JP3036777B2 - 発現及び分泌に関するdna - Google Patents

発現及び分泌に関するdna

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JP3036777B2 JP2047160A JP4716090A JP3036777B2 JP 3036777 B2 JP3036777 B2 JP 3036777B2 JP 2047160 A JP2047160 A JP 2047160A JP 4716090 A JP4716090 A JP 4716090A JP 3036777 B2 JP3036777 B2 JP 3036777B2
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な発現及び分泌に関するDNAまたは、
その誘導体及び本DNAと蛋白質をコードするDNAとを含む
新規形質転換宿主細胞及びその新規形質転換宿主細胞に
よる蛋白質の製造法に関するものである。更に詳しく
は、フェノールオキシダーゼ産生、分泌能を有する担子
菌〔特に白色腐朽菌、例えばアラゲカワラタケ(Coriol
us hirsutus IFO 4917)など〕由来のフェノールオキシ
ダーゼ遺伝子の発現及び分泌に関するDNAまたは、その
誘導体及び本DNAと蛋白質をコードするDNAとを含む新規
生物及びその新規形質転換宿主細胞による蛋白質の製造
法に関する。
発現に関するDNAとは、通常は構造遺伝子の上流にあ
る転写開始に必要な領域(プロモーター)下流にある転
写終結に必要な領域(ポリAシグナル、ターミネータ
ー)等を指す。分泌に関するDNAとは、通常はシグナル
ペプチドをコードするDNAを指す。
特許請求の範囲でDNA配列に関連して使用する誘導体
なる語は、フランキング配列を伴う一層長い誘導体、前
記DNAの断片、前記DNAのヌクレオチドの置換、ヌクレオ
チドの挿入、ヌクレオチドの欠失及びヌクレオチド配列
の逆位、その他の突然変異によって関連づけられている
変異体を包含し、これらの誘導体は、天然、合成、もし
くは半合成によって得られるものである。
〔従来の技術〕
今日までに、遺伝子組換え技術を利用して、有用な蛋
白質を大量に製造しようとする試みは、数多く行われて
きた。
有用な蛋白質を大量に製造するための遺伝子組換え技
術は、基本的に宿主とベクターと有用蛋白質をコードし
ている遺伝子から構成される。
宿主としては、大腸菌、枯草菌などの原核生物や酵
母、動物細胞、植物細胞などの真核生物など様々な宿主
が用いられており、発現させる蛋白質の性質やその用途
に応じて適切な宿主が選択されている。
また、同時に用いられているベクターについても現在
までに膨大な数にのぼる様々なベクターが開発されてき
た。ベクターとして要求される基本的な機能としては、
目的とする蛋白質をコードするDNAと試験管内組換え
体を作ることができる、目的とする宿主細胞内で増殖
できる能力を持つ、目的とする宿主細胞へ導入するこ
とができる、組換え体DNAを持つ細胞を特異的に検出
できるの4つであるが、有用蛋白質を大量に生産するた
めには、この他に強力なプロモーター及びターミネー
ター(発現に関するDNA配列)を持つ、シグナル配列
(分泌に関するDNA配列)を持つなどの条件が掲げられ
る。
強力なプロモーターは、蛋白質の大量生産に必要不可
欠であり、大量生産した蛋白質のシグナル配列による分
泌は、宿主にとって有害な蛋白質の細胞内蓄積を防ぎ、
更に菌体内プロテアーゼによる産生物の分解を防止し、
また従来多大な労力とコストを要した有用蛋白質の精製
工程を簡素化、低コスト化するために有効である。
上記のような利点から近年は強力なプロモーターや分
泌効率の優れたシグナル配列の探索や開発が進められて
いる。
原核生物の大腸菌では、λファージのPLOLプロモータ
ー、ラクトースオペロンのlacプロモーター、トリプト
ファンオペロンのtrpプロモーター、外膜タンパク遺伝
子のlppプロモーターとシグナル配列、さらにそれらを
改良したlacUV5プロモーター、tacプロモーターなどが
開発されている。また、枯草菌では、菌体外酵素ペニシ
リナーゼ遺伝子のpenPやα−アミラーゼのプロモーター
とシグナル配列などが開発されている。
一方、真核生物の酵母では、解糖系の酵素群のプロモ
ーターが強力で大量に蛋白質を発現することが知られて
おり、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、グリ
セルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GLD)、エノラー
ゼ(ENO)、トリオースリン酸イソメラーゼ(TPI)、ア
ルコール脱水素酵素(ADH)、酸性ホスファターゼ(PH
O)、ガラクトース代謝系(GAL)などの遺伝子のプロモ
ーターやα−ファクター、aファクターのシグナル配列
が開発、利用されている。
高等動物細胞に用いられるプロモーターの開発例はま
だ少なく、サルの細胞で良好に増殖するウイルスSV40の
初期遺伝子や後期遺伝子のプロモーター、HSVのICP遺伝
子のプロモーター、ワクシニアウイルスの初期遺伝子の
プロモーター、ニワトリβ−アクチンのプロモーター、
ヒトEF−1α遺伝子のプロモーター、IgG H鎖プロモー
ターなどが開発されているが有用蛋白質を大量生産する
目的には適していない。
増殖を宿主とした遺伝子組換え技術に用いられるプロ
モーターとしては、カリフラワーモザイクウイルスの35
S遺伝子のプロモーターやTiプラスミドのノパリン合成
遺伝子のプロモーター,RiプラスミドのORF12プロモータ
ーなどが開発されているがやはり有用蛋白質を大量に生
産する目的には適していない。
最近では、糸状菌類特にアスペルギルス属を宿主とし
た有用蛋白質を分泌生産する系の開発が報告されてい
る。これは、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ遺
伝子のプロモーターとシグナル配列を利用し、リパー
ゼ、プロキモシンなどの蛋白質の分泌生産を可能とした
ものである。
しかし、このアスペスギルス属の発現及び分泌の系を
利用しても全ての有用な蛋白質を効率よく大量に分泌生
産することが可能になったわけではなく、現在もより効
率的な発現及び分泌の系の探索、開発が行なわれてい
る。
一方、担子菌を遺伝子組換え技術の宿主としたもの
は、まだ確立されていない。担子菌類には、食用きの
こ、生理活性物質を生産するきのこ、リグニンを分解し
バイオロジカルパルピングやバイオブリーチングに用い
られるきのこ、セルロースを分解し木質成分を糖化する
きのこなど有用なきのこ類が多く含まれている。これら
のきのこ類の特徴を改良強化し、育種しようとする試み
は、従来から交配による方法や変異株を取得する方法や
細胞融合法などにより行われてきた。もし遺伝子組換え
技術を用いる分子育種法が可能となれば、容易に優良な
品種が得られるようになるなどその意義は非常に大き
い。
また、こうじ菌類と同様に食品として安全性が認めら
れていることから蛋白質の生産要宿主としても利用価値
が高い。担子菌類のベクターとしては、シイタケ、ヒラ
タケのミトコンドリア内の線状プラスミドDNAを利用し
