JPH0685058B2 - 保護被覆層を有する写真要素 - Google Patents

保護被覆層を有する写真要素

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JPH0685058B2
JPH0685058B2 JP61028712A JP2871286A JPH0685058B2 JP H0685058 B2 JPH0685058 B2 JP H0685058B2 JP 61028712 A JP61028712 A JP 61028712A JP 2871286 A JP2871286 A JP 2871286A JP H0685058 B2 JPH0685058 B2 JP H0685058B2
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雄造 村松
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    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers

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Description

【発明の詳細な説明】 I発明の背景 技術分野 本発明は保護被覆層を有する写真要素に関する。
先行技術とその問題点 一般にハロゲン化銀写真感光材料の最上層はゼラチンを
主たるバインダーとする親水性の保護層であり、取り扱
い中に引掻傷、水ぬれによる表面状態の変化、汚れなど
が生じ易く、写真の魅力および寿命を減少させることが
ある。そのため、今までに多くの写真材料被覆物が開発
されてきている。
例えば、米国特許第4,092,173号および同第4,171,979号
に記載のアクリル化ウレタン、脂肪族エチレン系不飽和
カルボン酸および多官能性アクリレートを含む放射線硬
化可能な組成物や、米国特許第4,333,998号に記載の上
記の構成物にさらにシロキシ基を有するポリカルビノー
ルを含ませた組成物を挙げることができる。
これらの放射線で重合して得られたアクリレートなどの
層はその疎水性のために、ゼラチンを主体とする画像を
担持するハロゲン化銀写真感光材料の最上層との接着力
が必ずしも充分に得られないことが多く、耐傷性はある
ものの画像担持層からはがれやすいという欠点を有して
いた。
これらの欠点を解消する手段もいろいろ提案されてお
り、例えば特開昭53−57023号では、不飽和カルボン酸
を接着力強化のために含ませることが開示されている。
上記の場合は、接着力を向上させるために脂肪族エチレ
ン系不飽和カルボン酸を使用しているが、この使用量と
組成物における接着力の向上とが直線的な比例関係にあ
たるのではなく、ある量以下では接着力の向上がなくな
り、使用量が増加するとゼラチン膜が膨潤し、浸透効果
が大きくなつて内部の画像形成色素を溶解し画像を破壊
したりするなどの悪影響が出てくる。
さらには、生体への安全性や悪臭および刺激臭などの点
で問題がある。
また、シロキシ基を有するポリカルビノールを含ませた
ものでは接着改良、指紋付着防止、拭き取り易さの向
上、スリ傷減少のいずれにおいても効果が十分ではな
い。
さらに、この他の例として米国特許第4,426,431号に記
載の重合可能なエポキシ、エポキシ用のカチオン重合開
始剤、重合可能なアクリル、ハロアルキル化芳香族ケト
ンであるラジカル重合開始剤および重合可能なオルガノ
フアンクシヨナルシランを含む放射線硬化可能な組成
物、米国特許第4,156,046号に記載の末端エポキシシラ
ン、脂肪族ポリエポキシ、エポキシシランと重合しうる
モノマーおよび紫外線吸収剤の反応生成物からなる組成
物、米国特許第4,293,606号に記載のエポキシ末端シラ
ンを含む耐摩耗性被膜、米国特許第4,262,072号に記載
の架橋されたポリマーを含む組成物などが挙げられる。
これらのものでも、カチオン重合系であるため反応のコ
ントロールが困難で保存中に反応性が変化するなどして
塗布が困難となつたり、一定の性能が得られなかつたり
すること、また化合物を入手するのが困難であつたりす
ることなどの欠点が多い。
上記のように保護被覆物として種々の試みがなされてい
るが、それぞれに難点があり改善が望まれていた。
