JPH0682813A - 光書込み型空間光変調素子 - Google Patents

光書込み型空間光変調素子

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JPH0682813A
JPH0682813A JP23100392A JP23100392A JPH0682813A JP H0682813 A JPH0682813 A JP H0682813A JP 23100392 A JP23100392 A JP 23100392A JP 23100392 A JP23100392 A JP 23100392A JP H0682813 A JPH0682813 A JP H0682813A
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Hideo Fujikake
英夫 藤掛
Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
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Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は液晶小滴の大きさを小さく、かつ均
一にすることができ、これによって解像度、コントラス
ト、感度、均一性を大幅に向上させる。 【構成】 両端に配置された樹脂薄膜14、15を使用
して、予め設定されている屈折率を持つ透明樹脂12
に、この透明樹脂12と同等な常光屈折率を有するネマ
ティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液
晶、またはこれら液晶の混合液晶を分散して液晶・樹脂
複合体3を形成するとともに、この液晶・樹脂複合体3
に密着するように書込み光に応じてインピーダンスが変
化する光導電層4を積層し、これら光導電層4、液晶・
樹脂複合体3を両側から挟むように透明電極2、5を形
成して、これら透明電極2、5に駆動電圧を印加して画
像などの2次元光情報を並列的に書き込み、読み出しを
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、書込み光を用いて画像
やデータパターンのような2次元光情報を入力し、読出
し光により表示する機能を持つ光書込み型空間光変調素
子に係り、光強度変換を用いた投写型画像表示素子、光
画像の波長変換素子およびインコヒーレント光・コヒー
レント光変換素子などに応用が可能な光書込み型空間光
変調素子に関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、画像などの2次
元光情報を並列的に書き込み、読み出すことのできる光
書込み型空間光変調素子に関するもので、親和性が高い
樹脂薄膜上で生成された均一な粒径の液晶小滴を含有す
る液晶・樹脂複合体を用いることにより、高い解像度、
コントラスト、感度および均一性が得られるようにした
ものである。
【0003】
【従来の技術】従来、偏光板を必要とせず光透過率が高
い光散乱性液晶層と光導電層を用いた光書込み型空間光
変調素子の1つとして、図7に示す光書込み型空間光変
調素子が知られている(文献:K.Takizawa,H.Kikuchi,
H.Fujikake,Society forInformation Displays (SID) I
nternational Symposium Digest of Technical Papers
Vol.22,p.250-p.253,1991 )。
【0004】この図に示す光書込み型空間光変調素子は
板状に形成される透明基板101と、この透明基板10
1の一面(図7において左面)側に積層される板状の透
明電極102aと、この透明電極102aの一面(図7
において左面)側に積層される板状の液晶・樹脂複合体
103と、この液晶・樹脂複合体103の一面(図7に
おいて左面)側に積層される板状の誘電体多層膜104
と、この誘電体多層膜104の一面(図7において左
面)側に積層される板状の光吸収層105と、Bi12
iO20によって構成され、前記光吸収層105の一面
(図7において左面)側に積層される板状の光導電層1
06と、この光導電層106の一面(図7において左
面)側に積層される板状の透明電極102bとを備えて
いる。
【0005】前記液晶・樹脂複合体103はエポキシ樹
脂等によって構成される透明樹脂108と、ネマティッ
ク液晶等の液晶によって構成され、前記透明樹脂108
内に小滴状に分散配置される液晶小滴109とを備えて
いる。
【0006】そして、リード線110を介して駆動用交
流電源111から供給される駆動用交流電圧によって駆
動されているとき、図7の左側から入射する書き込み光
112の光画像は電圧パターンに変換され、この電圧パ
ターンにより液晶(樹脂)複合体が駆動される。
【0007】このとき、図7の右側から読出し光113
