JPH0682462B2 - 磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスクの製造方法

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JPH0682462B2
JPH0682462B2 JP62201765A JP20176587A JPH0682462B2 JP H0682462 B2 JPH0682462 B2 JP H0682462B2 JP 62201765 A JP62201765 A JP 62201765A JP 20176587 A JP20176587 A JP 20176587A JP H0682462 B2 JPH0682462 B2 JP H0682462B2
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film
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magnetic disk
sputtering
carbon film
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好範 本田
雄一 小角
諒 鬼頭
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気ディスクの製造方法にかかわり、特に、薄
膜磁気ディスクの保護膜として好適なスパッタカーボン
膜を形成した磁気ディスクの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来から、薄膜磁気ディスク用の保護膜としてスパッタ
カーボン膜が検討されていることは広く知られている。
従来法では、ターゲット材として、カーボン粉体とピッ
チ、タールなどの粘結剤を練り合わせ、高温高圧下でグ
ラファイトを成長せしめた多結晶グラファイト(アモル
ファスなものを含む)のターゲットを使用している。ま
た、原料としてメソフェーズのグラファイト微粒子を用
い、高温高圧下で固溶せしめたものなどもある。しかし
ながら、これらのターゲットは、必ずグラファイトのグ
レイン間に空孔ができ、密度も1.6g/cm3〜1.95g/cm3
度で、単結晶グラファイトの2.3g/cm3には及ばない。さ
らに、製法によって異方性になったり等方性になったり
する。
カーボン膜のスパッタ用ターゲットに従来のターゲット
を用いた場合、スパッタ中にターゲット内の空孔から残
留ガスの放出が生じ、アーク発生の原因となる。また、
ターゲット中に空孔があるため、ターゲットの比表面積
は非常に大きく、特に大気中放置でO2や水などの吸着が
生じるため、これらがスパッタ中に放出されて、スパッ
タカーボン膜質へ影響を及ぼす危険性が大きい。さら
に、ターゲットのグラファイト結晶の性質(方向、大き
さ、結晶性など)が一様でないため、スパッタに際して
ターゲットのスパッタ効率が場所により異なって凹凸が
でき、これによりターゲット表面で電位差が生じる。こ
のため、ごみ等の汚染物質の付着が生じ、付着したごみ
等がアーク発生やスパッタ膜中への飛散などの原因とな
っている。
ターゲットに関して以上述べたような現象が生じること
は、スパッタカーボン膜の不均一性、ピンホールの増
加、ごみを内包した欠陥、ごみやスプラッタに起因する
膜の付かないピットなどの発生、カーボン膜表面への付
着物の発生などに影響してくる。従って、このような表
面をもったディスク上でヘッドを浮上させると、ヘッド
が安定に浮上せず、クラッシュ(ディスク面上のきず発
生、またはヘッドスライダ面のきず発生)が生じたり、
特に浮上量が0.2μm以下では安定な浮上が難しくな
る。これらの問題のほか、ターゲット表面が汚れたり、
あれたりすることで、スパッタカーボン膜の密度が著し
く低下(従来法では、1.4g/cm3〜1.8g/cm3)するなど、
スパッタカーボン膜の特性が悪くなることは逆にターゲ
ットの寿命にも反映するため、早期に交換が必要となる
可能性も高い。
なお、この種の磁気ディスク用保護膜に関連した文献と
して、例えば、特開昭59−213030号公報、ジャーナル
オブ アプライド フィジックス、第55巻、第6号、19
84年、2254−2256頁(J.Appl.Phys.,Vol.55,No.6,1984,
pp.2254−2256)、日本潤滑学会第30期春季研究発表会
予稿集の第69頁から第72頁に記載の三宅らによる「炭素
系硬質潤滑膜」等が挙げられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は、上述したように、スパッタカーボン膜
の形成に用いるターゲットの材料、密度、気孔率、純度
