JP2000270811A - カリウムイオンの吸収を抑制する食品及びその方法 - Google Patents

カリウムイオンの吸収を抑制する食品及びその方法

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俊夫 木下
Toshio Takizawa
登志雄 滝沢
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京子 戸田
Osamu Hiruta
修 蛭田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】腎不全等により腎機能が低下した患者の食事に
おいて、QOLに深く関わっているカリウム摂取制限の
問題をできるだけ軽減することが可能となる食品を提供
することである。すなわち、一旦経口摂取したカリウム
を腎臓の負担にならずとも積極的に体内から体外へ排出
することのできる食品を提供することである。 【解決手段】カリウムと容易に結合することができる天
然由来のイオン性物質を食品に混合しその効果を種々検
討した結果、腎機能が低下した患者が手軽に摂取でき、
かつカリウム除去効果が高く保存性も良い形態である食
品を開発することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食事等により摂取
するカリウムイオンの体内への吸収を抑制させることが
可能な食品及びそれら食品を摂取しカリウムイオンの体
内への吸収を抑制させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カリウムイオンは主として細胞内液に存
在し、主として細胞外液に存在するナトリウムイオンと
対になり酸塩基平衡の主役の一つとして生体のホメオス
タシスの維持に重要な役割を果たしている。しかしなが
ら、腎不全患者はカリウムの排泄機能が低下しているた
め高カリウム血症を起こしやすい。著しい血清カリウム
値の上昇は心臓の機能に影響し、最悪の場合は生命の危
機を招く。したがって、腎不全患者はカリウム摂取が厳
しく制限されており、特にカリウム分を多く含む果物、
野菜、芋・豆類などは自由に摂取することができない。
これらの食品を供する際はカリウムを抜く調理法を行う
必要があり、食事に組み込むには手間がかかっていた。
【0003】そこで、腎不全患者に供するためにカリウ
ムを減らす技術が幾つか報告(特開昭61−20957
3、特開平8−67633)されているが、それらの方
法では加工できる食品やその形態が限られており、加工
した食品で献立を構成しても、食事・間食を通して一日
に摂取するカリウム量を制限する必要があった。そのた
め、果物や野菜などの摂取を制限する必要から食事に使
用する品目数が低下し、その結果食欲不振を招き、栄養
バランスの保持が困難になったり、栄養バランスの崩れ
から更に臨床症状の悪化という悪循環が生じることも見
られていた。更に、食事・間食の質や量を制限されると
いう精神的ストレスも避けられず、食事・間食の質は腎
不全患者の病状とQOL(Quality of life)に大きく関
わるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、腎不全等に
より腎機能が低下した患者の食事において、QOLに深
く関わっているカリウム摂取制限の問題をできるだけ軽
減することが可能となる食品を提供することである。す
なわち、一旦経口摂取したカリウムを腎臓の負担になら
ずとも積極的に体内から体外へ排出することのできる食
品に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】腎機能の低下した患者の
高カリウム血症を防ぐ方法としてカリウムの経口摂取を
制限する方法のほかに、摂取されたカリウムを腎臓に負
担をかけないように除去、排出する方法があるのではと
考え、そこで、カリウムと容易に結合することができる
天然由来のイオン性物質を食品に混合しその効果を検討
した。種々検討した結果、腎機能が低下した患者が手軽
に摂取でき、かつカリウム結合能が高く保存性も良い形
態である食品を開発することができ本発明を完成するに
至った。
【0006】
【発明実施の形態】本発明において、天然のイオン性物
質とは摂取可能な天然由来のポリアニオン(単一、数種
の構成単体が縮重合したポリマーで、その構成単体の一
