JPH0686627A - 小麦アレルゲン低減化べーカリー食品の製造方法 - Google Patents

小麦アレルゲン低減化べーカリー食品の製造方法

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JPH0686627A
JPH0686627A JP4096102A JP9610292A JPH0686627A JP H0686627 A JPH0686627 A JP H0686627A JP 4096102 A JP4096102 A JP 4096102A JP 9610292 A JP9610292 A JP 9610292A JP H0686627 A JPH0686627 A JP H0686627A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、小麦アレルゲンが低減された、小
麦アレルギー症患者用として好適なベーカリー食品の製
造方法を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、原材料として豚血漿と澱粉を配合
することを特徴とする小麦アレルゲン低減化ベーカリー
食品の製造方法に関する発明である。 【効果】 本発明の製造方法で製造したベーカリー製品
は、小麦アレルギーの原因となる小麦由来の蛋白質を全
く含まないため、小麦アレルギー患者に投与してもアレ
ルギー症状が発症することはなく、しかも通常の小麦粉
を用いて製造したベーカリー製品と極めて近似したテク
スチャーを有しているので、小麦アレルギー症患者の食
餌として極めて好適なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小麦アレルゲンが低減
された、小麦アレルギー症患者用として好適なべーカリ
ー食品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】食物性アレルギーとは、特
定の食物を食したとき、異常な過敏反応を生じ、その結
果、病的な症状を呈する現象を指し、一般的には卵、牛
乳、大豆等の蛋白性食物が発症の原因物質となることが
多い。しかし、近年では、小麦や米などの穀類による食
物性アレルギーが急増していることが指摘されている。
【0003】食物性アレルギーの治療法としては、従
来、薬物による対症療法のほかは、アレルギーの原因と
なる食物の摂取を禁止または制限する、いわゆる除去食
物療法が一般的であった。また、最近では、穀物を酵素
処理ないしは水性溶媒で抽出してアレルギーの原因物質
(アレルゲン)とされるグロブリン系の蛋白質を分解、
除去する試みが提案されている(例えば特開平2−16
7040、特開平3−297343)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、小麦ア
レルギー症患者用の新たな治療食を開発すべく、小麦ア
レルギー患者に対する抗原性の小さな食品素材について
鋭意研究を行った結果、蛋白性原料としては豚血漿が好
適な素材であり、しかもその加工方法を工夫することに
より小麦蛋白質成分を全く用いることなく、小麦粉の代
表的な二次加工製品であるベーカリー食品と極めて近似
した食品を作ることが出来ることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】まず、本発明者らは、小
麦アレルギー患者に対する抗原性の小さな食品素材を探
索するため、多数の食品素材について、小麦アレルギー
患者の血清を用いたIgE−ELISA法(引用文献
名)によるスクリーニング試験を実施した。表1にその
試験結果の一例を示す。
【0006】
【表1】 表1の数値は、各食品素材について、複数の患者(15
名)あるいは健康者(5名)の血清に対する抗原性の強
さの程度を、490nmの吸光度で表したものであり、
その数値が小さいほど抗原性が小さいことを示す。表1
から明かな如く、豚血漿、鱈すり身及び鱈肉漿等が小麦
アレルギー患者に対する抗原性が小さい食品素材である
ことが分かった。
【0007】本発明者らは、前記の小麦アレルギー患者
に対して抗原性の低い豚血漿を蛋白性原材料として生か
し、通常のケーキ、クッキー、パン等の如きべーカリー
製品と近似した食品を創造すべく検討を重ねた。すなわ
ち、本発明は、豚血漿と澱粉を配合することを特徴とす
る小麦アレルゲン低減化べーカリー食品の製造方法であ
り、その具体的なものとしては、ケーキ、クッキー、パ
ン、ビスケット等を挙げることができる。
【0008】本発明に用いる豚血漿は、新鮮な豚血液か
ら血球部分を除去したものをそのまま、あるいは必要に
応じて透析等による精製を行った後、更に必要により濃
縮、乾燥操作を施すなどして使用することができる。そ
の調製法の1例を述べれば、以下のとおりである。屠殺
直後に採取した新鮮な豚血液に、クエン酸ナトリウムを
血液1ミリリットル中50ミリグラムとなるよう添加
し、2000 x gで15分間遠心分離する。得られ
た血漿に氷核活性細菌キサントモナス・カンペストリス
(Xanthomonas campestris)I
NXC−1の菌体を血漿1ミリリットル当たり1〜10
00個となるように加え、−5℃で8ないし24時間放
置し、生成した氷晶を除去して固形分濃度を2〜3倍に
濃縮し、これを凍結乾燥する。
【0009】本発明で必須とするもう一つの主要原料は
澱粉であり、その起源や種類について特に制限はなく、
小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチ等の穀類澱粉、馬鈴
薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉等の地下茎澱粉がいず
れも使用可能である。
【0010】本発明のべーカリー製品の製法を、対象の
1つであるクッキーを例にとり、具体的に説明すれば、
以下のとおりである。原材料の豚血漿、澱粉(例えば小
麦澱粉)、油脂類(例えば水添ヤシ油)、砂糖等の糖類
および水、更に必要に応じ香料や着色料等の副資材を加
え、ケーキミキサーで混練して生地を形成する。生地は
5ミリメートル前後に圧延した後、適宜の形に打ち抜
き、オーブン中で焼成する。
【0011】また、他の例としてパンの製法を挙げれば
次のようである。本発明によるパンは、通常のパンのよ
うにイーストが生成する二酸化炭素を内部に保持するグ
ルテン(小麦蛋白の一つ)による網目構造の形成がなさ
れないので、二酸化炭素の散逸を防ぐための工夫を行う
必要がある。また、患者はイーストにもアレルギー反応
を起こすので、抗原性の低いベーキング・パウダーなど
を用いるのがよい。その1例としては、豚血漿に食塩、
砂糖などの副資材および水を加え、これをホモジナイザ
ー等で泡立てた後、これにベーキング・パウダーを混合
した澱粉を、泡沫が離水しないよう手早く混ぜ合わせ、
焼き型に入れて電子レンジまたはオーブンで焼成する、
等の手段を講ずる。
【0012】
【実施例】
実施例1 豚血漿の凍結乾燥粉末、食塩(0.54g)、砂糖(5
g) および水を、同血漿の固形分濃度 5、10およ
び20重量%、かつ同血漿と水の合計量が60gとなる
ように配合し、ホモジナイザーを用いて比容積が 1.
