JPH0683689U - 複数の揚降用ワイヤを連動し荷役における荷重値に対応したワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制御装置 - Google Patents
複数の揚降用ワイヤを連動し荷役における荷重値に対応したワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制御装置Info
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- JPH0683689U JPH0683689U JP3157893U JP3157893U JPH0683689U JP H0683689 U JPH0683689 U JP H0683689U JP 3157893 U JP3157893 U JP 3157893U JP 3157893 U JP3157893 U JP 3157893U JP H0683689 U JPH0683689 U JP H0683689U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複数のワイヤによる荷役において,吊荷作業
の平衡制御を実行できるワイヤの揃速制御機能を備えた
クレ−ンの揚降制御装置を提供する。 【構成】 ワイヤ荷重計測手段と,全ワイヤの荷重総和
値演算手段15と,各ワイヤ12が分担する荷重総和値
に対する初期荷重比率値を算出して記憶し,荷重総和値
演算手段15の算出値と記憶初期荷重比率値とからワイ
ヤ荷重の基準値を算出する基準値演算手段3と,この基
準値演算手段3の算出値とワイヤ荷重計測値とを比較し
て偏差値を算出する偏差値演算手段4とこの偏差値演算
手段4の算出値によってワイヤ揚降速度指令信号を補正
して各ワイヤ12a,12bの揚降制御を実行する機能
等の各手段を備えて構成した。また上述の手段に,各揚
降ワイヤの吊長偏差値検出手段と,重量偏差値演算手段
4の算出値,または/および,吊長偏差値検出手段検出
値によってワイヤ揚降速度指令信号値を補正するための
各手段を設けるようにしても良い。
の平衡制御を実行できるワイヤの揃速制御機能を備えた
クレ−ンの揚降制御装置を提供する。 【構成】 ワイヤ荷重計測手段と,全ワイヤの荷重総和
値演算手段15と,各ワイヤ12が分担する荷重総和値
に対する初期荷重比率値を算出して記憶し,荷重総和値
演算手段15の算出値と記憶初期荷重比率値とからワイ
ヤ荷重の基準値を算出する基準値演算手段3と,この基
準値演算手段3の算出値とワイヤ荷重計測値とを比較し
て偏差値を算出する偏差値演算手段4とこの偏差値演算
手段4の算出値によってワイヤ揚降速度指令信号を補正
して各ワイヤ12a,12bの揚降制御を実行する機能
等の各手段を備えて構成した。また上述の手段に,各揚
降ワイヤの吊長偏差値検出手段と,重量偏差値演算手段
4の算出値,または/および,吊長偏差値検出手段検出
値によってワイヤ揚降速度指令信号値を補正するための
各手段を設けるようにしても良い。
Description
【0001】
この考案は1個の荷を複数のワイヤを連動しながら揚降する荷役設備のクレ− ン揚降制御装置に係り,特に,揚降する吊荷の平衡を自動的に保ちながら揚降す ることのできるクレ−ン揚降制御装置に関する。
【0002】
荷を揚降し移載する荷役設備として,例えば,船舶には,2台以上(複数)の 揚貨装置(クレ−ン)を搭載し,これら複数の揚貨装置(クレ−ン)を連動して 1個の荷の揚げ降ろしを実行する手段がとられる場合がある。 このような複数のクレ−ンによる荷役作業で1個の荷を揚降するには,各ワイ ヤの揚降速度を平衡させて揚降する必要がある。このように速度を平衡して揚降 するための制御装置としては,例えば,図3に示すような制御手段がとられてい る。 図3はクレ−ンのワイヤが2本の場合を例示している。図3において,30は クレ−ン制御装置におけるワイヤ揚降制御部である。 