JPH0685220A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH0685220A
JPH0685220A JP4237384A JP23738492A JPH0685220A JP H0685220 A JPH0685220 A JP H0685220A JP 4237384 A JP4237384 A JP 4237384A JP 23738492 A JP23738492 A JP 23738492A JP H0685220 A JPH0685220 A JP H0685220A
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JP
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region
crystal
manufacturing
semiconductor device
mask
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JP4237384A
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Inventor
Toshiaki Shinohara
俊朗 篠原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多結晶半導体内の結晶粒界の位置を厳密にか
つ簡易に制御することにより装置特性のばらつきを抑制
することを可能にする。 【構成】 シリコン基板21上に形成されたアモルファ
スシリコン層23のうちソース領域、ドレイン領域34
となるべき領域のうち少なくとも一方にイオン注入層2
8を形成し、このイオン注入層28からチャネル領域3
5となるべきゲート電極25直下の領域に向けて結晶成
長を進行させて多結晶シリコン層30を形成する。この
際、イオン注入層28から結晶成長が進行してチャネル
領域35の略全領域が結晶化されるまでの時間が、この
イオン注入層28を形成しない場合にチャネル領域35
で結晶化が始まるまでの時間より短くなるようにセルフ
アラインゲート25のゲート長を設定し、チャネル領域
35の中央にのみ結晶粒界49を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばMOSトラン
ジスタ、バイポーラトランジスタなどの半導体装置を製
造する方法に関し、特に、素子特性のばらつきを抑制し
た半導体装置を製造することの可能な方法についてのも
のである。
【0002】
【従来の技術】SOI(Silicon on Insulator)デバイ
スにおいて絶縁膜上に形成された単結晶薄膜に半導体装
置を形成すれば、高性能(高スピード)で信頼性の高い
デバイスを実現できるが、単結晶薄膜を用いたSOIデ
バイスはコストが高く、未だに実用的でない。したがっ
て、絶縁膜上に多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶
シリコン膜を用いて半導体装置を形成する手法が多用さ
れている。
【0003】図32〜図35は、半導体装置のうちMO
Sトランジスタの従来の製造方法の一例を説明するため
の工程図である。まず、図32に示すように、絶縁膜2
を有するシリコン基板1上に、SiH4、Si26を用い
た減圧CVD法などによりアモルファス(非晶質)シリ
コン層3を形成し、この上にゲート酸化膜5を形成す
る。ついで、ゲート酸化膜5上にゲート電極4を形成
し、その表面に絶縁層9を形成する。次いで、アモルフ
ァスシリコン層3を基板1ごと600℃の温度で熱処理し
て固相成長アニールを行い、このアモルファスシリコン
層3を結晶化させて図34に示すように多結晶シリコン
層6を形成する。さらに、ゲート電極4をマスクとして
この両側の多結晶シリコン層6にN型不純物イオンを注
入し、図34に示すようにN型ソース領域13およびN
型ドレイン領域15を形成する。この後、表面全体に保
護膜7を形成する。そして、保護膜7、ゲート酸化膜5
のエッチングを行ってコンタクトホールを形成し、この
コンタクトホール内にソースコンタクト電極11および
ドレインコンタクト電極12を形成する。最後に、保護
膜8を表面全体に形成すれば、図35に示すようなMO
Sトランジスタを絶縁膜上に形成することができる。こ
の際、ゲート電極4直下の多結晶シリコン層6はMOS
トランジスタのチャネル領域14とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のMOSトランジスタの製造方法にあっては、熱
処理によりアモルファスシリコン層3に固相成長アニー
ルを行うと、結晶成長の核となる結晶核がアモルファス
シリコン層3内にランダムに出現し、これら結晶核から
シリコン結晶の成長が開始してしまうので、結晶粒界の
発生、個数および位置が個々の多結晶シリコン層6によ
り異なっていた。結晶粒界ではキャリアの捕獲が起こ
り、このため結晶粒界が正または負に帯電してキャリア
の伝導を妨げるポテンシャル障壁(バリア)を形成す
る。このポテンシャルバリアによりシリコン層6のキャ
リア移動度が低下するため、結晶粒界の個数、位置が異
なればシリコン層6のキャリア移動度、ひいてはMOS
トランジスタの素子特性がばらつく結果となる。特に、
近年の短チャネル化の要請からゲート長が短くなると、
チャネル領域14内において結晶粒界が存在する場合と
しない場合とが生じうる。
【0005】このような半導体装置の素子特性のばらつ
きを抑制するため、絶縁基板上の所定位置に結晶核発生
速度の速い材料(たとえば窒化シリコン)からなる膜を
部分的に形成し、この上にアモルファスシリコン膜を形
成した後で上述の固相成長アニールを施し、結晶粒界の
形成される位置を制御する技術が提案されている(1990
年固体素子材料コンファレンスアブストラクト集pp.116
0〜参照)。
【0006】しかしながら、上述の技術においては、固
相成長アニールを行った後に素子形成用のマスクを形成
せねばならず、実際の結晶粒界の位置を考慮しつつマス
ク合わせをする必要があるため、マスク合わせ精度の誤
差のために半導体装置内における結晶粒界の位置を厳密
に制御することが困難であった。特に、通常の固相成長
