JPH0682852A - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置Info
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- JPH0682852A JPH0682852A JP23166592A JP23166592A JPH0682852A JP H0682852 A JPH0682852 A JP H0682852A JP 23166592 A JP23166592 A JP 23166592A JP 23166592 A JP23166592 A JP 23166592A JP H0682852 A JPH0682852 A JP H0682852A
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- Japan
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- semiconductor device
- bias
- layer
- guide layer
- quantum well
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、半導体装置に係り、特に高速、大容
量情報伝達手段に用いられる光変調器及び半導体光スイ
ッチに関し、吸収効率を向上させた半導体光スイッチと
しての半導体装置を提供することを目的とする。 【構成】n−InP基板上に形成されたn型光ガイド層
4と、光ガイド層4上に形成されバリア層6a〜6fと
活性層8a〜8eとが交互に積層された多重量子井戸構
造10と、多重量子井戸構造10上に形成されたp型光
ガイド層12とを備えた半導体装置において、活性層8
a〜8eは、バリア層6a〜6fと格子不整合に形成さ
れ、活性層8a〜8e内の厚さ方向に格子不整合量及び
ポテンシャルがp側からn側に向かって増加するように
構成する。
量情報伝達手段に用いられる光変調器及び半導体光スイ
ッチに関し、吸収効率を向上させた半導体光スイッチと
しての半導体装置を提供することを目的とする。 【構成】n−InP基板上に形成されたn型光ガイド層
4と、光ガイド層4上に形成されバリア層6a〜6fと
活性層8a〜8eとが交互に積層された多重量子井戸構
造10と、多重量子井戸構造10上に形成されたp型光
ガイド層12とを備えた半導体装置において、活性層8
a〜8eは、バリア層6a〜6fと格子不整合に形成さ
れ、活性層8a〜8e内の厚さ方向に格子不整合量及び
ポテンシャルがp側からn側に向かって増加するように
構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に係り、特
に高速、大容量情報伝達手段に用いられる光変調器及び
半導体光スイッチに関する。
に高速、大容量情報伝達手段に用いられる光変調器及び
半導体光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電話回線の幹線系では大容量情報
伝達が可能な光ファイバ通信方式が広く普及し始めてい
る。この光ファイバ通信方式において、より大容量の情
報伝達を可能にするために、光を高速に変調できる技術
が重要となってきている。光の高速変調を可能とするた
めの方法として、外部変調方式の研究が盛んに行われて
いる。
伝達が可能な光ファイバ通信方式が広く普及し始めてい
る。この光ファイバ通信方式において、より大容量の情
報伝達を可能にするために、光を高速に変調できる技術
が重要となってきている。光の高速変調を可能とするた
めの方法として、外部変調方式の研究が盛んに行われて
いる。
【0003】また、近年、光コンピュータの研究が盛ん
に行われている。光コンピュータには、高速に光をオン
−オフすることができる平面型の光スイッチ素子が必要
である。従来より、量子井戸構造を有する外部変調器や
平面型の光スイッチ素子の動作原理としてQCSE(Qu
antum-Confined Stark Effect :量子閉じ込めシュタル
ク効果)を利用したものがある。
に行われている。光コンピュータには、高速に光をオン
−オフすることができる平面型の光スイッチ素子が必要
である。従来より、量子井戸構造を有する外部変調器や
平面型の光スイッチ素子の動作原理としてQCSE(Qu
