JPH0687597A - 巻上機 - Google Patents

巻上機

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JPH0687597A
JPH0687597A JP24196792A JP24196792A JPH0687597A JP H0687597 A JPH0687597 A JP H0687597A JP 24196792 A JP24196792 A JP 24196792A JP 24196792 A JP24196792 A JP 24196792A JP H0687597 A JPH0687597 A JP H0687597A
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JP
Japan
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torque
slip clutch
mechanical brake
hoisting
gear
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JP24196792A
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English (en)
Inventor
Kunio Matsumoto
邦夫 松本
Shinji Yano
伸二 矢野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スリップクラッチとメカニカルブレーキとを有
する巻上機に関し、特に、メカニカルブレーキの開放不
能という不具合を防止できる巻上機の提供。 【構成】巻上機のスリップクラッチにおいて、巻上げ時
に有効に働くフェーシング(41)と、巻下げ時に有効
に働くフェーシング(42)との平均径を変化させ、ス
リップクラッチの動作トルク(設定トルク)を、巻上げ
側の動作トルク<巻下げ側の動作トルクとした。 【効果】スリップクラッチの巻上げ側の動作トルクを低
めに設定することにより、それとリンクしているメカニ
カルブレーキの開放トルクも低く抑えることができ、か
つ巻下げ側の動作トルクを高めに設定できるため、メカ
ニカルブレーキの開放不能と云った不具合を完全に防止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は巻上機に係り、さらに詳
細には、電気チェンブロックに代表される巻上機のメカ
ニカルブレーキと組み合わせて使用されるスリップクラ
ッチに関する。
【0002】
【従来の技術】モータにより減速歯車機構を介してロー
ドシーブを駆動させ、重量物の巻上げ・巻下げをおこな
う電気チェンブロック等の巻上機においては、吊荷自身
の重量でトルクを発生させてブレーキ力を得るメカニカ
ルブレーキが使用されている。
【0003】その構成は、ネジを用いたいわゆるネジ式
メカニカルブレーキが一般に知られているが、特開昭5
8ー125598号公報に示されているように、傾斜面
とスチールボールとを用いる方式のものもある。
【0004】しかして、ネジ式メカニカルブレーキは、
図3に示すように、雄ネジ24を設けたロードシーブシ
ャフト7と、その雄ネジ24に嵌合する雌ネジを内径側
に設けたギヤ6と、ロードシーブシャフト7とスプライ
ン等で嵌合したブレーキ受材10および、ギヤ6とブレ
ーキ受材10との両者間に介在した制動用爪車9ならび
に摩擦材25と、制動用爪車9とかみ合う爪50等によ
り構成されている。
【0005】以上の構成において、吊荷の巻上げ動作は
次のようにしておこなわれる。
【0006】すなわち、ピニオン5がA方向に回転する
と、ギヤ6がC方向に回転し、ネジ24によりギヤ6,
摩擦材25,爪車9,ブレーキ受材10が圧着して一体
的に回り、爪50が爪車9の上を滑って巻上げがおこな
われる。
【0007】また、吊荷の巻下げ動作は次のようにして
おこなわれる。
【0008】すなわち、吊荷の巻下げに際し、爪50は
爪車9とかみ合い、爪車9が固定されるが、ピニオン5
がモータトルクによりB方向に回され、ギヤ6がD方向
に回されると、ネジ24によりギヤ6,摩擦材25,爪
車9,ブレーキ受材10間に隙間が生じ、吊荷重により
回り始める。そして、ロードシーブシャフト7の回転が
ギヤ6の回転より早くなると、ネジ24により再びギヤ
6,摩擦材25,爪車9,ブレーキ受材10が圧着して
ブレーキがかかり、このようにしてギヤ6の回転速度と
同一速度で巻下げがおこなわれる。
【0009】また、吊荷保持は、吊荷自身のトルク(重
力により発生するトルク)によりロードシーブシャフト
7がD方向に回されると、ギヤ6,摩擦材25,爪車
