JPH0684626A - 異方性樹脂結合磁石およびその製造方法 - Google Patents
異方性樹脂結合磁石およびその製造方法Info
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- JPH0684626A JPH0684626A JP4236073A JP23607392A JPH0684626A JP H0684626 A JPH0684626 A JP H0684626A JP 4236073 A JP4236073 A JP 4236073A JP 23607392 A JP23607392 A JP 23607392A JP H0684626 A JPH0684626 A JP H0684626A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、磁石粒子の配向率を改善し、
磁気特性が優れた異方性樹脂結合磁石およびその製造方
法を提供することにある。 【構成】本発明に係る異方性樹脂結合磁石は、磁石バル
ク体を粉砕して得た磁石粒子と結合剤としての樹脂粒子
との混合物に磁場配向によって異方性を付与した後に加
圧成形し、さらに結合剤を硬化せしめることにより、磁
石粒子を樹脂によって一体に結合してなる異方性樹脂結
合磁石において、上記磁石粒子全体のうち、短径に対す
る長径の比が1.5以下である磁石粒子の割合が50重
量%以上であることを特徴とする。また磁石バルク体は
ハンマーミルまたはスタンプミルによって粉砕する。
磁気特性が優れた異方性樹脂結合磁石およびその製造方
法を提供することにある。 【構成】本発明に係る異方性樹脂結合磁石は、磁石バル
ク体を粉砕して得た磁石粒子と結合剤としての樹脂粒子
との混合物に磁場配向によって異方性を付与した後に加
圧成形し、さらに結合剤を硬化せしめることにより、磁
石粒子を樹脂によって一体に結合してなる異方性樹脂結
合磁石において、上記磁石粒子全体のうち、短径に対す
る長径の比が1.5以下である磁石粒子の割合が50重
量%以上であることを特徴とする。また磁石バルク体は
ハンマーミルまたはスタンプミルによって粉砕する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁石粒子を樹脂によっ
て一体に結合した圧縮成形タイプの異方性樹脂結合磁石
およびその製造方法に係り、特に磁石粒子の配向率を改
善し、磁気特性が優れた異方性樹脂結合磁石およびその
製造方法に関する。
て一体に結合した圧縮成形タイプの異方性樹脂結合磁石
およびその製造方法に係り、特に磁石粒子の配向率を改
善し、磁気特性が優れた異方性樹脂結合磁石およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からSm−Co系、Nd−Fe−B
系などの希土類永久磁石粒子等を樹脂によって一体に結
合した樹脂結合磁石が、家電製品、各種電機・電子機
器、計測器、車輌等に広く使用されている。
系などの希土類永久磁石粒子等を樹脂によって一体に結
合した樹脂結合磁石が、家電製品、各種電機・電子機
器、計測器、車輌等に広く使用されている。
【0003】Nd−Fe−B系磁石は残留磁束密度Br
が大きく、等方性の樹脂結合磁石とした場合でも最大エ
ネルギー積(BH)max が7〜10MGOeと比較的に
大きくステッピングモータやセンサ、計測器等に広く使
用されている。またSm−Co系磁石は、等方性のままで
は残留磁束密度Brが小さく、(BH)max も5〜6M
GOeと小さいため、実用上は、磁気異方性を付与し、
Br、(BH)max を高めた状態で使用されることが多
い。
が大きく、等方性の樹脂結合磁石とした場合でも最大エ
ネルギー積(BH)max が7〜10MGOeと比較的に
大きくステッピングモータやセンサ、計測器等に広く使
用されている。またSm−Co系磁石は、等方性のままで
は残留磁束密度Brが小さく、(BH)max も5〜6M
GOeと小さいため、実用上は、磁気異方性を付与し、
Br、(BH)max を高めた状態で使用されることが多
い。
【0004】従来の圧縮成形タイプのSm−Co系異方
性樹脂結合磁石は一般に次のようなプロセスを経て製造