つ、または数種が分子内の縮合部位以外にイオン解離し
うるカルボン酸基、スルホン酸基等のアニオン基を持
ち、陰イオン性の特徴を示すもの)であり、好ましくは
γ−ポリグルタミン酸のようなポリカルボン酸、アルギ
ン酸あるいはペクチン酸のようなポリウロン酸、カラギ
ーナンあるいはコンドロイチン硫酸のようなポリスルホ
ン酸等であり、特に好ましくはγ−ポリグルタミン酸で
ある。
【0007】これらのポリアニオンは分子内に遊離のカ
ルボキシル基、又は硫酸基等を有しておりカリウムと結
合する性質を有している。天然由来のポリアニオンは安
全性も高く、例えば、γ−ポリグルタミン酸は、古くか
らの伝統食品として親しまれてきた納豆の糸に多く含ま
れており、かつD−ペプチド部分をもつポリペプチドで
あることからヒトの酵素では切断されにくく安定である
ことが知られている。また、アルギン酸はノンカロリー
の水溶性食物繊維としての有効性も広く知られている。
【0008】本発明で製造された食品はポリアニオンを
含むため、一旦経口摂取したカリウム量を腎機能の負担
にならずに排出でき、腎不全患者が食事に対して過敏に
なることなく手軽に安心して食せる。また、この食品が
焼き菓子ならば携帯食、間食として便利で、焼き菓子に
は油脂・卵等含むため、カロリー・蛋白質を補う必要の
ある腎機能の低下した患者に好ましいと思われる。
【0009】本発明においてポリアニオンとして用いる
ことのできるポリグルタミン酸は、分子量1000〜200万
のものであれば使用可能であり、天然物である納豆等か
ら抽出されるポリグルタミン酸でも良いし、あるいは各
種菌株からの発酵生産物として得られるポリグルタミン
酸のいずれでも良い。例えば特公平4−283232号
に記載された方法で製造したポリグルタミン酸を使用す
ることができる。
【0010】本発明における食品としては、食用に適し
ていれば特に限定されることはないが、好ましくは、焼
き菓子(例えば、クッキー、ビスケット、カステラ、ケ
ーキ、クラッカー等)、生菓子(例えば、レアチーズケ
ーキ)、錠菓菓子である。
【0011】本発明における小麦粉とは小麦を原料とし
て製造された粉ならばいずれでもよく、強力粉、中力
粉、薄力粉等の種類がある。一般的には製菓に適したグ
ルテン含有量の低い薄力粉が適している。さらには特定
の蛋白質を取り除いた小麦粉を用いても構わない。ま
た、小麦粉を減量した分、コーンスターチ等のでんぷん
を加え、食感に変化をつけても構わない。
【0012】本発明における卵とは鶏卵、アヒルの卵、
うずらの卵など、鳥類の生卵の内容物の全部若しくは一
部をいい、これらの冷凍保存されたものを解凍して用い
たり、卵白粉末又は卵黄粉末等の粉末卵を用いても構わ
ない。
【0013】本発明における糖類とは、砂糖、三温糖、
黒砂糖、還元糖、蜂蜜等を指し、ステビア、オリゴ糖等
の人工甘味料又は食品添加物でも良い。
【0014】本発明における油脂とは動物性、植物性の
油脂ならばいずれでもよく、バター、ラード等の動物性
油脂、マーガリン、ショートニング、パーム油、大豆
油、ごま油、菜種油などの植物性油脂を使用することが
できる。
【0015】本発明における食感改善のため膨張剤、例
えば重炭酸曹達を主成分とするベーキングパウダー、イ
ーストパウダー等を用いることができる。これらの原料
を適切に配合しポリアニオンが混合された食品を製造す
る際、ポリアニオンの添加はいずれの原料に混合、又は
原料を混合途中のどの段階で添加しても構わないが、ク
ッキー及びビスケットの製造で好ましい方法は、油脂、
砂糖、卵等を混合したものに、あらかじめ混合した小麦
粉とポリアニオンとの混合物を添加する方法である。
【0016】ポリアニオンを除くすべての原料に対する
ポリアニオンの混合率は1〜10%、好ましくは2%が良
い。クッキー及びビスケットの製造における原料の混合
方法としては、クッキー及びビスケットの製造原料が混
合できれば良いが、好みによって油脂等に空気を含ませ
て仕上がりを軽くする、すべての原料を混合した後に放
置する(休ませる)等、混合法を工夫しても構わない。
【0017】クッキー及びビスケットの製造法で原料の
混合物は薄く小型に成型した後、オーブンやフライパン
等で加熱して製造する。オーブンを用いて加熱する場合
は150〜200℃で10〜15分焼き色がつく程度に加熱するこ
とが好ましい。
【0018】クッキー及びビスケットの製造では原料と
して牛乳、木の実、ハーブ、ココア、紅茶、チョコレー
