JPH068286U - 板状製品の紙製ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 焼却により害のない紙材により、反復使用可
能な耐久性のあるケースを形成する。 ［構成］ 板状製品Ｄが納まる大きさと厚さを有する開
口１を形成した、厚紙製の基盤２の裏面に紙製の覆い板
３の裏板３ｂを接着し、表板３ａは基盤表面を開閉可能
として、前記開口１を板状製品Ｄを納める凹部４とした
剛性を有する保護盤５を形成し、該保護盤５を納める１
又は２以上の収納部６を有する厚紙製部材に保護盤抜け
止め用のストッパ片８を設けてジャケット９を形成し、
更にジャケット９を１又は２以上収納する収納函１０を
厚紙によって形成した板状製品の紙製ケース。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は所謂ＣＤ、ＦＤ等の板状製品或いはチョコレート、ハンカチその他の 板状製品を収納するための紙製のケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ＣＤ等の板状製品は、いずれもプラスチック製の剛性ケースに納めてあり、そ の状態で取り扱われ、また流通するが、その量たるや膨大なもので、不要になっ たときに処分に困る問題がある。

【０００３】 これに対し前記のケースを紙製すれば、焼却が可能になるので前記の問題はな くなる反面、強度や耐久性の点で不安が残る。例えば実開昭６２−１４３６８４ 号の盤状体ケースはボール紙で形成することを特徴とするものであるが、単一種 類のボール紙からなり、そのブランクから偏平なケースを形づくる構成であるた め、繰返し使用に耐えるものを形成しにくい。

【０００４】 また実開平２−１５４９４号の考案も台紙及び内カバー紙と表、裏カバー紙か らなり、４紙片を折り重ねて４重にする構成であるが耐久性の少ないパッケージ である。また紙材のほかにコンパクトディスクを嵌込むホルダーが必須不可欠で あるから、このホルダー等には紙以外の資材も必要である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の点に着目してなされたもので、その課題とするところはケース 全体を紙材によって製造可能な構造とすることにより、公害の心配なしに焼却処 分可能であり、かつまた板状製品の保護も樹脂製品に劣らず、さらに十分な耐久 性を備えるようにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するため本考案は、板状製品Ｄが納まる大きさと厚さを有する 開口１が形成された、厚紙製の基盤２にその表裏両面を覆う紙製の覆い板３を組 み合わせ、その裏板３ｂを基盤２の裏面に接着し、板状製品Ｄを納める浅い凹部 ４を形成する一方、その表板３ａは前記凹部４を開閉可能に設けた剛性を有する 保護盤５と、前記保護盤５を１枚ずつ包むように納める偏平な収納部６を１箇所 以上有し、その収納部６への出し入れ口７の構成片に折り曲げにより開閉可能に 連設された、保護盤５の抜け止めのためのストッパ片８を有する厚紙製のジャケ ット９と、前記ジャケット９を１個以上収納する厚紙製の収納函１０とを１組と して板状製品の紙製ケースを構成するようにしたものである。

【０００７】

【実施例】

以下図面を参照して説明する。図１と実施例の斜視図、図２にその変形例の斜 視図が示されており、全体の比率、殊に紙の厚さ関係は誇張して表されている。

【０００８】 板状製品ＤであるＣＤが納まる開口１は、厚紙製の基盤２を打ち抜いて形成さ れている。開口１は板状製品Ｄの外形（直径）よりやや大形であり、板状製品Ｄ の厚さ程度またはそれよりやや大きな深さを有し、１隅に指先挿入用の拡張部１ ４が形成されている。

【０００９】 この基盤２には、その表、裏両面に重なる大きさ、形状を備えた、覆い板３が 貼り合わされる。即ち、覆い板３の裏板３ｂを基盤２の裏面に接着し、板状製品 を納める浅い凹部４を形成する一方、その表板３ａは折り曲げ部１５で表側に折 り曲げられ、表面の凹部４を開閉可能とする。１６は凹部４内の板状製品Ｄを透 視する表板３ａの窓、１７は裏板３ｂに設けた中心孔を示す。

【００１０】 前記基盤２は構成紙材中最大の厚さを有しかつそれ自体、曲げ力にある程度対 抗可能な剛性を備えた硬質紙よりなり、これに貼り合わされる覆い板３は基盤２ の次に厚い硬紙で形成されている。このため、基盤２と覆い板３とを組み合わせ ることにより、本案ケースの取り扱い上、普通に考えられる程度の外力に十分対 抗できる程度の剛性が備わる。

【００１１】 このように構成される保護盤５は全て紙製であるが、ＣＤとの接触面に印刷、 塗布、箔の貼付その他の手段による表面層１８を設け、紙に特有の微細な粉末物 が出るのを防止することができる。予め防止処理がされている紙材を用いる場合 にはその必要はないが、しかし前記表面層１８により装飾的な効果を出すように しても良い（図３参照）。

【００１２】 前記保護盤５を納めるためジャケット９が組み合わされる。このジャケット９ は、保護盤５を１個納めることができる扁平な収納部６を１箇所又は２箇所備え たもので、収納部６に納めた保護盤５の抜け止めと固定のためのストッパ片８を 有する。

【００１３】 図１に示された厚紙製のジャケット９は、保護盤５を納めることができる収納 部６、６′を２箇所並列に設けたもので、他方の収納部６′は薄い函形に形成さ れ、その中にＦＤが納められる。