antum-Confined Stark Effect :量子閉じ込めシュタル
ク効果)を利用したものがある。
【0004】量子井戸構造では、電子及び正孔は井戸層
である活性層と障壁層とのエネルギギャップ差により活
性層内に閉じ込められ、その結果井戸内に離散的な量子
準位が形成される。無電界のもとでは、伝導帯の電子、
及び価電子帯の重い正孔と軽い正孔の各準位に伴う波動
関数は、井戸の中心に関して対称性を有している。量子
井戸の界面に垂直に電界を印加すると量子閉じ込めのポ
テンシャルの形状が変化する。このため、電子、正孔の
波動関数が左右に分離して井戸の中心から離れた位置に
ピークを持つようになり、バンド間の光学遷移の確率が
減少すると共に、電子と正孔の量子準位が変化し実効禁
制帯幅が減少する。このような効果は、従来の半導体に
も存在するが、量子井戸の場合、電子、正孔の分離距離
が大きいため、その効果が数倍から数十倍大きくなる特
色がある。これがQCSEである。
である活性層と障壁層とのエネルギギャップ差により活
性層内に閉じ込められ、その結果井戸内に離散的な量子
準位が形成される。無電界のもとでは、伝導帯の電子、
及び価電子帯の重い正孔と軽い正孔の各準位に伴う波動
関数は、井戸の中心に関して対称性を有している。量子
井戸の界面に垂直に電界を印加すると量子閉じ込めのポ
テンシャルの形状が変化する。このため、電子、正孔の
波動関数が左右に分離して井戸の中心から離れた位置に
ピークを持つようになり、バンド間の光学遷移の確率が
減少すると共に、電子と正孔の量子準位が変化し実効禁
制帯幅が減少する。このような効果は、従来の半導体に
も存在するが、量子井戸の場合、電子、正孔の分離距離
が大きいため、その効果が数倍から数十倍大きくなる特
色がある。これがQCSEである。
【0005】禁制帯幅より僅かに小さなエネルギを持つ
光子を量子井戸に入射すると、光子は吸収されることな
く透過する。このとき量子井戸に電界を印加してQCS
Eを発生させて実効禁制帯幅を減少させると、吸収が増
大し、透過光強度が減少する。このようにして、光変調
器を実現することができる。この動作原理では、波動関
数の空間分布が変化するのみでキャリアの移動がないた
めに、高速の変調が可能となる。
光子を量子井戸に入射すると、光子は吸収されることな
く透過する。このとき量子井戸に電界を印加してQCS
Eを発生させて実効禁制帯幅を減少させると、吸収が増
大し、透過光強度が減少する。このようにして、光変調
器を実現することができる。この動作原理では、波動関
数の空間分布が変化するのみでキャリアの移動がないた
めに、高速の変調が可能となる。
【0006】従来の半導体装置のバイアス印加に対する
エネルギバンド図を図6及び図7を用いて説明する。通
常の量子井戸構造の半導体素子にあっては、バイアス電
圧を印加しない無バイアスの場合(図6(a))でも、
PN接合によるビルトイン電圧により量子井戸部分に電
界がかかるため、電子の波動関数は井戸の中心に関して
対称性を有さず、図6(a)のように井戸内で空間的に
偏りを生じている。
エネルギバンド図を図6及び図7を用いて説明する。通
常の量子井戸構造の半導体素子にあっては、バイアス電
圧を印加しない無バイアスの場合(図6(a))でも、
PN接合によるビルトイン電圧により量子井戸部分に電
界がかかるため、電子の波動関数は井戸の中心に関して
対称性を有さず、図6(a)のように井戸内で空間的に
偏りを生じている。
【0007】この素子に順バイアスを印加した場合(図
6(b))にはビルトイン電圧が解消され、波動関数の
偏りもほぼ解消される。また、この素子に逆バイアスを
印加した場合(図7)には、波動関数の偏りは無バイア
スのときに比べてさらに大きくなる。これらを吸収効率
の面からみたのが図8である。横軸はエネルギ、縦軸は
吸収係数である。図8中実線Aは無バイアス、破線Bは
順バイアス、一点鎖線Cは逆バイアスの場合である。
6(b))にはビルトイン電圧が解消され、波動関数の
偏りもほぼ解消される。また、この素子に逆バイアスを
印加した場合(図7)には、波動関数の偏りは無バイア
スのときに比べてさらに大きくなる。これらを吸収効率
の面からみたのが図8である。横軸はエネルギ、縦軸は
吸収係数である。図8中実線Aは無バイアス、破線Bは
順バイアス、一点鎖線Cは逆バイアスの場合である。
【0008】実線Aの無バイアスの場合は、電子の波動
関数は井戸の中心に関して対称性を有さず、図6(a)
