JPH0687362A

JPH0687362A - 車両用シートにおける駆動装置

Info

Publication number: JPH0687362A
Application number: JP26432292A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Tamura; 雅之田村
Original assignee: Mitsuba Electric Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Mitsuba Corp
Priority date: 1992-09-07
Filing date: 1992-09-07
Publication date: 1994-03-29

Abstract

(57)【要約】【目的】一つの駆動モータで、シートの各種移動調整
を行うことができるようにする。【構成】単一の駆動モータ２から各従動ギア１３、１
４への動力伝動を、駆動モータの出力ギア２ａに常時噛
合する第一中間ギア３と一体回動し、かつ第一中間ギア
の両側面から選択的に突出する第一切換えギア５が、第
一中間ギアの両側部に配される一対の従動ギア１３、１
４に選択的に噛合することで行われるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乗用車やトラツク等の
車両に取付けられる車両用シートにおける駆動装置に関
するものである。

【０００２】

【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
この種車両用のシートのなかには、シート全体の前後移
動、背凭れ部の起倒移動、座部の上下移動等の各種の移
動ができるようにして、シートを運転者等の体形や姿勢
にフイツトできるようにしたものがあり、その場合に、
これら移動をモータ駆動で行うことが試みられる。この
様な場合、従来は、それぞれ専用のモータを用い、各別
の移動制御をしていたが、モータ数が多くなつて軽量化
に反する許りでなく、コストアツプになるという問題が
ある。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる車両用シ
ートにおける駆動装置を提供することを目的として創案
されたものであつて、シート全体の前後移動調整の他
に、背凭れ部の起倒調整等の他の調整ができるようにし
てなる車両用シートにおいて、前記各調整を単一の駆動
モータを用いて行うように構成するにあたり、前記駆動
モータの出力軸に形成される出力ギアに常時噛合する中
間ギアと、該中間ギアに対して軸方向の移動が許容され
る状態で中間ギアと一体回動するよう外周ギア部が中間
ギアに形成した内周ギア部に内嵌噛合する切換えギア
と、該切換えギアの軸方向の移動に伴い中間ギアの両側
面から選択的に突出した切換えギアの外周ギア部にそれ
ぞれ噛合すべく中間ギアの両側部に配設される一対の従
動ギアと、前記切換えギアの中間ギアからの突出移動を
選択的に行うための切換えギアの移動手段とを備えて構
成されていることを特徴とするものである。

【０００４】そして本発明は、この構成によつて、シー
トの各種移動調整を、一つの駆動モータで確実に行うこ
とが出来るようにしたものである。

【０００５】

【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、１は車両用シートであつて、該
シート１は、全体の前後移動、背凭れ部１ａの起倒揺
動、座部の前半部１ｂの上下移動、後半部１ｃの上下移
動の都合四種類の移動調整ができるように設定されてい
るが、これらの移動調整は後述するように一つの駆動モ
ータ２を用いて行なうように構成されている。

【０００６】即ち、前記駆動モータ２の出力軸にはウオ
ームギア（本発明の出力ギアに相当する。）２ａが形成
されているが、該ウオームギア２ａには、モータ出力軸
の上下に配された第一、第二の中間ギア３、４の外周に
形成されたウオームギア３ａ、４ａが噛合している。こ
れら第一、第二中間ギア３、４は、円筒形状をしてお
り、その内周部には軸方向に平行なギア歯を有した内周
ギア部３ｂ、４ｂが形成されているが、該内周ギア部３
ａ、４ａには、第一、第二の切換えギア５、６の外周ギ
ア部５ａ、６ａが、それぞれ対応する第一、第二中間ギ
ア３、４に対して軸方向の移動は許容されるが一体回動
する状態で内嵌噛合している。

