JP2728483B2 - 試料後処理方法と装置 - Google Patents

試料後処理方法と装置

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JP2728483B2 JP1020730A JP2073089A JP2728483B2 JP 2728483 B2 JP2728483 B2 JP 2728483B2 JP 1020730 A JP1020730 A JP 1020730A JP 2073089 A JP2073089 A JP 2073089A JP 2728483 B2 JP2728483 B2 JP 2728483B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料後処理方法と装置に係り、特に半導体
素子基板等の試料でエッチング処理された試料を後処理
するのに好適な試料後処理方法と装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
半導体素子基板等の試料でエッチング処理された試料
を後処理する技術としては、例えば、特開昭58−164788
号公報に記載のようなものが知られている。
特開昭58−164788号公報に記載の技術では、マイクロ
波を酸素ガスと四塩化炭素ガスとの混合ガスに印加して
ガスプラズマを発生させ、該ガスプラズマ中の励起した
原子あるいは分子を安定に移送してパターン形成用マス
クであるレジストの除去処理が実施される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、エッチング処理後の試料からガス
プラズマを利用してレジストは除去されるが、しかし、
エッチング処理後の試料の側壁付着物を除去する点につ
いて、何等配慮されていない。
つまり、上記従来技術では、例えば、塩素系ガスプラ
ズマを利用して、例えば、アルミニウム(Al)合金膜、
特にAl合金膜の下層にバリヤメタル層としてチタンタン
グステン(TiW)やチタンナイトライド(TiN)等を用い
た場合のエッチング処理後におけるレジストはガスプラ
ズマを利用して除去されるが、しかし、エッチング処理
時に側壁に付着した側壁付着物を充分に除去し得ない。
従って、該試料をこのままの状態で、例えば、大気に露
呈させた場合、側壁付着物中に含まれる残留塩素成分と
大気中の水分との作用によって該試料に腐食が発生する
といった問題が生じる。
本発明の目的は、エッチング処理後の試料の防食性を
向上できる試料後処理方法と装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、試料後処理方法は、レジストを有しエッ
チング処理された試料からガスプラズマのラジカル成分
を主体として前記レジストを後処理室内で除去する工程
と、前記レジスト除去工程時より後処理室内を更に減圧
し、前記レジストが除去された試料からガスプラズマの
イオンのスパッタ作用により該試料上に残存する側壁付
着物を除去する工程とを有する方法とし、試料後処理装
置を、減圧下でガスプラズマを生成する手段と、レジス
トを有しエッチング処理された試料を保持する手段と、
前記保持手段に保持された前記試料から前記ガスプラズ
マのラジカル成分を主体として前記レジストを後処理室
内で除去する手段と、前記保持手段に保持された前記レ
ジストが除去された試料から前記ガスプラズマのイオン
のスパッタ作用により該試料上に残存する側壁付着物を
除去する手段とを具備したものとすることにより、達成
される。
〔作用〕
レジストを有しエッチング処理された試料、例えば、
塩素系ガスプラズマを利用してエッチング処理されたAl
合金膜を有する試料は、大気に露呈されることなく、例
えび、真空雰囲気を介して後処理雰囲気に移送されて保
持手段に保持される。一方、ガスプラズマ生成手段によ
りガスプラズマ、例えば、酸素を含むガスプラズマが減
圧下で生成される。エッチング処理後の上記試料のレジ
ストは、レジスト除去処理手段により上記ガスプラズマ
のラジカル成分を主体として除去される。また、エッチ
ング処理後の上記試料の側壁付着物は、側壁付着物除去
処理手段により上記ガスプラズマのイオンのスパッタ作
用により除去される。従って、該試料を、その後、例え
