JPH0684850A - 減圧容器のクリーニング方法および装置 - Google Patents

減圧容器のクリーニング方法および装置

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JPH0684850A
JPH0684850A JP23454892A JP23454892A JPH0684850A JP H0684850 A JPH0684850 A JP H0684850A JP 23454892 A JP23454892 A JP 23454892A JP 23454892 A JP23454892 A JP 23454892A JP H0684850 A JPH0684850 A JP H0684850A
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JP
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substrate
cleaning
vacuum
sample
container
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JP23454892A
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Susumu Hiraoka
進 平岡
Naoshi Itabashi
直志 板橋
Tetsuo Ono
哲郎 小野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置を小型にし、またクリーニングに要する
時間を短くする。 【構成】 試料室10内の試料台16上に測定を行なう
試料17と真空中の不純物を堆積させるための基板19
とを設置し、レンズ系15に加える条件によって電子源
14で発生した電子ビームを基板19に照射すると、基
板19に吸着している炭素系不純物が分解して炭素にな
り、炭素が基板19上に堆積する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は減圧容器内をクリーニ
ングする方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の減圧容器のクリーニング方法とし
ては、ターボポンプ、ロータリーポンプ、拡散ポンプ
等、イオンポンプ等、ソープションポンプ、ゲッターポ
ンプ等を用いて減圧容器内を排気する方法がある。これ
らのポンプは「真空の物理と応用(熊谷寛夫、富永五郎
編著、裳華房)」に説明されている。すなわち、ターボ
ポンプ、ロータリーポンプ、拡散ポンプ等の原理は羽ま
たはガスの流れによって物質を弾き飛ばして減圧容器中
から排気するものである。また、イオンポンプ等の原理
は物質をイオン化して基板に打ち込み、基板奥深くに埋
め込むものである。また、ソープションポンプ、ゲッタ
ーポンプ等の原理は物質を基板表面に吸着させて、減圧
容器中から排気するものである。
【0003】図7は従来の減圧容器のクリーニング装置
を有する表面走査型電子顕微鏡を示す概略図である。図
に示すように、試料室10にはロータリーポンプ11、
拡散ポンプ12が接続され、ロータリーポンプ11、拡
散ポンプ12と試料室10との中間にはバルブ13a、
13bが設置されている。また、試料室10内部には試
料台16が設置され、試料台16上には測定を行なう試
料17が設置され、試料17は容易に交換できるように
なっている。また、電子源14で発生した電子ビームは
レンズ系15で集束され、方向が制御され試料17に照
射される。また、電子ビームが試料17に照射されるこ
とで発生した2次電子は電子増倍管18で検出される。
【0004】この表面走査型電子顕微鏡においては、試
料17の交換は以下の手続きで行われる。まず、バルブ
13a、13bを閉じ、試料室10をリークする。つぎ
に、試料台16を試料室10の外部に取り出し、試料1
7の交換を行なう。つぎに、試料台16を元に戻し、始
めにロータリーポンプ11、つぎに拡散ポンプ12を用
いて試料室10を真空に排気する。
【0005】このように、試料17の交換の際に試料室
10は大気にさらされるが、大気中には二酸化炭素と様
々な有機化合物が含まれているため、試料17の交換を
行なうことで試料室10に炭素系不純物が導入されてし
まう。そして、試料室10に炭素系不純物が多く残留し