【０００７】また、７、８は本発明の切換えギア移動手
段を構成する第一、第二のソレノイドであつて、これら
各ソレノイド７、８のプランジヤ７ａ、８ａから引出さ
れる第一、第二の作動ワイヤ９、１０のうち、第一作動
ワイヤ９は第一切換えギア５に、第二作動ワイヤ１０は
第二切換えギア６にそれぞれ接続されているが、各プラ
ンジヤ７ａ、８ａは、後述するように、没入（第一Ｏ
Ｎ）−中立（ＯＦＦ）−突出（第二ＯＮ）の三段切換え
のものが採用されている。そして、第一ソレノイド７の
プランジャ７ａが中立のときには、第一切換えギア５は
第一中間ギア３の両側面から突出しない停止位置に位
置しているが、プランジヤ７ａが没入すると、第一切換
えギア５は、これに連動して軸方向に移動し、移動方向
後端部は中間ギア内周ギア部３ａに噛合したままの状
態、つまり第一中間ギア３と一体回動する状態で移動方
向前端部が第一中間ギア３の一側方から突出する第一シ
フト位置にシフトし、一方、プランジヤ７ａが突出す
ると、第一切換えギア５は、移動方向後端部は中間ギア
内周ギア部３ａに噛合したままの状態で移動方向前端部
が第一中間ギア３の他側方から突出する第二シフト位置
にシフトする構成になつている。また、同様にして、
第二ソレノイド８の中立のときには、第二切換えギ６は
第二中間ギア４の両側面から突出しない停止位置に位
置しているが、プランジヤ８ａが没入すると、移動方向
前端部が第二中間ギア４の一側方から突出する第二シフ
ト位置にシフトし、一方、プランジヤ８ａが突出する
と、移動方向前端部が第一中間ギア３の他側方から突出
する第二シフト位置にシフトする構成になつている。

【０００８】前記第一、第二のソレノイド７、８は、同
形のものであるため第一ソレノイド７を例として説明す
ると、第一ソレノイド７のプランジャ７ａの軸方向両側
には、第一、第二の励磁コイル１１、１２がそれぞれ設
けられている。また、プランジヤ７ａの軸方向略中央部
位には、外径方向に突出するフランジ部７ｂが形成され
ているが、該フランジ部７ｂと、前記励磁コイル１１、
１２のコイルホルダ１１ａ、１２ａとのあいだには、第
一、第二のリターンスプリング１１ｂ、１２ｂがそれぞ
れ介装されている。そして、第一、第二励磁コイル１
１、１２の何れにも通電されていない状態（ＯＦＦ）で
は、プランシヤ７ａは両リターンスプリング１１ｂ、１
２ｂの付勢力が釣り合う中立位置に位置しているが、第
一励磁コイル１１に通電（第一ＯＮ）されると、プラン
ジヤ７ａは第一励磁コイル１１に吸引されて軸方向後側
に没入し、一方、第二励磁コイル１２に通電（第二Ｏ
Ｎ）されると、プランジヤ７ａは第二励磁コイル１２に
吸引されて軸方向前側に突出するように構成されてい
る。因みに、各ソレノイド７、８の切換えおよび駆動モ
ータ２の正逆駆動は、例えば運転席に配した操作スイツ
チ（図示せず）によつて択一的に行うことができるよう
に設定されているが、駆動モータ２の正逆駆動は、操作
スイツチのスイツチング操作に基づくソレノイド７、８
の切換えに遅延して行われるように設定してあり、その
ため、駆動モータ２の駆動回路に適宜の遅延回路が設け
られている。

【０００９】一方、１３〜１６は第一〜第四の従動ギア
であるが、第一従動ギア１３は、前記第一シフト位置
にシフトした第一切換えギア５の外周ギア部５ａが噛合
するように配設され、同様にして、第二従動ギア１４は
第二シフト位置にシフトした第一切換えギア５が、第
三従動ギア１５は第一シフト位置にシフトした第二切
換えギア６が、第四従動ギアは第二シフト位置にシフ
トした第二切換えギア６がそれぞれ選択的に噛合するよ
うに配設されている。そして、実施例において、第一従
動ギア１３に連結された作動螺軸１７は座部前半部１ｂ
の上下動調整をすべく動力伝動され、第二従動ギア１４
に連結された作動螺軸１８はシート背凭れ部１ａの起倒
調整をすべく動力伝動され、第三従動ギア１５に連結さ
れた作動螺軸（図示せず）はシート１の全体の前後移動
調整をすべく動力伝動され、さらに、第四従動ギア１６
に連結された作動螺軸１９は座部後半部１ｃの上下動調
節をすべく動力伝動される構成になつている。

【００１０】叙述のごとく構成された本発明の実施例に
おいて、シート１全体の前後移動、座部前後半部１ｂ、
１ｃの上下移動、さらには、背凭れ部１ａの起倒移動を
行いたい場合に、各操作スイツチを操作することで、第
一、第二の各ソレノイド７、８が該スイツチングに対応
して出没し、これによつて、第一、第二切換えギア５、
６が対応するシフト位置にシフトしてそれぞれ対応する
従動ギア１３〜１６に噛合することになつて、シート１
の必要な移動調整が行われることになる。

