JPH0687868U - 糞便検査用品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】糞便検査の省力化及び工数削減によるコストダ
ウンと精度向上。 【構成】突起部３と塗沫液を含浸させた脱脂綿２を有す
る採便棒と、フィルムをビニール袋に内設した検便袋。
採便棒を検便袋に差し込み被検査部を袋上から揉んで塗
沫液で便を伸ばし狭い間隙の毛細管現象を利用して被検
査部全面に均等に拡散させ顕微鏡で直接検査する。 【効果】プレパラート上で塗沫液にて便を伸ばす工程の
削除及び便の少量化による廃棄物処理コストの削減と、
検体の質の均一化による検査精度の向上。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

糞便検査に係わる。

【０００２】

【従来の技術】

従来の寄生虫卵検査法の一例では、透明なビニールの検便袋に採便し押し潰し てから直接採便袋の上から顕微鏡で観察していた。

【０００３】 また、他の例では円筒状の容器に採便し検査時に適量をすくいだしてプレパラ ートに塗沫液と共に塗り付けて顕微鏡で観察していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

透明なビニールの検便袋に採便する方法では、採便量過多で顕微鏡での観察に 適さない事が多く、また、採便から時間がたつと乾燥して伸ばすことが困難とな る。

【０００５】 円筒状の容器に採便する方法では、塗沫工程に時間と手間が掛かりコスト大。

【０００６】 便ヘモグロビン検査容器の場合は、採便量が少なく、その上塗沫液量が多いた め寄生虫卵検査には使用できない。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の第一の手段は、一部に保液部を有する採便棒からなる糞便検査用品。

【０００８】 本考案の第二の手段は、一部に保液部を有する透明又は半透明な袋状の便容器 からなる糞便検査用品。

【０００９】 本考案の第三の手段は、便容器内壁面に毛細管現象の顕著な凹凸部を有する糞 便検査用品。

【００１０】

【作用】

次に、本考案の作用について説明する。

【００１１】 本考案の第一は、一部に保液部を有する採便棒からなる糞便検査用品で、採便 棒に吸水性を有する保液部に予めグリセリン等の塗沫液を含ませてあり、糞便に 採便棒を突き刺して採便し、塗沫液で糞便を伸ばしてプレパラートに塗沫し、顕 微鏡にて検査を行う。

【００１２】 本考案の第二は、一部に保液部を有する透明又は半透明な袋状の便容器からな る糞便検査用品で、袋内面に吸水性ポリマー等の保液部を有し予めグリセリン等 の塗沫液を含ませてあり、適量の糞便を入れて手で保液部を揉むことにより塗沫 液を染み出させると同時に糞便を塗沫液で伸ばした後、直接透明又は半透明な袋 の上から顕微鏡にて検査を行う。

【００１３】 本考案の第三は、便容器内壁面に毛細管現象の顕著な凹凸部を有する糞便検査 用品で、透明又は半透明な袋の内面の中央付近の適当な範囲にその断面が凹凸と なる溝を多数設け、塗沫液と適量の糞便を袋内に入れて袋の上から指で押さえる 事により、塗沫液で伸ばされた糞便が毛細管現象で溝部全体に拡散する。

【００１４】

【実施例１】 図１は採便棒の平面図、図２は検便袋の平面図、図３は挿入フィルムを半開き にした状態の斜視図、図４は図３の（９）及び（１０）の断面拡大図、図５は検 便袋（図２）にフィルム（図３）を挿入した平面図である。また、（１）は摘み 、（２）は脱脂綿、（３）は採便用突起部、（４）は糸で脱脂綿を採便棒に止め ている部分、（５）は袋の封止部、（６）は接着部、（８）は被検査部分、（９ ）は平滑フィルム面、（１０）は凹凸面、（１１）はフィルム内面凹部空洞、（ １２）はフィルム内面凸部である。

【００１５】 保液部としての脱脂綿（２）を設けた事を特徴とする採便棒（図１）と透明な ビニール製の検便袋（図２）及びポリエステル系の透明な挿入フィルム（図３） からなり、挿入フィルム（図３）を検便袋（図２）の開口部よりフィルム凹凸部 （１０）が被検査部分（８）内部に位置するように挿入した構造（図５）になっ ている。接着部（６）は被検査部（８）に採便棒の挿入を容易にするために袋の 両壁面を超音波接着し、採便棒が被検査部以外の所に行かない様にしている。

【００１６】 採便棒の脱脂綿（２）にはグリセリンを主成分とする塗沫液が予め含浸されて おり、糞便の数箇所に採便棒を刺して突起部（３）と脱脂綿との隙間に糞便を採 取する。突起部と脱脂綿の隙間はほぼ一定のため適量の便が採取できる。次に、 検便袋のチヤック（５）を開き採便棒の先端から被検査部の底部まで挿入し、被 検査部に挿入された採便棒の脱脂綿（２）及び突起部（３）を検便袋の上から指 で揉んで脱脂綿から塗沫液を押し出す。それに伴って、突起部に付着した便も塗 沫液で伸ばされることになる。また、図５のごとく被検査部（８）の内面には凹 凸部を有する透明なフィルム（９及び１０）があり、それらの隙間に出来た線状 の狭い間隙に毛細管現象により塗沫液で伸ばされた便が拡散する。その後、採便 棒を廃棄し透明なフィルム（図３）を内設した検便袋（図５）のみを検査に出す 。検査所は、透明なビニール製の検便袋の上から直接被検査部（８）を顕微鏡に て検査する。

