JPH0684772B2 - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

Info

Publication number
JPH0684772B2
JPH0684772B2 JP62134168A JP13416887A JPH0684772B2 JP H0684772 B2 JPH0684772 B2 JP H0684772B2 JP 62134168 A JP62134168 A JP 62134168A JP 13416887 A JP13416887 A JP 13416887A JP H0684772 B2 JPH0684772 B2 JP H0684772B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
friction
weight
friction material
carbonaceous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62134168A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63297834A (ja
Inventor
博靖 小川
賢司 島崎
健二 新島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Rayon Co Ltd filed Critical Toho Rayon Co Ltd
Priority to JP62134168A priority Critical patent/JPH0684772B2/ja
Priority to DE8888108518T priority patent/DE3877255T2/de
Priority to EP88108518A priority patent/EP0292997B1/en
Priority to US07/199,825 priority patent/US4861809A/en
Publication of JPS63297834A publication Critical patent/JPS63297834A/ja
Publication of JPH0684772B2 publication Critical patent/JPH0684772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術の利用分野〕 本発明は、自動車をはじめとする輸送機における動力伝
達及び制動に使用する非アスベスト摩擦材に関するもの
である。
〔従来技術と問題点〕
従来、摩擦材の補強材としては、主にアスベストが熱硬
化性樹脂や補強助材と共に成形硬化されて使用されてい
るが、アスベストは発ガン物質であるため、製造時や使
用時の安全衛生上の問題があり、非アスベスト摩擦材に
対する要望が強くなっている。
通常、摩擦材としての要求項目としては、摩擦係数が0.
25以上であること、500℃位の高温においても耐摩耗性
で機械的強度が高いことが挙げられている。
これまで、非アスベスト材としては、各種の繊維素材が
試みられている。
例えば、特開昭58-113641号公報には、アクリル系(PAN
系)繊維を空気中200〜400℃にて熱処理して得た耐炎繊
維が使用されているが、この繊維は引張強さが1〜3g/
d、引張弾性率50〜150g/dであり、補強繊維素材として
は劣っており、特にアスベストと比べると引張弾性率が
かなり低く、また、摩擦材として要求される約500℃の
高温において重量減少があり、揮散するガスと繊維の体
積収縮とを生じ、摩擦材表面に亀裂が生じやすいという
欠点を有している。
更に、補強繊維素材として、PAN系炭素繊維が考えられ
ている。
通常、PAN系炭素繊維は、1000℃以上の不活性ガス中で
焼成された炭素含有量90重量%以上、結合窒素量1〜8
重量%で、引張強さ13g/d以上、引張弾性率1400〜1800g
/d、電気比抵抗0.01Ωcm以下を有している繊維である
が、摩擦材の補強材とした場合、摩擦係数が低くなり、
制動や動力伝達に対して逆の性質となり、使用に当って
補強助材や摩擦係数の高い素材を添加しなければならな
いという煩雑さがあり、加えて、工程の増加によるコス
ト高の要因となる。
また、PAN系炭素繊維は、その熱伝導性の高さのため、
摩擦材の支持材や相手材(通常、金属が使われる)への
熱の移動が大きくなり、相手材の機械的特性を損うとい
う欠点を有している。
一方、近年、ピッチ系炭素繊維の応用が試みられている
が、このものは、引張強さ2〜6g/d、引張弾性率200〜3
00g/dと低性能であり、補強材としての特性に劣り、加
えて、成形に用いられる樹脂との接着性が悪いという欠
点を指摘されている。
〔発明の目的〕
本発明は、上記のごとき欠点を有しない非アスベスト摩
擦材を提供しようとするものである。本発明者らは、こ
の目的に沿い鋭意検討した結果、補強繊維として、特定
の炭素質繊維を用いることにより、目的を達成しうるこ
とを見出し、本発明に至ったものである。
〔発明の構成及び作用〕
本発明は、次のとおりのものである。
窒素含有量が14〜21重量%であり、かつ、引張弾性率50
