JPH0687740A - B型肝炎ウイルス(hbv)の複製を抑制する薬学的製剤 - Google Patents

B型肝炎ウイルス(hbv)の複製を抑制する薬学的製剤

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JPH0687740A
JPH0687740A JP5130515A JP13051593A JPH0687740A JP H0687740 A JPH0687740 A JP H0687740A JP 5130515 A JP5130515 A JP 5130515A JP 13051593 A JP13051593 A JP 13051593A JP H0687740 A JPH0687740 A JP H0687740A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I)で示されるイリドイド系化合
物、そのアグリコン又はその薬学的に許容される塩を有
効成分として含有し、薬学的に通常使用される賦形剤又
は補助剤を含有するB型肝炎ウイルス(HBV)感染の
予防及び治療用薬学的製剤。 〔式中、RはH又はOHであり、RはH又はCOO
(RはH又は低級アルキル)であり、RはH又
はグルコースであり、RはOH,CHOH又は3−
フェニルアクリロイルオキシであり、RはH,OH又
はO−グルコースである。〕 【効果】 本発明の製剤は、HBVに対し優れた複製抑
制活性を現し、かつ毒性が極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、B型肝炎ウイルス(以
下HBVという)の複製を抑制する薬学的製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】後記の
イリドイド系化合物は、共にシクロペンタ〔C〕ピラン
モノテルピノイドの化学構造を持つことを特徴とし、殆
どグルコースを持つ配糖体であり、β−グルコシダーゼ
系等に依って分解されてゲニン形態に活性化された場
合、RNAや蛋白質の生合成を抑制する効果があること
が報告されていた〔S. O. Huh, J.H. Jim and I.M. Cha
ng,“Iridoid Compounds RNA 及び Protein生合成に及
ぼす影響”, 韓国生化学会誌, 16(2), 99-104(1985)
〕。特に、アウクビンはイリドイド系の植物成分で四
照花(Aucuba Japonica)から抽出された物質で、その構
造はトリム(Trim)及びヒル(Hill)等に依って判明さ
れ、化学名は1,4α,5,7α−テトラヒドロ−5−
ヒドロキシ−7−(ヒドロキシメチル)シクロペンタ
〔C〕ピラン−1−イル−β−D−グルコピラノシドで
ある〔A. R. Trim & R. Hill, Biochem. J. 50, 310(19
52) 〕。上記の植物成分は、多くの植物から報告された
方法で製造することが出来、国内でも車前(Plantain)
及び四照花(Aucuba Japonica)等から分離されること
が、本発明者等に依り報告された〔I. M.Chng, H. S. Y
un (Choi), Advances in Chinese Medical Research, W
orld Scientific Pub. Co., Singapore (1985) 〕。
【0003】詳細に説明すれば、本イリドイド系化合物
の報告された生理活性作用、即ち薬理作用は次の通りで
ある。 1)抗菌作用:グラム陽性菌に抗菌作用を現す。 2)補肝作用:アウクビンは、四塩化炭素(CCl4
を投与した実験動物の肝臓障害(肝毒性)を防御する
〔I. M. Chang, dirgkrghlwl, 28, 35 (1984) 〕。α−
アマニチンに依る肝臓障害を防御する。即ち実験動物に
おいて補肝作用を現した〔I. M. Chang et al., Procee
dings, The 2nd ROK-ROC Symposium on Natural Produc
ts Sciences, p.94 (1985)〕。動物細胞(sarcoma-180)
のRNA及び蛋白質の生合成を抑制する作用がある〔I.
M. Chang et al., 韓国生薬学会紙,16,99 (1985)及び
I. M. Chang, Advances in Chinese Medical Materials
Research, p.269 (1985) 〕。 3)解毒作用:アウクビンは毒茸の解毒作用を有する
(韓国特許公告第92−2290:本発明者出願)。
【0004】HBVは、世界的に数百万の人々が慢性的
に感染し、健康上の重要な問題となっている。HBVの
感染は急性及び慢性の肝疾患を起こすだけでなく、主要
な肝細胞癌(Hepatocellular carcinoma: HCC)を形成す
るのに関与していることが知られている。
【0005】真核細胞でのHBV DNAの合成は図1
の通りである。HBVはヘパドナウイルス科(Hepadnav
iridae)のヘパドナウイルス属(Hepadna virus )に属
し、d−sDNAを持ち、その単位体は42nmの球形で
あり、複製の過程で(+)ストランドRNA中間体を持
つ。HBVは、約5種類が発見されているが、共に複製
に於いて逆転写過程を必要とする〔C. R. Howard & J.
