JPH0685717B2 - フェノールオキシダーゼ遺伝子(▲ii▼) - Google Patents

フェノールオキシダーゼ遺伝子(▲ii▼)

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JPH0685717B2
JPH0685717B2 JP63149103A JP14910388A JPH0685717B2 JP H0685717 B2 JPH0685717 B2 JP H0685717B2 JP 63149103 A JP63149103 A JP 63149103A JP 14910388 A JP14910388 A JP 14910388A JP H0685717 B2 JPH0685717 B2 JP H0685717B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業の利用分野〕 本発明は、フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)に関す
るものであり、更に詳しくは、フェノールオキシダーゼ
産生、分泌能を有する白色腐朽菌〔特にアラゲカワラタ
ケ(Coriolus hirsutus IFO4917)〕のメッセンジャーR
NA(以下、mRNAと略す)由来のフェノールオキシダーゼ
遺伝子(II)に関する。
本フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)はイントロンを
含んでおらず種々の生物に組換えることにより、バイオ
ロジカルパルピングやバイオブリーチングや工場廃水の
脱色や木材糖化の前処理や臨床試験用試薬として利用す
ることができるフェノールオキシダーゼを生産すること
ができる。
〔従来技術〕
フェノールオキシダーゼは分子状酸素の存在下でフェノ
ール類を酸化し、o−キノンあるいはp−キノンを生成
する酵素であり、補欠分子団として銅を含むことが知ら
れている。フェノールオキシダーゼは、動植物界に広く
分布しているが特に白色腐朽菌と呼ばれる一群の菌類の
生産するフェノールオキシダーゼは産業上有用であると
考えられる。
白色腐朽菌は木材等のリグノセルロース物質中のリグニ
ンを分解する能力が高いことが知られており、この白色
腐朽菌をリグノセルロース物質に接種、培養し、リグニ
ンの一部を分解させパルプを製造するバイオロジカルパ
ルピングの試みがなされている(特開昭50-46903号)。
しかし、白色腐朽菌はリグニンを分解するだけでなく、
パルプの原料となるセルロースやヘミセルロースをも分
解する能力を有しており、パルプ収率の低下という問題
点を持っている。また、白色腐朽菌のリグニン分解が二
次代謝的に生育後期に起こるため時間がかかるという問
題点もあった。
白色腐朽菌のリグニン分解力は、白色腐朽菌が生産分泌
するフェノールオキシダーゼによるものが大きいと考え
られており、その遺伝子をクローニングする試みも行な
われているが、いまだ成功していない。また、白色腐朽
菌のフェノールオキシダーゼと類似の活性を持っている
ラッカーゼについては、ノイロスポラ・クラッサ(Neur
osporacrassa)のラッカーゼ遺伝子のクローニング(U.
S.Germann,K.Lerch;(1988)J.Biol.Chem.263,885-59
6)が報告されているが、そのアミノ酸配列は本発明の
フェノールオキシダーゼのアミノ酸配列とは、異なるも
のであり、ノイロスポラ・クラッサのラッカーゼによる
リグニン分解についても、まだ報告されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前述の従来の問題点を解消し、フェノールオ
キシダーゼだけを生産する様々な新規生物を作り出せる
ようにすることを目的とするものである。
自然界におけるリグニンの生分解は、数種の酵素が関与
していると考えられているが白色腐朽菌が生産するフェ
ノールオキシダーゼはその中で中心的役割を果たしてお
り、リグニン分解の研究においても必須の酵素となって
いる。
したがって、リグニン分解能力だけを効率的に発現する
新規生物としてフェノールオキシダーゼ生産能力を付与
した生物が考えられ、本発明は、フェノールオキシダー
ゼ生産能力を付与する為に必要な白色腐朽菌のmRNA由来
のフェノールオキシダーゼ遺伝子(II)を提供するもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、次式、 〔式中Xは、AlaまたはPro〕 のアミノ酸配列をコードするDNAからなるフェノールオ
