JPH0355185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、書込み自在のデイスク（Writable
Disc）と称される光デイスクや光磁気デイスク
の如き記録（書込み）及び再生（読取り）の両方
が可能なデイスクを用いるのに最適なデイスクカ
ートリツジに関するものである。

〔考案の概要〕

本考案は、記録媒体であるデイスクを上下ハー
フからなるカートリツジ内に収納させ、上下ハー
フに設けた上下一対の記録、再生用のヘツド挿入
孔を金属板にて断面ほぼコ形に折曲げ加工された
シヤツターによつて開閉するように構成したデイ
スクカートリツジにおいて、上記シヤツターの上
下一対のコーナー部に傾斜部を折曲げ加工にて対
称状に形成し、これら上下一対のコーナー部の内
側に位置する上記上下ハーフの上下一対のコーナ
ー部には上記傾斜部の傾斜角度より小さな傾斜角
度に面取りされた面取り部を対称状に形成するこ
とにより、シヤツターを上下ハーフに強く押圧さ
せて摺動させることがないようにして、シヤツタ
ーの開閉動作を小さな力で円滑に行えるように
し、また上下ハーフに早期に擦傷が発生しないよ
うにしたものである。

〔従来の技術〕

周知の如く、光デイスクや光磁気デイスクの如
き書込み自在のデイスクは、指紋（油）やゴミ等
の付着があると、記録、再生にエラーを発生し易
いので、従来から専用カートリツジ内に収納して
いる。

第３図は上記書込み自在のデイスクを用いた従
来のデイスクカートリツジを示したものであつ
て、ポリカーボネート樹脂等にて成形されたデイ
スク１がポリカーボネート樹脂等にて成形された
上下ハーフ２，３からなるカートリツジ４内に収
納されている。なお上下ハーフ２，３は外周部で
複数のビス５によるビス止め等によつて上下から
一体に結合されている。そして上下ハーフ２，３
の中央部には円形のターンテーブル挿入孔６が設
けられ、これらの一側部で中央部から外周部にか
けて長方形の光学ヘツド挿入孔７が設けられてい
る。なおこれら光学ヘツド挿入孔７は断面ほぼコ
形をなすシヤツター８によつて開閉されるように
構成されている。そしてこのデイスクカートリツ
ジがデイスクプレーヤーに装着されると、ターン
テーブル挿入孔６内に挿入されたターンテーブル
上にデイスク１が装着されて、このデイスク１が
上下ハーフ２，３の上下ほぼ中間位置に浮かされ
て上下ハーフ２，３に対して非接触状態となると
共に、シヤツター８が開蓋されて光学ヘツド挿入
孔７内に挿入された光学ヘツドがデイスク１に近
接される。そしてターンテーブルによつてデイス
ク１を高速回転しながら光学ヘツドによつてデイ
スク１を半径方向に操作して所望の記録、再生が
行われる。

なお、第３図及び第４図に示す如く、シヤツタ
ー８はステンレス板等の金属板によつて断面ほぼ
コ形に折曲げ加工されたものであつて、長方形状
をなす上下一対の水平板部９とこれらの一端部間
を垂直に連結する垂直板部１０とを一体に有して
いる。そしてこのシヤツター８の両水平板部９は
上下ハーフ２，３の上下外面２ａ，３ａに設けら
れた上下一対の水平な凹所１１内に配置され、垂
直板１０は上下ハーフ２，３の一方の端面２ｂ，
３ｂに設けられた垂直な凹所１２内に配置されて
いる。なお両光学ヘツド挿入孔７は両凹所１１に
設けられている。そして上下ハーフ２，３間で凹
所１２の内側に沿つて水平に架設されたガイド軸
１３にラツク１４が摺動自在に取付けられてい
て、シヤツター８の垂直板部１０がそのラツク１
４に複数のビス１５によるビス止め等によつて固
着されている。またシヤツター８の両水平板部９
の遊端部９ａは内側に一段低く折曲げられてい
て、これら両遊端部９ａは上下ハーフ２，３の両
凹所１１に一段低く設けられた上下一対のガイド
溝１６と上下ハーフ２，３に接着等によつて固着
された上下一対のガイド板１７との間に挿入され
ている。そしてカートリツジ４内のシヤツター開
閉機構（図示せず）によつてラツク１４がガイド
軸１３に沿つて摺動されることによつて、シヤツ
ター８が第３図に実線で示した開蓋位置と１点鎖
線で示した閉蓋位置との間で矢印ａ方向に往復動
されて、両水平板部９によつて両光学ヘツド挿入
孔７が開閉されるように構成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この種従来のデイスクカートリツジで、特に、
直径が30cmの大型のデイスク１を用いるもので
は、次のような問題点があつた。