が照射されると、書込まれた光画像が表示光114とし
て出射される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の光書込み型空間光変調素子においては、次に述べる
ような問題があった。
【0009】すなわち、このような光書込み型空間光変
調素子では、液晶・樹脂複合体103の液晶小滴109
のばらつきに起因して特性が劣化する。
【0010】すなわち、液晶小滴109の粒径が大きく
ばらついたとき、最も大きな液晶小滴109の大きさに
より、液晶・樹脂複合体103の限界解像度が制限され
てしまうため、高精細な表示画像が得ることが難しいと
いう問題があった。
【0011】また、液晶・樹脂複合体103には様々な
大きさの液晶小滴109が存在し、各液晶小滴109の
駆動電圧が異なるため、液晶・樹脂複合体103に印加
される電圧に対して、光透過率が緩慢な増加を示す。こ
のため、高解像度化に不可欠な薄板ないし薄膜の光導電
層106を用いた場合、光照射による光導電層106と
液晶・樹脂複合体103との電圧配分の変化だけでは、
液晶・樹脂複合体103が十分に透明状態にならないた
め、高コントラストな表示画像が得られず、また逆に十
分なコントラストを得るためには、強い書込み光が必要
となることから、十分な感度を確保することができない
という問題があった。
【0012】さらに、液晶小滴109を生成するとき、
液晶・樹脂複合体103を挟む透明電極102aと誘電
体多層膜104の微妙な表面状態(平坦性、汚染など)
の影響を受けるため、一様な液晶・樹脂複合体103を
生成することが難しいという問題があった。
【0013】また、透明電極102aと誘電体多層膜1
04の材質により、液晶小滴109の生成が左右される
ため、液晶・樹脂複合体103の再現性が悪いという問
題があった。
【0014】本発明は上記の事情に鑑み、液晶小滴の大
きさを小さく、かつ均一にすることができ、これによっ
て解像度、コントラスト、感度、均一性を大幅に向上さ
せることができる光書込み型空間光変調素子を得ること
を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による光書込み型空間光変調素子は、両端に
樹脂薄膜が形成され、予め設定されている屈折率を持つ
透明樹脂に、この透明樹脂と同等な常光屈折率を有する
ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメクティッ
ク液晶、またはこれら液晶の混合液晶が分散された液晶
・樹脂複合体と、この液晶・樹脂複合体に密着し、書込
み光に応じてインピーダンスが変化する光導電層と、こ
れら光導電層、液晶・樹脂複合体を両側から挟むように
形成される透明電極とを備え、前記透明電極に交流電圧
を印加することを特徴としている。
【0016】
【作用】上記の構成において、両端に配置された樹脂薄
膜が使用されて、予め設定されている屈折率を持つ透明
樹脂に、この透明樹脂と同等な常光屈折率を有するネマ
ティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液
晶、またはこれら液晶の混合液晶が分散されて液晶・樹
脂複合体が形成されるとともに、この液晶・樹脂複合体
に密着するように書込み光に応じてインピーダンスが変
化する光導電層が積層され、これら光導電層、液晶・樹
脂複合体を両側から挟むように透明電極が形成されて、
これら透明電極に交流電圧が印加される。
【0017】
【実施例】
《全体構造》図1は本発明による光書込み型空間光変調
素子の一実施例を示す構成図である。
【0018】この図に示す光書込み型空間光変調素子は
透明基板1と、透明電極2と、液晶・樹脂複合体3と、
光導電層4と、透明電極5とを備えており、リード線6
を介して駆動用交流電源7から供給される駆動用交流電
圧によって駆動されている状態で、図1の左側から光導
電層4の光導電効果を誘起する書き込み光8が入射した
とき、この書込み光8の光画像は電圧パターンに変換さ
れ、この電圧パターンにより液晶・樹脂複合体3を駆動
し、このとき図1の左側から光導電層4の吸収が少な
く、感度が低い波長を有する読出し光9を入射すると、
読出し光9の一部を散乱光10として出射するととも
に、記憶している光画像を表示光(直進光)11として
出射する。
【0019】透明基板1はガラス等の透明材料によって
構成され、この光書込み型空間光変調素子の基板となる
部分であり、その一面側に透明電極2が積層される。
【0020】透明電極2は蒸着等の手法によって前記透
明基板1の一面に密着された薄膜であり、前記リード線
6を介して駆動用交流電源7の一方の電圧出力端子に接
続される。
【0021】光導電層4は書込み光8の入射に対して電
気的インピーダンスが減少するBi12SiO20、Bi12
GeO20、CdS、Se、アモルファスSe、Si、ア
モルファスSi、アモルファスSiC、SeTe、アモ
