには、たとえば
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69,2110(1972),ジーン,1
7,107(1982)などに記載の方法に従って行なわれる。
バチルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュ
ラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecu
lar & General Genetics),168,111(1979)などに記
載の方法に従って行なわれる。
酵母を形質転換するには、たとえばProc.Natl.Acad.S
ci.USA75;1929(1978)に記載の方法に従って行なわれ
る。
動物細胞を形質転換するには、たとえばヴィロロジー
(Virology)52,456(1973)に記載の方法に従って行な
われる。
このようにして、DNAを含有するベクターで形質転換
された形質転換体が得られる。
宿主がエシェリキア属菌,バチルス属菌である形質転
換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体
培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必
要な炭素源,窒素源,無機物その他が含有せしめられ
る。炭素源としては、たとえばグルコース,デキストリ
ン,可溶性澱粉,ショ糖など、窒素源としては、たとえ
ばアンモニウム塩類,硝酸塩類,コーンスチープ・リカ
ー,ペプトン,カゼイン,肉エキス,大豆粕,バレイシ
ョ抽出液などの無機または有機物質,無機物としてはた
とえば塩化カルシウム,リン酸二水素ナトリウム,塩化
マグネシウムなどがあげられる。また、酵母エキス,ビ
タミン類,生長促進因子などを添加してもよい。
培地のpHは約6〜8が望ましい。
エシェリキア属菌を培養する際の培地としては、例え
ばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地[Miller,ジャ
ーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー
・ジェネティックス(Journal of Experiments in Mole
cular Genetics),431−433,Cold Spring Harbor Labor
atory,New York 1972)]が好ましい。ここに必要によ
りプロモーターを効率よく働かせるために、たとえば3
β−インドリル アクリル酸のような薬剤を加えること
ができる。
宿主がエシェリキア属菌の場合、培養は通常約15〜43
℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加え
ることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で
約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えるこ
ともできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培
地[Bostian,K.L.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,4505
(1980)]が挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整す
るのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時
間行い、必要に応じて通気や攪拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地
としては、たとえば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地[サイエンス(Science)122,501(1952)],DMEM
培地[ヴィロロジー(Virology),8,396(1959)],RP
MI1640培地[ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メデ
ィカル・アソシエーション(The Journal of the Ameri
can Medical Association)199,519(1967)],199培地
[プロシーディング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー
・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of th
e Society for the Biological Medicine)73,1(195
0)]などが挙げられる。pHは約6〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約30〜40℃、培養時間は約15〜60時間