キシダーゼ遺伝子(II)に関する。
なお、上式におけるXがAlaのものをフェノールオキシ
ダーゼ遺伝子(II)(OJ-POM5)とし、XがProのものを
フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)(OJ-POM2)とす
る。
さらに本発明は、上記DNAにハイブリッドするDNA配列で
あって、天然、合成、もしくは半合成によって得られる
ものであり、請求項1記載のDNA配列に対して、ヌクレ
オチドの置換、ヌクレオチドの挿入及びヌクレオチド配
列の逆位その他の変異によって関連づけられており、か
つ、フェノールオキシダーゼ活性を有するポリペプチド
をコードするDNAからなるフェノールオキシダーゼ遺伝
子(II)に関する。
さらに、本発明は上記フェノールオキシダーゼ遺伝子
(II)をベクターDNAに連結した組換えDNAに関する。
さらに、本発明はフェノールオキシダーゼ遺伝子(II)
が次式(OJ-POM5) または、次式(OJ-POM2) のDNA配列を有するものであるフェノールオキシダーゼ
遺伝子(II)に関する。
次に本発明を詳細に説明する。
〈DNAプローブの合成〉 白色腐朽菌のmRNAの中にフェノールオキシダーゼ遺伝子
(II)由来のmRNAが含まれることを確認する為とcDNAラ
イブラリーからフェノールオキシダーゼ遺伝子をクロー
ニングする為に必要となるDNAプローブは、フェノール
オキシダーゼの部分アミノ酸配列をもとに合成する。フ
ェノールオキシダーゼの部分アミノ酸配列は、特開昭61
-285989号、特開昭62-220189号及び特開昭62-220190号
の方法で生産、精製したフェノールオキシダーゼのN末
端からのアミノ酸配列と精製したフェノールオキシダー
ゼをBrCN分解〔Cole,R.D.:Methods Enzymol.11,315-317
(1967)〕またはトリプシン分解〔Lin,L.-N.& Brandt
s.J.F.:Bio-chemistry22,553(1983)〕し、分離したポ
リペプチドのN末端からのアミノ酸配列をエドマン分解
法〔Edman,P.& Henschen,A.Proteinsequence determin
ation,2′nd de.,Springer-Verlag,Berlin,pp232〜279
(1975)参照〕によって決定する。
DNAプローブの合成は、フォスフォジエステル法、フォ
スフォトリエステル法、フォスファイト法およびその改
良法のアミダイト法のいずれかの方法でも行なうことが
できる。
〈mRNAの調製〉 本発明に用いることができる生物は、フェノールオキシ
ダーゼを有するものであれば、全て可能であるが特に酵
素活性が高いフェノールオキシダーゼを生産し、分泌す
る白色腐朽菌〔例えば、アラゲカワラタケ(IFO 491
7)、カワラタケ(IFO 30340)、カイガラタケ(IFO 87
14)〕が良い。
白色腐朽菌を生育繁殖させる培地の組成は、白色腐朽菌
がフェノールオキシダーゼを生産する培地であればどの
ような培地でも良い。
主炭素源としては、グルコースを使用するが白色腐朽菌
が資化可能な他の炭素源を使用してもよく、主窒素源と
しては酵母エキス、ポリペプトンを使用するが白色腐朽
菌が資化可能なアンモニウム塩、硝酸塩などの無機窒素
化合物、尿素、カゼインなどの有機窒素含有物も使用す
ることができる。その他、カルシウム塩、マグネシウム
塩、カリウム塩、リン酸塩、マンガン塩、亜鉛塩、鉄塩
などの無機塩やコーンスティープリカー、ビタミン類、
アミノ酸類、核酸類などの栄養物質、生長促進物質を添
加することも可能である。
前期の培地に白色腐朽菌を接種し、培養する。培養液中
のフェノールオキシダーゼ活性が最大になった時、集菌
し、液体窒素中で凍結する。
白色腐朽菌から、フェノールオキシダーゼ等の蛋白質に
対応する全mRNAの抽出は、常法によって行なえばよい。
たとえば、白色腐朽菌体を2〜5容のNP-40,SDS,Triton
X-100などの界面活性剤とフェノール溶液を混合してホ
モジナイザーや凍結融解などの物理的方法を用いて細胞
を破砕,可溶化し、遠心した後の上清に冷エタノールを
加えてRNAを沈澱させる方法がある。また、グアニジン
チオシアネート溶液中で組織を破砕し、エタノール沈澱
後に、塩酸グアニジンで沈澱の溶解をくり返して全mRNA
を抽出するGTC法等もある。また、Broda等の方法〔J.Mi