ワイヤの揚降操作をするには,オペレ−タ(図示せず)がワイヤの揚降速度を 指令するクレ−ン操作器31の揚降操作機能を操作して揚降作業を行うと,揚降 速度指令信号はワイヤ揚降制御部30に設けられた第1のサイリスタ整流回路3 2a,第2のサイリスタ整流回路32bによって,交流電源入力Aを,揚降速度 指令信号に従った直流電流に変換してそれぞれ第1のモ−タ33aおよび第2の モ−タ33bを駆動する。 第1のサイリスタ整流回路32a,第2のサイリスタ整流回路32bには,ク レ−ン操作器31から出力される揚降速度指令信号を補正する詳細を後述する偏 差信号変換器39の出力回路が入力している。 第1のモ−タ33aは第1のドラム34aを回転させ,第1のドラム34aか ら巻出され,または巻込まれる第1のワイヤ35aを揚降する。 第1のワイヤ35aの先端には吊荷40を結合している。 第1のドラム34aの回転軸には第1のシンクロ発信機36aが結合されてい て,第1のシンクロ発信機36aには基準信号の交流電源入力Bが供給されてい る。
【0003】 第2のモ−タ33bは第2のドラム34bを回転させ,第2のワイヤ35bを 揚降する。 第2のワイヤ35bの先端には吊荷40を結合している。 第2のドラム34bの回転軸には第2のシンクロ発信機36bが結合されてい て,第2のシンクロ発信機36bには第1のシンクロ発信機36aの出力が入力 している。 従って,第1のドラム34aの回転角は第1のシンクロ発信機36aによって 検出され,第2のシンクロ発信機36bによって第1のドラム34aの回転角と 第2のドラム34bの回転角との角度差が差信号として検出される。 即ち,この回転角の差信号値は第1のワイヤ35aと第2のワイヤ35bの昇 降に伴う巻出し長さの差を示している。 第2のシンクロ発信機36bによって検出された第1のドラム34aと第2の ドラム34bとの回転角の差信号はシンクロ受信機(図示せず)を備えた偏差信 号変換器39に入力して,前述した揚降速度指令信号を補正して第1,第2のサ イリスタ整流回路32a,32bを制御するに適した信号に変換され,第1,第 2のサイリスタ整流回路32a,32bを制御している。 従って,例えば,第1のドラム34aの回転角度が第2のドラム34bの回転 角度よりも進んでいる場合は,第1のサイリスタ整流回路32aに補正信号を入 力して第1のドラム34aの回転角度を第2のドラム34bの回転角度に合わせ るように補正し,第1のモ−タ33aの回転速度を減速する。逆に,第1のドラ ム34aの回転角度が第2のドラム34bの回転角度よりも遅れている場合は, 第2のサイリスタ整流回路32bに補正信号を入力して第2のドラム34bの回 転角度を第1のドラム34aの回転角度に合わせるように補正し第2のモ−タ3 3aの回転速度を減速する。従って,各ワイヤ35a,35bの長さが常に等し くなるように調節され,吊荷40は傾斜せずに揚降される。 図3に示した,ワイヤの揚降機構は基本的機構を記したものであって,例えば ,モ−タとドラムの間には変速用のギヤが結合され,また,ワイヤがシ−ブによ って懸垂される場合があるが,それぞれの場合に対応し,回転角度検出機能はそ の機構に合わせ装着してその補正機能を実現できるように構成されている。 例えば,シ−ブを設けた場合はドラムに変えてシ−ブに回転角度検出機能が設 けられる場合がある。
【0004】 上述のように,2本以上のワイヤによって1個の荷の揚降を実行する同調制御 手段には特開昭57−126389号公報,特開昭57−126390号公報に 開示のものがある。 特開昭57−126389号公報に記載のものは2台のジブクレ−ンの同調制 御装置であって2台のジブクレ−ンを同調制御し,特開昭57−126390号 公報に記載のものは4台のジブクレ−ンの巻上同期制御装置であって,マスタ− クレ−ンとスレ−ブクレ−ンの組を2組,計4台のジブクレ−ンをマスタ−コン トロ−ラによって同調制御するものである。上記各公報に記載のものは,いずれ も,巻上制御に関しては,連動した各ワイヤの巻取量の差を計測して巻取ドラム の回転を補正制御するようにしている。
【0005】
