JPH0685184U - 乗用型傾斜作業車両における操縦装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一方に傾斜した作業車両に対し座席を水平と
した場合にあっても、運転者と操作盤との距離を一定に
して、運転者が座席に座ったまま、各種の運転操縦操作
を楽な姿勢で確実、安全に行うことができる許りか、運
転者の乗り降りが容易にできる。 【構成】 作業車両１の運転室３に軸支ピン１１を軸と
して進行方向に対し左右方向に傾動調節ができる座席５
を設ける。座席５の側方には上下回動調節ができる肘掛
け１８，１８を設けるとともに、何れか一方の肘掛け１
８の前端側には、各種運転操縦部材２１を備えた操作盤
２０を設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、作業車両が一方に傾いた状態のもとで各種の農作業を行った場合に あっても、運転者が水平となった座席に座ったまま身近にある各種運転操縦部材 を楽な姿勢のまま確実、安全に操縦することができる乗用型傾斜作業車両におけ る操縦装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、堤防等の斜面の草刈作業に際し、運転者が水平状態に調節された座席に 座った状態のまま、楽でかつ安全な姿勢で草刈作業ができるようにするために、 作業車の運転室に、軸支ピンを軸として進行方向に対し左右方向に傾動調節がで きる座席を配設した乗用型斜面草刈作業機における座席水平調節装置は、本出願 前例えば実開平１−１６１１１９号公報に記載されて公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従前のこの種作業車においては、作業機昇降スイッチレバー、作業 機ＰＴＯクラッチのスイッチレバー、座席水平制御スイッチレバー等の各種運転 操縦部材は総て運転席や座席の前部側あるいは側部に配置されていたものである 。

【０００４】 したがって、特に傾斜地において楽な姿勢のもとで安全に農作業を達成させる ため、一方に傾斜した作業車に対し座席を水平に調整した場合には、前記各運転 操縦部材が運転者より遠く離れ過ぎたり、あるいは近づき過ぎたりして適正な距 離を得ることができないので、操縦がやりにくくなるは勿論のこと、安全上にお いても多くの問題点を有していた。

【０００５】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、座席の側方に上下回動調節自在に設けた肘掛けに、 各種運転操縦部材を備えた操作盤を設けて、たとえ一方に傾斜した作業車両に対 し座席を水平とした場合にあっても、運転者と操作盤との距離を常に一定化して 、運転者が水平となった座席に座ったまま楽な姿勢で確実、安全に操縦すること ができる許りか、運転者の乗り降りが容易にできる乗用型傾斜作業車両における 操縦装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の乗用型傾斜作業車両における操縦装置は 、作業車両の運転室に軸支ピンを軸として進行方向に対し左右方向に傾動調節が できる座席を配設したものにおいて、前記座席の側方には各種運転操縦部材を備 えた操作盤を配設した肘掛けを設けたものである。

【０００７】 そして、座席の左右側方には上下回動調節自在の肘掛けを設けるとともに、左 右何れか一方の肘掛けの前端側には各種運転操縦部材を備えた操作盤を設けたも のである。

【０００８】

【作用】

今、堤防等の斜面の草刈作業を行う場合には、運転者は座席に座ったまま、座 席側方の肘掛けに設けられた操作盤の作業機昇降スイッチレバー、作業機ＰＴＯ クラッチレバーおよび座席種塀制御スイッチレバー等を操作して刈高さを適正状 態に調節するとともに、座席をシリンダの作動で水平状態に調節する。

【０００９】 さすれば、運転者は常に水平状態に保持された座席に座ったまま進行する作業 機により円滑な草刈作業を達成させることができる許りか、たとえ作業車両が傾 斜状態となっても、操作盤が座席の側方に、上下回動調節自在となるように設け られた肘掛けの前端側に配置されているので、運転者と操作盤との距離を常に一 定として楽な姿勢のもとで確実、安全に操縦することができる許りか、肘掛けは 上下に回動調節できるため、運転者の乗り降りに際し何等邪魔となることがない 。

