JPH0682505B2 - デイスクカ−トリツジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ケース内に光ディスクや光磁気ディスク等
のディスクを収納したディスクカートリッジに関するも
のである。

〔発明の概要〕

この発明は、シャッタにより開閉されるピックアップ用
の開口部の平面形状をターンテーブル挿入孔側に向い徐
々に幅広となる台形状に形成するとともに、該孔の少な
くとも一側縁、すなわちシャッタの閉塞時移動方向の先
方に位置する一側端面を所定の傾斜角度を有するテーパ
面とすることによりシャッタと上記開口部との掛合を回
避することができるようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来の光ディスクカートリッジ等のディスクカートリッ
ジ１は、第３図及び第４図に示すように、合成樹脂等で
成形されたケース２内にディスク３が回転自在に収納さ
れている。そして上記ケース２の上下両面4,5には、ほ
ぼ長方形の凹部８がケース２の一側縁2aに臨むように形
成されており、その凹部８にはターンテーブル挿入孔６
及びピックアップが臨む開口部７が形成されている。な
お凹部８、ターンテーブル挿入孔６及び開口部７はケー
ス２の上下両面4,5に上下対称に設けられている。ま
た、上下一対の凹部８とケース２の一側縁2aとに跨がる
ように略コ字形のシャッタ９がケース２に摺動自在に取
り付けられている。そしてディスクカートリッジ１の不
使用時には、シャッタ９の上下一対の閉塞板部9aがター
ンテーブル挿入孔６及び開口部７を閉塞して、ケース２
の内部へのごみ等の侵入を防止するようにしている。

上記シャッタ９は、ステンレス板等により略コ字形に成
形されており、上下一対の閉塞板部9aと、これら一対の
閉塞板部9aを連結している連結板部9cとから成ってい
る。なお、シャッタ９は連続板部9cをケース２の一側縁
2aに配された摺動部材12にネジ止めすること等により、
上記ケース２に対し摺動自在に取り付けられている。ま
た、これらの孔閉塞板部9aのそれぞれの端部9bは、第４
図に明示すように、凹部８に連なるガイド用スリット11
に挿入されている。なお、上記ガイド用スリット11は、
ケース２とは別に成形加工されたスリット形成部材10を
凹部８の一側縁においてケース２に取り付けることによ
って、このスリット成形部材10の下側に形成されてい
る。

そして、上記シャッタ９は、ディスクカートリッジ１の
不使用時には、ケース２の内部に設けた連動機構（図示
せず）により、第３図の矢印ａ方向に摺動させられるの
で、その一対の孔閉塞板部9aにより、ケース２の上下両
面4,5にそれぞれ形成されているターンテーブル挿入孔
６及び開口部７を閉塞する。また、使用時にはシャッタ
９はケース２内の連動機構により反矢印ａ方向に摺動さ
せられるので、ディスクプレーヤのターンテーブル（図
示せず）及び光学ピックアップ（図示せず）をそれぞれ
ターンテーブル挿入孔６及び開口部７に挿入又は臨ませ
て、情報信号の書込み及び／又は読取りを行うことがで
きる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来のディスクカートリッジにおい
ては、第４図に示すように、その使用時ないしは保管時
にシャッタ９の上下一対の閉塞板部9aが自重により撓ん
で、開いた状態から閉塞方向に移動するときにシャッタ
９が開口部７の一側端面に突き当って引っ掛かり完全に
しまらなくなってしまう虞があった。特に、ディスク径
300mmの大径の光ディスクをケース内に収納しているデ
ィスクカートリッジにおいては、ケース２がかなり大き
くなると共にシャッタ９もかなり大きくなって該シャッ
タ９の縦及び横が例えば約230mm及び83mmとなるととも
に、カートリッジ外部に露出されているので、上記の撓
みが発生し易くなる。なお、シャッタ９の閉塞板部9aが
撓んで開口部７のシャッタ閉塞方向の先方に位置する孔
一側端面7aに突き当ってしまい、シャッタ９が完全に閉
まらないと、その隙間よりごみ，塵等がターンテーブル
挿入孔６及び開口部７を介してケース２内に侵入してデ
ィスク３に付着し、これが情報信号の書込み又は／読取
りの不良の原因となる。またシャッタ９の閉塞板部9aが
撓んでしまうと、シャッタ９の端部9bがスリット形成部
材10の下側のガイド用スリット11からはずれてしまうと
いう不都合も生じる。さらに、シャッタ９の孔閉塞板部
9aの撓みは、ディスクカートリッジの外観を悪くしてそ
の商品価値を低下させる。なお、このような欠点を除去
するためには、シャッタ９の板厚を厚くして撓みにくく
すれば良いが、これは加工性あるいは重さの観点から好
ましくない。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、ケース内にディスクが収納されており、少
なくともピックアップが臨む開口部をその少なくとも一
方の面に有し、前記開口部を閉塞する閉塞板部を有する
シャッタが摺動自在に取り付けられているディスクカー
トリッジにおいて、前記開口部を平面形状がターンテー
ブル挿入孔側に向い幅広となる台形状とするとともに少
なくとも一方側端面を所定の傾斜角度を有するテーパ面
としたことを特徴とするディスクカートリッジに係るも
のである。

