JPH068779Y2 - 浴槽装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は沐浴用の浴槽でありながらスチーム浴用として
も利用できる有用な浴槽装置に関するものである。

〈従来の技術及びその問題点〉 従来、浴槽は洋風タイプ，和風タイプを問わず、浴用水
を貯溜する槽部底面に排水孔を開孔した普遍的なもので
あればその機能は十分確保できるものとされて来た。

しかし、この浴槽は沐浴というある特定した入浴感を満
喫するに止まり、他の入浴感を満喫したい要望のある使
用者の身になった構造に設計されてはいない。

〈技術的課題〉 本考案の技術的課題は、沐浴のみならずスチーム浴をも
楽しめるようにし、更にその湯温（スチーム浴）を自由
に調整できるようにすることにある。

〈技術的手段〉 本考案の技術的手段は、浴槽本体の槽部開口を、開閉自
在なカバーで被蓋して槽部とそのカバーとで入浴用空間
を形成し、該槽部壁に蒸気噴出金具を配設し、該噴出金
具に、蒸気発生装置を連係せしめ、蒸気浴槽本体又はカ
バーに遠隔操作によって開閉する換気口を設けたことで
ある。

〈実施例〉 次に、本考案の実施例を図面に基いて説明する。図面
は、浴槽装置を示している。

この浴槽装置は浴槽本体（Ａ）と、その本体（Ａ）の槽
部（Ａ_１）開口を開閉自在とするカバー（Ｂ）と、槽部
壁（ａ_１）に配設された気泡流噴出金具（1a）、シャワ
ー水噴出金具（2a）、蒸気噴出金具（3a）に夫々連係す
る浴用水循環装置（１）、シャワー水供給装置（２）、
蒸気発生装置（３）及び浴槽本体（Ａ）或いはカバー
（Ｂ）に設けた換気口（15）とからなっている。

浴槽本体（Ａ）は一方を背凭れ壁部（ａ_２）とする槽部
壁（ａ_１）における長辺側壁部（ａ_３）中途部にアーム
レスト用の載せ面（ａ_４）を段設形成すると共に、背凭
れ壁部（ａ_２）上端にヘッドレスト部（ａ_５）を突出形
成し、更に槽壁部（ａ_１）上端に、中途部に立上り壁
（ａ_６′）を有する上縁壁面（ａ_６）を延設すると共
に、その上縁壁面（ａ_６）先端を下方に延設することに
よってエプロン面（ａ_７）を形成してなるもので、その
底部壁（ａ_８）には排出孔（ａ_９）及びエアーブロー装
置（４）に連係するエアー噴出孔（4a）多数が開口さ
れ、槽部壁（ａ_１）には浴用水循環装置（１）、シャワ
ー水供給装置（２）、蒸気発生装置（３）に夫々連係す
る気泡流噴出金具（1a）、シャワー水噴出金具（2a）、
蒸気噴出金具（3a）が夫々配設されている。

カバー（Ｂ）は、上記浴槽本体（Ａ）の槽部（Ａ_１）内
とで沐浴、シャワー浴、スチーム浴を可能にすべく入浴
用空間（Ｄ）を形成する為のもので、無色透明、有色透
明の強化ガラスやアクリル材を用いて全体として断面ド
ーム形状に形成され、前期浴槽本体（Ａ）の上縁壁面
（ａ_６）に載置することによってその入浴空間（Ｄ）内
の利用者をすっぽり覆うことができるようになってい
る。

このカバー（Ｂ）は図示するように３分割化され、背凭
れ壁部（ａ_２）側の第１カバー体（ｂ_１）と、その背凭
れ壁部（ａ_２）と対向する短辺側部（ａ₁₀）側の第２カ
バー体（ｂ_２）との間の第３カバー体（ｂ_３）を第２カ
バー体（ｂ_２）側へスライド自在にすることによってそ
の部分に浴槽本体（Ａ）内への出入り部（100）を形成
可能にしている。

第１，第２カバー体（ｂ_１）（ｂ_２）は下縁全縁に外向
フランジ（５）を突出状に有し、この外向フランジ
（５）を、端面を前記上縁壁面（ａ_６）の立上り壁（ａ
_６′）に当接せしめた状態で上縁壁面（ａ_６）に載置
し、上方から水密性を保持する為に樹脂製当て板（６）
をあてがいその当て板（６）及び外向フランジ（５）を
喰挿する止ネジ（７）を上縁壁面（ａ_６）に止着するこ
とによって浴槽本体（Ａ）に固定されている。

