JPH068544B2 - 締結装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は締結装置とくに車両のサポートアームに種々
な作業装置を迅速に着脱できる締結装置に関する。

背景技術 液圧式掘削機のような土工車両の作業は土砂の種類、掘
削条件が異なるので、これらに適合したバケットが設計
されている。従ってオペレータは用途に応じてバケット
を交換することを必要とする。

液圧式掘削機のリンク機構はスティックすなわち支持ア
ームとこれに装着されるバケットのチルトリンケージを
備え一点で支持アームに他の点でチルトリンケージに枢
着され、夫々の枢着点において各一対のピンが圧入され
ている。

これらのピンの取付、交換には通常非常に時間を要する
と共に特有の設備を必要とするので度々バケット等を交
換すると車両の休車時間が増大して作業コストに影響す
る。一方、交換する時間を考慮してバケットを交換しな
いで作業すると車両の作業能率が犠牲になる。

以上のような不具合点を克服するためのバケット等を迅
速に交換するための装置が開発されているが、その構成
はやはり作業効率とのかね合いを要するものであった。
例えば出願人の米国特許第4,187,050 号に開示された装
置では、装着用のブラケットが通常のバケット等を取付
けるリンケージに連結されていて、ブラケットは各種の
用途に応じて特別に設計された作業装置を取付けるため
の結合装置を有している。このために掘削機のリンケー
ジの働きに変化を生ずる。すなわちバケットは掘削機の
アームに直接取付けられていないのでバケットの回転中
心もしくは傾動半径は標準状態におけるバケットと異な
ったものとなる。標準状態のバケットリンケージはバケ
ットティースが掘削するときにシリンダから最適の力が
加わるように設計されるが、上記のようにバケットの回
転中心が変ると標準状態における力の加わり方に変化を
生じ掘削力がかなり減少する。

又、他の迅速締結装置例えば米国特許第3,556,323 号又
は第4,214,840 号等に開示されているいわゆる「クイッ
ク カプラー」においては、支持アームの一端とバケッ
トのチルトリンケージとを結合する縦方向の一対のブラ
ケットが使用される。そしてブラケットの上下における
枢着点にはピンを備え、ピン、ボス等はブラケットの外
側面から延びてバケットのヒンジプレートに連結され
る。

然るにこの構成はブラケットに対して片持ち状態で取付
けられブラケットはこれらを支えるのみであってバケッ
トの荷重は直接ブラケットに伝わらないからブラケット
を十分に補強するための頑丈な構造が必要になる。

又、上下方向に長いブラケットはその中央部分において
バケットの係止装置を有するが、この係止装置はブラケ
ットとバケットの夫々の枢着ピンと同一線上にないた
め、掘削作業中外力が倍加されて係止装置に伝わる。従
って倍加された負荷に耐えるために係止装置と周辺部と
は十分強固に構成する必要がある。その結果装置全体と
しての重量が増加する。即ち10Kg増加すればバケットの
積荷は10Kg減少させられることになり作業上不利を招
く。のみならず10Kg重量が増加すればその２倍の重量の
バランスウエイトを車両の後部に取付けなけばならな
い。

本発明は上述の欠点の１つ又はそれ以上を克服するため
になされたものである。

発明の開示 本発明の締結装置は一対の支持アームの前端に作業装置
例えばバケットを装着するためのもので、バケットの後
方に開口する離隔した一対の受け金具と支持アーム前端
の連結金具とを結合する連結装置とから成り、これによ
ってオペレータは１つのバケットを他のバケットに迅速
に交換することができる。

連結ピンは標準バケットのものと同じ位置なのでバケッ
トのチルトリンケージの動きに変りはなく、色々はバケ
ットに対して最適の掘削力を得ることができる。

さらに、縦方向の構造部材がないために標準バケットに
比べて重量増加がほとんどなく、連結リンクは夫々のヒ
ンジプレートに直結しているので荷重は効率的な分布で
伝達され、異種のバケットを機能をそこなうことなく簡
単迅速に交換することができる。

図面の簡単な説明 第１図は本発明の締結装置を実施した掘削機のバケット
の１部断面を示す側面図、第２図は第１図のII−IIの方
向から見た締結装置の平面図、第３図は１部を省略した
バケットを締結した状態を示す側面図である。

発明を実施するための最良の形態 第１図はリンク42、44とアーム14と連結部40ならびにピ
ン34、52から成る標準リンケージ作業装置12を着脱可能
に装着する締結装置10を示す。