されている。すなわち、まず鋳塊(インゴット)や焼結
体として形成され、所定組成を有する磁石バルク体を、
ブラウンミル等の機械的な粉砕装置を使用して、磁石が
単結晶となる程度まで、または、多結晶でも各結晶粒の
磁化容易軸が揃う程度まで微細に粉砕する。次に得られ
た磁石粒子と、結合剤となる樹脂粒子、並びにカップリ
ング剤等の添加物とを所定の配合比で混合して原料混合
体を調製し、この原料混合体を成形用金型(磁場プレ
ス)のキャビティに充填した状態で外部磁場を印加す
る。このとき各磁石粒子の磁化容易軸(C軸)方向が外
部磁場方向と平行になるように各磁石粒子が回転し、各
磁石粒子の磁化容易軸が揃って磁気異方性が付与され
る。次に磁化容易軸が揃った状態で、原料混合体を加圧
圧縮成形して成形体を形成し、しかる後に得られた成形
体を、熱処理して樹脂成分を熱硬化せしめることによ
り、各磁石粒子が樹脂によって一体に結合された樹脂結
合磁石が形成される。
性樹脂結合磁石は一般に次のようなプロセスを経て製造
されている。すなわち、まず鋳塊(インゴット)や焼結
体として形成され、所定組成を有する磁石バルク体を、
ブラウンミル等の機械的な粉砕装置を使用して、磁石が
単結晶となる程度まで、または、多結晶でも各結晶粒の
磁化容易軸が揃う程度まで微細に粉砕する。次に得られ
た磁石粒子と、結合剤となる樹脂粒子、並びにカップリ
ング剤等の添加物とを所定の配合比で混合して原料混合
体を調製し、この原料混合体を成形用金型(磁場プレ
ス)のキャビティに充填した状態で外部磁場を印加す
る。このとき各磁石粒子の磁化容易軸(C軸)方向が外
部磁場方向と平行になるように各磁石粒子が回転し、各
磁石粒子の磁化容易軸が揃って磁気異方性が付与され
る。次に磁化容易軸が揃った状態で、原料混合体を加圧
圧縮成形して成形体を形成し、しかる後に得られた成形
体を、熱処理して樹脂成分を熱硬化せしめることによ
り、各磁石粒子が樹脂によって一体に結合された樹脂結
合磁石が形成される。
【0005】上記のような磁場成形によって異方性が付
与された樹脂結合磁石は、磁気異方性を生じた方向に高
い磁化を有するため、等方性樹脂結合磁石と比較して優
れた磁気特性を発揮することとなる。
与された樹脂結合磁石は、磁気異方性を生じた方向に高
い磁化を有するため、等方性樹脂結合磁石と比較して優
れた磁気特性を発揮することとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法においては、異方性を付与するための磁場
プレス成形時における各磁石粒子の配向率が未だ不充分
であり、結果として、磁石の代表特性である最大エネル
ギー積(BH)max 等の値が小さいという問題点があっ
た。
来の製造方法においては、異方性を付与するための磁場
プレス成形時における各磁石粒子の配向率が未だ不充分
であり、結果として、磁石の代表特性である最大エネル
ギー積(BH)max 等の値が小さいという問題点があっ
た。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、磁石粒子の配向率を改善し、磁気特性
が優れた異方性樹脂結合磁石およびその製造方法を提供
することを目的とする。
れたものであり、磁石粒子の配向率を改善し、磁気特性
が優れた異方性樹脂結合磁石およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは、磁場成形時に磁石粒子の配向率が
高まらない要因を鋭意究明した結果、粗原料である磁石
バルク体の粉砕方法および粉砕した各磁石粒子の形状の
差異によって樹脂結合磁石の磁気特性が大きく左右され
るという知見を得た。
め、本願発明者らは、磁場成形時に磁石粒子の配向率が
高まらない要因を鋭意究明した結果、粗原料である磁石
バルク体の粉砕方法および粉砕した各磁石粒子の形状の
差異によって樹脂結合磁石の磁気特性が大きく左右され
るという知見を得た。
【0009】本願発明者らは、ブラウンミル等の従来の
粉砕装置を使用して磁石バルク体を粉砕し、得られた磁
石粒子を顕微鏡観察して、その寸法および形状のばらつ
きを確認した。その結果、平均粒径としてはほぼ等しい
磁石粒子であっても、短径に対する長径の比(アスペク