0〜1300g/dである炭素質繊維0.5〜30重量%と、補助材
及び熱硬化性樹脂とを含有し、摩擦係数0.25〜0.33を有
することを特徴とする摩擦材。
本発明における炭素質繊維とは、アクリロニトリル単独
又は85重量%以上からなる重合体又は共重合体から製造
されたアクリル系繊維を空気中200〜300℃にて、0.1〜
2時間、300mg/d以下の張力下にて酸化して得られる耐
炎繊維を、次いで窒素、若しくは不活性ガス又はスチー
ム中で温度450〜900℃にて0.1〜10分間、1〜300mg/dの
張力下にて炭素化して得られたものであって、窒素含有
量14〜21重量%の繊維である。
窒素含有量が14重量%未満の場合、得られる摩擦材の摩
擦係数や樹脂との接着性が低下してくるので好ましくな
い。窒素含有量が21重量%超の場合、繊維の引張強さ、
引張弾性率が低くなるため得られる摩擦材の強さや弾性
率が低くなるので好ましくない。
炭素質繊維は、通常、密度1.4g/cm3以上、引張強さ3〜
35g/d、引張弾性率200〜1300g/dを有している。繊維中
の窒素含有量が16〜19重量%のものは、電気比抵抗1〜
106Ωcm又は、絶縁性能を示し熱伝導性が低いので、摩
擦材として用いるには好適であり、その中でも引張強さ
5g/d以上が好適である。
本発明において、炭素質繊維の引張弾性率は、500〜130
0g/dであることが必要である。
500g/d未満の場合、補強材としての特性に劣ると共に耐
摩耗性に劣る。1300g/d超の場合、摩擦係数が低くな
る。
引張弾性率500〜700g/dを有した炭素質繊維は特に好ま
しい。
炭素質繊維の摩擦材中の量は、補強効果や摩擦係数を考
慮して0.5〜30重量%である。0.5重量%未満の場合、補
強効果に乏しく、30重量%超の場合、摩擦係数の調整が
難しくなる。
本発明における補助材は、アラミド繊維、スチール繊
維、アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、フォスフェ
ート繊維、チタン酸カリウム繊維、銅繊維、黄銅繊維な
どの繊維であり、この他、炭酸カルシウム、アルミナ粉
末、シリカ粉末など従来公知の摩擦材に用いられている
補助材であり、これらの補助材は、1種又は2種以上が
組合されて使用される。特に、摩擦特性効果から、アラ
ミド繊維(商品名、ケブラー、コーネックス等)の0.5
〜10重量%使用は好適である。
本発明における熱硬化性樹脂としては、フェノール、メ
ラミン、カシュー、エポキシなどの熱硬化性樹脂及びそ
れらの変成物、例えばフェノール変成メラミン、エポキ
シ変成フェノールなどが用いられる。使用量は、通常5
〜25重量%である。
摩擦材を作る方法は、例えば以下のごとくである。
炭素質繊維を繊維長6mm以下にカットしたものと補助材
(繊維状物は3mm以下が好ましい)とを所定量計量しミ
キサー(回転数1000〜10000rpm)にて分散混合し、所定
量の樹脂を添加して含浸したのち、成形金型に入れて加
熱、加圧を行ない成形する。場合によっては、得られた
成形物を更に後硬化する方法が用いられる。
炭素質繊維は、カットしたもののほか、長繊維、ステー
プルしたのちヤーンとされたものなどの形で使用するこ
ともできる。ヤーンの場合は、他の繊維と混紡されるこ
ともできる。この場合は、フェノール樹脂を混紡ヤーン
に含浸させたのち成形する。
〔発明の効果〕
本発明の摩擦材は、非アスベスト化されているため安全
衛生や公衆衛生上から優れているうえ、摩擦係数の温度
依存性が小さく安定し、かつ0.25〜0.33を保持している
だけでなく、高い機械的特性を有しているので、自動車
や動力機械に対し優れた動力伝達、制動機能を示す。
〔実施例及び比較例〕
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
尚、特に記載のない限り「部」「%」は重量を示す。
実施例1 アクリロニトリル95重量%とアクリル酸メチル5重量%
の共重合体からつくられたアクリル繊維(引張強さ4.5g
/d、引張弾性率88g/d、太さ1.5デニール、トータルデニ
ール450,000)を空気中240℃、50mg/dの張力下で4時間
処理し、引張強さ2g/d、引張弾性率90g/d、密度1.43g/c
m3、結合酸素量7%の耐炎化繊維とした。次いで、この
耐炎化繊維を窒素ガス雰囲気中600℃、30mg/dの張力下
にて3分間焼成して炭素質繊維とした。
この繊維の窒素含有量は19%、炭素含有量70%、引張強
さ8g/d、引張弾性率550g/dを示し、電気比抵抗3×106
Ωcmであった。
該炭素質繊維をギロチン式カッターにて長さ3mmにカッ
トして得たカットファイバー20部と炭酸カルシウム粉末
50部、フェノール樹脂30部とをレーディゲミキサー(レ
ーディゲ社、西独)にて混合して得られた混合物を150
℃の円形金型に入れ圧力15kgf/cm2下1時間熱硬化して
取出し、更に200℃で4時間熱硬化し厚さ3.5mm、内直径
130mm、外径200mmのドーナツ状に加工してクラッチフェ
ーシングとした。
得られたクラッチフェーシングにつきJIS−D4311に基づ
き性能を評価した。