車両はバケットを操作する通常のリンク機構を有する掘
削機、ハックホー等である。図中14は以下に述べる態様
でバケットを装着する支持アーム、16は支持アーム14の
端部18に位置する一対の結合リンクである。結合リンク
16は端部22、24と中央に凹部20を有する厚さが一様なリ
ンクである。端部22は丸い輪郭26を有し、端部24も同様
に丸い輪郭28を有している。端部22、24は夫々内孔30、
32を有し、内孔30はアーム14の端部18を貫通して延びて
いる内孔と同心である。第１、３図に示すように第１ピ
ン34が結合リンク16と支持アーム14との内孔に回動可能
に装着されている。リテーナ35は第１ピン34の１端と結
合する第１部分36を有しリンク16に対して相対運動を防
止している。第２部分（図示せず）はピン34の他端と結
合しピン34がリンク16に対して相対運動するのを防止し
ている。

連結部40はリンク16を第１ピン34のまわりに動かすリン
ケージに関連すると共に一対のアイドラリンク42とパワ
ーリンク44に連結されている。アイドラリンク42は支持
アーム14に回動可能に装着される端部46を有し、パワー
リンク44はリンク16の第２端部24に回動可能に装着され
る第１端部48を有する（第２、３図）。

第２端部24の内孔32はパワーリンク44の第１端部48を通
って延びる内孔50と整合している。第２ピン52は第１ピ
ンと同じもので内孔32、50と整合して設けられリンク16
と44とが相互に回動するのを許容する。

第２リテーナ53は第１、第２部分54、55を有し（第２
図）、リテーナ35と同様な作用によって第２ピン52をリ
ンク16に固着する。パワーリンク44はアイドラリンク42
の夫々の第２端58に回転可能に連結される第２端56を有
する。

液圧シリンダ（図示せず）のロッド端62は同じくリンク
42、44の第２端56、58に夫々連結されている。第２の液
圧シリンダのロッド端（図示せず）は支持アーム14に装
着され、シリンダが作動すると連結部40を介してリンク
16を第１ピン34のまわりに回動させる。

バケット12は外側部に66において横方向に離隔して溶接
又は他の方法で強固に且つ変形不能に装着される一対の
ヒンジプレート64を有する。ヒンジプレート64には夫々
に切欠部68、70が取付けられており、切欠部68はほぼ半
円形でバケットに対して後方に開いており、切欠部70は
68に対向離隔し90°ないし180°の円周角を含む円弧を
形成している。断面がほぼ３角形の補強ビーム72がバケ
ット12の外側上面においてヒンジプレート64の間に配置
され、切欠部68、70の間に凸部74を形成する。これによ
り切欠部68は結合リンク16の端部22の輪郭26を受入れる
ソケットとなり、切欠部70も同様に輪郭28を受入れるソ
ケットとなる。隅80を削り落した複数個のガイドプレー
ト76が、ヒンジプレート64の外側に固着され切欠部68、
70の外側を覆っており結合リンク16の動きを阻止する。

結合リンク16の端部22、24とヒンジプレート64の切欠部
68、70の係合はロック装置82によって結合もしくは解除
される。ロック装置82はヒンジプレート64の一端に形成
された壁面86、88を有するフック84と、くさび90とから
成る。くさび90は結合リンク16の端部24の上面92に配置
され、結合リンク16の端部22、24が切欠部68、70に夫々
嵌合したときに、壁面86と密着係合する。くさび90は夫
々一対のボルト94で結合リンク16の上面92に締結され
る。ボルト94はくさび90に設けられた細長いスロット96
内で互いに離隔している。スロット96は結合リンク16の
背面98を越えてくさび90を後方へ動かすことができる程
度の長さにしてある。くさび90はさらにその両端に斜面
100、101を有し、斜面100は壁面86と一致するように形
成される。ラグ102がくさび90の外側面104から突出して
設けられており、斜面101とともにくさび90とフック84
との係合、解放に使用することができる。