ようとしたもの(遺伝42巻,9号,p.20,掌華房;1988)が
報告されているが宿主内での安定性に問題があるなどま
だ実用的でないことが知られている。
担子菌で使用できる有効なプロモーターは、いまだ開
発されていない。そして、プロモーターを提供するため
の遺伝子のクローニングもほとんど報告されておらず、
唯一、ファネロケーテ属(Phanerochaete chrysosporiu
m)でクローニングされたリグニナーゼ遺伝子の報告だ
けである。しかし、この遺伝子は、リグニナーゼを二次
代謝的に発現する特徴を持ち、その発現量も多くなく、
大量に蛋白質を分泌発現させる有効なプロモーターであ
るとはいえない。したがって、担子菌で有用な蛋白質を
効率よく分泌発現することができるプロモーター及びシ
グナル配列の開発が望まれていた。そのプロモーター及
びシグナル配列が持つべき特徴としては、広い宿主域で
強力に発現すること、発現した蛋白が分泌されるための
シグナル配列を持っていることなどが要求される。
有用な蛋白質であるフェノールオキシダーゼは、その
遺伝子を種々の生物に導入、発現させることにより、バ
イオロジカルパルピングやバイオブリーチングや工場廃
水の脱色や木材糖化の前処理に利用でき、また臨床試験
用試薬としても利用することができる。
このフェノールオキシダーゼをコードする遺伝子は、
本発明者らにより白色腐朽菌のアラゲカワラタケなどか
らクローニングされ、明らかになっている(特願昭63−
175235,63−175236号)。
しかし、このフェノールオキシダーゼ遺伝子を発現、
特に、分泌発現させる為のプロモーターやシグナル配列
は、まだ開発されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
全ての有用な蛋白質を大量に分泌生産できるプロモー
ター、シグナル配列、ターミネーターの開発の要求、特
に担子菌でも利用できるものの開発の期待に答えるべ
く、本発明者等は、鋭意探索、及び研究を行った。その
結果、担子菌の中でフェノールオキシダーゼを大量に分
泌生産させている新規な発現及び分泌に関するDNA、す
なわち、プロモーター、シグナル配列及びターミネータ
ーを開発することに成功した。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、次の(1)〜(12)の構成から
なる。
(1) 下記の配列を含んでなる蛋白質の発現及び分泌
に係る領域又はその誘導体をコードするDNA(I)、又
はそのDNAの1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置
換もしくは付加されたDNA配列でかつ発現及び分泌に関
わる機能を有する誘導体。
(2) 下記の配列を含んでなる蛋白質の発現及び分泌
に係る領域又はその誘導体をコードするDNA(II)、又
はそのDNAの1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置
換もしくは付加されたDNA配列でかつ発現及び分泌に関
わる機能を有する誘導体。
(3) 下記の配列を含んでなる蛋白質の発現に係る領
域をコードするDNA(III)。
(4) 下記の配列を含んでなる蛋白質の発現に係る領
域をコードするDNA(IV)。
(5) 蛋白質がフェノールオキシダーゼであることを
特徴とする上記(1)乃至(4)記載のDNA又はその誘
導体。
(6) 下記のアミノ酸配列からなる蛋白質の分泌に係
るペプチドをコードするDNA分子。
(7) 下記の配列を含んでなる蛋白質の分泌に係る領
域をコードするDNA分子。
(8) 蛋白質がフェノールオキシダーゼであることを
特徴とする上記(6)又は(7)記載のDNA。
(9) 蛋白質をコードするDNAと上記(1)乃至
(7)のいずれかの項記載のDNA又はその誘導体とを含
む蛋白質を発現、分泌する新規な形質転換宿主細胞。
(10) 蛋白質がフェノールオキシダーゼであることを
特徴とする上記(9)記載の新規形質転換宿主細胞。
(11) 蛋白質をコードするDNAとその発現に係る上記
(1)乃至(4)のいずれかに記載のDNA又はその誘導
体とを細胞に導入し、該細胞を培養し、その培養物から
蛋白質を得ることを特徴とする蛋白質の製造法。
(12) 蛋白質がフェノールオキシダーゼであることを
特徴とする上記(11)記載の蛋白質の製造法。
本発明者らは、フェノールオキシダーゼ等、有用な蛋
白質を大量に発現させるプロモーター及び生産した酵素
を効率よく分泌させるシグナル配列について探索した結
果、種々の生物(特に担子菌類)が生産するフェノール
オキシダーゼのプロモーター及びシグナル配列が有効で
あることを見出した。
特にアラゲカワラタケを含む担子菌類は、液体培養す
ることにより、フェノールオキシダーゼを構成的に大量
に分泌生産することからDNAの供給源として好適である
ことがわかり、これらの担子菌類の発現及び分泌に関す
るDNAを単離した。
発現に関するDNAは担子菌類などの染色体上からのみ
得られ、分泌に関するDNAは担子菌類などの染色体及びm
RNAの両方から得ることができる。
発現及び分泌に関するDNAは、特願昭63−175235号ま
たは、特願昭63175236号と同様に染色体DNAライブラリ
ーやcDNAライブラリーから、合成DNAプローブまたは、
クローニングしたフェノールオキシダーゼの構造遺伝子
をプローブにして単離することができる。
単離した発現及び分泌に関するDNAは、遺伝子組換え
技術の常法に従ってフェノールオキシダーゼの構造遺伝
子と連結し、適当なベクターに連結し、宿主細胞に導入
することによりフェノールオキシダーゼを分布生産させ
ることができる。
なお、上記発現及び分泌に係るDNAは前述の通り、フ
ェノールオキシダーゼ遺伝子の発現及び分泌を促進する
ものであるが、しかし、このDNA配列は上記酵素以外の
他の蛋白質の発現及び分泌に有効なものである。また、
上記アミノ酸配列をコードするDNA配列についてもフェ
ノールオキシダーゼの分泌のみならず他の蛋白質の分泌
にも有効である。
以下に本発明を詳細に説明する。
〈DNAプローブの作成〉 染色体を基に構築した染色体DNAライブラリーやmRNA
を基にしたcDNAライブラリーからフェノールオキシダー
ゼの発現及び分泌に関するDNA分子を選び出すために必
要となるDNAプローブとしては、本発明者らがフェノー
ルオキシダーゼ遺伝子をクローニングした(特願昭63−
175235号、特願昭63−175236号)時に用いた合成DNAプ
ローブと同じものが使用できる。また、クローニングし
たフェノールオキシダーゼ構造遺伝子や構造遺伝子を基
に合成したDNA分子をプローブに使用することもでき
る。
すなわち、合成DNAフローブの配列は、フェノールオ
キシダーゼの部分アミノ酸配列を基に決定し、フェノー
ルオキシダーゼの部分アミノ酸配列は、特開昭61−2859
89号、特開昭62−220189号、及び、特開昭62−220190号
に記載の方法で生産、精製したフェノールオキシダーゼ
のN末端からのアミノ酸配列と精製したフェノールオキ
シダーゼをBrCN分解〔Cole,R.D.:Methods Enzymol.11,3
15−317(1967)〕またはトリプシン分解〔Lin,L.−N.