9,ブレーキ受材10が圧着するが、爪車9と爪50が
嵌合しているため、回転が阻止され、吊荷が保持され
る。
【0010】一方、傾斜面とスチールボールとを用いる
方式のものは、図4に示すように、スチールボール60
の位置決め用穴62を設けたギヤ6を、ロードシーブシ
ャフト7に回転摺動可能に取り付けるとともに、前記ネ
ジ方式と同様、ブレーキ受材10および摩擦材25,爪
車9を設け、ギヤ6をはさんで反対側には、図4(c)
に示した傾斜面63を複数固形成しかつ、ロードシーブ
シャフト7とスプライン等で嵌合した傾斜板61と、そ
の傾斜面63と接するようギヤ6の固定穴62に固定さ
れたスチールボール60等を有する。
【0011】以上の構成において、吊荷の巻上げ動作は
次のようにしておこなわれる。
【0012】すなわち、ピニオン5がA方向に回転する
と、ギヤ6がC方向に回転する。すると、スチールボー
ル60が傾斜面63を上がる方向に動き、軸力が発生す
るため、各部材は圧着された状態で一体となって回転
し、ネジ式と同様の巻上げがおこなわれる。
【0013】また、吊荷の巻下げ動作は次のようにして
おこなわれる。
【0014】すなわち、この巻下げに際しても、ネジ式
と同様、爪車9が固定され、ピニオン5によりギヤ6が
モータトルクによりD方向に回転すると、スチールボー
ル60が傾斜面63を下る方向に動き、各部材間に隙間
が生じ、吊荷重により回り始めるが、回転が早くなる
と、スチールボール60が傾斜面63を上がり、軸力が
発生すると、ブレーキがかかって、ネジ式と同様、同一
速度で巻下げがおこなわれる。
【0015】吊荷保持は、ネジ式と同様吊荷自身のトル
クにより、圧着力を発生させ、爪車9と爪50により回
転を阻止し、吊荷保持をおこなう。
【0016】また、以上の構造のメカニカルブレーキ
は、ギヤの切損、摩耗等による吊荷落下に対応するため
(製品の安全性確保のため)、最終減速段に設置するの
が一般的である。
【0017】一方、スリップクラッチは、図5に示すよ
うに、ピニオン5と回転摺動可能に取り付けられ、両側
にフェーシング41を有するギヤ4と、その両側にはピ
ニオン5とスプライン等で一体に組み込まれたクラッチ
ジスク43、さらに、その外側には、押付け力発生用の
皿バネ44を有し、その一方には伝達トルク調整用のナ
ット33を有する。
【0018】以上の構成において、スリップクラッチの
動作は次のようにしておこなわれる。
【0019】まず、伝達トルク調整用ナット33を締め
上げると、皿バネ44がたわみ、クラッチディスク43
とギヤ4間(フェーシング41間)に押付け力が発生
し、ピニオン3からピニオン5へトルクの伝達が可能と
なる。その際、トルク伝達経路は、ピニオン3→ギヤ4
(フェーシング41)→クラッチジスク43→ピニオン
5であり、また伝達可能なトルク(設定トルク)は、ト
ルク調整ナット33の締め加減により決定される。設定
トルクTと押付け力Pとの関係は、フェーシングの平均
径Dm,摩擦係数μ,制動面数nとすれば、次の式によ
り表される。
【0020】
【数1】
【0021】設定トルク以上のトルクがスリップクラッ
チに負荷された場合、ギヤ4は、モータトルクにより回
転するが、ギヤ4(フェーシング41)とクラッチディ
スク43間でのトルク伝達(回転の伝達)はおこなわれ
ず、クラッチディスク43とフェーシング41との間で
スリップが発生する。
【0022】このような異常状態が発生する要因として
は、 1.過負荷運転(巻上機の定格荷重を超えて運転) 2.フックが上昇端に達して運転した場合 3.大地吊(地球吊り)運転 4.反吊荷側のチェン端末が上昇端に達して運転した場
合 等があり、つまり、巻上機本体に過大なトルクが負荷さ
れた場合、スリップクラッチを空転させ、過大トルクに
より巻上機本体の損傷を防止する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
メカニカルブレーキとスリップクラッチとの組合せ構造
においては、既述のように、製品安全上の観点から、最
終減速段へメカニカルブレーキが設置され、モータとメ
カニカルブレーキとの間にスリップクラッチが設置され
るため、モータトルクはスリップクラッチを介した後、
メカニカルブレーキ部に伝達されることになる。
【0024】一方、メカニカルブレーキは、ネジ24の
締付け力(ネジ式)およびスチールボール60のクサビ
力(スチールボール式)により、トルクを軸力(圧着
力)に変換し、ブレーキ力を得る構造であるが、想定以
上の衝撃力がメカニカルブレーキに負荷された場合、ネ
ジ部およびスチールボール部に喰付き現象を発生するこ
とがある。このような場合、この喰付きを開放するため
の所要トルクがスリップクラッチの設定トルクよりも大
きい場合は、モータトルクによりこの喰付きを開放しよ
