JPH0684446B2 - 耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート系フィルム - Google Patents
耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート系フィルムInfo
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- JPH0684446B2 JPH0684446B2 JP63274731A JP27473188A JPH0684446B2 JP H0684446 B2 JPH0684446 B2 JP H0684446B2 JP 63274731 A JP63274731 A JP 63274731A JP 27473188 A JP27473188 A JP 27473188A JP H0684446 B2 JPH0684446 B2 JP H0684446B2
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- polyethylene terephthalate
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐熱性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィ
ルムに関し、更に詳しくは、優れた機械的特性、寸法安
定性、耐熱性の諸性質を兼備し、フレキシブルプリント
基板、各種耐熱テープ、キャリヤーとして有効に使用す
ることができるポリエチレンテレフタレート系フィルム
に関するものである。
ルムに関し、更に詳しくは、優れた機械的特性、寸法安
定性、耐熱性の諸性質を兼備し、フレキシブルプリント
基板、各種耐熱テープ、キャリヤーとして有効に使用す
ることができるポリエチレンテレフタレート系フィルム
に関するものである。
[従来の技術] 従来、飽和線状ポリエチレンテレフタレートはその優れ
た機械的性質を具備するため、繊維、フィルム、シー
ト、型物などの各種成型品に広く使用されている。しか
しながら、かかる飽和線状ポリエチレンテレフタレート
樹脂は熱可塑性で、溶融成形することによって所望の成
形体とすることができるといった利点があるが、耐熱性
が充分であるとはいえない。
た機械的性質を具備するため、繊維、フィルム、シー
ト、型物などの各種成型品に広く使用されている。しか
しながら、かかる飽和線状ポリエチレンテレフタレート
樹脂は熱可塑性で、溶融成形することによって所望の成
形体とすることができるといった利点があるが、耐熱性
が充分であるとはいえない。
例えばポリエチレンテレフタレート延伸フィルムでは23
0℃程度の温度で収縮率が大きくなり、使用範囲が著し
く制限される。また、実質的に無延伸のものでは特に耐
熱性が低く、約70℃の温度で成形体が容易に変形又は脆
化合してしまうといった欠点がある。
0℃程度の温度で収縮率が大きくなり、使用範囲が著し
く制限される。また、実質的に無延伸のものでは特に耐
熱性が低く、約70℃の温度で成形体が容易に変形又は脆
化合してしまうといった欠点がある。
一方、電子機器の小型化、軽量化、精密化に伴ない、優
れた寸法安定性、ハンダ浴温度に耐え得る耐熱性を有す
る素材が求められている。かかる要求性能を満足し、ポ
リエチレンテレフタレートの前記の欠点を克服する目的
で、特公昭61-19419号公報には、実質的に線状な飽和ポ
リエステルに下記式(I) (但し式中、R1、R2、R3は同一もしくは異なり、それぞ
れ水素原子及び有機基よりなる群から選ばれたメンバー
を表わす) で表わされる不飽和基を有する化合物及び光化学反応開
始剤を溶融混合した後、製膜してフィルムとし、次いで
該フィルムに活性エネルギー線を照射する架橋ポリエス
テルフィルムに関する技術が知られている。
れた寸法安定性、ハンダ浴温度に耐え得る耐熱性を有す
る素材が求められている。かかる要求性能を満足し、ポ
リエチレンテレフタレートの前記の欠点を克服する目的
で、特公昭61-19419号公報には、実質的に線状な飽和ポ
リエステルに下記式(I) (但し式中、R1、R2、R3は同一もしくは異なり、それぞ
れ水素原子及び有機基よりなる群から選ばれたメンバー
を表わす) で表わされる不飽和基を有する化合物及び光化学反応開
始剤を溶融混合した後、製膜してフィルムとし、次いで
該フィルムに活性エネルギー線を照射する架橋ポリエス
テルフィルムに関する技術が知られている。
しかし、前記技術による架橋ポリエステルフィルムは、
配合する不飽和基を有する化合物が高価であり、コスト
面での問題があった。また、所期のフィルム物性を得る
ために高度に架橋させる必要があった。
配合する不飽和基を有する化合物が高価であり、コスト
面での問題があった。また、所期のフィルム物性を得る
ために高度に架橋させる必要があった。
本発明者らは、先に特開昭60-228527号公報で、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂を特定のエポキシ樹脂及び特
定の光重合開始剤と共に溶融成形した後、紫外線を照射
することによって先行技術の問題点を解決する新たな架
橋構造のポリエチレンテレフタレート樹脂を成形し得る
技術を提案した。
チレンテレフタレート樹脂を特定のエポキシ樹脂及び特
定の光重合開始剤と共に溶融成形した後、紫外線を照射
することによって先行技術の問題点を解決する新たな架
橋構造のポリエチレンテレフタレート樹脂を成形し得る
技術を提案した。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記技術ではポリエチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムを溶融成形する際にゲル分の生成が大き
く、得られたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
は著しく外観が悪く、常温時の延伸及び柔軟性と架橋処
理しても高温時の強度及び収縮率とのバランスが不十分
で、その用途に制限を受けていた。
ト樹脂フィルムを溶融成形する際にゲル分の生成が大き
く、得られたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
は著しく外観が悪く、常温時の延伸及び柔軟性と架橋処
理しても高温時の強度及び収縮率とのバランスが不十分
で、その用途に制限を受けていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記の各技術の問題点を解決すべく、上
記技術を根本的に再検討した結果、樹脂の組成、光架橋
剤及び光架橋によるゲルの生成量の調整並びに成形加工
条件について検討した結果、室温において適度な延伸、