II発明の目的 本発明の目的は、接着性、耐傷性および耐水性に優れ、
他の物質への接着および脂紋付着を防止し、汚れの拭取
りが容易で、かつ平面性が増し、高級感のある画質を与
えうる保護被覆層を有する写真要素を提供することにあ
る。
III発明の開示 このような目的は、下記の本発明によつて達成される。
すなわち、本発明は、支持体上に少なくとも1つの画像
担持層および保護被覆層を有する写真要素において、N
−メチロールアクリルアミドと多官能アクリレートとを
含む組成物をコーテイングし、次いで、この組成物を放
射線照射により硬化して保護被覆層を形成したことを特
徴とする保護被覆層を有する写真要素である。
さらに上記組成物中に、Nビニルピロリドンをさらに含
んで成る組成物をコーテイングし、次いでこの組成物を
放射線照射により硬化して保護被覆層を形成したことを
特徴とする保護被覆層を有する写真要素である。
IV発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について、詳細に説明する。
本発明の保護被覆層を有する写真要素は、N−メチロー
ルアクリルアミドと多官能アクリレートとを含む組成物
をコーテイングし、次いでこの組成物を放射線照射によ
り硬化して保護被覆層を形成する。
さらに、上記組成物中にN−ビニルピロリドンを含有し
て成る組成物をコーテイングし、次いでこの組成物を放
射線照射により硬化して保護被覆層を形成してもよい。
本発明に用いられるN−メチロールアクリルアミドは、
ポリマー皮膜と感光要素の主としてゼラチンで構成され
た画像担持層の最上層との接着力を良化するためのもの
である。
ゼラチンと反応しうる基を有するN−メチロールアクリ
ルアミドの含有量は、保護皮覆層の組成物の完成量を10
0wt%として0.5〜80wt%、より好ましくは1〜50wt%と
するのがよい。また、ビニルモノマーは2種以上併用し
てもよい。
また、本発明に用いられる多官能アクリレートとは、少
なくとも2つのアクリルエステル基を有するアクリル単
量体であり、本発明に好ましく用いられる多官能性アク
リレートとしては次のものがあげられる。
ネオペンチルグリコール・ジアクリレート ペンタエリスリトール・トリアクリレート 1,6−ヘキサンジオール・ジアクリレート トリメチロールプロパン・トリアクリレート テトラエチレングリコール・ジアクリレート 1,3−ブチレングリコール・ジアクリレート トリメチロールプロパン・トリメタクリレート 1,3−ブチレングリコール・ジメタクリレート トリメチロールプロパン・トリメタクリレート 1,3−ブチレングリコール・ジメタクリレート エチレングリコール・ジメタクリレート ペンタエリスリトール・テトラアクリレート 1,6−ヘキサンジオール・ジメタクリレート エチレングリコール・ジアクリレート ジエチレングリコール・ジアクリレート グリセロール・ジアクリレート グリセロール・トリアクリレート 1,3−プロパンジオール・ジアクリレート 1,3−プロパンジオール・ジメタクリレート 1,2,4−ブタントリオール・トリメタクリレート 1,4−シクロヘキサンジオール・ジアクリレート ペンタエリスリトール・ジアクリレート 1,5−ペンタンジオール・ジメタクリレート また別の好ましい化合物としては次式で示されるものが
ある。
式中、それぞれのR5は、水素原子および炭素原子数1〜
2のアルキル基の中から独立に選ばれ、またそれぞれの
R6は置換あるいは無置換の炭素原子数1〜6のアルキル
基および次式で表わされるラジカルの中から独立に選ば
れる。
上記式中、R7は水素原子または炭素原子数1〜2のアル
キル基である。
多官能アクリレートは、ポリマー皮膜の強度を高め、耐
傷性を良化させるほかに光重合速度を大きくするもので
ある。
多官能アクリレートの添加量は、保護被覆層の組成物の
完成量を100wt%として5〜95wt%、より好ましくは10
〜90wt%とするのがよい。
本発明の保護被覆層用の組成物は、主として前記のN−
メチロールアクリルアミドと多官能アクリレートを主成
分とするが、他に放射線で反応しうるようなモノマーを
含んでいてもよい。
反応性のモノマーとしては、N−ビニルピロリドンが特
に好ましい。
N−ビニルピロリドンは、組成分の粒度をさげ組成物を
塗布しやすくする他、得られた保護被覆層の硬度を増し
耐傷性を向上させる。
N−ビニルピロリドンの添加量としては、保護被覆層の
