JPH068266B2 - L−グルタミン酸マグネシウム五水和物結晶及びその製造法 - Google Patents
L−グルタミン酸マグネシウム五水和物結晶及びその製造法Info
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- JPH068266B2 JPH068266B2 JP20455784A JP20455784A JPH068266B2 JP H068266 B2 JPH068266 B2 JP H068266B2 JP 20455784 A JP20455784 A JP 20455784A JP 20455784 A JP20455784 A JP 20455784A JP H068266 B2 JPH068266 B2 JP H068266B2
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- magnesium
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- magnesium glutamate
- crystal
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、L−グルタミン酸マグネシウム五水和物結晶
並びにその結晶分離性の良好な製法に関する。
並びにその結晶分離性の良好な製法に関する。
グルタミン酸のナトリウム塩(MSG)は、呈味性を有す
ることから、汎用性のある旨味調味料として広く利用さ
れている。一方、グルタミン酸塩には、ナトリウム塩以
外にも、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、
アンモニウム塩等が存在し、マグネシウム塩について
は、低ナトリウムの旨味調味料としての利用や、水質改
良剤、清酒醸造用水の硬度調節剤として有用性がある。
ることから、汎用性のある旨味調味料として広く利用さ
れている。一方、グルタミン酸塩には、ナトリウム塩以
外にも、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、
アンモニウム塩等が存在し、マグネシウム塩について
は、低ナトリウムの旨味調味料としての利用や、水質改
良剤、清酒醸造用水の硬度調節剤として有用性がある。
ところで、L−グルタミン酸マグネシウムは、その四水
和物結晶の存在は知られているが、上述の如き、調味料
等への適用においてより物性が良好で、かつ、工業的に
生産効率のよいL−グルタミン酸マグネシウム塩の取得
が望まれている。
和物結晶の存在は知られているが、上述の如き、調味料
等への適用においてより物性が良好で、かつ、工業的に
生産効率のよいL−グルタミン酸マグネシウム塩の取得
が望まれている。
本発明は、旨味調味料、水質改良剤等として、物性的に
安定で、かつ、溶解性の良好はL−グルタミン酸マグネ
シウムを工業的に効率よく取得することを目的とする。
安定で、かつ、溶解性の良好はL−グルタミン酸マグネ
シウムを工業的に効率よく取得することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、L−グルタミン酸マグネシウムの工業的
製法を研究する中で、L−グルタミン酸マグネネシウム
五水和物結晶(以下、(L-Glu)2・Mg・5H2Oと記
す)の存在を見出し、かつ、その簡便かつ安価な製造法
に関する知見を得た。
製法を研究する中で、L−グルタミン酸マグネネシウム
五水和物結晶(以下、(L-Glu)2・Mg・5H2Oと記
す)の存在を見出し、かつ、その簡便かつ安価な製造法
に関する知見を得た。
(L-Glu)2・Mg・5H2Oは、(L-Glu)2・Mg・4H2O
に比して、水に対する溶解性が高く、しかも、極めて安
定であり、種々の用途に適用可能でその有用性が大であ
る。しかしながら、このような高い溶解性は、逆に、工
業的生産には阻害要因となる。即ち、(L-Glu)2・Mg・
5H2Oは、水に対する溶解度が大きい上、結晶成長性
が悪く、しかも針状晶であるため、晶析率が低く(10
〜20%)、結晶分離も極めて困難である。そこで、本
発明者らは、(L-Glu)2・Mg・5H2Oの工業的製法に
つき、更に鋭意検討を重ねた結果、極性有機溶媒を添加
した晶析法により、晶析率も極めて高く(80%以