ト比)が2以上となるような針状、葉巻形状または鱗片
状の磁石粒子が50重量%以上含有されていることを確
認した。
粉砕装置を使用して磁石バルク体を粉砕し、得られた磁
石粒子を顕微鏡観察して、その寸法および形状のばらつ
きを確認した。その結果、平均粒径としてはほぼ等しい
磁石粒子であっても、短径に対する長径の比(アスペク
ト比)が2以上となるような針状、葉巻形状または鱗片
状の磁石粒子が50重量%以上含有されていることを確
認した。
【0010】そして、上記のように球状ではなく、針状
または鱗片状に近い形状の磁石粒子と樹脂粒子とを混合
した原料混合体を磁場プレス成形した場合には、磁場配
向時においては各磁石粒子の回転が円滑に進行しない一
方、一旦磁化容易軸が外部磁場方向に平行になった磁石
粒子がプレスによる圧縮成形時に回転し、配向の乱れを
生じ、結果として高い磁気特性が得られなくなるという
知見も得られた。さらに、粉砕機として、ハンマーミル
もしくはスタンプミルを使用することにより、球状に近
い磁石粒子を得ることができるという知見も得られた。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
または鱗片状に近い形状の磁石粒子と樹脂粒子とを混合
した原料混合体を磁場プレス成形した場合には、磁場配
向時においては各磁石粒子の回転が円滑に進行しない一
方、一旦磁化容易軸が外部磁場方向に平行になった磁石
粒子がプレスによる圧縮成形時に回転し、配向の乱れを
生じ、結果として高い磁気特性が得られなくなるという
知見も得られた。さらに、粉砕機として、ハンマーミル
もしくはスタンプミルを使用することにより、球状に近
い磁石粒子を得ることができるという知見も得られた。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0011】すなわち、本発明に係る異方性樹脂結合磁
石は、磁石粒子と結合剤としての樹脂粒子との混合物を
磁場中で加圧成形することにより異方性を付与し、さら
に結合剤を硬化せしめることにより、磁石粒子を樹脂に
よって一体に結合してなる異方性樹脂結合磁石におい
て、上記磁石粒子全体のうち、短径に対する長径の比が
1.5以下である磁石粒子の割合が50重量%以上であ
ることを特徴とする。
石は、磁石粒子と結合剤としての樹脂粒子との混合物を
磁場中で加圧成形することにより異方性を付与し、さら
に結合剤を硬化せしめることにより、磁石粒子を樹脂に
よって一体に結合してなる異方性樹脂結合磁石におい
て、上記磁石粒子全体のうち、短径に対する長径の比が
1.5以下である磁石粒子の割合が50重量%以上であ
ることを特徴とする。
【0012】また本発明に係る異方性樹脂結合磁石の製
造方法は、鋳塊や焼結体として形成した磁石バルク体を
粉砕して得た磁石粒子と、結合剤としての樹脂粒子との
混合物を磁場中で加圧成形することにより異方性を付与
し、さらに結合剤を硬化せしめることにより磁石粒子を
樹脂によって一体に結合する異方性樹脂結合磁石の製造
方法において、上記磁石バルク体の粉砕操作を、ハンマ
ーミルおよびスタンプミルの少くとも一方を使用して実
施することを特徴とする。
造方法は、鋳塊や焼結体として形成した磁石バルク体を
粉砕して得た磁石粒子と、結合剤としての樹脂粒子との
混合物を磁場中で加圧成形することにより異方性を付与
し、さらに結合剤を硬化せしめることにより磁石粒子を
樹脂によって一体に結合する異方性樹脂結合磁石の製造
方法において、上記磁石バルク体の粉砕操作を、ハンマ
ーミルおよびスタンプミルの少くとも一方を使用して実
施することを特徴とする。
【0013】ここで粉砕して調製した各磁石粒子の短径
に対する長径の比(以下アスペクト比Rという。)は、
磁場配向時における磁石粒子の配向率に大きく影響す
る。すなわち、磁石粒子の形状が球形に近くなり、アス
ペクト比が小さくなるに従って磁場成形時に磁石粒子が
回転し易くなり、外部磁場方向への配向が円滑に進行す
るとともに、圧縮成形時における配向の乱れも低減する
ことができる。
に対する長径の比(以下アスペクト比Rという。)は、
磁場配向時における磁石粒子の配向率に大きく影響す
る。すなわち、磁石粒子の形状が球形に近くなり、アス