crobiol.Methods,,(1985)155-162〕や市販のRNA抽
出キット〔アマシャム・ジャパン(株)社製RPN.1264〕
を用いて、全mRNAを抽出することもできる。また、必要
に応じてフェノールオキシダーゼに対応する抗体を用い
てフェノールオキシダーゼ合成途上のポリゾームを沈澱
させ、これよりmRNAを界面活性剤などで抽出する方法も
行なうことができる。
本発明のポリ(A)mRNAの精製については、オリゴ(d
T)セルロース,ポリ(U)セルロースなどの吸着カラ
ムによる精製法、ショ糖密度勾配遠心法による分画等に
よって行なうことが出来る。
上記の如くして得られた全mRNAの中に、目的とするフェ
ノールオキシダーゼに対応するmRNAの存在を確認するた
めには、mRNAをタンパク質に翻訳させ、その抗体等を用
いてそのタンパク質を同定する等の方法を行なえばよ
い。たとえば、mRNAをタンパク質に翻訳するのによく用
いられる系であるReticulocyte-lyzate(網状赤血球ラ
イゼート),Wheat germ(コムギ胚芽)などの無細胞系
でタンパク質に翻訳させ、フェノールオキシダーゼに対
応するmRNAが活性を有することを確認することが可能で
ある。
また、フェノールオキシダーゼのDNAプローブを用いた
ドット・ハイブリダイゼーションまたは、ノーザン・ブ
ロット・ハイブリダイゼーションを行なうことによって
も確認することが可能である。
上述のようにして得られたmRNAは、in vitroでcDNAを合
成し、適当なベクターなどに組み込み、フェノールオキ
シダーゼ遺伝子(II)をクローニングするためのcDNAラ
イブラリーを構築するのに使用することができる。
〈cDNAの合成〉 cDNAの合成法としては、Gubler・Hoffmanの方法、ラン
ド法、岡山・Berg法やこれらの変法などがある。たとえ
ば、試験管内で次のような方法で行なうことができる。
上記のmRNAを鋳型とし、オリゴ(dT)をプライマーとし
て、dNTP(=dATP,dGTP,dCTP,dTTP)の存在下で逆転写
酵素〔宝酒造(株)社製2610A〕によりmRNAと相補的な
単鎖cDNAを合成する。次いで、RNaseH〔宝酒造(株)社
製2150A〕でmRNAに切り目を入れ、mRNAをプライマーと
し、dNTPの存在下でDNAポリメラーゼI〔宝酒造(株)
社製2140A〕を用いて二重鎖cDNAを合成する。この合成
法はcDNA合成キットとして、アマシャム・ジャパン
(株)(RPN.1256Y),ベーリンガー・マンハイム山之
内(株)(1013882),より市販されており、使用する
ことができる。
〈cDNAライブラリーの構築〉 上記二本鎖cDNAは、両末端に合成リンカーを連結するか
または、ターミナルトランスフェラーゼ〔宝酒造(株)
社製2230A〕で適切な尾部(例えば、ポリC)を付加
し、プラスミドベクターやλファージベクターに結合さ
せ、cDNAライブラリーを構築することができる。
例えば、二本鎖cDNAにEcoRI LinkerをT4ファージ由来の
DNAリガーゼで連結し、次いで制限酵素EcoRI〔宝酒造
(株)社製1040S〕で切断し、EcoRI粘着末端を持った二
本鎖cDNAとし、ファージベクターλgt11のEcoRI部位に
組込み、in vitroパッケージング〔アマシャム・ジャパ
ン(株)社製N.334Y,プロメガ・バイオテック社製P315
1〕を行なうことによりcDNAライブラリーを構築する。
また、市販されているλgt11やλgt10のcDNAライブラリ
ー・キット〔アマシャム・ジャパン(株)社製RPN.128
0,RPN.1257,プロメガ・バイオテック社製P3010〕も使用
することができる。
〈フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)のクローニン
グ〉 cDNAライブラリーから放射性同位元素で標識化したフェ
ノールオキシダーゼのDNAプロープを用いて、プラーク
ハイブリダイゼーションやコロニーハイブリダイゼーシ
ョンによりフェノールオキシダーゼのmRNA由来cDNAをク
ローニングする。
〈サブクローニング〉 得られたフェノールオキシダーゼ遺伝子(II)のサブク
ローニングは以下のように行なう。フェノールオキシダ
ーゼ遺伝子(II)を含むDNA及びベクターDNAを制限酵素
で切断してcDNA断片及びベクターDNA断片を調製する。
次いで両者の混合物をT4DNAリガーゼ〔宝酒造(株)社