のように井戸内で空間的に偏りを生じているために、吸
収特性は低エネルギ側に裾が延び、吸収効率は低下して
いる。一方、破線Bの順バイアスの場合は、ビルトイン
電圧が解消され、波動関数の偏りもなくなり、吸収特性
は回復する。
関数は井戸の中心に関して対称性を有さず、図6(a)
のように井戸内で空間的に偏りを生じているために、吸
収特性は低エネルギ側に裾が延び、吸収効率は低下して
いる。一方、破線Bの順バイアスの場合は、ビルトイン
電圧が解消され、波動関数の偏りもなくなり、吸収特性
は回復する。
【0009】そして、一点鎖線Cの逆バイアスの場合
は、波動関数の偏りは無バイアスのときに比べてさらに
大きくなり、吸収特性はさらに低エネルギ側に裾を引
き、そして吸収効率は低下する。
は、波動関数の偏りは無バイアスのときに比べてさらに
大きくなり、吸収特性はさらに低エネルギ側に裾を引
き、そして吸収効率は低下する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のような量子井戸
構造を有しQCSEを利用した外部変調器や平面型の光
スイッチ素子は、現実的には無バイアスの状態と逆バイ
アスを印加する状態とで光変調又は光スイッチング動作
が行われる。すなわち、無バイアス時に光を透過させな
いオフ状態にさせ、逆バイアス印加時に光を透過させる
オン状態にさせようとするものである。
構造を有しQCSEを利用した外部変調器や平面型の光
スイッチ素子は、現実的には無バイアスの状態と逆バイ
アスを印加する状態とで光変調又は光スイッチング動作
が行われる。すなわち、無バイアス時に光を透過させな
いオフ状態にさせ、逆バイアス印加時に光を透過させる
オン状態にさせようとするものである。
【0011】ところが、上記の状態では、光を吸収すべ
き無バイアスのときでも波動関数の偏りが存在するので
光の絶対的吸収量が小さく、吸収効率が低下してしまっ
ているという問題がある。本発明の目的は、吸収効率を
向上させた半導体光スイッチとしての半導体装置を提供
することにある。
き無バイアスのときでも波動関数の偏りが存在するので
光の絶対的吸収量が小さく、吸収効率が低下してしまっ
ているという問題がある。本発明の目的は、吸収効率を
向上させた半導体光スイッチとしての半導体装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、第1導電型
の化合物半導体基板と、前記化合物半導体基板上に形成
された第1のガイド層と、前記第1のガイド層上に形成
され、バリア層と活性層とが交互に積層された多重量子
井戸と、前記多重量子井戸上に形成された第2のガイド
層とを備えた半導体装置において、前記活性層は、前記
バリア層と格子不整合に形成され、層内の厚さ方向に格
子不整合量及びポテンシャルが変化するように形成され
ていることを特徴とする半導体装置によって達成され
る。
の化合物半導体基板と、前記化合物半導体基板上に形成
された第1のガイド層と、前記第1のガイド層上に形成
され、バリア層と活性層とが交互に積層された多重量子
井戸と、前記多重量子井戸上に形成された第2のガイド
層とを備えた半導体装置において、前記活性層は、前記
バリア層と格子不整合に形成され、層内の厚さ方向に格
子不整合量及びポテンシャルが変化するように形成され
ていることを特徴とする半導体装置によって達成され
る。
【0013】
【作用】本発明によれば、活性層がバリア層と格子不整
合に形成され、層内の厚さ方向に格子不整合量及びポテ
ンシャルが変化するように形成できるので、無バイアス
時に活性層部分のポテンシャルを平坦にさせて波動関数
の偏りを小さくすることができる。従って、無バイアス
時の光吸収効率を向上させた半導体装置を実現すること
ができる。
合に形成され、層内の厚さ方向に格子不整合量及びポテ
ンシャルが変化するように形成できるので、無バイアス
時に活性層部分のポテンシャルを平坦にさせて波動関数
の偏りを小さくすることができる。従って、無バイアス
時の光吸収効率を向上させた半導体装置を実現すること
ができる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例による半導体装置を図1乃
至図5を用いて説明する。本実施例による半導体装置
は、量子井戸層の活性層(井戸層)とバリア層とを格子
不整合に形成し、井戸層のポテンシャルに予め傾斜を持