ている状態で電子ビームを試料17に照射すると、試料
17上に炭素が堆積してしまうため、満足な計測ができ
ない。このため、試料室10内を十分にクリーニングす
る必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のポンプを用いた
減圧容器のクリーニング方法は物理的なものであり、物
質の分子量、基板への吸着確率などによって若干の違い
はあるものの、物質の種類と化学的性質による排気効率
の違いは大きくない。そのため、計測、プロセスなどに
おいて、ある化学的性質を持った特定の物質のみを除く
必要がある場合にも、全ての物質を減圧容器内から除去
しなければならない。この結果、装置が大きくなり、ま
たクリーニングに要する時間が長くなり、さらに計測、
プロセスなどで必要とするガスまで排気してしまうとい
う問題があった。
【0007】たとえば、図7に示した表面走査型電子顕
微鏡においては、大気の主成分である窒素に比べ炭素系
不純物は試料室10の内壁に吸着しやすく、試料室10
に導入された炭素系不純物は内壁への吸着、脱離を繰り
返し、ほとんどが内壁に吸着し、ごく一部が試料室10
内の空中を漂う平衡状態になる。そして、拡散ポンプ1
2を用いた場合、空中を漂って拡散ポンプ12まで拡散
してきた炭素系不純物だけが排気され、排気により空中
を漂う炭素系不純物が減少した場合、減少分が内壁から
の炭素系不純物の脱離により供給され、この過程で内壁
に吸着している炭素系不純物の量は徐々に減少していく
が、もともと炭素系不純物のなかで空中を漂っている割
合は低いから、拡散ポンプ12の排気速度は極めて遅
い。すなわち、試料室10内から炭素系不純物を排気す
るためには長時間が必要とされる。さらに、拡散ポンプ
12を用いる場合、拡散ポンプ12と試料室10との間
には必ず配管が必要であり、炭素系不純物は中間の配管
内部に吸着し、また拡散ポンプ12自体にも吸着する。
そのため、拡散ポンプ12を用いた場合、炭素系不純物
はまず始めに拡散ポンプ12自体に吸着している分が排
気され、つぎに中間の配管、最後に試料室10内から排
気されることになる。この炭素系不純物の中間の配管、
ポンプ自体への吸着は拡散ポンプ12に特有の現象では
なく、従来のポンプ全てにおいて共通に起こるものであ
り、従来のポンプでは炭素系不純物の排気は極めて効率
が悪い。したがって、拡散ポンプ12によって試料室1
0内を十分にクリーニングするには、大容量の拡散ポン
プ12を用いるか、長時間排気を行なうしかなかった。
【0008】この発明は上述の課題を解決するためにな
されたもので、装置が小型であり、またクリーニングに
要する時間が短い減圧容器のクリーニング方法、装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明の方法においては、減圧容器内の被除去物
質を化学反応させ、反応生成物を基板の表面に堆積させ
る。
【0010】この場合、上記基板にビームを照射する。
【0011】この場合、上記減圧容器を上記ビームを試
料に照射する真空装置の容器とする。
【0012】この場合、上記ビームを上記試料と上記基
板とに交互に照射する。
【0013】また、上記基板への上記反応生成物の堆積
中には上記減圧容器内に設けられた検出器を動作させな
い。
【0014】また、上記基板に上記反応生成物として炭
素を堆積させる。
【0015】また、上記基板を定期的に交換する。
【0016】また、上記減圧容器を試料の計測、プロセ
スなどでガスを用いる真空装置の容器とする。
【0017】また、上記基板に堆積した上記反応生成物
の膜とは異なる組成の膜を上記基板上に定期的に形成す
る。
【0018】また、上記基板として円筒形基板を用い
る。
【0019】この場合、上記円筒形基板内をビームを通
過させる。
【0020】また、上記基板として表面に凹凸を設けた
基板を用いる。
【0021】また、上記基板を低温に保持する。
【0022】また、上記基板に2次電子を照射するこの
発明の装置においては、減圧容器内の物質を化学反応さ
せ、反応生成物を基板の表面に堆積させる。
【0023】この場合、上記減圧容器を真空装置の真空
室とし、上記真空室とバルブを隔てた部屋に上記基板を
設置する。
【0024】また、上記真空装置を電子顕微鏡とする。
【0025】また、上記減圧容器内の試料を囲む形に上
記基板を設置する。
【0026】また、上記基板の温度を上記減圧容器内の