柔軟性を有し、更に高温においても十分に使用に耐え得
る強度と収縮率を有する耐熱性ポリエチレンテレフタレ
ート系フィルムを得た。
記技術を根本的に再検討した結果、樹脂の組成、光架橋
剤及び光架橋によるゲルの生成量の調整並びに成形加工
条件について検討した結果、室温において適度な延伸、
柔軟性を有し、更に高温においても十分に使用に耐え得
る強度と収縮率を有する耐熱性ポリエチレンテレフタレ
ート系フィルムを得た。
すなわち、本発明は、実質的に線状の飽和ポリエチレン
テレフタレートを主成分とする樹脂(A)と、1分子中
にオキシラン環を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分
とするカチオン重合性化合物(B)と、紫外線照射によ
りルイス酸触媒を遊離する前記カチオン重合性化合物の
光重合開始剤(C)とよりなる組成物を光架橋せしめた
フィルムであって、該組成物の配合比が、それぞれ
(B)が(A)の5〜50重量%、(C)が(B)の0.1
〜10重量%であり、光架橋後のフィルムを100℃のオル
ソクロロフェノールに1時間浸漬したときの不溶分が10
重量%以上であることを特徴とする耐熱性ポリエチレン
テレフタレート系フィルムである。
テレフタレートを主成分とする樹脂(A)と、1分子中
にオキシラン環を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分
とするカチオン重合性化合物(B)と、紫外線照射によ
りルイス酸触媒を遊離する前記カチオン重合性化合物の
光重合開始剤(C)とよりなる組成物を光架橋せしめた
フィルムであって、該組成物の配合比が、それぞれ
(B)が(A)の5〜50重量%、(C)が(B)の0.1
〜10重量%であり、光架橋後のフィルムを100℃のオル
ソクロロフェノールに1時間浸漬したときの不溶分が10
重量%以上であることを特徴とする耐熱性ポリエチレン
テレフタレート系フィルムである。
また、ポリエステルオリゴマーを添加してフィルム成形
時の温度を低下させ、ゲルの生成を抑えることにより外
観の優れた耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート系
フィルムを得ることができる。
時の温度を低下させ、ゲルの生成を抑えることにより外
観の優れた耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート系
フィルムを得ることができる。
すなわち、実質的に線状の飽和ポリエチレンテレフタレ
ートを主成分とする樹脂(A)と、1分子中にオキシラ
ン環を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とするカチ
オン重合性化合物(B)と、紫外線照射によりルイス酸
触媒を遊離する前記カチオン重合性化合物の光重合開始
剤(C)と、ポリエステルオリゴマー(D)とよりなる
組成物を光架橋せしめたフィルムであって、該組成物の
配合比が、それぞれ(B)が(A)+(D)の5〜50重
量%、(C)が(B)の0.1〜10重量%、(D)が
(A)の5〜35重量%であり、100℃のオルソクロロフ
ェノールに1時間浸漬したときの不溶分が10重量%以上
であることを特徴とする耐熱性光架橋ポリエチレンテレ
フタレート系フィルムである。
ートを主成分とする樹脂(A)と、1分子中にオキシラ
ン環を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とするカチ
オン重合性化合物(B)と、紫外線照射によりルイス酸
触媒を遊離する前記カチオン重合性化合物の光重合開始
剤(C)と、ポリエステルオリゴマー(D)とよりなる
組成物を光架橋せしめたフィルムであって、該組成物の
配合比が、それぞれ(B)が(A)+(D)の5〜50重
量%、(C)が(B)の0.1〜10重量%、(D)が
(A)の5〜35重量%であり、100℃のオルソクロロフ
ェノールに1時間浸漬したときの不溶分が10重量%以上
であることを特徴とする耐熱性光架橋ポリエチレンテレ
フタレート系フィルムである。
[発明の具体的説明] (1)構成成分 飽和ポリエチレンテレフタレート樹脂成分(A) 本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
に含有される実質的に線状の飽和ポリエチレンテレフタ
レートを主成分とする樹脂は、酸成分としてテレフター
ル酸、グリコール成分としてエチレングリコールより主
として成るものであるが、融点170℃以上、好ましくは2
30℃以上であれば、酸成分としてイソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸、ヒ
ドロキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、グ
リコール成分としてトリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメチロール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール含んでいてもよい。
に含有される実質的に線状の飽和ポリエチレンテレフタ
レートを主成分とする樹脂は、酸成分としてテレフター
ル酸、グリコール成分としてエチレングリコールより主
として成るものであるが、融点170℃以上、好ましくは2
30℃以上であれば、酸成分としてイソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸、ヒ
ドロキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、グ
リコール成分としてトリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメチロール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール含んでいてもよい。
なお、前記ポリエチレンテレフタレートが実質的に線状
である範囲でペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン、ピロメリット酸及びこれらのエステル形成誘導
体などの多官能化合物を共重合せしめてもよい。
である範囲でペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン、ピロメリット酸及びこれらのエステル形成誘導
体などの多官能化合物を共重合せしめてもよい。
該ポリエチレンテレフタレートとしての特性を失わない
限り、他の熱可塑性樹脂、例えばポリブチレンテレフタ
レート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアリレー
ト、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサイド、
ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン・ブタジエン共重合体の外、飽和ポリエス
テル樹脂のオリゴマーなどの少なくとも1種以上を配合
することもできる。
限り、他の熱可塑性樹脂、例えばポリブチレンテレフタ
レート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアリレー
ト、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサイド、
ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン・ブタジエン共重合体の外、飽和ポリエス
テル樹脂のオリゴマーなどの少なくとも1種以上を配合
することもできる。
カチオン重合性化合物成分(B) 本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
に含有されるカチオン重合性化合物は、1分子中にオキ
シラン環を2個以上有するエポキシ樹脂としてはビスフ
ェノール型エポキシ樹脂を主成分とするカチオン重合性
化合物の一種又は二種以上の混合物であり、このエポキ
シ樹脂としてはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラ
ック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが好まし
い。
に含有されるカチオン重合性化合物は、1分子中にオキ
シラン環を2個以上有するエポキシ樹脂としてはビスフ
ェノール型エポキシ樹脂を主成分とするカチオン重合性
化合物の一種又は二種以上の混合物であり、このエポキ
シ樹脂としてはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラ
ック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが好まし
い。
このようなビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例
えばエピコート828、エピコート834、エピコート836、
エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007(以
上、シェル学社製、商品名)、DER331、DER332、DER66
1、DER664、DER667(以上、ダウケミカル社製、商品
名)、アラルダルト260、アラルダルト280、アラルダル
ト6071、アラルダルト6084、アラルダルト6097(以上、
チバガイギー社製、商品名)などが挙げられ、それらは
単独で又は混合して用いられる。
えばエピコート828、エピコート834、エピコート836、
エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007(以
上、シェル学社製、商品名)、DER331、DER332、DER66
1、DER664、DER667(以上、ダウケミカル社製、商品
名)、アラルダルト260、アラルダルト280、アラルダル
ト6071、アラルダルト6084、アラルダルト6097(以上、
チバガイギー社製、商品名)などが挙げられ、それらは
単独で又は混合して用いられる。
その他ブタジエン系エポキシ樹脂などの使用も可能であ
り、前記各種エポキシ樹脂を混合したものも使用し得
る。
り、前記各種エポキシ樹脂を混合したものも使用し得
る。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物には、硬化特
性が悪くならない範囲内で1官能エポキシ希釈剤を使用
してもよい。このような1官能エポキシ希釈剤として
は、例えばフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルグ
リシジルエーテルなどが挙げられる。
性が悪くならない範囲内で1官能エポキシ希釈剤を使用
してもよい。このような1官能エポキシ希釈剤として
は、例えばフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルグ
リシジルエーテルなどが挙げられる。
さらにカチオン重合性ビニル化合物を前記エポキシ樹脂
に混合して使用することも可能であり、そのようなカチ
オン重合性ビニル化合物としては、例えばスチレン、ア
リルベンゼン、トリアリイソシアネート、トリアリルシ
アネート、ビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、
N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
に混合して使用することも可能であり、そのようなカチ
オン重合性ビニル化合物としては、例えばスチレン、ア
リルベンゼン、トリアリイソシアネート、トリアリルシ
アネート、ビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、
N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
光重合開始剤成分(C) 本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
の製造に際して配合される、紫外線照射によりカチオン
重合性化合物の重合を開始させるルイス酸触媒を遊離す
る光重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香
族ハロニウム塩、第VIa族または第Va族元素の光感応性
芳香族オニウム塩などが挙げられる。
の製造に際して配合される、紫外線照射によりカチオン
重合性化合物の重合を開始させるルイス酸触媒を遊離す
る光重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香
族ハロニウム塩、第VIa族または第Va族元素の光感応性
芳香族オニウム塩などが挙げられる。
前記芳香族ハロニウム塩は、一般式 〔(R4)d(R5)eX〕▲+ f▼〔MQ〕▲g -(g-h)▼ (II) (式中、R4は1価の芳香族有機基、R5は2価の芳香族有
機基、Xは例えばI、Br、Crなどのハロゲン原子、Mは
金属又は半金属、Qはハロゲン原子を表わし、dは0又
は2、eは0又は1であり、かつ、(d+e)は2又は
Xの原子価に等しく、gはhより大きく8以下の整数を
表わす。) で示される化合物であって、例えば などが挙げられる。
機基、Xは例えばI、Br、Crなどのハロゲン原子、Mは
金属又は半金属、Qはハロゲン原子を表わし、dは0又
は2、eは0又は1であり、かつ、(d+e)は2又は