うとしても、スリップクラッチが空転し、メカニカルブ
レーキにモータのトルクが伝達されないため、メカニカ
ルブレーキの喰付きは開放されず、結果的に巻上機の運
転不能(メカニカルブレーキを一旦開放する必要がある
巻下げ運転ができない。巻上げ運転は可能)となる(た
だし、メカニカルブレーキの構造から明らかなように、
喰付きが発生するのは、ネジが締め上がっているまたは
スチールボールが斜面を乗り上がっている巻上げ動作時
であり、巻下げ動作時には発生しない)。
【0025】このような、メカニカルブレーキの開放不
能と云った現象が発生する要因としては、衝撃力が負荷
されてネジ24およびスチールボール60が喰い付いた
場合の他、スリップクラッチのフェーシング41の摩耗
による設定トルクの極端な低下の場合も挙げられる。
【0026】本発明は、構造的に非常に単純な構成にも
かかわらず、メカニカルブレーキの開放不能による巻上
機の運転不能という現象を防止できる、改良された巻上
機を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記目的は、モータによ
って駆動される軸と、当該軸の回転をロードシーブに伝
達する減速機構と、当該減速機構に介装したメカニカル
ブレーキとを備え、かつ前記モータ軸と前記メカニカル
ブレーキとの間に位置して、過大力を回避するためのス
リップクラッチを前記減速機構に介装する構造の巻上機
において、巻上げ方向と巻下げ方向とで、スリップクラ
ッチが動作するときの設定トルクを変化させることによ
って、つまり、巻上げ側の設定トルクは小さく、一旦メ
カニカルブレーキを開放する必要がある巻下げ側の設定
トルクを大きくすることにより達成される。
【0028】
【作用】しかして、前記構成よりなる本発明によれば、
スリップクラッチにおける巻上げ側と巻下げ側の設定ト
ルクを変化させ、つまり、過巻き時や過負荷時にスリッ
プを発生させ、巻上機本体への過大力を回避する巻上げ
側の設定トルクを小さな値に設定することにより、巻上
げ側の設定トルクとリンクして変化するメカニカルブレ
ーキの開放トルクを極力小さな値に抑え(巻上げ側設定
トルクとメカニカルブレーキ開放トルクとの関係を図8
に示す)、逆に、巻下げ時は、一旦メカニカルブレーキ
を開放した後、巻下げ運転がおこなわれるため、巻下げ
側のスリップクラッチ設定トルクは極力大きな値(少な
くともメカニカルブレーキ開放トルクより大きな値)に
設定することにより、構造的に非常に単純な構成にもか
かわらず、メカニカルブレーキの開放不能と云った異常
事態を回避することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を、電気チェンブロックに適用
した場合を例にとり、図8を参照しつつ、図1および図
6の一実施例にもとづいて説明すると、図1は本発明を
適用した電気チェンブロックの全体的縦断面図、図6
(a)は本発明の一実施例によるスリップクラッチの縦
断面図、図6(b)は図6(a)に符号4で示すギヤの
左側面図、図6(c)は同ギヤ4の右側面図、図8はス
リップクラッチ設定トルク−メカニカルブレーキ開放ト
ルク特性線図である。
【0030】電気チェンブロックの全体構成を示す図1
において、1はモータ、11はアマチュア(回転子)、
12はハウジング、13はハウジング12に固定された
マグネット、14はエンドブラケット、15はブラシで
あり、アマチュア11のシャフト16の先端にはスプラ
インが設けてあり、そのスプラインと嵌合するカップリ
ング2を介し1段ピニオン3が連結されてトルクの伝達
をおこなう。
【0031】1段ピニオン3に伝達されたトルクは、2
段ピニオン5と回転摺動可能に組み込まれた1段ギヤ
4、1段ギヤ4に接着等で固定されたフェーシング4
1,42、2段ピニオン5とスプラインで固定的に組み
込まれたクラッチディスク43を介し2段ピニオン5,
2段ギヤ6と伝達され、メカニカルブレーキ機構を介し
てロードシーブシャフト7に伝達される。
【0032】つまり、押しボタンスイッチ(図示せず)
の操作によりモータ1に通電され、アマチュア2が回転
すると、前述の減速機構によりロードシーブシャフト7
に回転が伝達され、チェン8を巻き上げまたは巻き下げ
し、吊荷(図示せず)の巻き上げまたは巻き下げをおこ
なう。また、巻上機においては、静音化の目的で回転数
の速い1段ピニオン3と1段ギヤ4との噛合いにはヘリ
カルギヤが用いられるのが一般的である。
【0033】ところで、押しボタンスイッチの操作によ
りアマチュア2が回転し、巻上げ動作(巻下げ動作)が
開始するわけであるが、チェン8が上昇(下降)し、巻
上げ端(巻下げ端)に達すると、チェン8の端末に設け
られたチェンストッパ(図示せず)により、チェン8の
巻上げ(巻下げ)が阻止される。その際、モータ1に