たせておくことにより、PN接合によるビルトイン電圧
による電界を打ち消すようにして無バイアス時のポテン
シャルを平坦にしたことに特徴を有している。
至図5を用いて説明する。本実施例による半導体装置
は、量子井戸層の活性層(井戸層)とバリア層とを格子
不整合に形成し、井戸層のポテンシャルに予め傾斜を持
たせておくことにより、PN接合によるビルトイン電圧
による電界を打ち消すようにして無バイアス時のポテン
シャルを平坦にしたことに特徴を有している。
【0015】本実施例の半導体装置の構造を図1を用い
て説明する。n−InP基板2上にInX1Ga1-X1As
Y1P1-Y1層の光ガイド層4が形成されている。光ガイド
層4上に光ガイド層4と格子整合されたInX2Ga1-X2
As Y2P1-Y2層のバリア層6aが形成され、バリア層6
a上にバリア層6と格子不整合であるInX3Ga1-X3A
sY3P1-Y3層(X2≠X3、Y2≠Y3)の活性層8a
が形成されている。バリア層6a〜6fと活性層8a〜
8eとが交互に積層されて多重量子井戸構造10が形成
されている。バリア層6f上に光ガイド層12が形成さ
れ、光ガイド層12上にp−InP層14が形成されて
いる。
て説明する。n−InP基板2上にInX1Ga1-X1As
Y1P1-Y1層の光ガイド層4が形成されている。光ガイド
層4上に光ガイド層4と格子整合されたInX2Ga1-X2
As Y2P1-Y2層のバリア層6aが形成され、バリア層6
a上にバリア層6と格子不整合であるInX3Ga1-X3A
sY3P1-Y3層(X2≠X3、Y2≠Y3)の活性層8a
が形成されている。バリア層6a〜6fと活性層8a〜
8eとが交互に積層されて多重量子井戸構造10が形成
されている。バリア層6f上に光ガイド層12が形成さ
れ、光ガイド層12上にp−InP層14が形成されて
いる。
【0016】本実施例の半導体装置の特徴をその製造方
法を概説しつつ説明する。InX1Ga1-X1AsY1P1-Y1
層の光ガイド層4をMOCVDを用いた結晶成長により
n−InP基板2上に形成する。光ガイド層4と格子整
合されたInX2Ga1-X2AsY2P1-Y2層のバリア層6
と、バリア層6と格子不整合であるInX3Ga1-X3As
Y3P1-Y3層(X2≠X3、Y2≠Y3)の活性層8を交
互に積層して多重量子井戸構造10を形成する。本実施
例においては、5層からなる活性層8a〜8eと6層か
らなるバリア層6a〜6fとが交互に積層した構造とな
っている。
法を概説しつつ説明する。InX1Ga1-X1AsY1P1-Y1
層の光ガイド層4をMOCVDを用いた結晶成長により
n−InP基板2上に形成する。光ガイド層4と格子整
合されたInX2Ga1-X2AsY2P1-Y2層のバリア層6
と、バリア層6と格子不整合であるInX3Ga1-X3As
Y3P1-Y3層(X2≠X3、Y2≠Y3)の活性層8を交
互に積層して多重量子井戸構造10を形成する。本実施
例においては、5層からなる活性層8a〜8eと6層か
らなるバリア層6a〜6fとが交互に積層した構造とな
っている。
【0017】このとき、図2に示すように、各活性層8
a〜8eにおいてバンドギャップがp側からn側へいく
にしたがって大きくなり(図2(a))、引張り応力に
よる歪量がp側からn側にいくにしたがって大きくなる
(図2(b))ように組成比X3、Y3を徐々に変化さ
せながら活性層8をMOCVDを用いて形成する。この
ように組成比X3、Y3を徐々に変化させながら活性層
8a〜8eを形成することにより図2(c)に示すよう
なポテンシャルがp側からn側に向かって大きくなるよ
うなエネルギバンド構造を形成することができる。活性
層8a〜8eの厚さ方向の組成比は、MOCVDを用い
た結晶成長の際の成長温度等の成長条件を変えてやるこ
とにより容易に変化させることができる。
a〜8eにおいてバンドギャップがp側からn側へいく
にしたがって大きくなり(図2(a))、引張り応力に
よる歪量がp側からn側にいくにしたがって大きくなる
(図2(b))ように組成比X3、Y3を徐々に変化さ
せながら活性層8をMOCVDを用いて形成する。この
ように組成比X3、Y3を徐々に変化させながら活性層
8a〜8eを形成することにより図2(c)に示すよう
なポテンシャルがp側からn側に向かって大きくなるよ
うなエネルギバンド構造を形成することができる。活性
層8a〜8eの厚さ方向の組成比は、MOCVDを用い