ところで,上述したような同調制御手段によると各ワイヤの長さは調節できる ようであるが,各ワイヤに掛かる荷重の監視ができないので,ワイヤにかかる荷 重が不平衡になって同調困難になる危険性がある。従って,例えば,吊荷の種類 によっては荷崩れを起こす恐れがあった。 また,船舶に搭載された揚荷装置(クレ−ン)の場合は,片方のワイヤ側の吊 荷が接地した場合そのクレ−ン側の負荷が軽くなるので船の喫水が変化し,吊荷 が傾く恐れがあるという問題点があった。 本考案は上記従来の課題(問題点)を解決するようにした複数のワイヤを連動 し荷役における荷重制御によるワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制 御装置を提供することを目的とする。
【0006】
上記課題を解決するために,本考案に基づく複数の揚降用ワイヤを連動し荷役 における荷重値に対応したワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制御装 置においては,ワイヤ荷重計測手段と,全ワイヤ荷重の総和値を単位時間毎に算 出する荷重総和値演算手段と,各ワイヤが分担する荷重の算出荷重総和値に対す る比率値を算出して初期荷重比率値として記憶し,単位時間毎に算出する荷重総 和値演算手段算出値と初期荷重比率値とからこのワイヤ荷重の基準値を算出する 基準値演算手段と,この基準値演算手段算出値とワイヤ荷重計測手段計測値とを 比較し偏差値を算出する偏差値演算手段と,この偏差値演算手段算出値をこのク レ−ン揚降制御装置におけるワイヤ揚降速度指令信号の補正値として算出する補 正値演算手段と,この補正値演算手段算出値によってワイヤ揚降速度指令信号値 を補正する補正手段とを備え,この補正手段出力によって各ワイヤの揚降制御を 実行するように構成した。 また,1個の荷を少なくとも2本以上のワイヤを連動して揚降する荷役設備の クレ−ン揚降制御装置において,ワイヤ荷重計測手段と,全ワイヤ荷重の総和値 を単位時間毎に算出する荷重総和値演算手段と,各ワイヤが分担する荷重の算出 荷重総和値に対する比率値を算出して初期荷重比率値として記憶し,単位時間毎 に算出する荷重総和値演算手段算出値と初期荷重比率値とからこのワイヤ荷重の 基準値を算出する基準値演算手段と,この基準値演算手段算出値とワイヤ荷重計 測手段計測値とを比較し重量偏差値を算出する重量偏差値演算手段と,各揚降ワ イヤの吊長偏差値検出手段と,重量偏差値演算手段算出値,または/および,吊 長偏差値検出手段から,このクレ−ン揚降制御装置におけるワイヤ揚降速度指令 信号の補正値として算出する補正値演算手段と,この補正値演算手段算出値によ ってワイヤ揚降速度指令信号値を補正する補正手段とを備え,この補正手段出力 によって当該クレ−ン揚降制御装置による各ワイヤの揚降制御を実行するように 構成した。
【0007】
【作用】 本考案は,上述のように構成しワイヤ荷重値を補正するようにしたので,各ワ イヤに掛かる荷重分担が常に当初分担比率値に追尾するように制御される。従っ て,吊荷が常に平衡に保たれ,アンバランスに接地した場合等にも安定な荷役作 業が実行できる。重量偏差値または/および吊長偏差値によって揚降制御を行う と,吊荷の条件に関係なく,より安定確実な荷役作業が実行できる。
【0008】
本考案に基づく複数の揚降用ワイヤを連動し荷役における荷重値に対応したワ イヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制御装置の詳細を図1,図2を参照 して詳細に説明する。 図1および図2はいずれも,ワイヤが2本の場合について記し,荷重値に対応 したワイヤの揃速制御機能を構成する主要手段をブロックで示している。 本考案の説明に直接関連しない,クレ−ン本体の制御に必要なその他の制御機 能回路やクレ−ン機構部の詳細機能類等の図示は省略している。
