JPH0686364B2 - 活性塩素徐放性のプラスチックの製造法 - Google Patents

活性塩素徐放性のプラスチックの製造法

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JPH0686364B2
JPH0686364B2 JP1261786A JP26178689A JPH0686364B2 JP H0686364 B2 JPH0686364 B2 JP H0686364B2 JP 1261786 A JP1261786 A JP 1261786A JP 26178689 A JP26178689 A JP 26178689A JP H0686364 B2 JPH0686364 B2 JP H0686364B2
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寿男 井出
恭宏 岡
修一 野村
武 長岡
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は活性塩素徐放性プラスチックの製造法に関する
ものであり、本発明方法によって得られるプラスチック
製品は脱臭、除菌、清浄等の用途、例えば浄化槽の殺菌
消毒及び脱臭、畜鶏舎の脱臭,清浄,虫避け、病人用マ
ットの脱臭,除菌用下敷き、下駄箱の脱臭、ゴミ箱の脱
臭、靴の悪臭防止用下敷き、ダニ防止用の畳下敷き等と
して有用である。
従来の技術 これらの用途に使用されているクロルイソシアヌル酸系
化合物は、粉末、顆粒あるいは錠剤として取り扱われて
いる。
前記活性塩素を放出しうる化合物はいずれも比較的速や
かに溶解し、次亜塩素酸を放出して、殺菌、消毒等の目
的を達成することができるが、前記化合物はいずれも水
中あるいは湿潤状態においては、安定性が極度に低下す
るので、その効果を長時間に亘って持続させることが困
難であった。
水中の活性塩素を放出しうる化合物を徐々に溶解させる
手段として、実公昭63−14954号公報にはこれら固形塩
素剤を透水性シートからなる袋体に内蔵した浴用水処理
具が記載されている。
特公昭45−9671号公報にはクロルイソシアヌル酸化合物
を船底塗料に混合し、塗膜にこれら化合物を含有させた
フジツボの付着防止方法が提案されている。
また特開昭57−167908号公報には、熱可塑性合成樹脂に
カルシウム、マグネシウム等の酸化物を混練、成型した
ものに塩素を反応させた殺菌性高分子材料が開示されて
いる。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来知られているものは活性塩素を水中
あるいは大気中で、極めて長い時間に亘って徐々に溶解
あるいは放出させることは至難であった。
課題を解決するための手段 本発明者らは、このような事情に鑑み種々の試験を重ね
た結果、クロルイソシアヌル酸及びその塩類と合成樹脂
を120℃の温度で加熱混練して成型することによって所
期の目的を達成したものである。
クロルイソシアヌル酸化合物は、常温においても活性塩
素を放出しさらに加熱温度が増すに連れて分解反応が促
進されるので、合成樹脂中にこれらを混練するに当たっ
ては、120℃の温度以下で溶融状態を呈する合成樹脂を
使用し、120℃を超えない温度で混練すべきである。
本発明の実施に適する合成樹脂の代表的なものとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリスチレン等であり、また熱硬化性合成
樹脂としては常温硬化型エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル、シリコーン樹脂等の使用も可能である。
合成樹脂に対するクロルイソシアヌル酸化合物の添加量
は、合成樹脂の種類及び製品の使用目的に応じて適宜に
変更されるが、通常重量比で数%ないし80%、好ましく
は10〜60%の範囲にすべきである。
合成樹脂に対するクロルイソシアヌル酸化合物の添加量
が過度になると成型工程における製品の不良率が増加す
るので好ましくない。
合成樹脂と固形塩素剤を加熱混練するには、ロールミ
ル、エクストルダーが使用できる。
本発明方法によって得られるプラスチック製品は、フィ
ルム、シート等の形状に加工したり、型材等に注入して
ブロック状に成型することができる。
プラスチック製品をフィルム、シート状に加工する場合
には、通常のプラスチックフィルム製造装置、プレス等
が使用できる。また種々の形状とするにはシリコーン樹
脂製の型材を用いて成型すれば良い。
本発明において使用されるクロルイソシアヌル酸あるい
はその塩類としては、トリクロルイソシアヌル酸、ジク
ロルイソシアヌル酸、ジクロルイソシアヌル酸ナトリウ
ム、ジクロルイソシアヌル酸カリウム等が代表的なもの
であり、これらは粉末状あるいは顆粒状として使用でき