試料の温度と独立して変化させる温度制御手段を設け
る。
【0027】また、上記基板を上記減圧容器内の試料と
異なる角度に設置する。
【0028】
【作用】この減圧容器のクリーニング方法、装置におい
ては、ある化学的性質を持った特定の物質のみを除去す
ることができる。
【0029】また、基板にビームを照射するときには、
加えるエネルギー、物質の種類、量などによって化学反
応を制御することが可能であり、しかも局所的に化学反
応を起こすことができる。
【0030】また、ビームを試料と基板とに交互に照射
するときには、計測、プロセスなどを行ないながらクリ
ーニングを行なうことができる。
【0031】また、基板への反応生成物の堆積中には減
圧容器内に設けられた検出器を動作させないときには、
検出器の劣化を防止することができる。
【0032】また、減圧容器を試料の計測、プロセスな
どでガスを用いる真空装置の容器とするには、ガスまで
除去してしまうことがない。
【0033】また、基板に堆積した反応生成物の膜とは
異なる組成の膜を基板上に定期的に形成するときには、
基板を頻繁に交換する必要がない。
【0034】また、基板として表面に凹凸を設けた基板
を用いるときには、ビームを実質的に斜入射させること
ができる。
【0035】また、基板を低温に保持するときには、反
応生成物が基板に付着しやすい。
【0036】また、基板に2次電子を照射するときに
は、2次電子のエネルギーは低いから、反応生成物の堆
積の効果が大きい。
【0037】また、減圧容器内の試料を囲む形に基板を
設置したときには、試料の近傍の不純物を除去すること
ができる。
【0038】また、基板の温度を減圧容器内の試料の温
度と独立して変化させる温度制御手段を設けたときに
は、反応生成物を試料よりも基板に付着しやすくするこ
とができる。
【0039】また、基板を減圧容器内の試料と異なる角
度に設置したときには、基板に反応生成物が堆積しやす
い。
【0040】
【実施例】
実施例1:図1はこの発明に係る減圧容器のクリーニン
グ装置を有する表面走査型電子顕微鏡を示す概略図であ
る。図に示すように、試料台16上には測定を行なう試
料17と真空中の不純物を堆積させるための基板19と
が設置され、試料17と同様に基板19も容易に交換で
きるようになっている。また、レンズ系15に加える条
件によって、電子源14で発生した電子ビームは試料1
7または基板19に照射される。
【0041】つぎに、この減圧容器のクリーニング装置
を用いてクリーニングをする方法について説明する。ま
ず、電子源14で発生した電子ビームをレンズ系15に
よって制御し、基板19に照射する。この場合、基板1
9にも試料室10内壁と同じく炭素系不純物が吸着して
おり、電子ビームが照射されていないときには、炭素系
不純物の基板19への吸着と脱離の量が等しく平衡にな
っているが、電子ビームが照射されたときには、基板1
9に吸着している炭素系不純物は分解して炭素になり、
炭素が基板19上に堆積する。そして、基板19上に堆
積した炭素はほとんど脱離することがなく、試料室10
内へ再放出されることはほとんどない。この結果とし
て、基板19からの炭素系不純物の脱離がなくなる。こ
の際、炭素系不純物の基板19への吸着は引き続き行わ
れるため、平衡が崩れ、試料室10内から炭素系不純物
を除去することができる。
【0042】この減圧容器のクリーニング方法は測定前
と測定中において可能である。すなわち、測定前にクリ
ーニングを行なう場合には、試料室10の真空度がある
程度良くなった段階で電子ビームを基板19に照射す
る。この際、試料室10の真空度の検出、電子ビームの
基板19への照射開始は自動化することも可能である。
また、電子ビームを基板19に照射するときには、2次
電子測定の必要はない。そこで、電子増倍管18の劣化
を防ぎ、電子増倍管18の寿命が短くなるのを防止する
ため、電子増倍管18を動作させない方が望ましい。一
方、測定中にクリーニングを行なう場合には、電子ビー
ムを試料17と基板19とに交互に照射する。
【0043】そして、この減圧容器のクリーニング方
法、装置においては、炭素系不純物のみを除去すること
ができるから、装置を小型にすることができ、またクリ
ーニングに要する時間を短くすることができる。また、
電子ビームのエネルギーなどによって化学反応を制御す
ることが可能であるから、炭素系不純物の除去効率の制