L. Melnick, “Classification and Taxonomy of Hepat
itis Viruses”, Proceedings of the 1990Internati
onal Symposium on Viral Hepatitis and Liver Diseas
e, p.890 (1990)〕。
【0006】既存の治療養生法では、抗ウイルス物質と
して報告されているインターフェロンやヌクレオシド類
縁体等は、HBVを抑制する効果が一時的であり、一部
の感染者のみに効果がある短所がある。又、ヒト免疫不
全症ウイルス(HIV)にも適用されるヌクレオシドの
類縁体である2´,3´−ジデオキシシチジン(DD
C)の場合、中枢及び末梢神経に副作用を起こし〔Feld
man, Brosnan & Anderson,“Ultrastructure of periph
eral neuropathy induced in rabbits by 2´, 3 ´-d
ideoxycytidine”, Lab-Invest., 66(1) p.75-85 (199
2) 〕、造血母細胞に毒性がある〔Mencoboni, Lerza, B
ogliolo, Flego, Gasparini and Pannacciulli “Dideo
xycytidine toxicityon mouse hemopoietic progenitor
s ”, in Vivo., 4(3), p.171-173 (1990)〕。又別のヌ
クレオシド類縁体であるara-AMPの場合、その効果が
一時的であり、長期間治療のとき深刻な毒性が現れる
〔J. L. Gerin,“Antiviral Agent forHepatitis B ”,
Hepatology, Vol. 14, No.1, p.198-199 (1991) 〕。
【0007】
【課題を解決するための手段】ここに本発明者は、一層
努力研究して前記の如き薬理作用のあるイリドイド系配
糖体物質がHBV複製の抑制に効果的であり、従って肝
炎ウイルスに有用な薬物として使用することが出来、そ
の毒性が極めて少ないという驚くべき新事実を発見し、
その効果を実験的に確認して本発明を完成した。
【0008】本発明は、次の一般式(I):
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R1 はH又はOHであり、R2
H又はCOOR6 (R6 はH又は低級アルキル)であ
り、R3 はH又はグルコースであり、R4 はOH、CH
2 OH又は3−フェニルアクリロイルオキシであり、R
5 はH、OH又はO−グルコースであり、点線の結合は
単一結合、二重結合又はエポキシ結合を表す〕
【0011】で示されるイリドイド系化合物、そのアグ
リコン又はその薬学的に許容される塩を有効成分として
含有する、HBVのDNA複製を抑制する薬学的製剤に
関するものである。
【0012】上記の式において、R1 がOHで、R2
Hで、R3 がグルコースで、R4 がCH2 OHで、R5
がHであり、点線の結合が二重結合の場合、構造式
(I)の化合物は、次の構造式(A):
【0013】
【化3】
【0014】のアウクビン(Aucubin)を表し、R1 がO
Hで、R2 がHで、R3 がグルコースで、R4 がCH2
OHで、R5がHであり、点線の結合がエポキシ結合の
場合、構造式(I)の化合物は、次の構造式(B):
【0015】
【化4】
【0016】のカタルポール(Catalpol)を表し、R1
がHで、R2 がCOOCH3 で、R3 がグルコースで、
4 がCH2 OHで、R5 がHであり、点線の結合が二
重結合の場合、構造式(I)の化合物は、次の構造式
(C):
【0017】
【化5】
【0018】のゲニポシド(Geniposide)を表し、R1
がOHで、R2 がHで、R3 がグルコースで、R4 がC
2 OHで、R5がO−グルコース(2−1)−グルコ
ースであり、点線の結合が二重結合の場合、構造式
(I)の化合物は、次の構造式(D):
【0019】
【化6】
【0020】のレマニオシド(Rehmannioside)を表し、
1 がOHで、R2 がHで、R3 がグルコースで、R4
が3−フェニルアクリロイルオキシで、R5 がOHであ
り、点線の結合が単一結合の場合、構造式(I)の化合
物は、次の構造式(E):
【0021】
【化7】
【0022】のハルパゴシド(Harpagoside)を表し、R
1 がOHで、R2 がHで、R3 がグルコースで、R4