法における結晶成長距離は〜1μm程度であり、このよ
うな微小距離に対してマスク合わせを行うのは非常に困
難である。
【0007】また、アモルファスシリコン膜内で選択的
に結晶核を形成する技術も提案されている(特開平3−
218640号公報参照)。これは、図36に示すよう
に、基板16上に形成されたアモルファスシリコン膜1
7のうちソース領域、ドレイン領域となるべき領域18
にB+(ボロン)やBF2 +などのイオンを注入した後、
熱処理によりアモルファスシリコン膜17内で固相結晶
成長させて多結晶シリコンからなるソース領域、ドレイ
ン領域および活性領域を形成するものである。図37に
示すように、B+イオンが注入された領域18は、イオ
ンが注入されていない領域19に比較して結晶核の発生
および結晶成長速度が速いため、熱処理を施すと最初は
イオン注入領域18のみで結晶核が発生し、この領域1
8からイオン未注入領域19に向けて結晶が成長する。
したがって、アモルファスシリコン膜17内で選択的に
結晶核を形成することができ、素子特性のばらつきを抑
制することが可能となる。
【0008】しかしながら、上記公報の技術にあって
も、多結晶シリコン膜内における結晶粒界の位置を積極
的に制御していないので、素子特性のばらつきを十分に
抑制することができなかった。
【0009】本発明の目的は、多結晶半導体内の結晶粒
界の位置を厳密にかつ簡易に制御することにより装置特
性のばらつきを抑制することの可能な半導体装置の製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1およ
び図26に対応付けて説明すると、請求項1の発明は、
ゲート25によりその領域が定められるチャネル領域3
5を挾んでソース領域、ドレイン領域34がそれぞれ形
成されたMOS型半導体装置36の製造方法に適用され
る。そして、上述の目的は、半導体基板21上に形成さ
れた非晶質半導体層23のうちソース領域、ドレイン領
域34となるべき領域の少なくとも一方に結晶制御領域
28を形成する工程と、前記結晶制御領域28からチャ
ネル領域35となるべき領域に向けて結晶成長を進行さ
せて多結晶半導体層30を形成する工程と、前記チャネ
ル領域35となるべき領域を挾んでソース領域、ドレイ
ン領域34をそれぞれ形成する工程とを行い、この際、
前記結晶制御領域28から結晶成長が進行して前記チャ
ネル領域35の略全領域が結晶化されるまでの時間が、
前記結晶制御領域28を形成しない場合に前記チャネル
領域35で結晶化が始まるまでの時間より短くなるよう
に前記ゲート長を設定することにより達成される。ま
た、請求項2の発明は、半導体層上に形成されたマスク
85の直下の領域の少なくとも一部にベース領域91が
形成され、このベース領域91を挾んでエミッタ領域9
2およびコレクタ領域93がそれぞれ形成されたバイポ
ーラ型半導体装置96の製造方法に適用される。そし
て、上述の目的は、半導体基板81上の非晶質半導体層
のうちエミッタ領域92となるべき領域に結晶制御領域
を形成する工程と、前記結晶制御領域からベース領域9
1となるべき領域に向けて結晶成長を進行させて多結晶
半導体層を形成する工程と、前記マスク85を用いてエ
ミッタ領域93となるべき領域から不純物を導入し、少
なくともその一部が前記マスク85直下の領域にまで至
るベース領域91を形成する工程と、前記マスク85を
用いて不純物を導入し、前記マスク85直下の領域内に
前記ベース領域91を残した状態でエミッタ領域92お
よびコレクタ領域93をそれぞれ形成する工程とを行
い、この際、前記結晶成長工程における結晶粒界89が
前記ベース領域91と前記コレクタ領域93との接合部
よりもコレクタ領域93側に入るように前記結晶成長条
件を定めることにより達成される。さらに、請求項3の
発明は、マスクによりその領域が規定される活性領域を
挾んで2つの接合領域が形成された半導体装置の製造方
法に適用される。そして、上述の目的は、半導体基板上
の非晶質半導体層のうち前記接合領域となるべき領域の
少なくとも一方に結晶制御領域を形成する工程と、前記
結晶制御領域から前記活性領域に向けて結晶成長を進行
させて多結晶半導体層を形成する工程とを行い、この
際、前記結晶制御領域から結晶成長が進行して前記活性
領域の略全領域が結晶化されるまでの時間が、前記結晶
制御領域を形成しない場合に前記活性領域で結晶化が始
まるまでの時間より短くなるように前記マスクの長さを
設定することにより達成される。前記結晶制御領域は、
前記非晶質半導体層にイオンを注入して形成したイオン
注入層とすることができる。あるいは、前記非晶質半導
体層との境界面において結晶核形成のための化学的ポテ
ンシャルが前記非晶質半導体層内のそれよりも低い領域
とすることもできる。さらに、前記結晶制御領域は、前
記非晶質半導体層の少なくとも一方の側の領域にエネル
ギービームを照射して形成した再結晶化領域とすること
もできる。
【0011】
【作用】−請求項1− 結晶化工程において結晶制御領域28からは直ちに(あ
るいは非晶質半導体層33よりも早く)結晶成長が始ま
り、チャネル領域35となるべき領域に向かって結晶成
長が進行する。本発明では、チャネル領域35の略全領
域が結晶化されるまでの時間が、結晶制御領域28を形
成しない場合にチャネル領域35で結晶化が始まるまで
の時間より短くなるようにゲート長を設定したので、チ
ャネル領域35となるべき領域では結晶制御領域28か
ら結晶成長が進行して結晶化され、その領域35内だけ
で結晶化が始まらない。したがって、結晶制御領域28
がソース領域、ドレイン領域34の一方にのみ設けられ
た場合はチャネル領域35内に結晶粒界29は存在せ
ず、ソース領域、ドレイン領域34の両方に設けられた
場合はチャネル領域35の中央にのみ結晶粒界29が存
在する。 −請求項2− 結晶成長工程における結晶粒界89がベース領域91と
コレクタ領域93との接合部よりもコレクタ領域93側
に入るように結晶成長条件を定めたので、結晶粒界89
の存在しない結晶性のよい部分にベース領域91を必ず
形成することができる。 −請求項3− 結晶制御領域から結晶成長が進行して活性領域の略全領
域が結晶化されるまでの時間が、結晶制御領域を形成し
ない場合に前記活性領域で結晶化が始まるまでの時間よ
り短くなるようにマスクの長さを設定したので、マスク