る。
作 用 本発明方法によって得られるプラスチック製品は、クロ
ルイソシアヌル酸及びその塩類と合成樹脂を直に加熱混
練し成型しているので、クロルイソシアヌル酸化合物の
表面が合成樹脂によって被覆され、これが水中あるいは
大気中に放置された際には、合成樹脂とクロルイソシア
ヌル酸化合物が相接する僅かな間隙から水あるいは湿気
が徐々に浸透し、クロルイソシアヌル酸化合物が極めて
遅い速度で溶解あるいは分解され、水中あるいは大気中
に活性塩素が放出される。
実施例 1 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体〔商品名:信越SC−40
0G(信越化学工業(株)製)〕100gに可塑剤としてジオ
クチルフタレート40g、安定剤としてマレイン酸ジブチ
ル錫1gを良く攪拌し、80℃の温度に設定した恒温槽に約
30分間入れて共重合体に可塑剤を吸収させ、次いで加熱
状態の前記共重合体にトリクロルイソシアヌル酸(以下
TCIAという)の粉末100gを添加し、ロールミルを用いて
混練したのち、110℃の温度に設定した熱プレス機を用
いて、50kg/cm2の圧力で10分間加圧成形し、厚さ2mmの
白色塩化ビニルシートを得た。
前記塩化ビニルシートを2×2cmの大きさに切り出し、
その切片を300ccのコニカルビーカーに入れ、これに200
ccの蒸留水を加えて常温に放置した。
所定の日数毎に水中に放出された活性塩素濃度をモード
メトリー法で測定し、ビーカー中の蒸留水は測定毎に新
しいものと交換した。
塩化ビニルシートから水に溶解したトリクロルイソシア
ヌル酸の溶解度を求め、日数に対してプロットしたとこ
ろ第1図に示したとおりであり、この結果合成樹脂中の
トリクロルイソシアヌル酸は徐々に溶解することが判明
した。
前記塩化ビニルシートの切片は約0.97gであり、その中
に含まれるトリクロルシアヌル酸は約0.39gに相当す
る。トリクロルイソシアヌル酸は25℃で100ccの水に約
1.2g溶解することが知られているから、切片中のトリク
ロルイソシアヌル酸は本来約200ccの蒸留水に直ちに溶
解すべきであるが、本例では徐々に溶解ししかもほとん
ど全量が溶出することも確認された。
実施例 2 実施例1によって得られた塩化ビニルシート(以下本品
という)を用いて、脱臭効果を測定した。
アンモニア濃度が50ppmに設定された二つの容器に夫々
本品8.5g及び活性炭6gを入れ、アンモニア濃度の経時変
化を測定したところ、その結果は表1に示したとおりで
あった。
またアンモニアの代わりに、トリエチルアミン、硫化水
素、メチルメルカプタンを用いて同様の試験を行った
が、アンモニアの場合と同じような結果が得られた。
実施例 3 実施例1によって得られた塩化ビニルシートを2×2cm
の大きさにしたものをペタル式の生ゴミ入れの底に置
き、その上に野菜屑、魚の骨等台所で発生する生ゴミを
入れて室内に放置したが、生ゴミ独特の臭気がほとんど
感じられなかった。
これに対して、本品を入れないゴミ入れは悪臭が酷かっ
た。
実施例 4 密度0.984g/cm3、メルトインデックス3.0の高圧ポリエ
チレン100gに、ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム100g
を二軸押出し機によって混合し、ペレット状としたのち
ダイレート温度120〜125℃に設定したTダイスを用い
て、厚さ100μのフィルムに成型し、前記フィルムにポ
リエステル製の不織布を両面から合わせて複合シートを
造った。
この複合シートを病人の布団の下敷きとして使用したと
ころ、悪臭の発生を低下させることが出来た。
発明の効果 本発明方法によって得られるプラスチック製品は、水中
及び空気中で放出される活性塩素を長期間にわたって徐
々に放出されることができ、またフィルムシート等に加
工することができるので、処理面積を大きくして、脱
臭、除菌が必要なあらゆる場所に適応できるなど、使用
上の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1における塩化ビニルシートに含まれる
トリクロルイソシアヌル酸溶出量の経時変化を示す線図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロルイソシアヌル酸及びその塩類と合成
    樹脂を120℃以下の温度で加熱混練し、成型加工する活
    性塩素徐放性プラスチックの製造法。
JP1261786A 1989-10-05 1989-10-05 活性塩素徐放性のプラスチックの製造法 Expired - Lifetime JPH0686364B2 (ja)

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