製2011A〕で処理する。用いられるベクターDNAとして
は、pBR322、pUC18、pUC19、pUC118(宝酒造(株)社製
3050,3218,3219,3318)等があげられる。また制限酵素
としてはHindIII、EcoRI、PstI、BamHI等〔宝酒造
(株)社製1060S,1040S,1073S,1010S〕があげられる。
〈フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)の塩基配列の決
定〉 クローニングしたcDNAを、プラスミドベクターpUC118ま
たはpUC119、またはpUC18,pUC19またはM13ファージにサ
ブクローニングする。
サブクローニングしたDNA断片は、原理的にHenikoffの
方法およびYanisch-Perronの方法〔Henikoff,S.(198
4)Gene,28,351〜359Yanisch-Perron,C.,Vieira,J.and
Messing,J.(1985)Gene,33,103〜119〕でデリーション
ミュータントを作成するが市販のデリーション・キット
〔宝酒造(株)社製6030〕も使用できる。
デリーションミュータントは、ジデオキシ法〔Sanger,
F.(1981)Science,214,1205〜1210〕により塩基配列を
決定する。市販のシークエンシング・キット〔宝酒造
(株)社製6010A,6015A,ニッポン・ジーン(株)社製21
7-01121〕も使用できる。
フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)を含むアラゲカワ
ラタケのmRNA由来のcDNAはプラスミドpUC19または、pUC
118のマルチクローニング部位内のEcoRI部位にサブクロ
ーニングした形態で大腸菌JM109またはMV1184に常法
〔例えば、Lederberg.E.M.& Cohen,S.N.Journal of Ba
cteriology,119,1072〜1074(1974)〕により系質転換
し、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託した。この
形状転換大腸菌OJ-POM-5,OJ-POM-2は工業技術院微生物
工業技術研究所に寄託し、それぞれその寄託番号は、微
工研寄第10055号(FERM P-10055)及び微工研菌寄第100
61号(FERM P-10061)である。
〈組換えDNA〉 このようにして得られたフェノールオキシダーゼ遺伝子
(II)の利用法は、微生物(特に原核生物)、植物およ
び動物のベクターDNA等に組込み、微生物、植物および
動物に導入し、フェノールオキシダーゼまたは、この改
良タンパク質を著量生産する新規な生物を作成すること
を可能ならしめることにある。フェノールオキシダーゼ
遺伝子(II)をベクターに組込む方法はベクターを適当
な制限酵素で切断し、必要により適当なリンカーまたは
アニーリング可能な組み合せの塩基を複数個重合せしめ
る。このように加工した二重鎖DNAとベクターDNAを混合
し、リガーゼを用いて接続せしめる。
得られた組換えDNAはベクターの宿主微生物に導入す
る。宿主微生物としてはエシェリヒア・コリ等のエシェ
リヒア属の微生物、バチルス・ズブチリス等のバチルス
属の微生物、サッカロミセス・セレビシエ等のサッカロ
ミセス属の微生物などが好適である。これらの微生物に
使用されるベクターを以下に例示する。(蛋白質核酸酵
素、28巻、4号(1981)参照)。
EK系プラスミドベクター(ストリンジェント型)のpSC1
01,pRK353,pRK646,pRK248,pDF41等、EK系プラスミドベ
クター(リラックスド型)のCalE1,pVH51,pAC105,RsF21
24,pCR1,pMB9,pBR313,pBR322,pBR324,pBR325,pBR327,pB
R328,pKY2289,pKY2700,pKN80,pKC7,pKB158,pMX2004,pAC
YC1,pACYC184,λdul等、λgt系ファージベクターのλgt
・λC,λgt・λB,λWES・λB,λZJvir・λB,λALO・λ
B,λWES・Ts622,λDam,λgt11等、シャロンベクターの
シャロン4A,シャロン3A,シャロン16A,シャロン13A,シャ
ロン14A,シャロン15A,シャロン8,シャロン10,シャロン1
7,シャロン20等、チオライス(Tiolais)グループベク