ペクト比が小さくなるに従って磁場成形時に磁石粒子が
回転し易くなり、外部磁場方向への配向が円滑に進行す
るとともに、圧縮成形時における配向の乱れも低減する
ことができる。
【0014】上記の観点から樹脂結合磁石を構成する全
ての磁石粒子のアスペクト比を1.0に設定することが
理想的ではあるが、現実には、磁石粒子の粒径、アスペ
クト比は、ばらつきを有するものである。従って本発明
では樹脂結合磁石の磁気特性を改善できる範囲として、
1.5以下のアスペクト比を有する磁石粒子の割合を5
0重量%以上、より好ましくは60重量%以上に設定し
ている。すなわちアスペクト比が1.5以下の球状に近
い形状を有する磁石粒子の全磁石粒子に対する割合が5
0重量%未満の場合には、原料混合体の磁場成形時にお
いて、磁石粒子の配向率が充分に高まらない上に、一旦
配向した磁石粒子が圧縮成形時に配向位置からずれて配
向の乱れを生じ、結果として磁気特性が低下してしま
う。
ての磁石粒子のアスペクト比を1.0に設定することが
理想的ではあるが、現実には、磁石粒子の粒径、アスペ
クト比は、ばらつきを有するものである。従って本発明
では樹脂結合磁石の磁気特性を改善できる範囲として、
1.5以下のアスペクト比を有する磁石粒子の割合を5
0重量%以上、より好ましくは60重量%以上に設定し
ている。すなわちアスペクト比が1.5以下の球状に近
い形状を有する磁石粒子の全磁石粒子に対する割合が5
0重量%未満の場合には、原料混合体の磁場成形時にお
いて、磁石粒子の配向率が充分に高まらない上に、一旦
配向した磁石粒子が圧縮成形時に配向位置からずれて配
向の乱れを生じ、結果として磁気特性が低下してしま
う。
【0015】また本発明方法において、鋳塊や焼結体と
して形成された大型の磁石バルク体を粉砕して、微細な
単一磁区を有する磁石粒子を製造するための粉砕装置と
しては、ハンマーミルまたはスタンプミルが好適であ
る。
して形成された大型の磁石バルク体を粉砕して、微細な
単一磁区を有する磁石粒子を製造するための粉砕装置と
しては、ハンマーミルまたはスタンプミルが好適であ
る。
【0016】ここでハンマーミルは、原料を数μm〜数
100μmの範囲で粉砕する装置であり、一般に回転軸
に一体に固着されたディスク周縁に多数のハンマーが装
着された構造を有し、これらのハンマーが高速回転して
被粉砕材料を打撃することにより粉砕する装置である。
100μmの範囲で粉砕する装置であり、一般に回転軸
に一体に固着されたディスク周縁に多数のハンマーが装
着された構造を有し、これらのハンマーが高速回転して
被粉砕材料を打撃することにより粉砕する装置である。
【0017】一方、スタンプミルは臼状の容器内に被粉
砕材料(磁石バルク体)を収容し、材料上部からきねを
繰り返し落下させて材料を粉砕する装置である。
砕材料(磁石バルク体)を収容し、材料上部からきねを
繰り返し落下させて材料を粉砕する装置である。
【0018】上記ハンマーミルおよびスタンプミルは、
従来から磁石バルク体の粉砕装置として一般に使用され
ているブラウンミルと比較して、アスペクト比の絶対値
およびばらつきが小さく外形形状が球体に近い磁石粒子
を効率的に製造することができる。すなわち粉砕粒子の
形状を球状に近い状態に粉砕処理できるため、磁石粒子
の磁場成形時に磁石粒子の回転が容易となり、配向性が
大幅に向上する。その結果として樹脂結合磁石の磁気特
性を改善することができるため、本発明方法における粉
砕装置として使用されるものである。
従来から磁石バルク体の粉砕装置として一般に使用され
ているブラウンミルと比較して、アスペクト比の絶対値
およびばらつきが小さく外形形状が球体に近い磁石粒子
を効率的に製造することができる。すなわち粉砕粒子の
形状を球状に近い状態に粉砕処理できるため、磁石粒子
の磁場成形時に磁石粒子の回転が容易となり、配向性が
大幅に向上する。その結果として樹脂結合磁石の磁気特
性を改善することができるため、本発明方法における粉
砕装置として使用されるものである。
【0019】
【作用】上記構成に係る異方性樹脂結合磁石およびその
製造方法によれば、ハンマーミルやスタンプミルによっ
て磁石バルク体を粉砕し、短径に対する長径の比が1.