Xの原子価に等しく、gはhより大きく8以下の整数を
表わす。) で示される化合物であって、例えば などが挙げられる。
さらに第VIa族元素又は第Va族元素の光感応性芳香族オ
ニウム塩としては一般式 〔(R6)i(R7)j(R8)kY〕▲+ l▼〔MQm〕-(m-n) (III) (式中、R6は1価の芳香族有機基、R7はアルキル基、シ
クロアルキル基、置換アルキル基よりなる群から選ばれ
た1価の脂肪族有機基、R8は脂肪族有機基および芳香族
有機基から選ばれた複素環構造を構成する多価有機基、
YはS、Se、Teの第VI族元素又はN、P、As、Sb及びBi
から選ばれた第Va族元素、Mは金属又は半金属、Qはハ
ロゲン原子を表わす。iは0〜4の整数、jは0〜2の
整数、kは0〜2の整数であり、かつ、(i+j+k)は
Yの原子価に等しく、Yが第VIa族のときは3、Yが第V
a族のときは4に等しく、i=(m-n)が成立し、か
つ、nは2〜7の整数でMの原子価に等しく、mはnよ
りも大きい8以下の整数を表わす。) で示される化合物である。
ニウム塩としては一般式 〔(R6)i(R7)j(R8)kY〕▲+ l▼〔MQm〕-(m-n) (III) (式中、R6は1価の芳香族有機基、R7はアルキル基、シ
クロアルキル基、置換アルキル基よりなる群から選ばれ
た1価の脂肪族有機基、R8は脂肪族有機基および芳香族
有機基から選ばれた複素環構造を構成する多価有機基、
YはS、Se、Teの第VI族元素又はN、P、As、Sb及びBi
から選ばれた第Va族元素、Mは金属又は半金属、Qはハ
ロゲン原子を表わす。iは0〜4の整数、jは0〜2の
整数、kは0〜2の整数であり、かつ、(i+j+k)は
Yの原子価に等しく、Yが第VIa族のときは3、Yが第V
a族のときは4に等しく、i=(m-n)が成立し、か
つ、nは2〜7の整数でMの原子価に等しく、mはnよ
りも大きい8以下の整数を表わす。) で示される化合物である。
第VIa族元素のオニウム塩としては、例えば などが挙げられる。
また第Va族元素のオニウム塩としては、例えば などが挙げられる。
ポリエステルオリゴマー成分(D) 本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
に添加されるポリエステルオリゴマーは、酸成分として
テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸、ヒドロキシエトキシ酸などのオキシカルボ
ン酸、グリコール成分としては、エチレングリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメチロー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどからなる、融点が170℃以下の低融点ポリエステ
ルオリゴマーの一種又は二種以上の混合物である。
に添加されるポリエステルオリゴマーは、酸成分として
テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸、ヒドロキシエトキシ酸などのオキシカルボ
ン酸、グリコール成分としては、エチレングリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメチロー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどからなる、融点が170℃以下の低融点ポリエステ
ルオリゴマーの一種又は二種以上の混合物である。
配合比 ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)に対して添加さ
れる前記カチオン重合性化合物(B)の量は、ポリエチ
レンテレフタレートに対して5〜50重量%、好ましくは
10〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。
れる前記カチオン重合性化合物(B)の量は、ポリエチ
レンテレフタレートに対して5〜50重量%、好ましくは
10〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。
添加量が50重量%を超えると、得られるフィルムが柔軟
性に乏しく、また、5重量%未満では耐熱性が乏しい。
性に乏しく、また、5重量%未満では耐熱性が乏しい。
カチオン重量性化合物(B)に対して添加される前記ル
イス酸遊離型光重合開始剤(C)の量は、カチオン重合
性化合物の0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%で
あり、0.1重量%未満になると紫外線による架橋反応速
度が遅くなり、処理時間が長くなりすぎる傾向があり、
10重量%を超えると触媒コストが高価であるため樹脂組
成物の価格が高くなるばかりでなく、フィルムの強度低
下及び多量のイオン成分の残存によるフィルム特性の低
下が顕著になる。
イス酸遊離型光重合開始剤(C)の量は、カチオン重合
性化合物の0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%で
あり、0.1重量%未満になると紫外線による架橋反応速
度が遅くなり、処理時間が長くなりすぎる傾向があり、
10重量%を超えると触媒コストが高価であるため樹脂組
成物の価格が高くなるばかりでなく、フィルムの強度低
下及び多量のイオン成分の残存によるフィルム特性の低
下が顕著になる。
また、ポリエステルオリゴマー(D)を添加するとき
は、前記カチオン重合性化合物(B)を、ポリエチレン
テレフタレート樹脂(A)とポリエステルオリゴマー
(D)との合計量に対して上記と同じ割合に添加する。
は、前記カチオン重合性化合物(B)を、ポリエチレン
テレフタレート樹脂(A)とポリエステルオリゴマー
(D)との合計量に対して上記と同じ割合に添加する。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)に対して添加さ
れるポリエステルオリゴマー(D)の量は、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂に対して5〜35重量%、好ましく
は7〜30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%であ
る。添加量が5重量%以下ではフィルム成形時の温度を
低下させる効果は少なく、また、35重量%以上では得ら
れるフィルムの強度が弱い。
れるポリエステルオリゴマー(D)の量は、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂に対して5〜35重量%、好ましく
は7〜30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%であ
