JPH0686814A - 静脈留置針 - Google Patents

静脈留置針

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JPH0686814A JP4354796A JP35479692A JPH0686814A JP H0686814 A JPH0686814 A JP H0686814A JP 4354796 A JP4354796 A JP 4354796A JP 35479692 A JP35479692 A JP 35479692A JP H0686814 A JPH0686814 A JP H0686814A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、静脈留置針を静脈腔内の適切位置に
残置させ、医療従事者による処置を、適正にして一層容
易ならしめんとすることを目的とする。 【構成】斜傾状に形成されて開口する刃先先端1を一端
に備え、その内部を内腔5とされ、その後方他端が開口
されてその内部を前記内腔とされた筒状を呈する合成樹
脂からなる基部4を備える金属からなる内針3と、そ
の一端を開口し、前記内針の刃先根部近傍を残して該内
針の外周面に摺動可能に密接被覆され、その他端が拡開
されて開口する前記基部4の先端に被着される基部4
を備える合成樹脂からなる外針2と、からなり、前記
内針の刃先根部6より該内針基部4に連結する近傍ま
で前記内針の外周面長手方向に溝7が任意の長さに形成
されている点、および、内針3′の刃先根部近傍外周側
に環状溝12と、その長手方向に該環状溝から始まる溝
7′とが形成され、該内針に摺動被嵌される外針2′に
は前記環状溝12に一致する位置に複数個の流通孔13
が穿孔されている点、に構成上の特徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、医療用器具、とくに静脈
留置針の構成部位である内針と外針の具体的構造に関す
る。
【0002】
【従末の技術】従来使用されている静脈留置針の構造に
ついて、要部拡大側面図を示す図3を参照し乍ら述べる
と、1は、金属からなる静脈留置針の内針3の刃先先端
で、同図々示のように、血管内に刺入を容易ならしめる
よう斜傾状に形成されている。4は硬質合成樹脂から
なる該内針3の基部で、該内針3の内腔5を逆流してき
た血液が貯溜するため内腔を広く形成してある。
【0003】2は、弾力性を備える合成樹脂からなる中
空の外針で、同図々示のように前記内針3の斜傾状とさ
れた刃先先端1の後方近傍に位置するよう該内針を被覆
し、その後端には、前記基部4の先端が嵌入されるよ
う、又、内針抜去後は図示しない導管が接続され、該外
針2の内腔を通過する血液や薬品を導通させるよう開口
され、その基部4は前記基部4と同質の合成樹脂か
ら形成されている。
【0004】以上の構成からなる従来型式の静脈留置針
による静脈穿刺操作は、失敗例が多く、その成功、不成
功は、医療従事者個人のセンス、勘の良さに大きく左右
されている。その原因を考察し詳述すると以下のように
なる。図3図示状態にある静脈留置針を静脈内に刺入す
るのであるが、内針3が刺入され、血液が該内腔5を逆
流して該基部4のP部位に流出するのを確認の後、外
針2を静脈腔内に残置させる。然るに、図3図示形状の
ものを静脈に刺入すると、図6に示すように種々の問題
が生ずる。図6は静脈留置針を血管に穿刺した際に生ず
る諸問題を説明するための模式的要部側面図であるが、
先ず、静脈留置針全体を持ち、皮膚9を穿刺し、或る程
度の長さそのまゝ通し、次いで、刃先先端1を静脈壁1
0に向け、該刃先が静脈腔11に達したと思われるまで
に挿入させ、この時点で内針3の基部4を見る。しか
し、該基部4のP部位(図3参照)に血液逆流が無け
れば、静脈留置針が静脈に接する程度にあるか、接して
いないか、いずれにしても、最初からやり直し、この状
態を図6(a)に示す。
【0005】次に、前記基部4のP部位に血液逆流が
見られる場合は、更に外針先端までが静脈腔11に達し
たと思われるまで穿刺を進め、該内針3を抜去するが、
外針2内への血液逆流が無い場合は、穿刺が不充分で内
針3の刃先しか静脈腔11に達しておらず、この状態を