5以下の磁石粒子を所定量含有しているため、磁場成形
時において磁石粒子の回転が円滑であり、配向率が改善
されるとともに、圧縮成形時においても配向の乱れが生
じることが少ない。従って磁気特性が優れた高品質の異
方性樹脂結合磁石を提供することができる。
製造方法によれば、ハンマーミルやスタンプミルによっ
て磁石バルク体を粉砕し、短径に対する長径の比が1.
5以下の磁石粒子を所定量含有しているため、磁場成形
時において磁石粒子の回転が円滑であり、配向率が改善
されるとともに、圧縮成形時においても配向の乱れが生
じることが少ない。従って磁気特性が優れた高品質の異
方性樹脂結合磁石を提供することができる。
【0020】
【実施例】次に本発明に係る異方性樹脂結合磁石および
その製造方法について、以下の実施例を参照してより具
体的に説明する。
その製造方法について、以下の実施例を参照してより具
体的に説明する。
【0021】実施例1〜4 焼結法により表1に示すような組成および磁気特性を有
する2種類のSm−Co系磁石バルク体A,Bをそれぞ
れ製作した。
する2種類のSm−Co系磁石バルク体A,Bをそれぞ
れ製作した。
【0022】
【表1】
【0023】次にN2 ガス雰囲気において各磁石バルク
体A,Bをハンマーミルまたはスタンプミルにて1〜3
時間粉砕して、20〜50メッシュ標準篩を通過する各
磁石原料を調製した。
体A,Bをハンマーミルまたはスタンプミルにて1〜3
時間粉砕して、20〜50メッシュ標準篩を通過する各
磁石原料を調製した。
【0024】そして各磁石原料の粒子を顕微鏡観察し
て、その短径に対する長径の比(アスペクト比)のばら
つきを求めるとともに、所定のアスペクト比を有する磁
石粒子の粒子全体に対する割合を測定し、表2に示す結
果を得た。
て、その短径に対する長径の比(アスペクト比)のばら
つきを求めるとともに、所定のアスペクト比を有する磁
石粒子の粒子全体に対する割合を測定し、表2に示す結
果を得た。
【0025】次に得られた各磁石原料に対して、それぞ
れ3重量%の熱硬化性エポキシ樹脂粉末および0.2重
量%のチタネート系カップリング剤を配合しダルトンミ
キサーにて1時間攪拌混合し、各原料混合体を調製し
た。
れ3重量%の熱硬化性エポキシ樹脂粉末および0.2重
量%のチタネート系カップリング剤を配合しダルトンミ
キサーにて1時間攪拌混合し、各原料混合体を調製し
た。
【0026】次に各原料混合体を磁場プレス成形機の金
型内に充填し、18KOeの磁場中で配向せしめた状態
で成形圧力6ton /cm2 でプレス成形し、14×12×
14(磁化方向)mmの成形体とした。さらに得られた成
形体を温度120℃で240分間加熱処理して樹脂成分
を溶融後硬化せしめて実施例1〜4に係る異方性樹脂結
合磁石を製造した。
型内に充填し、18KOeの磁場中で配向せしめた状態
で成形圧力6ton /cm2 でプレス成形し、14×12×
14(磁化方向)mmの成形体とした。さらに得られた成
形体を温度120℃で240分間加熱処理して樹脂成分
を溶融後硬化せしめて実施例1〜4に係る異方性樹脂結
合磁石を製造した。
【0027】比較例1〜2 一方比較例1〜2として、磁石バルク体(焼結体)A,
Bをそれぞれブラウンミルで粉砕して、20〜50メッ
シュ標準篩を通過する各磁石原料をそれぞれ調製した以
外は実施例1〜4と同様な条件で処理して異方性樹脂結
合磁石を製造した。
Bをそれぞれブラウンミルで粉砕して、20〜50メッ
シュ標準篩を通過する各磁石原料をそれぞれ調製した以
外は実施例1〜4と同様な条件で処理して異方性樹脂結
合磁石を製造した。
【0028】こうして得られた実施例1〜4および比較
例1〜2の各磁石サンプルについて、残留磁束密度(B
r)、保磁力(iHc)、最大エネルギー積(BH)
max 、および磁石粒子の配向率を測定分析して下記表2
右欄に示す結果を得た。
例1〜2の各磁石サンプルについて、残留磁束密度(B
r)、保磁力(iHc)、最大エネルギー積(BH)
max 、および磁石粒子の配向率を測定分析して下記表2
右欄に示す結果を得た。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示す結果から明らかなように、磁石
バルク体をハンマーミルまたはスタンプミルで粉砕して
調製した磁石粒子は、いずれもアスペクト比が小さく、
そのばらつきも小さいため、その磁石粒子を使用した実
施例1〜4に係る樹脂結合磁石は磁場成形時において磁
石粒子の回転が円滑であり、配向率が大幅に改善され、
その結果として磁気特性も大幅に向上する。
バルク体をハンマーミルまたはスタンプミルで粉砕して