る。添加量が5重量%以下ではフィルム成形時の温度を
低下させる効果は少なく、また、35重量%以上では得ら
れるフィルムの強度が弱い。
(2)フィルムの製造 本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
は、上記の構成成分を溶融混合した後、製膜してフィル
ムとし、次いで該フィルムに紫外線を照射することによ
って製造することができる。
は、上記の構成成分を溶融混合した後、製膜してフィル
ムとし、次いで該フィルムに紫外線を照射することによ
って製造することができる。
溶融混合 本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
を製造するためには、通常、先ず初めに前記構成成分の
ポリエチレンテレフタレート、必要によりポリエステル
オリゴマー、とカチオン重合性化合物をリボンブレンダ
ー、V−ブレンダーの如き機械的混合手段などにより混
合し、更にエクストルーダーの如き溶融混練機を用いて
溶融混練してペレットを得る。溶融混練は一般に260〜3
00℃、好ましくは265〜280℃の温度で、通常1〜10分混
練することにより行なわれる。光重合開始剤は通常は光
重合開始剤の分解を避けるため、次の製膜の際の溶融混
練機に添加して混練される。
を製造するためには、通常、先ず初めに前記構成成分の
ポリエチレンテレフタレート、必要によりポリエステル
オリゴマー、とカチオン重合性化合物をリボンブレンダ
ー、V−ブレンダーの如き機械的混合手段などにより混
合し、更にエクストルーダーの如き溶融混練機を用いて
溶融混練してペレットを得る。溶融混練は一般に260〜3
00℃、好ましくは265〜280℃の温度で、通常1〜10分混
練することにより行なわれる。光重合開始剤は通常は光
重合開始剤の分解を避けるため、次の製膜の際の溶融混
練機に添加して混練される。
製膜 得られたペレットと光重合開始剤(C)とを押出機にて
再溶融し、連続的にダイより押し出すなどの通常の熱可
塑性樹脂の製膜方法によってフィルム状に成形すること
ができる。
再溶融し、連続的にダイより押し出すなどの通常の熱可
塑性樹脂の製膜方法によってフィルム状に成形すること
ができる。
この時、配合されている光重合開始剤は、200℃以上の
高温で長時間処理されると、急速に分解してゲル分を生
成し易いので、できるだけ低温、かつ短時間の成形加工
条件を用い、使用する溶融押出機も強制吐出型押出機を
使用することが望ましい。
高温で長時間処理されると、急速に分解してゲル分を生
成し易いので、できるだけ低温、かつ短時間の成形加工
条件を用い、使用する溶融押出機も強制吐出型押出機を
使用することが望ましい。
本発明でいうカチオン重合性化合物をポリエチレンテレ
フタレート樹脂に配合するとポリエチレンテレフタレー
ト樹脂の融点が低下し都合がよい。
フタレート樹脂に配合するとポリエチレンテレフタレー
ト樹脂の融点が低下し都合がよい。
具体的な溶融押出温度は220〜270℃、好ましくは225〜2
60℃、更に好ましくは230〜250℃である。270℃を超え
るとゲル化が著しくて製膜できず、220℃未満では溶融
押出しが困難となる。また、溶融押出時間は10分以下、
30秒以上、好ましくは5分以下、40秒以上、更に好まし
くは3分以下、50秒以上である。10分を超えるとゲル化
が著しく製膜できず、30秒未満では溶融押出しが困難と
なる。
60℃、更に好ましくは230〜250℃である。270℃を超え
るとゲル化が著しくて製膜できず、220℃未満では溶融
押出しが困難となる。また、溶融押出時間は10分以下、
30秒以上、好ましくは5分以下、40秒以上、更に好まし
くは3分以下、50秒以上である。10分を超えるとゲル化
が著しく製膜できず、30秒未満では溶融押出しが困難と
なる。
使用する溶融押出機の例としては、ウエルナークラデア
社製ZSK型二軸押出機、東芝機械(株)製TEM型二軸押出
機、日本製鋼(株)製TEX型二軸押出機、池貝鉄工
(株)製PCM型二軸押出機など、平行する片持ちスクリ
ューが同方向、異方向に回転し強制吐出機構を有する溶
融押出機が好都合である。
社製ZSK型二軸押出機、東芝機械(株)製TEM型二軸押出
機、日本製鋼(株)製TEX型二軸押出機、池貝鉄工
(株)製PCM型二軸押出機など、平行する片持ちスクリ
ューが同方向、異方向に回転し強制吐出機構を有する溶
融押出機が好都合である。
低融点のポリエステルオリゴマーを配合する本発明の技
術に従えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の融点よ
り低い温度で、光重合開始剤による分解ゲル化を起こさ
せることなく製膜することができるので好都合である。
術に従えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の融点よ
り低い温度で、光重合開始剤による分解ゲル化を起こさ
せることなく製膜することができるので好都合である。
また、特にある種の配合組成においては、上記のペレッ
ト化を省略して、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
ステルオリゴマー、カチオン重合性化合物及び光重合開
始剤を同時に機械的に混合した後に混練機で溶融混合
し、直ちに製膜することができる。
ト化を省略して、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
ステルオリゴマー、カチオン重合性化合物及び光重合開
始剤を同時に機械的に混合した後に混練機で溶融混合
し、直ちに製膜することができる。
紫外線照射 上記製膜によって得られたフィルムに、紫外線を照射す
ることにより架橋させて本発明の耐熱性ポリエチレンテ
レフタレート系フィルムを製造するが、紫外線の照射に
よる架橋は無延伸フィルム、延伸フィルムと共に施し得
る。紫外線の照射による架橋は製膜工程において連続的
に実施することが好ましい。
ることにより架橋させて本発明の耐熱性ポリエチレンテ
レフタレート系フィルムを製造するが、紫外線の照射に
よる架橋は無延伸フィルム、延伸フィルムと共に施し得
る。紫外線の照射による架橋は製膜工程において連続的
に実施することが好ましい。
紫外線の照射条件は室温よりポリエチレンテレフタレー
トの分解温度までの温度、好ましくはポリエチレンテレ
フタレートのガラス転移点温度以上で融点以下の温度、
特に好ましくはガラス転移温度よりも20℃以上高い温度
で融点より20℃低い温度以下で、照射時間は60秒以下、
好ましくは30秒以下、更に好ましくは5〜15秒である。
照射条件は、得られる架橋物のオルソクロロフェノール
不溶分の量によって適宜選択される。
トの分解温度までの温度、好ましくはポリエチレンテレ
フタレートのガラス転移点温度以上で融点以下の温度、