は、押しボタンスイッチの操作を止めない限り通電さ
れ、回転が継続されるため、前述したようにスリップク
ラッチ部の空転現象が発生することになる。
【0034】スリップクラッチの設定トルクは、製品の
安全性確保の点から、巻上機の定格荷重の近傍(150
%程度)に設定されるのが一般的であるため(過荷重運
転防止)、それ以上の容量の吊荷を巻上げようとした場
合(過荷重運転時)にも同様にスリップクラッチの空転
が発生する。
【0035】以上のように、スリップクラッチを空転さ
せた場合は、メカニカルブレーキ部の動作説明からも明
らかなように、メカニカルブレーキのネジ24およびス
チールボール60が喰い込んだ状態になる。したがっ
て、次に巻下げ動作をおこなう場合は、この喰込みをモ
ータトルクにより開放する必要があり、この開放トルク
がスリップクラッチの設定トルクより大きいと、既述し
たごとき不具合を生じることになる。
【0036】一方、メカニカルブレーキ開放トルクとス
リップクラッチ設定トルクとの関係は図8のごときであ
り、スリップクラッチ設定トルクが大きいと、メカニカ
ルブレーキ開放トルクも大きくなる不具合を生じ易くな
る。
【0037】これに対し、図6に示す本発明の第1の実
施例においては、1段ギヤ4の両側に設けられるフェー
シング41,42の平均径Dm41,Dm42を変え、
巻上げ側と巻下げ側のスリップクラッチの設定トルクを
変えるものであり、巻上げ側の設定トルクを小さく、巻
下げ側の設定トルクを大きくするものである。
【0038】つまり、前述のように、1段ピニオン3と
1段ギヤ4との噛み合いにはヘリカルギヤが用いられる
ため、1段ピニオン3から1段ギヤ4へトルクを伝達す
る際には、ヘリカル化により伝達トルクの方向に応じて
推力が生じ、図6のように巻上げ時はイ方向、巻下げ時
はロ方向にそれぞれ推力を生じることになる。
【0039】一方、スリップクラッチの設定トルクT
は、前述の数1に示される。つまり、押付け力Pとフェ
ーシング平径径Dmとによって左右されるわけであり
(摩擦係数μは条件さえ決まれば一定である)、図5に
示す従来例では、1段ギヤ4の両側のフェーシング41
の平均径は同一であるため、巻上げ側および巻下げ側の
スリップクラッチ設定トルクは同一であるが、図6のよ
うに巻上げ時(巻下げ時)に推力が発生する方向のフェ
ーシング41の平均径Dm41(フェーシング42の平
均径Dm42)を、反推力側のフェーシング42の平均
径Dm42(フェーシング41の平均径Dm41)より
小さく(大きく)すれば、スリップクラッチの設定トル
クは、巻上げ側設定トルク<巻下げ側設定トルクとなる
ものであって、推力の大きさを決定するヘリカルギヤの
ねじれ角の角度と2枚のフェーシング41,42の平均
径Dm41およびDm42の値を適宜選択することによ
り、巻上げ側および巻下げ側のスリップクラッチ設定ト
ルクを所定の値に設定することができ、結果的にメカニ
カルブレーキの開放不能と云った不具合を回避できる。
【0040】図7は本発明の第2の実施例である。
【0041】これは、スリップクラッチ部にコーン形
(円錐形)クラッチを用いたものであり、2段ピニオン
5とスプラインとによって嵌合したディスク47の外周
に、コーン形のフェーシング48が接着等により固定さ
れ、1段ギヤ4が皿バネ44により押圧され、1段ピニ
オン3→1段ギヤ4→フェーシング48→ジスク47→
2段ピニオン5とトルクの伝達をおこなう。この場合の
伝達可能なトルクは、押付け力P,フェーシング平均径
Dm,円錐角度α、摩擦係数μとすると、
【0042】
【数2】
【0043】によって示され、この数2によって決定さ
れる設定トルク以上のトルクが負荷された場合は、1段
ギヤ4とフェーシング48間および皿バネ受け金具45
とスラストベアリング46でスリップが発生し、過大力
が負荷されるのを防止する。
【0044】図1の実施例と同様に、1段ピニオン3と
1段ギヤ4との噛合いにヘリカルギヤを用いることによ
り、巻上げ時はイ方向、巻下げ時はロ方向(第1の実施
例とは方向が逆)にそれぞれ推力を生じさせ、巻上げ時
と巻下げ時とで数2中の押付け力Pの値を変えるより、
巻上げ側設定トルク<巻下げ側設定トルクとなるもので
あって、推力の大きさを決定するヘリカルギヤのねじれ
角の角度および、設定トルクを決定するコーン形フェー
シング48の円錐角度の値を適宜選択することにより、
巻上げ側および巻下げ側のスリップクラッチ設定トルク
を所定の値に設定することができ、第1の実施例と同様
の効果が得られる。
【0045】検討によれば、巻上げ側設定トルク/巻下
げ側設定トルク<0.8とすると良好な結果が得られ
た。
【0046】なお、本発明の別の効果として、巻上げ側
のスリップクラッチの設定トルクは、過荷重巻上げ防止