行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
上記培養物から本発明のムテインを分離精製するに
は、例えば下記の方法により行うことができる。
本発明のムテインを培養菌体あるいは細胞から抽出す
るに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞
を集め、これを塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤を含
む緩衝液に懸濁して菌体外に目的のムテインを溶出させ
る方法、超音波、リゾチームおよび(または)凍結融解
によって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離に
より本発明のムテインを得る方法などが適宜用い得る。
とりわけ、リゾチームと超音波処理を併用する方法が好
ましい。
上記上澄液から本発明のムテインを精製するには、自
体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうこと
ができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析
や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限
外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する
方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を
利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなど
の特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマト
グラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電
気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが挙げら
れる。
この様にして得られた本発明のムテインは透析、凍結
乾燥を行い、乾燥粉末とすることもできる。さらに、担
体として血清アルブミンなどを添加して保存すること
は、本発明のムテインの容器への吸着を防ぐことができ
好適である。
このようにして、実質的に純粋な本発明の水溶性ムテ
インが得られる。本発明の実質的に純粋な蛋白質として
は、蛋白質含量として95%(w/w)以上であるもの、さ
らに好ましくは98%(w/w)以上であるものが挙げられ
る。
遺伝子組み換え技術によって得られた本発明のムテイ
ンの一例として、例えば図11のアミノ酸配列または図12
のアミノ酸配列で示されるポリペプチドを含有する蛋白
質を挙げることができる。該蛋白質はそのN末端にMet
を有していてもよい。本発明の水溶性ムテインのC末端
に膜透過ドメインおよび細胞内ドメインに相当するアミ
ノ酸配列が付加されたもの(以下、アミノ酸付加物と称
することもある。)でもよく、その例としては、たとえ
ば図7のアミノ酸配列または図8のアミノ酸配列を含有
するポリペプチドが挙げられる。該ポリペプチドは、た
とえば、上記した方法でcDNAを製造し、プラスミドに組
み込み、形質転換体を作製し、培養および生成物の精製
を行なうことにより、製造することができる。
かくして得られる本発明の水溶性ムテインもしくはア
ミノ酸付加物の活性は、FGFの細胞への結合効果などに
より測定することができる。
本発明の組換えDNAで遺伝子感染または形質転換した
細胞では、本来わずかのFGF受容体しか合成されない、
あるいは全く合成されない各種細胞においても大量の本
発明のムテインを産生せしめることができる。
本発明の水溶性ムテインをコードする遺伝子を含有す
る発現型プラスミドは、これを各種細胞に導入すること
により該細胞に本発明の水溶性ムテインを産生させるこ
とができるため、本発明の水溶性ムテインを大量に取得
することができる。
本発明の水溶性ムテインは、糖鎖が付加しているもの
でもよい。該糖鎖としては、一般に知られている糖タン
パクに見い出される糖ならば何でもよく、特に種類を問
わない。例えば、N−アセチルグリコサミン、N−アセ
チルガラクトサミン、マンノース、ガラクトース、フコ
ース、シアル酸などをあげあることが出来る。また、糖
鎖の長さは、1種以上の糖が付加していればよい。好ま
しくは、10〜20の糖鎖が付加しているものが挙げられ
る。
このようにして製造される本発明の水溶性ムテインも
しくはアミノ酸付加物を用いて本来、細胞表面上に存在
するFGF受容体とFGF分子との結合を阻害することができ
る。この様な阻害により、FGFに依存した細胞増殖が抑
制されるため、多発性内分泌腺腫症,前立腺肥大症,糖
尿病性網膜炎あるいは癌などの治療薬として用いること
ができる。また毒性は低い。