組成物の全重量を100wt%として5〜95wt%、好ましく
は10〜50%である。
さらに、本発明の保護被覆層用組成物には、他の放射線
反応性のビニルモノマーを含んでいてもよい。このビニ
ルモノマーの代表的なものとしては、メチルメタアクリ
レート、エチルアクリレート、ブチルメタアクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレートなどの(メタ)アク
リル酸のエステル、また、アクリルアミド、N−プロピ
ルアクリルアミド、ビスアクリルアミドメタンなどの
(メタ)アクリル酸のアミドなどがある。
これらの低分子の反応性モノマーは、保護被覆層用組成
物の粘度を調節したり、得られた保護被覆層の脆さや、
耐傷性を調整するためなどに用いられる。
これらの反応性モノマーの添加量は、保護被覆層の組成
物の全重量を100%として、5〜50wt%、好ましくは5
〜20wt%である。
さらに本発明の保護被覆層用組成物には、ゼラチンを膨
潤させる溶媒を含有させることが好ましい。
ゼラチン膨潤性の溶媒としては、ゼラチンを膨潤させる
溶媒であればよく、具体的には水、それぞれが置換され
ていてもよい飽和脂肪族アルコール類(例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコー
ル、グリセリン等)、不飽和脂肪族アルコール類(例え
ばアリルアルコール等)、芳香族アルコール類(例えば
ベンジルアルコール等)、飽和脂肪酸類(例えばギ酸、
酢酸、トリクロル酢酸等)、不飽和脂肪酸類(例えばア
クリル酸等)、芳香族カルボン酸類(例えば安息香酸
等)、ケトン類(例えばメチルエチルケトン等)、アル
デヒド類(例えはホルムアルデヒド等)、アミドおよび
アミン酸(例えばN,N−ジメチルホルムアミド等)、ス
ルホキシド類(例えばジメチルスルホキシド等)、エー
テル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等)な
どが挙げられる。
このなかで水、飽和脂肪族アルコール類、飽和脂肪酸
類、不飽和脂肪酸類、アミドおよびアミン類、スルホキ
シド類およびエーテル類が好ましく、特に水が好まし
い。
ゼラチン膨潤性の溶媒は本発明の保護被覆層と感光要素
の主としてゼラチンで構成された画像担持層の最上層と
の接着力をさらに強固にするために含有されるものであ
る。
この溶媒の含有量は保護被覆層の組成物の完成量を100w
t%として0.1〜30wt%、より好ましくは1〜20wt%とす
るのがよい。
さらに本発明の保護被覆層用組成物には、ゼラチンに親
和性のある基を有するアクリレートを含有させることが
好ましい。
ゼラチンに親和性のある基を有するアクリレートとは、
水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルキルエーテル
基の中から選ばれる少なくとも一つの置換基を有するア
クリレートである。この化合物は、画像担持層の主たる
バインダーであるゼラチンと保護被覆層との親和力を高
め、接着力を強化する働きをなすものであるが、代表的
な化合物としては次のものが挙げられる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリル
酸、メタアクリル酸、アクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロ
リドンビスフエノールA−エピクロルヒドリンアクリレ
ート、フエノールノボラツク−エピクロルヒドリンアク
リレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、カル
ビトールアクリレート、フエノキシエチルアクリレー
ト、フエニルセロソルブアクリレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロ
ルプロピルアクリレート、ベンゾイルオキシエチルアク
リレート、β−ヒドロキシエチル−β′−アクリロイル
オキシエチル−フタレート。
これらの置換基を有するアクリレートの添加量は保護被
覆層用組成物の全重量を100%として、0.5〜30wt%、好
ましくは1〜20wt%である。
さらに本発明の保護被覆層用組成物には、オリゴアクリ
レートを含むことが好ましい。
本発明で用いるオリゴアクリレートは、数平均分子量が