直下の領域では結晶制御領域から結晶成長が進行して結
晶化され、その領域内だけで結晶化が始まらない。した
がって、結晶制御領域が一方の接合領域にのみ設けられ
た場合は活性領域内に結晶粒界は存在せず、両方の接合
領域に設けられた場合は活性領域の中央にのみ結晶粒界
が存在する。
【0012】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】−第1実施例− 図1〜図7を参照して、本発明による半導体装置の製造
方法の第1実施例を説明する。本実施例の製造方法は、
いわゆるトップゲート型のMOSトランジスタを製造す
るための方法である。
【0014】(a) まず、図1(a)および図2に示すよ
うに、シリコン基板21上に酸化シリコン膜22を形成
し、この酸化膜22の上にアモルファスシリコン膜23
を形成する。アモルファスシリコン膜23は、プラズマ
CVD法や減圧CVD法などの既知の方法により形成す
る。この後、アモルファスシリコン膜23のうちMOS
トランジスタとして使用しない不必要な部分をフォトエ
ッチ等の手法により除去し、常圧CVD法などによりア
モルファスシリコン膜23の上面および側面にゲート酸
化膜24を形成する。
【0015】(b) 次に、図1(b)および図3に示すよ
うに、プラズマCVD法などによりゲート酸化膜24の
上に高濃度アモルファスシリコン膜等を形成し、不必要
な部分をフォトエッチ等の手法により除去してゲート電
極25を形成する。アモルファスシリコン膜23のう
ち、ゲート電極25直下の領域はMOSトランジスタの
チャネル領域35に相当し、ゲート電極25の左右の領
域はソース領域、ドレイン領域34に相当する(図1
(f)および図7参照)。この後、ゲート電極25の上面
および側面に酸化膜26を形成する。ゲート電極25
は、後のイオン注入工程、不純物拡散工程においてセル
フアラインゲートとして作用する。
【0016】(c) 図1(c)および図4に示すように、
ゲート電極25をマスクとしてイオン打込み法などによ
りSi+イオン、P+イオンなどのイオン27をソース領
域、ドレイン領域34となるべきアモルファスシリコン
膜23の領域に注入し、イオン注入層28を形成する。
【0017】アモルファスシリコン膜23内に注入され
たイオンはこのアモルファスシリコン膜23にストレス
を与え、結晶化を引き起こす(1991年春季応用物理学会
学術講演会予稿集, 28a-X-1, pp.607 (1991)参照)。
図8は、結晶成長工程の一例である固相成長アニール時
間とアモルファスシリコン内におけるシリコン多結晶成
長距離との関係を示す図である。アニール時間とアモル
ファスシリコン内におけるシリコン多結晶成長距離との
間には比例関係があり、結晶核の有無によってその関係
は異なる。具体的には、結晶核が既にアモルファスシリ
コン内に存在する場合は、結晶核が存在しない場合に比
較して結晶成長が早く開始し、同じアニール時間であれ
ば結晶成長距離は長くなる。
【0018】(d) そして、イオン注入されたアモルフ
ァスシリコン膜23を半導体基板21ごと600℃の温度
で数十時間熱処理して固相成長アニールを行う。アニー
ルによりアモルファスシリコン膜23内に結晶核が発生
し、この結晶核23から結晶が成長するが、上述のごと
くイオン注入層28には、イオン注入の時点で既に結晶
核が形成されており、この結晶核からチャネル領域35
に向かって結晶成長が進み、アモルファスシリコン膜2
3内で自然発生的に結晶核が生じる前にこのアモルファ
スシリコン膜23が結晶化し、図1(d)および図5に示
すように、チャネル領域35の中央に結晶粒界29が存
在する多結晶シリコン層30が形成される。
【0019】アモルファスシリコン膜23内で自然発生
的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜2
3を結晶化し、チャネル領域35の中央に結晶粒界29
が存在する多結晶シリコン層30を形成する条件は、イ
オン注入量およびゲート電極25の長さ(図1(c)およ
び図4にWで示す)により与えられる。図8の「結晶核
なし」の関係から理解できるように、結晶核が自然発生
的に発生して結晶成長が開始するまでには相当の時間が
かかるため(図示例では約16時間)、この時間に対応す
る多結晶シリコン層30の結晶成長距離の2倍以下にゲ
ート電極25の長さWを設定する。例えば、図8の結晶
核ありのデータを用いると、16時間のアニールにより結
晶が成長する距離は約2.0μmであるから、ゲート電極
25の長さW≦4.0μmとなる。
【0020】本実施例では、ゲート電極25の長さWが
上述の条件を満足するように定められているので、アモ
ルファスシリコン膜23内に自然発生的に結晶核が発生
する前にイオン注入層28から結晶成長が始まり、自然
発生的に結晶核が発生する前にアモルファスシリコン層
23全体が結晶化されて多結晶シリコン膜30が形成さ
れる。この際、チャネル領域35内における結晶成長速
度は均一であると考えて支障ないので、チャネル領域3
5左右から中央に向かう結晶成長は均等に進行し、この
領域35中央において結晶粒界29が生じる。
【0021】(e) 図1(e)および図6に示すように、
ゲート電極25をマスクとしてイオン打込み法などによ
りN型不純物イオンを多結晶シリコン膜30に注入し、
N型ソース領域、N型ドレイン領域34をそれぞれ形成
する。ついで、PSGなどの層間絶縁膜31をCVD法
により上面に形成する。
【0022】(f) そして、層間絶縁膜31にコンタク
トホールを穿設した後、このコンタクトホール内に金属
電極32を形成し、最後に保護膜33となる絶縁膜をC
VD法などにより形成すれば、図1(f)および図7に示
すようなMOSトランジスタ36を製造することができ
る。
【0023】したがって、本実施例によれば、自然発生
的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜2
3を結晶化してチャネル領域35の中央に結晶粒界29
が存在する多結晶シリコン層30を形成しており、結晶
粒界29の個数および位置を厳密に制御した多結晶シリ
コン層30を形成しているので、MOSトランジスタの
キャリア移動度といった素子特性のばらつきを十分抑制
することができ、所望の素子特性を得ることが可能とな