【００１１】この様に、本発明が実施されたものにおい
ては、一つの駆動モータ２からの出力で都合四種類の駆
動を行うことができることになつて、従来のように駆動
の種類に対応していちいち専用の駆動モータを備える必
要がない。この結果、部品点数の大幅な削減が計れるこ
ととなつて、軽量化に大いに寄与できる許りでなく、大
幅なコストダウンも達成できる。しかもこのものでは、
切換えギア５、６の移動手段を構成するソレノイド７、
８についても、駆動種類の数の半分の数ですむことにな
り、軽量化、コストダウンに一段と寄与することができ
る。

【００１２】尚、本発明は前記実施例に限定されないも
のであつて、実施例においてはソレノイドがＯＦＦのと
きには中間ギアが何れの従動ギアにも噛合しないように
設定されているが、ソレノイドがＯＦＦのときに中間ギ
アがシートの前後移動用の従動ギアに噛合するように設
定しておけば、万一、ソレノイドが不作動状態になつた
としても、シートの前後移動だけは最低限確保すること
ができて、運転者の足がペダルにとどかなかつたり、足
が運転パネルにつかえたりしてペダル操作ができないよ
うな運転不能になることを確実に回避できるという利点
がある。また、第一切換えギア５を第一シフト位置に
シフトして第一従動ギア１３に噛合せしめると共に、第
二切換えギア６を第二シフト位置にシフトして第四従
動ギア１６に噛合せしめ、この状態で駆動モータ２を駆
動せしめるようにすれば、座部前半部１ｂと座部後半部
１ｃの上下動調整用の作動螺軸１７、１９を同時に作動
させる（例えば、座部前半部１ｂの上昇と座部後半部１
ｃの下降とを同時に行う）ことができ、この様に、第
一、第二切換えギア５、６の両方をそれぞれ対応する従
動ギアに同時に噛合せしめた場合には、一つの駆動モー
タ２の駆動によつて同時に二種類の調整を行うことがで
きる。さらにまた、第一、第二切換えギアを二分割し、
該二分割された都合四つの切換えギアにそれぞれソレノ
イドを連結せしめれば、各切換えギアをそれぞれ第一〜
第四従動ギアに同時に噛合せしめることもでき、このよ
うに構成した場合には、一つの駆動モータの駆動によつ
て同時に四種類の調整を行うこともできる。

【００１３】

【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、モータ駆動に基づいて、シート全
体の前後移動調整や、背凭れ部の起倒調整等のシートの
各種移動調整を行うことができるものであるが、この場
合に、各移動調整をすべく駆動モータから従動ギアへの
動力伝動は、駆動モータの出力ギアに連動連結された中
間ギアと一体回動し、かつ中間ギアの両側面から選択的
に突出する切換えギアが、中間ギアの両側部に配される
一対の従動ギアに選択的に噛合することによつて、駆動
モータから各従動ギアに選択的に動力伝動されることに
なる。この結果、シートの各移動調整を一つの駆動モー
タを用いて行うことができることになつて、従来のよう
に駆動の種類に対応していちいち専用の駆動モータを備
える必要がなく、部品点数の大幅な削減が計れることと
なつて、軽量化に大いに寄与できる許りでなく、大幅な
コストダウンも達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シートの斜視図である。

【図２】駆動装置の斜視図である。

【図３】ソレノイドの断面図である。

【図４】切換えギアの移動を示す説明図である。

【符号の説明】

１シート１ａ背凭れ部２駆動モータ２ａウオームギア３第一中間ギア４第二中間ギア５第一切換えギア６第二切換えギア７第一ソレノイド８第二ソレノイド

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シート全体の前後移動調整の他に、背凭
れ部の起倒調整等の他の調整ができるようにしてなる車
両用シートにおいて、前記各調整を単一の駆動モータを
用いて行うように構成するにあたり、前記駆動モータの
出力軸に形成される出力ギアに常時噛合する中間ギア
と、該中間ギアに対して軸方向の移動が許容される状態
で中間ギアと一体回動するよう外周ギア部が中間ギアに
形成した内周ギア部に内嵌噛合する切換えギアと、該切
換えギアの軸方向の移動に伴い中間ギアの両側面から選
択的に突出した切換えギアの外周ギア部にそれぞれ噛合
すべく中間ギアの両側部に配設される一対の従動ギア
と、前記切換えギアの中間ギアからの突出移動を選択的
に行うための切換えギアの移動手段とを備えて構成され
ていることを特徴とする車両用シートにおける駆動装
置。