【００１４】 このジャケット９を形成するには、例えば保護盤５よりやや大形の矩形片９ａ 、９ｂ、９ｃ、９ｄを４個１列に並列連設し、中央の２個の矩形片９ｂ、９ｃに 折り曲げて重なる同形の矩形片９ｅ、９ｆを側方に連続して設けるとともに、折 り曲げた先端部を中央の矩形片９ｂ、９ｃの他側片に接着し、各片９ａ、９ｂ、 ９ｃ、９ｄの境界を夫々内側へ折るようにする。

【００１５】 前記の場合、中央の矩形片９ｂ、９ｃの部分が夫々収納部６、６′となり、そ の両端の非接着部が夫々収納部６、６′への保護盤５の出し入れのための出し入 れ口７、７となり、両側の矩形片９ａ、９ｄが夫々ストッパ片８、８となる。

【００１６】 図２に示された変形例は、板状製品ＤであるＣＤを２枚別々に収納するための 同形の収納部６、６を有する点で、図１の例と相違するだけである。故に、ジャ ケット９の中央の矩形片９ｂ、９ｃとそれに重なる矩形片９ｅ、９ｆからなる同 形の収納部６、６が対称に配置されることになる。

【００１７】 図１、図２のジャケット９を１個収納するための収納函１０も厚紙を用いた通 常の構造を有する薄い函形に形成されている。この収納函１０と前記のジャケッ ト９を形成する厚紙は保護盤５に用いた前記２種の厚紙より薄い紙材で良い。例 えばＣＤ１枚を収納する場合、保護盤５の基盤２は３mm程度、その覆い板３は１ mm程度、ジャケット９及び収納函１０は０．５mm程度で良い。このとき図４、５ に示される本案ケース全体の厚さは１５mm以内におさまる。

【００１８】 上記収納函１０は開閉式のジャケット９が開くのを防ぎ、かつ板状製品Ｄを使 用しない状態にあるときに保護する最外部の保護体であり、万一の場合にはそれ が破損して内側のジャケット９等を保護するものであるので、窓等は設けない。 なお、ジャケット９には窓１８が必要に応じて設けられる。１９はジャケット９ をおさめる収納函１０内の空所を示す。

【００１９】 このように構成された本考案に係る紙製ケースは、板状製品Ｄの保護に直接関 係する基盤２と覆い板３を貼り合わせて剛体性の保護盤５を形成し、その保護盤 ５をしまい込むようにおさめる収納部６、６′とストッパ片８からなるジャケッ ト９とさらにジャケット９を収納保護する収納函１０とを夫々厚紙で形成するこ とにより、保護盤５に納めた板状製品Ｄを曲げ力や衝撃等から効果的に保護する ことができる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成されているので、ケース全体が紙を材料として形成さ れ、板状製品Ｄはそれを直接保護する基盤２と覆い板３とからなる剛性の保護盤 ５によって保護され、さらにその保護盤５を包むようにジャケット９に納めてか らそれが開くのを防ぐため収納函１０に収納するようにしたので、従来の合成樹 脂ケースよりはやや厚くなるがほぼ同等の保護能力を発揮することができ、特に また保護上必要な強度は紙の厚さと貼り合わせ構造によって確保しながら、全体 が紙からなるため、使用しないケースは公害の心配なしに焼却処分可能であると いう顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の斜視図。

【図２】変形例の斜視図。

【図３】図１のＩ−Ｉ線断面図。

【図４】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図。

【図５】図１のものの収納状態の縦断面図。

【図６】図２のものの収納状態の縦断面図。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状製品Ｄが納まる大きさと厚さを有す
   る開口１が形成された、厚紙製の基盤２にその表裏両面
   を覆う紙製の覆い板３を組み合わせ、その裏板３ｂを基
   盤２の裏面に接着し、板状製品Ｄを納める浅い凹部４を
   形成する一方、その表板３ａは前記凹部４を開閉可能に
   設けた剛性を有する保護盤５と、前記保護盤５を１枚ず
   つ包むように納める偏平な収納部６を１箇所以上有し、
   その収納部６への出し入れ口７の構成片に折り曲げによ
   り開閉可能に連設された、保護盤５の抜け止めのための
   ストッパ片８を有する厚紙製のジャケット９と、前記ジ
   ャケット９を１個以上収納する厚紙製の収納函１０とを
   １組とする板状製品の紙製ケース。
2. 【請求項２】 覆い板３の表板３ａと収納部６の表板６
   ａ及びストッパ片８に、板状製品Ｄを透視可能な窓口１
   １、１２、１３を設けた請求項第１項記載の板状製品の
   紙製ケース。
3. 【請求項３】 保護盤５は、構成紙材中最も厚い厚紙か
   らなる基盤２と、該基盤２の厚紙よりは薄いが、ジャケ
   ット９よりは厚い中厚紙からなる覆い板３によって構成
   された請求項第１項記載の板状製品の紙製ケース。
4. 【請求項４】 ジャケット９は、保護盤５よりやや大形
   の矩形片９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄを４個１列に連設し、
   中央の２個の矩形片９ｂ、９ｃに折り曲げて重なる同形
   の矩形片９ｅ、９ｆを側方へ連設するとともに、折り曲
   げた先端を中央部の矩形片９ｂ、９ｃの他側辺に接着
   し、各矩形片９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄを夫々の境界で内
   側へ折り曲げ可能とすることにより形成されている請求
   項第１項記載の板状製品の紙製ケース。