JPH0682516B2 - カセツトホルダ−の取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばカセツト式テープレコーダやVTRの如
きカセツト式記録再生装置に適用するのに最適なカセツ
トホルダーの取付装置に関するものである。

〔発明の概要〕

本発明は、カセツトホルダーをシヤーシ上に設けた左右
一対の取付台に左右一対の支点ピン及びこれらが嵌合さ
れる左右一対の支点孔を介して回動自在に取付けてある
カセツト式テープレコーダ等のカセツトホルダーの取付
装置において、前記左右一対の取付台のうちの一方の取
付台を前記シヤーシ上にねじ止めする工程によつてその
一方の取付台をシヤーシ上で前記支点ピン及び支点孔の
軸線方向に移動させるようにすることにより、その取付
台のシヤーシ上へのねじ止めと、支点ピンと支点孔との
嵌合とを同時に行えるようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来から、カセツト式テープレコーダにおいて、シヤー
シ上にねじ止めした左右一対の取付台の左右両側面に左
右一対の支点ピンを一体に設け、これらの支点ピンが嵌
合される左右一対の支点孔をカセツトホルダーの左右一
対の取付片に設け、そのカセツトホルダーの左右両取付
片を弾性に抗して左右横外方に押し開くようにして、左
右一対の支点孔を左右一対の支点ピンに嵌合させて、カ
セツトホルダーを左右一対の取付台に回動自在に取付け
るようにしたものがある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この従来構造によれば、左右一対の支点ピンにねじを用
いていないので、長期の使用によるねじの緩みや脱落の
問題が発生しない反面、左右一対の支点ピンを左右一対
の支点孔に嵌合させるべく、カセツトホルダーの左右両
取付片を弾性に抗して左右横外方に押し開く際に、カセ
ツトホルダーに変形や破損を生じ易い等、品質管理に問
題がある。またカセツトホルダーの左右両取付片を弾性
に抗して左右横外方に押し開くようにして、左右一対の
支点孔を左右一対の支点ピンに嵌合させて組立てる工程
は自動化が非常に困難である。

本発明は、取付台をシヤーシ上へねじ止めするだけで、
同時に支点ピンと支点孔とを嵌合させることができるよ
うにするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、前述したカセツトホルダーの取付装置におい
て、前記左右一対の取付台のうちの一方の取付台をその
底面に設けた長孔によつて前記シヤーシ上に設けた突起
に係合させて、この一方の取付台をシヤーシ上で前記支
点ピン及び支点孔の軸線方向に移動自在に取付け、この
一方の取付台にその上面から底面にかけて貫通させて設
けたねじ挿通孔の上端側の一側側に傾斜面を設け、この
一方の取付台のねじ挿通孔に上方から挿通したねじをシ
ヤーシに設けた雌ねじ孔にねじ込んで、この一方の取付
台をシヤーシ上にねじ止めする際、このねじの先端をね
じ挿通孔の前記傾斜面に押圧させるようにして挿通させ
ることにより、その傾斜面による案内作用でこの一方の
取付台を前記軸線方向に移動させて、前記左右一対の支
点ピン及び支点孔のうちの一方の支点ピンを一方の支点
孔内に嵌合させるように構成したものである。

〔作 用〕

本発明は、左右一対の取付台のうちの一方の取付台をシ
ヤーシ上にねじ止めする際に、その一方の取付台をシヤ
ーシ上で左右一対の支点ピン及び支点孔の軸線方向に移
動させて、一方の支点ピンを一方の支点孔内に嵌合させ
るので、その一方の取付台のシヤーシ上へのねじ止め
と、一方の支点ピンと一方の支点孔との嵌合とを同時に
行える。

〔実施例〕

以下、本発明をカセツト式テープレコーダのオートリバ
ース機に適用した一実施例を図面に基づき説明する。

先ず、第５図はテープレコーダ全体を示したものであつ
て、テープレコーダ本体１の上面1aには左右一対のリー
ル台2a、2b、キヤプスタン3a,3bや取付台4a、4b等が取
付けられており、前面1bにはモード切換え用やカセツト
エジエクト用等の複数の操作釦５が取付けられている。
そしてカセツトホルダー６が取付台4a,4bに矢印ａ、ｂ
方向に回動自在に取付けられていて、そのカセツトホル
ダー６の上部側にカセツト蓋７が取付けられている。な
おカセツトホルダー６には磁気ヘツド８と左右一対のピ
ンチローラ9a、9b等が取付けられている。