特に好ましくはガラス転移温度よりも20℃以上高い温度
で融点より20℃低い温度以下で、照射時間は60秒以下、
好ましくは30秒以下、更に好ましくは5〜15秒である。
照射条件は、得られる架橋物のオルソクロロフェノール
不溶分の量によって適宜選択される。
紫外線は一般に200〜500nm、好ましくは300〜400nmの波
長のものが使用される。
長のものが使用される。
本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
は、上記の方法により工業的に製造することができる
が、必ずしも上記の方法のみにより製造されたものに限
定されるものでない。
は、上記の方法により工業的に製造することができる
が、必ずしも上記の方法のみにより製造されたものに限
定されるものでない。
(3)フィルム 上記方法などにより製造された本発明の耐熱性ポリエチ
レンテレフタレート系フィルムは、オルソクロロフェノ
ール10mlにポリエチレンテレフタレート系フィルム100m
gを100℃で1時間加熱攪拌溶解させた後、3Gのガラスフ
ィルターで濾過洗浄した不溶部を130℃で恒温に達する
まで乾燥させた時の不溶分(ゲル)が10重量%以上、好
ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上の
ものである。
レンテレフタレート系フィルムは、オルソクロロフェノ
ール10mlにポリエチレンテレフタレート系フィルム100m
gを100℃で1時間加熱攪拌溶解させた後、3Gのガラスフ
ィルターで濾過洗浄した不溶部を130℃で恒温に達する
まで乾燥させた時の不溶分(ゲル)が10重量%以上、好
ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上の
ものである。
不溶分が10重量%未満である場合には、フィルムの寸法
安定性及び耐熱性が不充分である。
安定性及び耐熱性が不充分である。
本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
の厚さは、通常1000μm以下、好ましくは2〜500μ
m、さらに好ましくは5〜300μmのものである。
の厚さは、通常1000μm以下、好ましくは2〜500μ
m、さらに好ましくは5〜300μmのものである。
このような本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート
系フィルムは、フレキシブルプリント基板、各種耐熱テ
ープ、キャリヤーとして有効に使用することができる。
系フィルムは、フレキシブルプリント基板、各種耐熱テ
ープ、キャリヤーとして有効に使用することができる。
[実施例] 本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
を以下に実施例を挙げて具体的に説明する。
を以下に実施例を挙げて具体的に説明する。
なお、極限粘度はオルソクロロフェノール中で35℃で測
定した値である。また、融点はDSC(示差熱分析計)に
より5mgのサンプルを10℃/分の速度で昇温した時の吸
熱ピークを示す。
定した値である。また、融点はDSC(示差熱分析計)に
より5mgのサンプルを10℃/分の速度で昇温した時の吸
熱ピークを示す。
また、得られるフィルムの強度及び伸度の測定はJIS C2
318に準拠した。
318に準拠した。
また、表−1、2、3における収縮率は次の算式により
測定した。
測定した。
収縮率:標線を付けたフィルムを260℃雰囲気に1分間
放置した場合の長さ方向の変化により次式にて算出し
た。
放置した場合の長さ方向の変化により次式にて算出し
た。
l23 :23℃における標線間距離 l260:260℃における標線間距離 実施例1〜5、比較例1〜7 酸成分としてテレフタル酸を、またグリコール成分とし
てエチレングリコールを用いて得られたポリエチレンテ
レフタレート(A)(極限粘度0.68、融点258℃、ガラ
ス転移点温度70℃)と、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(B)分子量306、エポキシ樹脂103)とを表−1に示
す割合で配合し、Vブレンダーで良く混合した後、L/D
=30の30ミリ二軸混練機(池貝鉄工(株)製 PCM型)
にてシリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpmで
溶融混練し、成形材料としてのペレットを得た。
てエチレングリコールを用いて得られたポリエチレンテ
レフタレート(A)(極限粘度0.68、融点258℃、ガラ
ス転移点温度70℃)と、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(B)分子量306、エポキシ樹脂103)とを表−1に示
す割合で配合し、Vブレンダーで良く混合した後、L/D
=30の30ミリ二軸混練機(池貝鉄工(株)製 PCM型)
にてシリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpmで
溶融混練し、成形材料としてのペレットを得た。
次いで光重合開始剤としてトリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート(C)を先に溶融ペレット
化した成形材料(A+B)に対してVブレンダーにて混
合し、先端に300mmTダイを設けた前記二軸混練機で、シ
リンダー温度250℃、樹脂滞留時間2分、回転数200rpm
で溶融混練押出し、ロールにて急冷して厚さ200μmの
透明な未延伸フィルムを得た。
キサフルオロアンチモネート(C)を先に溶融ペレット
化した成形材料(A+B)に対してVブレンダーにて混
合し、先端に300mmTダイを設けた前記二軸混練機で、シ
リンダー温度250℃、樹脂滞留時間2分、回転数200rpm
で溶融混練押出し、ロールにて急冷して厚さ200μmの
透明な未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムに2kW高圧水銀灯(30w/cm)を20cm
離した位置から130℃で7秒間照射した。
離した位置から130℃で7秒間照射した。
得られたフィルムの性質と成分(A)(B)(C)の配
合割合を表−1にまとめた。
合割合を表−1にまとめた。
実施例で得られたフィルムは比較的に比べいずれも室温
での可撓性も十分であり、高温での強度及び寸法安定性
がともに優れている。
での可撓性も十分であり、高温での強度及び寸法安定性
がともに優れている。
また、比較例5は実施例3と同一の配合組成であるが、
得られたフィルムに紫外線の照射を実施しないで製造し
たものであり、比較例6は実施例3と同一の配合組成で
あるが、フィルム成形時に単軸混練機(田辺社製40mm、
スクリューL/D=30)を利用して製造したものである。し