た結晶成長の際の成長温度等の成長条件を変えてやるこ
とにより容易に変化させることができる。
【0018】このようにして形成された多重量子井戸構
造10の上に光ガイド層12を成長させ、その上にp−
InP層14を成長させる。光変調器を形成する場合に
は、通常の半導体レーザと同様、電流狭窄、光ガイドの
ための埋込み構造の形成、電極プロセスを行う。また、
平面型光スイッチを形成する場合には、光の透過可能な
透明電極の形成を行う。
造10の上に光ガイド層12を成長させ、その上にp−
InP層14を成長させる。光変調器を形成する場合に
は、通常の半導体レーザと同様、電流狭窄、光ガイドの
ための埋込み構造の形成、電極プロセスを行う。また、
平面型光スイッチを形成する場合には、光の透過可能な
透明電極の形成を行う。
【0019】本実施例による半導体装置のバイアス印加
に伴うエネルギバンド構造の変化を図3及び図4を用い
て説明する。本実施例による半導体装置によれば、上述
のようにして予め活性層8のポテンシャルをp側からn
側に向かって大きくなるように形成するので、バイアス
電圧を印加しない無バイアスの場合には、PN接合によ
るビルトイン電圧により量子井戸部分にかかる電界を解
消してポテンシャルを平坦にさせることができる。従っ
て電子の波動関数は井戸の中心に関して対称性を有する
ように形成される(図3(a))。
に伴うエネルギバンド構造の変化を図3及び図4を用い
て説明する。本実施例による半導体装置によれば、上述
のようにして予め活性層8のポテンシャルをp側からn
側に向かって大きくなるように形成するので、バイアス
電圧を印加しない無バイアスの場合には、PN接合によ
るビルトイン電圧により量子井戸部分にかかる電界を解
消してポテンシャルを平坦にさせることができる。従っ
て電子の波動関数は井戸の中心に関して対称性を有する
ように形成される(図3(a))。
【0020】従ってこの素子に順バイアスを印加した場
合(図3(b))には、波動関数に偏りが生じ、また、
この素子に逆バイアスを印加した場合(図4)には、順
バイアスを印加した場合と反対の波動関数の偏りが生じ
る。これらを吸収効率の面からみたのが図5である。横
軸はエネルギ、縦軸は吸収係数である。図5中実線Aは
無バイアス、重なった破線B、Cはそれぞれ順バイア
ス、逆バイアスの場合である。
合(図3(b))には、波動関数に偏りが生じ、また、
この素子に逆バイアスを印加した場合(図4)には、順
バイアスを印加した場合と反対の波動関数の偏りが生じ
る。これらを吸収効率の面からみたのが図5である。横
軸はエネルギ、縦軸は吸収係数である。図5中実線Aは
無バイアス、重なった破線B、Cはそれぞれ順バイア
ス、逆バイアスの場合である。
【0021】実線Aの無バイアスの場合は、電子の波動
関数は井戸の中心に関して対称性を有しており井戸内で
空間的に偏りを生じていないために、吸収特性は低エネ
ルギ側に裾が延びることもなく、吸収効率が向上してい
る。一方、破線B、Cの順バイアス及び逆バイアスの場
合は、波動関数の偏りが大きく生じ、吸収特性は低エネ
ルギ側に裾を引き、そして吸収効率は低下している。従
って、本実施例の半導体装置によれば、無バイアスと逆
バイアスとでスイッチング動作をさせる際に、光を吸収
すべき無バイアスのときに波動関数の偏りがなく光の絶
対的吸収量が大きく、吸収効率を上昇させることができ
る。
関数は井戸の中心に関して対称性を有しており井戸内で
空間的に偏りを生じていないために、吸収特性は低エネ
ルギ側に裾が延びることもなく、吸収効率が向上してい
る。一方、破線B、Cの順バイアス及び逆バイアスの場
合は、波動関数の偏りが大きく生じ、吸収特性は低エネ
ルギ側に裾を引き、そして吸収効率は低下している。従
って、本実施例の半導体装置によれば、無バイアスと逆
バイアスとでスイッチング動作をさせる際に、光を吸収
すべき無バイアスのときに波動関数の偏りがなく光の絶
対的吸収量が大きく、吸収効率を上昇させることができ
る。
【0022】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、活性層が
バリア層と格子不整合に形成され、層内の厚さ方向に格
子不整合量及びポテンシャルを変化させて形成できるの
で、無バイアス時に活性層部分のポテンシャルを平坦に
させて波動関数の偏りを小さくすることができる。従っ
て、無バイアス時の光吸収効率を向上させた半導体装置