3〜3となるまでホイッピングした。これに予めベーキ
ングパウダー(愛国産業(株)製)2.7gを均一に混
合した小麦澱粉30gを加え、泡沫が離水しないよう手
早く混ぜ合わせ、アルミ製のカップケーキ型(直径約6
センチメートル、高さ約5センチメートル)に入れ、電
子レンジ(東芝ER−610J)により「強」で8分間
加熱した。
【0013】
【表2】 表2に示されるように、豚血漿固形分濃度が増すにつれ
てパンのボリューム(比容積)は増大するが、内相の気
泡のサイズは逆に低下する傾向が見られた。このことか
ら血漿固形分の濃度は、豚血漿そのもの濃度である10
%程度が最適と判断された。
【0014】実施例2 屠殺直後に採取した新鮮な豚血液に、クエン酸ナトリウ
ムを血液1ミリリットル中50ミリグラムとなるよう添
加し、2000 x gで15分間遠心分離する。得ら
れた血漿に氷核活性細菌キサントモナス・カンペストリ
ス(Xanthomonas campestris)
INXC−1の菌体を血漿1ミリリットル当たり1〜1
000個となるように加え、−5℃で8ないし24時間
放置し、生成した氷晶を除去して固形分濃度を2倍(血
漿固形分濃度20%)および3倍(同30%)に濃縮し
た。未処理(血漿固形分濃度10%)および上記凍結濃
縮を行った計3種の豚血漿を用い、表3の配合と以下の
手順によりクッキーを作った。水添ヤシ油と砂糖を混
合、これに小麦澱粉を加えて1分間ミキシングした後、
豚血漿液を加え、更に30秒間ミキシングを継続した。
生成した生地は5ミリメートルの厚さに延ばし、抜き型
で直径4センチメートル 円盤状に型抜きした。予め1
80℃に調整したオーブンに入れ、きれいな焼き色がつ
くまで焼成した。処方とそれにより得られた製品の形状
を表3にまとめた。得られた製品は、25名のパネルに
よる嗜好性の官能検査および物性試験機(飯野電機
(株)製RDP−1500)による物性試験を行った。
嗜好性の官能評価は10種類の試料(表2参照)のう
ち、最高のものを10点、最低のものを0点として評価
した各パネルの評点の平均値と標準誤差、物性値は破断
エネルギーの値のみを表2に示した。
【0015】
【表3】 表3から明かなように、本発明の方法により調製したク
ッキーは、血漿固形分濃度および砂糖濃度が増大するに
つれて、組織がしっかりとした硬いものとなり(破断エ
ネルギーが増大)、特に試験区3は対照とした市販クッ
キー(試験区10)とほぼ同等の破断エネルギーを示
し、嗜好性も殆ど変わらなかった。
【0016】
【発明の効果】本発明により調製したべーカリー製品
は、小麦アレルギーの原因となる小麦由来の蛋白質を全
く含まないため、小麦アレルギー患者に投与してもアレ
ルギー症状が発症することは皆無であり、しかも通常の
小麦粉を用いて製造したべーカリー製品と極めて近似し
たテクスチャーを有し、小麦アレルギー症患者の食餌用
として極めて好適なものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料として豚血漿と澱粉を配合する
    ことを特微とする小麦アレルゲン低減化ベーカリー食品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 べーカリー食品がケーキ、クッキーお
    よびパンから選ばれる1種である請求項1記載の小麦ア
    レルゲン低減化べーカリー食品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5834160B1 (ja) * 2015-06-26 2015-12-16 山中 直樹 パン、及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7182962B2 (en) 2000-03-22 2007-02-27 Apc Company, Inc. Immunostimulator for animals and humans, and method of preventing animal and human infectious diseases and cancer
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