ルファスSeTe、SeAs、アモルファスSeAs、
GaAsやGaPなどによって構成される層であり、そ
の一面側が前記液晶・樹脂複合体3に密着し、他面側が
透明電極5に密着している。
【0022】透明電極5は蒸着等の手法によって前記光
導電層4の一面に密着された薄膜であり、前記リード線
6を介して駆動用交流電源7の他方の電圧出力端子に接
続される。
【0023】また、液晶・樹脂複合体3は板状に形成さ
れる透明樹脂12と、この透明樹脂12内にほぼ均一に
分散される液晶小滴13と、液晶および透明樹脂12と
の親和性(高いぬれ性)に富み、前記透明樹脂12の両
面に配置される1μm以下の透明な樹脂薄膜14、15
とを備えており、この光書込み型空間光変調素子の光変
調層として機能する。
【0024】前記液晶小滴13を構成する液晶として
は、常光屈折率no が透明樹脂12の屈折率np と同等
の値のもので、屈折率異方性Δn(=ne −no )が可
能な限り大きいものが使用される。
【0025】このような条件を満たす液晶として、屈折
率異方性Δnの大きなネマティック液晶、コレステリッ
ク液晶、スメクティック液晶、またはこれら液晶の混合
液晶が用いられる。そして、高速性を得るには、低粘性
かつ高弾性のネマティック液晶が適している。その中で
も特に、屈折率異方性Δnの大きなシアノビフェニル
系、ターフェニル系、ピリジン系、ピリミジン系および
トラン系のネマティック液晶が最適である。
【0026】また、前記透明樹脂12としては、屈折率
p が1.52程度のアクリル樹脂、メタクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリビニ
ルアルコール、またはこれらの共重合体(例えばアクリ
ル・ウレタン共重合体)などが用いられる。
【0027】また、前記樹脂薄膜14、15としては、
反射防止のため、屈折率が透明樹脂12と同等であるも
の、例えば前記透明樹脂12と同一または同成分系の樹
脂が用いられるが、特に液晶小滴13に対しても優れた
親和性をもつポリビニルアルコールが最適である。
【0028】《液晶・樹脂複合体の作製手順》次に、液
晶・樹脂複合体3の作製手順について説明する。
【0029】まず、液晶小滴13および透明樹脂12の
構成材料を混ぜ合わせて均質溶媒にした後、この均質溶
媒を予め樹脂薄膜14、15を付着しておいた透明電極
2と光導電層4の間に流し込む。
【0030】さらに、光硬化、熱硬化および反応硬化等
の方法を用いて、透明樹脂12の成分を硬化させること
により、液晶成分を急速に不溶化・折出(相分離)させ
て、十分な光散乱を得るために必要な5μm以上の膜厚
を有する液晶・樹脂複合体3を作製する。
【0031】また、他の作製手順としては、液晶小滴1
3および透明樹脂12の構成材料を共通の溶媒に溶解
し、その均一溶液を樹脂薄膜15が設けられた光導電層
4上にロールコートするか、または前記均一溶液を樹脂
薄膜14が設けられた透明電極2上にロールコートした
後、溶媒成分を揮発させる。
【0032】この後、これら光導電層4側と、透明電極
2側とを圧着して十分な光散乱を得るために必要な5μ
m以上の膜厚を有する液晶・樹脂複合体3を作製する。
【0033】この場合、従来の方法では、液晶小滴13
の成長が液晶となじみの悪い異質な基板界面により影響
されて、粒径に大きなばらつきを生じやすいが、本発明
では、いずれの方法でも、樹脂薄膜14、15を使用し
ているので、このような問題は発生しない。なお、片側
の基板にのみ樹脂薄膜を用いた場合も、かなりの改善効
果が得られるため、有効である。
【0034】そして、このような光書込み型空間光変調
素子では、液晶小滴13が微小なほど、粒径の均一性を
高くして、解像度を高くすることができ、また上述した
各液晶・樹脂複合体3の製作方法では、透明樹脂12の
硬化が速いほど液晶小滴13の大きさを微細にすること
ができることから、液晶・樹脂複合体3の急速な形成が
望ましい。
【0035】しかし、様々な波長の可視光をほぼ均一に
散乱させるには、液晶小滴13の粒径を0.5μm以上
に設定する必要があり、一方、大きすぎると、解像度や
散乱量が減少するので、実用的には0.5〜10μmが
適当である。
【0036】なお、透明樹脂12に対して液晶小滴13
の構成比が大きな場合、液晶小滴13が互いに連結し、
透明樹脂12の形状が海綿体状または3次元の網目構造
をなすこともある。また、これらの液晶・樹脂複合体3
の多くは自己支持性であるため、膜厚の制御が容易であ
り、大面積化することも可能である。
【0037】ただし、透明樹脂12が軟質の場合には、
液晶・樹脂複合体3の側面を支えるために、透明電極2
と光導電層4の間に球状または繊維状のスペーサを配設
するようにしても良い。
【0038】《実験例》一例として試作した液晶・樹脂
複合体3のサンプルは、2枚の透明電極(In2 3
Sn)に付着したポリビニルアルコール膜(屈折率は約
1.55)によって樹脂薄膜を形成し、屈折率異方性Δ