さらに本来FGF受容体を有さない各種動物細胞(リン
パ球系細胞など)を、本発明のDNAで遺伝子感染または
形質転換することにより本発明の水溶性ムテインまたは
アミノ酸付加物を産生せしめることができるので、これ
ら細胞をFGF含有培地中で培養することにより、インビ
トロで長期にわたり、増殖,継代したり、株化したり、
クローン化することができる。
本発明のDNAを用いて増殖等が可能となった上記動物
細胞を大量に培養することにより、これら細胞が本来産
生する各種有用物質を大量に取得することができる。
また、本発明のDNAおよび本発明の水溶性ムテインま
たはアミノ酸付加物により製造される抗体を用いて、細
胞に発現するFGF受容体量を検出することにより癌や前
立腺肥大症などの診断を行うことができる。
本発明の水溶性ムテインまたはアミノ酸付加物を医薬
として用いるには、そのまま粉末として、または他の薬
理学的に許容されうる担体,賦形剤,希釈剤とともに医
薬組成物(例、注射剤,錠剤,カプセル剤,液剤,軟
膏)として、温血哺乳動物(例、ヒト,マウス,ラッ
ト,ハムスター,ウサギ,犬,ネコ)に対して非経口的
または経口的に安全に投与することができる。
注射剤の製剤化はたとえば生理食塩水またはブドウ糖
やその他の補助薬を含む水溶液を用い、常法に従って行
なわれる。錠剤,カプセル剤等の医薬組成物も常法に従
って調製しうる。
本発明の水溶性ムテインまたはアミノ酸付加物を上述
した医薬として哺乳動物に用いる場合の一日投与量とし
ては、たとえば約0.2μg/kg〜0.2mg/kgであり、さらに
好ましくは約2μg/kg〜0.2mg/kgである。
また、本発明の水溶性ムテインまたはアミノ酸付加物
をコードする遺伝子を導入した細胞の細胞培養を促進さ
せる場合、FGFを培地1リットルあたり約0.01〜10μ
g、さらに好ましくは約0.1〜10μgとなるように培地
に加えることが好ましい。
本発明明細書および図面において、塩基やアミノ酸な
どを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Bi
ochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものであり、その例を下記す
る。また、アミノ酸に関し光学異性体がありうる場合
は、特に明示しなければL−体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム G,Gly :グリシン A,Ala :アラニン V,Val :バリン L,Leu :ロイシン I,Ile :イソロイシン S,Ser :セリン T,Thr :スレオニン C,Cys :システイン M,Met :メチオニン E,Glu :グルタミン酸 D,Asp :アスパラギン酸 K,Lys :リジン R,Arg :アルギニン H,His :ヒスチジン F,Phe :フェニールアラニン Y,Tyr :チロシン W,Trp :トリプトファン P,Pro :プロリン N,Asn :アスパラギン Q,Gln :グルタミン 以下に示す実施例において得られた形質転換体の寄託
の受託日および受託番号につき、第1表に示す。第1表
において、IFO番号で示されているものは、財団法人発
酵研究所(IFO)の寄託を示す。FERM BPで示されている
ものは、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
(FRI)にブダペスト条約に基づく寄託を示す。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 (1)ヒト癌細胞株KatoIIImRNA由来のcDNAライブラリ
ーの作成: ヒト癌細胞株KatoIIIよりmRNAをmRNA分離用キット(F
ast Track,インヴィトロジエン,USA)を用いて抽出し
た。このmRNAを鋳型としてcDNAライブラリーを、Watson
とJacksonの方法(Watson.C.J.and Jackson,J.F.,DNAA
クローニング・ア・プラクティカル・アプローチ(DNA
Cloning A Practical Approch)IRL press,Oxford,p79,
1985))に従って、λファージベクターλgt10(Huynh,
T.V.ら,DNAクローニング・ア・プラクティカル・アプロ
ーチ,IRL press,Oxford,p49,1985)を用いて作成した。
10μgのポリ(A)RANより出発して、約1.5×106個の
クローンよりなる大腸菌C600,HflA(Huynh T.V.ら,同
上)を宿主としたcDNAライブラリーを得ることができ
た。
(2)ヒトbFGF受容作用を有する蛋白質のcDNAを含むフ
ァージの単離とそのDNA塩基配列の決定 上記ファージcDNAライブラリーを大腸菌C600,HflAを
宿主として、寒天プレート上に、約1×105クローンず
つ、10枚まき、これを2枚ずつのニトロセルロースフィ
ルター(ミリポア社,HATFフィルター)上に移した後、