そしてカセツトホルダー６及びカセツト蓋７を実線で示
した開位置まで矢印ａ方向に開いた状態で、コンパクト
カセツトであるカセツト10をカセツトホルダー６内に矢
印ｃ方向から斜めに挿入して、カセツト10の前面開口
（図示せず）内に磁気ヘツド８及びピンチローラ9a、9b
を挿入させた後、カセツトホルダー６及びカセツト蓋７
を鎖線で示した閉位置まで矢印ｂ方向に閉じると、カセ
ツト10がリール台2a、2bやキヤプスタン3a、3b等に装着
された記録再生位置に装着されるように構成されてい
る。なおカセツト蓋７は閉位置にてロツク機構（図示せ
ず）にてロツクされる。そしてこのカセツト装着後に、
再生（記録）釦を押すと、カセツト10内の磁気テープ
（図示せず）がピンチローラ9a、9bによつてキヤプスタ
ン3a、3bに選択的に圧着されると共に、リール台2a、2b
が選択的に駆動されて、その磁気テープ（図示せず）が
ノーマル走行及びこれに引続くリバース走行されて、磁
気ヘツド８による所望の再生（記録）が行われる。そし
て記録（再生）後に、エジエクト釦を押すと、閉位置で
のカセツト蓋７のロツクが解除されるので、カセツトホ
ルダー６及びカセツト蓋７を開位置まで矢印ａ方向に開
き、カセツト10をカセツトホルダー６内から矢印ｄ方向
に抜取ることができる。

次に、カセツトホルダー６の取付装置を第1A図〜第4B図
によつて説明する。

先ず、第３図〜第4B図に示す如く、テープレコーダ本体
１の上面1aは水平な金属板からなるシヤーシ12によつて
構成されており、左右一対の取付第4a、4bはそのシヤー
シ12の後端側の左右両端のコーナ部分の上部に後述する
ように各々ねじ止めされている。そして取付第4a、4bに
は左右横外方に向つて水平に突出された左右一対の支点
ピン13a、13bが同一軸線状態で一体に設けられており、
カセツトホルダー６の左右一対の取付片14a、14bには支
点ピン13a、13bが各々嵌合される左右一対の支点孔15
a、15bが設けられている。そしてカセツトホルダー６は
支点孔15a、15bによつて取付第4a、4bの支点ピン13a、1
3bに嵌合されて、第4A図に示す開位置と第4B図に示す閉
位置との間で矢印ａ、ｂ方向に回動自在に取付けられ
る。なおカセツト蓋７はカセツトホルダー６の上部側に
嵌合されて左右一対の支点ピン（但し一方はねじで兼
用）16によつてカセツトホルダー６に対して一定角度内
でほゞ矢印ａ、ｂ方向に回動自在に取付けられている。
なおカセツトホルダー６が第4A図に示す開位置まで矢印
ａ方向に回動された時、カセツトホルダー６に一体に設
けられた左右一対のストツパー片17が取付台4a、4bに一
体に設けられた左右一対のストツパー18に当接されて、
そのカセツトホルダー６の開位置が規制されるように構
成されている。

次に、カセツトホルダー６の取付装置の詳細を第1A図〜
第2B図によつて説明する。

先ず、左右一対の取付台4a、4bのうちの一方の取付台4b
はその底面20bに設けられた左右一対の長孔21a、21bに
よつてシヤーシ12上に一体に設けられた左右一対の突起
22a、22bに係合されていて、この一方の取付台4bはシヤ
ーシ12上で支点ピン13a、13b及び支点孔15a、15bの軸線
Ｐ方向に移動自在に取付けられる。

次に、突起22a、22bは金属板からなるシヤーシ12にバー
リング加工された円筒状の突起であり、これらの内側に
は雌ねじ孔23a、23bが垂直状に形成されている。またこ
の一方の取付台4bにはその上面24bから底面20bにかけて
垂直状に貫通された一対のねじ挿通孔25a、25bが設けら
れており、一方のねじ挿通孔25aの上端側の一側には傾
斜面26が設けられている。

次に、カセツトホルダー６の取付けに際しては、先ず、
第1A図及び第2A図に示す如く、他方の取付台4aをその底
面20aに設けた左右一対の丸孔28によつてシヤーシ12上
に一体に設けた円筒状（バーリング加工されたもの）を
なす左右一対の突起29に係合させた状態で、自動ねじ締
め機（図示せず）によつて、その他方の取付台4aの上面
24aから底面20aにかけて垂直状に貫通して設けた左右一
対のねじ挿通孔30に左右一対のねじ31を挿通して、その
両ねじ31を両突起29の両側に形成してある左右一対の雌
ねじ孔32にねじ込んで、その他方の取付台4aをシヤーシ
12上に最初にねじ止めする。