などの点について配慮がされておらず、そのため前記し
た問題点、すなわちスパッタカーボン膜の欠陥、ごみの
付着、ピンホールの発生、スパッタカーボン膜の密度の
低下などの問題があった。
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、ヘッドの低浮
上、安定浮上性の確保を実現しうる高信頼性の磁気ディ
スクの製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、ターゲット材として単結晶グラファイトを
用いることにより、達成される。
単結晶グラファイトは、従来用いられている焼結品(多
結晶品)に比べ、密度が最も高く、気孔率は0%、構造
欠陥も0%で、電気的安定度が高く(厚さ方向、長手方
向共)、熱的安定性も高いなどの性質がある。これら
は、スパッタリングを行う上で重要である。すなわち、
密度が高いことは、吸蔵ガスが非常に少なく、スパッタ
中にArガス等のガスが入り込みにくいことにつながるた
め、スパッタリングで形成された膜の密度の低下がな
く、膜物性に変動が少ないばかりか、異常放電がなくな
るなどの利点がある。気孔率も、密度と同様な理由で小
さい方が良い。構造欠陥は、膜質、膜構造、分布の差と
なって影響が現われるため、ない方が良い。電気的安定
度および熱的安定度は、電流電圧に変動を及ぼすこと、
ターゲット材が逐次変化することから、成膜された膜の
膜厚、膜質の変動となって現れるため、安定度が高い方
が良い。従って、電気的安定度および熱的安定度の高い
単結晶グラファイトをターゲットに用いることにより、
本発明の目的である、スパッタカーボン膜の欠陥、ごみ
の発生、付着、ピンホールの発生などの問題を解決で
き、ヘッドの低浮上、安定浮上性の確保を実現すること
ができる高信頼性の磁気ディスクを得ることができる。
〔作用〕
上記のようにターゲット材として単結晶グラファイトを
用いることにより、ターゲットの密度が2.38g/cm3、空
孔が0%になり、残留ガス(吸蔵ガス)の放出や異常放
電の発生が抑えられる。また、ターゲットの比表面積は
常に一定で小さく、O2、H2Oなどの吸着はごく表面だけ
となり、吸着ガスのスパッタカーボン膜質への影響は最
小限にできる。さらに、ターゲットのグラファイトが単
結晶のため、どこの面をとっても一様であり、部分によ
るスパッタ効率の差がなくなる。これにより、ターゲッ
ト表面の電位差はなくなり、汚染物質の付着、付着した
ごみ等による異常放電、これら物質のスパッタ膜中への
飛散などがなくなる。その結果として、スパッタカーボ
ン膜の不均一性、ピンホールの増加、ごみを内包した欠
陥、ごみ、スプラッタなどによる膜の付かないピットの
発生、ターゲット表面および膜表面の発塵などを極度に
減少させることができる。
以上の問題を解決することで、密度が高く安定したスパ
ッタカーボン膜が得られる。従って、本発明によれば、
低浮上、安定連続浮上が可能な信頼性の高い磁気ディス
クが作成できる。
第2図は本発明の製造方法により作成された磁気ディス
クの断面を示したもので、アルミニウム基板9の上に下
地層10を形成した後、その上に磁性層11を形成したもの
の上に、単結晶グラファイトをターゲットとしてスパッ
タリングにより形成されたカーボン膜からなる保護層12
を有している。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1図は実施例のスパッタカーボン膜の成膜に用いたス
パッタリング装置の要部を示した概略構成図である。同
図に示すごとく、チャンバ1内に、ターゲット3(本発
明では単結晶グラファイト)を取り付けた電極2と、基
板6を取り付け回転させる基板電極5と、さらに膜厚制
御のためのシャッタ4とを設け、真空排気のための排気
系8およびスパッタリングガス導入用のガス導入バルブ
7を有する装置を使用した。成膜に際しては、まず磁性
層までを形成した基板6を基板電極5上に取り付け、排
気系8によりチャンバ1内を1×10-6Torr以下の真空度
に排気する。次に、Arをガス導入バルブ7を経てチャン
バ1内に導入し、ガス圧力が1〜50mTorrの任意のガス
圧力になるように流量をコントロールする。次に、ター
ゲット3を取り付けた電極2に電圧を印加することで放
電を生じさせ、シャッタ6を開いて、基板6上に所定の
膜厚となるまでスパッタリング成膜を行う。このとき、
膜の均一性を高めるために基板電極5を回転させてお
く。所定の膜厚に達したら、シャッタ4を閉め、放電を
止め、ガス導入バルブ7を閉め、いったんチャンバ1内
を排気系8で排気を行った後、チャンバ1を大気開放
し、磁気ディスクとなった基板6を取り出す。以上が膜
形成における手順であり、いずれのサンプルにおいても
同様である。