0.5N NaOH溶液でとかし露出変性したファージDNAをフィ
ルター上に乾燥固定した。(Maniatisら,「モレキュラ
ー・クローニング(Moleculler Cloning)」Cold Sprin
g Harbor Laboratory,p320,1982)。
一方、P.Leeら(Pauline Leeら,Science7:57,1989)
の報告にあるトリのbFGF受容体のアミノ酸配列の一部
(529〜541アミノ酸)から推定される塩基配列を持つオ
リゴヌクレオチド を化学合成した。
このオリゴヌクレオチドに対してT4ポリヌクレオチド
キナーゼ(宝酒造製)を用いて50μリットルの反応液
[オリゴヌクレオチド0.1μg,50mM Tris−HCリットルpH
8.0,10mM MgCl2,10mMメルカプトエタノール,50μCi γ
32P ATP(>5000Ci/mmole),3ユニット T4ポリヌク
レオチドキナーゼ]中で37℃1時間反応させた、オリゴ
ヌクレオチドの5′末端を32Pで標識した。
上記方法で標識したオリゴヌクレオチドをプローブと
して、DNAを固定したレプリカフィルターに会合させ
た。会合反応は、10μCiのプローブを含む5×SSPE[18
0mM NaCl,10mM NaH2PO4,1mM EDTA(pH7.4)],5×Denha
rdt's,0.1%SDS,100μg/ml変性サケ精子DNA溶液10ml中
で、35℃16時間行い、反応後フィルターを5×SSC[0.1
5M NaCl,0.015M Sodium citrate]0.1%SDS溶液で室温
で30分ずつ3回さらに45℃30分ずつ2回洗浄した[T.Ma
niatisら,“Molecular Cloning"Cold Spring Harbor L
aboratory,p.309(1982)]。
洗浄したフィルターよりラジオオートグラムをとり、
プローブに対して反応する菌株を一組2枚のレプリカフ
ィルターのラジオオートグラムを重ね合わせることによ
り探した。
この結果、プローブに対して反応する3個のcDNAクロ
ーンが得られ、これらをλFRK1,λFRK2,λFRK3と名付け
た。さらに、それぞれのcDNA部分の塩基配列の一部をジ
デオキシヌクレオチド合成鎖停止法(J.Messingら,ヌ
クレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Re
s.)9,309(1981))によって決定した。
この結果により、ヒトFGF受容作用を有する蛋白質の
一部のアミノ酸配列を決定することが出来た。cDNAの塩
基配列とその配列から推定されるアミノ酸配列を図1に
示す。該アミノ酸配列は報告されているトリbFGF受容体
のアミノ酸配列と非常によく似ており、このcDNAがヒト
FGF蛋白質を受容する作用を有する蛋白質をコードする
ものであることを示している。
ここで得られた蛋白質は、ニワトリのFGF受容体[Sci
ence,7,57(1989)]のC末端の約190個のアミノ酸に対
応する部分は欠損していると考えられるが、中央部のト
ランスメンブレン配列〜N末端に対応するアミノ酸配列
を少なくとも含むと考えられる。
実施例2 実施例1で得られた3個のcDNAクローンFRK1,FRK2,FR
K3のcDNA部分をプラスミドpUC118およびpUC119(宝酒
造)のマルチクローニング部位に挿入して、それぞれ大
腸菌MV1184を形質転換することにより形質転換体E.coli
MV1184/pTB1227,E.coli MV1184/pTB1228(IFO 15071,F
ERM BP−3041)およびE.coli MV1184/pTB1229(IFO 150
72,FERM BP−3042)をそれぞれ得た。
これらの形質転換体より得られるプラスミドpTB1227,
pTB1228,pTB1229のcDNA部分の制限酵素地図を図2に示
す。
pTB1227,pTB1228,pTB1229のcDNA部分を制限酵素で消
化して得られた切断部位の位置を示す。使用した制限酵
素はKpnI,NcoI,PvuI,SmaI,BalIである。
図2において、□は非コード領域を、□を黒くぬった
印はコード領域を、∨は、欠失部分をそれぞれ示す。
さらに、これらcDNAの塩基配列を決定したところ、最
も長いcDNAクローンpTB1229の塩基配列は1954塩基より
なることが分かった。その塩基配列とそれがコードする
アミノ酸配列を図4に示す。またpTB1228のcDNAを図3
の塩基配列で示すが、これは図4に示された塩基配列に
おける134〜478番目および1309〜1314番目の塩基が欠失
していた。このためコードされるアミノ酸はE37〜K151
およびV429およびT430が欠損し、R152がGとなる。さら
にpTB1229のcDNAの塩基配列(図4)のうち1029番目の
GがpTB1228ではTになっていた。またpTB1227のcDNAは
1395〜1954番目に相当することがわかった。これらのcD
