JPH0684465B2 - 改良着色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

改良着色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法

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JPH0684465B2
JPH0684465B2 JP63133421A JP13342188A JPH0684465B2 JP H0684465 B2 JPH0684465 B2 JP H0684465B2 JP 63133421 A JP63133421 A JP 63133421A JP 13342188 A JP13342188 A JP 13342188A JP H0684465 B2 JPH0684465 B2 JP H0684465B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリカーボネート樹脂及び/又はポリブチレン
テレフタレート樹脂を含む、着色ポリブチレンテレフタ
レート樹脂組成物の製造方法に関し、詳しくは着色によ
る耐衝撃性、引張強度等機械的性及び成形性の低下が少
なく、外観良好な成形体を提供する改良着色ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂組成物の製造方法に関する。
〔従来の技術とその課題〕
ポリブチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタ
レートを80重量%以上含有する共重合体(以下、総称し
てPBTと略称する)は結晶性熱可塑性樹脂として、加工
の容易さ、機械形成特性、その他物理的・化学的特性に
も優れているため、自動車、電機・電子機器、その他精
密機械、建材、雑貨等の分野において広く利用されてい
る。しかし用途が広がるにつれて、その性質について多
種、多様の改善が要求されるようになり、PTBに各種添
加剤、充填剤等を配合してしの性質を改善した樹脂組成
物が製造されている。
それらの1つの耐衝撃性、剛性(高温における)、外観
(光沢)、寸法精度等の改善の目的でポリカーボネート
樹脂(PCと略称)やポリブチレンテレフタレート樹脂
(PETと略称)を配合したPBTが用用いられている。更に
前記PBTは用途(装飾、耐候性等)によって各種着色樹
脂(組成物及び成形品)の供給を望まれることが多い
が、この様な場合、以下の如き問題を有し、その解決が
強く要望される。
即ち、PC、PETを含んだPBTはそれ自身、押出、成形等溶
融加工の際、エステル交換反応を起こしやすく、特に着
色剤(顔料等)が共存する場合には、この傾斜が著しく
促進され、成形品の機械的物性が著しく低下するのみな
らず、樹脂の結晶性に変化をもたらし、固化する際の結
晶化が不均一となる為、成形品に著しく色むらを生じ外
観が著しく損なわれるのである。かかる現象はPBTのみ
の場合にはさほど問題にならないが、これにPC、PETが
共存し、且つ着色剤が加わると特に顕著な障害として現
れてくることが確認された。
従来、一般に着色樹脂を得る方法といては着色剤をその
まま又は分散剤と共に樹脂に直接練り込む方法、あるい
は樹脂の溶融成形時に添加混合して着色させているが、
いずれもPBT単独系には特に支障はないが、PBTにPC、PE
Tの共存する場合には、エステル交換反応によると思わ
れる機械的物性、特に耐衝撃性の低下、外観の不良(色
ムラ、鱗マーク等)が認められ、製品(商品)の品質に
支障を生じるのである。
上記の様に、PBTとPC及び/又はPETの共存系の着色樹脂
に関して、耐衝撃性、引張強度等機械的物性の低下が少
なく、又、成形性、外観良好性、共に優れた着色PBT樹
脂組成物を製造する事が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は上記の如き欠点を解決した着色PBT樹脂組
成物又は成形品を得ることを目的として、その製造方法
について鋭意検討を重ねた結果、PBTにPC及び/又はPET
を配合した着色樹脂の製造時、予め表面被覆処理を施し
た着色剤を用いる事により、上記目的を達成し得ること
を知見し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、 (A)ポリブチレンテレフタレートート又はポリブチレ
ンテレフタレートを80重量%以上含有する共重合体 50
〜99重量%(対(A)+(B)成分) (B)ポリカーボネート樹脂及び/又はポリエチレンテ
レフタレート樹脂 50〜1重量%(対(A)+(B)成
分) (C)無機充填剤 0〜60重量%(対組成物全量) (D)着色剤 0.01〜5重量%(対組成物全量)よりな