たがって、紫外線の照射がない場合はエポキシ樹脂の架
橋が起らず、高温時のフィルム物性が著しく劣ったもの
となる。また、フィルム成形時に強制吐出力の劣る単軸
混練機を使用して成膜したが、成膜することはできなか
った。
得られたフィルムに紫外線の照射を実施しないで製造し
たものであり、比較例6は実施例3と同一の配合組成で
あるが、フィルム成形時に単軸混練機(田辺社製40mm、
スクリューL/D=30)を利用して製造したものである。し
たがって、紫外線の照射がない場合はエポキシ樹脂の架
橋が起らず、高温時のフィルム物性が著しく劣ったもの
となる。また、フィルム成形時に強制吐出力の劣る単軸
混練機を使用して成膜したが、成膜することはできなか
った。
実施例6及び比較例8 酸成分としてテレフタル酸を、またグリコール成分とし
てエチレングリコールとポリエチレングリコール(分子
量1000)とを用いて得られたポリエチレンテレフタレー
ト(D)(極限粘度0.75、融点240℃、ガラス転移点温
度60℃、エチレングリコール対ポリエチレングリコール
のモル比:5対1)を使用して、実施例3と同様の実験を
実施した。
てエチレングリコールとポリエチレングリコール(分子
量1000)とを用いて得られたポリエチレンテレフタレー
ト(D)(極限粘度0.75、融点240℃、ガラス転移点温
度60℃、エチレングリコール対ポリエチレングリコール
のモル比:5対1)を使用して、実施例3と同様の実験を
実施した。
その結果を表−2に紫外線照射のみを実施しなかった比
較例8と共に示す。
較例8と共に示す。
本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタレート系フィルム
は、表−1に示す実験結果から明らかな如く、比較例1
〜6及び通常のポリエチレンテレフタレートフィルム
(比較例7)に比べ、実施例1〜5の本発明の耐熱性ポ
リエチレンテレフタレート系フィルムは、室温において
も使用に耐える柔軟性を持つ以外に、室温(260℃)に
おける強度、伸び、収縮率が極めて優れており、従来の
ポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱性を大幅に
改善し、B種以上の耐熱性電気機器への使用が可能とな
る。更に耐熱収縮率の小さいことはフレキシブルプリン
トサーキットの耐半田特性を大巾に改善することができ
る。
は、表−1に示す実験結果から明らかな如く、比較例1
〜6及び通常のポリエチレンテレフタレートフィルム
(比較例7)に比べ、実施例1〜5の本発明の耐熱性ポ
リエチレンテレフタレート系フィルムは、室温において
も使用に耐える柔軟性を持つ以外に、室温(260℃)に
おける強度、伸び、収縮率が極めて優れており、従来の
ポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱性を大幅に
改善し、B種以上の耐熱性電気機器への使用が可能とな
る。更に耐熱収縮率の小さいことはフレキシブルプリン
トサーキットの耐半田特性を大巾に改善することができ
る。
また、比較例1〜4によって、カチオン重合性化合物及
び光重合開始剤の添加量が適正範囲を越えると、望まし
いフィルムの高温物性が得られ難いことが理解できる。
また、実施例6よりポリエチレンテレフタレートのグリ
コール成分の一部をポリエチレングリクールに替える
と、伸びの良好で柔軟なものが得られることが理解でき
る。したがって、本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタ
レート系フィルムは用途に応じて、各種性能に適したフ
ィルムとすることができる。
び光重合開始剤の添加量が適正範囲を越えると、望まし
いフィルムの高温物性が得られ難いことが理解できる。
また、実施例6よりポリエチレンテレフタレートのグリ
コール成分の一部をポリエチレングリクールに替える
と、伸びの良好で柔軟なものが得られることが理解でき
る。したがって、本発明の耐熱性ポリエチレンテレフタ
レート系フィルムは用途に応じて、各種性能に適したフ
ィルムとすることができる。
実施例7〜13及び比較例9〜16 酸成分としてテレフタル酸を、またグリコール成分とし
てエチレングリコールを用いて得られたポリエチレンテ
レフタレート(A)(極限粘度0.68、融点258℃、ガラ
ス転移点温度70℃)と、ヒドロキシポリエステルオリゴ
マー(D)(バイエル社製ディスモーフェン♯951、融
点100℃)と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)
(分子量306、エポキシ当量103)とを表−3に示す割合
で配合し、Vブレンダーで良く混合した後、L/D=30の3
0ミリ二軸混練機(池貝鉄工(株)製PCM型)にてシリン
ダー温度270℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練
し、成形材料としてのペレットを得た。
てエチレングリコールを用いて得られたポリエチレンテ
レフタレート(A)(極限粘度0.68、融点258℃、ガラ
ス転移点温度70℃)と、ヒドロキシポリエステルオリゴ
マー(D)(バイエル社製ディスモーフェン♯951、融
点100℃)と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)
(分子量306、エポキシ当量103)とを表−3に示す割合
で配合し、Vブレンダーで良く混合した後、L/D=30の3
0ミリ二軸混練機(池貝鉄工(株)製PCM型)にてシリン
ダー温度270℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練
し、成形材料としてのペレットを得た。
次いで光重合開始剤としてトリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート(C)を先に溶融ペレット
化した成形材料(A+B+D)に対してVブレンダーに
て混合し、先端に300mmTダイを設けたL/D=30の30ミリ単
軸混練機で、シリンダー温度250℃、樹脂滞留時間2
分、回転数100rpmで溶融混練押出し、ロールにて急冷し
て厚さ200μmの透明な未延伸フィルムを得た。
キサフルオロアンチモネート(C)を先に溶融ペレット
化した成形材料(A+B+D)に対してVブレンダーに
て混合し、先端に300mmTダイを設けたL/D=30の30ミリ単
軸混練機で、シリンダー温度250℃、樹脂滞留時間2
分、回転数100rpmで溶融混練押出し、ロールにて急冷し
て厚さ200μmの透明な未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムに2kW高温水銀灯(30w/cm)を20cm
離した位置から130℃で7秒間照射した。
離した位置から130℃で7秒間照射した。