【0009】 実施例1 図1において,1Aaは第1のワイヤの揚降を制御する揚降制御装置の主要機 能である第1の揚降制御回路,2Aaは第1の揚降機構部の主要機能の構成を示 している。 また,1Abは第2のワイヤの揚降を制御する揚降制御装置の主要機能である 第2の揚降制御回路,2Abは第2の揚降機構部の主要機能の構成を示している 。 第2のワイヤの揚降制御装置1Ab,第2の揚降機構部2Abの内部構成は, 第1のワイヤの揚降制御装置1Aa,第1の揚降機構部2Aaとそれぞれ同一な ので,それらの構成の図示および説明は省略し,ブロックで表示している。 第1の揚降制御回路1Aaにおいて,3は,詳細を後述するワイヤ荷重計測値 と単位時間ごとに演算される複数の全ワイヤの荷重総和値とが入力して,自己ワ イヤが分担すべき荷重を算出する機能を備えた基準値演算手段であって,このク レ−ンが稼働開始時に自己ワイヤが分担する吊荷荷重の総和値に対する比率値を 算出し,初期荷重比率値として記憶する記憶手段3aを備えている。 記憶手段3aで記憶された初期荷重比率値と入力する現在の荷重総和値から現 在の基準分担荷重値を算出して偏差値演算手段4に入力し,別に入力するワイヤ 荷重計測値との偏差値を算出する。偏差値は補正値演算手段5に入力して後述す る補正手段に設けた機能に対応する補正値を算出する。 補正値は詳細を後述する揚降操作信号値を補正する機能を備えた補正手段6に 入力してワイヤ即ち吊荷揚降の適正な速度制御信号を作成する。 速度制御信号は出力制御機能7に入力する。出力制御機能7には図示しない制 御増幅器とサイリスタ整流回路等の出力回路を備えている。出力制御機能7の出 力は第1の揚降機構部2Aaに入力し,第1の揚降機構部2Aaのモ−タ10の 回転を速度制御信号に従った回転速度で駆動制御する。従って,モ−タ10に結 合したドラム11が指令速度で回転し,ドラム11によって第1のワイヤ12a の巻取りまたは巻出し動作を行う。 図1の第1の揚降機構部2Aaに示す回転機構の相互結合は,それぞれの回転 軸が機構的に結合されていることを示していて,結合の順序指定やギヤ類等の減 速機構類の図示は省略している。
【0010】 モ−タ10(ドラム11)には回転速度計測機能13が結合され,回転速度計 測機能13によって得られたモ−タ10(ドラム11)の回転速度信号は出力制 御機能7にフィ−ドバックして,モ−タ10(ドラム11)の回転速度を正しく 速度制御信号に保持する。 上述した第1の揚降機構部2Aaには,モ−タ10の回転速度をドラム11の 回転速度に変換するギア類の他,ワイヤを懸垂するシ−ブ類の図示は省略してい る。 第1のワイヤ12aにはロ−ドセル等の荷重計測センサ14Aが装着され,第 1のワイヤ12aの先端には吊荷40が装着されている。 荷重計測センサ14Aの出力は,荷重値計測機能14Bに入力して第1のワイ ヤ12aにかかる荷重計測値となり,荷重総和値演算手段15および,前述した 基準値演算手段3と偏差値演算手段4に入力している。上述した荷重計測センサ 14Aと荷重値計測機能14Bとはワイヤ荷重計測手段を構成している。 荷重総和値演算手段15には,同一の吊荷40を連動して揚降する第2のワイ ヤ12bにかかる荷重信号15aが第2の揚降制御回路1Abから入力している 。 荷重総和値演算手段15の出力は,同一の吊荷を連動して揚降するすべてのワ イヤの揚降制御回路に入力している。本実施例においては出力信号線15bが, 第2のワイヤの揚降制御回路1Abに構成される基準値演算機能(図示せず)に 入力している。 16は本発明のクレ−ンシステム全体をオペレ−タ(図示せず)が操作制御す るためのクレ−ン操作器である。オペレ−タ(図示せず)によって操作されるク レ−ン操作器16の揚降操作機能から出力される操作信号に含まれる前述した揚 降速度指令信号は第1のワイヤの揚降制御回路1Aaに構成される前述した補正 手段6に入力している。 また,クレ−ン操作器16の揚降操作機能から出力される操作信号に含まれる 揚降速度指令信号は,同様に,同一の吊荷40を連動して揚降するその他のワイ ヤの揚降制御回路(本実施例においては第2の揚降制御回路1Ab)に入力する 揚降操作信号線16bに出力している。 クレ−ン操作器16の揚降操作機能には,各ワイヤの揚降を個別に操作する機 能も備えている。