【００１０】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 図１ないし図３において、１は、作業車両であって、この作業車両１の前部に は草刈機等の作業機２が昇降調節自在で、かつ着脱自在に装着されており、作業 車両１の前部一側には運転室３が、また他側には原動機室４がそれぞれ設けられ ている。運転室３には、運転者が座る座席５が設けられており、この座席５は、 作業車両１の傾斜にかかわらず水平状態に保持できるようになっている。 すなわち、運転室２の後部側には、基台６が長孔７・・・・に沿って作業車両 １の進行方向に向け前後に移動調節ができるように長孔７・・・・に挿入した緊 定ボルト８・・・・により固定されている。そして、基台６の略中央の前後位置 には一対の軸受金具９，９が立設されており、前記座席５は、裏側の前後位置に 下向きに装着した一対の支持金具１０，１０を軸支ピン１１を介し一対の軸受金 具９，９に軸支することにより、軸支ピン１１を軸として作業車両１の進行方向 に対し左右方向に傾動できるように設けられている。１２は、シリンダであって 、該シリンダ１２は基台６の後方一側において基端側を一対のアーム１３，１３ とピン１４とにより左右方向に回動できるように枢支され、シリンダ１２のピス トン杆１５の先端側は取付ピン１６を介して座席５の背面側に設けた背もたれ部 １７に枢着されている。前記シリンダ１２は、油圧式、空気圧式あるいは電動式 の何れであってもよい。 座席５の背面側に、リクライニングレバー２５の回動調節作動で後方への傾斜 角度を自由に調節できるように設けられた背もたれ部１７の左右側方には、一対 の肘掛け１８，１８が緊定軸１９，１９により装着されており、前記一対の肘掛 け１８，１８は緊定軸１９，１９の弛緩操作で緊定軸１９，１９を軸として上下 に向け回動調節ができるように構成されている。 ２０は、左右何れか一方の肘掛け１８の前端側に配設した操作盤であって、該 操作盤２０には、例えば作業機昇降スイッチレバー２２、作業機ＰＴＯクラッチ のスイッチレバー２３、座席水平制御スイッチレバー２４等の各種運転操縦部材 ２１が設けられている。 したがって、堤防等の斜面の草刈作業を行う場合には、運転者は座席に座った まま各種運転操縦部材２１を操作して座席５を水平状態に調節したり、草刈高さ の調節を正確に行いながら運転走行せしめ、楽な姿勢の状態で確実、安全に草刈 作業を長期に亘り継続することができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおりに構成されているので、次に記載する効果を奏する。 乗用型の作業車両によって斜面の農作業を行った場合にあっても、運転者が座 席に座ったまま、座席の側方の肘掛けに設けた手近な操作盤に備えられた各種運 転操縦部材を簡単迅速に操作して、座席を水平になるように傾動調節せしめたり 、草刈高さの調節あるいはその運転を楽な姿勢で確実、安全に達成できる許りか 、肘掛けは上下方向へ回動調節ができるので運転者の乗り降りに際して邪魔とな らない外、操作盤は肘掛けの前端側に設けられていることで作業車両の傾動に関 係なく運転者と操作盤との距離を一定とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を切欠した乗用型傾斜作業車両の全体側面
図である。

【図２】要部の拡大斜視図である。

【図３】図２の作用正面図である。

【符号の説明】

１ 作業車両 ３ 運転席 ５ 座席 １１ 軸支ピン １８，１８ 肘掛け １９，１９ 緊定軸 ２０ 操作盤 ２１ 各種運転操縦部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業車両の運転室に軸支ピンを軸として
   進行方向に対し左右方向に傾動調節ができる座席を配設
   したものにおいて、前記座席の側方には各種運転操縦部
   材を備えた操作盤を配設した肘掛けを設けたことを特徴
   とする乗用型傾斜作業車両における操縦装置。
2. 【請求項２】 座席の左右側方には上下回動調節自在の
   肘掛けを設けるとともに、左右何れか一方の肘掛けの前
   端側には各種運転操縦部材を備えた操作盤を設けたこと
   を特徴とする請求項１記載の乗用型傾斜作業車両におけ
   る操縦装置。