御が容易であり、しかも局所的に化学反応を起こすこと
ができるから、局所的に炭素系不純物を除去することが
可能である。また、除去される炭素系不純物は空中を漂
い基板19まで拡散してきたものだけであるが、試料室
10から炭素系不純物を除去するための配管の必要がな
く、しかも基板19に吸着した炭素系不純物は全て分解
して炭素になるから、従来のポンプと異なり再び脱離す
ることがない。この点で、従来のポンプに比べて炭素系
不純物の除去の効率が良い。また、測定中において、電
子ビームを試料17と基板19とに交互に照射するか
ら、測定を行ないながらクリーニングを行なうことがで
きるので、測定を清浄な雰囲気でかつ効率よく行なうこ
とができる。
【0044】なお、電子ビームを用いた炭素膜の堆積方
法の場合、炭素膜の堆積速度が遅いから、炭素系不純物
の除去速度が小さいので、試料室10は小さい方が望ま
しい。また、試料17近傍の不純物を除去し、測定をよ
り清浄な雰囲気で行なうために、基板19は試料17を
囲む形になっている方が望ましい。また、試料17より
も基板19により選択的に堆積を行わせるために、基板
19と試料17との条件を独立に変化させられる方が望
ましく、独立に変化させた方が望ましい条件としては、
基板19の温度、基板19上の電子ビームスキャン速
度、電子ビーム加速電圧、電子ビーム入射角度等があ
る。一般的には、基板19の温度を下げ、基板19上の
電子ビームスキャン速度を上げ、電子ビームは基板19
に対して斜入射させることが望ましい。また、電子ビー
ムは基板19そのものに対して斜入射しなくても、基板
19に凹凸を設けることで実質的に斜入射させることも
可能である。
【0045】実施例2:図2はこの発明に係る減圧容器
のクリーニング装置を有するプラズマエッチング装置を
示す概略図である。図に示すように、エッチング室20
は真空排気装置21で真空に排気され、エッチング室2
0はガス源22、プラズマ源23、試料台24を備えて
いる。プラズマ源23はマイクロ波源23aとマグネッ
ト23bとからなる。エッチング室20にはさらに窓2
7と基板28とが備えられており、レーザー源26から
レーザーを基板28に照射できるようになっている。
【0046】このプラズマエッチング装置によってエッ
チングを行なうには、試料台24上に試料25を置き、
ガス源22からエッチングガスを導入し、プラズマ源2
3でプラズマを発生させる。これにより試料25はエッ
チングされる。このプラズマエッチングでは試料25そ
のものだけでなくレジストもエッチングされ、レジスト
がエッチングされる際の生成物である炭素系不純物は一
部が試料25に再付着してエッチングを阻害し、速度、
一様性、形状、選択比などエッチングの様々な特性がこ
の影響を受ける。従来のプラズマエッチングにおいては
これを防ぐためにエッチングガスを変えるなどの工夫を
行なっていた。しかし、エッチングガスを変えた場合、
試料25そのもののエッチングの効果も変わるなど、エ
ッチングの制御性がよくなかった。
【0047】そして、この減圧容器のクリーニング装置
を用いたクリーニング方法においては、エッチングの際
にレーザー源26からレーザーを基板28に照射する。
これにより基板28上で化学反応が起こり、真空中の炭
素系不純物が分解して炭素になり、炭素が基板28上に
堆積する。このため、炭素系不純物のみを除去すること
ができるから、装置を小型にすることができ、またクリ
ーニングに要する時間を短くすることができ、さらにエ
ッチングガスまで除去してしまうことがないから、効率
よくエッチングを行なうことができる。また、レーザー
のエネルギーなどによって化学反応を制御することが可
能であるから、炭素系不純物の除去効率の制御が容易で
ある。また、レーザーはプラズマとの相互作用が少ない
から、プラズマの条件をあまり変えることなく炭素系不
純物を取り除くことができる。また、エッチング室20
内における基板28の位置はかなり自由に設定すること
ができ、しかも基板28近傍の炭素系不純物を取り除く
ことができるから、基板28の位置を変えることでエッ
チング室20内部における炭素系不純物の分布を制御す
ることができ、これにより一様性などのエッチング特性
の制御を行なうことができる。
【0048】なお、基板28のエッチングを防ぐため、
基板28はできればプラズマの外におくことが望まし
い。また、エッチング室20内の汚染を防ぐため、基板
28の材質は重金属を含まない方がよい。また、レーザ