【0011】 次に上述の構成における動作の詳細を説明する。 吊荷の揚降作業を行うオペレ−タ(図示せず)が,例えば,地上にある吊荷4 0を吊上げるために各ワイヤの揚降速度を指令するクレ−ン操作器16の揚降操 作機能を個別操作にして各クレ−ンのワイヤの操作をすると,クレ−ン操作器1 6の揚降操作機能から出力される各ワイヤに対する揚降速度指令信号は補正手段 6に入力し,補正値演算手段5以前の回路が働かないため補正信号が入力しない ので,そのまま変換されないで出力制御機能7に出力し,それぞれの揚降機構部 に設けられたモ−タ10を駆動する。 モ−タ10が駆動されると,ドラム11が回転して各ワイヤ(本実施例で2本 のワイヤ12a,12b)の先端に装着された吊荷40を巻上げる。各ワイヤに 装着された荷重計測手段によって計測された吊荷40の各荷重計測値は荷重総和 値演算手段15に入力して吊荷40の総重量が算出される。 荷重総和値演算手段15は予め設定された所定の単位時間毎に機能して吊荷の 総重量値を時間ごとに算出している。 荷重総和値演算手段15の出力は,各ワイヤごとに対応して装置されているそ れぞれの揚降制御回路(本実施例では1Aa,1Ab)に構成される基準値演算 手段3に入力し,別に入力しているワイヤそれぞれの荷重計測手段出力の荷重計 測値との比を算出する。 オペレ−タ(図示せず)が吊荷40の平衡をとりながら各ワイヤ20a,20 bを巻上げた後,クレ−ン操作器16を連動操作にすると,そのときに算出され ている比率値が初期荷重比率値として記憶手段3aに記憶される。
【0012】 連動運転が開始されると,基準値演算手段3においては,毎時,荷重総和値演 算手段15から出力される全ワイヤの荷重総和値と,記憶手段3aに記憶された 初期荷重比率値とから,現在の基準分担荷重値を算出出力し,偏差値演算手段4 によって基準分担荷重値と荷重計測値との偏差値を算出し,補正値演算手段5に よって補正値を算出する。 吊荷40の吊上げ操作中にいずれかのワイヤの巻上量が大きくなると,そのワ イヤの計測荷重値が大きくなるので,補正手段6では,揚降速度指令信号に指定 される巻上速度を補正し減速させる。また,他方のワイヤの計測荷重が小さくな るので,補正手段6では,揚降速度指令信号に指定される巻上速度を増速させる 。 従って,各ワイヤの巻上速度が平衡状態に修正される。 従って,上述の修正動作によって吊荷40は常に平衡状態で吊揚げられる。 上述した巻上速度の修正動作は,各ワイヤ間の揚降速度偏差量に対応して,い ずれか1本のワイヤの巻上速度を補正する,すべてのワイヤの巻上速度を同時に 補正する,等,このクレ−ンシステムの条件に対応して予め適切に設定しておけ ば良い。 吊荷の降下作業に移っていずれかのワイヤの巻出量が大きくなると,そのワイ ヤの計測荷重が小さくなるので,補正手段6では,揚降速度指令信号に指定され る巻出速度を減速させる。また,他方のワイヤの計測荷重が大きくなるので,補 正手段6では,揚降速度指令信号に指定される巻出速度を増速させる。 従って,各ワイヤの巻出速度が平衡状態に修正される。 従って,上述の修正動作によって吊荷は常に平衡状態で降下される。 降下作業においても,巻出速度の修正動作は,各ワイヤ間の揚降速度偏差量に 対応して,いずれか1本のワイヤの巻出速度を補正する,すべてのワイヤの巻出 速度を同時に補正する,等,このクレ−ンシステムの条件に対応して予め適切に 設定しておけば良い。
【0013】 吊荷40が接地すると荷重が減少する。従って,荷重総和値演算手段15の出 力値が減少するので基準値演算手段3の出力もその減少比率に対応して減少する 。 従って,荷重が減少しても上述した通り修正動作して吊荷40は常に平衡状態 で安全に着地する。 上述したワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンが個別のクレ−ンであって, 各ドラム11の距離が離れることによって吊荷が斜引きされ,荷重計測値が増大 すると,荷重総和値演算手段15の出力値が増大し,基準値演算手段3の出力も ,初期荷重比率と同一比率のまま,その増大比率に対応して増大する。 従って,計測荷重値が増大しても上述した通りの修正動作を実行して吊荷は常 に平衡状態で吊上げまたは降下作業が実行される。