ば、大気に露呈したとしても側壁付着物が除去されてい
るので、該試料に腐食が発生するのを防止できる。な
お、レジスト除去処理がラジカル反応主体で実施される
ので、試料が半導体素子基板の場合、その素子に与えら
れるダメージを低減できる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図,第2図により説明
する。
第1図で、プラズマ生成室10と後処理室20とは、その
内部を真空に保持され、この場合、両室は、Al製の多孔
板30で仕切られている。処理ガスをプラズマ化する手段
としては、この場合、マイクロ波を利用して処理ガスを
プラズマ化する手段が用いられる。つまり、プラズマ生
成室10の、この場合、頂壁に開口部を設け、該開口部に
石英製の窓40を取付け、マイクロ波導波管50の端部にマ
イクロ波発振器60を設けて成る。排気手段は、後処理室
20の排気口21に連結され、圧力制御弁70および真空ポン
プ(図示省略)等から成る。ガス供給手段は、プラズマ
生成室10のガス導入口11に連結され、この場合、例え
ば、酸素ガスと弗化炭素系ガス(例えば、四塩化炭素)
とをそれぞれ流量制御弁80,81で調整し、それぞれのガ
スを混合して供給するガス供給管82等から成る。なお、
後処理室20内には、エッチング処理済みの試料90が搬入
されて試料台100上に載置される。
第2図は、第1図の後処理装置を用い、エッチング処
理と後処理とを真空下で連続して行うことができる処理
装置の平面断面図を示し、一連の処理の概略手順を説明
するために用いる。
第2図に心す処理装置では、バッファ室110,ロードロ
ック室120,130,エッチング室140および後処理室20は真
空排気可能であり、それぞれの室は、独立して気密手段
(図示省略)により仕切ることが可能となっている。
該装置を用いた処理の流れとしては、試料90がロード
側のカセット150から直進アーム160によってロードロッ
ク室120内に運ばれた後に、大気圧から排気装置(図示
省略)により減圧排気される。その後、予め減圧排気さ
れているバッファ室110内を経由して旋回アーム170によ
って、減圧排気されているエッチング室140内へ送られ
る。このエッチング室140にて所定のエッチング処理を
行った後、旋回アーム171によって、これもまた予め減
圧排気されている後処理室20内へ運ばれる。後処理室20
で後処理された試料は、再たび旋回アーム171でロード
ロック室130に運ばれる。ロードロック室130内は、気密
手段によりバッファ室110内と仕切られる。その後、ロ
ードロック室130内は、リークガス、例えば、N2ガスに
より大気圧まで昇圧された後に、大気開放される。その
後、試料は、直進アーム161によりアンロード側のカセ
ット151へ収納されて一連の処理が終了する。
第1図,第2図で、マイクロ波発振器60より発生した
周波数2.45GHzのマイウロ波はマイクロ波導波管50内を
進行し石英製の窓40を介してプラズマ生成室10内に導か
れる。プラズマ生成室10に導入された処理用混合ガスに
マイクロ波が印加されプラズマ生成室10にプラズマが生
成される。プラズマ生成室10と後処理室20の間には、Al
製の多孔板30が設けてあり、マイクロ波が後処理室20に
進行するのを防止し、主にラジカル成分が後処理室20に
導かれる。
本実施例による後処理ではレジストを除去するアッシ
ング処理工程を後処理室20に導かれたラジカルを主成分
として行い側壁付着物処理工程を後処理室20内の処理圧
力を圧力制御弁70を制御してアッシング処理工程時より
さらに減圧し、プラズマ生成室10に発生したイオンを後
処理室20内を減圧することによりイオンの平均自由工程
を大きくして導き、試料90の配線膜パターンの側面に残
った側壁付着物をイオンのスパッタ効果により除去する
ものである。
本実施例によれば、塩素化合物、例えば、塩素系ガス
プラズマを利用してのAlエッチング処理後に残留する残
留塩素量を従来よりはるかに減少することができ、Alあ
るいはAl合金膜および下層にTiW,TiN等のバリヤメタル
層を有するAl合金膜のエッチング処理後の防食性能を向
上することができる。
次に第3図を用いて本発明の他の実施例を説明する。
第3図において第1図と同一装置等には同符号を用い