なお、本実施例においては、スパッタの手法としてDCマ
グネトロンスパッタ法を用いたが、カーボンの場合、RF
スパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法など種々のスパ
ッタ手法が可能であるため、上述の手法に限るものでは
ない。また、本実施例では、発塵、異常放電等を問題視
するのに対し、ターゲットをある程度使用した後でない
とターゲット材の差が明瞭に表われてこないため、シャ
ッタ4を閉めた状態で約10時間のプレスパッタを行って
から成膜した。
本実施例では、ターゲット材として、単結晶グラファイ
ト(CVD法にて成長させた人工結晶)、純度5N以上、密
度2.2g/cm3〜2.3g/cm3、面内比抵抗10〜20μΩ・cmのも
のを用いた。また、本発明との比較のため行った比較例
では、一般に市販されている多結晶グラファイト(焼結
品:高純度化学社製)、純度5N、密度1.85g/cm3、面内
比抵抗800〜1000Ω・cmのものを用いた。
評価方法としては、スパッタリング後のディスク上の異
物の数、ピンホールの数、ヘッドを浮上させた場合のヘ
ッドへの付着物の量の多少、連続低浮上後のディスク面
のキズ、よごれの状態観察、乾燥重量法による密度の測
定を行い、また、耐摺動性の評価として、耐CSS性の評
価も行った。この評価の結果を次表に示す。
なお、表中の連続低浮上におけるhf=0.10μmは、ディ
スク表面からヘッドが浮上しているフライング・ハイト
(flying・Hight=hf)の量を示したのであり、通常の
浮上量の約1/2程度で行い、ヘッドとディスクの接触が
生じている領域における耐摺動性の評価の目安としてい
る。
この表から、本発明の製造方法により作成された磁気デ
ィスクは、ディスク上の異物の数、ピンホールの数、ヘ
ッドへの付着物の量がいずれも少なく、連続低浮上後の
ディスク面のよごれ、キズ共になく、耐CSSも良好で、
膜密度も1.90g/cm3〜2.2g/cm3と大きいという優れた特
長を有することがわかる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、従来法に比べ、ディスク面上の異物、
欠陥を大幅に低減でき、安定したディスクの供給が可能
となるので、高信頼性の磁気ディスクを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例のスパッタカーボン膜の成膜に
用いたスパッタリング装置の概略構成図、第2図は本発
明の製造方法により作成された磁気ディスクの断面図で
ある。 符号の説明 1……チャンバ、2……電極 3……ターゲット、4……シャッタ 5……基板電極、6……基板 7……ガス導入バルブ、8……排気系 9……アルミニウム基板、10……下地層 11……磁性層、12……保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に磁気記録層が設けられ、さらに該
    磁気記録層上に保護膜が設けられる磁気ディスクの製造
    方法において、該保護膜として、単結晶グラファイトを
    ターゲットとしてスパッタリングにより形成されたカー
    ボン膜を用いることを特徴とする磁気ディスクの製造方
    法。
JP62201765A 1987-08-14 1987-08-14 磁気ディスクの製造方法 Expired - Lifetime JPH0682462B2 (ja)

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JP62201765A JPH0682462B2 (ja) 1987-08-14 1987-08-14 磁気ディスクの製造方法

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JPS6446221A JPS6446221A (en) 1989-02-20
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US5932302A (en) 1993-07-20 1999-08-03 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for fabricating with ultrasonic vibration a carbon coating
JP5250321B2 (ja) * 2008-07-04 2013-07-31 昭和電工株式会社 炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法並びに炭化珪素単結晶の製造方法

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