ーを基板28に照射する代りに、電子ビーム、イオンビ
ームなどを基板28に照射することも可能である。ま
た、この実施例においてはエッチング室20内からの炭
素系不純物除去の例を示したが、エッチングにおいてエ
ッチングを阻害する不純物は炭素系不純物だけではな
く、エッチング生成物自体もエッチングを阻害する。こ
のため、基板28を低温化し、基板28に加えるエネル
ギーの制御を行なうことで、炭素系不純物ばかりでな
く、エッチング生成物の除去を行なうことが可能であ
る。
【0049】実施例3:図3はこの発明に係る減圧容器
のクリーニング装置を有するホット分子ビームエッチン
グ装置を示す概略図である。図に示すように、エッチン
グ室30は真空排気装置31で真空に排気され、エッチ
ング室30はガス源32、ホット分子ビーム源33、試
料台34を備えている。ホット分子ビーム源33はノズ
ル33aとヒーター33bとからなる。エッチング室3
0にはさらにアンモニア源36、ノズル37および基板
38が備えられており、分子ビームを基板38に照射で
きるようになっている。
【0050】このホット分子ビームエッチング装置によ
ってエッチングを行なうには、試料台34上に試料35
を置き、ガス源32からエッチングガスを導入し、ホッ
ト分子ビーム源33でホット分子ビームを発生させる。
このホット分子ビームの照射により試料35はエッチン
グされる。この場合、試料35がシリコンのときにはエ
ッチングガスとして塩素が用いられが、試料35に照射
された塩素のホット分子ビームは全てが反応するわけで
はなく、ほとんどが散乱しエッチング室30内を漂う。
そして、塩素はエッチング室30内部に残留している水
分と反応し、塩化水素となる。この塩化水素は腐食性の
ガスであるため、エッチング室30から塩化水素を除去
する必要がある。
【0051】そして、この減圧容器のクリーニング装置
を用いたクリーニング方法においては、ノズル37から
アンモニアの分子ビームを基板38に照射する。これに
よりエッチング室30内を漂っている塩化水素はアンモ
ニアと反応し、塩化アンモニウムとして基板38に堆積
する。このため、塩化水素のみを除去することができる
から、装置を小型にすることができ、またクリーニング
に要する時間を短くすることができ、さらにエッチング
ガスまで除去してしまうことがないから、効率よくエッ
チングを行なうことができる。また、分子ビームの量な
どによって化学反応を制御することが可能であるから、
塩化水素の除去効率の制御が容易であり、しかも局所的
に化学反応を起こすことができるから、局所的に塩化水
素を除去することが可能である。また、エッチング室3
0内を漂う塩化水素の量が減り、エッチング室30は頻
繁な洗浄を必要としなくなるとともに、真空排気装置3
1で排気される塩化水素の量も減るため、真空排気装置
31の故障も少ない。
【0052】なお、塩化アンモニウムの蒸発を防ぐた
め、基板38は低温に保持しておくのが望ましい。ま
た、アンモニアの試料35への拡散を防ぐため、ノズル
37は真空排気装置31の方向を向いていることが望ま
しい。また、ノズル37にヒーターを取り付けホット分
子ビーム源とすることも可能である。この場合、アンモ
ニアのホット分子ビームを基板38に照射することにな
り、反応性が高まるため、塩化アンモニウム膜の堆積速
度も向上し、膜として堆積する塩化水素の量も増える。
【0053】実施例4:図4はこの発明に係る減圧容器
のクリーニング装置を有する真空装置を示す概略図であ
る。図に示すように、真空室40は真空排気装置41で
真空に排気され、真空室40はビーム源42、レンズ系
43、試料台44を備えている。真空室40内にはバル
ブ46を有する容器45が設けられ、容器45の内部に
は電子を発生させるフィラメント47および電子が照射
されることで炭素が堆積する基板48が設置されてい
る。
【0054】この減圧容器のクリーニング装置を用いた
クリーニング方法においては、真空排気装置41により
真空室40内を真空に排気した状態で、バルブ46を開
け、フィラメント47に電流を流す。これにより基板4
8に電子が照射され、基板48に吸着している炭素系不
純物は分解して炭素になり、炭素が基板48上に堆積す
る。そして、ある程度の真空度に達したら、フィラメン
ト47への電流をとめ、バルブ46を閉じる。このよう
に、炭素系不純物のみを除去することができるから、装
置を小型にすることができ、またクリーニングに要する