て、説明は省略する。第3図に示す装置は第1図で示し
た装置に試料台100を上下動するための駆動装置180と上
下動可能な直空気密部材181を付設した構成となってい
る。
本実施例では、先に述べた一実施例と同様にレジスト
を除去するためラジカルを主成分としてアッシング処理
工程を行い、側壁付着物処理工程では試料90を載置した
試料台100を可動可能な気密部材181と上下駆動装置180
によって多孔板30に近づけて行うものである。試料90を
多孔板30に近づけることにより試料90がプラズマ生成域
に近くなり多孔板30より流入するイオン作用効果が増加
し、側壁付着物がより有効に除去できる。一方、試料台
高さを任意に制御することで試料に与えるイオンダメー
ジをも制御することが可能となる。また、前述した後処
理室20内を減圧する実施例と本実施例を組合せれば側壁
付着物はさらに有効に除去可能となる。
次に第4図を用いて本発明のさらに他の実施例を説明
する。第4図において第1図と同一装置等には同符号を
用いて、説明は省略する。第4図に示す装置は第1図で
示した装置に試料台100にバイアス印加用の電源、例え
ば、高周波電源190により高周波出力を印加するととも
に、試料台100と後処理室20との間の電気的絶縁を確保
する目的で絶縁部材200を付設した構成となっている。
本実施例では、第1図を用いて述べた一実施例と同様
にレジストを除去するアッシング処理工程をラジカルを
主成分として行い、側壁付着物処理工程を試料90を載置
した試料台100に高周波電力を印加し、試料表面に高周
波バイアス電圧を発生させ、バイアス電圧によるイオン
のスパッタ作用により側壁付着物が除去できる。また、
本実施例では高周波印加電力を任意に制御することによ
り側壁付着物の除去速度とイオン衝撃による基板ダメー
ジの程度を調節することが可能となる。
第5図は、第1図,第3図および第4図で示した後処
理の処理手順を示す図である。
本発明による後処理方法では最初に配線パターンのレ
ジスト膜をラジカル成分を主体としてアッシング処理を
行った後、残留側壁付着物をイオンのスパッタ効果によ
り除去することを特徴とするものである。
この処理手順によればレジスト成分を酸素を主体とす
るガスで低ダメージで、かつ、高速に除去可能であり、
残留側壁付着物の表面がレジスト除去の際に酸化あるい
は弗化されてもイオンのスパッタ作用により除去するこ
とができ、おのおのの処理に最適な処理条件を個別に設
定可能となるので残留塩素成分を高速かつ有効に除去可
能となる。
以上、本発明によればAlあるいはAl合金膜の後処理が
低ダメージでかつ高い防食性能を得ることができる。
なお、以上の各実施例における後処理ではプラズマ生
成室と後処理室間に多孔板を設けた例を述べたが後処理
に低ダメージ性が強く要求されない場合には多孔板を取
除いて処理を行ってもよい。この場合には試料が直接プ
ラズマにさらされるためイオンのスパッタ効果が高まり
さらに効果的に残留塩素成分を除去することができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、エッチング処理後の試料からレジス
トと側壁付着物とを高速かつ低ダメージに有効に除去で
きるので、エッチング処理後の試料の防食性を向上でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す後処理装置の縦断面
図、第2図は第1図装置を用いたエッチング処理と後処
理とを連続して行う装置の平面断面図、第3図は本発明
の他の実施例を示す後処理装置の縦断面図、第4図は本
発明の更に他の実施例を示す後処理装置の縦断面図、第
5図は本発明における後処理の処理手順を示す図であ
る。 10……プラズマ生成室、20……後処理室、30……多孔
板、40……石英製の窓、50……マイクロ波導波管、60…
…マイクロ波発振器、70……圧力制御弁、80,81……流