ト等を加えて変化に富んだ風味にしても構わない。
【0019】本発明におけるレアチーズケーキ等の生菓
子の製造におけるゼラチンは、粉、板ゼラチンいずれで
もよく、また、寒天等をゲル化剤として用いても構わな
い。
【0020】本発明におけるチーズはプロセスチーズ、
ナチュラルチーズのいずれを用いても構わないが、より
好ましくはクリームチーズ、マスカルポーネチーズ、カ
ッテージチーズ等のフレッシュチーズが適している。
【0021】本発明におけるクリームは製菓用のクリー
ムとして流通しているもので構わないが、より好ましく
は生クリーム、サワークリーム等の牛乳加工物が適して
いる。また、乳脂肪分の低い植物性油脂でも構わない。
【0022】本発明における香料としてはレモンエッセ
ンス等各種エッセンス、レモンなど果物の搾り汁、ブラ
ンデー、リキュール等の酒で香りづけをするとなお一層
美味である。レアチーズケーキ等の生菓子の製造におい
て、原料混合物を混合・温度低下によりレアチーズケー
キを製造することができる。原料は全て混合すれば良い
が、好みにより生クリームを適当に泡立て(5〜9分立
て)軟らかく仕上げたり、卵白等をメレンゲ状として加
え軽い仕上がりに製することができる。また、チーズケ
ーキの軟らかい食感を引き立て味の変化を楽しめるよう
に、チーズケーキの台としてスポンジケーキ又は、ビス
ケット等を砕いてバター(有塩、無塩どちらでも良いが
好ましくは無塩)等で固めたものを使用するとより美味
である。レアチーズケーキ等の生菓子の製造において、
原料混合物は全体が固まれば食することができる。好ま
しくは冷蔵庫等で冷やすと良い。レアチーズケーキ等の
生菓子の製造においてポリアニオンを添加する場合、ポ
リアニオンが固形状、液状いずれの形態でも構わない。
固形で添加する場合好ましくはカッター、乳鉢等で微細
な粉末にして生地に加えるとよりなめらかで食しやす
い。また、レアチーズケーキ等の生菓子原料を構成する
ゼラチン、チーズ、生クリーム等の量を調節することに
よりペースト状にし、パン、クラッカー等のディップと
しても良いし、固く、小型に成型することによりチーズ
風に食することもできる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0024】実施例1 ポリグルタミン酸のカリウム、
ナトリウムの除去能力の測定 表1に示した様に、試料No.毎に異なった量のγ−ポリ
グルタミン酸(PGA)を量り取り、それぞれに20mMのKOH 50
mLを加え攪拌し、必要に応じて60℃の水浴で加温し、γ-
ポリグルタミン酸を完全に溶解させる。その後、1MのNaO
H又は100mMのHClを用いて、全ての試料をpH8(腸液のpH
がpH8.3であるため)に調整した。更に、ナトリウム量を10
mEq/LにするためにNaClを加え、それぞれを水で100mLと
した。 上記試料を5000rpm 23℃ 40minの条件で限外濾過(限外
濾過ユニット:ULTRAFREE-MC 10,000NMWL Filter Unit:M
ILLIPORE製)を行い、濾液のカリウム、ナトリウム濃度を
カリウム測定器(AUTOMATED ELECTROLYTE ANALYZER EA05
エイアンドティー製)にて測定した。その結果を図1に
示した。
【0025】
【表1】
【0026】図1に示したように、γ−ポリグルタミン
酸量の増加に伴い、カリウムイオン除去量の増加が見ら
れ、γ−ポリグルタミン酸の濃度が4×10-3mEq/L以上で
はカリウムイオンの除去量が一定となった。 この実験におけるγ-ポリグルタミン酸のカリウムイオ
ンに対しての平衡定数(K)を下記の式を用い算出する
と、表2のようになった。
【0027】
【式1】
【0028】
【表2】
【0029】これらの結果より、γ−ポリグルタミン酸
によるカリウムイオンの除去能力が確認できた。
【0030】実施例2 カリウム除去量に及ぼすpHの影
20mMのKOH 450mLにγ-ポリグルタミン酸1.17g加え攪拌
し、必要に応じて60℃の水浴で加温して完全に溶解させ
る。その溶液を50mLずつ容器に分注し試料1〜9とした。
試料1〜4には100mMのHClを、試料5〜9には10mMのNaO
Hを加え、pHを表3に示した様に調整した。更に、ナトリ
ウム濃度を2mEq/Lに揃えるために必要量のNaClを加え