る。これにより、MOSトランジスタの歩留りを向上さ
せることができ、製造コストの低減を図ることが可能と
なる。しかも、結晶核たるイオン注入層28を形成すべ
き領域はセルフアラインゲートたるゲート電極25によ
り位置決めされるため、結晶粒界29の位置制御も容易
である。
【0024】なお、アニール時間が短い場合、あるいは
ゲート電極25の長さが大きい場合、図9に示すように
結晶粒界29がチャネル領域35内に複数生じてしまう
こともあるが、この場合においても結晶粒界29の個数
および位置はアニール時間あるいはゲート電極25の長
さにより定まる特定の個数および位置をとるため、素子
特性のばらつきは依然抑制されている。
【0025】−第2実施例− 図10〜図15を参照して、本発明による半導体装置の
製造方法の第2実施例を説明する。本実施例の製造方法
も、上述の第1実施例と同様にMOSトランジスタの製
造方法であるが、本実施例はいわゆるボトムゲート型の
MOSトランジスタを製造するための方法である。
【0026】(a) 図10に示すように、シリコン基板
41上に酸化シリコン膜42を形成した後、プラズマC
VD法などによりこの酸化膜42の上に高濃度アモルフ
ァスシリコン膜等を形成し、不必要な部分をフォトエッ
チ等の手法により除去してゲート電極43を形成する。
この後、ゲート電極43の上面および側面に酸化膜44
を形成する。
【0027】ゲート電極43の長さWは、後述する窒化
シリコン膜からの結晶成長速度を考慮して、上述の第1
実施例と同様にアモルファスシリコン膜内で自然発生的
に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜を結
晶化し、チャネル領域の中央に結晶粒界が存在する多結
晶シリコン層を形成する条件を満足するように定められ
ている。
【0028】(b) 次に、プラズマCVD法などにより
窒化シリコン膜を全面に形成した後、この窒化シリコン
膜を反応性イオンエッチングにより選択的にエッチし、
図11に示すようにゲート電極43の側壁にのみ窒化シ
リコン膜45を残してそれ以外の窒化シリコン膜を除去
する。窒化シリコン膜45は、アモルファスシリコン膜
との境界部において結晶核形成のための化学ポテンシャ
ルエネルギーを低下させる作用を有し、この境界部にお
いて結晶核生成速度を早める。
【0029】(c) プラズマCVD法などによりアモル
ファスシリコン膜を全面に形成した後、MOSトランジ
スタとして使用しない不必要な部分をフォトエッチ等の
手法により除去し、図12に示すようなアモルファスシ
リコン膜46を形成する。アモルファスシリコン膜46
のうち、ゲート電極43直上の領域はMOSトランジス
タのチャネル領域55に相当し、ゲート電極43の左右
の領域はソース領域、ドレイン領域54に相当する(図
15参照)。
【0030】(d) そして、アモルファスシリコン膜4
6を半導体基板41ごと600℃の温度で数十時間熱処理
して固相成長アニールを行う。アニールによりアモルフ
ァスシリコン膜46内に結晶核が発生し、この結晶核4
6から結晶が成長するが、上述のごとく窒化シリコン膜
45に接する部分は他の部分に比較して結晶核発生速度
が速いため、まず窒化シリコン膜45との境界面におい
て結晶核が選択的に発生してアモルファスシリコン膜4
6が結晶化し、アモルファスシリコン膜46内で自然発
生的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜
46が全て結晶化し、図13に示すように、チャネル領
域55の中央に結晶粒界49が存在する多結晶シリコン
層50が形成される。
【0031】(e) 図14に示すように、イオン打込み
法などによりN型不純物イオンを多結晶シリコン膜50
に注入し、N型ソース領域、N型ドレイン領域54をそ
れぞれ形成する。ついで、PSGなどの層間絶縁膜51
をCVD法により上面に形成する。
【0032】(f) そして、層間絶縁膜51にコンタク
トホールを穿設した後、このコンタクトホール内に金属
電極52を形成し、最後に保護膜53となる絶縁膜をC
VD法などにより形成すれば、図15に示すようなMO
Sトランジスタ56を製造することができる。
【0033】したがって、本実施例によれば、自然発生
的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜4
6を結晶化してチャネル領域55の中央に結晶粒界49
が存在する多結晶シリコン層50を形成しており、結晶
粒界49の個数および位置を厳密に制御した多結晶シリ
コン層50を形成しているので、上述の第1実施例と同
様に素子特性のばらつきを十分抑制することができ、所
望の素子特性を得ることが可能となる。
【0034】−第2実施例の変形例− 上述の第2実施例においては、結晶核の発生位置はゲー
ト電極43の長さ方向においてその両端(つまり窒化シ
リコン膜45との境界)に制御されているが、ゲート電
極43の幅方向(図10〜図15において紙面に直交す
る方向)においては不定であり、結晶核がランダムに発
生する可能性がある。
【0035】図16は、第2実施例のMOSトランジス
タ56を示す平面図である。この図において、57は電
極用コンタクトホールであり、既に説明した構成要素に
ついては同一の符号を付してその説明を省略する。ま
た、図示の簡略化のために金属配線、保護膜の図示を省
略している。窒化シリコン膜45はゲート電極43の長
さ方向全長にわたって延在するため、結晶核はこの長さ
方向に沿ってランダムに発生し、一例として図中59に
示すような位置に発生する。これら結晶核59から結晶
が成長すると、ゲート電極43の幅方向に延在する結晶
粒界49aは1つしか存在しないが、ゲート電極43の
長さ方向に延在する結晶粒界49bは複数存在し得る。
この結晶粒界49bは、MOSトランジスタ56のキャ
リア移動度にほとんど影響を及ぼさず、わずかにソース
・ドレイン間リーク電流に影響を及ぼすのみであって素
子特性の劣化を招くことは少ないが、第2実施例と同様
の手法を用いてバイポーラ型半導体装置を製造する場合
はその電流増幅率等に大きな影響を及ぼし得る。
【0036】そこで、図17に示すように、反応性イオ
ンエッチングにより窒化シリコン膜を選択的にエッチし
てゲート電極43の側壁にのみ窒化シリコン膜を残した
後、さらにフォトエッチによりゲート電極43の長さ方