る着色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造に
おいて、(D)着色剤を予め (E)熱可塑性高分子化合物(但し、(B)成分を除
く) (着色剤100重量部に対し10〜2000重量部) で表面被覆して添加混練する事を特徴とする改良着色ポ
リブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法に関す
るものである。
以下、本発明の方法について詳しく説明する。
先ず、本発明に用いるられる(A)PBT樹脂とは、1,4−
ブタンジオールとテレフタール酸又はその低級アルコー
ルエステルとを重縮合して得られるポリブチレンテレフ
タレートであり、ポリブチレンテレフタレートを80重量
%以上含有する共重合体であってもよい。共重合される
モノマーとしては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、コハ
ク酸等の脂肪酸、芳香族多塩基酸、又はそのエステル形
成性誘導体、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ
酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル形
成性誘導体、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,8−オクタンジオール等の低級アルキレング
リコール、ビスフェノールA、4,4′−ジヒドロキシビ
フェニル等の芳香族アルコール、ビスフェノールAのエ
チレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド2モル付加体等のアルキレンオキサ
イド付加体アルコール、グリセリン、ペンタエリスリト
ール等のポリヒドロキシ化合物又はそのエステル形成性
誘導体等が挙げられる。
特に好ましいのはポリブチレンテレフタレートである。
次に本発明において(A)はPBT樹脂に配合される
(B)成分の1つであるPCは下記一般式(I)で表され
る構造単位を有する重合体である。
(ここで、Zは結合又は炭酸数1〜8のアルキレン、炭
素数2〜8のアルキリデン、炭素数5〜15のシクロアル
キレン、炭素数5〜15のシクロアルキリデンSO2,SO,O,C
O又は 基を意味し、Rは水素、塩素もしくは臭素原子又は1〜
8の炭素原子を有する飽和アルキル基を意味し、mは0
〜4の数を示す。) このポリカーボネート樹脂は溶剤性、即ち、塩化メチレ
ン等の溶剤中で公知の酸受容体、分子量調整剤の存在
下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前
駆体との反応又は二価フェノールとジフェニルカーボネ
ートのようなカボネート前駆体とのエステル交換反応に
よって製造することができる。
ここで、好適に使用し得る二価フェノールとしてはビス
フェノール類があり、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル樹脂)プロパン、即ちビスフェノールAが好ま
しい。また、ビスフェノールAの一部又は全部を他の二
価フェノールで置換したものであってもよい。ビスフェ
ノールA以外の二価フェノールとしては、例えばハイド
ロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような
化合物又はビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロシキフェ
ニル)プロパン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
フェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール
類を挙げることができる。これら二価フェノールは二価
フェノールのホモポリマー又は2種以上のコポリマー若
しくはブレンド物であってもよい。更に、本発明で用い
るポリカーボネート樹脂は多官能性芳香族化合物を二価
フェノール及び/又はカーボネート前駆体との反応させ
た熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであってもよ
い。
又、(B)成分の他の一つであるPETはエチレングリコ
ールとテレフタル酸又はその低級アルコールエステルを
主成分として公知の方法で重縮合して得られるポリエチ
レンテレフタートを80重量%以上有するポリエステルで
あって、既によく知られている物質であり、上記の基本
構造を有する市販品は、何れも本発明の(B)成分とし
て使用可能である。
次に(A)PBT、(B)PC及び/又はPETの配合割合につ
いては、両樹脂併用の効果が最大限に発揮出来る様な組
成比として(A)+(B)成分中において、(A)が50
〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、(B)が50〜1
重量%、好ましくは40〜5重量%である。(B)PC及び
/又はPETが(A)PBTの使用量を上回ると、PBTの特徴
である耐薬品性、特に耐溶剤性、成形性等の悪化が予想
され、一方、PC及び/又はPETが1重量%以下になる
と、耐衝撃性等の改善効果が認められなくなり、又本発
明の課題とする意義が存在しなくなる。
次に本発明で使用される(D)着色剤としては、無機又
は有機質を含む染・顔料が挙げられる。無機顔料として
は、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、ベンガ
ラ、黄鉛、硫化カドミウム、群青等、又有機染・顔料と
してはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ア
ンスラキノン系、ジオキサジン系、ペリレン系、ペリノ
ン系、アントラキノン系、インジコ系などが挙げられ、
これらの1種以上が用いられる。(D)着色剤の使用量
については組成物を着色する目的あるいは用途に応じて
全組成物中0.01〜5重量%の使用が好ましい。0.01重量
%より少なくては均一な着色品が得られず、又5重量%
を越えると物性の低下が著しい。
本発明の特徴とするところは、(D)着色剤が予め
(E)熱可塑性高分子化合物(但しPC又はPETを除く)
で表面被覆を施されている所にある。ここで用いられる
熱可塑性高分子化合物(E)とは、PBTあるいはPC、PET
と相溶性があり、前記樹脂の押出、形成工程において著
しく変質、分解、着色等しないものが好ましく、更に使
用する着色剤に対して親和性、吸着性等のあるものが好
ましい。
これらの熱可塑性高分子化合物としては、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエステル系エラストマー、フッ素
樹脂、スチレン,AS樹脂,ABS樹脂,MBS樹脂の如きスチレ
ン系ポリマーあるいはブタジエンゴムグラフト樹脂の如
きブタジエン系ポリマー、フェノキシ樹脂、ポリアミド
系ポリマー、アクリル系ポリマー、グラフト化変性エチ
レン共重合体,エチレンエチルアクリレートの如き変性
オレフィン系ポリマー、ブテン系ポリマー等が挙げら
れ、これらのものは単独でも複数化合物であっても使用
可能である。
(B)の熱可塑性高分子化合物の種類については、前記
条件を満足するか又はそれに近いものであれば特に限定
される必要がなく、着色樹脂が用いられる用途、目的に
より適宜、選択されるべきものである。しかしながら、
本発明の目的とする効果を勘案すればポリブチレンテレ
フタレート樹脂、ポリエステル系エラストマー、ブタジ
エン系ポリマー、フェノキシ樹脂、グラフト重合された
変性エチレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート
の如き変性エチレン系ポリマーより成る群から選ばれた
少なくとも1種以上を用いるのが特に好ましい。
前記(E)熱可塑性高分子化合物は、予め着色剤を被覆
して添加配合されることにより、押出、成形等の溶融加
工時の樹脂(A),(B)間エステル交換反応を極力抑
制させる効果をもつと考えられる。これらの作用効果を
考えた場合、本発明においては着色剤として無機顔料を
主体としたものに特にその効果を発揮する。
一方、(E)の熱可塑性高分子化合物の使用量は少なく
とも着色剤をコーティングするに要する最小限を下限と
し、その上限は多量使用による物性、品質への弊害が生
じない範囲にあることが好ましい。かかかる見地から
(E)成分の配合量は一般的には着色剤100重量部に対
して10〜2000重量部である。
次に、本発明で言う所の着色剤の表面被覆処理はドライ
カラーリング法、カラーマスターバッチ法等公知の方法
を用いて行われる。例えばイ)所定量の着色剤(D)と
好ましくは粉砕された熱可塑性高分子化合物(E)をダ
ブルコーン型ブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェル
ミキサー等を用いて充分混合し、着色剤の表面に(E)
の微粉体を充分吸着被覆させた後(ドライカラー)、
(A)PBT、(B)PC及び/又はPETに配合して押出ある
いは成形する方法 ロ)前記(イ)に示す方法でドライカラーを作成し、熱
可塑性樹脂の融点以上で混練し、冷却粉砕後、(A)PB
T、(B)PC及び/又はPETに配合し、更に押出処理を行
うかあるいは、直接成形する方法(ペレットブレンド)
等があるが、着色剤の表面処理法としては一旦熱可塑性
高分子物質(E)とその融点以上で溶融混練した後、冷
却粉砕又はペレット化する方法が好ましい。
本発明により得られる着色PBT樹脂組成物はその用途に
応じ、射出成形、押出成形、圧縮成形、発泡成形、ブロ