た後、それぞれの試料を水で100mLとした。 上記試料を5000rpm 23℃ 40minの条件で限外濾過(限外
濾過ユニット:ULTRAFREE-MC 10,000NMWL Filter Unit:M
ILLIPORE製)を行い、濾液のカリウム、ナトリウム濃度を
カリウム測定器(AUTOMATED ELECTROLYTE ANALYZER EA05
エイアンドティー製)にて測定した。その結果を図2に
示した。
【0031】
【表3】
【0032】図2に示したように、カリウム除去量はpH
の増加に伴って増加し、pH6.0以上ではカリウム除去量
が一定となった。このことから、γ−ポリグルタミン酸
はアルカリ側において、強いカリウム除去作用をもつこ
とを示しており、人体の腸液はpH8.3であることからγ
−ポリグルタミン酸の経口投与により、腸管内で目的と
する電解質を除去することが可能である。
【0033】実施例3 カリウム除去量のカルシウム濃
度による影響 表4に示したように、250mMのKOH 40mLに0.735、0.55
1、0.368、0.184、0.074gの塩化カルシウム2水和物を
各々加え、必要に応じて60℃の水浴で加温して溶解させ
た。完全に溶解した後、水を加えて各々500mLとし、そ
のうち50mLについてγ−ポリグルタミン酸0.13gを添加
し、溶解するまで攪拌し、試料とした。(カリウム:10
mEq/L、γ−ポリグルタミン酸:5.16×10-3mEq/L) 上記試料を各々5000rpm 23℃ 40minの条件で限外濾過
(限外濾過ユニット:ULTRAFREE-MC 10,000NMWL Filter U
nit :MILLIPORE製)を行い、濾液のカリウム、ナトリウム
濃度をカリウム測定器(AUTOMATED ELECTROLYTE ANALYZE
R EA05 エイアンドティー製)にて測定した。その結果を
図3に示した。
【0034】
【表4】
【0035】図3に示した様にカルシウム量の増加に伴
い、カリウム除去率の低下が見られ、カルシウム濃度15
mEq/L以上では、カリウム除去量が一定となった。
【0036】実施例4 ポリグルタミン酸を含むクッキ
ーの製造例 ここではγ−ポリグルタミン酸を使用し、クッキーを製
造した例を示す。クッキーの製造は表5の配合1〜5に
したがって製造した。
【0037】
【表5】
【0038】γ−ポリグルタミン酸はあらかじめ乳鉢で
すりつぶし細粒とし、製菓用小麦粉と併せて30メッシュ
にて篩過を行った。油脂が固い場合、油脂を室温に放置
するか、温風等にて溶けない程度に軟らかくし、軟らか
くした油脂をミキサー(KENMIX製:ビーターを使用)で
攪拌した。油脂の攪拌は、始め低速でその後中〜高速で
攪拌し、ポマード状とした。その後、砂糖、又は粉糖等
を加え引き続き低速〜高速で攪拌、混練し、途中ビータ
ーやミキサーボールの側面に付着した油脂・糖の混合物
はゴムへら等で取り除き均一な混合物とした。なめらか
になったら、溶いておいた卵を少しずつ加え、低速〜高
速で攪拌し、配合によっては水を加え、更に低速〜高速
で攪拌した。これにγ−ポリグルタミン酸・小麦粉を混
合したものを一度に加え、低速〜中速にて均一になるま
で混合した。配合にしたがって全て混合したものをパラ
フィン紙、ポリシート等で上下を覆い、1cm程度の厚み
に手で成型しさらにパイローラー(飯田製作所)で2.5m
mに圧延した。2cmラ2cm程度の大きさの好ましい型で抜
き、天板にオーブンシートを載せその上に置いた。あら
かじめ180℃に熱したコンポオーブン(SANKO機器株式会
社)で7〜8分、焼き色を見ながら焼き、最終製品とし
た。焼き上がりは薄い茶色になったとき焼き上がりと判
断した。
【0039】なお、実施例において味の評価は5人の熟
練したパネラーによって、味を点数として表した。配合
3のクッキーが合計18点、配合4、5のクッキーが合計
17点味・食感のいずれも満足できるものであった。(評
価基準:4点;普通の菓子としておいしい、3;若干違
和感を覚えるがおいしい、2点;違和感を覚える、1
点;おいしくない)
【0040】実施例5 ポリグルタミン酸を含む錠菓の
作製 レモン風味錠菓(明治製菓製)は表6のような配合でγ
−ポリグルタミン酸を混合し、打錠し製造した。
【0041】
【表6】
【0042】配合1及び2に示した量を量り、それぞれ
充分に混合した後、小型打錠機(HATA製)にて、圧力60
0〜800kfg、19回転の条件で打錠した。この条件で錠は