& Brandts.J.F.:Biochemistry22,553(1983)〕し、分
離したポリペプチドのN末端からのアミノ酸配列をエド
マン分解法〔Edman,P.& Henschen,A.Proteinsequence
determination,2′nd de.,Springer−Verlag,Berlin,pp
232〜279(1975)参照〕によって決定する。
DNAプローブの合成は、フォスフォジエステル法、フ
ォスフォトリエステル法、フォスファイト法およびその
改良法のアミダイト法のいずれかの方法で行なうことが
できる。
また、本発明者等がクローニングし、工業技術院微生
物工業技術研究所に寄託した寄託番号が微工研菌寄第10
048号(FERM P−10048)、微工研菌寄第10055号(FERM
P−10055)及び微工研菌寄第10061号(FERM P−10061)
の菌株が持つフェノールオキシダーゼの構造遺伝子をDN
Aプローブとすることも可能であり、本発明者等が特願
昭63−175235号及び特願昭63−175236号で明らかにした
フェノールオキシダーゼ構造遺伝子の配列を基に合成し
たDNAプローブも使用することが可能である。
〈染色体DNAの調製〉 本発明に用いることができるフェノールオキシダーゼ
由来生物は、フェノールオキシダーゼを有するものであ
れば、全て可能であるが特に酵素活性が高いフェノール
オキシダーゼを生産し、分泌する白色腐朽菌〔例えば、
アラゲカワラタケ(IFO 4917)、カワラタケ(IFO 3034
0)、カイガラタケ(IFO 8714)〕が好ましい。
白色腐朽菌を生育繁殖させる培地の組成は、主炭素源
としてグルコースを使用するが白色腐朽菌が資化可能な
他の炭素源を使用してもよく、主窒素源としては酵母エ
キス、ポリペプトンを使用するが白色腐朽菌が資化可能
なアンモニウム塩、硝酸塩などの無機窒素化合物、尿
素、カゼインなどの有機窒素含有物も使用することがで
きる。その他、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウ
ム塩、リン酸塩、マンガン塩、亜鉛塩、鉄塩などの無機
塩やコーンスティープリカー、ビタミン類、アミノ酸
類、核酸類などの栄養物質、生長促進物質を添加するこ
とも可能である。
前記の培地に白色腐朽菌を接種し、培養する。培養
後、集菌し、液体窒素中で凍結し、乳鉢中で破砕後、フ
ェノール抽出法により染色体DNAを抽出、精製し、染色
体DNAライブラリー構築に使用する染色体DNAを得る。
染色体DNAのフェノール抽出の前にあらかじめプロテ
ィナーゼ処理を行なうと効率よく染色体DNAを抽出する
ことができる。
〈染色体DNAライブラリーの構築〉 染色体DNAライブラリーに用いるベクターは、通常使
用されているベクターであればいずれでも可能である
が、染色体DNA量が大きい真核生物の場合、選抜する数
が少なくてすむコスミドベクターが適していると考えら
れ、本方法ではこれを用いて説明する。
ベクターとしてコスミドベクターpHC79〔Hohn,B.and
Collins,J.(1980)Gene11,291〕を用いて染色体DNAの
コスミドライブラリーを構築する。コスミドベクターpH
C79は市販のもの〔例えば、ベセスダ・リサーチ・ラボ
ラトリー(Bethesda Research Laboratories)社製535
8SA,ベーリンガー・マンハイム山之内(株)社製56779
5〕が使用できる。
上記染色体DNAを制限酵素Sau3AI〔宝酒造(株)社製1
082A〕で部分分解し、32〜46Kb(キロ塩基対)の大きさ
の染色体DNA断片を得る。一方、コスミドベクターpHC79
を制限酵素BamH I〔宝酒造(株)社製1010S〕で完全分
解し、脱リン酸処理し、上記の部分分解した染色体DNA
の断片を加え、T4DNAリガーゼ〔宝酒造(株)社製2011
A〕によってDNA鎖の結合反応を行なう。
得られた結合反応物を市販のイン・ビトロ・パッケー
ジングキット〔例えば、マアシャム・ジャパン(株)社
製N.334Y,プロメガ・バイオテック(Promega Biotec)
社製P3151〕を用いて成熟ファージ粒子中に挿入し、大
腸菌DH 1(ATCC 33849)に感染させ、1μgの染色体DN
A当り、約50,000株のApr(アンピシリン耐性)株を得
て、染色体DNAのコスミドライブラリーとする。
〈フェノールオキシダーゼ遺伝子の発現及び分泌に関す
るDNA分子のクローニング〉 コスミドライブラリーの約10,000株の組換え大腸菌を
アンピシリンを含むLB培地(バクトトリプトン10g/,
バクトイーストエキス5g/,塩化ナトリウム10g/,
寒天15g/)上にコロニーを形成させる。
コロニーを市販のニトロセルロースフィルターまたは
ナイロンフィルター〔例えば、アマシャム・ジャパン
(株)社製RPN.82C,東洋濾紙(株)社製A045B082C〕に
レプリカし、常法〔Grunstein,M.& D.S.Hogness:Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 72,3961(1975)〕により、フィル
ター上にDNAを固定する。
フィルター上のDNAと放射性同位元素32P〔マアシャム
・ジャパン(株)社製PB10168〕でラベル〔Richardson,
C.C.(1965)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.54,158〜161,
参照〕した合成DNAプローブまたは、ニックトランスレ
ーション法〔Berg,P.(1977)J.Mol.Biol.113,237〜25
1〕やランダムヘキサマーDNAラベリング法〔Feinberg,
A.P.and Voegelstein B.(1983)132,6〜13〕でラベル
したフェノールオキシダーゼ構造遺伝子をハイブリダイ
ズさせフェノールオキシダーゼ構造遺伝子の発現と分泌
に関するDNAを組込んだ大腸菌を選抜し、常法によりコ
スミドを抽出、精製する。
コスミドに組込まれた染色体DNA断片の中でフェノー
ルオキシダーゼ遺伝子の発現と分泌に関するDNAが含ま
れている部分を限定し、サブクローニングするために制
限酵素Hind III〔宝酒造(株)社製1060S〕またはEcoR
I〔宝酒造(株)社製1040S〕またはSma I〔宝酒造
(株)社製1085A〕などで切断し、アガロースゲル電気
泳動法で分子量別に分離し、フィルターに固定化した染
色体DNA断片と32PでラベルしたDNAプローブとハイブリ
ダイズさせる。DNAプローブとハイブリダイズするDNA断
片をプラスミドベクターpUC19〔Yanisch−Perron,C.Vie
ira,J.and Messing,J(1985)Gene,33,103,Messing,J.