のため、極力、巻上機の定格荷重の100%に近い値に
設定することが望ましいが、従来構造では、巻上げ側設
定トルク=巻下げ側設定トルクであり、したがって巻下
げ運転時のメカニカルブレーキ開放トルクを確保するた
め、巻下げ側の設定トルクを高めに設定する必要があ
り、必然的に巻上げ側の設定トルクも高めに設定される
ことが避けられなかった。
【0047】しかし、本発明によれば、巻上げ側および
巻下げ側の設定トルクを別個に設定できるため、巻上げ
側の設定トルクのみを定格荷重近傍に設定可能であり、
製品使用上の安全性確保(過荷重の巻上げ防止)の面で
も有効に役立つ。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上のごときであり、図示実施
例の説明からも明らかなように、本発明によれば、スリ
ップクラッチにおいて、巻上げ時に動作する設定トルク
と、巻下げ時に動作する設定トルクとを別個に設定でき
るため、巻上げ側設定トルクを低めに設定することによ
り、それとリンクしているメカニカルブレーキの開放ト
ルクも低く抑えることが可能となる一方で、そのメカニ
カルブレーキを開放する際に用いられる、巻下げ側設定
トルクを高めに設定できるため、メカニカルブレーキの
開放不能と云った不具合を完全に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電気チェンブロックの全体的
縦断面図である。
【図2】図2(a)は図1のII−II矢視図、図2(b)
は図2(a)の部分平面図である。
【図3】図3(a)はメカニカルブレーキ(ネジ式)の
図2(a)に相当する図、図3(b)は図3(a)の縦
断右側面図である。
【図4】図4(a)はメカニカルブレーキ(スチールボ
ール式)の図2(a)に相当する図、図4(b)は図4
(a)の縦断右側面図、図4(c)は図4(b)のYー
Y断面図である。
【図5】図5(a)は従来形スリップクラッチの縦断面
図、図5(b)は図5(a)に符号4で示すギヤの側面
図である。
【図6】図6(a)は本発明の一実施例によるスリップ
クラッチの縦断面図、図6(b)は図6(a)に符号4
で示すギヤの左側面図、図6(c)は同ギヤ4の右側面
図である。
【図7】本発明の第2の実施例によるスリップクラッチ
の縦断面図である。
【図8】スリップクラッチ設定トルク−メカニカルブレ
ーキ開放トルク特性線図である。
【符号の説明】
3…1段ピニオン、4…1段ギヤ、41,42…フェー
シング、Dm…フェーシング平均径、43…クラッチデ
ィスク、44…皿バネ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータによって駆動される軸と、当該軸の
    回転をロードシーブに伝達する減速機構と、当該減速機
    構に介装したメカニカルブレーキとを備え、かつ前記モ
    ータと前記メカニカルブレーキとの間に位置して、過大
    力を回避するためのスリップクラッチを前記減速機構に
    介装する構造の巻上機において、前記スリップクラッチ
    の動作トルク(設定トルク)を、 巻上げ側の動作トルク<巻下げ側の動作トルクとするス
    リップクラッチを備えたことを特徴とする巻上機。
  2. 【請求項2】請求項1において、皿バネによりクラッチ
    ディスクとフェーシングとを押圧し、トルクの伝達をお
    こなうスリップクラッチにおける、巻上げ側と巻下げ側
    とで有効に働くフェーシングの平均径を変化させること
    により、巻上げ側と巻下げ側とで伝達トルクを別々の値
    に設定可能としたスリップクラッチを備えた巻上機。
  3. 【請求項3】請求項1において、皿バネにより押圧し、
    トルクの伝達をおこなうコーン形のスリップクラッチに
    おける、ヘリカルギヤの推力により、巻上げ側と巻下げ
    側とで伝達トルクを別々の値に設定可能としたスリップ
    クラッチを備えた巻上機。
JP24196792A 1992-09-10 1992-09-10 巻上機 Pending JPH0687597A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179470A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電気チェーンブロック

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179470A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電気チェーンブロック

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