摺動相手材 JIS G5501(ねずみ鋳鉄品)のFC25 摺動 初速 7m/sec 回転数 20000rpm 面 圧 10kg/cm2 の条件にて測定した結果、500℃までの表面温度での摩
擦係数0.25〜0.31、制動回数104回後の摩擦係数0.25以
上、摩耗量0.2g以下であり、優れた摩擦材であった。ま
た、曲げ強さは50kgf/mm2であった。
比較例1 前記の中間段階で得られた耐炎化繊維についても同様に
してクラッチフェーシングを作製した。
また、炭素質繊維を窒素ガス雰囲気中1050℃、50m g/d
の張力下で3分間炭素化して窒素含有量8%(本発明の
範囲外)、炭素含有量83%、引張強さ20g/d、引張弾性
率1250g/d、電気比抵抗8×10-3Ωcmの特性を有する炭
素繊維としたものについても同様にしてクラッチフェー
シングを作製した。以上の比較例製品について、それぞ
れ摩擦特性を測定した。
その結果、500℃までの温度での摩擦係数は耐炎化繊維
からの場合0.3〜0.23であったが、クラッチフェーシン
グ表面に亀裂が多数生じ摩耗量13gと多く、また、炭素
繊維の場合は、摩擦係数が0.21と低い値を示しており、
いずれの場合も摩擦材として不適なものであった。
比較例2 窒素ガス雰囲気温度を350℃に変更させる以外は、実施
例1と同様にして、窒素含有量23%(本発明の範囲外)
の繊維とし、次いで、この繊維につき実施例1と同様に
してクラッチフェーシングを作った。
このものについて摩擦特性を測定した結果、摩擦係数0.
3〜0.27、摩耗量0.5以上であって、この製品は摩擦材と
して劣ったものであった。
実施例2 窒素ガスをスチームに変更する以外は実施例1と同様に
して、窒素含有量18%、炭素含有量72%、引張強さ6g/
d、引張弾性率560g/d、電気比抵抗4×106Ωcmの炭素質
繊維を製造した。
該炭素質繊維をギロチン式カッターにて長さ1mmにカッ
トした得たカットファイバーの含有量を変更する以外は
実施例1と同様にしてクラッチフェーシングを作製し
た。
このものの摩擦材特性を、実施例1と同様に測定した結
果と比較例の結果を下記に示す。これによれば、炭素質
繊維の含有量が本発明範囲のものは、優れた摩擦材特性
を示すことがわかる。
実施例3 実施例1において炭素質繊維とアラミド繊維(ケプラー
29)のパルプを用い、その合計含有量を20部とする以外
は、実施例1と同様にしてクラッチフェーシングを作製
した。
このものについて摩擦材特性を測定した結果、アラミド
繊維を使用すると、効果がより高いことが認められた。
実施例4 実施例1にて得た炭素質繊維カットファイバー(長さ3m
m)を15部と炭酸カルシウム粉末50部、フェノール樹脂3
5部とをレーディゲミキサーにて混合した後金型に入れ
圧力150kgf/cm2下、温度170℃で圧縮成形した自動車用
ディスクブレーキパッド材とした。
得られたパッド材につき、定速摩擦試験(JIS−D4411)
をした結果、350℃における摩擦係数0.28、摩耗量1.85
×10-7cm3/kg・mであった。
また、ブレーキダイナモメータによりブレーキ特性を評
価したところ、アスベスト系パッド材に比べて耐フェー
ド性が優れ摩耗量も少なかった。尚、アスベスト系は、
アスベスト25部、炭酸カルシウム40部、フェノール樹脂
35部とし、上記と同様にしてブレーキパッド材とした。
フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭38−26574(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素含有量が14〜21重量%であり、かつ、
    引張弾性率500〜1300g/dである炭素質繊維0.5〜30重量
    %と、補助材及び熱硬化性樹脂とを含有し、摩擦係数0.
    25〜0.33を有することを特徴とする摩擦材。
JP62134168A 1987-05-29 1987-05-29 摩擦材 Expired - Lifetime JPH0684772B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62134168A JPH0684772B2 (ja) 1987-05-29 1987-05-29 摩擦材
DE8888108518T DE3877255T2 (de) 1987-05-29 1988-05-27 Reibmaterial.
EP88108518A EP0292997B1 (en) 1987-05-29 1988-05-27 Friction material
US07/199,825 US4861809A (en) 1987-05-29 1988-05-27 Friction material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62134168A JPH0684772B2 (ja) 1987-05-29 1987-05-29 摩擦材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63297834A JPS63297834A (ja) 1988-12-05
JPH0684772B2 true JPH0684772B2 (ja) 1994-10-26