ターのL512,λZEQS,λZYV5φ,λZUVφ2,λZUVφ3,λYE
QSφ1,λYEQSφ,λYEQSφ3,λBam,λS51等、枯草菌の
プラスミドベクターpTA1015,pLS15,pTA1020,pLS28,pLS1
3,pTA1050,pTA1060,pTA1030,pTA1031等、スタフィロコ
ッカス由来のプラスミドベクターpT127,pC194,pC221,pC
223,pUB112,pUB110,pSA0501,pSA0501,pSA2100,pE194,pT
P4,pTP5等、酵母ベクターpJDB219,YEp13,YRp7,YIp1,pYC
1,pTC2。
微生物のベクター、例えばpBR322などのPstIあるいはEc
oRIsiteなど目的に応じた個所に大腸菌由来のプロモー
ター領域、例えばlac,trpおよびtacなどにin-frameに接
続し組み込み、適当な宿主に形質転換してそのフェノー
ルオキシダーゼを宿主中で発現させることができる。
また、植物においてはTi−プラスミド由来のT−DNAのt
mr領域を含むpAL1050ベクターなどこれに類する方法を
用いて遺伝子を植物に導入する。
組み換えDNAを挿入する場合、tmrのリーダー配列にin-f
rameに接続し、終止コドンもtmrのものを利用する。
本発明において、アミノ酸、ポリペプチドはIUPAC-IUB
生化学委員会(CBN)で採用された方法により略記する
ものとし、たとえば下記の略号を用いる。
Ala L-アラニン Arg L-アルギニン Asn L-アスパラギン Asp L-アスパラギン酸 Cys L-システイン Gln L-グルタミン Glu L-グルタミン酸 Gly グリシン His L-ヒスチジン Ile L-イソロイシン Leu L-ロイシン Lys L-リジン Met L-メチオニン Phe L-フェニルアラニン Pro L-プロリン Ser L-セリン Thr L-スレオニン Trp L-トリプトファン Tyr L-チロシン Val L-バリン また、DNAの配列はそれを構成する各デオキシリボヌク
オチドに含まれる塩基の種類で略記するものとし、下記
の略号を用いる。
A アデニン(デオキシアデニル酸を示す。) C シトシン(デオキシシチジル酸を示す。) G グアニン(デオキシグアニル酸を示す。) T チミン(デオキシチミジル酸を示す。) 〔実施例〕 以下実施例により、白色腐朽菌のmRNA由来のフェノール
オキシダーゼ遺伝子(II)のクローニング及び塩基配列
の決定について詳細に説明する。
実施例1 〈DNAプローブの合成〉 DNAプローブの合成は、アミダイト法により、DNA合成機
(日本ゼオン,GenetA−III)を用いて行なった。
3種の白色腐朽菌〔アラゲカワラタケ(IFO4917),カ
ワラタケ(IFO30340),カラガラタケ(IFO8714)〕か
ら精製したフェノールオキシダーゼのN末端からのアミ
ノ酸配列をエドマン分解法で25段目まで分析した結果を
次に示す。
上記配列の17段目のProから25段目のValに対応するよう
に、次のDNAプローブを合成した。但しデオキシイノシ
ン。
また、3種の白色腐朽菌のフェノールオキシダーゼをBr
CNで分解し、逆相系高速液体クロマトグラフィー〔溶出
条件,カラム:Phenyl-5PW RP(東洋ソーダ社製),溶出
液20%アセトニトリル/0.1%TFAから75%アセトリトリ
ル/0.1%TFAへの濃度勾配溶出,室温〕で分離したポリ
ペプチドのアミノ酸配列をエドマン分解法で分析した結
果を次に示す。
アラゲカワラタケ Met-Ala-Phe-Asn-Phe カワラタケ Met-Ala-Phe-Asn-Phe カイガラタケ Met-Ala-Phe-Asn-Phe 上記アミノ酸配列に対応するように次のDNAプローブを
合成した。
以上の結果から白色腐朽菌が生産、分泌するフェノール
オキシダーゼのアミノ酸配列の相同性は非常に高く、本
発明で使用するDNAプローブを用いることにより、いか
なる白色腐朽菌のフェノールオキシダーゼ遺伝子(II)
をもクローニングすることができる。したがって以下の
実施例では、アラゲカワラタケのフェノールオキシダー
ゼ遺伝子(II)のクローニング方法について説明する。
実施例2 〈mRNAの調製〉 アラゲカワラタケ(IFO4917)を1のYPD培地(酵母エ
キス10g/,ポリペプトン20g/,グリコース20g/)
が入った5容三角フラスコに植菌し、27℃,6日間振盪
培養した。培養液中にフェノールオキシダーゼを生産,