OHで、R5 がOHであり、点線の結合が単一結合の場
合、構造式(I)の化合物は、次の構造式(F):
【0023】
【化8】
【0024】のハルパギド(Harpagide)を表し、R1
Hで、R2 がCOOCH3 で、R3 がHで、R4 がCH
2 OHで、R5がHであり、点線の結合が二重結合の場
合、構造式(I)の化合物は、次の構造式(G):
【0025】
【化9】 のゲニピン(Genipin)を表す。
【0026】一方、本発明者等の報告からアウクビン等
のようなイリドイド系化合物でその化学的、薬理学的特
性を共有する次の構造式(H):
【0027】
【化10】
【0028】のガルデノシド(Gardenoside)と次の構造
式(J):
【0029】
【化11】
【0030】のスウェルチアマリン(Swertiamarin)も
抗−HBV抑制効果を現すものと期待され、本発明の物
質に含ませて本発明を完成し、ここに出願する次第であ
る。
【0031】本発明に依れば、イリドイド系化合物は、
グリコシダーゼで前処理して2.2.15細胞培養物に
加えた場合に、効果的なHBV複製の抑制効果を現す。
これは、糖が分解されて得られるゲニン形態が細胞内で
核酸の複製を抑制するものと思慮され、勿論グリコシダ
ーゼ単独では何らの効果も現さなかった。
【0032】本発明に使用された2.2.15細胞系
(Sells et al., 1987)は、慢性HBV感染の全ての必
須なウイルス学的特徴を正確に標本化する。即ち、DN
Aパターンが安定で、複製されるウイルスが高いレベル
で存在し、ウイルス特異性RNA転写体及び蛋白質が適
切な大きさとパターンで存在し、浸透したHBVビリオ
ン(virion)が高力価で放出される長所が有るので、H
BVに対する活性度の評価に極めて適切な細胞系と認め
られている。〔Korba and Milman, Antiviral Researc
h, 15, p.217-228 (1991)〕。
【0033】本発明のアウクビンをはじめとする化合物
は、HBV DNAの複製を抑制するのに有効であり、
その毒性が少なく、在来の多くの薬用植物及びその他の
植物から容易に製造出来る長所がある。
【0034】本発明の化合物は、薬学的製剤の製造分野
で通常使用される賦形剤、補助剤等と混合して薬学的に
通常使用される経口又は非経口の薬学的製剤の形態で投
与することが出来る。
【0035】本発明の化合物は、患者の年齢、性別、疾
病の程度等に従ってその使用量を増減することが出来、
通常1日1mg乃至1,000mgを1回乃至数回投与出来
る。
【0036】本発明は特に、本発明の代表的成分である
アウクビンのHBV複製抑制効果を細胞培養分析(Cell
culture assay)〔Korba and Milman, Antiviral Re
s., 15: 217-227(1991) 〕を利用して遂行することに依
り、本発明の効果を確認した。
【0037】
【実施例】次に実施例で本発明を詳細に説明する。
【0038】試験例1:アウクビンのHBV複製抑制効
果 1)細胞培養 2.2.15細胞系(2.2.15.cell line)は、5
%ウシ胎児血清(Fetal bovine serum ; FBS)、2mMグ
ルタミン及び50μg/mlゲンタマイシンスルフェートを
含むRPMI1640培養培地で保存した。細胞を、通
常的にG418に対する抵抗性とマイコプラズマ汚染に
関して調査した。
【0039】細胞を、マルチウェル組織培養プレートに
約1×104/cm2 の濃度で接種して、約7日間集密状態
(confluence)になるよう培養し、HBVのDNAレベ
ルが安定化するように2〜3日間集密状態で細胞を維持
した。試料にさらす24時間前に培養培地を交換した。
9日間の処理期間中は24時間間隔で培地を交換した。
【0040】試験化合物の最初の投与直前及び3、6、
9日後の培養培地を取って、HBVのDNA分析の為−
70℃で貯蔵した。実験の最後に細胞を溶解させ、細胞
内HBVのDNAを分析した。
【0041】2)DNA及びRNA抽出 細胞外HBVのDNA分析の為、培養培地試料0.2ml
を取って、1M NaOH/10×SSC (1 ×SSC = 0.15M
NaCl/0.15Mクエン酸ナトリウム pH7.2) で25
℃において20分間処理し、直ぐにスロット ブロット
(slot blot)装置を利用して、予め20×SSC に浸した
ニトロセルロース膜に適用した。試料を1M Tris/2M
NaCl(pH 7.2) 0.5mlで2回、20×SSC 0.