第３カバー体（ｂ_３）は表裏に開閉用の手摺り杆（８）
（８）を備え、前記上縁壁面（ａ_６）に形を呈する所
望長さの形案内レール（９）を前記当て板（６）を喰
挿する止ネジ（７）で固定してこの案内レール（９）の
立上り壁（ａ_６′）と、当て板（６）端面との間の案内
間隙（10）を形成し、この案内間隙（10）に下縁部を遊
嵌すると共に手摺り杆（８）（８）を把持し、押動する
ことによってスライドして浴槽本体（Ａ）を開閉するよ
うになっている。

また、第１カバー体（ｂ_１）にはヘッドレスト部
（ａ_５）の後方の上縁壁面（ａ_６）からそのカバー体
（ｂ_１）内面に沿って湾曲し上端、即ち入浴用空間
（Ｄ）側内端を換気口（15）とする換気管（15a）が一
体成形されている。

この換気管（15a）は上縁壁面（ａ_６）部分で換気用フ
ァン（16）を有する外気連通管（17）と連通状にフラン
ジ（18）止めされ、換気口（15）に開閉蓋（19）を設け
ている。

開閉蓋（19）は換気用ファン（16）の作動によって発生
する風圧によって自動的に開動して換気口（15）を開放
するように枢支され、浴槽本体（Ａ）の上縁壁面
（ａ_６）等所望箇所に配設した操作パネル（200）のタ
ッチ操作によって換気用ファン（16）が作動すると同時
に回動して外気を入浴用空間（Ｄ）内に送風するように
連係されている。

気泡噴出金具（1a）は前記背凭れ壁部（ａ_２）の中途部
に２個、その背凭れ壁部（ａ_２）と対向する短辺側壁部
（ａ₁₀）に２個夫々配設され、長辺側壁部（ａ_３）の下
位部分に配設された吸引口（11）から吸引された循環流
を浴用水循環装置（１）を介して供給した際、気泡流が
槽部（Ａ_１）内に勢い良く噴出するようになっている。

この気泡流噴出金具（1a）は図示しないが、浴用水循環
装置（１）を介して循環流が供給されると一担流路を絞
る絞り部と、その絞り部に連通して上流側に空気取入口
を有し、絞り部で絞られたジェット流が噴出すると同時
に空気が混入し、気泡流として噴出する周知構造のもの
である。

シャワー水噴出金具（2a）は図示するように槽部壁（ａ
_１）の長辺側壁部（ａ_３）（ａ_３）全長に渉って適宜間
隔をおいて対向状に配設され、内部に散水口（12）を多
数有する金具を回動角度調整自在にすることによって噴
射角度を任意に取れるように構成され、シャワー水供給
装置（２）から供給された湯水を槽部（Ａ_１）内へ噴出
してシャワー浴可能にする機能をもつ。

蒸気噴出金具（3aは槽部壁（ａ_１）の背凭れ壁部
（ａ_２）に凭れて入浴する利用者の前方からスチームが
噴出するようにその背凭れ壁部（ａ_２）と対向する短辺
側壁部（ａ₁₀）に設けられている。

浴用水循環装置（１）は第７図に示すように一端を前記
噴出金具（1a）に接続すると共に他端を前記吸引口（1
1）に接続する循環パイプ（1b）のその中途部にヘアー
キャッチャー（1c）、循環用ポンプ（1d）を配設するこ
とによって構成され、浴槽本体（Ａ）のカバー（Ｂ）内
における上縁壁面（ａ_６）に配備した操作パネル（20
0）のタッチ操作によってその循環用ポンプ（1d）を作
動させ、噴出金具（1a）から気泡流を噴出する働きをも
つ。

シャワー水供給装置（２）は同様に第６図に示すように
一端を前記噴出金具（2a）…に接続する給水管（2b）の
他端を給湯機（2c）に連絡すると共に、その給水管（2
b）の中途部に上流側から電磁弁（2e）、減圧弁（2
f）、止水栓（2g）を装備し、その電磁弁（2e）、減圧
弁（2f）及び給湯機（2c）に、前記操作パネル（200）
の操作に従い温度調整、湯量調整及びシャワー水の吐
水、停止を制御するコントローラー（Ｃ）を電気的に接
続した今日、周知の自動給湯式のものである。

蒸気発生装置（３）は、一端を前記噴出金具（3a）に接
続する給蒸気管（3b）の他端を蒸気発生用ボイラ（3c）
の気胴（3d）に連通状に接続し、この給蒸気管（3b）の
中途部に前記操作パネル（200）に電気的に連係する電
磁開閉弁（3e）を設け、この操作パネル（200）のタッ
チ操作によって電磁開閉弁（3e）を開閉して蒸気を槽壁
部（ａ_１）内、即ち入浴用空間（Ｄ）内に噴出してスチ
ーム浴可能にする働きをもつ。