図6(b)に示す。この状態では再び内針3を外針2内
に戻し穿刺を試みようとしても、既に該内針で穿通され
た静脈壁の孔より皮下への出血があって該静脈周囲が腫
脹するため、この試みは普通不可能、即ち失敗である、
【0006】既述の図6(b)の状態になることを避け
るため、内針基部4のP部位よりの血液逆流確認後、
少なくとも刃先の長さ分以上を更に穿刺し、該内針3の
基部4のP部位への血液逆流が持続すれば、該内針を
抜去後、スムースに該外針2を静脈内に進めることがで
きる可能性が大きく、これは理想とする処置操作であっ
て、この状態を同図(c)に示す。
【0007】しかし、既述のような内針の基部4のP
部位の血液逆流は刃先先端1が下方の静脈壁10を穿通
し、その根部6のみを静脈腔11に留めた同図(d)の
状態でも起こり得る。この際、内針抜去後、血液の逆流
を外針内に確認しても、そのまゝ外針2を進めようとす
ると下方の静脈壁10にぶつかることゝなり、又、既に
該円針で穿通された静脈壁の孔より皮下への出血があり
静脈壁周囲が腫脹するため、外針2の静脈腔への挿入を
困難とし、要するに失敗を意味する。
【0008】更に、内針基部4のP部位への血液逆流
が途中でストップすれば、該内針刃先全体が静脈を通過
してしまったことを意味し、この状態を同図(e)に示
す。この場合、内針3を除去し除々に外針2を後退させ
ると、外針2の先端が静脈腔11に戻ってきたとき再度
血液逆流が見られ、この時点で再び外針2を前進させる
と成功することもあるが、多くの場合、既述の同図
(d)と同一の結果となり失敗に終えるので最初から別
部位でのやり直しを余儀なくされる。
【0009】以上、図6(a)〜(e)で述べたよう
に、従来型式の静脈留置針では、内針3から血液逆流が
広い範囲で起きるものであるに拘わらず、さらに該内針
は金属製で不透明なため、該内針の刃先先端が静脈腔に
刺入され、血液の逆流が始まってから、それが内針3の
基部4のP部位で視認できるまでに時間的差があるも
のであるに拘わらず、刃先先端1と静脈腔11との位置
関係の把握は、P部位における血液逆流のみを指標とし
ているので、可成り不確かであると言わざるを得ないも
のである。要するに、内針3よりの血液の逆流が、必ず
しも外針2先端の静脈腔内の至適位置を確証するもので
はなく、外針2の適切な静脈腔内への迅速な挿入を困難
にしている欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の欠点
を解消せんとするもので、その目的とするところは、静
脈留置針による処置において、内針3の血液逆流流入口
を、これまでの内針内腔5以外に外針先端により近い部
位に、或いは外針先端の後方に更に1つ設けて2つにし
て血液逆流を迅速に視認し、外針2先端を静脈腔内の適
明位置に残置させ、医療従事者による処置を、適正にし
て一層容易ならしめんとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、斜傾状に形成
されて開口する刃先先端1を一端に備え、その内部を内
空5とされ、その後方他端が開口されてその内部を前記
内空とされた筒状を呈する合成樹脂からなる基部4
備える金属からなる内針3と、その一端を開口し、前記
内針の前記刃先根部近傍を残して該内針の外周面に摺動
可能に密接被覆され、その他端が拡開されて開口し前記
基部4の先端に被着される基部4を備える合成樹脂
からなる外針2と、からなり、前記内針の刃先根部6よ
り該内針基部4に連結する近傍まで前記内針の外周面
長手方向に溝7が任意の長さに形成されている点、内針
3′の刃先根部近傍外周側に環状溝12と、その長手方
向に該環状溝から始まる溝7′とが形成され、該内針に
摺動被嵌される外針2′には前記環状溝12に一致する
位置に複数個の流通孔13が穿孔されている点、に夫々
構成上の特徴を有する静脈留置針によって解決される。
【0012】
【実施例1】以下、本発明によるものゝ具体的構成につ
いて詳述する。図1は本発明による静脈留置針を示す要
部拡大平面図、図2は前記図1のx−x線における拡大
断面図で、既述の図3で述べたものと同一箇所には同一
符号を付け、冗長な説明を避け、本発明の構成上の特徴
のみを述べると、7は刃先根部6を起点として長手方向