NAの塩基配列をアミノ酸に翻訳しても翻訳停止コドンが
現れないことからヒトFGF受容体のカルボキシル末端は
さらに3′端側をクローニングしなければ得られないと
考えられる。翻訳されたアミノ酸をニワトリFGF受容体
と比較すると約66%の相同性がある。この比較からシグ
ナルペプチドはM1〜A21の21個のアミノ酸配列からなる
と予想される。また、同様にトランスメンブレン配列は
I379〜C391と考えられる。
実施例3 (1)前記実施例1で得られたmRNAに対しcDNA合成キッ
ト(cDNA合成システム・プラス,アマシャムU.K.)を用
いてcDNA合成を行った。
前記実施例2で得られたcDNA塩基配列(1618〜1638)
をもとにプライマー5′−TCAGAGATGGAGATGATGAAG−
3′(21−mer)を合成し、オリゴ(dT)12-18(アマシ
ャム,U.K.)とともに上記で得られたcDNAに対してPCR
(polymerase chain reaction)法によりFGFレセプター
のカルボキシル末端をコードする部分を増幅した。ここ
で増幅されたDNA断片をプラスミドベクターpUC118(宝
酒造)のSmaI部位にクローニングして大腸菌Ecoli MV
1184を形質転換して形質転換体Ecoli MV1184/pTB1281
を得た。
この形質転換体より得られるプラスミドpTB1281のDNA
を制限酵素BamHIとKpnIで消化して得られたcDNAの長さ
は約1kbpであった。
さらにこのcDNAの塩基配列の解析を行った結果、この
配列はFGFレセプターのE533からカルボキシル末端をコ
ードする部分と3′側の非翻訳領域を含んでいることが
確認された。
このcDNA塩基配列は図3の塩基番号1618以降が重複し
ており、この部分に存在する制限酵素SmaIの認識部位を
利用して、完全なFGFレセプターをコードするcDNAを有
するプラスミドpTB1283(図5)とプラスミドpTB1284
(図6)を構築した。このプラスミドDNAを用いて大腸
菌MV1184を形質転換して2種の形質転換体E.coli MV118
4/pTB1283(IFO 15089,FERM BP−3214)およびE.coli M
V1184/pTB1284(IFO 15090,FERM BP−3215)を得た。
プラスミドpTB1284の有するcDNA塩基配列を図7の塩
基配列の連続したもので示す。またプラスミドpTB1283
の有するcDNA塩基配列は図8の連続したもので示すが、
これは図7のうち134〜478番目および1309〜1314番目の
塩基が欠失しており、その結果コードされるアミノ酸E
37−K151およびV429およびT430が欠損し、R152がGとな
る。さらにこのcDANは1029番目のGがTである。
(2)FGFレセプターの動物細胞での発現 (a)FGFレセプター発現用プラスミドpTB1313およびpT
B1314の構築 前記(1)で得られた2種のFGFレセプターの全構造
領域を含むプラスミドpTB1284およびpTB1283をそれぞれ
制限酵素KpnI−BsmIで切断し、T4ポリメラーゼ反応後、
両末端にBamHIリンカー[CGGATCCG]を付加して、2.6kb
または2.2kb DNA断片を単離した。
一方、動物細胞ベクターpTB1308は、プラスミドpTB39
9(Cell Struct.Funct.12,205−217(1987))のIL−2
cDNA領域を除去するため、プラスミドをEcoRIで切断
し、Klenow断片反応後、Bgl IIリンカー[CAGATCTG]を
付加したのち、Bgl IIで切断して得られた約3.8kb DNA
断片を、T4リガーゼを用いて環状化した。
このpTB1308のBglII切断部位に、前記のFGFレセプタ
ーcDNAの2.6kbまたは2.2kb断片を挿入して、Abelsonマ
ウス白血病ウイルス(MuLV)LTRの支配下に動物細胞でF
GFレセプターcDNAを発現させうる発現用プラスミドpTB1
309およびpTB1310をそれぞれ構築した。さらに、これら
をそれぞれSalI−HindIIIで切断して発現ユニット部分
(プロモーター遺伝子−ポリ(A)シグナル)を、ハム
スタージヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)発現用プラスミド
pTB348(Cell Struct.Funct.12,205(1987))のSV40プ
ロモーター上流にあるSal I−Hind III部位に挿入し
て、プラスミドpTB1313およびpTB1314をそれぞれ構築し
た。プラスミドpTB1313の構築図を図13に示す。
(b)動物細胞における発現 サルCOS7細胞を10%牛胎児血清を含むDMEM培地で直径
6cmの組織培養用ディシュに播種し、翌日、同培地で培
地交換した。4時間後にリン酸カルシウム法(Graham
ら,Virolozy52,456(1973))によりプラスミドpTB1313
およびプラスミドpTB1314DNA10μgをそれぞれトランス