上)、容易に固液分離できる結晶状態になることを見出
し、本発明を完成したものである。
に比して、水に対する溶解性が高く、しかも、極めて安
定であり、種々の用途に適用可能でその有用性が大であ
る。しかしながら、このような高い溶解性は、逆に、工
業的生産には阻害要因となる。即ち、(L-Glu)2・Mg・
5H2Oは、水に対する溶解度が大きい上、結晶成長性
が悪く、しかも針状晶であるため、晶析率が低く(10
〜20%)、結晶分離も極めて困難である。そこで、本
発明者らは、(L-Glu)2・Mg・5H2Oの工業的製法に
つき、更に鋭意検討を重ねた結果、極性有機溶媒を添加
した晶析法により、晶析率も極めて高く(80%以
上)、容易に固液分離できる結晶状態になることを見出
し、本発明を完成したものである。
本発明により取得した(L-Glu)2・Mg・5H2Oは以下
に記述するような性状・物質を示す。
に記述するような性状・物質を示す。
(1)物質の色 白色 (2)結晶物 針状晶 (3)元素分析 元素 理論値(%) 測定値(%) C 29.54 29.58 H 6.44 6.51 N 6.89 6.86 Mg 5.98 6.01 H2O 22.16 22.17 (H2O測定はカールフィッシャー滴定による) (4)比旋光度 ▲〔α〕20 D▼=+22.86゜ (5)熱分析 示差熱分析チャートを第1図に示す。
結晶水離脱温度 91〜174℃ 分子内脱水温度 174〜233℃ 分解開始温度 233℃ (6)赤外線吸収スペクトル KBr錠剤法でのチャートを第2図に示す。
(7)粉末X線回折図 Cu-Ka線を用いたチャートを第3図に示す。
(8)臨界湿度 93.8%(25.7℃) (9)溶解度 (a)水に対する溶解度:第4図に示す。
ogS=1.05×10-2T+1.67 但し、S:水100gに溶解する (L-Glu)2・Mg・5H2Oの重量(g) (b)水−エチルアルコールに対する溶解度(30℃):
第5図に示す。
第5図に示す。
本発明の(L-Glu)2・Mg・5H2O結晶の晶析は、遊離
のL−グルタミン酸とマグネシウムイオンとを含有する
水溶液に極性有機溶媒を添加し、晶出すべき物質、即
ち、(L-Glu)2・Mg・5H2Oの溶解度を減少し、過飽
和溶液にして、結晶を成長せしめる。
のL−グルタミン酸とマグネシウムイオンとを含有する
水溶液に極性有機溶媒を添加し、晶出すべき物質、即
ち、(L-Glu)2・Mg・5H2Oの溶解度を減少し、過飽
和溶液にして、結晶を成長せしめる。
L−グルタミン酸及び水酸化マグネシウム等のマグネシ
ウムイオンを含有する塩基性化合物の濃度は特に限定さ
れないが、グルタミン酸をグルタミン酸マグネシウムと
して約30〜80%含有する水溶液からの晶析が工業的
には効率が良い。極性有機溶媒としては、エチルアルコ
ール、アセトン、エチレングリコール等の中から選択
し、上記L−グルタミン酸とマグネシウム化合物との中
和反応液中に徐々に添加することにより、(L-Glu)2・
Mg・5H2Oの過飽和水溶液として、(L-Glu)2・Mg・
5H2Oの結晶を成長せしめる。尚、極性有機溶媒添加
の際、種晶を添加することにより、結晶成長が速まる。
ウムイオンを含有する塩基性化合物の濃度は特に限定さ
れないが、グルタミン酸をグルタミン酸マグネシウムと
して約30〜80%含有する水溶液からの晶析が工業的
には効率が良い。極性有機溶媒としては、エチルアルコ
ール、アセトン、エチレングリコール等の中から選択
し、上記L−グルタミン酸とマグネシウム化合物との中
和反応液中に徐々に添加することにより、(L-Glu)2・
Mg・5H2Oの過飽和水溶液として、(L-Glu)2・Mg・
5H2Oの結晶を成長せしめる。尚、極性有機溶媒添加
の際、種晶を添加することにより、結晶成長が速まる。
目的物質である(L-Glu)2・Mg・5H2Oの結晶は、上
記(L-Glu)2・Mg・5H2O過飽和溶液において、晶析
した結晶が容易に固液分離できる結晶状態となった後、
遠心分離等、常法に従い分離採取し、次いで、乾燥する
ことにより取得できる。
記(L-Glu)2・Mg・5H2O過飽和溶液において、晶析
した結晶が容易に固液分離できる結晶状態となった後、
遠心分離等、常法に従い分離採取し、次いで、乾燥する
ことにより取得できる。
本発明の(L-Glu)2・Mg・5H2Oは、上述の如く、臨
界湿度が高いため、空気中で吸湿固結し難く、更に、水