【0014】 実施例2 次に荷重偏差以外にドラムのワイヤ巻込量の偏差,即ち,ワイヤの吊長偏差に 対しても補正する機能を備えたワイヤの揃速制御機能に関する実施例2について 図2を参照して説明する。 図2において,1Baは第1のワイヤの揚降を制御する揚降制御装置の主要機 能である第1の揚降制御回路,2Baは第1の揚降機構部の主要機能の構成を示 している。 また,1Bbは第2のワイヤの揚降を制御する揚降制御装置の主要機能である 第2の揚降制御回路,2Bbは第2の揚降機構部の主要機能の構成を示している 。 第2のワイヤの揚降制御回路1Bb,第2の揚降機構部2Bbの内部構成は, 第1のワイヤの揚降制御回路1Ba,第1の揚降機構部2Baとそれぞれ同一な ので,それらの構成の図示は省略しブロックで表示している。 本実施例のものは,図2に示すように,実施例1の構成に対して,第1の揚降 機構部2Baに設けたドラム11の回転軸に第1の回転角度検出手段,例えば第 1のシンクロ発信機20aと,第2の揚降機構部2Bbに設けたドラム(図示せ ず)の回転軸に第2の回転角度検出手段,例えば第2のシンクロ発信機20bと ,第1の揚降制御回路1Baに位置補正手段21と,第2の揚降制御回路1Bb に同様の位置補正手段(図示せず)とを追加結合している。 位置補正手段21には,上述した回転角度検出手段に対応した回転角度信号受 信手段,例えば,回転角度検出手段にシンクロ発振機を使用している場合には, シンクロ受信機(図示しない)を備えていて,この受信角度信号に対応した補正 動作を行う。 図2に示す第1の揚降機構部1Baに示す各回転機構の相互結合は,それぞれ の回転軸が機構的に結合されていることを示していて,結合の順序指定やギヤ類 等の減速機構類の図示は省略している。 それぞれのワイヤの揚降機構部にシ−ブが設けられている場合は,前述した回 転角度検出器は,ドラムではなく,シ−ブに装着しても良い。 従来の技術で説明したのと同様の機能によって,第2のシンクロ発信機20b は第2の揚降機構部2Bbに設けられた第2のドラム(図示せず)の回転角度を 検出し,第1のシンクロ発信器20aは,第2の揚降機構部2Bbに設けられた 第2のドラム(図示せず)と第1の揚降機構1Baに設けられた第1のドラム1 1との回転角度差を検出し,位置補正手段21に設けたシンクロ受信機(図示せ ず)によって第1のドラム11と第2のドラム(図示せず)との回転角度偏差の 計測値が得られるようになっている。 第1のドラム11と第2のドラム(図示せず)との回転角度偏差計測によって ,実効ワイヤ吊長の偏差が判定され,従って,吊荷の傾斜量が検知される。 角度偏差を検知するためのセンサ−としては,シンクロ発信機ではなく,ディ ジタルエンコ−ダ等のクレ−ンの揚降機構と制御装置に対応してセンサ−の種類 を適切に選択使用し,位置補正手段21に設けたシンクロ受信機に代えて,その センサの機能に対応した回転角度信号受信手段と偏差検出機能を用いても良い。 ワイヤの数が2以上の場合でシンクロ発信機を用いた場合は,2本のワイヤを 対として構成し対内の偏差を検出するシンクロ発信機間の角度差を検出する等, そのクレ−ンの構造等に対応して適切なセンサ−とその偏差検出手段を設定すれ ば良い。 位置補正手段21には,この揚降制御装置を含むクレ−ン全体の条件と吊荷の 条件等に対応して,荷重偏差による補正とワイヤ長偏差による補正との,優先条 件または/および補正比率の設定条件によって定まる補正演算機能を備えている 。 従って,補正値演算手段5から出力される補正値は位置補正手段21によって 再補正され,第1の実施例で説明したのと同様に補正手段6でクレ−ン操作器1 6の揚降操作機能から出力される揚降速度指令信号を補正してモ−タ10の回転 速度を制御する。