300〜10,000の種々のオリゴマーにアクリル基を反応さ
せて変性したオリゴマーを意味し、下記一般式(B−
I)、(B−II)、(B−III)および(B−IV)で表
わされる。これらの化合物はその一般式に従い、それぞ
れ、アクリル化オリゴエステル、アクリル化ウレタン、
アクリル化アルキレンオキシドオリゴマー、およびアク
リル化エポキシオリゴマーと呼ばれる。
一般式 (AE (B−I) (AU (B−II) (AP (B−III) (AG (B−IV) 上記一般式(B−I)〜(B−IV)において、Aはアク
リル基(CH2=CHCO−)を表わし、Eはエステル結合を
含有するn価のオリゴマー、Uはウレタン結合を含有す
るn価のオリゴマー、Pはアルキレンオキシド基(例え
ばエチレンオキシド基、プロピレンオキシド基等)を含
有するn価のオリゴマー、そしてGはエポキシ基を含有
する化合物から誘導されるn価のオリゴマーをそれぞれ
表わす。
また、nは1以上の整数を表わすが、特に1〜6である
ことが好ましい。
以下に前記一般式(B−I)〜(B−IV)で表わされる
化合物の具体例を示す。
(B−III−2) CH2=CH−COOC2H4O)nCOCH=CH2 (n=4〜9) これらのオリゴアクリレートは、保護被覆層の硬さや腰
の強さを増し、脆さを減少させる効果を有する。また、
組成物の粘度を調節して写真要素上へ設層しやすくする
働きもある。
オリゴアクリレートは、保護被覆層の組成物の完成量を
100wt%とすると、アクリル化オリゴエステルの場合5
〜90wt%、より好ましくは8〜70wt%、アクリル化ウレ
タンの場合は3〜90wt%、より好ましくは5〜60wt%、
アクリル化アルキレンオキシドオリゴマーの場合は1〜
50wt%、より好ましくは3〜30wt%、アクリル化エポキ
シオリゴマーの場合は5〜90wt%、より好ましくは8〜
70wt%含有させるのがよい。
また、これらのものを併用する場合、全体で1〜95wt
%、より好ましくは5〜90wt%である。
また、本発明の保護被覆層の組成物にはアクリルアミド
基含有オリゴマーの1種以上を含ませることが好まし
い。
好ましい化合物の具体例を以下に示す。
このものは、オリゴアクリレートと同様に光重合してポ
リマー皮膜を形成するものであり、添加量は保護被覆層
組成物の完成量を100wt%とすると3〜90wt%、好まし
は10〜60wt%とするのがよい。
本発明の保護被覆層の組成物には、シリコーン化合物の
1種以上を含有させるのが好ましい。
シリコーン化合物としては、米国特許第3,042,522号、
同第3,080,317号、同第3,489,567号明細書等に記載のジ
メチルシリコーンおよび特公昭53−292号公報に記載の
液状オルガノポリシロキサンを好ましく用いることがで
きる。
好ましく用いられる化合物の例を以下に示す。
シリコーン化合物はポリマー皮膜が形成された後、取り
扱い中などにポリマー皮膜表面が他の物質に接着するの
を防止し、ポリマー皮膜表面の滑性および耐傷性を良化
するものである。
シリコーン化合物の添加量は、保護被覆層の組成物の完
成量を100wt%として0.001〜2wt%、より好ましくは0.0
03〜0.5wt%とするのがよい。
本発明の保護被覆層の組成物には含フツ素光重合性ビニ
ルモノマーの1種以上を含有させるのが好ましい。
含フツ素光重合性ビニルモノマーとしては下記一般式
(C−I)および(C−II)で表わされるものが用いら
れる。
一般式 上記一般式(C−I)および(C−II)において、R1
R2、R3、B、B1、B2、pおよびqは前述の重合性ビニル
モノマーの一般式(B−I)および(B−II)における
ものとそれぞれ同義に用いている。また、XFおよびRF
それぞれ一部または全部がフツ素原子で置換されたアル
キル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル
基を表わし、XFとRFは同じでも異なつていてもよい。
以下に好ましく用いられる化合物の具体例を示す。
(C−2) C8F17CH2CH2OOCCH=CH2 (C−3) HCF2 CH2OOCCH=CH2 (C−4) C10F21CH2CH2OOCCH=CH2 (C−6) C9F17O(CH2CH2OOCCH=CH2 含フツ素光重合性ビニルモノマーはポリマー皮膜の表面
の撥水性を良化し、他の物質と皮膜表面が接着するのを
防ぐものである。