時間を短くすることができる。また、バルブ46を備え
ているため様々な利点を備えている。すなわち、真空度
の悪い状態においてはバルブ46を閉じているから、ク
リーニング装置内はガスにさらされることがなく、フィ
ラメント47にガスが吸着しない。そのため、電子を発
生させるためにフィラメント47に電流を流し加熱した
際に、フィラメント47からの脱ガスが少なく、炭素系
以外の不純物の真空室40内への放出が少ない。また、
このクリーニング装置では、電子をビームとしないこと
でクリーニング装置の単純化を図っているが、そのため
電子が容器45の内壁全体に照射されることになり、容
器45の内壁に炭素が堆積する。また、超高真空におい
てバルブ46を閉じ、炭素膜を超高真空部分から切り放
すことができるため、超高真空においても炭素系不純物
の除去が遅くなることはない。
【0055】実施例5:図5はこの発明に係る減圧容器
のクリーニング装置を有する2次イオン質量分析計を示
す概略図である。図に示すように、試料室50は真空ポ
ンプ51によって真空に排気され、試料室50の内部に
試料55、2次イオン検出器56、イオンビーム源5
2、レンズ系53を備え、さらに基板57とターゲット
54とを備えている。ターゲット54の材質はAl、S
iO2など様々な物質が使用可能である。基板57はイ
オンビームが斜入射するように設置されており、ターゲ
ット54は基板57に相対するように設置されている。
【0056】この2次イオン質量分析計によって測定を
行なうには、イオンビーム源52から発生したイオンビ
ームを試料55に照射し、発生する2次イオンを2次イ
オン検出器56で測定して行なう。
【0057】そして、この減圧容器のクリーニング装置
を用いたクリーニング方法においては、試料室50内の
炭素系不純物が増加した場合に、基板57にイオンビー
ムを照射すると、基板57に吸着している炭素系不純物
は分解して炭素になり、炭素が基板57上に堆積するか
ら、炭素系不純物を除去することができる。このよう
に、炭素系不純物のみを除去することができるから、装
置を小型にすることができ、またクリーニングに要する
時間を短くすることができる。また、イオンビームのエ
ネルギーなどによって化学反応を制御することが可能で
あるから、炭素系不純物の除去効率の制御が容易であ
り、しかも局所的に化学反応を起こすことができるか
ら、局所的に炭素系不純物を除去することが可能であ
る。また、基板57は試料55と異なる角度に設置され
ており、イオンビームが基板57に斜めに入射するか
ら、基板57に炭素が堆積しやすいので、効率よく炭素
系不純物を除去することができる。しかし、炭素のスパ
ッタを避け堆積を促進するため、基板57に照射すると
きのイオンビームのエネルギーは下げた方が望ましい。
また、基板57上の炭素は表面積が大きく、多量に堆積
した場合には炭素系不純物を除去することが困難になる
から、基板57に多量の炭素が堆積した場合には基板5
7の交換が望ましいが、頻繁な交換は装置の真空度を悪
化させる。しかし、基板57上に炭素が堆積した段階で
イオンビームをターゲット54に照射すると、ターゲッ
ト54がスパッタされ、炭素を被う形で基板57上に膜
が形成されるから、基板57の頻繁な交換は必要ないの
で、装置の真空度を悪化させることが少ない。
【0058】実施例6:図6はこの発明に係る減圧容器
のクリーニング装置を有する電子線描画装置を示す概略
図である。図に示すように、試料室60は真空ポンプ6
1によって真空に排気され、試料室60の内部に試料6
4、電子ビーム源62、レンズ系63を備えている。そ
して、試料64に照射される電子ビームを囲む形に円筒
形基板65が備えられ、基板65には温度コントローラ
ー66が取り付けられてあり、低温に保持されている。
【0059】この減圧容器のクリーニング装置を用いた
クリーニング方法においては、試料64に電子ビームを
照射する際、電子ビーム源62からの散乱電子が基板6
5の内部に照射され、基板65に入射した散乱電子は2
次電子を発生する。この場合、基板65は円筒形である
から、ほとんどの2次電子は再び基板65に入射し、基
板65に吸着している炭素系不純物は分解して炭素にな
り、炭素が基板65上に堆積するので、炭素系不純物を
除去することができる。そして、2次電子のエネルギー
は散乱電子そのものよりも低いため、炭素の堆積の効果
が大きく、効率よく炭素系不純物を除去することができ