を実現することができる。
バリア層と格子不整合に形成され、層内の厚さ方向に格
子不整合量及びポテンシャルを変化させて形成できるの
で、無バイアス時に活性層部分のポテンシャルを平坦に
させて波動関数の偏りを小さくすることができる。従っ
て、無バイアス時の光吸収効率を向上させた半導体装置
を実現することができる。
【図1】本発明の一実施例による半導体装置を示す図で
ある。
ある。
【図2】本実施例の半導体装置のエネルギバンド図であ
る。
る。
【図3】本実施例の半導体装置のバイアス印加時のエネ
ルギバンド図である。
ルギバンド図である。
【図4】本実施例の半導体装置のバイアス印加時のエネ
ルギバンド図である。
ルギバンド図である。
【図5】本実施例の半導体装置のバイアス印加時の吸収
効率を示す図である。
効率を示す図である。
【図6】従来の半導体装置のバイアス印加時のエネルギ
バンド図である。
バンド図である。
【図7】従来の半導体装置のバイアス印加時のエネルギ
バンド図である。
バンド図である。
【図8】本実施例の半導体装置のバイアス印加時の吸収
効率を示す図である。
効率を示す図である。
2…n−InP基板 4…光ガイド層 6a〜6f…バリア層 8a〜8e…活性層 10…多重量子井戸構造 12…光ガイド層 14…p−InP基板
Claims (2)
- 【請求項1】 第1導電型の化合物半導体基板と、前記
化合物半導体基板上に形成された第1のガイド層と、前
記第1のガイド層上に形成され、バリア層と活性層とが
交互に積層された多重量子井戸と、前記多重量子井戸上
に形成された第2のガイド層とを備えた半導体装置にお
いて、 前記活性層は、前記バリア層と格子不整合に形成され、
層内の厚さ方向に格子不整合量及びポテンシャルが変化
するように形成されていることを特徴とする半導体装
置。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、 前記活性層は、前記格子不整合量及び前記ポテンシャル
が前記第2のガイド層側から前記第1のガイド層側方向
に向かって増加するように形成されていることを特徴と
する半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23166592A JPH0682852A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23166592A JPH0682852A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0682852A true JPH0682852A (ja) | 1994-03-25 |
Family
ID=16927066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23166592A Withdrawn JPH0682852A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0682852A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07113991A (ja) * | 1993-10-15 | 1995-05-02 | Nec Corp | 光変調素子 |
EP0810462A2 (en) * | 1996-05-29 | 1997-12-03 | Nec Corporation | Electro-absorption type semiconductor optical modulator having a quantum well structure |
JP2006338017A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Avago Technologies General Ip (Singapore) Private Ltd | 有効光電流発生能を増大させた量子井戸構造を有する半導体光変調器 |
-
1992
- 1992-08-31 JP JP23166592A patent/JPH0682852A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
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