〔作用〕

この発明に係るディスクカートリッジは上記のような構
成であるので、ピックアップ用の開口部を閉塞するため
のシャッタの孔閉塞板部が閉じるときにディスクカート
リッジの上記開口部の一側端面に突き当って引っ掛かっ
てしまらなくなるということがない。

〔実施例〕

以下、この発明を光ディスクカートリッジに適用した実
施例を図面に基づいて説明する。

なお、以下の実施例に示すディスクカートリッジは、光
学ピックアップが臨む開口部の構造が変更されているこ
とを除いて、第３図及び第４図に示す従来の光ディスク
カートリッジと実質的に同一の構成であるので、同一部
材には同一符号を付して説明する。

ケース20は、第１図に示すように、合成樹脂等により形
成された上ハーフ21と下ハーフ22とからなり、両者はネ
ジ止め等により互いに一体に結合されている。上ハーフ
21と下ハーフ22にはそれぞれ深さ1mm程度でほぼ長方形
の凹部８がこれらのハーフの一側縁に臨むように形成さ
れており、その凹部８内にはターンテーブル挿入孔６及
び光学ピックアップが臨む開口部７が形成されている。
なお、凹部8,ターンテーブル挿入孔６及び開口部７はケ
ース20の上下両面4,5に上下対称的に設けられている。
また、上下一対の凹部８とケース20の一側縁20aとに跨
がるようにほぼコ字形のシャッタ29がその連結板部29c
を摺動部材12にネジ止めすること等によりケース20に取
り付けられている。

上記開口部７は、平面形状が台形状を成すように、すな
わちディスク３の外周側に位置する挿入孔一端71の幅よ
りも、ディスク３の中心方向に位置する挿入孔他端72の
幅の方が広幅となるように開設され、特に上記開口部７
のシャッタ29の閉塞移動時にシャッタ移動方向の先方に
位置する一側縁73は上記一端71側から上記他端72に向い
第１図及び第２図中右方に傾斜している。しかも、上記
一側縁73の挿入孔周壁面となる肉厚部分、すなわち一側
端面73aは前記一端71側の部分は垂直に近く、前記他端7
2側に向かうにしたがって徐々に傾斜角度が大きくなる
ようなテーパ面となっている。

シャッタ29は厚さ約0.3mmのステンレス板により略コ字
形に成形されており、そのターンテーブル挿入孔６及び
開口部７を閉塞する閉塞板部29aが形成されている。

また、シャッタ29の両先端部29bは内側に傾斜してお
り、この両先端部29bをスリット形成部30とその下側の
下方傾斜面24との間に形成されたガイド用スリット25に
挿入させることによりこのシャッタ29がガイドされるよ
うになっている。

ところで、前記開口部７の一側縁73及び一側端面73aの
形状の如く、傾斜し且つテーパ面を有することにより、
シャッタ29の閉塞板部29aが自重により内方にへたりを
生じたり、外圧により内方に反り曲げられていても上記
閉塞板部29aは上記傾斜とテーパ面にならって閉じて行
くことができる。

特に、シャッタ29の連続板部29cに近いところは折り曲
げ部があり剛性が大きく、シャッタ29の先端すなわち自
由端側は揺動しやすい構造となっているが、前記テーパ
面は上記シャッタ29の連続板部29cの自由端側は大きな
傾斜となるように形成している。

上記開口部７が前述のように形成されていることによ
り、シャッタ29の閉塞板部29aが閉塞の途中で上記開口
部７の一側端面に突き当ってもこの一側端面側はディス
クカートリッジの中心方向に向い先広がり状に傾斜する
とともに、この端面自体にテーパ面が形成されているの
で上記閉塞板部29aは引っ掛かりを生ずることなく完全
に閉じられる状態まで移動される。

なお、この発明は光ディスクをケース内に収納した光デ
ィスクカートリッジのみでなく、磁気ディスク，光磁気
ディスク等を収納した他のディスクカートリッジにも広
く適用可能であり、また、上述の実施例のようにディス
クの上下両面を使用する形式のディスクカートリッジの
みでなく、上下面のうち一方の面だけを使用する形式の
ディスクカートリッジにも適用可能である。

〔発明の効果〕

この発明によれば、シャッタの閉塞板部がピックアップ
が臨む開口部の一側端面に引っ掛かってシャッタが完全
に閉まらなくなってしまうことがないので、ごみ、塵等
の侵入を防止することができ、このためにディスクに対
する情報の書込み及び／又は読取り不良を有効に防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの発明を光ディスクカートリッジ
に適用した実施例を示すものであって、第１図は光ディ
スクカートリッジの要部の拡大斜視図、第２図はその平
面図である。 第３図及び第４図は従来の光ディスクカートリッジを示
すものであって、第３図は光ディスクカートリッジの斜
視図、第４図は同上の拡大縦断面図である。 １……ディスクカートリッジ ３……ディスク ６……ターンテーブル挿入孔 ７……開口部 29……シャッタ 29a……閉塞板部 73……一側縁 73a……一側端面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース内にディスクが収納されており、 少なくともピックアップが臨む開口部をその少なくとも
   一方の面に有し、 前記開口部を閉塞する閉塞板部を有するシャッタが摺動
   自在に取り付けられているディスクカートリッジにおい
   て、 前記開口部を平面形状がターンテーブル挿入孔側に向い
   幅広となる台形状とするとともに少なくとも一方側端面
   を所定の傾斜角度を有するテーパ面としたことを特徴と
   するディスクカートリッジ。