(1983)Method in Enzymology,101,20〜78,宝酒造
(株)社製3219〕にサブクローニングし、制限酵素物理
地図を作成する。
得られたフェノールオキシダーゼ遺伝子の発現及び分
泌に関するDNAを含むDNA断片のベクターDNAへの組み込
みは以下のように行なう。ベクターDNAを適当な制限酵
素で切断してベクターDNA断片を調製する。次いでフェ
ノールオキシダーゼ遺伝子の発現及び分泌に関するDNA
を含むDNA断片とベクターDNA断片の混合物をT4DNAリガ
ーゼで処理する。用いられるベクターDNAとしては、pBR
322、pUC 18、pUC19〔宝酒造(株)社製3050,3218,3219
等があげられる。また制限酵素としてはHind III、EcoR
I、Pst I〔宝酒造(株)社製1073S〕、BamH I等があげ
られる。
このようにしてフェノールオキシダーゼ遺伝子の発現
及び分泌に関するDNAをベクターDNAに結合した組換えDN
Aを得ることができる。
〈フェノールオキシダーゼ遺伝子の発現及び分泌に関す
るDNAの塩基配列の決定〉 プラスミドベクターpUC19にサブクローニングしたDNA
断片は、原理的にHenikoffの方法およびYanisch−Perro
nの方法〔Henikoff,S.(1984)Gene,28,351〜359 Yanis
ch−Perron,C.,Vieira,J.and Messing,J.(1985)Gene,
33,103〜119〕でデリーションミュータントを作成する
が市販のデリーション・キット〔宝酒造(株)社製603
0〕も使用できる。
デリーションミュータントは、ジデオキシ法〔Sange
r,F.(1981)Science,214,1205〜1210〕により塩基配列
を決定する。市販のシークエンシング・キット〔宝酒造
(株)社製6010A,6015A,ニッポン・ジーン(株)社製31
7−01121〕も使用できる。
〈mRNAの調製〉 染色体DNAの調製法と同様にmRNAを調製するために用
いることができるフェノールオキシダーゼ由来生物は、
フェノールオキシダーゼを有するものであれば、全て可
能であるが特に酵素活性が高いフェノールオキシダーゼ
を生産し、分泌する白色腐朽菌〔例えば、アラゲカワラ
タケ(IFO 4917)、カワラタケ(IFO 30340)、カイガ
ラタケ(IFO 874)〕が好ましい。
これらの白色腐朽菌を、染色体DNA調製時と同様に培
養し、培養液中のフェノールオキシダーゼ活性が最大に
なった時、集菌し、液体窒素中で凍結する。
白色腐朽菌から、フェノールオキシダーゼ等の蛋白質
に対応する全mRNAの抽出は、常法によって行なえばよ
い。たとえば、白色腐朽菌体を2〜5容のNP−40,SDS,T
riton X−100などの界面活性剤とフェノール溶液を混合
してホモジナイザーや凍結融解などの物理的方法を用い
て細胞を破砕,可溶化し、遠心した後の上清に冷エタノ
ールを加えてRNAを沈澱させる方法がある。また、グア
ニジンチオシアネート溶液中で組織を破砕し、エタノー
ル沈澱後に、塩酸グアニジンで沈澱の溶解をくり返して
全mRNAを抽出するGTC法等もある。また、Broda等の方法
〔J.Microbiol.Methods,,(1985)155−162〕や市販
のRNA抽出キット〔マアシャム・ジャパン(株)社製RP
N.1264〕を用いて、全mRNAを抽出することもできる。ま
た、必要に応じてフェノールオキシダーゼに対応する抗
体を用いてフェノールオキシダーゼ合成途上のポリゾー
ムを沈澱させ、これよりmRNAを界面活性剤などで抽出す
る方法も行うことができる。
本発明のポリ(A)mRNAの精製については、オリゴ
(dT)セルロース,ポリ(U)セルロースなどの吸着カ
ラムによる精製法、ショ糖密度勾配遠心法による分画等
によって行なうことが出来る。
上記の如くして得られた全mRNAの中に、目的とするフ
ェノールオキシダーゼに対応するmRNAの存在を確認する
ためには、mRNAをタンパク質に翻訳させ、その抗体等を
用いてそのタンパク質を同定する等の方法を行なえばよ
い。たとえば、mRNAをタンパク質に翻訳するのによく用
いられる系であるReticulocyte−lyzate(網状赤血球ラ
イゼート),Wheat germ(コムギ胚芽)などの無細胞系
でタンパク質に翻訳させ、フェノールオキシダーゼに対
応するmRNAが活性を有することを確認することが可能で
ある。
また、フェノールオキシダーゼのDNAプローブを用い
たドット・ハイブリダイゼーションまたはノーザン・ブ
ロット・ハイブリダイゼーションを行なうことによって
も確認することが可能である。
上述のようにして得られたmRNAは、in vitroでcDNAを
合成し、適当なベクターなどに組み込み、フェノールオ
キシダーゼ遺伝子の分泌に関するDNAをクローニングす
るためのcDNAライブラリーを構築するのに使用すること
ができる。
〈cDNAの合成〉 cDNAの合成法としては、Gubler・Hoffmanの方法、ラ
ンド法、岡山・Berg法やこれらの変法などがある。たと
えば、試験管内で次のような方法で行なうことができ
る。上記のmRNAを鋳型とし、オリゴ(dT)をプライマー
として、dNTP(=dATP,dGTP,dCTP,dTTP)の存在下で逆
転酵素〔宝酒造(株)社製2610A〕によりmRNAと相補的
な単鎖cDNAを合成する。次いで、RNaseH〔宝酒造(株)
社製2150A〕でmRNAに切れ目を入れ、mRNAをプライマー
とし、dNTPの存在下でDNAポリメラーゼI〔宝酒造
(株)社製2140A〕を用いて二重鎖cDNAを合成する。こ
の合成法はcDNA合成キットとして、アマシャム・ジャパ
ン(株)(RPN.1256Y),ベーリンガー・マンハイム山
之内(株)(1013882)より市販されており、使用する
ことができる。
〈cDNAライブラリーの構築〉 上記二本鎖cDNAは、両末端に合成リンカーを連結する
かまたは、ターミナルトランスフェラーゼ〔宝酒造
(株)社製2230A〕で適切な尾部(例えば、ポリC)を
付加し、プラスミドベクターやλファージベクターに結
合させ、cDNAライブラリーを構築することができる。
例えば、二本鎖cDNAにEcoR I LinkerをT4ファージ由
来のDNAリガーゼで連結し、次いで制限酵素EcoR I〔宝
酒造(株)社製1040S〕で切断し、EcoR I粘着末端を持
った二本鎖cDNAとし、ファージベクターλgt11のEcoR I
部位に組込み、in vitroパッケージング〔マアシャム・
ジャパン(株)社製N.334Y,プロメガ・バイオテック社
製P3151〕を行なうことによりcDNAライブラリーを構築
する。
また、市販されているλgt11やλgt10のcDNAライブラ
リー・キット〔マアシャム・ジャパン(株)社製RPN.12
80,RPN.1257,プロメガ・バイオテック社製P3010〕も使
用することができる。
〈フェノールオキシダーゼ遺伝子の分泌に係るDNAのク