nの大きなネマッティック液晶(メルクジャパン社BL
−008、no =1.527、ne =1.807)およ
び光硬化性アクリルウレタン樹脂(ノーランドプロダク
ツ社NOA−65、no =1.524)によって液晶・
樹脂複合体3を形成する。
【0039】このため、まず、ポリビニルアルコール水
溶液(濃度1w%)を透明電極上にスピンコート(20
00回転/分、120秒)して乾燥させることにより、
ポリビニルアルコール薄膜を膜厚0.05μmに塗布し
て樹脂薄膜を形成する。
【0040】次に、ネマティック液晶とアクリルウレタ
ン樹脂を1:1の重量比で混合し、10μm径の球状ス
ペーサを0.1w%添加した後、ポリビニルアルコール
によって構成された樹脂薄膜が付着した透明電極基板間
に挟み込む。
【0041】更に、紫外線(波長365nm、強度30
mW/cm2 )を照射した結果、粒径2〜3μmの液晶
小滴13を持つ均一な液晶・樹脂複合体(10μm厚)
3が得られた。
【0042】図2の実線は、試作した液晶・樹脂複合体
3の光透過率と印加電圧の関係を示す表図である。
【0043】この図を見れば明らかなように、実線で示
す樹脂薄膜を用いた液晶・樹脂複合体3では、点線で示
す樹脂薄膜を用いていない場合と比較して、立ち上がり
が急峻化されることがわかる。
【0044】図3は、様々な線幅をもつストライプがパ
ターニングされた透明電極基板を用いて液晶・樹脂複合
体3を試作し、液晶・樹脂複合体3自身の解像度を測定
した結果である。
【0045】この図を見れば、樹脂薄膜を透明電極上に
設けた場合、樹脂薄膜がない場合に比べて高い解像度が
得られていることがわかり、さらに樹脂形成時の紫外光
強度の増加に伴って、解像度が向上していることがわか
る。
【0046】したがって、液晶・樹脂複合体3の解像度
を高めるには、液晶小滴13を親和性の樹脂上で急速に
形成すれば良い。これにより、光書込み型空間光変調素
子の高解像度化を図ることができる。
【0047】このような結果に基づいて、Bi12SiO
20によって構成される厚さ500μmの光導電層4にI
2 3 :Snによって構成される透明電極5を形成す
るとともに、ガラスによって構成される透明基板1にI
2 3 :Snによって構成される透明電極2を形成
し、透明電極2と光導電層4の間に、上述の方法によ
り、液晶・樹脂複合体3を形成し、35mm×35mm
の有効面積を有する光書込み型空間光変調素子を試作す
ることができた。
【0048】《実施例の動作》次に、図1に示す本実施
例の動作を図4と図5を用いて説明する。
【0049】まず、図4に示すように、書込み光8が入
射しない場合、液晶・樹脂複合体3よりも抵抗率が高い
光導電層4側に、駆動電圧の大半が印加されるので、液
晶・樹脂複合体3の液晶分子の配列方向(配向)が樹脂
界面の規制力を受け液晶小滴13毎に不規則になる。
【0050】これによって、光導電層4を透過してきた
読出し光9が液晶小滴13と透明樹脂12の屈折率の不
整合により、反射や屈折を繰り返し、強く散乱される。
【0051】一方、図5に示すように、書込み光8が入
射した場合、光導電層4のインピーダンスが低下するた
め、光導電層4に配分されていた電圧の一部が液晶・樹
脂複合体3側に移る。
【0052】このとき、液晶小滴13の大きさが均一で
あるため、各液晶小滴13内の液晶分子(正の誘電率異
方性)の配向が、一度に電界方向に揃うことから、液晶
小滴13の屈折率が常光屈折率no に近づき、透明樹脂
12の屈折率np と同等となる。
【0053】これによって、屈折率の不整合が解消し、
入射した読出し光9がそのまま液晶・樹脂複合体3を透
過する。
【0054】ここで、直進光(表示光)11のみを光学
系により取り出せば、書込み光8によって変調された表
示光の光画像を得ることができ、光画像における強度お
よび波長の変換が可能になる。
【0055】その際、液晶・樹脂複合体3の光透過率対
印加電圧曲線の立ち上がりが急峻であるため、弱い書込
み光8で高いコントラスト比の光画像を得ることができ
る。
【0056】このようにこの実施例においては、液晶と
透明樹脂12に親和性を有する樹脂薄膜14、15を液
晶・樹脂複合体3の両端に設けることにより、液晶・樹
脂複合体3の生成時において、液晶小滴13の大きさを
均一化するようにし、これによって液晶小滴13の粒子
性に起因する解像度の劣化を最小限に抑え、さらに液晶
・樹脂複合体3の光透過率対印加電圧曲線を急峻化して
いるので、光導電層4を薄くし、弱い書込み光8で液晶
・樹脂複合体3を十分に透明状態にすることができる。
【0057】この結果、高解像度、高感度および高コン
トラストを実現することができる。さらに、透明基板1
や光導電層4の基板面が樹脂薄膜14、15によりアン
ダーコートされているため、液晶・樹脂複合体3を挟む
基板の表面状態や材質によって、液晶・樹脂複合体3の
生成が左右されず、高い均一性と再現性を得ることがで
きる。