向中央部にのみ窒化シリコン膜45´を残す。結晶核5
9は、この窒化シリコン膜45´とアモルファスシリコ
ン膜46との境界部たる限られた領域にしか発生せず、
図17に示すようにソース領域、ドレイン領域54それ
ぞれに1箇所程度しか発生しない。これにより、チャネ
ル領域55内の結晶粒界49をゲート電極43の幅方向
に延在するもの49aのみとすることができ、MOSト
ランジスタのみならずバイポーラ型半導体装置の素子特
性のばらつきを抑制することが可能となる。なお、上述
の変形例では第2実施例を例にとって説明したが、第1
実施例の構成であっても同様の変形が可能である。
【0037】−第3実施例− 図18〜図25を参照して、本発明による半導体装置の
製造方法の第3実施例を説明する。本実施例の製造方法
も、上述の第1実施例と同様にトップゲート型のMOS
トランジスタを製造するための方法である。
【0038】(a) まず、図18に示すように、シリコ
ン基板61上に酸化シリコン膜62を形成し、プラズマ
CVD法などによりこの酸化膜62の上にアモルファス
シリコン膜63を形成する。この後、アモルファスシリ
コン膜63のうちMOSトランジスタとして使用しない
不必要な部分をフォトエッチ等の手法により除去し、常
圧CVD法などによりアモルファスシリコン膜63の上
面および側面にゲート酸化膜64を形成する。
【0039】(b) 次に、図19に示すように、プラズ
マCVD法などによりゲート酸化膜64の上に高濃度ア
モルファスシリコン膜等を形成し、不必要な部分をフォ
トエッチ等の手法により除去してゲート電極65を形成
する。アモルファスシリコン膜63のうち、ゲート電極
65直下の領域はMOSトランジスタのチャネル領域7
5に相当し、ゲート電極65の左右の領域はソース領
域、ドレイン領域74に相当する(図24参照)。この
後、ゲート電極65の上面および側面に酸化膜66を形
成する。
【0040】ゲート電極65は、後のイオン注入工程、
不純物拡散工程においてセルフアラインマスクとして作
用する。また、ゲート電極65の長さWは、後述するレ
ーザ再結晶化層からの結晶成長速度を考慮して、上述の
第1、第2実施例と同様にアモルファスシリコン膜内で
自然発生的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリ
コン膜を結晶化し、チャネル領域の中央に結晶粒界が存
在する多結晶シリコン層を形成する条件を満足するよう
に定められている。
【0041】(c) 図20に示すように、ゲート電極6
5をマスクとしてエキシマレーザ、電子ビームなどのエ
ネルギービーム67をソース領域、ドレイン領域74と
なるべきアモルファスシリコン膜63の領域に照射し、
この領域のアモルファスシリコン膜63を溶融再結晶化
してレーザ再結晶化層68を形成する。レーザー再結晶
化層68は多結晶シリコン層であり、この再結晶化層6
8は全体として後述の結晶核として作用する。したがっ
て、本実施例における結晶成長速度は、図9において
「結晶核あり」で示された関係に従う。
【0042】(d) そして、レーザ再結晶化層68が形
成されたアモルファスシリコン膜63を半導体基板61
ごと600℃の温度で数十時間熱処理して固相成長アニー
ルを行う。アニールによりアモルファスシリコン膜63
内に結晶核が発生し、この結晶核63から結晶が成長す
るが、上述のごとくレーザ再結晶化層68はそのまま結
晶核として作用するため、まず再結晶化層68との境界
面からチャネル領域75内に向かって結晶成長が開始
し、アモルファスシリコン膜63内で自然発生的に結晶
核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜63が結晶
化し、図21に示すように、チャネル領域75の中央に
結晶粒界69が存在する多結晶シリコン層70が形成さ
れる。
【0043】(e) 図22に示すように、ゲート電極6
5をマスクとしてイオン打込み法などによりN型不純物
イオンを多結晶シリコン膜70に注入し、N型ソース領
域、N型ドレイン領域74をそれぞれ形成する。つい
で、PSGなどの層間絶縁膜71をCVD法により上面
に形成する。
【0044】(f) そして、層間絶縁膜71にコンタク
トホールを穿設した後、このコンタクトホール内に金属
電極72を形成し、最後に保護膜73となる絶縁膜をC
VD法などにより形成すれば、図23に示すようなMO
Sトランジスタ76を製造することができる。
【0045】したがって、本実施例によれば、自然発生
的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜6
3を結晶化してチャネル領域75の中央に結晶粒界69
が存在する多結晶シリコン層70を形成しており、結晶
粒界69の個数および位置を厳密に制御した多結晶シリ
コン層70を形成しているので、上述の第1、第2実施
例と同様に素子特性のばらつきを十分抑制することがで
き、所望の素子特性を得ることが可能となる。
【0046】特に、本実施例によれば、ゲート電極65
の幅方向(図18〜図23において紙面に直交する方
向)に延在する結晶粒界69の制御も行うことができ
る、という利点がある。これを、第1実施例と比較して
説明する。図24は、第1実施例のMOSトランジスタ
36を上から見た状態を示す概念図である。この図にお
いて、37は電極用コンタクトホールであり、既に説明
した構成要素については同一の符号を付してその説明を
省略する。また、図示の簡略化のために金属配線、保護
膜の図示を省略しており、かつ、本来はゲート電極25
の下に隠れている結晶粒界29も明示してある。
【0047】イオン注入層28はソース領域、ドレイン
領域34に対応する領域全体に形成され、チャネル領域
35との境界部はゲート電極25の幅方向全長にわたっ
て延在するため、結晶核はこの幅方向に沿ってランダム
に発生し、一例として図中39に示すような位置に発生
する。これら結晶核39から結晶が成長すると、ゲート
電極25の幅方向に延在する結晶粒界29aは1つしか
存在しないが、ゲート電極25の長さ方向に延在する結
晶粒界29bは複数存在し得る。この結晶粒界29b
は、上述のごとくMOS型半導体装置の素子特性の劣化
を招くことは少ないが、第1実施例と同様の手法を用い
てバイポーラ型半導体装置を製造する場合はその電流増