産業上の利用可能性 バケット12又は他の作業装置を掘削機のような土工車両
に装着するには支持アーム14を切欠部68と係合するよう
にリンク16の一端22に持ってくる（第３図）。この時ガ
イドプレート76がリンク16の動きを案内することによっ
て係合する。一端22が切欠部に入ると液圧シリンダを作
動させてリンク16の第２端24を切欠部70に係合させる。
リンク16が係合位置に収まった後、後縁98の前部に位置
していたくさび90が斜面101又はラグ102をハンマ等で叩
くことによりヒンジプレート64のフランジ84に向つて図
で見て左方に移動する。くさび90がフランジ84の方へ移
動すると斜面100がフランジの斜面86と面接触する。ハ
ンマで叩いている中に斜面100、86は強く接触しリンク
は切欠部68、70にきつく嵌合するようになるのでボルト
94を締付けてくさび90を固定する。

バケット12を取り外すには上述の逆の手順で行えばよ
い。即ち、ボルト94を緩め、ラグ102をハンマで叩いて
くさび90を図で見て右方へ動かし、バケットのリンケー
ジを操作してリンク16を切欠部68、70から外す。

この取付、取外しを頻繁にくり返していると各部がかな
り摩耗するが、斜面86、100の面接触の構成によって摩
耗量は吸収される。

上述の締結装置によれば、バケットは従来のバケットと
同じ取付装置において装着可能である。これはリンク16
の形状に負うところが大きい。即ち、リンク16は凹部20
を設けたことにより補強ビーム72の凸部74と密接するこ
とができるのでバケットツースとバケットの回転中心で
あるピン34との間の距離を従来のバケットと同一にする
ことができる。この距離は通常チップラジアスと呼称さ
れるものでこれを同一とすることによって掘削力も従来
のものと変わらないものとなる。

他の利点はリンク16の間に補強部材を設ける必要がない
ことである。即ち、第１、第２端部22、24の全幅は切欠
部68、70と共に負荷を受けるので負荷はヒンジプレート
64からリンク16に、又リンク16からヒンジプレート64に
向って直接伝達され、これにより補強部材を省略するこ
とができる。

リンク16の間に設ける唯一の部材はピン34、52である
が、これらは枢着ピンとして作用するものであって構造
用部材ではない。これらのピンは付加的構成部品による
如何なる干渉をも補償することなく連結部40の機能を妨
げないでバケットを作動させることができる。しかも付
加的構成部品が極めて少ないので重量増加とバケット容
量の減少は最小である。

上述の如く本発明の締結装置によれば標準リンケージを
加工又は補強部材を追加することなく用途の異なる他の
作業装置の装着を可能とすると共に、標準作業装置と同
一の容量および掘削力を得ることができる。

本発明の他の面、目的及び効果は図面、説明、請求の範
囲を調べることによって知ることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ネル，ハーヴエイ アルバート アメリカ合衆国 60560 イリノイ州 ヨ ークヴイルゲーム フアーム ロード 1011 (56)参考文献 実開 昭59−1762（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−18052（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】リンク(42、44)とアーム(14)と連結部(40)
   とロッド(62)およびピン(34、52)から成る標準リンケー
   ジに作業装置(12)を着脱可能に装着する締結装置におい
   て、 前記作業装置(12)に強固に且つ変形不能に装着され、フ
   ランジ(84)と斜面(86)と、凸部(74)と、外側に固定され
   たガイドプレート(76)とを有する一対のヒンジプレート
   (64)と、 該一対のヒンジプレート(64)の前記凸部(74)に対向する
   凹部(20)と端部(22、24)とを有し前記標準リンケージの
   前記ピン(34、52)を結合すると共に前記端部（22、24）
   が前記ヒンジプレート(64)に係合して前記作業装置(12)
   を装着する結合リンク(16)と、 前記結合リンク(16)と前記ヒンジプレート(64)とを結合
   もしくは解除するロック装置(82)とから成り、該ロック
   装置(82)はさらに前記ヒンジプレート(64)の斜面(86)に
   結合する斜面(100)と細長いスロット(96)とを有するく
   さび(90)と、 前記スロット(96)内に位置して前記くさび(90)を結合リ
   ンク(16)に固定しくさび(90)の斜面(100)とフランジ(8
   4)の斜面(86)との結合を選択的に係合解放する締結手段
   (94)とを有することを特徴とする締結装置。
2. 【請求項２】請求の範囲第１項記載の締結装置におい
   て、前記連結部(40)は前記ピン(34)の回りに前記作業装
   置(12)を回転可能とする締結装置。
3. 【請求項３】請求の範囲第１項記載の締結装置におい
   て、前記ガイプレート(76)は結合リンク(16)がヒンジプ
   レート(64)に係合したときに結合リンク(16)の軸方向の
   動きを制限する締結装置。