ー成形、真空成形等何れの方法によっても成形加工可能
であり、何れの成形品においても、耐衝撃性、引張強度
等機械的特性、成形性等の低下が少なく、外観良好性を
有する点が特長である。
更に本発明の改善着色ポリブチレンテレフタート樹脂
は、必要に応じその調整の任意の段階で、繊維状、粉粒
状、板状等の(C)無機充填剤を配合することが可能で
あり、これらの組成物としても極めて有用であり、本発
明樹脂の効果を発揮することが出来る。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、
カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジ
ルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊
維、チタン酸カリ繊維、更にステンレス、アルミニウ
ム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質
繊維状物が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤は、
ガラス繊維、又はカーボン繊維である。かかる繊維状強
化剤を配合する組成物の場合、本発明の方法は機械的強
度の点で特に有効である。この原因は充分解明されては
いないが、或る種の顔料を使用する場合、顔料による繊
維状充填剤の傷付の防止を果していることが示唆されて
いる。
一方、粉粒状充填剤としては、シリカ、石英粉末、カラ
スビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、硅酸アルミニウ
ム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナ
イトの如き硅酸塩、その他炭化硅素、窒化硅素、窒化硼
素、各種金属粉末等が挙げられる。
また、板状充填剤として、マイカ、ガラスフレーク、各
種の金属箔等が挙げられる。
これらの無機充填剤は1は種又2種以上併用することが
できる。繊維状充填剤、特にガラス繊維又は炭化繊維と
粒状及び/又は板状充填剤の併用は、特に機械的強度と
寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合
わせである。
これらの充填剤の使用にあったては必要ならば収束剤又
は表面処理剤を使用することが望ましい。この例を示せ
ば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラ
ン系化合物等の官能性化合物である。これらの化合物は
予め表面処理又は収束処理を施して用いるか、又は材料
調整の際同時に添加してもよい。
これら無機充填剤の添加割合は組成物全量に対し60重量
以下である。充填剤の添加量が60重量%を越えると混合
物の成形性が著しく悪化するため好ましくない。
更に、本発明の着色ポリブチレンテレフタレート樹脂組
成物には、一般に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加
される公知の物質、即ち酸化防止剤や紫外線吸収剤等の
安定剤、帯電防止剤、難燃剤、潤滑剤及び結晶化促進
剤、結晶核剤等を配合することも勿論可能である。
また、本発明の改良着色ポリブチレンテレフタレート樹
脂組成物の製造法は、前記成分の他に補助的に少量の他
の熱可塑性樹脂を配合した組成物の製法として使用する
ことも可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹脂
としては、例えばポリアミド、ABS、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリアルキルアクリレート、ポリアセター
ル、ポリサルサン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルケトン、フェノキシ樹脂、フッ
素樹脂などを挙げることができる。また、これらの熱可
塑性樹脂は2種以上混合して使用することもできる。
前記無機充填剤、添加剤等は本発明の改良着色ポリブチ
レンテレフタレート樹脂を得る任意のいかなる段階で加
えてもよく、又最終成形品を得る直前で、添加、混合す
ることも勿論可能である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<着色剤の表面被覆処理> 着色剤調整法−1 着色剤と熱可塑性高分子化合物微粉末(何れも種類、量
は表に記載)とをミキサーを用いてよく混合し、着色剤
の表面に熱可塑性高分子粉末がよく付着した状態とし
た。
着色剤調整法−2 着色剤と熱可塑性高分子化合物(何れも種類、量は表に
記載)を混合し、押出機を用いて溶融混練し、着色剤を
高濃度で含み高分子化合物で融着したペレットを調整し
た。