幅率等に大きな影響を及ぼし得る。
【0048】しかしながら、図25に示すように、第3
実施例の構成においては上述のごとくレーザ再結晶化層
68は全体として1つの結晶核(すなわち面状核)とし
て作用するため、ゲート電極65の幅方向に沿っても均
一な結晶成長が行われ、図示のようにチャネル領域75
内の結晶粒界69をゲート電極65の幅方向に延在する
もの69aのみとすることができる。これにより、MO
Sトランジスタのみならずバイポーラ型半導体装置の素
子特性のばらつきを抑制することが可能となる。なお、
図中77は電極用コンタクトホールである。
【0049】−第4実施例− 図26は、本発明による半導体装置の製造方法の第4実
施例により製造されたバイポーラトランジスタを示す断
面図、図27は同概念平面図である。本実施例の製造方
法は、いわゆる二重拡散法を用いた横型バイポーラトラ
ンジスタを製造するための方法である。製造方法の詳細
は、たとえば米国特許第4,897,698号に開示されてお
り、本実施例ではその概略のみ説明する。
【0050】まず、シリコン基板81上に酸化シリコン
膜82を形成し、プラズマCVD法などによりこの酸化
膜82の上にアモルファスシリコン膜を形成する。この
後、アモルファスシリコン膜にN型不純物を導入してこ
のアモルファスシリコン膜をN-型にドープしてから、
アモルファスシリコン膜のうちバイポーラトランジスタ
として使用しない不必要な部分をフォトエッチ等の手法
により除去し、常圧CVD法などによりアモルファスシ
リコン膜の上面および側面に酸化膜84を形成する。
【0051】次に、酸化膜84の上にマスク85を形成
し、不必要な部分をフォトエッチ等の手法により除去す
る。マスク85の長さWは、イオン注入層からの結晶成
長速度を考慮して、上述の第1〜第3実施例と同様にア
モルファスシリコン膜内で自然発生的に結晶核が生じる
前にこのアモルファスシリコン膜を結晶化し、マスク8
5直下の領域の中央に結晶粒界が存在する多結晶シリコ
ン層を形成する条件を満足するように定められている。
【0052】この後、イオン打込み法などによりイオン
をマスク85の両側にあるアモルファスシリコン膜に注
入し、イオン注入層を形成する。そして、イオン注入さ
れたアモルファスシリコン膜を半導体基板81ごと600
℃の温度で数十時間熱処理して固相成長アニールを行
う。イオン注入層は、上述のごとく結晶核が既に形成さ
れているため、アモルファスシリコン膜内へ結晶成長が
起こり、アモルファスシリコン膜内で自然発生的に結晶
核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜が結晶化
し、マスク85直下の領域の中央に結晶粒界89が存在
する多結晶シリコン層90が形成される。
【0053】さらに、別のマスクを用いてマスク85の
片側(図示例では左側)の多結晶シリコン層90からP
型不純物を拡散し、マスク85直下の領域にまで至るP
型ベース領域91を形成する。ついで、マスク85の両
側の多結晶シリコン層90からN型不純物を注入し、こ
のマスク85の両側にそれぞれN+型エミッタ領域9
2、N+型コレクタコンタクト領域93をそれぞれ形成
する。なお、マスク85直下に残された多結晶シリコン
層90はコレクタ領域94となる。ついで、PSGなど
の層間絶縁膜95をCVD法により上面に形成する。
【0054】そして、層間絶縁膜95にコンタクトホー
ル96を穿設した後、このコンタクトホール96内に金
属電極97を形成し、最後に保護膜98となる絶縁膜を
CVD法などにより形成すれば、図26および図27に
示すようなバイポーラトランジスタ99を製造すること
ができる。
【0055】したがって、本実施例によれば、自然発生
的に結晶核が生じる前にアモルファスシリコン膜を結晶
化してマスク85直下の領域の中央に結晶粒界89が存
在する多結晶シリコン層90を形成しており、結晶粒界
89の個数および位置を厳密に制御した多結晶シリコン
層90を形成しているので、上述の第1、第2実施例と
同様にバイポーラトランジスタの電流増幅率といった素
子特性のばらつきを十分抑制することができ、所望の素
子特性を得ることが可能となる。
【0056】加えて、本実施例では、結晶粒界89がマ
スク85直下の領域の中央位置に制御されているので、
ベース領域91の拡散時にこの領域91が結晶粒界89
に到達することがない。したがって、結晶粒界89の存
在しない結晶性のよい部分にベース領域91を必ず形成
することができ、特性のきわめて良好なバイポーラ型半
導体装置を製造することができる、という利点がある。
なお、本実施例ではイオン注入層を形成して結晶核を発
生させていたが、上述の第3実施例のようにレーザ照射
により再結晶化層を形成して結晶核を設けてもよい。
【0057】−第5実施例− 上述の各実施例では、チャネル領域などの両側から結晶
成長を行ってこの領域の中央に結晶粒界を形成していた
が、チャネル領域などの長さが十分狭くて結晶成長距離
を上回るのであれば、この領域の片側からのみ結晶成長
を行ってもよい。
【0058】図28に示す例では、上述の第2実施例に
おいて、ゲート電極43の側壁の片側にのみ窒化シリコ
ン膜45を形成し、この窒化シリコン膜45からのみ結
晶成長を行っている。この際、素子の左右形状を対称に
するため、一方のゲート電極43の側壁43aを異方性
エッチングにより垂直に形成して窒化シリコン膜45を
形成し、他方の側壁43bを等方性エッチングにより斜
めに形成する。上述の各実施例と同様に、アモルファス
シリコン膜46を半導体基板41ごと600℃の温度で数
十時間熱処理して固相成長アニールを行うと、まず窒化
シリコン膜45との境界面において結晶核が選択的に発
生してアモルファスシリコン膜46が結晶化する。そし
て、アモルファスシリコン膜46内で自然発生的に結晶
核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜46が全て
結晶化し、図29に示すように、チャネル領域55を越
えて一方のソース領域またはドレイン領域54(図示例
では右側の領域)に結晶粒界49が存在する多結晶シリ
コン層50が形成される。
【0059】アモルファスシリコン膜46内で自然発生
的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜4