5mlで1回洗浄して中和した。次に、フィルターを2×
SSC で洗浄し、真空で80℃において1時間加熱した。
【0042】細胞内HBVのDNAを分析する為、細胞
をウェル当たり0.5mlの溶解緩衝液(lysis buffer:
4M グアニジンイソチオシアネート、7%2−メルカプ
トエタノール及び2%サルコシル)で溶解させ、微細透
析(microdialysis)装置を利用して6L の50mM Tris,
pH 8.0−1mM Na2 EDTAに対し1時間透析し
た。溶解物をプロテイナーゼKで処理し、再び10mM
Tris, pH8.0−1.0mM EDTAに懸濁させた。1
0cmの皿に保存した培養物を溶解緩衝液6mlに溶解さ
せ、細胞のRNAとDNAをコルバ等(Korba et al.,
1989)の方法で調製した。
【0043】3)ゲル電気泳動 細胞DNA試料(10μg/lane) をHind IIIで消化
して、1%アガロースゲルで電気泳動し、ニトロセルロ
ース膜にトランスファーした。非分画(unfractionate
d)細胞RNA(30μg/lane)を変性させ、6%ホル
ムアルデヒド/NaPO4 (pH6.5)の1%アガロー
スゲルで電気泳動し、ニトロセルロース膜にトランスフ
ァーした。
【0044】4)HBVのDNAハイブリダイゼーショ
ン 純粋な3.2kb EcoRI HBVのDNAフラグメントを
ニックトランスレーションにより〔32P〕dCTPで標
識し、ハイブリダイゼーションプローブとして利用し
た。ハイブリダイゼーションと後洗浄の条件は、コルバ
等(Korba et al., 1989)の方法にしたがった。試料の
HBV核酸レベルは、アンビスベータスキャナー(Ambi
s beta scanner)を利用して測定した。試料とハイブリ
ッド形成した32Pシグナルの相対量を、各々のニトロセ
ルロースフィルター(ゲル又はスロット ブロット)に
適用された標準量のHBVのDNAとハイブリッド形成
するシグナル量と比較した。標準曲線を利用して相対cp
m 測定値をHBVのDNA量と対比した。
【0045】細胞内及び細胞外HBVのDNAレベルの
測定では固有変異(inherent variation)を考慮して、
HBVビリオンDNAの場合、処理しなかった細胞にお
けるHBVのDNA形成の平均値の3.5倍以上、そし
てHBVのDNA複製中間体の場合、3.0倍以上の抑
制のみを統計学的に有意であるものと見做した(P<
0.05)。各細胞DNA調製において、本実験で各細
胞基底として一定に残る組込まれた状態の(integrate
d)HBVのDNAのレベルを利用して細胞内HBVの
DNA形成のレベルを計算して、ブロットハイブリダイ
ゼーション分析の技術的な固有変異を除去した。処理し
なかった細胞において細胞外HBVビリオンDNAの典
型的な値は50〜150pg/ml 培養培地(平均約75 p
g/ml)程度であり、細胞内HBVのDNA複製中間体の
場合、50〜100 pg/μg 細胞DNA(平均約74 p
g/ml)の範囲である。本実験のハイブリダイゼーション
分析の結果、1.0pg細胞内HBVのDNA/μg 細胞
DNAは細胞当たり2〜3ゲノムコピーに該当し、1.