ローニング〉 cDNAライブラリーから放射性同位元素で標識化したフ
ェノールオキシダーゼのDNAプローブを用いて、プラー
クハイブリダイゼーションやコロニーハイブリダイゼー
ションによりmRNA由来フェノールオキシダーゼ遺伝子の
分泌に関するDNA分子を含むcDNAをクローニングする。
得られたmRNAフェノールオキシダーゼ遺伝子の分泌に
関するDNAは、染色体DNA由来のフェノールオキシダーゼ
遺伝子の発現と分泌に関するDNAの場合と同様に適当な
ベクターにサブクローニングし、塩基配列の決定を行な
うことができる。
〈蛋白質の分泌生産〉 このようにして得られたフェノールオキシダーゼ構造
遺伝子の発現及び分泌に関するDNA分子の利用法は、常
法により蛋白質の構造遺伝子に連結し、適当なベクター
に組込み、ベクターの宿主である微生物、動物細胞及び
植物細胞に導入し、蛋白質を効率良く生産、分泌させる
ことである。上記宿主生物への導入法としては、例え
ば、プラスミド、コスミド、ファージ、ウイルスなどの
ベクターに連結し、形質転換や形質導入で組換え体を作
成する方法、または、DNA断片を直接エレクトロポレー
ションなどで導入し組換え体を作成する方法等がある。
また、この宿主としては、各種のものを用いることが
できるが、例えばエシェリヒア・コリ等のエシェリヒア
属の微生物、バチルス・ズブチリス等のバチルス属の微
生物、サッカロミセス・セレビシエ等のサッカロミセス
属等の酵母、タバコ、ベチュニア等のナス科植物細胞、
Ba1bIC3T3等の動物培養細胞などが好適である。
これらに宿主に使用されるベクターを以下に例示す
る。
EK系プラスミドベクター(ストリンジェット型)のpS
C101,pRK353,pRK646,pRK248,pDF41等、EK系プラスミド
ベクター(リラックスト型)のCalE1,pVH51,pAC105,RsF
2124,pCR1,pMB9,BR313,pBR322,pBR324,pBR325,pBR327,p
BR328,pKY2289,pKY2700,pKN80,pKC7,pKB158,pMX2004,pA
CYC1,pACYC184,λdul等、λgt系ファージベクターのλg
t・λc,λgt・λB,λWES・λB,λZJvir・λB,λALO,λ
B,λWES・Ts622,λDam,λgt11等、シャロンベクターの
シャロン4A,シャロン3A,シャロン16A,シャロン13A,シャ
ロン14A,シャロン15,シャロン8,シャロン10,シャロン1
7,シャロン20等、テオライス(Tiolais)グループベク
ターのL512,λZEQS,λZYV5φ,λZUVφ2,λZUVφ3,λYE
QSφ1,λYEQSφ,λYEQSφ3,λBam,λS51等、枯草菌の
プラスミドベクターpTA1015,pLS15,pTA1020,pLS28,pLS1
3,pTA1050,pTA1060,pTA1030,pTA1031等、スタフィロコ
ッカス由来のプラスミドベクターpT127,pC194,pC221,pC
223,pUB112,pUB110,pSA0501,pSA0501,pSA2100,pE194,pT
P4,pTP5等、酵母ベクターpJDB219,YEp13,YRp7,YIp1,pY
C,pTC2、植物ベクターとしてTiプラスミド由来の各種ベ
クターやカリフラワーモザイクウイルス由来の各種ベク
ター類(バイナリ型ベクターをも含む)、動物ベクター
としてSV40由来のpSVK+,pI−11β−,pAVHin+K+,pβ2
X,pSXβ+などがある。ただし、Tiプラスミド由来の植
物ベクターの場合は、得られた組換DNAを一旦アグロバ
クテリウム・ツメフアシエンスT37等に導入し、本組換
え微生物を植物細胞にco−cultureすることなどにより
感染させることによって宿主植物に組換えDNAを導入す
ることができる。
また、宿主、ベクター系が開発されていない生物を宿
主とする系の場合、例えば、アスペルギルス属、ノイロ
スポラ属などの糸状菌類、アラゲカワラダケ、カイガラ
タケ、カワラタケ、シイタケ、マツタケを含む担子菌類
などの場合は、発現及び分泌に関するDNAに蛋白質の構
造遺伝子を連結したDNA分子を直接、ポリエチレングリ
コール法、エレクトロポレーション法及びマイクロイン
ジェクション法などにより、細胞内に導入することがで
きる。この場合、薬剤耐性遺伝子や栄養要求性相補遺伝
子を上記DNA分子に連結させると組換え体の選抜に都合
がよい。また、宿主細胞を適当な条件のもとでプロトプ
ラストにすることにより形質転換効率を高めることがで
きる。
本発明において、アミノ酸、ポリペプチドはIUPAC−I
UB生化学委員会(CBN)で採用された方法により略記す
るものとし、たとえば下記の略号を用いる。
Ala L−アラニン Arg L−アルギニン Asn L−アスパラギン Asp L−アスパラギン酸 Cys L−システイン Gln L−グルタミン Glu L−グルタミン酸 Gly グリシン His L−ヒスチジン Ile L−イソロイシン Leu L−ロイシン Lys L−リジン Met L−メチオニン Phe L−フェニルアラニン Pro L−プロリン Ser L−セリン Thr L−スレオニン Trp L−トリプトファン Tyr L−チロシン Val L−バリン また、DNAの配列はそれを構成する各デオキシリボヌ
クレオチドに含まれる塩基の種類で略記するものとし、
下記の略号を用いる。
A アデニン(デオキシアデニル酸を示す。) C シトシン(デオキシシチジル酸を示す。) G グアニン(デオキシグアニル酸を示す。) T チミン (デオキシチミジル酸を示す。) 以下実施例により、フェノールオキシダーゼ構造遺伝
子の発現及び分泌に関するDNA分子のクローニング及び
蛋白質の分泌発現について詳細に説明するが、本発明
は、この実施例に限定されるものではない。
実施例1 〈DNAプローブの合成〉 DNAプローブの合成は、アミダイト法により、DNA合成
機(日本ゼオン,Genet A−III)を用いて行なった。
3種の担子菌〔アラゲカワラタケ(IFO 4917),カワ
ラタケ(IFO 30340),カイガラタケ(IFO 8714)〕か
ら精製したフェノールオキシダーゼのN末端からのアミ
ノ酸配列をエドマン分解法で25段目まで分析した結果を
次に示す。
N末1段目 上記配列の17段目のProから25段目のValに対応するよ
うに、次のDNAプローブを合成した。但しIはデオキシ
イノシン。
また、3種の担子菌のフェノールオキシダーゼをBrCN
で分解し、逆相系高速液体クロマトグラフィー(溶出条
件,カラム:Phenyl−5PW RP(東洋ソーダ社製),溶出
液20%アセトニトリル/0.1%TFAから75%アセトリトリ
ル/0.1%TFAへの濃度勾配溶出,室温)で分離したポリ
ペプチドのアミノ酸配列をエドマンド分解法で分析した
結果を次に示す。
上記アミノ酸配列に対応するように次のDNAプローブ
を合成した。