調製した磁石粒子は、いずれもアスペクト比が小さく、
そのばらつきも小さいため、その磁石粒子を使用した実
施例1〜4に係る樹脂結合磁石は磁場成形時において磁
石粒子の回転が円滑であり、配向率が大幅に改善され、
その結果として磁気特性も大幅に向上する。
【0031】一方比較例1〜2に係る樹脂結合磁石にお
いては、ブラウンミルを使用して磁石バルク体A,Bを
粉砕し磁石粒子を調製しているため、磁石粒子のアスペ
クト比が大きく磁場配向が円滑に進行せず、磁気特性も
相対的に低くなることが判明した。
いては、ブラウンミルを使用して磁石バルク体A,Bを
粉砕し磁石粒子を調製しているため、磁石粒子のアスペ
クト比が大きく磁場配向が円滑に進行せず、磁気特性も
相対的に低くなることが判明した。
【0032】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る異方性樹
脂結合磁石およびその製造方法によれば、ハンマーミル
やスタンプミルによって磁石バルク体を粉砕し、短径に
対する長径の比が1.5以下の磁石粒子を所定量含有し
ているため、磁場成形時において磁石粒子の回転が円滑
であり、配向率が改善されるとともに、圧縮成形時にお
いても配向の乱れが生じることが少ない。従って磁気特
性が優れた高品質の異方性樹脂結合磁石を提供すること
ができる。
脂結合磁石およびその製造方法によれば、ハンマーミル
やスタンプミルによって磁石バルク体を粉砕し、短径に
対する長径の比が1.5以下の磁石粒子を所定量含有し
ているため、磁場成形時において磁石粒子の回転が円滑
であり、配向率が改善されるとともに、圧縮成形時にお
いても配向の乱れが生じることが少ない。従って磁気特
性が優れた高品質の異方性樹脂結合磁石を提供すること
ができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 磁石粒子と結合剤としての樹脂粒子との
混合物に磁場配向後に加圧成形し、さらに結合剤を硬化
せしめることにより、磁石粒子を樹脂によって一体に結
合してなる異方性樹脂結合磁石において、上記磁石粒子
全体のうち、短径に対する長径の比が1.5以下である
磁石粒子の割合が50重量%以上であることを特徴とす
る異方性樹脂結合磁石。 - 【請求項2】 鋳塊や焼結体として形成した磁石バルク
体を粉砕して得た磁石粒子と、結合剤としての樹脂粒子
との混合物に、磁場配向後に加圧成形し、さらに結合剤
を硬化せしめることにより磁石粒子を樹脂によって一体
に結合する異方性樹脂結合磁石の製造方法において、上
記磁石バルク体の粉砕操作を、ハンマーミルおよびスタ
ンプミルの少くとも一方を使用して実施することを特徴
とする異方性樹脂結合磁石の製造方法。 - 【請求項3】 粉砕して得た磁石粒子全体のうち、短径
に対する長径の比が1.5以下である磁石粒子の割合を
50重量%以上にすることを特徴とする請求項2記載の
異方性樹脂結合磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4236073A JPH0684626A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 異方性樹脂結合磁石およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4236073A JPH0684626A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 異方性樹脂結合磁石およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0684626A true JPH0684626A (ja) | 1994-03-25 |
Family
ID=16995320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4236073A Pending JPH0684626A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 異方性樹脂結合磁石およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0684626A (ja) |
-
1992
- 1992-09-03 JP JP4236073A patent/JPH0684626A/ja active Pending
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