含フツ素光重合性ビニルモノマーの添加量は、保護被覆
層の組成物の完成量を100wt%とすると0.01〜20wt%、
より好ましくは0,1〜10wt%のものとするのがよい。
本発明の保護被覆層の組成物には紫外線吸収剤の1種以
上を含ませることが好ましい。
紫外線吸収剤としては例えば、アリール基で置換された
ベンゾトリアゾール化合物(例えば米国特許3,533,794
号に記載のもの)、4−チアゾリドン化合物(例えば米
国特許3,314,794号、同3,352,681号に記載のもの)、ベ
ンゾフエノン化合物(例えば特開昭46-27884号に記載の
もの)、ケイヒ酸エステル化合物(例えば米国特許3,70
5,805号、同3,707,375号に記載のもの)、ブタジエン化
合物(例えば米国特許4,045,229号に記載のもの)、あ
るいは、ベンゾオキシドール化合物(例えば米国特許3,
700,455号に記載のもの)を用いることができる。さら
に、米国特許3,499,762号、特開昭54−48535号に記載の
ものも用いることができる。紫外線吸収性のカプラー
(例えばα−ナフトール系のシアン色素形成カプラー)
や、紫外線吸収性のポリマーなどを用いてもよい。
紫外線吸収剤は、形成されたカラー画像を保存した場合
に生ずる光退色および光ステインを防止するためのもの
である。オリゴアクリレートがポリマー皮膜を形成する
際、光重合速度を遅らせるという悪影響を及ぼすことも
あるので、添加量は、保護被覆層の組成物の完成量を10
0wt%として0.1〜10wt%、より好ましくは0.3〜3wt%と
するのがよい。
本発明の保護被覆層の組成物には光重合開始剤の1種以
上を含有させるのが好ましい。
本発明には光重合開始剤として知られているものを任意
に用いることができるが、着色の少ないものが好まし
い。例えば、特開昭56-91233号に記載されているような
ベンゾフエノン、またはベンゾフエノンから誘導される
芳香族ケトン化合物、たとえばアルキルベンゾフエノン
など: または、1−ヒドロキンシクロヘキシルフエニルケト
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フエニルプロパ
ン−1−オン、1−(4−イソプロピルフエニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙
げられる。
光重合開始剤は、保護被覆層用組成物がポリマー皮膜を
形成する際の光重合反応を促進するものである。
光重合開始剤の添加量は、保護被覆層の組成物の完成量
を100wt%とすると1〜20wt%、より好ましくは2〜10w
t%とするのがよい。
本発明のポリマー被膜からなる保護被覆層は支持体の画
像担持層側の最上層の上に設けられる他に、支持体の反
対側の最上層(バツク層)の上にも設けてもよい。
本発明の保護被覆層を有する写真要素において画像担持
層等に用いられる支持体、感光性ハロゲン化銀乳剤、カ
ブリ防止剤、安定剤、化学増感剤、分光増感色素、カラ
ーカプラー、DIR化合物、界面活性剤、バインダー、硬
化剤、ポリマーラテツクス、退色防止剤、染料、マツト
剤、可塑剤および感光要素の製造方法、露光、現像処理
方法等については特に制限はなく、例えばリサーチ・デ
イスクロージヤー176巻22〜31頁(1978年12月)の記載
を参考にすることができる。
本発明の保護被覆層を有する写真要素は、その画像担持
側へ放射線硬化可能な組成物をコートするに先立つて処
理を行い可視画像を形成しておく。このような処理は適
当ないかなる方法で行つてもよい。例えば、一般に、黒
白写真要素では現像、定着および洗浄からなる一連の工
程、カラープリントではカラー現像、漂白、定着(また
は漂白−定着結合処理)および安定化からなる一連の工
程、ならびにカラー反転写真要素では黒白現像、反転露
光または化学的カブリ、カラー現像、漂白、定着(また
は漂白−定着結合処理)および安定化からなる一連の工
程によつてそれぞれ処理する。本発明を実施するための
好ましい方法は、常法に基づく写真処理操作において写
真要素を乾燥した後、最終工程として塗布およびキユア
リングを行い保護被覆層を形成することである。この塗
布およびキユアリングはバツチ式、準連続式および連続
式のいずれでも行うことができる。
放射線硬化可能な組成物を写真要素に塗布するには常法
に従つて行えばよい。例えば浸漬コーテイング、エアナ