以上の結果から担子菌が生産、分泌するフェノールオ
キシダーゼのアミノ酸配列の相同性は非常に高く、本発
明で使用するDNAプローブを用いることにより、いかな
る担子菌のフェノールオキシダーゼ遺伝子の発現及び分
泌に係るDNAをもクローニングすることができる。した
がって以下の実施例では、アラガカワラタケのフェノー
ルオキシダーゼ遺伝子の発現及び分泌に関するDNA分子
のクローニング方法について説明する。
実施例2 〈染色体DNAの調製〉 アラゲカワラタケ(IFO 4917)を1のYPD培地(酵
母エキス10g/,ポリペプトン20g/,グルコース20g/
)が入った5容三角フラスコに植菌し、27℃,7日間
振盪培養した。培養後、集菌し、液体窒素中で凍結した
結果、約20gの凍結菌体を得た。
10gの凍結菌体を液体窒素下で乳針を用いて約15分間
破砕した。あらかじめ42℃に保温した緩衝液(0.1M NaC
l,0.1M Tris−HCl,0.1M EDTA,pH8)10mlにプロティナー
ゼK(最終濃度100μg/mlベーリンガー・マンハイム山
之内161519)を加え、その中に5gの破砕菌体を入れ穏や
かに撹拌しながら2時間反応させた。等量のTE(10mM T
ris−HCl,1mM EDTA,pH8)飽和フェノールで染色体DNAを
抽出後、エタノール沈澱を行ない、再び5mlのTEに溶か
し、37℃,30分間RNaseA(最終濃度100μg/ml宝酒造
(株))処理し、RNAを除いた。CsClを用いた平均密度
勾配遠心分離(ベックマン,Vti80ローター,15℃,50krp
m,16時間)を行ない、精製した染色体DNAを1.5mg得た。
実施例3 〈染色体DNAのコスミドライブラリーの構築〉 上述の精製した染色体DNA250μgの制限酵素Sau3AIを
加え、37℃で部分分解し、部分分解物から5〜25%ショ
糖密度勾配遠心分離法(ベックマンSW40Tiローター、15
℃,22.5krpm,16時間)により32〜46Kbの染色体DNA断片
を約4μg得た。
制限酵素BamH Iを加え37℃,12時間反応させて完全分
解した後、アルカリフォスファターゼ〔宝酒造(株)社
製2250A〕で37℃,30分間脱リン酸処理し、フェノール抽
出したコスミドベクター10μgと32〜46Kbの染色体DNA
断片1μgを混合し、T4DNAリガーゼを加えて15℃,1晩
反応させてDNA鎖の結合反応を行った。
得られた結合反応物を、アマシャム・ジャパン社製の
イン・ビトロ・パッケージングキットを用いてパッケー
ジングを行ない、指示菌DH 1に感染させた結果、1μg
の染色体DNA当り、約50,000株のApr(アンピシリン耐
性)株を得て、染色体DNAのコスミドライブラリーとし
た。
実施例4 〈フェノールオキシダーゼ構造遺伝子の発現と分泌に係
るDNAのクローニング〉 コスミドライブラリーの約5,000株の組換え大腸菌を
アンピシリン(最終濃度50μg/1ml)を含む20枚のLB寒
天培地上にコロニーを形成させた。コロニーを2枚のニ
トロセルロースフィルター〔アマシャム・ジャパン
(株)社製〕に移し取った。コロニーを上にして、フィ
ルターを変性溶液(1.5M NaCl,0.5M NaOH)に浸した濾
紙の上に置き、7分間放置し、次にフィルターを中和溶
液(1.5M NaCl,0.5M NaOH)に浸した濾紙の上に置き3
分間放置後新しく中和溶液に浸した濾紙の上に置き3分
間放置した。フィルターを2×SSC(0.3M NaCl,0.03Mク
エン酸三ナトリウム)で洗浄、風乾後、80℃で2時間処
理し、DNAをフィルターに固定した。
合成DNAプローブ15mer−AとB,および26mer−CとD
を放射性同位元素〔γ−32P〕ATP(アマシャム・ジャパ
ン(株)社製)とT4ポリヌクレオチドキナーゼ〔宝酒造
(株)社製2021A〕を用いてラベルし、フィルターに固
定したDNAとハイブリダイズさせた結果、15merおよび26
merの2種類の合成DNAプローブとハイブリダイズするク
ローン、すなわちフェノールオキシダーゼ遺伝子の発現
及び分泌に関するDNAが組込まれたコスミドを持つ大腸
菌を2種得ることができた。この遺伝子に発現及び分泌
に関するDNA分子が存在すると考えられる。
コスミドに組込まれた染色体DNA断片の中でフェノー
ルオキシダーゼ構造遺伝子の発現と分泌に関するDNA分
子が含まれている部分を限定し、サブクローニングする
ために、コスミドを制限酵素、Hind III、またはEcoR I
またはSma Iで切断し、1%のアガロースゲル電気泳動
法で分子量別に分離し、サザンブロッティング法(Sout
hern,E.M.,J.Mol.Biol.,98,503〜517,1975)によりフィ
ルターに固定化し、32Pでラベルした合成DNAプローブ
(26mer−C,Dおよび15mer−A,B)と、ハイブリダイズさ
せた結果、2種のクローンとも26mer−C,Dプローブは、
Hind III 5.3Kb,EcoR I4.6Kb,Sma I 1.9 KbのDNA断片に
ハイブリダイズし、15mer−A,Bプローブは、Hind III
5.3Kb,EcoR I 4.6Kb,Sma I 2.4KbのDNA断片にハイブリ
ダイズした。
それぞれのDNA断片をpUC19にサブクローニングした
後、制限酵素物理地図を作成した。結果、2種のクロー
ンは同じ切断パターンであった(第1図)。
実施例5 〈フェノールオキシダーゼ遺伝子の発現と分泌に関する
DNAの塩基配列〉 2種のクローンからプラスミドpUC19にサブクローニ
ングしたEcoR I 4.6Kb,Hind III 5.3KbDNA断片と宝酒造
社製のデリーションキットを使用し、100〜200bpおきに
デリーションミュータントを作成し、宝酒造社製のシー
クエンシングキットを用いて、染色体DNA由来のフェノ
ールオキシダーゼ構造遺伝子の発現及び分泌に係わるDN
Aの塩基配列を決定し、同時にアミノ酸配列も決定した
(第2,3,4図及び第5図)。
pUCベクターにサブクローニングした発現及び分泌に
係るDNAを含むEcoR I断片、OJ−POG−E1,OJ−POG−E2は
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託し、その寄託番
号は微工研菌寄第10048号(FERM P−10048)及び微工研
菌寄第10599号(FERM P−10599)である。
実施例6 〈mRNAの調製〉 アラゲカワラタケ(IFO 4917)を1のYPD培地(酵
母エキス10g/,ポリペプトン20g/,グルコース20g/
)が入った5容三角フラスコに植菌し、27℃,6日間
振盪培養した。培養液中にフェノールオキシダーゼを生
産,分泌していることを確認した後、集菌し、液体窒素
中で凍結した結果、約20gの凍結菌体を得た。
Broda等の方法により、凍結菌体5gから11mgの全mRNA
を抽出した。凍結菌体5gから液体窒素を加えた100mlの
ワーリングブレンダーで破砕し、3倍量のTNS緩衝液