得られたフィルムの性質と成分(A),(B),
(C),(D)の配合割合を表−3にまとめた。
(C),(D)の配合割合を表−3にまとめた。
実施例で得られたフィルムは、比較的に比べいずれも室
温での可撓性も十分であり、高温での強度及び寸法安定
性がともに優れている。
温での可撓性も十分であり、高温での強度及び寸法安定
性がともに優れている。
また、比較例14ではポリエステルオリゴマーの配合量が
少なくシリンダー温度230℃では製膜ができなかった。
比較例15はポリエチレンテレフタレート樹脂のみであ
り、シリンダー温度230℃では製膜できず、シリンダー
温度270℃にして製膜した場合でのフィルム物性を示
し、高温時のフィルム物性は全く測定できなかった。比
較例16は実施例10と同一組成であるがUVの照射を実施し
なかった場合を示し、高温でのフィルム物性は全く測定
できなかった。
少なくシリンダー温度230℃では製膜ができなかった。
比較例15はポリエチレンテレフタレート樹脂のみであ
り、シリンダー温度230℃では製膜できず、シリンダー
温度270℃にして製膜した場合でのフィルム物性を示
し、高温時のフィルム物性は全く測定できなかった。比
較例16は実施例10と同一組成であるがUVの照射を実施し
なかった場合を示し、高温でのフィルム物性は全く測定
できなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 105:24 B29L 7:00 4F C08L 67:02 (72)発明者 奥山 克己 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社樹脂研究所内 (72)発明者 美藤 亘 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 井上 正己 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 地大 英毅 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−228527(JP,A) 特公 昭61−19419(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】実質的に線状の飽和ポリエチレンテレフタ
レートを主成分とする樹脂(A)と、1分子中にオキシ
ラン環を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とするカ
チオン重合性化合物(B)と、紫外線照射によりルイス
酸触媒を遊離する前記カチオン重合性化合物の光重合開
始剤(C)とよりなる組成物を、溶融押出温度220〜270
℃、溶融押出時間30秒〜10分の条件で、二軸溶融押出機
を用いて製膜し、光架橋せしめたフィルムであって、該
組成物の配合比が、それぞれ(B)が(A)の5〜50重
量%、(C)が(B)の0.1〜10重量%であり、100℃の
オルソクロロフェノールに1時間浸漬したときの不溶分
が10重量%以上であることを特徴とする耐熱性光架橋ポ
リエチレンテレフタレート系フィルム。 - 【請求項2】実質的に線状の飽和ポリエチレンテレフタ
レートを主成分とする樹脂(A)と、1分子中にオキシ
ラン環を2個以上有するエポキシ樹脂を主成分とするカ
チオン重合性化合物(B)と、紫外線照射によりルイス
酸触媒を遊離する前記カチオン重合性化合物の光重合開
始剤(C)と、ポリエステルオリゴマー(D)とよりな
る組成物を、溶融押出温度220〜270℃、溶融押出時間30
秒〜10分の条件で、二軸溶融押出機を用いて製膜し、光
架橋せしめたフィルムであって、該組成物の配合比が、
それぞれ(B)が(A)+(D)の5〜50重量%、
(C)が(B)の0.1〜10重量%、(D)が(A)の5
〜35重量%であり、100℃のオルソクロロフェノールに
1時間浸漬したときの不溶分が10重量%以上であること
を特徴とする耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート
系フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63274731A JPH0684446B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート系フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63274731A JPH0684446B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート系フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02123137A JPH02123137A (ja) | 1990-05-10 |
JPH0684446B2 true JPH0684446B2 (ja) | 1994-10-26 |
Family
ID=17545793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63274731A Expired - Fee Related JPH0684446B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 耐熱性光架橋ポリエチレンテレフタレート系フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0684446B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5934049B2 (ja) * | 2012-07-31 | 2016-06-15 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60228527A (ja) * | 1984-04-26 | 1985-11-13 | Dainichi Nippon Cables Ltd | 紫外線硬化型樹脂組成物 |
JPS6119419A (ja) * | 1984-07-04 | 1986-01-28 | 井関農機株式会社 | コンバインにおける回動式グレンタンク装置 |
-
1988
- 1988-10-31 JP JP63274731A patent/JPH0684446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02123137A (ja) | 1990-05-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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