る。また、散乱電子を利用するため、電子ビームを偏向
する必要がなく、また試料64に電子ビームを照射して
いるときは常に並行して炭素系不純物を除去することが
できる。また、基板65を低温に保持しているから、炭
素が基板65に付着しやすいので、効率よく炭素系不純
物を除去することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る減
圧容器のクリーニング方法、装置においては、ある化学
的性質を持った特定の物質のみを除去することができる
から、装置を小型にすることができ、またクリーニング
に要する時間を短くすることができる。
【0061】また、ビームを基板に照射する場合には、
加えるエネルギー、物質の種類、量などによって化学反
応を制御することが可能であるから、被除去物質の除去
効率の制御が容易であり、しかも局所的に化学反応を起
こすことができるから、局所的に被除去物質を除去する
ことが可能である。
【0062】また、ビームを試料と基板とに交互に照射
するときには、計測、プロセスなどを行ないながらクリ
ーニングを行なうことができるから、計測、プロセスな
どを清浄な雰囲気でかつ効率よく行なうことができる。
【0063】また、基板への反応生成物の堆積中には減
圧容器内に設けられた検出器を動作させないときには、
検出器の劣化を防止することができるから、検出器の寿
命が短くなるのを防止することができる。
【0064】また、減圧容器を試料の計測、プロセスな
どでガスを用いる真空装置の容器とするときには、ガス
まで除去してしまうことがないから、効率よく計測、プ
ロセスなどを行なうことができる。
【0065】また、基板に堆積した反応生成物の膜とは
異なる組成の膜を基板上に定期的に形成するときには、
基板を頻繁に交換する必要がないから、装置の真空度を
悪化させることが少ない。
【0066】また、基板として表面に凹凸を設けた基板
を用いるときには、ビームを実質的に斜入射させること
ができるから、試料よりも基板により選択的に反応生成
物の堆積を行なわせることができる。
【0067】また、基板を低温に保持するときには、反
応生成物が基板に付着しやすいから、効率よくクリーニ
ングを行なうことができる。
【0068】また、基板に2次電子を照射するときに
は、2次電子のエネルギーは低いから、反応生成物の堆
積の効果が大きいので、効率よくクリーニングを行なう
ことができる。
【0069】また、減圧容器内の試料を囲む形に基板を
設置したときには、試料の近傍の不純物を除去すること
ができるから、計測、プロセスなどをより清浄な雰囲気
で行なうことができる。
【0070】また、基板の温度を減圧容器内の試料の温
度と独立して変化させる温度制御手段を設けたときに
は、反応生成物を試料よりも基板に付着しやすくするこ
とができるから、試料よりも基板により選択的に反応生
成物の堆積を行なわせることができる。
【0071】また、基板を減圧容器内の試料と異なる角
度に設置したときには、基板に反応生成物が堆積しやす
いから、効率よくクリーニングを行なうことができる。
【0072】このように、この発明の効果は顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る減圧容器のクリーニング装置を
有する表面走査型電子顕微鏡を示す概略図である。
【図2】この発明に係る減圧容器のクリーニング装置を
有するプラズマエッチング装置を示す概略図である。
【図3】この発明に係る減圧容器のクリーニング装置を
有するホット分子ビームエッチングを示す概略図であ
る。
【図4】この発明に係る減圧容器のクリーニング装置を
有する真空装置を示す概略図である。
【図5】この発明に係る減圧容器のクリーニング装置を
有する2次イオン質量分析計を示す概略図である。
【図6】この発明に係る減圧容器のクリーニング装置を
有する電子線描画装置を示す概略図である。
【図7】従来の減圧容器のクリーニング装置を有する表
面走査型電子顕微鏡を示す概略図である。
【符号の説明】
10…試料室 14…電子源 19…基板 20…エッチング室 26…レーザー源 27…窓 28…基板 30…エッチング室 36…アンモニア源 37…ノズル 38…基板 40…真空室 45…容器 46…バルブ 47…フィラメント 48…基板 50…試料室 52…イオンビーム源 54…ターゲット 57…基板 60…試料室 62…電子ビーム源 65…基板 66…温度コントローラー