イフコーテイング、ロールコーテイング、グラビアコー
テイング、押出コーテイング、ビーズコーテイング、カ
ーテンコーテイング、ワイヤー付コーテイングロツド使
用法を利用することができる。また、エアナイフ、適当
な材質を有するドクターブレードなどを用いて厚みを一
定化、および均等化する操作を施すことができる。通
常、写真要素上に塗布する量は非常に薄い塗膜を形成す
るに足る量であれば良く、湿潤塗膜として表面m2当り約
2〜約20cm2、より一般的にm2当り約3〜約10cm2、好ま
しくはm2当り約5cm2である。塗布する組成物の粘度
は、採用する塗布法に応じて広い範囲で変えることがで
きる。一般に、約25〜約1000センチボイズ、より好まし
くは約75〜約200センチボイズの粘度をもつ塗布組成物
を用いることによつて写真要素上に満足できる塗膜を形
成することができる。
また、適当な揮発性の溶剤を用いて粘度を調整すること
ができる。
放射線硬化可能な組成物に適当な放射線を照射して硬化
するのに使用する装置および方法は周知であつて、本発
明の実施に際しては適当ないかなる照射硬化プロセスを
用いることも可能である。例えば、適当な強度をもつ紫
外線照射により硬化することができる。X−線、ガンマ
線、ベータ線および加速電子のような高エネルギー電離
線も用いることができる。一般に、放射線は塗膜層の全
厚を実質的に貫通するに十分な強度をもつべきである。
全線量は放射線硬化可能な組成物がキユアして固体プラ
スチツクを形成するに十分でなければならない。通常、
線量は約0.2〜約50メガラド、特に約0.5〜約20メガラド
である。本発明で用いる塗布組成物は実質的に完全に固
体生成物に変換する。
写真要素に組成物塗膜を形成するのは、写真要素を裁断
して最終サイズとする前であることが望ましい。従つ
て、写真要素を現像処理、乾燥した後、放射線硬化可能
組成物を塗布し、放射線照射し次いで裁断する。或る場
合には、放射線硬化可能な組成物は写真要素の画像含有
層担持側のみまたは支持体側のみに塗布するだけで足り
る。その他の場合は、放射線硬化可能な組成物は写真要
素の両面に塗布するのが望ましい。両面塗布は、塗布方
式に応じて、両面に同時に塗布する方法および片面づつ
順次塗布する方法いずれも採用できる。
放射線硬化可能な組成物は写真要素の画像担持側および
支持体側の両面に強固に接着する。通常接着が困難な、
写真要素の支持体として常用される三酢酸セルローズや
ポリエチレンテレフタレートおよび写真要素の画像担持
側に常用されるゼラチン/ハロゲン化銀乳剤層またはゼ
ラチン保護層のような材料に接着するのに有効である。
組成物を照射硬化して透明で柔軟かつすり傷防止性に優
れた架橋重合体層を形成する際、画像が染料画像からな
るカラー写真要素であつても画像担持層に悪影響を及ぼ
すことはない。
V発明の具体的作用効果 本発明によれば、N−メチロールアクリルアミドと、多
官能アクリレートとを含む組成物をコーテイングし、次
いで、この組成物を放射線照射により硬化して保護被覆
層を形成させているため、接着性、耐傷性および耐水性
に優れ、他の物質への接着および指紋付着を防止し、か
つ汚れの拭き取りが容易な保護被覆層を有する写真要素
を得ることができる。そして、この保護被覆層は写真要
素の表面の平面性を増すことができるため、高級感のあ
る画質を与えることも可能となる。
VI本発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明の効果をさ
らに詳細に説明する。
実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートされた紙支持体にハロゲ
ン化銀乳剤層およびゼラチン層をもつカラーペーパー写
真感光材料に、通常の方法により露光し、現像処理し、
乾燥してカラー画像を有する処理済みのカラーペーパー
を得た。この感光材料のハロゲン化銀乳剤層側に表1に
示す組成の放射線硬化型塗布組成物をそれぞれ膜厚が5
μになるようにコーテイングし、次いでこれへ20cmの間
隔をもつて設置された80W/cm高圧水銀灯を約2秒照射し
て硬化膜に被覆されたカラーペーパー写真感光材料を作
製した。
このようにして作製した感光材料を試料101〜109(表
1)とする。
また、上述と同様にして下記のような特開昭53-57023号