に形成された上方に向けて開口する溝で、8は該溝7の
終端を示す。なお、以下に説明する図4および図5の各
符号中、9は皮膚、10は静脈壁、11は静脈腔、を夫
々示す。
【0013】
【実施例2】次に、本発明による静脈留置針の異なる実
施例の具体的構成について、図7〜10を参照の上、具
体的構成について、既述の各実施例で述べたと同一箇所
には同一符号を付け 実施例1と同様、本実施例の特徴
のみを述べると、図7は静脈留置針の要部拡大平面図、
図8は前記図7のx−x線における断面図、図9は内針
3′のみの要部拡大平面図、図10は外針2′のみの要
部拡大平面図、を夫々示すが、各図中、12は、金属か
らなる内針3′の刃先根部近傍の外周側に形成した環状
溝、13は、合成樹脂からなる外針2の先端近傍に形成
した流通孔で、前記内針が装填された際、該内針の前記
環状溝12に一致する位置に複数個、例えば、4個穿孔
されている。
【0014】
【発明の効果】本発明は、叙上の構成よりなり、次いで
使用の態様と共に、本発明の構成に基ずく作用効果につ
いて各図を参照の上述べると、先ず、実施例1におい
て、図4は、静脈留置針の刃先先端1が皮膚9を通して
静脈壁10に刺入された初期を要部拡大側断面図として
示すもので、内針3の刃先先端1が静脈腔11に刺入さ
れると、従来型式のもの同様、該内針内に血液逆流が起
こり、このことは該内針基部P部位に血液逆流が見られ
ることで確認できる。このことで留置針が静脈に対し正
しい方向に穿刺されていることが確信でき、あと最大で
刃先の長さだけ進めればよいことが分かる。
【0015】さらに穿刺を進め、図5図示のように、刃
先根部6まで静脈腔11内に進むと、本実施例によるも
のでは溝7が該刃先根部6に形成されており、茲に、透
明又は半透明の合成樹脂よりなる外針2が内針3を被覆
しているので、該外針2を透かして該内針3の表面の溝
7の血液逆流をその初期より目視でき、この時点で外針
2の先端が静脈腔11内に、或いは、少なくとも静脈壁
10内に達していることが確認でき、ここで静脈留置針
全体を、ほんの僅か進入させた後、該内針3を抜去する
と外針2を確実に静脈腔11内に挿入留置させることが
できる。
【0016】次に、実施例2による作用効果について、
図7、図8及び図9を参照し乍ら述べると、既述の実施
例1と同様に静脈留置針の刃先先端1を穿刺してゆき、
該刃先が、静脈腔11に刺入されると、従来型式のもの
同様に、該内針内に血液逆流が起って内針基部4のP
部位に血液逆流が見られる。このことは実施例1で述べ
たように、留置針の穿刺方向が正しく、又、溝7′内に
血液逆流が間近であることを教えてくれる。さらに穿刺
を進め、外針2′に形成された流通孔13の1個又は複
数個が静脈腔11に達すると、環状溝12を介して溝
7′に血液逆流が見られ、これは実施例1で述べたと同
様に外針を透して確認できる。斯くして、この時点で外
針2′の先端が確実に静脈腔内に達していることが把握
でき、該内針3′を抜去すれば該外針2′を正確に静脈
腔内に挿入留置することができる。
【0017】本発明によれば、以上述べたように、静脈
留置針を静脈に穿刺した時の血液逆流経路として、実施
例1では、これまでの内針内腔5と溝7、実施例2で
は、内針内腔5と外針流通孔13から環状溝12を通っ
て溝7′と連なる通路が、夫々形成されているので、該
各複数個の各々の血液逆流を視認することにより静脈腔
に留置すべき外針2の先端と静脈腔との位置関係が正確
に推測でき、血液逆流を唯一の指標として行う静脈穿刺
操作が大変正確、且つ、容易にでき、本発明所期の目的
を充分達成し得る優れた諸効果が期待できる。なお、一
例として、通常一般に市販されている静脈留置針の外針
および内針の諸元について図1を参照し乍ら述べると、 外針2の内径a:0.47〜1.30[mm] 内針3の刃先の長さb:1.5〜3.3[mm] 刃先根部6と外針2の先端差c:0.2、0.5[m
m] であるが、実験に徴するに、刃先根部6と外針2の先端
差cは、限りなく0[mm]に近い方が良く、したがっ
て現状では0.2[mm]のものに適用するのが最適と
言える。又、各図では理解を容易ならしめるべく、溝
7,7′を大きめに画いているが、実際には溝幅は0.