6を結晶化し、チャネル領域55を越えて一方のソース
領域またはドレイン領域54に結晶粒界49が存在する
多結晶シリコン層50を形成する条件は、第2実施例と
同様にゲート電極43の長さにより与えられる。すなわ
ち、結晶核が自然発生的に生じて結晶成長が開始するま
での時間を求め、この時間内で成長する結晶の距離以下
となるようにゲート電極43の長さを設定すればよい。
【0060】また、図30に示す例では、上述の第3実
施例において、マスク79を用いてソース領域、ドレイ
ン領域74の一方にのみレーザ再結晶化層68を形成
し、このレーザ再結晶化層68からのみ結晶成長を行っ
ている。この状態で、上述の各実施例と同様に、アモル
ファスシリコン膜63を半導体基板61ごと600℃の温
度で数十時間熱処理して固相成長アニールを行うと、ま
ず再結晶化層68との境界面からチャネル領域75内に
向かって結晶成長が開始し、アモルファスシリコン膜6
3内で自然発生的に結晶核が生じる前にこのアモルファ
スシリコン膜63が結晶化し、図31に示すように、チ
ャネル領域75を越えて一方のソース領域またはドレイ
ン領域74(図示例では右側の領域)に結晶粒界69が
存在する多結晶シリコン層70が形成される。
【0061】なお、アモルファスシリコン膜63内で自
然発生的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコ
ン膜63を結晶化し、チャネル領域75を越えて一方の
ソース領域またはドレイン領域74に結晶粒界69が存
在する多結晶シリコン層70を形成する条件は図28に
示す例と同様であるので説明を省略する。
【0062】したがって、本実施例によれば、自然発生
的に結晶核が生じる前にこのアモルファスシリコン膜4
6、63を結晶化してチャネル領域55、75を越えて
一方のソース領域またはドレイン領域54、74に結晶
粒界49、69が存在する多結晶シリコン層50、70
をを形成しており、結晶粒界69の個数および位置を厳
密に制御した多結晶シリコン層70を形成しているの
で、上述の第1〜第4実施例と同様に素子特性のばらつ
きを十分抑制することができ、所望の素子特性を得るこ
とが可能となる。
【0063】特に、本実施例では活性領域たるチャネル
領域55、75に結晶粒界49、69が存在しないよう
にこの結晶粒界49、69の位置を制御しているので、
特性のきわめて良好なMOS型半導体装置を製造するこ
とができる、という利点がある。また、図38の断面図
に示すように図31のソース領域,ドレイン領域74を
エミッタ領域,コレクタ領域101と置き換え、チャネ
ル領域75をベース領域102と置き換え、さらに図3
9に示すようにベース領域からの電極引出し領域103
を形成すると本実施例に示した結晶粒界制御手法を用い
たラテラル型バイポーラトランジスタを形成することが
できる。以上の説明において、イオン注入層28、窒化
シリコン膜45、レーザ再結晶化層68はそれぞれ結晶
制御領域を構成している。
【0064】なお、本発明の半導体装置の製造方法は、
その細部が上述の各実施例に限定されず、種々の変形が
可能である。一例として、各実施例はMOS型半導体装
置、バイポーラ型半導体装置のいずれにも適用可能であ
る。また、上述の実施例ではN型、またはNPN型の半
導体装置について説明したが、P型、PNP型の半導体
装置であってもよく、導電型には限定はない。さらに、
上述の第4実施例は二重拡散型バイポーラトランジスタ
の製造方法に適用されていたが、これ以外の方式のバイ
ポーラトランジスタの製造方法にも適用可能である。加
えて、注入すべきイオンの種類はシリコンイオンに限定
されず、リン,ボロン,ひ素,ゲルマニウム等のイオン
であってもよい。
【0065】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、結晶制御領域から結晶成長が進行してマスク直下
の略全領域が結晶化されるまでの時間が、結晶制御領域
を形成しない場合にマスク直下の領域で結晶化が始まる
までの時間より短くなるようにマスク長を設定したの
で、このマスク直下の領域では結晶制御領域から結晶成
長が進行して結晶化され、その領域内だけで結晶化が始
まらない。したがって、結晶制御領域がマスクの片側に
のみ設けられた場合はマスク直下の領域内に結晶粒界は
存在せず、マスクの両側に設けられた場合はマスク直下
の領域の中央にのみ結晶粒界が存在する。このように、
本発明によれば、マスク直下の領域内に存在する結晶粒
界の個数を極めて少なく(存在しないあるいは1個のみ
と)することができるとともに、結晶制御領域の位置に
より結晶粒界の位置を厳密に制御することが可能とな
る。これにより、キャリア移動度、電流増幅率といった
素子特性のばらつきを十分抑制することができ、所望の
素子特性を得ることが可能となるとともに半導体装置の
歩留りを向上させることができ、製造コストの低減を図
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるMOSトランジスタ
の製造方法を説明するための工程図である。
【図2】図1と同様の工程図である。
【図3】図1と同様の工程図である。
【図4】図1と同様の工程図である。
【図5】図1と同様の工程図である。
【図6】図1と同様の工程図である。
【図7】図1と同様の工程図である。
【図8】固相成長アニール時間と結晶成長距離との関係
を示す図である。
【図9】第1実施例の変形例により製造されたMOSト
ランジスタを示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施例であるMOSトランジス
タの製造方法を説明するための工程図である。
【図11】図10と同様の工程図である。
【図12】図10と同様の工程図である。
【図13】図10と同様の工程図である。
【図14】図10と同様の工程図である。
【図15】図10と同様の工程図である。
【図16】第2実施例の製造方法により製造されたMO
Sトランジスタを示す概念平面図である。
【図17】第2実施例の変形例により製造されたMOS
トランジスタを示す概念平面図である。
【図18】本発明の第3実施例であるMOSトランジス
タの製造方法を説明するための工程図である。
【図19】図18と同様の工程図である。