厚さ約5.8mm、重量1.45gとなった。5人のパネラーに
より評価を行ったところ、錠菓が合計19点で味・食感の
いずれも満足できるものであった。(評価基準は実施例
4と同じ)
【0043】実施例6 ポリグルタミン酸入りのレアチ
ーズケーキの製造例 ビスケット60gをビニール袋に入れ、めん棒で砕いて粉
状にし、溶かした無塩バター28gを加えまとめた後、型
に敷き詰め冷蔵庫で冷やし固めておいた。ボールに卵黄
1/2個分を入れてほぐし、砂糖30gを加えて白くなるま
ですり混ぜた。これにあらかじめ水30mLでゼラチン3g
をふやかしたものを加え湯煎で混ぜ溶かし、裏ごしを行
いなめらかにした。これにあらかじめ室温に戻し軟らか
くしたクリームチーズ75gを加えなめらかに混ぜた。更
にサワークリーム75g、レモンエッセンス5mLを加えダ
マが無くなるまで混ぜた。これに生クリーム82.5gを8
分立てにして加えた。これにγ−ポリグルタミン酸8g
を乳鉢でよくすりつぶして加え、用意した型に流し入
れ、冷蔵庫で一晩冷やし固めた。
【0044】5人のパネラーにより評価を行ったとこ
ろ、レアチーズケーキの評価の合計が18点で、味・食感
のいずれも満足できるものであった。(評価基準は実施
例4と同じ)
【0045】
【発明の効果】本発明を実施することにより、腎不全等
により腎機能が低下した患者の食事において、QOLに
深く関わっているカリウム摂取制限の問題をできるだけ
軽減することが期待できる。すなわち、一旦経口摂取し
たカリウムを腎臓の負担にならずとも積極的に体内から
体外へ排出することのできる食品を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カリウム(10mEq/L)、ナトリウム(10mEq/L)
各濃度を一定にし、pH8においてγ−ポリグルタミン酸
(PGA)を変化させた時の限外濾過した濾液中から除去さ
れたカリウム、ナトリウム量の測定結果 図中の数字は試料No.を表す。
【図2】カリウム(10mEq/L)、ナトリウム(2mEq/L)
及びのγ-ポリグルタミン酸(10mEq/L)各濃度を一定に
し、pHを変化させた時の限外濾過した濾液中から除去さ
れたカリウム量の測定結果 図中の数字は試料No.を表す。
【図3】カリウム(10mEq/L)、γ-ポリグルタミン酸
(5.16×10- 3mEq/L)各濃度を一定に、pH8においてカ
ルシウム濃度を変化させた時の限外濾過した濾液中から
除去されたカリウム量の測定結果
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 37/02 (72)発明者 戸田 京子 神奈川県小田原市栢山788番地 明治製菓 株式会社薬品技術研究所内 (72)発明者 蛭田 修 神奈川県小田原市栢山788番地 明治製菓 株式会社薬品技術研究所内 (72)発明者 飯沼 勝春 神奈川県小田原市栢山788番地 明治製菓 株式会社薬品技術研究所内 Fターム(参考) 4B014 GB11 GK12 GL04 GL09 4B018 LB01 LB07 MD07 MD10 MD20 MD37 MD94 ME14 4C084 AA02 BA08 BA23 MA52 NA14 ZC212 4C206 AA01 AA02 DB27 JA04 MA01 MA72 ZC21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアニオンを含有し、カリウムイオンの
    体内への吸収を抑制させることを特徴とする食品
  2. 【請求項2】ポリアニオンがポリカルボン酸である請求
    項1に記載の食品
  3. 【請求項3】ポリカルボン酸がポリグルタミン酸である
    請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の食品
  4. 【請求項4】ポリアニオンがポリウロン酸である請求項
    1に記載の食品
  5. 【請求項5】ポリアニオンがポリスルホン酸である請求
    項1に記載の食品
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれか一項に記
    載の食品を摂取することによりカリウムイオンの体内へ
    の吸収を抑制させる方法
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