〔1% tri iso propylnaphthalenesulphonic acid,200
mM Tris−HCl,25mM EGTA(pH7.8),250mM NaCl〕に溶か
す。遠心分離によりペレットを除き、上清1mlにつき、
0.5gのフェノールを加え、5〜15℃に保ち溶解する。全
てのフェノールが溶けたら1/2量のクロロホルムを加
え、遠心分離後、上清を回収し、クロロホルムで2回抽
出した後、エタノール沈澱により全mRNA 11mgを回収し
た。
また、市販のmRNA抽出キット〔アマシャム・ジャパン
(株)社製〕を用いた場合は、3gの凍結菌体から6.7mg
の全mRNAを抽出することができた。
上述の2方法で回収した全mRNAは、フェノールオキシ
ダーゼのDNAプローブによるノーザン・ブロット・ハイ
ブリダイゼーション法〔Thomas,P.S.,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 77,5201(1980)〕により、フェノールオキシダ
ーゼ遺伝子由来のmRNAを含むことを確認した。
全mRNA 5mgをオリゴ(dT)セルロースカラムを使用す
るManiatis等の方法(Maniatis他編、Molecular Clonin
g,Laboratry Manual,197〜199,1982)を用いてポリ
(A)mRNAの分離・精製を行ない、約100μgのポリ
(A)mRNAを精製した。
実施例7 〈cDNAの合成〉 白色腐朽菌アラゲラワラタケ由来ポリ(A)mRNAより
cDNAの合成は、GublerとHoffmanの方法〔U.Gubier &
B.J.Hoggman;Gene,25,263〜269(1983)参照〕に従い、
アマシャム・ジャパン製cDNA合成セットを用いておこな
った。
5μgのポリ(A)mRNAに50ユニットのヒト胎児由来
RNase阻害酵素(HPRI)の存在下5μgの011go(dT)12
〜18〔ファルマシア社製27−7858−01〕を加え100ユニ
ットの逆転写酵素を42℃で1.5時間反応させて約30%の
収率で1本鎖CDNAを合成した。この反応液に4ユニット
の大腸菌リボヌクレアーゼHと115ユニットの大腸菌DNA
ポリメラーゼIを加え12℃で1時間,22℃で1時間反応
させた後70℃で10分間放置して酵素を失活させた。その
後10ユニットのT4DNAポリメラーゼを加え37℃で10分間
反応させて、約95%の収率で2本鎖cDNAを得た。
実施例8 〈cDNAライブラリーの構築〉 市販のλgt11クローニングシステム〔アマシャム・ジ
ャパン(株)社製〕を用いて、cDNAライブラリーを構築
した。
100μgの2本cDNAを20ユニットのEcoR Iメチラーゼ
を37℃で1時間反応させた後、EcoR Iリンカーを結合さ
せた、これに16ユニットのEcoR Iを加え37℃で2時間反
応させた後、Sepharose CL−4Bカラムを通し、純化し
た。λgt11アーム1μgとの連結反応後、in vitoパッ
ケーシング〔A.Becker & M.Gold;Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,72,581(1975)参照〕を行ない、106個の組換え体
λファージを得て、アラゲカワラタケのmRNA由来のcDNA
ライブラリーとした。
実施例9 〈mRNA由来のフェノールオキシダーゼ構造遺伝子上流の
分泌に係るDNAのクローニング〉 実施例4で得られたアラゲカワラタケmRNA由来のcDNA
ライブラリーを大腸菌Y1090株に感染させ、プラークを
形成させた。
mRNA由来のフェノールオキシダーゼ構造遺伝子上流の
分泌に係るDNAを含むクローンは、染色体DNA由来のフェ
ノールオキシダーゼ構造遺伝子の発現及び分泌に関する
DNAのクローニングと同様に放射性同位元素でラベルし
たDNAプローブを用いてBentonとDavisのプラークハイブ
リダイゼーション法〔W.D.Benton & R.W.Davis;Scienc
e,196,180(1977)参照〕に従って2種のクローンを選
別した。
mRNA由来のフェノールオキシダーゼ構造遺伝子とその
上流の分泌に関するDNA分子を含むλgt11ファージから
のDNAの精製は、ThomasとDavisの方法〔M.Thomas & R.
W.Davis;Journal of Molecular Biology,91315(1974)
参照〕により行なった。
実施例10 〈mRNA由来のフェノールオキシダーゼ構造遺伝子上流の
分泌に係るDNA分子の塩基配列の決定〉 実施例9で得られたmRNA由来のフェノールオキシダー
ゼ遺伝子と分泌に関するDNAを含む2クローンλgt11DNA
を制限酵素EcoR Iで切断し、挿入されていたフェノール
オキシダーゼ遺伝子を切り出し、プラスミドベクターpU
C19とpUC118の部位にサブクローニングした。
pUC19にサブクローニングしたクローンをOJ−POM5と
しpUC118にサブクローニングしたクローンをOJ−POM2と
した。
サブクローンしたcDNAの制限酵素切断地図を常法によ
り作成し、図6に示す。
OJ−POM5とOJ−POM2の制限酵素地図は同じであった。
染色体由来のフェノールオキシダーゼ構造遺伝子の発
現及び分泌に関するDNA分子のシークエンスと同様にサ
ブクローニングしたcDNAから市販のデリーションキット
〔宝酒造(株)社製〕を用いてデリーションミュータン
トを作成し、市販のM13シークエンシングキット〔宝酒
造(株)社製〕を用いてジデオキシ法によりmRNA由来の
フェノールオキシダーゼ遺伝子分泌に関するDNAの塩基
配列を決定した。同時にフェノールオキシダーゼの全ア
ミノ酸配列も決定した。
構造遺伝子の分泌に関するDNAは、それぞれ染色体の
図2,3の分泌に関する領域と完全に一致し、発現に関す
る領域の一部を含んでいた。
実施例11 〈酵母での分泌発現〉 酵母は、イントロンのある遺伝子をスプライシングし
て活性のある蛋白質を発現させることが難しいとされて
いる。そこで、イントロンのないmRNA由来のフェノール
オキシダーゼ構造遺伝子に、染色体由来の発現及び分泌
に関するDNAを第7図のようにSma I siteを介して連結
したフェノールオキシダーゼ遺伝子カセットを作製し、
酵母のYCp19ベクターに連結し、得られるプラスミドで
サッカロミセス・セレビシエ形質転換した酵母SHY3(AC
TT 44771)を形質転換し48時間培養した結果、培養液中
にフェノールオキシダーゼ1μg/ml蓄積した。このこと
から、染色体由来のフェノールオキシダーゼ遺伝子上流
の発現及び分泌に関するDNA分子が酵母で利用可能であ
ることが証明された。OJ−POM 2を連結したpYK26及びOJ
−POM 5を連結したpYK27を含む形質転換酵母SCSHY3/pYK
26及びSCSHY3/pYK27の寄託番号はそれぞれ微工研菌寄第
10574号(FERM P−10574)、微工研菌寄第10575号(FER