実施例1〜12 (A)成分として固有粘度(IV)0.8のポリブチレンテ
レフタレート(B)成分としてポリカボネートあるいは
ポリエチレンテレフタレートを用い、更に前記着色剤調
整法−1又は2に従って調整した表面被覆着色剤を配合
し、そのまま成形、又は一旦溶融押出して組成物ペレッ
トを調整し,このペレットを成形して、夫々その性状を
評価した。
評価方法は以下の通である。
(1)外観評価 ウエルド付平板(120×120×3mm)を成形し、その表面
外観を目視にて観察して、特にウエルド部に発生しやす
い色ムラ等の外観を評価した。
(2)引張試験:ASTM D638に準拠して引張強度 (kg/cm2)を測定した。
(3)曲げ試験:6.4mm厚みの試験片を用い、 ASTM D 790に準拠して、曲げ強度 (kg/cm2)を測定した。
(4)アイゾット:6.4mm厚みの試験を用い、 衝撃試験 ASTM D 256に準拠して、ノッチ付アイゾット衝
撃強度(kg・cm/cm)を測定した。
その結果を表1に示した。
比較例1〜8 着色剤(D)を熱可塑性高分子化合物(E)で表面被覆
することなくそのまま単純に各成分を混合、押出しペレ
ット化後、成形して評価した。
その評価結果を表1に示した。
実施例13〜20 表2に示す如く、(A)固有粘度0.8のPBTと(B)成分
としてPC及び/又はPETと、(C)無機充填剤としてガ
ラス繊維を用い、更に着色剤(D)を前記着色剤調整法
−2に従って高分子化合物(E)で表面被覆した着色剤
調整物を混合し、溶融押出して組成物ペレットを製造
し、これを成形して同様に評価した。結果を表2に示
す。
比較例9〜19 実施例に用いたと同じ(A),(B),(C),(D)
成分並びに更に(E)成分を用い、特に着色剤(D)の
表面を(E)で被覆処理することなく、単純に各成分を
混合し、溶融押出し、成形して評価した。
〔発明の効果〕 前述の説明及び実施例より明らかな如く、本発明の方法
によれば、従来の製造法に比較して、機械的物性、特に
耐衝撃性、引張強度、曲げ強度が向上し、且つ外観表面
性(色ムラ、鱗マーク等)に優れたPC及び/又はPET含
有着色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が安定し
得られる。かかる効果はPC又はPETを配合したPBT樹脂組
成物に特に顕著であり、ポリブチレンテレフタレート樹
脂単独の場合には物性、品質にさほど影響しない着色樹
脂を得ることが出来ることからみて本発明の方法は着色
剤による(A)及び(B)成分間のエステル交換反応を
抑制するものと推察される。
本発明の方法によれば、高品質の(A)及び(B)より
成るポリマーの着色組成物成形品の製造を可能にし、外
観品位と共に耐衝撃性等を要求される、自動車部品(例
えばバンパー、外装板、ドアーハンドル、ホイルカバー
等)、電機部品(コネクター、コイルボビン等)、OA機
器(ハウジング)等に好適に使用し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 LPR 9363−4J //(C08L 67/02 69:00 101:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリブチレンテレフタレート又はポ
    リブチレンテレフタレートを80重量%以上含有する共重
    合体 50〜99重量%(対(A)+(B)成分) (B)ポリカーボネート樹脂及び/又はポリエチレンテ
    レフタレート樹脂 50〜1重量%(対(A)+(B)成
    分) (C)無機充填剤 0〜60%重量%(対組成物全量) (D)着色剤 0.01〜5重量%(対組成物全量) よりなる着色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の
    製造において、(D)着色剤を予め(E)熱可塑性高分
    子化合物(但し、(B)成分を除く) (着色剤100重
    量部に対し10〜2000重量部) で表面被覆して添加混練する事を特徴とする改良着色ポ
    リブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】(D)着色剤の表面被覆に用いる熱可塑性
    高分子化合物がポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ
    エステル系エラストマー、ブタジエン系ポリマー、フェ
    ノキシ樹脂及び変性オレフィン系ポリマーより成る群か
    ら選ばれた少なくとも1種以上のものである請求項1記
    載の改良着色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の
    製造方法。
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