量制御弁、100……試料台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 陽一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐藤 仁昭 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社日立製作所笠戸工場内 (56)参考文献 特開 昭62−281331(JP,A) 特開 昭61−90445(JP,A) 特開 昭64−66940(JP,A) 特開 昭64−50530(JP,A) 特開 昭63−241933(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レジストを有しエッチング処理された試料
    からガスプラズマのラジカル成分を主体として前記レジ
    ストを後処理室内で除去する工程と、 前記レジスト除去工程時より後処理室内を更に減圧し、
    前記レジストが除去された試料からガスプラズマのイオ
    ンのスパッタ作用により該試料上に残存する側壁付着物
    を除去する工程とを 有することを特徴とする試料後処理方法。
  2. 【請求項2】前記試料として、レジストを有し塩素系化
    合物を用いてエッチング処理された試料を用いる第1請
    求項に記載の試料後処理方法。
  3. 【請求項3】レジストを有し塩素系ガスプラズマを利用
    してエッチング処理された試料から減圧下で酸素を含む
    ガスプラズマのラジカル成分を主体として前記レジスト
    を後処理室内で除去する工程と、 前記レジスト除去工程時より後処理室内を更に減圧し、
    前記レジストが除去された試料から減圧下で酸素を含む
    ガスプラズマのイオンのスパッタ作用により該試料上に
    残存する側壁付着物を除去する工程とを 有することを特徴とする試料後処理方法。
  4. 【請求項4】前記試料として、アルミニウム合金膜を有
    する試料を用いる第3請求項に記載の試料後処理方法。
  5. 【請求項5】前記試料として、バリヤメタル層が下層で
    あるアルミニウム合金膜を有する試料を用いる第3請求
    項に記載の試料後処理方法。
  6. 【請求項6】バリヤメタル層を持ったアルミニウム合金
    膜配線材料を塩素系ガスプラズマを利用してエッチング
    処理した後に、大気に露呈することなく前記エッチング
    処理後の配線材料のレジストおよび該配線材料上に残存
    する側壁付着物を同一装置内でプラズマを利用して前記
    配線材料から連続して除去する方法であって、該プラズ
    マに、プラズマのラジカル成分を主体として前記レジス
    トを後処理室で除去する工程と前記配線材料からプラズ
    マ中のイオンのスパッタ作用により該配線材料上に残存
    する側壁付着物を除去する工程とを用いることを特徴と
    する試料後処理方法。
  7. 【請求項7】減圧下でガスプラズマを生成する手段と、
    レジストを有しエッチング処理された試料を保持する手
    段と、前記保持手段に保持された前記試料から前記ガス
    プラズマのラジカル成分を主体として前記レジストを後
    処理室内で除去する手段と、前記保持手段に保持された
    前記レジストが除去された試料から前記ガスプラズマの
    イオンのスパッタ作用により該試料上に残存する側壁付
    着物を除去する手段とを具備したことを特徴とする試料
    後処理装置。
  8. 【請求項8】前記保持手段に保持された前記試料の周り
    の雰囲気圧力を、前記レジスト除去処理時の圧力よりも
    前記側壁付着物除去処理時の圧力を低く調節する手段を
    備えた第7請求項に記載の試料後処理装置。
  9. 【請求項9】マイクロ波を用いた前記ガスプラズマが生
    成される空間と前記試料の周りの雰囲気との間に、該雰
    囲気へのマイクロ波の進行を防止し前記雰囲気に前記ガ
    スプラズマのラジカル成分を主体に導く手段を設けた第
    8請求項に記載の試料後処理装置。
  10. 【請求項10】前記側壁付着物除去処理時に、前記保持
    手段に保持された前記試料を前記マイクロ波進行防止お
    よびラジカル導入手段に近づける手段を備えた第9請求
    項に記載の試料後処理装置。
  11. 【請求項11】前記側壁付着物除去手段が、前記保持手
    段に保持された前記試料にバイアスを印加する手段を備
    えた第7請求項に記載の試料後処理装置。
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