分泌していることを確認した後、集菌し、液体窒素中で
凍結した結果、約20gの凍結菌体を得た。
Broda等の方法により、凍結菌体5gから11mgの全mRNAを
抽出した。凍結菌体5gを液体窒素を加えた100mlのワー
リングブレンダーで破砕し、3倍量のTNS緩衝液〔1%t
ri-iso-Propylnaphthalene sulphonic acid,200mM Tris
-HCl,25mM EGTA(pH7.8),250mM NaCl〕に溶かす。遠心
分離によりペレットを除き、上清1mlにつき、0.5gのフ
ェノールを加え、5〜15℃に保ち溶解する。全てのフェ
ノールが溶けたら1/2量のクロロホルムを加え、遠心分
離後、上清を回収し、クロロホルムで2回抽出した後、
エタノール沈澱により全mRNA11mgを回収した。
また、市販のRNA抽出キット〔アマシャム・ジャパン
(株)社製〕を用いた場合は、3gの凍結菌体から6.7mg
の全mRNAを抽出することができた。
上述の2方法で回収した全mRNAは、フェノールオキシダ
ーゼのDNAプローブによるノーザン・ブロット・ハイブ
リダイゼーション法〔Thomas,P.S.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 77,5201(1980)〕により、フェノールオキシダ
ーゼ遺伝子(II)由来のmRNAを含むことを確認した。
全mRNA5mgをオリゴ(dT)セルロースカラムを使用するM
aniatis等の方法(Maniatis他編,Molecular Cloning,A
Laboratry Manual,197〜199,1982)を用いてポリ(A)
mRAMの分離・精製を行ない、約100μgのポリ(A)mRN
Aを精製した。
実施例3 〈cDNAの合成〉 白色腐朽菌アラゲカワラタケ由来ポリ(A)mRNAよりcD
NAの合成は、GublerとHoffmanの方法〔U.Gubier & B.
J.Hoffman;Gene,25,263〜269(1983)参照〕に従い、ア
マシャム・ジャパン製cDNA合成キットを用いておこなっ
た。
5μgのポリ(A)mRNAに50ユニットのヒト胎児由来RN
ase阻害酵素(HPRI)の存在下5μgの01igo(dT)12〜
18(ファルマシア社製27-7858-01)を加え、100ユニッ
トの逆転写酵素を42℃で1.5時間反応させて約30%の収
率で1本鎖cDNAを合成した。この反応液にユニットの大
腸菌リボヌクレアーゼHと115ユニットの大腸菌DNAポリ
メラーゼIを加え12℃で1時間,22℃で1時間反応させ
た後70℃で10分間放置して酵素を失活させた。その後10
ユニットのT4DNAポリメラーゼを加え37℃で10分間反応
させて、約95%の収率で2本鎖cDNAを得た。
実施例4 〈cDNAライブラリーの構築〉 市販のλgt11クローニングシステム〔アマシャム・ジャ
パン(株)社製〕を用いて、cDNAライブラリーを構築し
た。
100μgの2本鎖cDNAを20ユニットのEcoRIメチラーゼを
37℃で1時間反応させた後、EcoRIリンカーを結合させ
た、これに16ユニットのEcoRIを加え37℃で2時間反応
させた後、Sepharose CL-4Bカラムを通し、純化した。
λgt11アーム1μgとの連結反応後、in vitroパッケー
ジング〔A.Becker & M.Gold;Proc.Natl.Acad.Sci、US
A,72,581(1975)参照〕を行ない、106個の組換え体λ
ファージを得て、アラゲカワラタケのmRNA由来のcDNAラ
イブラリーとした。
実施例5 〈フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)のクローニン
グ〉 実施例4で得られたアラゲカワラタケのmRNA由来のcDNA
ライブラリーを大腸菌Y1090株に感染させ、プラークを
形成させた。
フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)を含むクローン
は、放射性同位元素〔γ−32P〕ATP〔アマシャム・ジャ
パン(株)社製PB10168〕とT4ポリヌクレオチドキナー
ゼ〔宝酒造(株)社製2021A〕を用いて標識化〔Richard
son,C.C.(1965),Proc.Natl,Acad.Sci.U.S.A.,54,158
〜161参照〕した実施例1の合成DNAプローブを用いてBe
ntonとDavisのプラークハイブリダイゼーション法〔W.