の実施例1と同じ組成の塗布物をコーテイングし、硬化
膜とした感光材料を作製した。これを試料110(比較)
とする。
成分 wt% アクリル化ウレタン 26.4 ネオペンチルグリコール・ジアクリレート 25.8 トリメチロールプロパン・トリアクリレート 32.4 アクリル酸 8.2 メチルジエタノールアミン 4.3 ベンゾフエノン 2.9 さらに、比較試料としては放射線硬化性塗布組成物を塗
布していない処理済のカラーペーパーを用いた。これを
試料111(比較)とする。
但し、表1中の化合物(A−12)は下記構造の化合物で
ある。
以上の試料101〜111の硬化膜について以下に記述する試
験を行つた。
耐傷性試験 モーター駆動で水平方向へ直線的に10cmの長さを等速移
動する水平板状に試料を硬化膜が上向きになるように貼
りつけた。この硬化膜に針先の半径が0.05mmの水平方向
が固定されたサフアイヤ針を垂直に当てた。水平板を移
動させるところの針には10cm移動する間に0gから200gま
で直線的かつ連続的に増加する荷重がかゝるように設計
してある。硬化膜面に傷がつくまでに試料が移動した距
離を測定して傷が発生した時に針にかかつた荷重を求
め、これを試料の引掻強度を表わす目安とした。荷重が
大きいほど試料の耐傷性が優れることを示す。
水性インク拭取り試験 未露光にて現像処理した試料の硬化膜の上に1滴の黒色
水性インクを滴下し、3分後に湿つた布で拭きとり、イ
ンクを滴下した箇所の反射濃度(Dv)を自記濃度計を用
いて測定した。
2表の結果について考察する。耐傷性は、いずれの組成
の塗布液からなる硬化膜も、非被覆感光材料(試料11
1)に比較して引掻傷発生時の荷重が増加しており、耐
傷性が向上しているのがわかる。しかしながら、本発明
の組成物のように、ゼラチン反応性の基をもつ重合性モ
ノマーと多官能アクリレートを組み合わせて用いたとき
にはその改善が著るしいことが明らかである。また本発
明の組み合わせのときには、未塗布のもの、あるいはゼ
ラチン反応性基を有する重合性モノマーのみを使用した
ものに比べて著るしく、水性のインクの拭き取りやすさ
が向上していることがわかる。
画像担持層の最上層であるゼラチン層への接着力の大き
さは、本発明の組成物において著るしく向上しているこ
とが明らかである。特開昭53-57023号の実施例の組成で
ある試料110の硬化膜に比較しても、本発明の試料101〜
105の硬化膜のほうがゼラチン層への接着が著しく強固
である。
さらに、試料110では色素画像の破壊が生じ、かつ塗布
液は鼻をつく刺激臭が大きく取扱い時に不快であつた。
これに対して本発明の試料101〜105では色素画像の破壊
は生じず、塗布液には刺激臭がなかつた。
実施例2 実施例1と同様な処理済みのカラーペーパーに以下の組
成からなる塗布組成物(表3)を実施例1と同様にコー
テイングし硬化して、試料201〜210を作製した。
以上の試料201〜210の硬化膜について以下に記述する試
験を行つた。
(試験方法は実施例1と同じ) 耐傷性試験、 接着性試験、 この結果を表4に示す。
表4の結果について考察する。紫外線吸収剤が塗布組成
物中に存在する場合においても、実施例1と同様に、ゼ
ラチン反応性の基をもつ重合性ビニルモノマーと多官能
アクリレートを組み合わせて用いたときに耐傷性が著し
く改善されていることがわかる。画像担持層の最上層で
あるゼラチン層への接着力の大きさも、本発明の組成物
において著しく向上していることがわかる。
また、実施例2で作製した試料のいずれにおいても実施
例1の試料に比較して、光褐色性テストでの色像の褐色
およびステインの発生において改善が明らかに確認され
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1つの画像担持層お
    よび保護被覆層を有する写真要素において、N−メチロ
    ールアクリルアミドと多官能アクリレートとを含む組成
    物をコーテイングし、次いで、この組成物を放射線照射
    により硬化して保護被覆層を形成したことを特徴とする
    保護被覆層を有する写真要素。
  2. 【請求項2】保護被覆層を形成する組成物が、さらにN
    −ビニルピロリドンを含むことを特徴とする特許請求範
    囲第一項の写真要素。
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