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧容器内の被除去物質を化学反応させ、
    反応生成物を基板の表面に堆積させることを特徴とする
    減圧容器のクリーニング方法。
  2. 【請求項2】上記基板にビームを照射することを特徴と
    する請求項1に記載の減圧容器のクリーニング方法。
  3. 【請求項3】上記減圧容器が上記ビームを試料に照射す
    る真空装置の容器であることを特徴とする請求項2に記
    載の減圧容器のクリーニング方法。
  4. 【請求項4】上記ビームを上記試料と上記基板とに交互
    に照射することを特徴とする請求項3に記載の減圧容器
    のクリーニング方法。
  5. 【請求項5】上記基板への堆積中には上記減圧容器内に
    設けられた検出器を動作させないことを特徴とする請求
    項1に記載の減圧容器のクリーニング方法。
  6. 【請求項6】上記基板に上記反応生成物として炭素を堆
    積させることを特徴とする請求項1に記載の減圧容器の
    クリーニング方法。
  7. 【請求項7】上記基板を定期的に交換することを特徴と
    する請求項1に記載の減圧容器のクリーニング方法。
  8. 【請求項8】上記減圧容器が試料の計測、プロセスなど
    でガスを用いる真空装置の容器であることを特徴とする
    請求項1に記載の減圧容器のクリーニング方法。
  9. 【請求項9】上記基板に堆積した上記反応生成物の膜と
    は異なる組成の膜を上記基板上に定期的に形成すること
    を特徴とする請求項1に記載の減圧容器のクリーニング
    方法。
  10. 【請求項10】上記基板として円筒形基板を用いること
    を特徴とする請求項1に記載の減圧容器のクリーニング
    方法。
  11. 【請求項11】上記円筒形基板内にビームを通過させる
    ことを特徴とする請求項10に記載の減圧容器のクリー
    ニング方法。
  12. 【請求項12】上記基板として表面に凹凸を設けた基板
    を用いることを特徴とする請求項1に記載の減圧容器の
    クリーニング方法。
  13. 【請求項13】上記基板を低温に保持することを特徴と
    する請求項1に記載の減圧容器のクリーニング方法。
  14. 【請求項14】上記基板に2次電子を照射することを特
    徴とする請求項1に記載の減圧容器のクリーニング方
    法。
  15. 【請求項15】減圧容器内の被除去物質を化学反応さ
    せ、反応生成物を基板の表面に堆積させることを特徴と
    する減圧容器のクリーニング装置。
  16. 【請求項16】上記減圧容器が真空装置の真空室であ
    り、上記真空室とバルブを隔てた部屋に上記基板を設置
    したことを特徴とする請求項15に記載の減圧容器のク
    リーニング装置。
  17. 【請求項17】上記真空装置が電子顕微鏡であることを
    特徴とする請求項15に記載の減圧容器のクリーニング
    装置。
  18. 【請求項18】上記減圧容器内の試料を囲む形に上記基
    板を設置したことを特徴とする請求項15に記載の減圧
    容器のクリーニング装置。
  19. 【請求項19】上記基板の温度を上記試料の温度と独立
    して変化させる温度制御手段を設けたことを特徴とする
    請求項第15に記載の減圧容器のクリーニング装置。
  20. 【請求項20】上記基板を上記減圧容器内の試料と異な
    る角度に設置したことを特徴とする請求項15に記載の
    減圧容器のクリーニング装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023119619A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 株式会社日立ハイテク 電子クリーニング装置

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WO2023119619A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 株式会社日立ハイテク 電子クリーニング装置

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