JPH0687844A - γ−ジャスモラクトンの製造方法 - Google Patents

γ−ジャスモラクトンの製造方法

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JPH0687844A
JPH0687844A JP8012193A JP8012193A JPH0687844A JP H0687844 A JPH0687844 A JP H0687844A JP 8012193 A JP8012193 A JP 8012193A JP 8012193 A JP8012193 A JP 8012193A JP H0687844 A JPH0687844 A JP H0687844A
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JP
Japan
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jasmolactone
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cis
hydroxy
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JP8012193A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Miyakoshi
腰 哲 雄 宮
Hidetaka Tsukasa
英 隆 司
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Toyotama Koryo Co Ltd
Original Assignee
Toyotama Koryo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 工業的製法に適したγ−ジャスモラクトンの
製造方法を提供する。 【構成】 コハク酸イミド類(2)とシス−3−ヘキセ
ニルハライド(3)とのグリニヤール反応で4−オキソ
−7−デセン酸アミド類(4)を得、これを還元、加水
分解して4−ヒドロキシ−7−デセン酸アミド類(5)
とした後ラクトン化して、γ−ジャスモラクトン(1)
を製造する。 〔式中、RはH,Me,Et,CH(CH,Si
(CH又はBrを示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はγ−ジャスモラクトンの
製造方法に関する。γ−ジャスモラクトンは、ジャスミ
ンの花やペパーミントの微量香気成分として見い出され
た暖かみのあるピーチ様、モクセイ様の香りを持つ化合
物で、香料として重要な物質である。
【0002】
【従来の技術】このγ−ジャスモラクトンの製造方法は
現在までに数多くの製造方法が報告されているが、これ
らを分類するとシス−3−ヘキセノールやその類縁化合
物の二重結合をそのまま利用する第1の方法と、二重結
合を後から導入する第2の方法とに大別できる。即ち、
第1の方法には、3−ホルミルプロピオン酸メチルと
(Z)−3−ヘキセニルクロリドとのグリニヤール反応
により得られる(Z)−4−ヒドロキシ−7−デセン酸
エチルよりγ−ジャスモラクトンを製造する方法(化学
式1)(Helv.Chim.Acta,21,154
7(1938))や、4−(トリメチルシロキシ)ブチ
ロニトリルと(Z)−3−ヘキセニルプロミドとのグリ
ニヤール反応で(Z)−1−ヒドロキシ−7−デセン−
4−オンを得、これをDMF中、ジクロム酸ピリジニウ
ムで酸化して(Z)−4−オキソ−7−デセン酸とした
後、水素化ホウ素ナトリウムで還元してγ−ジャスモラ
クトンを製造する方法(化学式2)(J.Org.Ch
em.,45,237(1980))等がある。
【化1】
【化2】
【0003】また、第2の方法として、3−ホルミルプ
ロピオン酸メチルとアクリルアルデヒド=ジエチルアセ
タールとのラジカル付加反応により7,7−ジエトキシ
−4−オキソヘプタン酸メチルを得、これより二つのル
ートでγ−ジャスモラクトンを製造する方法(油化学,
38,1019(1989))がある。
【0004】この方法は化学式3で示すように7,7−
ジエトキシ−4−オキソヘプタン酸メチルを酸で加水分
解して6−ホルミル−4−オキソヘキサン酸メチルとし