0pg細胞外HBVのDNA/ml培養培地は3×105
イルス/mlに該当した。以上の結果を次の第1表に示し
た。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】上記の実験例で確認される如く、本発明の
イリドイド系化合物はHBVのDNAに対し優れた複製
抑制活性を現し、従って、本発明の薬剤は肝炎の予防と
治療に使用され得る。
【0049】試験例2:細胞毒性試験 毒性分析は、本物質の抗ウイルス効果が細胞成長に及ぼ
す一般的影響の為かどうかを評価するために遂行した。
利用した方法は、HBVやHIV等のウイルス−宿主の
多様な関係から、広く使用される細胞生存に対する標準
調査法である、中性赤色(ニュートラルレッド)染料捕
獲法で行った。
【0050】毒性分析は96−#組織培養プレートで遂
行した。細胞を試験例1と同様に培養し、試料化合物で
処理した。4種の濃度で3倍数で試料化合物を試験し
た。染料の捕獲程度を利用して相対的毒性程度を決定出
来るので、内部化された(internalized)染料の吸収度
(A510)で定量分析した。測定値を、試料化合物で
処理しない9個の対照群の平均A510に対する百分率
(±は標準偏差)で表した。9個の対照群の染料捕獲百
分率は100±4%であった。試験の結果、試料化合物
の有効量の範囲では殆ど毒性が無いことがわかった。そ
の結果を次の第2表に示した。試料化合物の調製は試験
例1と同様であった。
【0051】
【表3】
【0052】上記の表中、30´GLY.; アウクビンを、
培養培地に加える前に0.1M 酢酸ナトリウム(pH5)
で、37℃の温度で、2.5mg/ml グリコシダーゼ存在
下に、30分間処理したもの(原溶液を100倍希釈し
て、培養培地での最終グリコシダーゼの濃度は25μg/
mlであった)であり、GLY.;上記の如くアウクビンを混
合したが、培養物に添加する前に処理しなかったもので
ある。
【0053】試験例3:急性毒性試験 アウクビンの薬理学的活性に関する毒性を知るために、
1回の服用量を各々100、300、600、900mg
/ml にしてマウス腹腔内に投与して、24時間後の致死
の存否を観察した。その結果は下記の第3表のとおりで
ある。
【0054】
【表4】
【0055】実験の結果、各投与量に伴う致死は現れな
かった。即ち、マウスの腹腔内投与の場合、アウクビン
の最小致死量は900mg/kg 以上であった。一方、高い
投与量の場合、SGOT及びアルカリホスファターゼの
活性が微々たる程度の減少を見せ、トリグリセリドの含
量が若干増加することに留まって、血清の酵素活性にも
アウクビンの投与に依る深刻な影響がないものと見え
る。
【0056】次に本発明の製剤実施例を表す。
【0057】製剤実施例1(錠剤) アウクビン(1錠当り) 500mg 乳糖 80mg ショ糖 80mg アカシアゴム 10mg タルク 10mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 精製水 適当量 アウクビン、乳糖、ショ糖及びアカシアゴムを混合し適
当量の水を加えて練合し、8号篩で篩って顆粒を製造す
る。この湿潤顆粒を40℃において乾燥させた後粉砕
し、10号篩を通過させて小顆粒にした後、タルク、ス
テアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠する。
【0058】製剤実施例2(カプセル剤) ゲニポシド 500mg 乳糖 80mg ステアリン酸マグネシウム 適当量 上記の成分を緊密に混合し硬質カプセルに充填する。
【0059】製剤実施例3(注射剤) アウクビン50mgを60℃で加温した滅菌生理食塩水5
mlに溶解し、無菌的にバイアルに充填して密栓する。
【図面の簡単な説明】
【図1】真核細胞におけるHBVのDNA生合成の模式
図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I): 【化1】 〔式中、R1 はH又はOHであり、R2 はH又はCOO
    6 (R6 はH又は低級アルキル)であり、R3 はH又
    はグルコースであり、R4 はOH、CH2 OH又は3−
    フェニルアクリロイルオキシであり、R5 はH、OH又
    はO−グルコースであり、点線の結合は単一結合、二重
    結合又はエポキシ結合を表す〕で示されるイリドイド系
    化合物、そのアグリコン又はその薬学的に許容される塩
    を有効成分として含有し、薬学的に通常使用される賦形
    剤又は補助剤を含有するB型肝炎ウイルス(HBV)感
    染の予防及び治療用薬学的製剤。
  2. 【請求項2】 イリドイド系化合物が、アウクビン、そ
    のアグリコン又はその薬学的に許容される塩である請求
    項1記載の薬学的製剤。
  3. 【請求項3】 イリドイド系化合物が、ゲニポシド、そ
    のアグリコン又はその薬学的に許容される塩である請求
    項1記載の薬学的製剤。
  4. 【請求項4】 イリドイド系化合物が、カタルポール、
    そのアグリコン又はその薬学的に許容される塩である請
    求項1記載の薬学的製剤。
  5. 【請求項5】 イリドイド系化合物が、レマニオシド、
    そのアグリコン又はその薬学的に許容される塩である請
    求項1記載の薬学的製剤。
  6. 【請求項6】 イリドイド系化合物が、ゲニピン又はそ
    の薬学的に許容される塩である請求項1記載の薬学的製
    剤。
  7. 【請求項7】 イリドイド系化合物が、ハルパゴシド、
    そのアグリコン又はその薬学的に許容される塩である請
    求項1記載の薬学的製剤。
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