即ち、大型のデイスクカートリツジではこれに
比例してシヤツター８も大型になり、第５図に示
す如く両水平板部９を垂直板部１０に対して単に
直角θ₁に折曲げ加工しただけでは、その直角θ₁な
上下一対のコーナー部１８の腰が弱くて、充分な
折曲げ精度を出し難い。このため従来のシヤツタ
ー８は、第５図に示す如く上下一対の水平板部９
が垂直板１０に対して直角θ₁な水平基準線Ｐに対
して実線の如く内側（矢印ｂ方向）や１点鎖線の
如く外側（矢印ｃ方向）に曲がつた状態に加工さ
れ易かつた。

しかして、第５図で実線の如く両水平板部９が
内側に曲がつたシヤツター８をカートリツジ４に
取付けた場合には、第４図に実線で示す如く両水
平板部９及びこれらの遊端部９ａが両凹所１１や
両ガイド溝１６の底面に強く押圧されることにな
り、また第５図で１点鎖線の如く両水平板部９が
外側に曲がつたシヤツター８をカートリツジ４に
取付けた場合には、第４図に１点鎖線で示す如く
両遊端部９ａが両ガイド板１７に強く押圧された
り、両水平板部９が上下ハーフ２，３の上下外面
２ａ，３ａの外側に食み出すことがある。そして
このようなものでは、シヤツター８を第４図で矢
印ａ方向に往復動する際の摺動抵抗が非常に大き
くなるので、シヤツター８の開閉動作を小さな力
で円滑に行うことができないばかりか、シヤツタ
ー８の摺動によつて上下ハーフ２，３の両凹所１
１や両ガイド溝１６或いは両ガイド板１７に早期
に擦傷が発生し易い。またシヤツター８の両水平
板部９が上下ハーフ２，３の上下外面２ａ，３ａ
の外側に食み出すようなことがあると、デイスク
プレーヤー内でのシヤツター８の開閉動作に故障
が発生したり、両水平板部９が他物に容易に衝突
して変形し易い。

またこの種デイスクカートリツジは、第３図に
矢印ｄで示したシヤツター８側からデイスクプレ
ーヤー内に水平に挿入されるが、その際第４図に
示す如くシヤツター８の上下一対のコーナー部１
８が直角θ₁に角張つていたために、デイスクカー
トリツジをデイスクプレーヤーに著しく挿入し難
かつた。

本考案は、金属板にて断面ほぼコ形に折曲げ加
工されたシヤツターの上下一対のコーナー部の腰
を強くしてその折曲げ精度を向上させる一方、そ
の折曲げ精度が多少悪くてもシヤツターの開閉動
作時における摺動抵抗を小さくすることができる
デイスクカートリツジであり、またデイスクプレ
ーヤーに挿入し易いデイスクカートリツジを提供
しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、記録媒体であるデイスクを上下ハー
フからなるカートリツジ内に収納させ、上下ハー
フに設けた上下一対の記録、再生用のヘツド挿入
孔を金属板にて断面ほぼコ形に折曲げ加工された
シヤツターによつて開閉するように構成したデイ
スクカートリツジにおいて、上記シヤツターの上
下一対のコーナー部に傾斜部を折曲げ加工にて対
称状に形成し、これら上下一対のコーナー部の内
側に位置する上記上下ハーフの上下一対のコーナ
ー部には上記傾斜部の傾斜角度より小さな傾斜角
度に面取りされた面取り部を対称状に形成したこ
とを特徴とするデイスクカートリツジである。

〔作用〕

本考案は、第１図に示す如く、シヤツター８の
上下一対のコーナー部１８に折曲げ加工にて対称
状に形成した上下一対の傾斜部２１によつて、そ
のコーナー部１８の腰を強くしてその折曲げ精度
を向上させたので、両水平板部９が垂直板部１０
に対して直角状に正確に折曲げられて、両水平板
部９が上下ハーフ２，３と平行な水平状になる。
またシヤツター８の上下一対のコーナー部１８に
対して上下ハーフ２，３の上下一対のコーナー部
２２が充分に逃げているので、シヤツター８の折
曲げ精度が多少悪くなつても、両水平板部９及び
両遊端部９ａが上下ハーフ２，３の両凹所１１や
両ガイド溝１６或いは両ガイド板１７に強く押圧
されることがない。従つて、シヤツター８を第２
図で矢印ａ方向に開閉動作する際のシヤツター８
の摺動抵抗が小さくて、シヤツター８を小さな力
で円滑に開閉することができる。そしてシヤツタ
ー８の摺動によつて上下ハーフ２，３の両凹所１
１や両ガイド溝１２或いは両ガイド板１７に早期
に擦傷が発生することがない。またシヤツター８
の両水平板部９が上下ハーフ２，３の上下外面２
ａ，３ａの外側に食み出すことがないので、デイ
スクプレーヤー内でのシヤツター８の開閉動作を
確実に行えると共に両水平板部９が他物に容易に
衝突して変形されることもない。またシヤツター
８の上下両コーナー部１８に傾斜部２１が対称状
に形成されているので、デイスクカートリツジを
第２図に矢印ｄで示したシヤツター８側からデイ
スクプレーヤー内に水平に挿入し易い。