た後、ウイッティヒ反応、水素化ホウ素ナトリウムで還
元してγ−ジャスモラクトンを製造する第1のルート
と、7,7−ジエトキシ−4−オキソヘプタン酸メチル
を水素化ホウ素ナトリウムで還元して7,7−ジエトキ
シ−4−ヘプタノリドとした後、酸で加水分解して6−
ホルミル−4−ヘキサノリドを得、これとウイッティヒ
試薬とを反応させてγ−ジャスモラクトンを製造する第
2のルートとからなる。
【化3】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の第
1の方法は、原料の入手が困難であったり(化学式
1)、あるいは水を嫌う反応であると共に酸化工程が含
まれているので苛酷な反応条件が必要であったり(化学
式2)、また第2の方法は工程が長くなるという欠点を
有しており、かつ第1及び第2の方法は共に香りの劣る
ジアルキルラクトンが副生してその精製が困難である
等、いずれもγ−ジャスモラクトンの工業的製法には不
適当なものであった。
【0006】本発明は前記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は工業的製法に適したγ−ジャスモ
ラクトンの製造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、コハク酸イミド類とシスー3ーヘキセニ
ルハライドとのグリニヤール反応で4−オキソ−7−デ
セン酸アミド類を得、これを還元、加水分解して4−ヒ
ドロキシ−7−デセン酸アミド類とした後、ラクトン化
したことを特徴としている。
【0008】即ち、本発明は化学式4で示すようにコハ
ク酸イミド類(2)をシス−3−ヘキセニルクロリド
(3)あるいはシス−3−ヘキセニルブロミドとのグリ
ニヤール反応で4−オキソ−7−デセン酸アミド類
(4)を得、これを精製することなくそのまま還元、加
水分解して4−ヒドロキシ−7−デセン酸アミド類
(5)とした後、これを精製することなくそのままラク
トン化してγ−ジャスモラクトン(1)とする製造方法
である。ここでRはH,Me,Et,CH(CH
,Si(CH 又はBrを示す。
【化4】
【0009】
【作用】本発明は前記した構成になっているので、使用
する原料は入手容易であり、工程が短く、かつ酸化工程
もなく比較的温和な反応条件で行なうことができる。そ
の上、本発明は中間生成物の精製が不要で、工程の簡略
化が図れる。
【0010】
【発明の効果】本発明は入手容易な原料を用い、短い工
程で、かつ比較的温和な反応条件で製造できると共に中
間生成物の精製が不要で工業的製法に適したγ−ジャス
モラクトンの製造方法を提供することができた。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 実施例1(R=Hの場合) 化合物(4)(4−オキソ−7−デセン酸アミド)の製
造:撹拌機、温度計、還流冷却機、滴下漏斗を備えたフ
ラスコに金属マグネシウム7.26g(0.3mol)
を入れ、この中にシス−3−ヘキセニルクロリド3
9.1g(0.33mol)及びテトラヒドロフラン8
0mlの混合物を少しずつ滴下してシス−3−マグネシ
ウムクロリド(グリニヤール試薬)を調製した。上記グ
リニヤール試薬を激しく撹拌しながら、この中にコハク
酸イミド11.89g(0.12mol) を液温が3
0℃以上にならないように1〜1.5時間かけて加え、
その後さらにテトラヒドロフラン60mlを加えてから
室温で8時間撹拌を続けた。反応混合物を氷−塩化アン
モニウムを用いて分解し、有機層を分離、乾燥してか
ら、溶媒を留去して18.36gの残油を得た。得られ
た残油は、蒸留せずにそのまま次の反応に用いた。
【0012】化合物(5)(4−ヒドロキシ−7−デセ
ン酸アミド)の製造:撹拌機、温度計、還流冷却機を備
えたフラスコに、化合物(4)を含有する残油18.3
6g及びメタノール80mlを入れ、氷冷下、10〜1
5℃で水素化ホウ素ナトリウム3.8g(0.1mo
l)を少しずつ加えた。その後、室温で1時間撹拌を続
けてから、エバポレーターを用いてメタノールを留去
し、残油22.0g を得た。残油は洗浄、蒸留を行う
ことなく次の反応に用いた。
【0013】化合物(1)(γ−ジャスモラクトン)の
製造:撹拌機、還流冷却機を備えたフラスコに化合物
(5)を含有する残油22.0g を入れ、この中に水
64ml及び水酸化ナトリウム16.0g(0.4mo