【図20】図18と同様の工程図である。
【図21】図18と同様の工程図である。
【図22】図18と同様の工程図である。
【図23】図18と同様の工程図である。
【図24】第1実施例の製造方法により製造されたMO
Sトランジスタを示す概念平面図である。
【図25】第3実施例の製造方法により製造されたMO
Sトランジスタを示す概念平面図である。
【図26】本発明の第4実施例であるバイポーラトラン
ジスタの製造方法により製造されたバイポーラトランジ
スタを示す断面図である。
【図27】バイポーラトランジスタの概念平面図であ
る。
【図28】本発明の第5実施例であるMOSトランジス
タの製造方法を説明するための工程図である。
【図29】図28と同様の工程図である。
【図30】第5実施例の変形例であるMOSトランジス
タの製造方法を説明するための工程図である。
【図31】図30と同様の工程図である。
【図32】従来のMOSトランジスタの製造方法の一例
を説明するための工程図である。
【図33】図32と同様の工程図である。
【図34】図32と同様の工程図である。
【図35】図32と同様の工程図である。
【図36】従来のMOSトランジスタの製造方法の他の
例を説明するための断面図である。
【図37】熱処理時間と結晶化割合との関係を示す図で
ある。
【図38】本発明が適用されたバイポーラトランジスタ
を示す断面図である。
【図39】同バイポーラトランジスタの平面図である。
【符号の説明】
21、41、61、81 シリコン基板 22、42、62、82 酸化膜 23、46、63 アモルファスシリコン層 24、44、64 ゲート酸化膜 25、43、65 ゲート電極 27 イオン 28 イオン注入層 29、49、69、89 結晶粒界 30、50、70、90 多結晶シリコン層 34、54、74 ソース領域、ドレイン領域 35、55、75 チャネル領域 45 窒化シリコン膜 39、59 結晶核 67 エネルギービーム 68 再結晶化層 79、85 マスク 91 ベース領域 92 エミッタ領域 93 コレクタ領域 94 コレクタコンタクト領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲートによりその領域が定められるチャ
    ネル領域を挾んでソース領域、ドレイン領域がそれぞれ
    形成されたMOS型半導体装置の製造方法において、 半導体基板上に形成された非晶質半導体層のうちソース
    領域、ドレイン領域となるべき領域の少なくとも一方に
    結晶制御領域を形成する工程と、 前記結晶制御領域からチャネル領域となるべき領域に向
    けて結晶成長を進行させて多結晶半導体層を形成する工
    程と、 前記チャネル領域となるべき領域を挾んでソース領域、
    ドレイン領域をそれぞれ形成する工程とを備え、 前記結晶制御領域から結晶成長が進行して前記チャネル
    領域の略全領域が結晶化されるまでの時間が、前記結晶
    制御領域を形成しない場合に前記チャネル領域で結晶化
    が始まるまでの時間より短くなるように前記ゲート長を
    設定したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体層上に形成されたマスクの直下の
    領域の少なくとも一部にベース領域が形成され、このベ
    ース領域を挾んでエミッタ領域およびコレクタ領域がそ
    れぞれ形成されたバイポーラ型半導体装置の製造方法に
    おいて、 半導体基板上の非晶質半導体層のうちエミッタ領域とな
    るべき領域に結晶制御領域を形成する工程と、 前記結晶制御領域からベース領域となるべき領域に向け
    て結晶成長を進行させて多結晶半導体層を形成する工程
    と、 前記マスクを用いてエミッタ領域となるべき領域から不
    純物を導入し、少なくともその一部が前記マスク直下の
    領域にまで至るベース領域を形成する工程と、 前記マスクを用いて不純物を導入し、前記マスク直下の
    領域内に前記ベース領域を残した状態でエミッタ領域お
    よびコレクタ領域をそれぞれ形成する工程とを備え、 前記結晶成長工程における結晶粒界が前記ベース領域と
    前記コレクタ領域との接合部よりもコレクタ領域側に入
    るように前記結晶成長条件を定めたことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 マスクによりその領域が規定される活性
    領域を挾んで2つの接合領域が形成された半導体装置の
    製造方法において、 半導体基板上の非晶質半導体層のうち前記接合領域とな
    るべき領域の少なくとも一方に結晶制御領域を形成する
    工程と、 前記結晶制御領域から前記活性領域に向けて結晶成長を
    進行させて多結晶半導体層を形成する工程とを備え、 前記結晶制御領域から結晶成長が進行して前記活性領域
    の略全領域が結晶化されるまでの時間が、前記結晶制御
    領域を形成しない場合に前記活性領域で結晶化が始まる
    までの時間より短くなるように前記マスクの長さを設定
    したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の半導体装
    置の製造方法において、 前記結晶制御領域は、前記非晶質半導体層にイオンを注
    入して形成したイオン注入層であることを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3に記載の半導体装
    置の製造方法において、 前記結晶制御領域は、前記非晶質半導体層との境界面に
    おいて結晶核形成のための化学的ポテンシャルが前記非
    晶質半導体層内のそれよりも低い領域であることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3に記載の半導体装
    置の製造方法において、 前記結晶制御領域は、前記非晶質半導体層の少なくとも
    一方の側の領域にエネルギービームを照射して形成した
    再結晶化領域であることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
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