【００１７】

【実施例２】 図２は検便袋の平面図、図３は挿入フィルムを半開きにした状態の斜視図、図 ４は図３の（９）及び（１０）の断面拡大図、図５は検便袋（図２）にフィルム （図３）を挿入した平面図である。（５）は袋の封止部、（６）は接着部、（７ ）は保液材、（８）は被検査部分、（９）は平滑フィルム面、（１０）は凹凸面 、 （１１）はフィルム内面凹部空洞、（１２）はフィルム内面凸部である。

【００１８】 実旋例１の検便袋に脱脂綿又は吸水性ポリマー等の保液材（７）を設けたこと を特徴としている。

【００１９】 耳掻き様の採便棒で適量の便を採取し検便袋（図２）に入れ、保液部（７）を 指で押してグリセリンを主成分とする塗沫液を絞り出して便と混合して被検査部 （８）を袋の上から揉んで便を伸ばす。以後は実施例１と同様である。

【００２０】

【考案の効果】

従来学童の寄生虫卵検査に於いては、単に透明なビニール製検便袋に便を入れ て指で袋の上から押し伸ばして顕微鏡で検査していたが、被検者が自ら採便する ため便量が過多な場合が多く、而も塗沫液を使用しないため便塊の厚みが厚く、 特に便の中央部付近は顕微鏡の照明の透過光が微弱で検査技師の眼球疲労が激し い上、像が不鮮明で検査精度に問題があった。また、不透明なプラスチック容器 に採便する場合は便容器から適量の便を取り出して、塗沫液を落としたプレパラ ートに塗り付ける工程が必要でコストと時間が掛かっていた。その上、便の量が 多く検査後発生する医療廃棄物の処理に費用が掛かっていた。

【００２１】 本考案の第一は、一部に保液部を有する採便棒からなる糞便検査用品で、保液 部に塗沫液を含浸させてあり採便棒で適量の便を採取した後ビニール袋に入れて 検査所に持ち込み、プレパラートに塗り付ける。便容器から便を取り出す工程と 塗沫液を加える工程が無くなり、而も塗沫液と共に保存するため時間が経過して も乾燥せずプレパラートに伸ばし易い。これらの結果、保存期間が延長でき日毎 の検体数のバラツキが平均化できる上、工数が削減され手間とコストが削減され る。

【００２２】 本考案の第二は、一部に保液部を有する透明又は半透明な袋状の便容器からな る糞便検査用品で、袋内面に吸水性ポリマー等の保液部を有し予めグリセリン等 の塗沫液を含ませてあり、適量の糞便を入れて手で保液部を揉むことにより塗沫 液を染み出させると同時に糞便を塗沫液で伸ばした後、直接透明又は半透明な袋 の上から顕微鏡にて検査を行う。よって、便容器から便を取り出す工程、塗沫液 を加える工程、及びプレパラートに塗り付けるが無くなり而も塗沫液と共に保存 するため時間が経過しても乾燥せず指で押して伸ばし易い。これらの結果、保存 期間が延長でき日毎の検体数のバラツキが平均化できる上、工数が削減され手間 とコストが削減される。

【００２３】 本考案の第三は、便容器内壁面に毛細管現象の顕著な凹凸部を有する糞便検査 用品で、透明又は半透明な袋の内面の中央付近の適当な範囲にその断面が凹凸と なる溝を多数設け、塗沫液と適量の糞便をビニール袋に入れて袋の上から指で押 さえる事により、塗沫液で伸ばされた糞便が毛細管現象で溝部全体に拡散する。 よって、被検者が自ら適量の便を被検査部分（８）全体に均等に伸ばすことが可 能となり検査所での検体の質のバラツキが小さくなり標準かが容易となって検査 精度の向上につながる。

【００２４】 上記考案の第一と第三を組み合わせた実施例が実施例１であり、第２と第三を 組み合わせたものが実施例２である。両実施例共に検査精度の向上と共に大きな 工数の削減と省力化が図れ、コストの削減が可能となる。また、便の量が少量と なるため医療廃棄物の減量化が可能となりコスト削減に寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる平面図。

【図２】本考案に係わる平面図。

【図３】本考案に係わる斜視図。

【図４】本考案に係わる断面図。

【図５】本考案に係わる平面図。

【符号の説明】

１ 摘み ２、７ 保液部 ３ 突起部 ４ 止め糸 ５ 封止部 ６ 接着部 ８ 被検査部分 ９、１０ フィルム １１ 凹部間隙 １２ 凸部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一部に保液部を有する採便棒からなる糞便
   検査用品。
2. 【請求項２】一部に保液部を有する透明又は半透明な袋
   状の便容器からなる糞便検査用品。
3. 【請求項３】便容器内壁面に毛細管現象の顕著な凹凸部
   を有する糞便検査用品。