Family

ID=15122038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62134168A Expired - Lifetime JPH0684772B2 (ja) 1987-05-29 1987-05-29 摩擦材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0684772B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278353A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Toho Tenax Co Ltd 炭素質繊維梱包体

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0749814B2 (ja) * 1989-02-10 1995-05-31 本田技研工業株式会社 摩擦材
CN102382626A (zh) * 2011-08-25 2012-03-21 东营博瑞制动系统有限公司 碳纤维基摩擦材料的配方及制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278353A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Toho Tenax Co Ltd 炭素質繊維梱包体

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63297834A (ja) 1988-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0292997B1 (en) Friction material
JP2782105B2 (ja) ノンアスベストス摩擦材
US5965658A (en) Carbonaceous friction materials
US5670231A (en) Clutch facing
JP2838304B2 (ja) 非石綿系摩擦材
EP0000841A1 (en) Improvements in or relating to friction materials
JPH0684772B2 (ja) 摩擦材
JP3008218B2 (ja) 非石綿系摩擦材成形品
JPH04106183A (ja) 非石綿系摩擦材
JP2811574B2 (ja) 摩擦材
JPH0741567A (ja) 摩擦材
JP3505190B2 (ja) 非石綿系摩擦材
JP2827136B2 (ja) 非石綿系摩擦材
JPS5813684A (ja) 摩擦材
JP2601652B2 (ja) ブレーキ用摩擦材
JPH0774657B2 (ja) ブレーキ用摩擦材
JP3672047B2 (ja) 非石綿系ディスクパッド
CN108424608B (zh) 一种新型无石棉摩擦材料及其制备方法及应用
JP3219151B2 (ja) 耐熱性乾式摩擦材
JP2879382B2 (ja) 繊維成分を含まない摩擦材
JPH0660663B2 (ja) 摩擦材組成物
JPH0465094B2 (ja)
JP2765301B2 (ja) 非石綿系ディスクパッド
JPS6221528A (ja) 摩擦材の製造法
JP2872797B2 (ja) 摩擦材

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071026

Year of fee payment: 13