フェクトした。翌日0.5%牛胎児血清を含むDMEM培地に
加えて培養を続け、48時間後に培養液および細胞を集め
た。細胞はPBSで2回洗ったのち、PBSにけんだくし、短
時間の超音波処理ののち、15000rpmで15分遠心し上清液
および細胞残渣を分離した。これら培養液0.5ml(5%
トリクロロ酢酸(TCA)沈殿),細胞抽出液および細胞
残渣についてSDS−PAGE後ウエスタンブロッティング法
による解析を行った。一次抗体としては、FGFレセプタ
ーcDNAから推定されたFGFレセプターのアミノ酸配列27
番目から36番目に相当する合成ペプチド(LVEDTTLEPE)
を抗原として得られたウサギポリクローナル抗体を用い
た。
ウエスタンブロッティングの結果、pTB1313感染COS7
細胞残渣から約140〜150Kd,pTB1314感染COS7細胞残渣か
らは約100Kdの産物が検出された。
実施例4 (1)soluble receptorの大腸菌での発現系の構築: 前記実施例2で得られた形質転換体E.coli MV1184/pT
B1228およびE.coli MV1184/pTB1229それぞれにヘルパー
ファージKQ7を感染させ、培地から一本鎖DNAを調整し
た。この一本鎖DNAを鋳型とし、2本の合成プライマー を用いて、イン ヴィトロ ミュータジェネシス シス
テム(アマシャム,U.K.)による部位特異的突然変異を
行った。この結果、(1)のプライパーにより図7の塩
基配列における1152番目の塩基がAに変異して翻訳停止
コドンがY376の代わりに導入され、さらに1155〜1160番
目の塩基に制限酵素BamHIの認識部位が導入されたプラ
スミドpTB1285およびpTB1286をそれぞれ得た。次いで、
83〜87番目の塩基がATATGに置換され、A21のコドンがM
のコドンに変更され、さらにこの部分に制限酵素NdeIの
認識部位が導入されたプラスミドpTB1287およびプラス
ミドpTB1288をそれぞれ得た。
これらのミュータントのDNAからNdeIとBamHIにより切
り出される断片0.7k塩基対と1k塩基対をプラスミドpET3
cのT7プロモーターの下流にそれぞれ組み込んでプラス
ミドpTB1289およびpTB1290をそれぞれ得た。プラスミド
pTB1289およびプラスミドpTB1290の構築図を図9および
図10にそれぞれ示す。これらのプラスミドを用いて大腸
菌MM294(DE3)/pLysSを形質転換することによりFGFレ
セプターの細胞外ドメインを発現する形質転換体E.coli
MM294(DE3)/pLysS,pTB1289(IFO 15091,FERM BP−32
16)およびE.coli MM294(DE3)/pLysS,pTB1290(IFO 1
5092,FERM BP−3217)をそれぞれ得た。
(2)FGFレセプター細胞外ドメインの大腸菌での発
現: E.coli MM294(DE3)/pLysS,pTB1289およびE.coli MM
294(DE3)/pLysS,pTB1290をそれぞれLB培地で培養し、
イソプロピルβ−Dチオガラクトシドで発現を誘導した
後、菌体全蛋白質をSDS−PAGEにより調べると、それぞ
れに特異的なバンドがクマシーブルー染色により確認さ
れた。分子量マーカーとの相対的位置関係からこれらの
バンドはcDNAにコードされるタンパクの予想分子量に一
致すると考えられ、FGFレセプターの細胞外ドメインの
大腸菌における産生が確認された。得られたFGFレセプ
ター細胞外ドメインのアミノ酸配列については、E.coli
MM294(DE3)/pLysS,pTB1289が発現する蛋白のそれを
図11の配列で示し、E.coli MM294(DE3)/pLysS,pTB129
0が発現する蛋白のアミノ酸配列を図12の配列で示す。
(3)FGFレセプター細胞外ドメインの動物細胞での発
現 (a)発現用プラスミドpTB1315およびpTB1316の構築 前記(1)で得られた2種のFGFレセプターの細胞外
ドメインをコードするcDNAを有するプラスミドpTB1286
およびpTB1285をそれぞれ制限酵素BstEII−BamHIで切断
して、1.1kbおよび0.75kbDNA断片をそれぞれ得た。一
方、前記実施例3(2)で構築したFGFレセプター発現
用プラスミドpTB1309を同じ制限酵素で切断して、上記
の1.1kbおよび0.75kb DNA断片でそれぞれ置換して、発
現用プラスミドpTB1311およびpTB1312をそれぞれ構築し
た。
pTB1311およびpTB1312はMuLVLTRの支配下に2種のFGF
レセプターの細胞ドメインを発現させうるプラスミドで
ある。
さらに、これらをそれぞれ、SalI−HindIIIで切断し
て発現ユニット部分を、前記実施例3(2)と同様にSa
lI−HindIII部位を用いてDHFR発現用プラスミドpTB348
に挿入し、プラスミドpTB1315およびpTB1316をそれぞれ
構築した。プラスミドpTB1315の構築図を図14に示す。