【0015】 上述の説明は本考案の技術思想を実現するための基本手法と構成を示したもの であって,種々応用改変することができる。 例えば,いずれの実施例もワイヤが2本の場合について説明したが,ワイヤが 2本以上の場合も,荷重総和値演算手段にワイヤ本数分の荷重計測値を入力して 演算するようにし,必要に応じて優先制御条件を設定するほかは,上述の各実施 例の説明と同様の制御手段によって実行が可能である。 上述した実施例の説明では,初期荷重比率値の記憶タイミングを,オペレ−タ が連動動作に設定した時のように説明したが,このクレ−ンシステムの条件に対 応して自動設定する等適切に構成しておけば良いことは当然である。 また,荷重総和値演算手段15から出力される荷重総和値が予め設定された警 報値よりも大になった場合や偏差値演算手段4によって算出される偏差値が予め 設定された警報値よりも大になった場合等,制御に用いられる計測値や演算値が 異常値になると警報を出力してクレ−ン動作を停止させる等の安全機能を設ける ,クレ−ンの旋回操作その他,ワイヤの揚降制御機能以外の機能と連動してクレ −ンの自動制御やインタロック等の機能を設けても良いことも当然である。 また,各種センサ−類はそのクレ−ンの条件に対応して適切に選択設定すれば 良く,上述した各演算機能等の各種手段類も,各ワイヤ関連ごとにそれぞれ単独 で制御機能を構成させても揚降機構関連部以外を共通化して同一コンピュ−タに よって制御する等,適宜構成するようにしても良いことは当然である。
【0016】
本考案は上記のように構成したので,次に示すような優れた効果を有する。 吊荷荷重の変動を検知して吊荷の揚降速度を制御するので荷崩れ等の発生を防 止できる。 船舶用揚貨装置においては,吊荷着地時の船舶の喫水変化による吊荷の傾き発 生を防止できる。 重量偏差値または/および吊長偏差値によって揚降制御を行うと,吊荷の条件 に関係なく,より安定確実な荷役作業が実行できる。
【図1】本考案の実施例1の概要構成を示すブロック図
である。
である。
【図2】本考案の実施例2を示す概要構成ブロック図で
ある。
ある。
【図3】従来例のクレ−ンの揚降制御装置に関する概要
構成説明図である。
構成説明図である。
1Aa,1Ba,1Ab,1Bb:揚降制御回路 2Aa,2Ba,2Ab,2Bb:揚降機構部 3:基準値演算手段 3a:記憶手段 4:偏差値演算手段 5:補正値演算手段 6:補正手段 7:出力制御機能 10:モ−タ 11:ドラム 12a,12b:ワイヤ 13:回転速度計測機能 14A:荷重計測センサ− 14B:荷重値計測機能 15:荷重総和値演算手段 16:クレ−ン操作器(揚降操作機能) 20a,20b:回転角度検出手段(シンクロ発信器) 21:位置補正手段 40:吊荷
Claims (2)
- 【請求項1】 1個の吊荷を少なくとも2本以上のワイ
ヤを連動して揚降する荷役設備のクレ−ン揚降制御装置
において,ワイヤ荷重計測手段と,全ワイヤ荷重の総和
値を単位時間毎に算出する荷重総和値演算手段と,各ワ
イヤが分担する荷重の上記算出荷重総和値に対する比率
値を算出して初期荷重比率値として記憶し,前記単位時
間毎に算出する荷重総和値演算手段算出値と上記初期荷
重比率値とから該ワイヤ荷重の基準値を算出する基準値
演算手段と,該基準値演算手段算出値と前記ワイヤ荷重
計測手段計測値とを比較し偏差値を算出する偏差値演算
手段と,該偏差値演算手段算出値を当該クレ−ン揚降制
御装置におけるワイヤ揚降速度指令信号の補正値として
算出する補正値演算手段と,該補正値演算手段算出値に
よってワイヤ揚降速度指令信号値を補正する補正手段と
を備え,該補正手段出力によって当該クレ−ン揚降制御
装置による各ワイヤの揚降制御を実行するようにしたこ
とを特徴とするクレ−ンの揚降制御装置。 - 【請求項2】 1個の吊荷を少なくとも2本以上のワイ
ヤを連動して揚降する荷役設備のクレ−ン揚降制御装置
において,ワイヤ荷重計測手段と,全ワイヤ荷重の総和
値を単位時間毎に算出する荷重総和値演算手段と,各ワ
イヤが分担する荷重の上記算出荷重総和値に対する比率