D.Benton & R.W.Davis;Science,196,180(1977)参
照〕に従って2種のクローンを選別した。
フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)を含むλgt11ファ
ージからのDNAの精製は、ThomasとDavisの方法〔M.Thom
as & R.W.Davis;Journal of Molecular Biology,91,31
5(1974)参照〕により行なった。
実施例6 〈フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)の塩基配列の決
定〉 実施例5で得られたフェノールオキシダーゼ遺伝子(I
I)を含む2クローンλgt11DNAを制限酵素EcoRIで切断
し、挿入されていたフェノールオキシダーゼ遺伝子を切
り出し、プラスミドベクターpUC19とpUC118のEcoRI部位
にサブクローニングした。
pUC19にサブクローニングしたクローンをOJ-POM5としpU
C118にサブクローニングしたクローンをOJ-POM2とし
た。
サブクローニングしたcDNAの制限酵素切断地図を常法に
より作成し、図1に示す。
OJ-POM5とOJ-POM2の制限酵素地図は同じであった。
サブクローニングしたcDNAから市販のデリーションキッ
ト〔宝酒造(株)社製〕を用いてデリーションミュータ
ントを作製し、市販のM13シークエンシングキット〔宝
酒造(株)社製〕を用いてジデオキシ法によりフェノー
ルオキシダーゼ遺伝子(II)の塩基配列を決定した。同
時にフェノールオキシダーゼの全アミノ酸配列も決定し
た。フェノールオキシダーゼの塩基配列と全アミノ酸配
列を第2図(OJ-POM5)及び第3図(OJ-POM2)に示す。
OJ-POM5とOJ-POM2は、17個の塩基が異なっていたが、ア
ミノ酸は、1つ異なっているだけであった。
〔発明の効果〕
本発明により、次の効果がある。
フェノールオキシダーゼの全アミノ酸配列の提供に
よりリグニン分解におけるフェノールオキシダーゼの役
割が解明され、バイオロジカルパルピングに応用でき
る。
フェノールオキシダーゼをコードしているDNAは、
他の生物に様々な方法(例えば、プラスミド、コスミ
ド、ファージ、ウイルスなどのベクターに連結し、形質
転換や形質導入で組換え体を作成する方法、または、DN
A断片を直接エレクトロポレーションなどで導入し組換
え体を作成する方法)で組換えることができ、フェノー
ルオキシダーゼを著量生産する新規な生物を作成するこ
とができる。
フェノールオキシダーゼをコードしているDNAを組
換えた新規生物を用いて著量生産したフェノールオキシ
ダーゼはセルラーゼやヘミセルラーゼの混入がなく、バ
イオロジカルパルピングに利用でき、かつ、パルプ収量
の低下がない。
フェノールオキシダーゼをコードしているDNAを組
換えた新規生物で生産させたフェノールオキシダーゼ
は、純度が高く、酵素活性測定用試薬や基質、またビリ
ルビン定量用試薬など、臨床試験用試薬としてすぐれた
品質の酵素として利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、アラゲカワラタケのmRNA由来のフェノールオ
キシダーゼ遺伝子(II)の制限酵素切断地図を示す。斜
線部分にフェノールオキシダーゼがコードされている。 第2図は、フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)(OJ-P
OM5)の塩基配列と全アミノ酸配列を示し、第3図はフ
ェノールオキシダーゼ遺伝子(II)(OJ-POM2)の塩基
配列と全アミノ酸配列を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のアミノ酸配列をコードするDNAからな
    るフェノールオキシダーゼ遺伝子(II)。 〔式中Xは、AlaまたはPro〕
  2. 【請求項2】フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)が次
    式(OJ-POM5)のDNAを有するものである請求項1記載の
    フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)。
  3. 【請求項3】フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)が次
    式(OJ-POM2)のDNAを有するものである請求項1記載の
    フェノールオキシダーゼ遺伝子(II)。
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