尚、本実施例においては自動給湯装置（Ｅ）及びエアー
ブロー装置（４）を備えている。

この自動給湯装置（Ｅ）は、槽部壁（ａ_１）の所望箇所
に開口した給湯口（13）と、給湯機（2c）とを連絡する
給水管（ｅ_１）の中途部に上流側から配設した電磁弁
（ｅ_２）、減圧弁（ｅ_３）を前記コントローラー（Ｃ）
に電気的に連係して操作パネル（２００）のタッチ操作
で温度調整、湯量調整及び給湯の開始及び停止を自動制
御するものである。

勿論エアーブロー装置（４）も操作パネル（200）に電
気的に連係され、タッチ操作によってエアー噴出孔（4
a）からエアーが噴出するようになっている。

而して斯る本実施例における浴槽装置は下記に示す３つ
の入浴感を満喫する機能をもっている。

沐浴 自動給湯装置（Ｅ）を、操作パネル（200）のタッチ操
作によって作動させて、定量貯湯し、浴用水循環装置
（１）、エアーブロー装置（４）を同様に操作パネル
（200）のタッチ操作によって作動させて気泡流及び圧
搾空気を利用者の体に噴出させる。

シャワー浴 シャワー水供給装置（２）を、操作パネル（200）のタ
ッチ操作によって作動させ、噴出金具（2a）から、利用
者の体にシャワー水を噴出させる。

この時、カバー（Ｂ）は開放状態でも閉口状態でも任意
である。

スチーム浴 電磁開閉弁（3e）を、操作パネル（200）のタッチ操作
によって開放し、噴出金具（3a）から蒸気を、カバー
（Ｂ）で被蓋された入浴用空間（Ｄ）内の利用者に向け
て噴出させる。

この時、操作パネル（200）のタッチ操作によって換気
用ファン（16）を作動させると共に開閉蓋（１９）を回
動させて外気を吸引して湯けむりの発生を防止したり、
湯温を自在に調整するようにしても任意である。

尚、（14）は自動排水弁で、操作パネル（200）のタッ
チ操作によって開閉する従来周知構造のものであり、
（20）は換気用ファン（16）の点検口である。

ちなみに、前記説明ではカバー（Ｂ）を無色透明、有色
透明にする旨で述べているが、不透明にしても良く、そ
の代わりに槽部壁（ａ_１）に操作スイッチ（200）のタ
ッチ操作によって点滅する照明を設け、これによって入
浴用空間（Ｄ）を浴室と隣接する個人用の密室として利
用できるようにしても良い。

〈考案の作用効果〉 本考案は以上のように浴槽本体の槽部開口を、開閉自在
なカバーで被蓋して槽部とそのカバーとで入浴用空間を
形成し、該槽部壁に蒸気噴出金具を配設し、該噴出金具
に、蒸気発生装置を連係せしめ、上記浴槽本体又はカバ
ーに遠隔操作によって開閉する換気口を設けたので、下
記の作用効果がある。

沐浴、スチーム浴を浴槽本体の槽部開口を開閉自在な
カバーで被蓋することによって形成した共通な入浴用空
間を利用して満喫できる便利な浴槽装置を新規に供し得
る。

遠隔操作によって換気口を開放して外気を吸引するこ
とによってスチーム浴における湯けむりの発生を防止し
たり、湯温を自由に調整して好みの入浴温度に設定容易
である。

依って、所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案浴槽装置の一実施例を示し、第１図は平面
図で一部切欠して示す、第２図は（２）−（２）断面
図、第３図は（３）−（３）断面図、第４図は（４）−
（４）断面図、第５図は換気口部分の拡大断面図、第６
図は蒸気噴出金具の部分拡大図で一部切欠して示す、第
７図は配管及び電気系統を示す平面図である。 尚図中、 （1a）（2a）（3a）：噴出金具 （Ａ）：浴槽本体、（Ａ_１）：槽部 （Ｂ）：カバー、（ａ_１）：槽部壁 （１）：浴用水循環装置、（15）：換気口 （２）：シャワー水供給装置 （Ｄ）：入浴用空間 （３）：蒸気発生装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽本体の槽部開口を、開閉自在なカバー
   で被蓋して槽部とそのカバーとで入浴用空間を形成し、
   該槽部壁に蒸気噴出金具を配設し、該噴出金具に、蒸気
   発生装置を連係せしめ、上記浴槽本体又はカバーに遠隔
   操作によって開閉する換気口を設けたことを特徴とする
   浴槽装置。