値を算出して初期荷重比率値として記憶し,前記単位時
間毎に算出する荷重総和値演算手段算出値と上記初期荷
重比率値とから該ワイヤ荷重の基準値を算出する基準値
演算手段と,該基準値演算手段算出値と前記ワイヤ荷重
計測手段計測値とを比較し重量偏差値を算出する重量偏
差値演算手段と,各揚降ワイヤの吊長偏差値検出手段
と,上記重量偏差値演算手段算出値,または/および,
吊長偏差値検出手段から,当該クレ−ン揚降制御装置に
おけるワイヤ揚降速度指令信号の補正値として算出する
補正値演算手段と,該補正値演算手段算出値によってワ
イヤ揚降速度指令信号値を補正する補正手段とを備え,
該補正手段出力によって当該クレ−ン揚降制御装置によ
る各ワイヤの揚降制御を実行するようにしたことを特徴
とするクレ−ンの揚降制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3157893U JP2583665Y2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 複数の揚降用ワイヤを連動し荷役における荷重値に対応したワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3157893U JP2583665Y2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 複数の揚降用ワイヤを連動し荷役における荷重値に対応したワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0683689U true JPH0683689U (ja) | 1994-11-29 |
JP2583665Y2 JP2583665Y2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=12335073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3157893U Expired - Fee Related JP2583665Y2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 複数の揚降用ワイヤを連動し荷役における荷重値に対応したワイヤの揃速制御機能を備えたクレ−ンの揚降制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2583665Y2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP7009693B1 (ja) * | 2021-07-26 | 2022-01-26 | 株式会社日立プラントメカニクス | 同調機能付き共吊り連動クレーン |
CN114380226A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-04-22 | 安徽克鲁克智能装备有限公司 | 一种单向阵列式多起升机构同步操作系统及操作方法 |
CN115258960A (zh) * | 2022-08-10 | 2022-11-01 | 大连重工环保工程有限公司 | 一种浮式起重机多吊点起升同步控制系统 |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP3157893U patent/JP2583665Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115258960A (zh) * | 2022-08-10 | 2022-11-01 | 大连重工环保工程有限公司 | 一种浮式起重机多吊点起升同步控制系统 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2583665Y2 (ja) | 1998-10-27 |
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