〔実施例〕

以下、本考案を光デイスクや光磁気デイスク等
の書込み自在のデイスクを用いたデイスクカート
リツジに適用した一実施例を第１図及び第２図に
よつて説明する。なお第３図〜第５図に示した従
来例と同一構造部には同一の符号を付してその説
明を省略した。

本考案は、前記シヤツター８の上下一対のコー
ナー部１８に夫々傾斜角度θ₂の傾斜部２１を折曲
げ加工によつて対称状に形成して、その両コーナ
ー部１８の腰を強くすることにより、断面ほぼコ
形に折曲げ加工されたシヤツター８の折曲げ精度
を向上させている。

また本考案は、シヤツター８の上下一対のコー
ナー部１８の内側に位置する上下ハーフ２，３の
上下一対のコーナー部（両水平な凹所１１と垂直
な凹所１２とのコーナー部のこと。）２２には両
傾斜部２１の傾斜角度θ₂より小さな傾斜角度θ₃に
面取りされた面取り部２３を対称状に形成して、
上下ハーフ２，３の両コーナー部２２をシヤツタ
ー８の両コーナー部１８に対して充分に逃がして
いる。

なお、シヤツター８の両水平板部９にその外形
にほぼ沿つた長方形状の凸部２４を折曲げ加工し
て、その両水平板部９の水平精度を高めている。
また上下ハーフ２，３の上下外面２ａ，３ａと一
方の端面２ｂ，３ｂとの上下一対のコーナー部に
も面取り部２５を形成している。

以上述べた本考案の実施例における作用は、前
記〔作用〕の項で述べたので省略する。

以上、本考案の一実施例に突き述べたが、本考
案は実施例に限定されることなく、本考案の技術
的思想に基づいて各種の有効な変更が可能であ
る。

例えば、本考案に用いるデイスクは両面記録の
デイスクでなくても、片面記録のデイスクであつ
ても良い。

また、シヤツター８はステンレス板以外の金属
板で折曲げ加工したものでも良い。

また本考案は、光デイスクや光磁気デイスクの
如き書込み自在のデイスクを用いるものに限定さ
れることなく、各種の記録及び／又は再生用のデ
イスクを用いる各種のデイスクカートリツジに適
用可能である。

〔考案の効果〕

本考案は、シヤツターの開閉動作を小さな力で
円滑に行うことができる上に、シヤツターの摺動
によつて上下ハーフに早期に擦傷が発生すること
がない。またデイスクプレーヤー内でのシヤツタ
ーの開閉動作を確実に行え、シヤツターが他物と
容易に衝突して変形されることもない。またデイ
スクカートリツジをシヤツター側からデイスクプ
レーヤー内に挿入し易い。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案のデイスクカートリ
ツジの一実施例を示したものであつて、第１図は
要部を示した第２図−線断面図、第２図はデ
イスクカートリツジ全体の斜視図である。第３図
〜第５図はデイスクカートリツジの従来例を示し
たものであつて、第３図はデイスクカートリツジ
全体の斜視図、第４図は第３図−線断面図、
第５図はシヤツターの断面図である。 なお図面に用いた符号において、１……デイス
ク、２……上ハーフ、３……下ハーフ、４……カ
ートリツジ、７……光学ヘツド挿入孔、８……シ
ヤツター、１８……コーナー部、２１……傾斜
部、２２……コーナー部、２３……面取り部、で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 記録媒体であるデイスクを上下ハーフからなる
   カートリツジ内に収納させ、上下ハーフに設けた
   上下一対の記録、再生用のヘツド挿入孔を金属板
   にて断面ほぼコ形に折曲げ加工されたシヤツター
   によつて開閉するように構成したデイスクカート
   リツジにおいて、 上記シヤツターの上下一対のコーナー部に傾斜
   部を折曲げ加工にて対称状に形成し、これら上下
   一対のコーナー部の内側に位置する上記上下ハー
   フの上下一対のコーナー部には上記傾斜部の傾斜
   角度より小さな傾斜角度に面取りされた面取り部
   を対称状に形成したことを特徴とするデイスクカ
   ートリツジ。