(b)動物細胞における発現 前記実施例3(2)と同様の方法でプラスミドpTB131
3およびpTB1314をそれぞれサルCOS7細胞にトランスフェ
クトした。ウエスタンブロッティングにより感染細胞を
培養上清、細胞抽出液および細胞残渣を解析した結果、
pTB1315およびpTB1316感染COS7細胞培養液中に、約50〜
60kdおよび約35〜50kdの産物を、それぞれ検出した。
FGF蛋白質を受容する作用を有する動物蛋白質の水溶
性ムテインは、腫瘍の治療薬としてあるいはFGF依存性
のない細胞にFGFに対する反応性を付与して細胞増殖能
を増大させることに有用である。
実施例5. 大腸菌で産生されたFGFレセプター細胞外ドメインの精
製 E.coli MM294(DE3)/pLysS,pTB1289を35μg/mlアン
ピシリン,10μg/mlクロラムフェニコールを含む培地で3
7℃で培養し、濁度がKlett 120になったときイソプロピ
ルβ−D−チオガラクトシドを最終濃度が0.5mMになる
ように添加し、更に2時間培養を継続した。菌体を遠心
により集め、氷冷したフオスフエートバッファードセラ
ム(PBS)で洗った後再集菌し使用時まで−20℃に保管
した。
1l培地から集めた大腸菌を25mlの氷冷7M尿素,0.1M Tr
is−HCl(pH8),10mMジオスレイトール(DTT)に懸濁し
て、1時間氷中に放置した。
この溶液を17000rpmで1時間遠心した後上清を、7M尿
素,0.1M Tris−HCl(pH8),1mMジオスレイトール(DT
T)で平衡化したQ−セファロースカラム(径2.5cm×5c
m)にかけた。カラムの平衡化に用いた緩衝液で洗浄し
た後、0〜1MのNaCl直線的濃度勾配を流速1ml/分で300
分にわたってかけ、8分毎に分画した(第15図)。各画
分についてウェスタンブロッティングを行った結果、分
画番号10及び11にFGFレセプター細胞外ドメインBFR−2e
x(アミノ酸配列は図11に示される。)が溶出されてい
ることが認められた。
このQ−セファロースカラムの溶出画分をさらに7M尿
素0.1M Tris−HCl(pH8),0.3M NaCl,2mM DTTで平衡化
したセファクリルS−200カラム(径2.5cm×100cm)に
かけて、流速40ml/hrでゲル濾過を行った。この結果FGF
レセプター細胞外ドメインBFR−2exは分子量約32000の
位置に溶出されることがわかった。この画分はSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動とコマシープルー染色に
より単一のバンドを示した。
実施例6. FGFレセプター細胞外ドメインを産生するCHO細胞株の樹
立 実施例4(3)(a)記載の発現用プラスミドpTB131
5およびpTB1316をそれぞれCHOdhfr-細胞(Urlaubら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA77,4216(1980))にリン酸カル
シウム法(Grahamら、Virology 52,456(1973))によ
り導入した。
2日後に選択培地(10%透析牛胎児血清および35μg/
mlプロリンを含むDMEM)にかえて、培養を続け、dhfr+
となって増殖する形質転換体を得た。
これらCHOdhfr+細胞をリミティングダイリューション
法によりクローニングし、それぞれのプラスミドをトラ
ンスフェクトして得られたCHO細胞につき各24クローン
を樹立した。
つぎに各CHOdhfr+クローンをまず、0.1μMメトトレ
キセート(MTX)を含むDMEM(5%牛胎児血清、35μg/m
lプロリンを含む)で培養し、遺伝子増幅によるMTX耐性
獲得細胞を選択した。以後順次1μM,10μM MTX耐性細
胞を選択した。
このようにして得られたそれぞれのCHOdhfr+細胞クロ
ーンおよびそのMTX耐性細胞株について、培養液中に分
泌されたFGFレセプター細胞外ドメインをウェスタンブ
ロッティング法を用いて検出することにより、産生細胞
株をスクリーニングした。すなわち、24穴プレートで80
%コンフルエントまで増殖させた各細胞株を0.5%牛胎
児血清および10μg/mlインシュリンを含むDMEM/Ham's培
地(1:1)で3日間培養し、その培養液0.5ml(5%トリ
クロロ酢酸(TCA)沈殿)について、SDS−PAGE後、一次
抗体として実施例3(b)記載のウサギポリクローナル
抗体を用いてウェスタンブロッティングをおこなった。
その結果、pTB1315をトランスフェクトし、1μMま
たは10μM MTX耐性細胞として得られたCHO1315−115,CH
O1315−123およびCHO1315−1023(IFO50236,FERM BP−3
362)細胞が、60〜70KDaのFGFレセプター細胞ドメイン
(BFR−lex)(アミノ酸配列は、図12に示される。)を
産生、分泌していることが判明した。また、pTB1316を
トランスフェクトし、1μMまたは10μM MTX耐性細胞