M P−10575)である。
実施例12 〈酵母での分泌発現〉 mRNA由来の分泌に関するDNA分子とフェノールオキシ
ダーゼ構造遺伝子を酵母のプロモーターGAL1(pG1:ATCC
37305)の下流に連結したプラスミドを第8図の様に構
築した。pYK38を含む形質転換酵母SCSHY3/pYK38の寄託
番号は微工研菌寄第10580号(FERM P−10580)である。
本プラスミドで形質転換を行った酵母SHY3をグルコー
ス培地及びガラクトース培地で培養した結果、グルコー
ス培地では、培地中及び細胞内共にフェノールオキシダ
ーゼは検出されなかったが、ガラクトース培地で培養し
たものは、培地中に5μg/mlのフェノールオキシダーゼ
が分泌生産されていた。このことから、mRNA由来の分泌
に関するDNA分子は同様に酵母中で利用可能であり、そ
してON−OFF制御可能な酵母プロモーターのもとでも分
泌機能を果し、利用可能であることが証明された。
実施例13 〈アラゲカワラタケでの分泌発現〉 染色体由来の発現及び分泌に関するDNAを持つ、フェ
ノールオキシダーゼ遺伝子EcoR I断片及び第7図に示す
ように作製したフェノールオキシダーゼ遺伝子カセット
を、単独または、pUc19及びYCp19ベクターに組込み、ア
ラゲカワラタケのプロトプラストにエレクトロポレーシ
ョン法(P.K.Howard et al,Nucleic Acid Research Vo
l.16,2613〜2623)により導入した。それぞれ、プレー
ト上にまき、コロニーを単離し、液体培養した。その結
果、各々、フェノールオキシダーゼ活性が数倍に上昇し
たクローンを選抜することができた。
フェノールオキシダーゼ活性が上昇したクローンから
染色体DNAを抽出し、フェノールオキシダーゼ遺伝子を
用いたサザンハイブリダイゼーションにより、数コピー
のフェノールオキシダーゼ遺伝子が染色体上に組込まれ
ていることが確認された。
このことは、遺伝子増幅効果により、フェノールオキ
シダーゼの分泌生産が増加したものと考えられ、同時に
クローニングしたフェノールオキシダーゼ遺伝子の発現
及び分泌に関するDNAが担子菌中でも利用できることが
証明された。
〔発明の効果〕
本発明により蛋白質の遺伝子、特にフェノールオキシ
ダーゼの遺伝子を発現、分泌させるためのDNAを提供す
る。なお、このDNAはフェノールオキシダーゼのみなら
ず他の蛋白質の遺伝子の発現、分泌にも有効なものであ
る。このDNAをフェノールオキシダーゼの構造遺伝子と
連結し、宿主生物に導入してフェノールオキシダーゼ等
の蛋白質を著量発現、分泌せしめる新規生物を提供す
る。更にこの新規生物を培養することにより蛋白質を高
収率で製造する方法を提供する。そしてこの製法によれ
ば、フェノールオキシダーゼ等の蛋白質が宿主微生物の
菌体外に分泌されるため、宿主にとって有害な蛋白質の
細胞内縮蓄を防ぎ、更に菌体内プロテアーゼによる生産
物の分解を防止し、また、従来、多大な労力とコストを
要した蛋白質の精製工程を簡素化し、低コスト化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は染色体由来のフェノールオキシダーゼ遺伝子の
構造遺伝子と発現及び分泌に関するDNAの制限酵素物理
地図。 第2図は染色体由来のフェノールオキシダーゼ遺伝子の
発現及び分泌に関するDNA(I) 第3図は染色体由来のフェノールオキシダーゼ遺伝子の
発現及び分泌に関するDNA(II) 第4図は染色体由来のフェノールオキシダーゼ遺伝子の
発現に関するDNA(III)ターミネター 第5図は染色体由来のフェノールオキシダーゼ遺伝子の
発現に関するDNA(III)ターミネター 第6図はmRNA由来のフェノールオキシダーゼ遺伝子と分
泌に関するDNAの制限酵素物理地図。 第7図はフェノールオキシダーゼ遺伝子の発現と分泌に
関するDNAを用いたプラスミドの構築。 第8図はフェノールオキシダーゼ遺伝子の分泌に関する
DNAを用いたプラスミドの構築。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C12N 9/02 C12R 1:645) (C12N 9/02 C12R 1:865) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:645)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の配列を含んでなる蛋白質の発現及び
    分泌に係る領域をコードするDNA(I)、又はそのDNAの
    1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換もしくは付
    加されたDNA配列でかつ発現及び分泌に関わる機能を有
    する誘導体。
  2. 【請求項2】下記の配列を含んでなる蛋白質の発現及び
    分泌に係る領域をコードするDNA(II)、又はそのDNAの
    1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換もしくは付
    加されたDNA配列でかつ発現及び分泌に関わる機能を有
    する誘導体。
  3. 【請求項3】下記の配列を含んでなる蛋白質の発現に係
    る領域をコードするDNA(III)。
  4. 【請求項4】下記の配列を含んでなる蛋白質の発現に係
    る領域をコードするDNA(IV)。
  5. 【請求項5】蛋白質がフェノールオキシダーゼであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のDNA
    又はその誘導体。
  6. 【請求項6】下記のアミノ酸配列からなる蛋白質の分泌
    に係るペプチドをコードするDNA分子。
  7. 【請求項7】下記の配列を含んでなる蛋白質の分泌に係
    る領域をコードするDNA分子。
  8. 【請求項8】蛋白質がフェノールオキシダーゼであるこ
    とを特徴とする請求項6又は7記載のDNA分子。
  9. 【請求項9】蛋白質をコードするDNAと請求項1乃至7
    のいずれかに記載のDNA又はその誘導体とを含む蛋白質
    を発現、分泌する形質転換宿主細胞。
  10. 【請求項10】蛋白質がフェノールオキシダーゼである
    ことを特徴とする請求項9記載の形質転換宿主細胞。
  11. 【請求項11】蛋白質をコードするDNAとその発現に係
    る請求項1乃至4のいずれかに記載のDNA又はその誘導
    体とを細胞に導入し、該細胞を培養し、その培養物から
    蛋白質を得ることを特徴とする蛋白質の製造法。
  12. 【請求項12】蛋白質がフェノールオキシダーゼである
    ことを特徴とする請求項11記載の蛋白質の製造法。
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