次に、長孔21a、21bによつてシヤーシ12上の突起22a、2
2bに係合されている一方の取付台4bを第1A図に実線に示
す位置まで矢印ｅ方向に移動させた状態で、第1A図及び
第2A図に示す如くカセツトホルダー６の他方の支点孔15
aを他方の取付台4aの他方の支点ピン13aに嵌合させて、
第2A図に示す如く一方の支点孔15bを一方の取付台4bの
一方の支点ピン13bの外側に同一軸線Ｐ状態に位置決め
する。

次に、第1A図に示す如く、自動ねじ締め機のドライバー
ビツト34の先端（下端）に垂直に保持されて一方の雌ね
じ孔23aの真上位置から垂直下方である矢印ｆ方向に回
転されながら下降されるねじ35の先端（下端）35aを、
一方の取付台4bの一方のねじ挿通孔25aの傾斜面26に押
圧させる。すると、傾斜面26による案内作用でこの一方
の取付台4bが第1A図に鎖線で示す如く前記軸線Ｐ方向で
ある矢印ｇ方向に移動され、第1B図に示す如くねじ挿通
孔25a、25bが雌ねじ孔23a、23bの真上へ移動されると同
時に、第2B図に示す如くこの一方の取付台4bの一方の支
点ピン13bがカセツトホルダー６の一方の支点孔15b内に
矢印ｇ方向から自動的に嵌合される。

一方、第1B図及び第2B図に示す如く、この際ドライバー
ビツト34によつて矢印ｆ方向に回転されながら下降され
るねじ35はそのまゝ一方の雌ねじ孔23aにねじ込まれて
しまう、なおこの後、第1B図及び第2B図に示す如く、も
う１本のねじ36をこの一方の取付台4bの他方のねじ挿通
孔25bから他方の雌ねじ孔23bにねじ込んで、この一方の
取付台4bをシヤーシ12上に最終的にねじ止めする。

以上、本発明の実施例に付き述べたが、本発明は実施例
に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて
各種の有効な変更が可能である。

例えば実施例では、支点ピン13a、13bを取付台4a、4b側
に設け、支点孔15a、15bをカセツトホルダー６側に設け
たがこれらを互いに逆の部材に設けても良い。

また本発明は、コンパクトカセツトを用いるテープレコ
ーダに限定されることなく、各種のテープカセツトやデ
イスクカセツト（デイスクカートリツジ）を用いる各種
のカセツト式記録再生装置に適用可能である。

〔発明の効果〕

本発明は、取付台をシヤーシ上へねじ止めするだけで、
同時に支点ピンと支点孔とを嵌合させることができるの
で、カセツトホルダーの取付けが極めて簡単であり、自
動組立機による自動組立が可能である。またカセツトホ
ルダーの変形や破損の問題が全くなく、品質管理が楽で
ある上に、左右一対の支点ピンにねじを用いたものゝ如
く、ねじの緩みによるカセツトホルダーの脱落の問題も
全くない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示したものであつて、第1A図
及び第1B図は要部の断面図、第2A図及び第2B図は要部の
平面図、第３図は全体の分解斜視図、第4A図及び第4B図
は要部の側面図、第５図は全体の斜視図である。 また図面に用いられた符号において、 １……テープレコーダ本体 4a……取付台 4b…… 〃 ６……カセツトホルダー 12……シヤーシ 13a……支点ピン 13b…… 〃 15a……支点孔 15b……支点孔 21a……長孔 22a……突起 23a……雌ねじ孔 25a……ねじ挿通孔 26……傾斜面 34……ドライバービット 35……ねじ である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カセツトホルダーをシヤーシ上に設けた左
   右一対の取付台に左右一対の支点ピン及びこれらが嵌合
   される左右一対の支点孔を介して回動自在に取付けてあ
   るカセツトホルダーの取付装置において、 前記左右一対の取付台のうちの一方の取付台をその底面
   に設けた長孔によつて前記シヤーシ上に設けた突起に係
   合させて、この一方の取付台をシヤーシ上で前記支点ピ
   ン及び支点孔の軸線方向に移動自在に取付け、 この一方の取付台にその上面から底面にかけて貫通させ
   て設けたねじ挿通孔の上端側の一側部に傾斜面を設け、 この一方の取付台のねじ挿通孔に上方から挿通したねじ
   をシヤーシに設けた雌ねじ孔にねじ込んで、この一方の
   取付台をシヤーシ上にねじ止めする際、このねじの先端
   をねじ挿通孔の前記傾斜面に押圧させるようにして挿通
   させることにより、その傾斜面による案内作用でこの一
   方の取付台を前記軸線方向に移動させて、前記左右一対
   の支点ピン及び支点孔のうちの一方の支点ピンを一方の
   支点孔内に嵌合させるように構成したことを特徴とする
   カセツトホルダーの取付装置。