として得られたCHO1316−161,CHO1316−172,(IFO5032
7,FERM BP−3363),CHO1316−1053細胞が40〜50KDaのFG
Fレセプター細胞外ドメイン(BFR−2ex)を産生、分泌
していることが判明した。
これらBFR−lexまたはBFR−2ex産生CHO細胞株を、ツ
ニカマイシン(5μg/ml)存在下および非存在下に35S
−メチオニン(1000Ci/mmole,50μCi/ml)を加えて培養
し、35S−メチオニン標識された培養液中のタンパク
を、上記ウサギポリクローナル抗体を用いて免疫沈降を
行った後、SDS−PAGEで解析した。その結果、これらの
形質転換CHO細胞の産生するBFR−lexは、46KDaのタンパ
クがグリコシル化されて70KDaに、BFR−2exは、35KDaの
タンパクがグリコシル化されて45KDaになっていること
が示唆された。
次の文献は本出願において種々の観点からその開示が
引用されているものであり、ここに導入記載するもので
ある。
ヨーロッパ特許出願公開公報 第237,966号 ヨーロッパ特許出願公開公報 第281,822号 ヨーロッパ特許出願公開公報 第326,907号 ヨーロッパ特許出願公開公報 第394,951号 ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,18,1906(1990)E
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(1987)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (31)優先権主張番号 特願平2−245256 (32)優先日 平成2年9月14日(1990.9.14) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平2−415801 (32)優先日 平成2年12月28日(1990.12.28) (33)優先権主張国 日本(JP) 微生物の受託番号 FERM BP−3041 微生物の受託番号 FERM BP−3042 微生物の受託番号 FERM BP−3214 微生物の受託番号 FERM BP−3215 微生物の受託番号 FERM BP−3216 微生物の受託番号 FERM BP−3217 微生物の受託番号 FERM BP−3362 微生物の受託番号 FERM BP−3363 (56)参考文献 特表 平4−504428(JP,A) Nucleic Acids Re s.,Vol.18,No.7(1990.A pr.11)p.1906 Science,Vol.245(1989) p.57−60 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/71 C12N 1/21 C12N 15/12 C12P 21/02 GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq SwissProt/PIR/GeneS eq CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列 または アミノ酸配列 を含有する、FGF蛋白質を受容する作用を有する蛋白質
    またはその塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載の蛋白質をコードする塩基配
    列を有する組換えDNA。
  3. 【請求項3】請求項2記載の組換えDNAを含むベクタ
    ー。
  4. 【請求項4】請求項3記載のベクターで形質転換された
    形質転換体。
  5. 【請求項5】大腸菌MM294(DE3)/PLysS,pTB1289の特徴
    を有する請求項4記載の形質転換体。
  6. 【請求項6】大腸菌MM294(DE3)/PLysS,pTB1290の特徴
    を有する請求項4記載の形質転換体。
  7. 【請求項7】請求項4記載の形質転換体を培地に培養す
    ることを特徴とする請求項1記載の蛋白質またはその塩
    の製造法。
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JP2-415801 1990-12-28
JP41580190 1990-12-28
PCT/JP1991/000557 WO1991017183A1 (en) 1990-04-27 1991-04-25 Proteins with fibroblast growth factor receptor activity
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Nucleic Acids Res.,Vol.18,No.7(1990.Apr.11)p.1906
Science,Vol.245(1989)p.57−60

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