【0058】また、上述した実施例においては、素子の
読出し光利用率(表示光の最大強度/読出し光の強度)
をあまり考慮していないが、この読出し光利用率を向上
させるには、図6に示す如く液晶・樹脂複合体3と光導
電層4との間に、読出し光9を反射する誘電体多層膜2
0と、漏れてきた読出し光を吸収する光吸収層21とを
順次積層し、これによって読出し光9と書込み光8を分
離するようにすれば良い。
【0059】この場合、書込み光8および読出し光9
は、それぞれ光導電層4および液晶・樹脂複合体3側か
ら入射され、書込み光8の強度に応じて、読出し光9の
反射光(表示光)が強度変調される。なお、読出し光9
に光導電層4が感度を持たない波長を使用する場合、光
吸収層21は不要となる。また、誘電体多層膜20の代
わりに、微細に分割されたアルミニウム、クロムなどの
金属膜を用いることも可能である。
【0060】また、本発明の光書込み型空間光変調素子
は、光強度変換機能を用いた投写型画像表示素子、光画
像の波長変換素子およびインコヒーレント光・コヒーレ
ント光変換素子として用いることが可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、液
晶小滴の大きさを小さく、かつ均一にすることができ、
これによって解像度、コントラスト、感度、均一性が大
幅に向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光書込み型空間光変調素子の一実
施例を示す構成図である。
【図2】本発明による光書込み型空間光変調素子で使用
される液晶・樹脂複合体の光透過率と印加電圧との関係
例を示す表図である。
【図3】本発明による光書込み型空間光変調素子で使用
される液晶・樹脂複合体の解像度と、成膜時の紫外線強
度との関係例を示す表図である。
【図4】図1に示す光書込み型空間光変調素子の動作例
を示す模式図である。
【図5】図1に示す光書込み型空間光変調素子の動作例
を示す模式図である。
【図6】本発明による光書込み型空間光変調素子の他の
実施例を示す構成図である。
【図7】従来から知られている光書込み型空間光変調素
子の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明電極 3 液晶・樹脂複合体 4 光導電層 5 透明電極 6 リード線 7 駆動用交流電源 12 透明樹脂 13 液晶小滴 14、15 樹脂薄膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に樹脂薄膜が形成され、予め設定さ
    れている屈折率を持つ透明樹脂に、この透明樹脂と同等
    な常光屈折率を有するネマティック液晶、コレステリッ
    ク液晶、スメクティック液晶、またはこれら液晶の混合
    液晶が分散された液晶・樹脂複合体と、 この液晶・樹脂複合体に密着し、書込み光に応じてイン
    ピーダンスが変化する光導電層と、 これら光導電層、液晶・樹脂複合体を両側から挟むよう
    に形成される透明電極と、 を備え、前記透明電極に交流電圧を印加することを特徴
    とする光書込み型空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 前記光導電層と前記液晶・樹脂複合体と
    の間に光を反射する誘電体多層膜を積層し挿入する請求
    項1記載の光書込み型空間光変調素子。
  3. 【請求項3】 前記光導電層と前記誘電体多層膜との間
    に光を吸収する光吸収層を挿入する請求項2記載の光書
    込み型空間光変調素子。
  4. 【請求項4】 前記樹脂薄膜は前記液晶および前記透明
    樹脂に対してぬれ性が高いポリビニルアルコールによっ
    て構成される請求項1、2、3のいずれかに記載の光書
    込み型空間光変調素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶・樹脂複合体は前記透明樹脂を
    光硬化、熱硬化、反応硬化、溶媒蒸発のいずれかにより
    形成する請求項1、2、3、4のいずれかに記載の光書
    込み型空間光変調素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶・樹脂複合体を構成する液晶は
    シアノビフェニル系液晶、ターフェニル系液晶、ピリジ
    ン系液晶、ピリミジン系液晶またはトラン系液晶のいず
    れかである請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載
    の光書込み型空間光変調素子。
JP23100392A 1992-08-31 1992-08-31 光書込み型空間光変調素子 Expired - Fee Related JP3162816B2 (ja)

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