2[mm]以下、溝の深さ0.05[mm]で充分な血
液逆流が見られ、内針表面の溝は現在の内針にそのまゝ
加工することができる。
【0018】ところで、内針と外針との間には、実は外
針先端の密着部を除き僅かな隙間があり、このため溝7
や7′内の逆流血液は直ぐに内針全表面に広がっていく
が、そのために溝7や7′が細すぎて逆流血液を視認し
難いと言うことはない。又、このことにより溝7や7′
の終端8(図1参照)とした内針基部4近傍は、具体
的にはその製造工程の簡便さも考慮し、外針先端密着部
の直ぐ後方より内針基部4に達するまでの範囲のいず
れの長さでも良いことゝなる。本発明の構成から、実施
例1は中間径までの静脈留置針に、実施例2は薬液や血
液を多量に送通するための外針側孔を必要とする太い静
脈留置針に、夫々適応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静脈留置針の要部拡大平面図
【図2】図1のx−x線における拡大断面図
【図3】従来型式の静脈留置針の要部拡大側断面図
【図4】本発明による静脈留置針の刃先先端を皮膚を通
して静脈壁に刺入した状態の要部拡大側断面図
【図5】本発明による静脈留置針の刃先先端を皮膚を通
して静脈腔まで適正に穿刺した状態を示す要部拡大側断
面図
【図6】従来型式の静脈留置針を血管に刺入した際に生
ずる諸問題を説明するための模式的要部側面図で、
(a)と(c)は血管外を、(b)と(d)は刺入不完
全を、(c)は理想的刺入状態を、夫々示す。
【図7】本発明の異なる実施例による静脈留置針の要部
拡大平面図
【図8】図7のx−xにおける断面図
【図9】本発明の異なる実施例による静脈留置針の内針
の要部拡大平面図
【図10】本発明の異なる実施例による静脈留置針の外
針の要部拡大平面図
【符号の説明】
1 刃先先端 2,2′ 外針 3,3′ 内針 4,4 基部 5 内腔 6 刃先根部 7,7′ 溝 8 溝終端 9 皮膚 10 静脈壁 11 静脈腔 12 環状溝 13 流通孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜傾状に形成されて開口する刃先先端1
    を一端に備え、その内部を内腔5とされ、その後方他端
    が開口されてその内部を前記内腔とされた筒状を呈する
    合成樹脂からなる基部4を備える金属からなる内針3
    と、その一端を開口し、前記内針の刃先根部近傍を残し
    て該内針の外周面に摺動可能に密接被覆され、その他端
    が拡開されて開口する前記基部4の先端に被着される
    基部4を備える合成樹脂からなる外針2と、からな
    り、前記内針の刃先根部6より該内針基部4に連結す
    る近傍まで前記内針の外周面長手方向に溝7が任意の長
    さに形成されていることを特徴とする静脈留置針。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の静脈留置針において、内
    針3′の刃先根部近傍外周側に環状溝12と、その長手
    方向に該環状溝から始まる溝7′とが形成され、該内針
    に摺動被嵌される外針2′には前記環状溝12に一致す
    る位置に複数個の流通孔13が穿孔されていることを特
    徴とする静脈留置針。
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