に対する溶解度が高い等、調味料等の分野への適用上好
ましい物質を有する。また、極性有機溶媒の添加による
溶解度減少で、効率良く、目的とする。(L-Glu)2・Mg
・5H2O結晶を析出せしめ得るため工業的生産にも適
する。
界湿度が高いため、空気中で吸湿固結し難く、更に、水
に対する溶解度が高い等、調味料等の分野への適用上好
ましい物質を有する。また、極性有機溶媒の添加による
溶解度減少で、効率良く、目的とする。(L-Glu)2・Mg
・5H2O結晶を析出せしめ得るため工業的生産にも適
する。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
実施例 L-Glu147gに純粋140mを加え攪拌した。この
溶液中にMg(OH)229.2gを加え60℃に加温して完全
に溶解させた。
溶液中にMg(OH)229.2gを加え60℃に加温して完全
に溶解させた。
この溶液を30℃まで徐冷した後エタノール60mをゆ
っくり滴下し種晶(L-Glu)2・Mg・5H2O5gを加え
た。
っくり滴下し種晶(L-Glu)2・Mg・5H2O5gを加え
た。
12時間ゆっくり攪拌した後静置した。
析出した結晶を遠心分離機で分離した後、室温で減圧乾
燥し、結晶132gを得た。
燥し、結晶132gを得た。
取得した結晶の分析値を第1表に、粉末X線回折図を第
3図に示す。
3図に示す。
第1図は、(L-Glu)2・Mg・5H2O結晶の示差熱分析
チャート、第2図は赤外線吸収スペクトル、第3図は粉
末X線回折図、第4図は、水に対する溶解度、第5図は
水−エチルアルコールに対する溶解度(30℃)をそれ
ぞれ示す。
チャート、第2図は赤外線吸収スペクトル、第3図は粉
末X線回折図、第4図は、水に対する溶解度、第5図は
水−エチルアルコールに対する溶解度(30℃)をそれ
ぞれ示す。
Claims (2)
- 【請求項1】L−グルタミン酸マグネシウム五水和物結
晶。 - 【請求項2】L−グルタミン酸及びマグネシウムイオン
を含有する水溶液に極性有機溶媒を添加し、L−グルタ
ミン酸マグネシウム五水和物結晶を晶析せしめることを
特徴とするL−グルタミン酸マグネシウム五水和物結晶
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20455784A JPH068266B2 (ja) | 1984-09-28 | 1984-09-28 | L−グルタミン酸マグネシウム五水和物結晶及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20455784A JPH068266B2 (ja) | 1984-09-28 | 1984-09-28 | L−グルタミン酸マグネシウム五水和物結晶及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6183152A JPS6183152A (ja) | 1986-04-26 |
JPH068266B2 true JPH068266B2 (ja) | 1994-02-02 |
Family
ID=16492452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20455784A Expired - Lifetime JPH068266B2 (ja) | 1984-09-28 | 1984-09-28 | L−グルタミン酸マグネシウム五水和物結晶及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH068266B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010011807A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Ajinomoto Co Inc | グルタミン酸マグネシウム含有塩味増強剤 |
-
1984
- 1984-09-28 JP JP20455784A patent/JPH068266B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6183152A (ja) | 1986-04-26 |
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