l) より調整した水酸化ナトリウム水溶液を加えて、
4時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、エ
ーテルで抽出し、不純物を除去した。水槽を再びフラス
コに入れて氷冷し、この中に18%塩酸水溶液をPHが
1になるまでゆっくりと加えた。その後、室温で2時間
撹拌を続けた後、反応液を酢酸エチルを用いて抽出し
た。抽出液を飽和食塩水で十分に洗浄してから、酢酸エ
チルを留去し、残油を減圧蒸留(bp110〜115℃
/7mmHg) してγ−ジャスモラクトン(収量 1
2.51g ,収率 62%) を得た。得られたγ−
ジャスモラクトンはガスクロマドグラフィで単一のピー
クを示し副生物の無いことを確認した。
【0014】また、シス−3−ヘキセニルクロリドの替
りにシス−3−ヘキセニルブロミドを用いることがで
き、この場合も前記したと同様な工程を経てγ−ジャス
モラクトンを収率55%で得ることができた。
【0015】実施例2(R=Meの場合) 化合物(4)(4−オキソ−7−デセン酸N−メチルア
ミド)の製造:実施例1で調整したグリニヤール試薬
(シス−3−ヘキセニルクロリド0.33mol)とN
−メチルコハク酸イミド22.6g(0.2mol)
とを実施例1と同様な方法で反応させた。反応混合物を
氷−塩化アンモニウムを用いて分解し、有機層を分離、
乾燥してから、溶媒を留去して33.9g の残油を得
た。得られた残油は、蒸留せずそのまま次の反応に用い
た。
【0016】化合物(5)(4−ヒドロキシ−7−デセ
ン酸N−メチルアミド)の製造:前記反応工程で得た残
油33.9g 、メタノール160ml 、水素化ホウ
素ナトリウム7.6g(0.2mol)を用いた以外は
実施例1と同一の条件下で反応させ、反応後メタノール
を留去し、残油33.5g を得た。残油は洗浄、蒸留
を行うことなく次の反応に用いた。
【0017】化合物(1)(γ−ジャスモラクトン)の
製造:前記反応工程で得た残油35.5g を用い、実
施例1と同様な方法で反応し、洗浄し、かつ減圧蒸留し
てγ−ジャスモラクトン(収量25.4g,収率67.
5%)を得た。得られたγ−ジャスモラクトンはガスク
ロマドグラフィで単一のピークを示し副生物の無いこと
を確認した。
【0018】本実施例は化合物(4)の反応工程におけ
るN−メチルコハク酸イミドに対するシス−3−ヘキセ
ニルクロリドの反応モル比が1.5 (実施例1の反応
モル比=2.75)となっており、高価なシス−3−ヘ
キセニルクロリドの使用量を少なくして、高収率でγ−
ジャスモラクトンを得ることができるので、γ−ジャス
モラクトンの安価な製造方法を提供することができた。
【0019】実施例3(R=Et,CH(CH
Si(CH,又はBr) 本実施例は化学式4で示すRがEt,CH(C
,Si(CH,又はBrであるコハク酸
イミド類(2)を用いたγ−ジャスモラクトンの製造方
法を示す。この製造方法は実施例1と同様にしてγ−ジ
ャスモラクトンを製造するものである。このときのコハ
ク酸イミド類(2)に対するシス−3−ヘキセニルクロ
リド(3)の反応モル比と最終製品であるγ−ジャスモ
ラクトン(1)の収率は表1に示す通りである。 本実施例においては表1から解るように前述した実施例
1及び2よりも低下した収率となっているが、γ−ジャ
スモラクトンを短い工程で、かつ比較的温和な反応条件
で製造できると共に中間成生物の精製が不要である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コハク酸イミド類とシスー3ーヘキセニ
    ルハライドとのグリニヤール反応で4−オキソ−7−デ
    セン酸アミド類を得、これを還元、加水分解して4−ヒ
    ドロキシ−7−デセン酸アミド類とした後、ラクトン化
    したことを特徴とするγ−ジャスモラクトンの製造方
    法。
JP8012193A 1992-07-23 1993-03-15 γ−ジャスモラクトンの製造方法 Pending JPH0687844A (ja)

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JP4-218525 1992-07-23
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